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西山学報 07 (19341215) 02廣瀬 觀友「聖光上人の淨土教」

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(1)

                一   馨 光 上 人 の 事

  聖 光 上 人 は 法 然 門 下 に 於 け る 鎭 西 義 の 流 租 で あ つ て 、 十 四 歳 の 時 觀 音 寺 に 於 て 出 家 し 、 後 白 巖

唯 心 、 明 星 寺 の 常 寂 に 歴 事 し て 天 台 を 學 ん で 居 た が 、 更 に 志 を 立 て 叡 山 に 登 り 、 東 塔

谷 の 觀 叡 法 橋 の 室 に 投 じ た の が 、 二 十 二 歳 の 春 で あ つ た o つ い で 法 然 上 人 の 同 法 で あ る 、 寶 地 房 證 其 に 事 へ て 天 台 の 秘 奥 を 研 め た 。 二 十 九 歳 の 春 、 學 成 り 業 卒 へ て 故 郷 の 筑 前 に 歸 り 、 油 山 の 學 頭 こ な つ て 盛 ん に 講 席 を

つ て ゐ た が 、 三 十 三 歳 の 時 、 舍 弟 の 三 明 房 が 絶 息 や 丶 久 し う し て 、 蘇 生 せ る を 目 鑿 し 、 頓 に 世 間 の 無 常 を さ ご っ て 今 生 の

利 を 捨 て 、 ひ だ す ら 後 世 の 菩 提 を 求 め て 居 た o 遇 々 明 星 寺 の 衆 徒 が 久 し く 頽 廢 せ る 三 層 の 塔 を 復 興 せ む ご し て 、 聖 光 を そ の 願 主 に 仰 が ん こ ご を 請 ふ た の で 、 師 は そ の 請 を 容 れ て 廣 く 諸

を 勸 進 し 、 漸 く

の 再 建 も 竣 工 し た の で 、 其 本 茸 を 迎 へ る 爲 め に 上 洛 し だ の は 三 十 六 歳 の 時 で あ つ た o   處 で 条 て よ り 法 然 上 人 の 暦

を 聞 知 せ る 聖 光 は 、 本 曾 の 出 來 あ が る を 待 つ 間 の 一 日 、 法 然 上 人 を 庵 室 に 訪 ふ て 三 重 の 念 佛 を 聞 く に 及 び 、 立 ち ざ こ ろ に 信 解 し て 淨 土 の 法 門 に 歸 入 し 、 夫 よ り 三

月 の 聞 は 暫                                                                      一 三                                                                       賊.

(2)

                                                                      一 四 く も 上 人 の 床 下 を 離 れ す し て 、 淨 土 }

の 庭 訓 を う け た が 、 佛 像 も 漸 く 出 寒 上 つ た の で 一 先 づ 筑 前 に 露 つ た o 建

年 二 月 、 乃 ち 三 十 八 歳 の 時 に 三 度 入 洛 し て 法 然 上 人 に 奉 仕 す る こ ご 前 後 六 箇 年 、 寸 陰 を 惜 み て 釋 文 を 研 覈 し 、  一 宗 の 奥

を 悉 く き は め て 、 元 久 元 年 八 月 上 旬 吉 水 の 禪 坊 を 辭 し て 鎭 西 の 故 山 に 歸 つ た Q 時 恰 も 四 十 三 歳 で あ つ た 。 夫 よ り 後 は 專 ら 鎭 西 の 野 に 淨 土 の 法 門 を 布 い て 、 自 行 化 他 の 聖 業 に 從

し て 居 た が 、 嘉 頑 四 年 二 月 二 十 九 日 . 化 縁 の 薪 つ き て 七 十 七 歳 を [ 期 こ し 、 眠 る が 如 く 、 筑 後 の 善 導 寺 で 入 寂 し た 9 而 し て 一 代 の 著 遞 に 左 の 九 部 が あ る 。 九 七 五 三 一 、     D     、     、    1 末 代 念 佛 授 手 印 淨 土 宗 要 集 淨 土 名 目 問 答 知 識 淨 土 論 往 生 修 行 門 一 六 三 一 一 卷 卷 1卷 卷 二 、 四 、 六 、 八 、 徹

 

 

擇   集 念 佛 三 心 要 集 念 佛 名

集 臨 終 用 心 鈔 二 一 三

 

卷 同

 

卷 此

最 も 宗

上 重 要 な る は 『 末 代 念 佛 授 手 印 』 ご 嗣 徹 選 擇 集 』 ε 「 淨 土 宗 要 集 」 ピ の 三 部 で あ つ て 、 殊 に 「 末 代 念 佛 授 手 印 」 は 聖 光 の

十 七 蕨 、 安 貞 二 年 の 多 に 肥 後 の 白 川 往 生 院 に 於 て , 二 十 餘 人 の 衆 徒 ε                                   コ                                                     共 に 四 十 八 夜 の 別 時 念 佛 を 修 し た 折 、 曾 て 注 然 上 人 よ り 相 傳 さ れ た 法 門 の

趣 を 録 し て 末 代 の 疑 惑 を 决 由 る 爲 め に 撰 し だ も の で 、

日 の 證 に 聖 光 の 爾 手 印 が 押 さ れ あ る 所 か ら 『 末 代 念 佛 授 手 印 』 ε 覊 す る の

(3)

で あ る o 次 に 『 徹 選 擇 集 』 は 、 聖 光 が 七 十 六 歳 の 嘉 頑 三 年 に 、 夏 安 居 の 際 昔 吉 水 に 滯 留 し て 親 し く 法 然 上 入 よ り 聽 聞 し た 『 選 擇 集 』 の 義 理 を 逑 べ て 、 そ れ を 助 顯 せ ん が 爲 め に 撰 し た も の で 、 法 然 門 下 に 於 け る 證 室 の 『 選 擇 密 要 択 』 源 智 の 齟 、 選 擇 要 決 』 等 ε 共 に 、 並 び 尊 ば れ る 貴 重 な 撰 述 で あ る 。 更 に 『 淨 土 宗 要 集 』 は 、 聖 光 が 法 然 上 人 よ り 指 授 さ れ た 趣 き を

縁 し て 畳 い た の を 、

日 に 取 出 し て 文 を 案 じ

を 稽 へ 、 以 て 之 を

理 し た も の で 、 嘉 頑 三 年 四 月 二 十 日 筑

の 天 編 寺 に 於 て 二 三 の

弟 に ロ 授 し た の を 、 同 聞 の

阿 良 忠 が 執 筆 せ し も の に し て 、 宗 の 要

を 盡 し 居 る 所 か ら 『 銕 西 宗 要 』 叉 は 『 西 宗 要 』 ε 呼 ば れ

る 。   已 上 の 三 部 は 何 れ も 聖 光 の 淨 土 敷 を 研 究 す る に 最 も 重 要 な る 撰 述 で あ る か ら 、 之 等 の 三 部 を 中 . 恥 ビ し て 、 聖 光 の 淨 土 敷 が い か に 組 織 さ れ 體 系 づ け ら れ て あ る か を

見 し や う ε 思 ふ o 三 重 念 佛 に 就 て   天 台 宗 の

道 こ し て 、 油 山 の 學 頭 に 任 せ ら れ て 居 た 聖 光 が 、 法

上 人 の

下 に 歸 入 し た そ の 動 機 は 三 展

に 奉 安 す る 本 尊 を 迎 へ る 爲 め に 上 洛 し て 、 滯 京 中 の 無 聊 な る ま 〉 に 、 一 日

水 の 庵 室 を 叩 い た の に 始 ま る も の で 、 其 時 の 聖 光 は 元 よ り 法 然 上 人 を 蹄 依 し て 居 な か つ た 。 此 間 の 淌 息 に つ い て は 『 法 然 上 人 行 雌 从 書 』 卷 四 十 亠 ハ に                                                                       一 五                                                                       嘆

(4)

                                                                        一 六   建 久 八 年 吉 水 の 皹 室 に 參 す 。 時 に 上 人 亠 ハ 十 五 、 辨 阿 三 十 亠 ハ な り o ひ そ か に お も は く 、 上 人 の 麹

ふ か   し ご い ふ ε も 、 な ん ぞ わ が 所 解 に す ぎ ん や ご 、 こ 丶 う み に 淨 土 の 樞 健 を た 丶 く o ご 述 べ ら れ て あ る に 徴 し て も 明 白 で あ る 。 既 に 聖 光 の 訪 問 態 度 が 、 注 然 上 人 の 智 解 を 試 ん こ す る に あ る 以 上 、 上 人 の 説 明 も 亦 一 段 ご 、 光 彩 陸 離 た る も の が あ つ た o   上 人 こ た へ て の た ま は く 、 汝 は 天 台 の 學 者 な れ ば 、 す べ か ら く 三 重 の 念 佛 を 分 別 し て き か し め む 。 一   に は 摩 訶 止 觀 に あ か す 念 佛 、 二 に は 往 生 要 集 に す 丶 む る 念 佛 、 三 に は 善 遘 の 立 給 つ る 念 佛 な

b

ε て 、   ズ は し ぐ こ れ を の べ だ ま ふ ○ 文 義 廣 博 に し て

深 遠 な

bo

崙 の い た い き を あ ふ ぐ が ご ε し o 蓬  

の そ こ を の ぞ む に 、 た り o ご o

時 上 入 の 説 に は 『 行 状 雷 圖 』 に 依 る ざ 、 未 の 時 よ り 子 の 時 に 至 る 、 數 尅 に 及 ん だ こ あ る か ら 、 相 當 深 刻 な る 問 答 が か わ さ れ た 事 ご 察 せ ら れ る 。 緒 局 聖 光 は 高 慢 の 鼻 も 挫 け て 渇 仰 の 念 が 油 然 ε 湧 い て 來 た の で あ ら う o こ 丶 に 於 て 彼 れ は 「 凡 夫 解 脱 の 直 路 は 、 淨 土 の 一 門 、 念 佛 の 要 行 に し か ざ り け り ε 信

し て 」 淨 土 門 に 歸 入 す る に 至 つ た の で あ る 。 さ れ ば 三 重 念 佛 の 分 別 に 依 て 淨 土 門 に 轉 向 し た 聖 光 の 念 佛 義 は 、 法

上 人 相

の 善 導 所 立 の 念 佛 に あ る こ ε は 知 ら れ て あ る が 、 然 ら ば 善 導 所 立 の 念 佛 ご は い か な る 意 味 の 念 佛 で あ ら う か 、 流 派 の 異

る に 從 つ て

西 派

の 聖 光 が 唱 導 し た 念 佛 は 、 他 の 派 組 ε そ の 見

を 異 に

る は 云 ふ ま で も な い 。 聖 光 の 『 徹 選 擇 』 ( 淨 全 七

) に は 、 法 然 上 人 の 『 選

集 』 に 「 逡   ’

(5)

  擇 本 願 念 佛 集 L ご 題 さ れ た 、 そ の 題 中 に 三 義 が あ る ε 言 つ て 、 諸 師 所 立 の 念 佛 ご 、 善 導 所 立 の 念 佛 な る   三 重 を 分 別 さ れ て あ る o .     第 一

選 擇 集 之 題 中 。 言 二 念 佛 一 者 是 諸 師 所 立 之 口 稱 念 佛 也 9 故 題 次 行 言 南 無 阿 彌 陀 佛 → 也 。 第 二 本 選     擇 集 之 題 中 o 言 二 本 願 者 是

導 所 立 之 本 願 念 佛 也 o 故

次 行 言 乙 南 無 阿 彌 陀 佛 一 也 。 第 三 本 選 擇 集 之 題                         ゴ     中 、 言 一 選 擇 一

是 然 師 所 立 之 選 擇 念 佛 也 。 故 題 次 行 言 二 南 無 阿 彌 陀 佛 一 也 。 是 故 本 選 擇 集 之

o 難     有 」 三 重 念 佛 之

[ 。 倶 非 一 觀 念 之 念 佛 唯 是 口 稱 念 佛 也 。             ・     第 一 の 諸 師 所 立 の 念 佛 ε 云 ふ は 、 所 謂

物 隨 」 の 念 佛 で あ る 。 諸 行 ε 念 佛 こ の 間 に 、 未 だ 勝

を 認 め 7   ざ る 、 乃 ち 念 佛 ご 諸 行 ご を 同 價 値 に 扱 は ん ε す る も の で 、 善 堪 大 師 の 如 き 、 兩 者 の 間 に 正 行 雜 行 を 分 別   し た

b

、 或 は 正 行 の 中 に 正 定 業 ご 助 業 ε を 分 判 し た 念 佛 ご は 蓮 っ て 、 諸 行 を 修 す る ご 同 じ 心 持 ち で 唱 ふ   る 念 佛 を 指 す の で あ る 。 良 忠 の 『 决 疑 鈔 』 ( 淨 全

ト 从

Q

) に     言 「 念 佛 一 者 萬 行 隨 一 念 佛 也 Q 是 當 二 諸 帥 所 立 念 佛 義 ℃ 未 『 分 別 正 雜 助 正 】 故 o   ξ 註 さ れ て あ る の が 即 ち 夫 れ で あ る 。 惟 ふ に 聖 光 が 念 佛 に っ い て 三 重 の 分 別 を 行 つ た そ の 源 は 前 に も 辯   じ た 如 く 、 師 が 初 め て 吉 水 の 禪 室 を 叩 い た 時 に 、 法 然 上 人 よ り 三 重 の 念 佛 を 説 示 さ れ た 夫 れ に 導 か れ た   も の で 、

こ 、 に 諸 師 所 立 の 念 佛 ざ 云 ふ は 、 法 然 上 人 の 所 謂 摩 訶 止 觀 の 念 佛 に 該 當 す る も の で 、 天 台 で   は 止 觀 の 行 を 修 す る 助 縁 こ し て 佛 の 名 號 を 稱 す る 駈 か ら 、 諸 師 所 立 の 口 稱 念 佛 を 擧 げ た も の こ 考 へ ら れ                                                                         一 七

(6)

                                                                      一 八 る 。 第 二 の

導 所 立 の 念

云 ふ は 、

選 擇 』 ( 淨 全 七

に 依 る ご 、

の 念 佛 を 撮 す の で あ る   但 於 一 念 佛 → 亦

二 種

者 觀 行 念 佛 。 二 者 栴 名 念 佛 Q

善 導 意 Q 全

一 觀 行 之 念 佛 弔 但 是 稱 名 之 念 佛 。 ご あ る に 見 て も 、 毫 頭 疑 ひ の な き 所 で あ る o そ の 理 由 は 、 釋 奪 が 阿 難 に 之 を 付 屬 し て 、 遐 代 に 流 通 せ し め 給 ふ ば か り で な く 、 彌 陀 の 本 願 に 誓 は せ ら れ て あ る 以 上 、 口 稱 の 念 佛 を 以 て 往 生 疑 ひ な き も の ε 、 斷 定 を 下 し て 居 る が 、 爰 に 至 っ て 同 じ 臼 稱 の 念 佛 で も 、 觀 行 の 助 縁 に 修 す る 諸 師 所 立 の 念 怖 ご 、 釋 尊 の 付 屬 、 本 願 の 誓 文 に 照 し て 稱 ふ る 善 導 所 立 の 念 佛 ご は 。 稱 ふ る も の 》 心 理 状 態 に 自 つ か ら 異

b

あ る は 明 か で あ る o こ れ 聖

が 『 選 擇 集 』 の 題 中 で あ る 「 本 願 」 の 二 宇 を 口 稱 の

號 に 致 し て 、 善 導 所 立 の 念 佛 ε 分 別 し だ 所 以 で あ る o 第 三 に 然 師 所 立 の 念 佛 ご 云 ふ は 、 ロ 稱 の 念 佛 を 以 て 本 願 の

交 こ せ ら れ た 理 由 を 法 然 上 人 は 『 無 量 壽 經 』 の 説 相 に 索 め て 、 之 を 『 選 擇 集 』 の 上 に 二 百 { 十 億 の 諸 佛 の 願 行 中 よ り 「 選 擇 」 し 給 へ る 本 願 で あ る か ら ご 釋 さ れ て あ る 。 之 に 依 て 選 擇 集 の 題 中 に 、 選 擇 の 二 宇 を 冠 し た も の で あ る ご 云 ふ の で あ つ て 、 念 佛 に は 以 上 の 三 重 が あ る に し て も 、 孰 れ も 口 稱 の 念 佛 に 極 ま る ご 云 ふ の で あ る が 、 然 師 所 立 の 念 佛 が 、 善 導 所 立 の 念 佛 を 相 承 す る に あ る 以 上 、 聖 光 の 傳 ふ る 念 佛 が 、 善 導 所 立 の 念 佛 に あ る

は 云 ふ ま で も な い o 」 ・ 善

立 の

(7)

  既 に し て 聖 光 の 傳 ふ る 念 佛 が 、 法 然 上 人 相 承 の 善 導 所 立 の 念 佛 に あ る 巴 す る な ら ば , 先 づ 研 究 の

序 ご し て 、 注 然 上 人 の 念 佛 義 を 檢 討 し 、 次 に 善 導 大 師 の 念 佛 を き は め て 、 夫 れ が 正 し く 聖 光 上 人 に 慱 へ ら れ て 居 る か 否 か を

議 す る 必 要 が あ る 。   由 來 佛 敖 殊 に 我 が 淨 土 敷 に 於 て は 、 高 組 や 宗 祀 の 撰 述 に 欝 す る 塲 合 、 之 を 詛 述 す る に 當 っ て 自 分 の 味

や 體 驗 に 訴 へ て 、 之 を 高

や 宗 祀 の 撰 逑 に 照 し 、 更 に 夫 れ を 言 行 の 止 に 稽 へ て 、 高 祗 や 宗 祀 の 淨 土 敷 は 「 斯

£

る も の 」

し た が 抑 も 流 派 の 外 岐 す る 駈 以 で あ る 。 夫 故 二 個 や 三 個 の 論 釋 述 義 を 捕 へ て 、 我 派 の 敷 義 は 此 文 に 契 合 す る か ら 、 夫 れ で 高 租 や 宗 租 の

精 紳 を 相 承 し 居 る な ご 誇 張 し て 、 他 を 邪 義 扱 い す る は 、 噌 全 く

外 不 邁 の 僻 論 で あ つ て 、 た v に 識 者 の

蹙 を 招 く ば か り で な く 、 星

の 夙 に 誡   む る 所 で あ る o も し 夫 れ 淨 土 各 派 の 敖 義 信 條 を 高 祀 や 宗 租 の 撰 邇 に 索 む る な ら ぽ 、 夫 に 契 合 す る 文 字 あ る は 動 か す べ か ら ざ

で あ つ て . 要 は 夫 れ を 呼 得 し 體 驗 し て 我 が

活 を 打 建 て た 所 に 、

聖 の 眞 精 坤 か 躍 如 ε し て 相 傅 さ れ て 居 る の で あ る 。 さ れ ば 善 導

立 の 念 佛 が 、 口 稱 の

號 に あ る ε 圭 張 す る 聖 光 の 淨 土 敷 は 、 經 釋 の 何 文 に 根

し て 居 る か を 檢 討 す る 必 要 に 逍 ま ら れ る Q ま つ 經 文 に 就 て 云 へ ば 、 聖 光 の 『 淨 土 宗 要 集 』 ( 淨 全 +

) に は 、 淨 土 の 三 部 經 た る 『 雙 觀 經 』 ε 『 阿 彌 陀 經 』 ビ 『 觀 經 』 の 中 に 、 夫 々 ロ 稱 の 一 行 を 勸 む る 明 文 の あ る

を 、 次 の 如 く 指 摘 し て 居 る Q   善 導 和 爾 極 二 淨 土 底 弔 悟 二

念 佛 源 門 之 時 ○ ロ バ 念 佛 行 也 、 悟 得 給 事 o 雙 觀 經 文 Q 一 向 専 念 彌 陀 佛 云 顯 。                                                                       一 九 ヒ

(8)

                                                                    二 Q   阿 彌 陀 經 爲 レ 侖 レ 離 一 難 レ 離 生 死 の 南 無 阿 彌 陀 佛 云 } 法 説 給 り 觀 經 定 散 三 輻 行 。 各 別 離 レ 説 巨 之 Q 未 來 流 逋   阿 難 付 屬 之 時 u 以

陀 名 號 付 二 屬 之 一 給 Q 蛇 足 の や う で は あ る が 一 應 こ の 引 丈 に 就 て 説 明 す れ ば 、 『 雙 觀 經 』 の 文 に

向 專 念 彌 陀 佛

L ご 云 ふ は 『 無 量 壽 經 」 の 下 卷 に 、 各 機 類 の 異 つ た 上 中 下 の 三 輩 が 、 共 に 一 向 専 念 無 量 壽 佛 に 依 て 、 彼 國 に 生 煙 ん ご 願 す る こ ご が 明 さ れ て あ り 、 叉 『 彌 陀 經 』 に は 、 名 號 を 執 持 す る こ ε 、 一 日 乃 至 七 日 一 心 不 亂 な れ ば 其 人 命 絡 の 時 に 臨 ん で 、 阿 彌 陀 佛 が 諸 の 聖 衆 ご 倶 に 、 其 前 に 現 じ た ま ふ こ ご が 説 か れ て あ り 、 更 に 『 觀 經 』 に は 、 正 宗 分 に 定 散 二 善 が 説 か れ て あ る に 拘 は ら す 、 流 通 分 に は 阿 難 に 對 し て 無 量 壽 佛 の 御 名 を 持 つ べ き こ ご を 付 屬 し た ま ふ て あ る ご 云 ふ の で あ る が 『 雙 觀 經 』 の 三 輩 に 説 か れ て め る

念 無 量                                                       コ 壽 佛 L や 、 叉 口 、 觀 經 』 の 流 邁 分 に 示 さ れ て あ る 「 汝 好 持 是 語 」 の 丈 を 口 稱 の

號 の 意 に 解 し た

に 、 聖 光 の

土 敷 が 築 か れ て あ る の で あ る 。 而 し て 之 を 善 溥 大 師 の 釋 文 に 求 む る な ら ば 『 觀 念 注 門 』 に は   又

經 下 卷 初 云 、 佛 説 二 切 衆 生 根 性 不 レ 圃

上 中 下 一 、 隨 二 其 根 性 一 、 皆 勸 専 念 二 無 量 壽 佛 一 、 其 人

欲 レ   繆 時 、 佛 與 二 聖 衆 一 自 來 迎 接 、 盡 得 二 往 生 一 、 ε 言 ひ 、 叉 『 散 善 義 』 に は   從 二 佛 告 阿 難 汝 好 持 是 語 一 已 下 、 正 明 下 付 二 屬 彌 陀 名 號 一 、 流 中 逋 於 遐 代 上 、 、 上 來 離 . 説 定 散 兩 門 之 盆 一 、 望 二   佛 本 願 → 意 在 三 衆 生 一 向

稱 二 彌 陀 佛 名 一 、

(9)

ご あ る 點 よ よ り 考 察 す る ε . い か に も 口 稱 の

號 の 意 に 解 せ ら れ る が 、 こ 丶 が 、 乃 ち 宗 學 的 異 解 の 存 す る 所 で あ つ て 佛 體 即 行 を 根 基 こ し て 、 三 心 發 得 の 當 下 に 即 便 往 生 の 釜 を 談 る 、 西 山 の 共 許 せ ざ の 所 以 を 辨 別 す る 必 要 が あ る ・   斯 樣 に 聖 光 は 三 部 經 の 明 文 寵 、 善 導 の 釋 義 に 基 い て 、 口 稱 の 名 號 を 善 導 所 立 の 念 佛 ご 决 定 し た が 、 然 ら ば そ の 名 號 に は い か な る 功 徳 が 攝 在 す る か 、 ま た 之 を 稱 ふ る 心 持 ち は 果 し て 如 何 、 こ れ 吾 人 の 最 も 研 究 を 要 す る 所 で あ る o

號 の 功 徳 に つ い て は 『 選 擇 集 』 の 第 三 章 に 示 さ れ て あ る 、 四 智 三 身 十 ヵ 四 無 畏 等 の 一 切 の 内 證 の 功 徳 、 相 好 光 明 説 法 利 生 等 の 一 切 の 外 用 の 功 徳 が 、 悉 く 名 號 の 中 に

在 す る 故 、 名 號                                                               の 功 徳 を 最 も 勝 ご 爲 す ご あ る 説 を 、 聖 光 が 其 ま 丶 依 用 ザ る は 勿 論 で あ つ て 、 曇

遒 綽 の

號 説 ご 、 同 巧 異 曲 な る は 云 ふ ま で も な い 、 善 導 所 立 の 念 佛 を 相

せ る 然 師 の 念 佛 が 、 固 よ ら 試 み の 分 齋 ご し て 釋 さ れ た 、 萬 徳 所 餅 の 名 號 に 止 ま る な ら ば 善 導 大 師 の 古 今 指 定 は 、 全 く 無 意 味 に 絡 る も の ε 云 ふ べ き で あ ら う 。

名 號 を 稱 ふ る 心 持 に 就 て は 、 『 末 代 念 佛 手 印 』 ( 淨 全

八 ) に   心 志

生 念 噌 口 穩 二 南 無 阿 彌 陀 佛 一 ご あ る 如 く 、

度 こ そ は 極 樂 に 往 生 せ ん ご 心 に 念 じ て 、 南 無 阿 彌 陀 佛 ε 稱 ふ る の で あ つ て 、 何 故 稱 ふ れ ば 往 生 が 得 ら れ る か ざ 云 へ ば 、

無 阿 彌 陀 佛 の

に は 上 に 畢 げ た 内 證 外 用 の 功 徳 が 悉 く 攝 在 す る か ら 、 い か な る 悪 業 煩 惱 に も 障 へ ら れ す し て 、 往 生 が 得 ら れ る ご 云 ふ 意 に 解 せ ら れ る ○ 果 し て 然 ら ば 、 彌 陀 は                                                                     一 二                                                                         減

(10)

                                                                    二 一 い か な る 理 由 の 下 に ロ 稱 の 名 號 を 以 て 往 生 の 行 業 こ し た の で あ ら う か 、 更 に 聖 光 の 本 願 論 に 就 て 檢 討 を 試 み や う c 四 四   願

 

 

 

て  

導 所 立 の 念 佛 を 口 稱 の 名 號 ご 主 張 す る 聖 光 の 念 佛 義 は 、 前 に 引 用 し た 『 徹 選 擇 」 ( 淨 全 七 杁 旧 ) の 中 に 「 選 擇 本 願 念 佛 」 の 題 號 を 、 三

に 分 け て 「 念 佛 」 の 二 字 を 諸 師 所 立 の ロ 稱 念 佛 に 配 し 「 本 願 」 の 二 字 を 善 導 所 立 の 本 願 念 佛 ご 判 じ 「 選 擇 」 の 二 字 を 然 師 所 立 の 念 佛 ご 分 け た 所 に 、 聖 光 の 所 謂 善 導 所 立 の 念 佛 な る も の が 、 基 礎 づ け ら れ て あ る 事 が 推 知 さ れ る ゆ 然 ら ば 聖 光 は い か な る 論 據 の 下 に ロ 稽 の 名 號 を 以 て 、 本 願 相 應 の 行 ご 主 張 す る の で あ る か 、 こ れ 吾 人 の 最 も 關 心 を 要 す る 斯 で あ る o 『 徹 選 擇 』 ( 淨 全 七

) に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

,   阿 彌 陀

位 之 昔 其 名 號 一 法 臓 比 丘 「 Q 遇 値   世 自 在 王 佛 之 出 世 「 發

四 十 八 大 願 鱒 然 其 中 於 こ 往 生 行 層 別   立 二 大 願 ℃ 所 謂 第 十 八 念 佛 往 生 願 也 云 々 ざ あ る は 、 四 十 八 願 の 中 で も 特 に 第 十 八 願 を 以 て 念 佛 往 生 の 願 ご 選 定 さ れ た 點 は 、 善 導 大 師 や 法 然 上 人 の 既 に 言 明 さ れ て あ る 所 で あ つ て 、 淨 土 一 門 の 齋 し く 信 受 す る 所 で あ る Q 其 處 で 問 題 は 何 故 に 稱

の 一 行 を 以 て 生 因 の 願 こ せ ら れ た か ご 云 ふ 點 に め る o 之 に 就 て は 『 選 擇 集 』 に 「 聖 意 難 レ 測 不 F

輙 解 一 雖 レ 然

(11)

                                                              し

試 以 三 一

一 解 γ 之 」 ε 言 つ て 、 勝 劣 難 易 の 二 義 を 以 て 読 明 を 試 み ら れ て め る が 、 之 は 譜 行 ε 相 對 し た 一 應 の 説 明 で あ つ て 、 曇 鸞 溢 綽 の 唱 導 し た 念 佛 義 の 程 度 で あ る o 更 に 善 導 一 師 の 主 張 さ る 丶 念 佛

は 夫 れ 以 上 に 考 察 さ れ 洗 練 さ れ た る 内 容 の 存 す る は 必 然 で あ つ て 、 古 今 楷 定 の 面 目 も 亦 こ 丶 に あ る 事 を 見 逃 し て は な ら 瀕 o 然 る に 聖 光 は 試 案 ざ し て 釋 さ れ た 、 勝 劣 難 易 の 二 義 を 其 儘 襲 用 し て 、 之 が い か に も 善 連 所 立 の 念 佛 で あ る か の 如 く 解 し 居 る 所 に 、 鎭 西 敷 義 の 特 色 が あ る の で あ つ て 聖 光 は 稱

念 佛 の 一 行 を 以 て 生 因 の 願 ご 選 定 さ れ た 理 由 を ば 、 次 の 如 く

答 を 設 け て 説 明 し て 居 る 。o   問 此 念 佛 三 味 過 去 諸 佛 之 所 二 譛 歎 一 者 其 義 不 レ 可 レ 然 也 所 以 者 何 Q 稱

念 佛 方 便 法 。 爲 二 淺 智 愚 鈍 一 所 レ 設   之 淺 行 也 。 諸 佛 何 故 捨 レ 深 取 レ 淺 而 讃 二 歎 之 一 耶 ○ 答 念 佛 三 昧 。 帥 是 一 切 菩 薩 淨 佛 國 土 本 願 中 其 一 願 也 ○   然 則 過 去 諸 佛 因 位 之 昔 立 菩 薩 行 ℃ 莊 二 巖 佛 國 土 一 之 時 所 “ 發 悲 願 故 ○ 諸 佛

歎 之 一 歟 。

此 念 佛 三 昧 〇   一 切 如 來 之 所 二 印 可 一 者 其 義 不 レ 可 レ 然 也 。 所 以 何 者 。 稱 名 念 佛 爲 二 淺 機 【 所 レ 敷 之 淺 行 諸 佛 何 故 捨 二 深 行 H   取 淺 行 一 而 印 二 可 之 「 耶 Q 答 所 詮 以 一 衆 生 出 離 之 要 法 】 可 レ 云 深 行 也 し 然 依 二 佛 本 願 力 噌 故 。 衆 生 皆 稱

念   佛 駈 得 往 生 一 豈 有 二 過 レ 此 深 行 一 哉 。 依 『 之 諸 佛 印 可 之 一 歟 o 之 は 『 徹 選 擇 』 へ 淨 全 七 圦 瓧 ) に 出 て 居 る 説 で あ る が 。 獪 『 識 知 淨 土 論 』 ( 淨 全 十 磁 抓 六 ) に も   問 日 法 藏 菩 薩 何 故 以 一 稱

「 爲 一 選 擇 本 願 耶 。 答 日 智 度 論 淨 佛 國 土 品 云 。 是 菩 薩 得 二 阿 耨 多 羅 三 貔 三 菩   提 一 時 十 方 國 土 中 諸 佛 讃 下 歎 衆 生 聞 二 此 佛

一 必 至 崢 阿 耨 多 羅 三 藐 三 菩 提 上 毘 此 是 明 } 菩 薩 淨 佛 國 土 一 也 。                                                                     二 三

(12)

                                                                    二 四   此 交

聞 是 佛

言 可 レ 染 レ 肝 耳 o 是 則 淨 土 淵 底 往 生 之 奥 藏 o 尤 可

心 】 尤 可 二 甘 心 ℃ ご 述 べ て あ る Q 惟 ふ に 淨 佛 國 土 は 一 切 の 菩 薩 に 共 逋 し だ 誓 願 で あ つ て 、 淨 佛 國 土 の 目 的 が 成

衆 生 に あ る ご す れ ば 、 い か に し て 衆 生 を 成 就 す る か ご 云 ふ

が 先 決

題 に な る 。 其 處 で 彌 陀 は 過 去 の 諸 佛 ざ 同 じ く 易 行 易 修 の 稱

念 佛 を 選 擇 し て 、 そ の 生 因 こ し た ま ふ た ご 主 張 す る は あ る ら し く 解 せ ら れ る 。 果 し て 然 ら ば 彌 陀 は 諸 佛 ε 何 等 の 異 り も な い 、 同 一 線 上 の

者 で あ つ て 、 諸 佛 の 別 願 ご 彌 陀 の 別 願 ご は 、 其 問 何 等 の 優 劣 を 認 め て 居 ら ぬ 事 が 推 知 さ れ る 。   次 に

十 八 願 ご 餘 の 四 十 七 願 巴 の 關 係 に 就 て 窺 は ん に 、 鎭 西 で は 良 忠 已 後 に 於 て 種 々 に 分

さ れ て ゐ る が 、 聖 光 に は 固 よ り 左 樣 な 分 類 は な さ れ て あ ら 囎 や う だ 。 四 十 入 願 の 中 で も 聖 光 の 最 も 重 要 覗 し た 願 は 第 十

. 十 八 、 十 九 、 二 十 の 四 願 で あ つ て 、 『

土 宗 要 集 』 ( 淨 全 十 炉 弛 砒 ) に は 第 十

を 咨 嗟

歎 の 願 第 十 八 を 稱 名 往 生 の 願 、 第 十 九 を 寒 迎 の 願 、 第 二 十 を 係 念 定 生 の 願 ご 名 づ け て あ る が 、 右 の 四 願 の 中 で も 第 十 七 願 は 、 法 藏 比 丘 が 願 行 成 就 し て 成 佛 し だ ま ふ 時 、 十 方 の 諸 佛 が 悉 く 之 を 讃 歎 し て 無 量 壽 佛 の

を 稱 揚 せ な か つ た ら 、 正 覺 を 取 ら な い ご 云 ふ

ひ で あ る か ら 、 咨 嗟 稱 歎 ざ 名 づ け る ご 云 ふ の で あ り 、 次 に

十 八 願 を 穩 名 往 生 の 願 ご 云 ふ は コ 觀 念 法 門 』 や 『 往 生 禮 讃 』 に 、 第 十 入 願 の 「 乃 颪 十 念 」 を 「 下 至 十 聲 」 ざ 釋 さ れ て あ る か ら . 稱 名 往 生 の 願 ご 云 ふ の で あ り 、 更 に 第 十 九 願 を 來 迎 の 願 ご 云 ふ は 、 願 文 の ま 、 を 見 れ ば 第 十 入 願 の 「 乃 至 十 念 」 に 次 で 、 第 十 九 願 に は 「 修 諸 功 徳 」 ε あ る か ら 、 餘 行 の 往 生 を

(13)

願 體 ご 爲 す が 如 く 解 せ ら る 丶 も 、 『 淨 土 宗 要 集 』 に  

人 云 修 諸 功 徳 ト 云 ヘ ル ハ 是 レ 諸 行 往 生 ノ 本. 願 二 ・ 7 コ ソ ァ レ   答 是 ヲ 諸 行 往 生 ノ 願 二 取 ラ バ 來 迎 ノ 願   の 何 處 ニ ァ ル ゾ ヤ 故 二 念 佛 往 生 ノ 願 也 此 レ ハ 衆 生 ノ 往 生 セ ン 時 我 レ 迎 ヒ ニ 往 ヵ ソ ト 云 フ 迎 接 ヲ 願 シ 玉   フ 也 修 諸 功 徳 ト 云 フ ヲ 佛 ノ 本 願 ト シ 給 ニ ハ 非 ズ 修 諸 功 徳 ノ 者 ノ 往 生 ス 川 ヲ 來 迎 セ ン ト 云 フ 願 ナ レ バ 來   迎 ヲ コ ソ 願 下 二 立 プ 給 ヘ リ 。 ・ ご あ る 點 よ

b

考 察 す る ざ 、 第 十 九 願 は 修 諸 功 徳 を 願 體 ざ 爲 す の で な く 、 念 佛 し て 往 生 せ ん ピ 願 ふ も の も ま た 修 諸 功 徳 に 依 て 往 生 せ ん ご 欲 す る も の も 、 倶 に 來 迎 せ ん ざ 願 じ 給 ふ 所 か ら 、 來 迎 の 願 ざ 云 ふ の で あ つ て . 佛 の 本 意 は 元 よ り 念 佛 の 行 者 を 來 迚 す る に あ る も 、 衆 生 の 習 性 が 各 別 な る 爲 め 、 餘 行 を 修 し て 往 生 せ ん ご 願 ふ も の も あ る に 依 て 之 等 の 衆 生 も 共 に 來 迎 せ ん ご 願 じ 給 ふ 所 か ら 、 來 迎 の 願 ご 云 ふ の で あ る 最 後 に 第 二 十 願 を 係 念 定 生 の 願 ご 云 ふ は 、 前 の 第 十 八 十 九 の 二 願 が 、 順 次 往 生 邸 ち 命 の 終

b

次 第 、 極 樂 に 往 生 す る に 就 て 、 一 は そ の 生 因 を 誓 ひ 、 他 は 往 生 の 時 の 來 迎 を 誓 つ た も の こ 見 る 事 の で き る に 樹 し 、 こ の 願 は 三 生 以 後 の 往 生 を

ひ あ る 所 か ら 、 係 念 定 生 の

云 ふ の で あ つ て 、 『 淨 土 宗 要 集 」 ( 淨 全 +

九 ) に   係 念 之

願 】 既 無 レ 行 何 云 二 定 生 → 乎

 

答 係 念 定 生 云 名 目 以 知 順 次 往 生 非 其 時 節 長 短 難 レ 知 ご 述 べ ら れ て あ る に 徴 し て も 知 る こ ご が 出 來 や う Q 元 來 彌 陀 の 本 願 は 、 順 次 の 往 生 を 主 眼 ご し て 誓 は せ                                                                       二 五 −                                                                         職

(14)

                                                                    二 六 ら れ た も の に は 相 違 な き も 、 衆

の 根 性 が 各 別 な る 爲 め 、 順 次 往 生 の 得 ら れ 膿 者 の あ る は 、 否 み 難 き 事 實 で あ る o 夫 故 纔 か い こ も 極 樂 に 念 を 係 く る も の が あ れ ば 、 次 の 生 に 往 生 が 得 ら れ ぬ ま で も 、 い つ か は 極 樂 に 引 接 せ ん ε の 結 縁 分 齋 で あ る か ら 、 鎭 西 で は 遠 生 果 邂 の 願 こ も 稱 し て 居 る o   斯 樣 に 聖 光 が 四 十 八 願 の 中 で も 第 十 七 十 八   十 九 、 二 十 の 四 願 を 重 要 親 し た 駈 以 は 、 誓 願 の 目 的 た る 淨 佛 國 土 成 就 衆 生 の 本 意 を 闡 明 に す る 爲 め で あ つ て . 了 慧

2

、 無

鈔 』 ( 淨

五 ) に は 四 + 八

を 義

三 ご 分 別 し あ る 中 に 、 第 十 七 願 を 攝 法 身 、 第 十 八 、 十 九 、 二 十 の 三 願 を 攝 衆 生 に 攝 入 し あ る も , 恐 ら く 聖 光 の 租 意 に 基 い た 結 果 で な か ら う 。 但 し 吾 入 の 注 意 を 要 す る 點 は 、 聖 光 が 第 十 九 願 を 註 し て 、 あ る 人 が 願 文 に 修 諸 功 徳 ご あ る か ら 、 諸 行 往 生 の 願 で あ る ざ 云 ふ た に 封 し 、 聖 光 は 「 修 諸 功 徳 ト 云 フ ヲ 佛 ノ 本 願 ト シ 給 ニ ハ

ズ 修 諸 功 徳 ノ 者 ノ 往 生 ス 川 ヲ 來 迎 セ ソ ト 云 フ 願 ナ レ バ 來 迎 ヲ コ ソ 願 ト ハ 立 テ 給 ヘ リ 」 ご 答 へ た

で 、 修 諸 功 徳 葛 云 ふ 中 に は 稱 名 忿 佛 も 含 ま れ て あ る ご 言 ひ 得 や う が 、 既 に 第 十 入 願 に 於 て 特 に

名 往 生 を 誓 は せ ら れ て あ る 以 上 、 こ } に 云 ふ 修 諾 功 徳 は 、 稱 名 以 外 の 功 徳 善 根 を 指 す 事 は 勿 論 で あ っ て 、 稱 名 往 生 の 者 は 申 す に 及 ば す 、 諸 の 功 徳 を 廻 向 し て 往 生 せ ん ご 願 ふ も の も, 亦 來 迎 し 給 ふ ε 云 ふ 意 に 解 せ ら れ る 。 こ れ

西 敖 學 に 於 て 二 類 往 生 の 唱 ね 出 さ れ た 所 以 で あ つ て 、 「 そ の 源 は

十 九 願 の 見 解 に 基 因 す る は 明 瞭 で あ る 旨

(15)

五   末 代 念 佛 授 手 印   稽

往 生 の 外 に 諸 行 の 往 生 を 肯 定 し 把 聖 光 は 、 偏 恢 善 導 を 標 榜 し て 、 専 修 一 行 を 骨 張 さ れ た 法 然 上 人 の 淨 土 敷 を 、 い か や う に 取 扱 つ て 居 る か ご 云 ふ に 『 末 代 念 佛 授 手 印 」 に は 五 種 正 行 、 正 助 二 行 分 別 、 三 心 、 五 念 、 四 修 及 び 三 種 行 儀 な る 、 ⊥ ハ 重 二 十 二 種 の 注

を 釋 し 、 最 後 に 法

上 人 の 詞 ざ し て   拜 二 見 善 導 御 釋 一 源 塞 目 三 心 五 念 四 修 皆 倶 見

無 阿 彌 陀 佛 一 也         干 時 安 碵 二 年 十 一 月 二 十 八 日 申 時                                     以 二 自 筆 書 無 時 形 見 ご 書 し , 而 し て 後 に 相 承 の 謬

b

な き 證 ご し て 、 薦 手 の 印 が 押 さ れ て あ る 。 さ れ ば こ の

は 法

上 人 よ り 相 傳 さ れ た 法 門 の 至 極 を 逋 べ た る も の 霍 し て 、 鎭 西 派 で は 最 も 重 要 な る 本 典 ε 崇 め て 居 る o   先 づ 五 種 正 行 に 就 て 聖 光 の 主 張 を 窺 は ん に 、 五 種 正 行 ざ は 善 導 大 師 の 『

善 義 』 に 釋 さ れ て あ る 讀 誦 正 行 、 觀 察 正 行 禮 拜 正 行 、 稱 名 正 行 、 讃 歎 供

正 行 の 五 種 の 行 法 を 指 す は 云 ふ ま で な い が 、 聖 光 は こ の 五 種 を 各 々 獨 立 し た 行 法 ご 見 る 邊 か ら 、 必 す し も 五 種 の す べ て を 行 ぜ ね ば な ら ぬ ど 云 ふ の で な い 、 行 者 の 根

っ て 、 或 は 具 さ れ 五 種 を 行 じ 、 或 は 一 種 二 種 、 若 く は 三 種 四 種 を 行 す る も 差 支 へ な い ご 云 ふ の で あ る Q 『 末 代 念 佛 授 手 印 』 ( 淨 全

に                                                                     。

(16)

二 八   凡 五 種 正 行 如 レ 是 一 入 具 行 二 五 種 若 一 種 二 種 若 三 種 四 種 依 二 行 者 根 機 ご 述 べ ら れ て あ る の が 乃 ち 之 で あ っ て 、 稱

往 生 の 外 に 諸 行 の 往 生 を 許 す も . 全 く こ の 趣 意 か ら 出 だ も の ε 察 せ ら れ る o   次 に 正 助 二 行 分 別 ε 云 ふ は 、 前 に 舉 げ 把 五 種 正 行 の 中 で 、 稱 名 乃 ち 口 稱 の 一 行 を 以 て 殊 勝 第 一 の 行 法 ご し 、 前 三 後 一 の 四 種 は 、 ロ 稱 の 爲 め に 助 行 ε な る に 過 ぎ な い ε 云 ふ 見 解 の 下 に 、 正 助 蒙 行 の 人 は 口 稱 を 以 て 正 行 ご し 、 其 餘 の 四 種 は 傍 行 ご す べ き で め る Q さ れ ば ロ 稱 の 一 行 を 以 て 往 生 の 行 ざ し て 、 助 行 を 行 ぜ ざ る 人 も あ る ご 書 か れ て あ る が 、 之 は 乃 ち 専 修 稱 名 の 人 は 助 行 を 用 ゆ る 必 要 は な き も 、 懈 怠 の 人 は 讃 誦 觀 察 等 に 依 て 稱 名 を 助 く る 必 要 が あ る ざ 云 ふ 考 へ か ら 出 た も の こ 察 せ ら れ る が 、 第 四 の 稱 名 正 行 を ロ 稱 の 一 行 ご 解 し 、 前 三 後 一 の 四 種 は 、 口 稱 の 一 行 を 助 く る 爲 め に 設 け た 行 ε 解 し て 、 丈 内 の 義 意 を 深 く 穿 鏖 せ な い 所 に 、 西 山 ご 異 な る 點 が あ る Q   次 に 聖 光 の 三 心 説 に 就 て 窺 は ん に 、 第 一 の 至 誠 心 は 誑 惑 渡 世 の

假 心 を 捨 て 、 内 外 其 に 眞

の 心 か ら 念 佛 を 行 す る 事 で 、 之 に は 一 向 虚 假 、  一 向 具

、 虚 實 倶 具 、 非 虚

實 の 四 句 、 多

少 實 、 多

、 多 少 倶 實 多 少 倶

の 四 句 始 虚 絡

、 始 實 絡 虚 、 始 絡 倶 實 、 始 絡 倶

の 四 句 な る 三 重 十 二 句 が め る ざ し て 、 其 中 一 向 具

、 多 少 倶

、 始 塵 絡 實 、 始 絡 倶

は 决 定 往 生 の 人 、  一 向 虚 實 、 多

、 多 少 倶 虚 、 始 實 絡

は 往 生 す べ か ら ざ る 人 、

實 倶 具 は 往 生 不 定 の 人 で 、 若 し く は 往 生 を 得 、 若 し く は 往 生 を 得 ざ

(17)

る 人 で あ る Q 而 し て 多 實 少

は 往 生 の 心 が 多 く あ つ て 、 誑 惑 の 心 の 少 い 人 で あ る か ら 、 誑 態 の 心 が 除 か ε れ ば 、 往 生 が 得 ら れ る ご 云 ふ 意 味 で 、 若 し く は 往 生 す べ し ε 註 し て あ る o 更 に 非 虚 非

は 世 間 尋 常 の 人 で あ る こ し て 、 詳 細 に そ の 生 不 を 分 類 さ れ て あ る が 、 以 上 の 三 重 十 二 句 は 、 何 れ も 衆

に 約 し て 眞 實 を 分 け た も の で 、 自 力 の 茣

な る は 言 を 俟 疋 ぬ 。

二 の 深 心 は 、 吾 が 罪 業 の い か ん を 考 慮 せ す 、 深 く 願 力 を 信 じ て 本 願 往 生 の 念 佛 を 憑 む 心 を 指 し た も の で 、 之 に も 一 向 疑 心 、 一 向 信 心 、 信 疑 倶 心 、 非 疑

信 の 四 句 . 及 び 始 疑 絡 心 、 始 信 絡 疑 、 始 絡 倶 信 、 始 絡 倶 疑 の 四 句 な る 二 重 癶 句 を 擧 げ て 、 一 向 信 心 、 始 疑 終 信 、 始 絡 倶 信 の 三 人 は 往 生 を う る も 、 一 向 疑 心 、 非 疑

信 、 始 信 絡 欺 、 始 絡 倶 欺 の 四 人 は 、 往 生 す る 事 が 出 來 な い 。 隨 つ て 信 疑 倶 心 は 往 生 不 定 の 人 で 、 若 し は 往 生 を 得 若 し は 往 生 を 得 ざ る 人 ご 註 し て あ る o 第 三 の 廻 向 發 願 心 は 自 分 所 作 の 正 助 二 行 を 以 て 、 决 定 し て 往 生 を 得 ん ご 願 ふ 心 を 發 す こ ご で 、 之 に も 亦 有 願 無 行 、 無 願 有 行 、 有 願 有 行 、 無 願 無 行 の 四 旬 、 並 び に 西 方 廻 願 、 餘

廻 願 、 西 方 餘 事 倶 廻 願 、

西 方 廻 願 非 餘 事 廻 願 の 四 句 な る 二 重 八 句 を 分 別 し て 其 中 有 願 無 行 及 び 西 方 廻 願 は 淨 土 宗 の

意 で あ り 、 念 佛 行 者 の 廻 願 で あ る こ し て 之 を 讃 歎 し 、 有 願 無 行 、 無 願 有 行 、 無 願 無 行 、 餘 事 廻 願 は 宗 の 意 に あ ら す ご し て 之 を 斥 け 、 西

倶 廻 願 は 雫 ば 宗 意 な る も 、 孚 ば 宗 意 に 非 す ご し 、

西 方 廻 願 非 餘

廻 願 は 、 世 俗 の 輩 の 爲 す こ ざ 、 評 し て あ る ○   斯 樣 に 聖 光 が 三 心 に 就 て

し く 分 別 さ れ だ 意 は 、 師 説 に 順 じ て 三 心 を 宗 の 一 大 事 ご 見 込 ん だ か ら で 、                                                                     二 九                                                                         ℃

(18)

                                                                    三 〇 三 心 の 中 で も 特 に 至 誠 心 を 以 て そ の 根 本 こ な し 、 夫 れ の 發 つ た 時 に 、 自 つ か ら 深 心 、 廻 向 發 願 の 二 心 は 具 は つ て 居 る ご 述 べ て あ る o 但 し 經 釋 の 文 面 に 一 者 二 者 三 者 ご 三 心 が 各 別 に 排 列 さ れ て あ る

以 は 、 往 生 を 願 ふ も の は 、 こ の 三 心 を 發 す 事 を 最 も 緊 要

る か ら で あ つ て . 盧

の 者 に は 至 誠 心 を 以 て 之 を 治 し 、 疑 惑 心 の 者 に は 深 心 を 以 て 之 を 治 し 、

願 に 依 て 往 生 を 願 ふ 者 に は 所 作 の 善 根 を 以 を 往 生 を 願 へ ざ 敷 ゆ る 駕 め に 、 斯 く 次 第 さ れ た も の こ 述 べ て あ る 。 而 し て 右 の 三 心 を ば 『 末 代 念 佛 授 手 印 』 に は 横 の 三 心 ・ 竪 の 三 心 の 二 種

け て 、 一 ’

5

の 發 つ た 時 に 三 心 を 具 す る を 横 の 三 心 こ し 、 三 心 各 別

者 二 者 三 者 ε 次 第 に 發 す を 竪 の 三 心 ご 繕 し て 居 る ○   こ れ に 依 て 之 を 見 る に 、 聖 光 の 三 心 説 は 徹 頭 徹 尾 自 力 の 三 心 で あ つ て 、 誅 に 三 者 の 廻 向 發 願 心 を ば 、 自 分 所 作 の

根 を 以 て 往 生 淨 土 を 願 ふ 意 に

し 居 る 點 は 、 諸 行 の 往 生 を 肯 定 す る 此 派 の 特 色 こ し て 、 最 も 注 意 を 要 す る

で あ る o   次 に 五 念 ご は 、 天 親 の 往 生 論 に 説 か れ て あ る 五 念 門 を 修 す る こ ご で 、 身 業 に 阿 彌 陀 佛 を 醴 拜 す る を 禮 拜 門 ご し 、 ロ 業 に 阿 彌 陀 佛 を 讃 歎 す る を 讃 歎

こ し 、 意 業 に 極 樂 の 依 正 二 報 を 觀 察 す る を 觀 察 門 こ し 意 業 に 極 樂 に 往 生 せ ん 巴 願 す る を 作 願 門 ご し 、 意 業 に

作 の 善 根 を 以 て 往 生 せ ん ご 廻 絢 す 右 を 廻 向 門 こ す る の で あ っ て 『 末 代 念 佛 授 手 印 』 に 三 心 の 後 、 四 修 の 前 に 五 念 門 を 出 し た の は 、 善 導 の 『 往 生 禮

』 に   五

既 具 定 得

生 一 一 一 門 與 二 上 三 心 → 合 隨 起 二 行

一 不 レ 問 二 多 少 → 皆

實 業 一 也

(19)

定 釋 さ れ て あ る 説 に 基 い て 、 三 心 の 後 に 置 い た も の で 、 五 念 門 單 獨 に て は 往 生 の 行 業 ご 爲 ら ざ る も 、 三 心 を 發 得 す れ ば 夫 れ が 悉 く 眞

の 業 こ な る ご 云 ふ 意 で め つ て 、 爰 に も

派 の 特 色 把 る 諸 行 往 生 義 が 顯 は れ て 居 る の で あ る ○ 從 つ て 五 念 門 の 後 に 次 の 四 修 を 擧 げ ら れ た 意 は 往 生 醴

に 安 心 、 起 行 、 作 業 ざ 次

し て 、 安 心 に は 三 心 、 起 行 に は 四 修 ご 配 さ れ て あ る か ら で 、 起 行 の

釋 も 西 山 の や う に 、 三

が 顯 は れ て 居 る の で あ る Q 從 つ て 五 念

の 後 に 次 の 四 修 を 暴 げ ら れ た 意 は 往 生 禮 讃 に 安 心、 鵡 行 、 作 業 ε 次 第 し て 、 安 心 に は 三 心 、 起 行 に は 五 念 門 、 作 業 に は 四 修 ご 配 さ れ て あ る か ら で 、 起 行 の 解 釋 も 西 山 の や う に 三 心 領 解 の 當 下 に 往 生 か 决 定 す る の で な く 、 三 心 具 足 の 上 に 若 干 の 行 業 を 運 ぶ を 要 件 こ す る の で あ る か ら 、 説 の 如 ぐ 五 念 門 を 修 行 す る を 超 行 霍 す る の で あ る o   次 に 四 修 に 關 し 聖 光 の 説 を 述 べ ん に 、 四 修 は 念 佛 行 者 の 心 得 を 明 し だ も の で あ る か ら 、 第 一 の 恭 敬 修 に 依 て 僑 慢 心 を 黝 治 し 、 第 二 の 無 餘 修 に 依 て 雑 遇 の 心 を 對

し 、

三 の 無 間 修 に 依 て 懶 惰 懈 怠 の 心 を 黝 治 し 、 第 四 の 長 時 修 に 依 て 退 轉 流 動 の 心 を 對 治 す る や う 努 め ね ば な ら ぬ 。 而 も 之 は 『 往 生 禮 讃 』 に 示 さ れ て あ る 如 く 、 畢 命 を 期 ご 爲 し て 誓 つ て 中 止 し て は な ら 漁 ご 云 ふ の で あ つ て 、 第 一 の 恭 敬 修 は 、 阿 彌 陀 佛 及 び 極 樂

中 の 聖 衆 等 を 恭

し 禮 拜 す る こ ご で あ る か ら 、 之 を 修 す れ ば 往 生 の 障 り ざ な る 僑 慢 心 が 除 か れ る 事 に な り 、 第 二 の 無 餘 修 は 彌 陀 の 名 號 を 専 稱 し 、 阿 彌 陀 佛 及 び 極 樂 の 依 正 二 報 を 専 念 、 專 禮 、 専 想 す る 事 で あ る か ら 、 之 を 修 す れ ば 自 つ か ら 、 、 雜 起 の 心 を 對 治 す る 事 に な り 、 第 三 の 無 間 修 は 、 間 斷                                                                      

(20)

                                                                    三 二 な 气 稱

を 相 續 し 阿 彌 陀 佛 及 び 極 樂 の 依 正 二 報 を 禮 拜 し 、 讃 歎 し 、 憶 念 し 、 觀 擦 す る こ マ 」 で あ る か ら 之 を 修 す れ ば 懶 橢 解 怠 の 心 を 樹 治 す る

に な り 、 第 四 の 長 時 修 は 、 前 の 三 修 を 命 畢 る ま で 中 止 せ ざ る 事 で あ る か ら 、 退 轉 流 動 の 心 を 封 治 す る こ ε に な る の で あ つ て 中 に 於 て 聖 光 が

三 の 無 間 修 を

ん じ た 例 は 、 毎 日 亠 ハ 卷 の 彌 陀 經 を 讃 み 、 ⊥ ハ 時 禮 讃 ざ 亠 ハ 萬 返 の 日 課 稱

を 怠 ら な か つ た に 徴 し て も 知 ら る 丶 所 で あ る Q 斯 様 に 稱 名 念 佛 の 外 に 讀 誦 觀

禮 拜 讃 歎 等 の 行 業 を 策 勵 し て 、 念 佛 一 行 を 助 戍 す る 所 に 、 諸 行 も 亦 往 生 の 行 ε な る 聖 光 の 淨 土 敷 が 胚 胎 し て 居 る の で あ る 。   最 後 に 三 種 行 儀 ご は 、 念 佛 行

の 行 儀 を 尋 常 、 別 時 、 臨 絡 の 三 種 に 分 け て 説 明 し た も の で 、 處 の 淨 不 淨 、 身 の 淨 不 淨 , 衣 裝 の 淨 不 淨 、 威 儀 の 行 住 座 臥 、 食 の 淨 不 淨、 時 節 の 久 近 等 を 簡 ば す 、 口 ε 心 の 暇 に 任 せ て

相 續 す る を 尋 常 の 行 儀 巴 言 ひ 、 時 を 定 め 處 を 定 め て 、  一 日 乃 至 七 日 十 日 九 十 日 、 其 入 の 意 業 に 隨 っ て 日 を 限 り 、 其 間 は 特 に 道 塲 を 清 淨 に し て 、 淨 衣 を 着 し 一 食 長 齋 し て 酒 食 五 辛 の 不

物 を 食 は す 専 精 に 念 佛 す る を 別 時 の 行 儀 注 言 ひ 、 愈 々 臨 絡 に 際 し た 時 は 、 彌 陀 の 尊 像 を 西 方 に 安 置 し 、 病 人 は 頭 北

西 し て 尊 像 ε 相 醤 し 、 佛 の 御 手 か ら 五 色 の 糸 を 垂 “ て 、 之 を 病 人 は 合 掌 の 中 に 入 れ 、 而 し て 來 迎 引 接 の 想 ひ に 住 す る を 、 臨 絡 の 行 儀 ご 云 ふ の で あ る o   以 上 列

し た 六 重 二 十 二 種 の 法 門 は 、 い つ れ も 善 導 の 疏 か ら 摘 出 し た も の で 、 其 中 五 種 正 行 、 正 助 二

分 別 は 『 散 善 義 』 に 依

b

、 三 心 、 五 念 、 四 修 は 『 往 生 釐 讃 』 よ り 取

b

、 三 種 行 儀 は 『 觀 念 法 門 』 に 依

(21)

っ だ も の で あ る Q 隨 つ て 聖 光 の 淨 土 敖 は こ の 法

に 極 ま る も の で 『 末 代 念 佛 授 手 印 』 に は 、 三 心 も 五 念 も 四 修 も 三 種 行 儀 も 、 結 局 は 五 種 正 行 の 中 の 第 四 の 稱

正 行 を 助 成 す る 方 便 に 外 な ら の ご 云 ふ 趣 意 で 、 一 「 の 下 に 南 無 阿 彌 陀 佛 ざ 書 か れ て あ る じ 六

 

 

行   聖 光 が 滅 後 の 形 見 ご し て 書 殘 し た 「 末 代 念 佛 手 印 』 に 示 さ れ て あ る 、 六 重 二 十 二 種 の 法 門 は 、 結 局 稱

念 佛 の } 行 を 助 成 す る 方 便 こ し て 組 織 さ れ た も の で あ る か ら 、 稱 名 念 佛 の 外 に 、 餘 行 の 往 生 を 許 さ ぬ や う に 思 は れ る が 、 前 に 引 例 し た 如 く 『 淨 土 宗 要 集 』 に は 、 稱 名 念 佛 の 者 は 勿 論 、 他 の 功 徳 善 根 を 以 て 往 生 せ ん ご 願 ふ 者 も 、 倶 に 來 迎 せ ん ご 願 じ た ま ふ 所 か ら 、 第 十 九 願 を ば 來 迎 の 願 ご 名 づ け る ご 明 記 さ れ て あ る o 果 し て 然 ら ば 『 選 擇 集 』 に   彌 陀 如 來 不 下 以

爲 中 往 生 本 願 上 唯 以 二 念 佛 一 爲 二 往 生 本 願 一 之 丈 ご 標 章 さ れ て あ る 此 の 明 文 を い か や う に 處 理 す べ き で あ ら う か 、 良 忠 以 後 の 末 釋 に は 、 そ れ み 丶 巧 妙 な る 會 逋 が 施 さ れ て あ る も 、 聖 光 の 『 徹 選 擇 」 に は 、 淨 佛 國 土 成 就 衆 生 は 、 一 切 の 菩 薩 に 共 通 し た 誓 願 で あ り 、 か つ 念 佛 三 昧 は 一 切 諸 佛 の 印 可 し だ ま ふ 所 で あ る か ら 、 彌 陀 も 之 を 選 擇 し て 生 因 の 願 ε し た ま ふ 陀 ご 云 ふ の み で 、 念 佛 三 昧 の 功 能 に 關 し て は 、 多 方 面 か ら 論 證 さ れ て あ る も 、 餘 行 に 關 し て 論 す る 所                                                                     三 三

(22)

三 四 な き は 、 吾 人 の 切 に 遐 憾 こ す る 所 で あ る )   惟 ふ に 聖 光 が 、 第 十 九 願 を 來 迎 の 願 ざ

づ け て 、 念 佛 餘 行 の い つ れ を も 來 迎 し た ま ふ 意 に

し た の は 修 諸 功 徳 な る 言 葉 に 捉 は れ た 結 果 で あ つ て 、 諸 の 功 徳 を 修 す る 能 力 の あ る も の も 、

十 入 願 に 誓 は せ ら れ て あ る 念 佛 一 行 に 歸 す れ ば 、 來 迎 の 釜 に 預 か る 事 が 出 來 る ご 、 誓 は せ ら れ た 願 な る を 知 ら な か っ た 故 で あ ら う 、 さ れ ば 窮 餘 の

て 『 徹 選 擇

淨 全 七

七 ) に は   今 於 一 念 佛 一 有 一 總 別 二 種 之 義 一 也 G 所 謂 總 面 言 レ 之 萬 法 皆 是 念 佛 也 Q 別 而 言 レ 之 以 ロ 稱 名 號 一 爲 二 念 佛 「 也 。   但 善 導 意

レ 總 取 レ 別 也 し 凡 聖 敷 之 習 皆 有 一 廣 略 開 合 之 義 ℃ 廣 之 時 萬 法 也 略 之 時 一 法 也 。 開 之 時 萬 法 各 別   也 合 之 時 一 法 二 法 也 。 或 約 レ

或 約 レ 理 o 約 p 理 之 時 萬 法 帥 是 箕 如 一 理 也 り 約 レ 事 之 時 萬 法 即 是 般 若 一 法   也 O 其 般 若 者 卻 是 佛 智 也 0 其 悌 智 者 帥 是 事 也 O ご 辯 じ て あ る が 、 淨 佛 國 土 成 就 衆 生 の 圏 的 を 逹 成 す る 爲 め に 、 易 行 易 修 の 稱 名 念 佛 を 以 て そ の 大 願 ε し た ま ふ ビ 言 ひ な が ら 、 た ま

「 修 諸 功 徳 」 や 「 植 諸 徳 本 」 の 語 が あ る 爲 め に 、 念 佛 を 總 別 に 分 け て 「 總 而 言 レ 之 萬 行 皆 是 念 佛 也 」 ご 云 ふ 如 き 、 聖 道 所 談 の 念 佛 に 會 合 す る は 、 法 然 上 人 が 四 十 八 願 を 生 因 欣 慕 の 二 種 に 分 け て 、 第 十 入 願 を 生 因 の 願 、 餘 の 四 十 七 願 を 欣 慕 の 願 ざ 判 定 さ れ 陀 、 そ の 祀 意 に 反 す る ば か

b

で な く 、 彌 陀 自 か ら が 超 世 の 願 ε

乘 つ て 、 普 く 諸 の

窮 を

は ん ご し て 建 立 さ れ た 願 意 ご 相 距 る こ ご 千 里 の 戚 が あ る o も し 夫 れ

生 の 習 性 が 各 別 な る 爲 め 、 餘 行 の 者 の 往 生 も

せ て

は せ ら れ た ε 云 ふ に

(23)

至 つ て は 、 淨 土 敷 開

の 事 實 に

し て 寧 ろ 詭 辯 に 屬 す べ き も の で あ ら う o

ー し て 聖 光 の 一 流 は 、 鎮 西 の 野 に 振 つ た が 、 そ の 門 下 に 然 阿 良 忠 な る 逸 材 が 出 f 、 師 説 を 布 演 し 大 成 し て 、 鎭 西 敷 學 の 確 立 を う な が し 、 其 下 に 寂 慧 の 白 籏 流 、 奪 観 の 名 越 流 、 性 眞 の 藤 田 流 、 慈 心 の 小 幡 流 、 道 光 の 三 條 流 、 然 塞 の 一 條 流 等 の 六 流 を 生 じ て 、 蘭 菊 の

を 競 ふ て 居 た が 、 白 籏 流 の 下 に 了 譽 聖 澗 な る

哲 が 出 て 、 二 藏 二 敖 の 敷 判 を 唱 ね 、 且 つ 五 重 傳 法 を 製 定 し て 宗 風 の 興 隆 に 盡 し た 爲 め 、 邃 に 他 の 諸 流 を 壓 倒 す る に 至 つ た の で あ る o ( 完 )          

 

 

 

 

        、 移 三 五 ’

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