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ダ ウン症 児 にお ける初期 的 ごっこ遊 びの発達

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(1)

ダ ウン症 児 にお ける初期 的 ごっこ遊 びの発達

野 和 夫

The Devel opmentofEar l ySymboHc PI ayi naDown' sSyndr omeChi l d

KAZUOKONNO

I は じ め に

近年,健常 児の初期的 ごっこ遊 び ( 象徴遊 び s ymbol i cpl a y とも言 う) の発達 に関す る様 々な 知見 に基づ き.精神遅滞 児, 自閉症 凪 言語障害 児 といった種 々の障害 児にお け る初期的 ごっこ 遊 び の 発達 や そ の 特 徴 を明 らか に す る こ と を 目指 した研 究 が,蓄 積 さ れ つ つ あ る ( Hi l lと Ni c ol i c h,1 9 8

11);

Si gma n と Unge r e r ,1 9 8 4

a2

'

;

Co ul d,1 9 8

63

'

;

Te r r e l l ,Sc hwa r t z ら ,1 9 8

44

, ) 。 そ して, た とえば ダ' ゥ ン症 児は,初期的 ごっこ遊 びの 中に含 まれ るい くつか の段 階 を健常 児 とほぼ 同 じ順序 で経過 しつつ も , 2 歳台の MA や DA の うちにそれの最 も高 い水準 に まで到達 す るのが 国難で あ るこ とが ,Hi l lと Ni c ol i c h( 1 9 8

1 )1

㌧ 糾 い 池 田 ( 1 9 8 6) 5 ' らに よって示 されて い る。 ち なみにその高 い水準 の遊 び には , 遊 びの テーマや 見立 てにつ いての他者へ の明示, 形態 も機能 も 矧 以しない事 物 7) 代理 的使用, 人や 人形 に対 しての, その能動性 ・主体性 の認識 に裏 付 け られ た 究では見逃 され て Lまったか もしれ か 1ごっこ遊 びの発達過程 が, タ、 、 ウン症 児の よ うな精神遅 滞 児を対 象 とした研究 では明 らか に され る可能性 が あ る と指摘 して いる。 また, 自閉症 児の遊 びに ついては, その MA か ら予測 され る もの よ りもか な り低 い水準,特 に ごっこ行 為 を自分 に向 ける ( 換 言す る と, そばの 人形や 人に対 して ごっこ行為 を向 けか 、 )水準 に留 ま i )が ちであ るこ とな どが ,Unge r e r と Si gma n( 1 9 8 1) 7 ' ,Si gman と Unge r e r( 1 9 8 4 a

)2)

に よ 1 )示 され てい る。

ところで,種 々の障害 児の初期的 ごっこ遊 びの発達 に関 して, これ まで に十分 な知 見が得 られ てい る とは思 われ か 1 0 健常 児のみの遊 びの 分析 を通 して導 き出 され た発達 モデ ル, た とえば Ni c ol i c h( 1 9 7

7)8)

に よるモデ ルを手がか りとす る こ とで,精神遅 滞 児,自閉症 児 といったそれ ぞ れの障害 児にお ける初期的 ごっこ遊 びの発達 につ いておお よそ7) 傾 向 ない L特徴 は明 らか に され つつ あ る。 しか し, その発達 の過程 が詳細 二明 らか にされて いる とは言 いが か 、 。 同 じ障害 名 を 持つ 同 じ MA の 子どもた ちの初期 的 ごっ こ遊 びにお ける個 人差や その原因 も, ほ とん ど明 らか に されて いない。 これ ら7) 限界 は, 発達 モデ ルお よび横 断的研究法‑ の過 度 7) 依紬 二よって もた ら され る もの と思 われ る。本研 究の主 な 目的 は ,CA 1 歳 1 か 月よ り 2 歳 5 か 月 までの期 間中 1 5 回 で きるだ け詳細 二明 らか にす るこ とで ある。 本研究の結果 は, ダウン症 児のみ な らず 自閉症 児, 聴覚 障害 児な どの種 々の障害 闇 ) 児にお け る初期的 ごっ こ遊 びの発達 を詳 細 二究明 しよ うとす る際 に も,役 立つ もの と思 われ る。 また, 障害 児に対 して, 初期 的 ごっこ遊 びの発達 を徐 々に促 すべ く指導 す る際 に, さ らに健常 児の場合 3 歳頃 に芽生 える とされて いる役割遊 びの段 階へ と導

くべ く指導す る際 に,本研 究の結果 は有用 な手 がか りにな , )うる もの と考 え られ る0

(2)

I I 方 法

1.対 象児

昭和 5 8 年 8 月 2 2 日生 まれの ダウン症 児 ( 男児. トリソ ミー型) 。母 親が 3 0 歳時の第 2 子O妊娠 中 お よび出産 時 にお いて,母子双方 とも特 別 な異常 は認め られず。正常分娩 で,生下 時体 重 は 2 5 0 0

グラム。心 臓や その他 C 7 )内臓 に奇形 ・疾 患は認め られ ない。 1 歳頃 までは消 化不 良や軽 い肺 炎が 頻 発す るが, その後健康 に育 って いる。 1 歳前 よ り2歳 2 か 月 まで県立の療 育機 関 に通 園。 その 後私立の療育機 関 に移 る。座位完成 ( 3 0 分以上 ひ と りで座 ってい られ る) 1 歳, 四つば い ( 手掌 と膝 で身体 を支 えては える) 1 歳 4 か 月, つ たい歩 き 1 歳 5 か 月, ひ と り立 ち 1 歳 1 0 か 月,独歩 開始 1歳11か月。新版 K式発達検査 に よる 1 歳 2 か 日時 ( 4 2 2 日)の発達指数 は 61 ,発達 年令 は姿 勢 ・運動領域 2 4 4 日,認知 ・適 応領域 2 5 1 日,言語 ・社会領域 2 9 6 日 。 2 歳 5 か 日時 ( 、 8 8 6 日)の発 達指数 は 6 8 ,発達年齢 は姿勢 ・運動 領域 61 6 日,認知 ・適 応領域 6 0 3 日, 言語 ・社 会領域 5 81 日。

2. 対 象 児に対す る取 り組みの概要

本 児は,生後 7 か 月 よ り 2 歳 6 か 月 まで,筆者や 学生 らに よる教育相談 活動 に母 親 とともに参 加 して いる。教育相談活動 は , 1 歳 3 か 月 までは本 県の家庭 にお いて, それ以降 は大学 内の教室 にお いて, 原則 として月 1 回ずつ続 け られ た。 その 内容 は,新 版 K 式発達 検査 の実施,検査 での 遂行や母 親か らの報告 を参 考 に しての本 児の発達状 態の把握,本 児に対す るはた ら きか けの在 り 方 をめ く 、る母親 との検討 な どで あるO また 1 歳 2 か 月よ り 2 歳 5 か 目まで,本 児の発達 につ いて よ り多面的 に, よ り深 く理解 す るための手 かか りとすべ く,相談活動 の中に約 1 0 分 か ら 2 0 分 間の ごっこ遊 び場面 が設定 され, + i( 発達検査終 了後 に実施 ) 。 ちなみ に ,1 5 回のセ ッシ ョンを通 して本 児の前 に置かれ た遊具 は,以下の通 りてあ る。

人形 ( 赤 ち ゃん人形や半 ズボ ンをはか され た 戸熊 の縫 い ぐるみ。 いずれ も 3 0 c m 程度の身長 ) 。実 物大 の電話。 人形用寝具 。種 々の調理 ・ 食事 用具

し7

ラ イパ ン, コンロ, 包丁, まな板, なべ, ポ ッ ト, テ ィー ポ ッ ト,急 須, ご飯茶碗, は し, ニ飯釜, カ ソプ, スプー ン, お盆 な どの, い わゆ るままご と道具 ) .子 ど も用歯 ブ ラシ と‑ 7‑ブ ラシ。円柱型ペ グや プ ラ スチ L 'ク梨 キュー ブ。 なお セ ッシ ョンに よ り. これ ら以外 の物 が加 え られ るこ ともあ ったO

どのセ ッシ ョンにお いて も,本 児は意欲的 に遊 び を展開 していた よ うに思 われ る。常 に母 親が, た まには学生や筆者 ( 以下, T と記す) i ) , 本 児の近 くに座 って いるO母 親 ら同国 の者は, 本 児 に よる遊 びの 自由 な展開 を妨 げ ないこ と, 本 児の遊 び を見守 る姿勢 を大切 にす るこ とを基本的 に 重視 しつつ も, 本 児の遊 びに とっての良 きパー トナー にな りうる存在 で あ るよ う留 意 した。 つ ま り本 児か らの はた らきか けに応 じる形 で, あ るいは 自分 か ら楽 し く本 県の遊 び に関わ ろ うとす る 姿勢 も尊重 され た。

3. 遊 びの分析

各セ ッシ ョンにお ける遊 びは VTR に よ り録画 され, また観察者 に よって詳細 に筆記記録 され た。 さらにそれ らに基づ き, 母親や T か らの言語的指示 ( た とえば , 「ど うぞ, 食べ て 」) や演示 ( た とえば , 「見て」と本 児の注 目を喚 起 しなが ら,晴乳瓶 で 人形 に飲 ませ る)に よって直接 的 に 惹起 され た もの を除 く,すべ ての 自発的 な遊 び行為が,抽 出 ・再 記録 され たO

象徴遊 びの発達 につ いて ,Ni c ol i c h( 1 9

778)1

は 5 つの水準 を想定 して い るO水準 1 ( pr e s ymbol i c ors e mi s ymbol i cpl ay) は事物 の慣 習的使用の始 ま りで あ り,真 剣 な表情 で受話器 を耳 につ けた

‑ 1 2‑

(3)

りす るo 水準 2 ( s e l f ‑ di r e c t e dpr e t e nd) は象徴 的表 象の開始 期 で, 子 ど もは 自分 に向 けての単 一 の ごっ こ行 為 を行 な う。 水準 3 ( de c e nt e r e do ro bj e c t ‑ di r e c t e dpr e t e nd) で は,単 一 の ごっ こ行 為 を他者 に向 けた f ),他者 の行為や事 物 の動 きの再現 がみ られ るO水準 4( o b j e c tc o mbi na t i o ns ) では,複数 行為 の連 結 が み られ る。 これ には, くLで 自分 の髪 と他者 の髪 を とかす とい った同一 行為 の連 結, お よび人形 を寝 かせ て蒲 団 をか け る とい った, 関連 し合 う異種 行 為の連 結 が含 まれ る。 水準 5 ( pl a nni ngofpr e t e nds e que nc e s ) で は, 自分 の考 えや計 画 につ いての事 前 の表 明 を 含む形 で,単 一 ない し複数 の ごっこ行 為が行 なわれ る。一方 ,Unge r e r と Si gma n( 1 9 8 3

)9)

は,

①単 一事 物 の探 索的操 作,② 機能 的 な関連性 を有 しない複数事 物 の関連づ け的遊 び,③ 機能 ない し慣 習上適切 な形 で複数事物 が関連づ け られ る機能 的遊 び ( た とえば, 人形 に スプー ンで飲 ませ るO ポ ッ トにふ た をす る),④ 見立 て (スプー ンを受話 器 として使 う),能 動 的行 為者 としての 人 形の使 用 ( 人形 が 自分 で飲むかの よ うに, 人形 の手 に持 たせ た瓶 を支 えてや る),現 前 しない事 物 や 人物 の創造 ( 「お茶 だ よ, ジャー」 と想像上 の飲 み物 をポ ッ トか らか ソプ に注 ぐ)とい った 3 種 の象徴 的行 為 を含 む象徴遊 び,⑤ 3 つ以上 の関連 行為 の連 結 ( ポ ッ トにふ た を し,ポ 、 ソトか らか ノ ブ に注 ぎ, 人形 に か ノブ で飲 ませ る) とい うよ うな順 序性 を設定 して い る。

本 研 究 で は, 上 述 の Ni c ol i c h S や Unge r e r と Si gma n

9)

ら の 知 見, さ ら に は Mc Co nke y と J e f f r e e( 1 9 7 9 )

10)

,今野 ( 1 9 8 3 )

l

l

)

の知 見 な どが, 各セ ッシ ョンにお け る本 児の遊 びの 内容 を整理

し, さ らに遊 びの変 化 ・発展 の過 程 を詳細 二捉 え るための一助 とされ た。

I I I 結果 と考 察

以下, 各セ ッシ ョンにお け る本 児の 自発 的 な行為 を提 示 しつつ考 察 を加 える。 各セ ッシ ョンで の本 児の行 為 な い し行 為 の連 結 は い くつ かの種 類 に分類 可能 で あ り, その数 は 1 5 回のセ ソシ ョン を通 じて 2 2 に及 んで い る。 どのセ ッシ ョン ( 各表参照 ) にお いて も, そ こで新 し く認め られ た種 類 の行 為 には新 しい番号 が,既 出の もの と同種 の行 為 には前 回 まで と同 じ番号 が, それ ぞれつ け られ て い る。 また , 1歳 4 か 月以 降の本 児の行 為 につ いて は,社 会慣 習 ない し機能 上適切 な事 物 便 局お よび事 物 の 見立 て的使 用が認 め られ る行 為 を中心 として,検 討 が な され る。 なお, 表 の観 察例 の記述 の 中で特 別 な言 及が な い限 り, 本 児は いつ も座位 の姿 勢 で遊 ん で い る。

1.1歳 1 か 月お よ び 1 歳 3 か 月 表 1 1:1 お よび 1:3

i ll1

1 .事 物 との瞬 時的 かつ非探 索 的 な接 触。

a . か ノブ,電 話 C 7 )コー ドや受 話器, 小 皿, 人形 の服 な どをつ かむ がす ぐ放 す。

b. 受 話器 や は しを持 ちか え る ( 一 方通行 的)。

C . か ノブや は しを 3, 4 回振 る ( その際 カ ップや は しを見て いない)。

1:3

1 .事 物 との瞬 時 的かつ非探 索 的 な接 触。

a . は し, 人形 の蒙, スプー ン, 歯 ブ ラシ, ポ ッ トをつ かむ がす ぐ放 す。

b. 歯 ブ ラ シを一 方 の手 に持 ちか え るが, す ぐ放 す。

C . ‑ アブ ラ シの毛 をロにつ け るが, す ぐ放 す。

2 .探 索性 ・意 図性 の うかが え る事 物使 用。

a . は しで床 を 3 回叩 く ( 床 を見 なが ら)。

表 1 に見 るよ うに, これ らの時期 には事 物 の慣 習的 な使 用が全 くみ られ ない。事 物 との瞬 時的

(4)

かつ非探索的 な接 触( 1 ) が主 である。 か ノブ,受話器, スプー ンな ど手 の届 く範 囲 にある事物 をつ かむがす ぐ放 して しま う。 その放 し万 には意図性 が乏 し く,無意識の内に手か ら事物 が離れ て し まって いる, といった表現の方が適切 か もしれ ない。

2. 1 歳 4 か 月 表 2 1:4

2. 探索性 ・意図性 の うかが える事物使 用。

a. 受話器 をつかみ,一部 をなめ る。

b. 受話器の先 で頭 を軽 く叩 く。

C. つかんだ受話器 を軽 く左右 に動 かす。

d. 足裏 をダ イヤ に触れ さす。

e .手の ひ らをひ ろげて ダイヤ ル をつかむ。

f. ダ イヤル に手 を近づ け,触れ た手指 を少 し動かす ( 動 くダイヤル を少 し見る)。

g. 電話受 け台上部 のボ タンを, 人 さ し指 で繰 り返 し押す。

3. 自分 に関連 させ ての単一事物 の使 用。

a . スプー ンの柄 をつ かみボール ( 丸 い‑ こみ)をす っぽ り口の中に入れて、口を動 かすo

b. 片手で柄 を握 った受話器 を側頭部 につ ける。

C .歯 ブ ラシの柄 を持 って毛 を口に入れ る。

4 .人形 に関連 させ ての事物 に よらない行為 。

a . 人形の顔 に手 を伸 ば し,指先 を顔 に軽 く触れ さす。

b. 人形の髪 に手 を伸 ば し,髪 に軽 く手 を触れ る ( 髪 を撫 で る感 じが認め られ る)0 C. 人形の 目に指 で触れ る。

5. 人形 に関連 させ ての単一事物 の使 用 ( 事物 の接近 ない し瞬時的接触。真 の健 闘 とは言 えない)。

a. 歯 ブ ラシを人形 の顔 につ けるが, す ぐ歯 ブ ラシを放 す。

6. 人に関連 させ ての単一事物 の使 用。

a. 歯 ブ ラシの先 を T の 口につ けるが,す ぐ歯 ブ ラシを放 す ( 磨 く行為 は見 られず)。

まず,今 回は探索性 ・意図性 の うかが える事物使 用 ( 2 ) が数 多 く生起 して いる。受 話器や ダ イヤ ルへの関わ りには手指 の巧敵性 ・操作性 の高 ま りが認め られ る ものの,種 々の事物 との関わ りは あ くまで単発的 ・瞬 時的 であ る。

一方,や は り瞬時的で未熟 な形ではあ る ものの, 自分や 自分 以外の対 象 に関連 させ ての 4 種 の 行為 が生 じてい る。 まず, スプー ンの丸 いへ こみや歯ブ ラシの毛 を口の中に入れた り,柄 を握 っ た受話器 を側頭部 に触れ さす といった, 自分 に関連 させ ての単一事物 の使用 ( 3) がみ られ るO 人形 に関連 させ ての単一事物 の使 用 ( 5) や 人に関連 させ ての単一事物 の使用 ( 6) は,歯 ブ ラシのみ に よっ て, しか も手 の動か しに よる磨 く動作 をまだ含 まない非常 に未熟 な形 で な され てい る。 さらに, 人形の顔や 目に指 で触れ る といった, 人形 に関連 させ ての事 物 に よらない行為 ( 4) が生 じてい る。

以上 の よ うに,非常 に未熟 な形 では ある ものの, 自分や 自分 以外の対 象 に関連 させ ての単一事 物 の道具 的 ・慣 習的 な使 用が,今 回初めてみ られた。 自分 以外 の対 象 に関連 させ た事物使 用の生 起 に とっては, 人形 を本 児に近づ ける, 人形 を本 児に向 けて対座 ない し立 たせ る, 自らが本 児の 近 くに位 置す る とい った,大 人の側 の何 気 ない配慮 が役立 ってい る と思 われ る0‑万, 個 々の事 物 の用 い方 か らは, スプー ンにつ いて柄 と‑ こみ,歯 ブ ラシにつ いて柄 と毛,電話 につ いて受話 器, ダイヤ ル, ボ タン, 人形 につ いて髪 と顔 とい うよ うに, 身近 な事物 の構造 につ いての認識 を 本 児が深めつつ あるこ とが,示唆 され る。

‑ 1 4

(5)

3.1 歳 5 か 月 表 3 1:5

3. 自分 に関連 させ ての単一事物 の使 用 ( 単一事物 に よる単一行為。 操 作性 が高 まる。人に 向 けての快 の情緒の表 出が 見 られ る)。

a .‑ アブ ラ シの柄 を握 り,先 の部分 で後頭部 を軽 く叩 く ( 髪 を とかす感 じが強 まる) 。

b. 髪 を とかす よ うに、 後頭部 につ けたブ ラシを軽 く動 かす ( 穏や か な表情で 人 を見 る)。

C .受話器 を側頭部 に触 れ さす ( 笑顔 を母 に向 ける) 0

4. 人形 に関連 させ ての事物 に よらない行為 ( 単一行為。探 索性 が強 い) 0 a . 人形の顔 に手で触れ る。

b. 人形の手や 足 を自分 の片手でつかむ。

C . 人形の手 を 自分 の片手でつかみ持 ち上 げ る。

5. 人形 に関連 させ ての単一事物 の使用。

a .仰向 けの人形の上 を‑ アブ ラ シで軽 く叩 く ( 腹一 胸‑ 顔)0 6. 人に関連 させ ての単一事物 の使 用。

a .T の頭 につ けたブ ラシを軽 く動 かす ( 「7‑ イ」 と親和的 な発声 ) 。 7. 複数事物 の関連づ け的使 用 ( 萌芽 的)。

a . カ ップの側面 をつ かみ,他 方の手 に握 った歯 ブ ラシの毛 をか ノブの上端 につ ける( か きまぜ るにいた らず)。

b.( T が持 つ) カ ップ の中に歯 ブ ラ シの先 を入れ,少 し動 かす。

今回は,複数事物 の関連づ け的使用 ( 7) が新 し く出現 してい る。 しか し用 い られ る事物 は歯 ブ ラ シとか ノブ に限定 され, カ ップの上端 に毛 をつ ける, か /プの 中で歯 ブ ラ シを少 し動かす とい っ た行為 が瞬時的 にな され てい る。一万,歯 ブ ラ シは,自分が持つ カ ップだ けで な く,人が持 つ カ ッ プに も関連づ け られ てい る(7‑b) 。 この よ うな関連づ けは, た とえ本 児が か ソプ を持 つ 人の存 在 を全 く意識せ ず に行 なったに して も, 人か らのはた ら きか けを惹起 しや す い とい った点で, さ らには人か らの応答 を期待 してはた らきか ける心 の育 ちに役 立つ とい った点で,意義深 い もの と 言 えよ う。

今回は,先 回 と同種 の行為 につ いて も若干の進 歩が認 め られ る。 た とえば, 人形 に関連 させ て の事物 に よ らない行為 ( 4) は,顔のみ な らず手や 足 といった人形の細部 を自分 の手でつかむ とい う 方向へ変化 してい る。 自分 ( 3) , 人形 ( 5) , 人 ( 6) に関連 させ ての‑ アブ ラ シの使用 には,髪 を とかす よ うな手 の動 か しが認め られ る。また,本 児が 自分 に関連 させ て単一事物 を使用す る際,人は「も しもし」 , 「 髪 きれ いね」 な ど と笑顔 で言葉 を添 えてや ってい る。 この よ うな こ とは,事物使用 と 言語 との対 応性 の認識 に役立つ だ けで な く, 自己対 象的行為 の社会化 の促進, つ ま り自分 に関連 させ て事物 を使用 しなが ら人 と交 流す る力の獲得 に も,役立 って いる。

4.1 歳 6 か 月 表 4 1: 6

3. 自分 に関連 させ ての単一事物 の使 用

a .‑ アブ ラシの先 を側頭部 につ け軽 く動 かす。

b. スプー ンの先 を口に入れ るO先 を口か ら出 して真顔 で ロを小 さ く動 かす.

C . 両 手で ポ ッ トの上端 をつかみ, ポ ッ トの 口に 自分 の 口を触 れ さす。

d. ポ ッ トの上端 を 自分 の 口に軽 く触 れ させ る。 しか し、す ぐに ロか ら遠 ざけつつ 「ア ‑」

と発声 ( 飲むふ りら し くなって いる) 0 e. 受話器 の柄 を握 り側頭部 につ ける。

f.受話器 を側頭部 につ けて , 「ア‑」 と発声 ( 使 用行為 +発声)。

4.人形 に関連 させ ての事物 に よ らない行為o

a . 人形 の両足 をつかみ,逆 さにな った人形 を持 ち上 げ る。 その後 T に差 し出す。

b. 人形の 目をい じる。

(6)

7. 複数 事物 の関連づ け的使 用。

a . スプー ンの先 を床 に置かれ た か ソ70 の 中に入れ, か きまぜ るかの よ うに軽 く動 かす 。

b. ポ ッ トの 口 を左 手 でつ かみ, ポ ッ トの底 をか ノブ の 上につ け る。

C . 手 に持 った ポ ッ トを T が持 つ か ソプ に近 づ け, その か /プ に ポ ッ トの 口をつ け る ( 症 ぐ行 為 に近 い)。

d. 本 児の足元 に置 かれ た か ソプヘ ポ ッ トを傾 け る。

8 .単一事物 の使 用。

a .左 手で ダ イヤ ル に触 れ, 手 を少 し動 かす。

9. 自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用 ( 二つ の行 為の未熟 な連 結 ) 。

a .受 け台 か ら受話 器 を取 り側 頭部 に近づ け る。す ぐに ( 側頭部 にはつ けず に)受 話 器 を 受 け台 に もどす。

増の萌芽 的形態

(9)

が, 新 し く認 め られ る。 後者 は複数 行 為の連結 を必 然的 に伴 うか,受 話 器 を 側

頭部 に近づ け, Lか Lす ぐに ( つ ま り通 話 の ため に周 いず )受 け台 に もどす とい うよ うに, 今回 の場 合 は単 純 で未熟 な行 為 か ら構 成 され て い る

ての単 一事 物 の使 用 ( 3) につ いて は,前 回の‑ ア ブ ラ シや受 話 器 に加 え スプー ン, ポ . ソトと使周 さ れ る事物 が増 えて い るばか りで な く, スプー ンの先 をl jか ら出 Lて 口を動 かす, 口に触れ させ た ポ ッ トを口か ら遠 ざけつ つ 「 7‑ 」 と発声 す る,受 話器 を側頭 部 につ けて 「7‑」 と発声 す るな ど,事 物 使用 時 にお け るフ リ ( p r e t e n di n g) が 明瞭 に な って きて い る。 しか しあ くまで真 剣 な表情 で あ り, 7 りで あ る こ と もし くは うそ っ こで あ る こ とを 人に伝 え よ う, 強調 Lよ うとの意向 は認 め られ ない。 次 に複数事 物 の関連づ け的 使用( 7) では, カ ンプ との関連 で, スプー ンに よる明瞭 な か きまぜ 行 為や ポ ッ トに よるやや 暖味 な注 ぐ行 為か み られ る。 人形 に関連 させ ての事物 に よ らな い行為 ( 4) で は, 両 足 をつ かんで 人形 を持 ち上 げ て ( 写真 1 ) 人に差 し出す 行為 かみ られ る。 この

5. 1 歳 7 か 月 表 5 1: 7

場 合, 人に渡 そ う との意 向が事 前 に生 じてか ら人形 をつ か んで い る とは言 いかた い。また, 渡 した 人形 を開 いて 人か あ る特 定 の行動 ( た

とえば、あや す L くさ)をす る こ とを其田寺す る まで には いた って い ない。

今回は,前 回 よ りも多 くの事 物 につ いて適 L J )な使 用 を展 開 Lて い る。 大 人は , 「まぜ ま ぜ 」 , 「(あた ま)きれ い きれ い」. 「も し もし」,

「ど う も」な ど と. それ らの 使f 削二即 Lた こ と ば を添 えて い る。

3. 自分 に関連 させ ての単一事 物 の 使 用。

a . スプ一・ ンで 自分 が飲 む.

4. 人形 に関連 させ ての事 物 に よ らない行 為。

a .寝 て い る人形 の 目に指 で触れ る。

7. 褐数事 物 の関連づ け的使 用。

a . ポ ッ トの 中 に歯 ブ ラ シを入れ る。

‑ 1 6‑

(7)

b. スプー ンの先 を茶碗 に入れ, か きまぜ るかの よ うに強 くぎこちな く動 かす。

C . スプー ンの先 をか /プ に入れ手 を放 す (うま く入れ られ た こ とを母 に伝 えよ うとす るかの よ うに, 笑顔 を母 に向 ける) 0

9. 自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用 ( 各行為 お よびその連結 が明瞭化) 。 a .歯 ブ ラシの先 をか ノブの 中に入れ て軽 く動 かす。ブ ラシの先 を口に軽 く 2 回触れ さす。

ブ ラシの先 をカ ップの 中に入れて手 を放 す。

b. 1 本の は しの先 を床上 の カ ップの 中に入れ, 自分 の 口につ ける。

C .片手でつか んだ茶碗 の 中にスプー ンの先 をつ け, 自分 の 口につ け, 口か ら少 し遠 ざ け る。

d. 床上 の茶碗 にスプー ンを入れ, 自分 の 口につ けて飲むふ り. 「ア‑」 と舌 を打つ ( 普 声 に よる 「 ふ り」 の明瞭化) 0

e .床上 の か ノブの 中にスプー ンの先 を入れ,す ぐ自分 の 口に触れ させ 、ロか ら艶 しなが ら 「ア‑」 と短 く発 声 ( 母 を見つつ)。

f.柄 をつかんだ しゃ もじの先 をご飯釜 に入れ, しゃ もじの側面 を口につ け、す ぐロか ら ば っ と遠 ざける。

今回特筆すべ きこ とは, 自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使 用 ( 9 ) が,歯 ブ ラシ とカ ッ プ, は しとか ソプ, スプー ン と茶碗, スプー ン とか ノブ, しゃ もじとご飯釜 とい うよ うな多様 な 事物ペ アに よって展 開 されて い るこ とで あ る。 は しや スプー ンな どに よる飲 む行為 では , 「ア‑」

といった発 声や舌鼓 を伴 わせ るな どしてフ リが明瞭化 されてい るが , 「フ リで あ るこ と」を他者 に 強調 した り誇示 した りす る感 じではない。 フ リであ るこ とを自分 が意識 で き始め, ブ リをす るこ

とに楽 しさを感 じ始 めた ところ と言 えよ う。

今 回の場合, この種 の使 用 ( 9) に含 まれ る行為数 は主 として 2 で あるが , 3 つの異 なる行 為の連 結が 1 度 だ け生 じてい る (9 ‑a) 。つ ま り,個 々の行為 の内容 に未熟 さは認め られ る ものの,歯 ブ ラシ とか ソプ に よ り, ブ ラシの先 をか ノブ に入れ軽 く動 かす ( か きまぜ る)‑ ブ ラシの先 を口 に触れ さす ( 歯 を磨 く)‑ ブ ラシをか ノブ に入れ る (もどす) とい うよ うに,行為 が連結 されて い る。

6. 1 歳 8 か 月 表 6 1:8

3 .自分 に関連 させ 7‑ の単一事物 の使 用.

a .髪 を とかす よ うに‑ アブ ラシを動 かす。

b. ポ ッ トを両 手で支 え飲 むふ り。 口を開 き 「7‑」 と発声。

C. 両手で支 えたぴんの端 を口につ け,舌鼓 を打 って飲 むふ り。

d. 受話器 を耳 に当て 「ア イ」 ( す ぐ受話器 を放 す)a 7. 複数事物 の関連づ け的使 用。

a. ポ ッ トで足元の茶碗 に注 ぐ行為 。

9. 自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使 用。

a. 1本のは し先 を茶碗 に入れ、自分 の 口につ け口を動か し( 舌鼓 を打 ちつつ)飲 むふ り。

b. しゃ もじの先 を茶碗 に入れ, その茶碗 を左手で持 ち, しゃも じの先 を仁=こ軽 くつ け、

舌鼓 を打 って飲 むふ り。

1 0. 自分 と人形 に関連 させ ての単一事物 の使 用。

a . ブ ラシで後頭部 を軽 く叩 き (とか し),母 が抱 いてい る人形 の髪 に 自分 か らブ ラシを つ けそのブ ラシを少 し動 か し, 自分 の髪 にブ ラ シをつ け,再 び人形の髪 にブ ラ シを つ け,動 かす ( 同一行為 の連結 ‑ とかす行為 が 自分, 人形, 自分, 人形へ と向 け ら れ てい る)0

ll. 自分 と人に関連 させ ての単一事物 の使 用.

a . ブ ラシで 自分 の後頭部 を とか し、 母 の髪 にブ ラシをつ けて丁 寧 にブ ラシを動 かす ( 同

一行為 の連結)0

(8)

自分 に関連 させ ての単一事物 の使 用 (3‑ ち,C) や 自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使 用 (9 ‑a ,b) では,飲む フ りが明瞭かつ真剣 な表情 で展開 されて いる。

さらに, 自分 と人形 に関連 させ ての単一事物 の使 用( 1 0 ) や 自分 と人に関連 させ ての単一事物 の使 用州 が初め て認め られ た。‑ アブ ラシに よる特 定行為 (とかす)が, まず 自分 , それか ら他 の対 象へ と向 け られ るこ とで,結果的 に同一行為 の連結 が実現 されてい る。 人は , 演示や 言語的指示 といった直接 的 なはた らきか けに よっては本児の行為 を導 いていない。 しか し状況 を細 か く分析 してみ る と, 人形が本 児の近 くにあ るよ うに常 に配慮す る, 人形 に対 して本 児がはた らきか け始 め た ら, 人形 を起 こ して人形 の顔 が本 児か ら見えやす い よ うに してや るな ど,行為 の連結 に役立 つ よ うな配慮 を細や か, かつ 自然 に行 なってい るこ とが分 か る‑

7. 1 歳 9 か 月 表 7 1: 9

3. 自分 に関連 させ ての単一事 物 の使 用。

a. 頭 を とかす よ うに くLを動 かす。

b. 晴乳瓶 を自分 の 口につ け るo

c. 茶碗 で飲むふ り。飲 んだ後 「ア‑」 と発声。

d. カ ップ を口につ けて飲 むふ t )。大 きな声 で 「7‑」。

e. 受話器 を耳 に当て 「ウェ一, エー」。

4. 人形 に関連 させ ての事物 に よらない行 為。

a. 子熊の両耳 を持 って ( 意 図的 に ?)立 たせ る。上下 に軽 く動 か して放 す。

5. 人形 に関連せ ての単一事物 の使 用。

a. 母 が持 つ人形の上 に帽子 をのせ る。

7. 複数事物 の関連づ け的使用。

a .T が持 つ カ ップ になべ を上 か ら触 れ させ る ( 注 ぐ行為 にみ える)。

b. 柄 を持 った急須 ( 逆 さま) を床 の上 の か ノブ に近づ けつつ 「ア‑ イ」。

8. 単一事物 の慣 習的使 用。

a. ナベ をつかみ, 注 ぐよ うに床 に傾 ける。

b. 柄 を持 ったフライパ ンを傾 け 「ア‑」 ( 何 に注 ぐか は暖味)0

C. 蒲 団の上 に身 を伏せ る。

9. 自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使 用。

a. スプー ンの先 をか ノブの 中に入れ て動 か し, ロにつ けて飲むふ リ。 ( 2 行為)o

b. 下 に置かれ たカ ップの 中にポ ッ トの注 ぎロを入れて「ア‑」o ポ ッ トを右手 に持 った ま ま,左 手 に持 ったか ノブ を口につ けて飲 むふ り。大 きな声 で 「7‑」。両手の ポ ッ ト とカ ップ を,下 に置かれ たカ ップの上 に繰 り返 し一緒 につ ける。 ポ ッ トの先 ( 注 ぎ 口) を自分 の 口につ け,飲 むふ り ( 「ア‑ イ」 ) 。 その ポ ッ トの先 を,下 に置かれた カ ップ の中に入れ る。左手 に持 った カ ップ を口につ けて飲 むふ り ( 「7 ‑

) 。(3 つ の事物 の使 用。注 ぐ ・飲 むの錯綜 した連結 。明瞭 なフ リ)

C. コン口上 の なべ にフ ライ返 しの先 を入れ, その先 を 自分 の ロにつ けて飲 むふ リo

d. 右 手で受話器 を取 り耳 に当て 「ウウウア‑ イ」。 その ままの形 で, ダ イヤ ル を回す よ うに, ダイヤル に触れ た手 を激 し く動 かす ( 回す よ うな手の使 い方 はで きない) 。 受話器 を受 け台 に きちん と置 く。 ( 話す ・回す ・置 くとい う異種 3 行 為の連結)。

e. 受話器 を耳 につ け 「ア‑ イ」.右 手 で ダイヤル を動 かす。受話器 を話 す。

1 0. 自分 と人形 に関連 させ ての単一事物 の使 用 ( 不完全 。 同一行為 の連結)0

a. くLを取 り, 自分 の髪 につ けてか ら人形 の方 に向 け る。

今 回は新 しい種類 の使 用が認め られ ないが,既 出の それ との関連 で はい くつかの変化 が認 め ら れ る

C

‑ 1 8‑

(9)

まず,複数事 物 の関連づ け的使 用

(7)

,単 一事 物 の使 用

(8)

, 自分 に関連 させ ての複 数事 物 の 関連 づ け的使 用

(9)

な どの諸例 に見 るよ うに, か ノブ, 急 須, ナベ , フ ラ イパ ン, ポ ッ トな どの事 物 に よる注 ぐ行為 が盛 ん に生 じて い るO そ して, それ らの行為 には 「ア‑」 とい った発 声 を伴 わせ る こ とが 多い。特 に 9‑b で は , 3 つ の事 物 , つ ま i )床上 の か ソプ とそれ ぞれ の手 に持 つ ポ 、 バ と か ソプ に よ り , 注 ぐ, 自分 が飲 む とい った 2 つ の ごっ こ行為 を繰 り返 し連 結 させ て い る。 そ して その 中で は,手 に持 つ か ノブや ポ ッ トの いず れ に も注 ぐ,飲 む とい った 2 つ の機能 が付 与 され て いる一 方で, ポ ッ トで床上 の か ノブ に注 ぎ, しか しその か ノブ で飲むふ りをせ ず に手 に持 って い る別の か ノブ で飲 む とい った論理 的不 整合 ・限 界が, 認 め られ る。 注 ぐの に剛 、られ た事物 で飲 むふ りをす るの は可能 で あ るが , 注 がれ た事 物 で飲 むふ りをす るの は不 可能 な段 階 にあ る と言 え よう。なお 9‑d の電話使 用 で は,受 話 器 を耳 に当て ての話 す行為 ,ダ イヤ ル を回す行為 ,受 話器 を受 け台 に置 く行為 が連 結 され て い る ( 異種 3行為 の連 結 )0

さ らに今 回は, 熊 の両 手 をつ か んで立 たせ る とい った, 人形 に関連 させ ての事 物 に よ らな い行 為 ( 4) が生起 して い る 。 1歳 7 か 月 にお け る よ うな 人形 の部分 へ の探 索 的興 味 か ら脱却 して, 全体 として, あ るいは 自分 と同様 の主体 的 ・能 動 的 存在 として, 人形 を認知 す る方 向へ の移行 が始 ま りつつ あ る と思 われ る。

8.1 歳 1 0 か 月 表 8 1: 1 0

3. 自分 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用。

a . カ ップ で飲 むふ r )0

b. なべ を両 手 でつ か んで 口につ けて飲 むふ り。

C. 受 話器 を耳 に近づ け 「ア ‑ 」。 す ぐ放 す。

4. 人形 に関連 させ ての事 物 に よ らない行為 。

a. 人形 を見つ け 「ア ッ」。 人形 の両 手 を 自分 の両 手 でつ かみ 自分 に向 けて立 て る ( 人形 に笑顔 を向 け る)0

b. 子 熊 の両 手 を とって 引 き起 こ し座位 に させ る。

9 . 自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用。

a . スプー ンで床上 の か ソプ をか きまぜ , ロにスプー ン をつ けて 「7‑」。

b. スプー ンでか きまぜ その カ ップ を 口につ け, カ ップ で飲 むふ i )O その カ ップ を下 に置 き, カ ップ をスプー ンでか きまぜ , スプー ンで飲 むふ り。 スプー ンでか きまぜ カ ッ プ で 飲むふ り。 ( 関連行 為 の豊 か な連 結 )

C . 包丁 の先 を茶碗 に入れ, さ らに 自分 の 仁=こつ けて, 食べ るふ り。

d. 急須 の先 をア イス容 器 とポ ッ トに傾 け注 ぐふ り。特 にア イス容 器 につ いて は、容器 か ら離 れ た位 置 で 「ア ‑ 」 とい って急須 を傾 けてか ら, 急 須の先 を容 器 の上 端 に軽 く つ け る ( 丁 寧 に注 ぐ)。別 のプ リン容 器 に も注 ぐ。 急須 を放 し, 二つ のプ リン容 器 を 手 に取 って,続 けて飲 む ふ り。

e. なべ の 中には しの先 を入 れ, 自分 の 訓 こつ けて 食べ るふ りo

f. ダ イヤ ル を右 手 で 回す よ うに動 かす。受話 器 を左耳 に当て , 「ア イ, イー ,‑ イ」 と 話 す よ うに発 声 を続 け る。

g. 受 話器 を当て発 声。受話 器 を受 け台上 に もどす。

l l. 自分 と人 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用。

a. カ ップ で飲 むふ り。 「7 ‑」 。T の ロに か ノブ をつ ける ( 飲 ませ る)0 ( 他 者へ の明確 な指 向。 同一行為 の連 結 )

1 2. 自分 と人 に関連 させ ての複数事 物 の 関連づ け的使 用。

a . カ ップ に歯 ブ ラ シの先 を入 れ, 自分 の ロにつ け る。再 び カ ップ に歯 ブ ラ シ を入れ、そ れ を体 を伸 ば して母 に向 け る。

1 3 . 自分 と人形 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用。

a 千 に もった容 器 をスプー ンでか きまぜ 自分 が飲 むふ り。再 びか きまぜ , ( 本 児 に向 け

(10)

て母 の膝 にのせ て あ る) 人形 の 口にスプー ンの先 をつ け, す ぐ自分 の ロ‑ 。続 けて 人形 の ロ‑ 0

今 回 は, 自分 と人に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用( 1 2 ) お よび 自分 と人形 に関連 させ て の複数事物 の関連づ け的使 用個 が,新 し く生起 して い る。他 者‑ の積 極 的 な指 向 ・関 わ りが認め られ るが, それ と関連 して, か ノブ で 自分 が飲 む ・他者 に飲 ませ る とい った同種 行為の連結

(l

l

)

の み な らず,容 器 をスプ ー ンで か きまぜ 自分 が飲 む ・再 びか きまぜ 人形 に飲 ませ る とい うよ うに, 異種 2 行為 の連 結 の 反復的展 開 も生起 して い る ( 1 3 ) 0

人形 に関連 させ ての事 物 に よ らな い行 為( 4) につ いては. 人形 を 円分 に向 けて 1 7 ̲ たせ ( 写真 2) 笑顔 を向 け るな ど,先 回初 め て認 め られ た よ うな 人形 に対 す る認識 の変 化 が よ り一 層明瞭 を もの

とな って い る。

自分 に関連 させ てC 7 月, 隻数事物 の関連 つ け的使 用 で は (9‑b) ,か ノブ を スプー ンで か きま ぜ カ ップ で飲む‑ か ノブ を スプ ー ンでか きま ぜ スプー ンで飲む‑ か ソプ を スプー ンでか き まぜ か ソプ で飲む とい うよ うに, 関連 2 行為 の連 結 ・展開 がみ られ る 。 1 歳 7 か 月お よび 1 歳 9 か 月にお け るか ソプ とスプー ンの使用 で は, か きまぜ るの に用 い られ た スプー ンに よって飲 む行 為 が な され て い るが, 今 回 は, か きまぜ られ た カ ップ に よって も飲 む行為 が な され て い る。事 物 ( 道具 ) 使 用 にお け る脱 中心 化 ない し間接 化 とい った傾 向の育 ちを反映 す る 行 為 と言 え るか も しれ ない。 この こ とは , 9‑d にお いて,急 須 で注 ぐ行為 を 3 つ の事 物 ( ア イス 答 器, ポ ッ ト, プ リン容 器 ) に続 けで 慎重 に展 開 して い る こ とに も, 言 え るで あ ろ うO 以前 はそ の よ うな 「 待 ち」か て きず. ひ とつ の事 物 に注 ぐとす く 、に飲む 行為が生 起 して い る ( cf ・1 歳 9 か

「 ヨ0

9. 1 歳11か 月 表 9 1: ll

4. 人形 に関連 させ ての事 物 に よ らない行為 。

a . 人形 を両手 で持 ち 自分 に向 けて立 たせ る。 人形 を見 て 「 7‑ 」 と発 声。

7. 複数事 物 の関連づ け的使 用。

a . カ ップ で ご飯 釜 に 「アー」 と注 ぐ。 か ノブ を床 に丁 寧 に置 く。

b. 急須 の柄 をつ か み, ご飯 釜 に 「7‑」 と注 ぐ ( 釜 に注 ぎロをつ け る)0 9. 自分 に関連 させ ての複数事 物 の 関連づ け的使 用。

a . 歯 ブ ラ シを 自分 の 口‑ 。 それか ら茶碗 の上 に置 く (きれ いに手 を開 く)。

b. 牛乳瓶 で, 床上 の カ ップ と茶 碗 に注 ぐ。 カ ップ で飲 むふ り。

C. ご飯釜 の 中 に しゃ も じの先 を入れ, 自分 の 口に しゃ も じをつ けて食べ るふ r )。

d. 受 話器 を耳 に当て, 右 手 で ダ イヤ ル を動 かす。受 話 器 の柄 を両手 でつ か み、 受 話器 を 受 け台 に置 く。 ( 異種 3 行為 )

e .受 話器 を耳へ ( 「アー」)。右 手指 ( 人 さ し指 , 中指 ) で ダイヤ ル を少 し回 し,受 話器 を受 け台 に置 く。

l l. 自分 と人 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用。

a. 容 器 で 自分 が飲 むふ り。 その容 器 を母 の方 に差 し出す。

ー 2 0‑

(11)

今回 は , 4 種 の既 出の使用 形態 が生起 して い る。 人形 に関連 させ ての事 物 に よ らない行 為 ( 4 ) に っいて は, 自分 に向 けて立 たせ た人形‑ の積 極 的関 与 ( 人形へ 「ア‑」 と発声 )か 認め られ る。

自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ 廿的使 用

(9)

につ いて は, 特 に電話 の使 用 に際 して,受 話 器 を耳 に 当て る‑ ダ イヤ ル を動 かす‑受 話器 を受 け台 に置 くとい った, 異種 3 行為 の連 結 が認 め ら れるo

l O.2 歳 表 1 0 2: 0

3. 自分 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用c a . くLで頭 を とか す よ うに動 かす。

b. 茶碗 で飲 むふ り。 なべ や ご飯 釜 で も飲 むふ り。

C. 蒲 団 に 自分 の体 を横 た え るが す ぐ起 きる。

d. 座位 で伸 ば した 自分 の足 に蒲 団 をか け るが, す ぐ取 る。

4. 人形 に関連 させ ての事 物 に よ らない行 為 。

a . 蒲 団 をか け られ て い る子 熊 を見 て 「7 1 1 /」。 自分 も子 熊 の そば に行 き,座 った ままで 蒲 団の上 に上体 を伏せ る。

5 .人形 に関連 させ ての単 一事 物 の使用 。

a . 人形 の頭 に帽子 をのせ る ( で きた !とい うよ うに拍 手 の仕草 )0 7. 複数事 物 の関連づ け的使 用。

a . ポ ッ トをつ かみ 「ア‑」 と言 ってか ら, 床 の上 の カ ップ に注 ぐ。

b. 牛乳瓶 で, 床 の か ノブ に 「7‑」 と注 ぐ。

C .茶碗 を左手 に持 ち, 右 手 で持 ったスプー ンでか きまぜ 、その スプー ン を下 方 に向 けて 何 か に注 ぐ感 じ ( 何 に注 ご うとして い るの か は不 明)0

d. コンロに置 かれ た なべ にふ た をす るが,す ぐ取 る。

e . スプー ンで床 の カ ップ をか きまぜ るよ うに動 か し、その スプー ン を隣 の カ ップ の上 で 傾 け る。再 び先 の カ ップ をか きまぜ スプ ー ンの先 を コンロの上 の フ ラ イパ ンに入れ

る ( カ ップ か らす くった もの をフ ライパ ンに入れ る感 じ)。

8. 単 一事 物 の使 用

a. フ ライパ ンの柄 を握 り , 傾 けて 「ア ‑ 」 と注 ぐ。

b. 蒲 団 を床 に広 げ た り両 手 で持 ち上 げ た りす る0 9. 自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用。

a . スプー ンで床 の茶碗 をか きまぜ別 の容 器 にその スプー ンで注 ぎ,再 び茶碗 をか きま ぜ その スフO ‑ ン を口につ けて ロを動 か し, 口か らスプー ンを離 す 時 「7‑」 と発声 。

b. ブ ラ シの先 を釜 に入れ, 自分 の 口に入れ る。 釜 に入 れ る。

C . スプー ンで なべ をか きまぜ , スプー ン を放 して,両 手 で取 っ手 をつ か ん だ なべ を口 につ けて飲 むふ り。

d. フ ライパ ンには しの先 をつ け, 自分 の ロにつ け, は しを放 す。

e .受 話器 を取 り耳 に当て 「 ‑ イ」。 右 手指 で半分 くらいダ イヤ ル を回 し,受 話器 を両 手 で受 け台 に置 く。

f.受 話器 を見 て 「 ‑ イ」。 す ぐ受話 器 を耳 に もって い き ( 「 ‑ イ」 と言 いつつ ), 耳 に あ てた ま ま少 しの間 をあ け,受 話 器 を受 け台 に もどす。

今 回特 筆 すべ きこ との ひ とつ は, 人形 に関連 させ ての事物 に よ らない行 為

(4)

にお いて, 子 熊 を 自分 に向 け るの で な く, 自分 を子 熊 に対 して方 向づ けて い る こ とで あ ろ う。 子熊 を 自分 に向 けて 立たせ る ( cf .1 歳 9 か 月 , 1 歳 1 0 か 月) ので な く,横 に され た熊の万 に 自 ら近づ いて い る。

今 回はナベ , フ ライパ ン, 釜 な どが, それ本来 の使 用法 に よってで は な くいわば か ソプ的 な も

C 7 )として,盛 ん に用 い られ て い るC 一万 スプー ンにつ いては, その使 用 に関す る認識 の深 ま りが

認め られ る。つ ま り,複数事 物 の関連づ け的使 用 の例 ( 7‑e ) にお いての,か きまぜ る, ( 中身 を)

(12)

移 す とい った 2 行為 の連結 の 反復 にみ るよ うに, あるいは 自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使用の例 (9‑a)にお いての、か きまぜ る,移 す, か きまぜ る, 飲む といった行為の連結 に み るよ うに, スプー ンに よって移 す とい う操 作が新 し く生 じてい る。 この こ とが,事物相互 の関 連づ けの機 会の増大や 多種 行為の よ l

)

豊か な連結 ・質問 を もた ら して い る とい えよ う。

1 1.2 歳 1 か 月 表 11 2:1

3 .自分 に関連 させ ての単一事物 の使 用。

a . 晴乳瓶 を自分 の ロにいれ [ 7‑」 と発声 しつつ飲むふ り。

b. くLで 自分 の頭 を とかす。

C . なべ の端 を口につ け 「7‑」。

d. 蒲 団 に 自分が座 り,体 を伏せ るo

e. 座 った まま足に蒲 団 をか ける,取 る。

f.座 って 自分 の足 に蒲 団 をか けてか ら,横 になる。

g. 受話器 を耳 に当て るがす ぐ離す。

5. 人形 に関連 させ ての単一事 物 の使 用。

a .繰 り返 し慎重 に人形 の 口に晴乳瓶 をつ けるo

b. フライパ ンを取 り人形 の 口につ け る。

7. 複数事物 の関連づ け的使用。

a . 足元の茶碗上 で急須 を傾 け 「ジャー」。

b. 床上 の茶碗 とか ノブ に,急須 で続 けて 「ア‑」 と注 ぐ。

C . フ ライ返 しをフ ライパ ンの方 に向 け, 「7‑」 と注 ぐ感 じ。

d. まな板 を包丁 で叩 く。

9 .自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使用。

a .下の茶碗 に向 けて手 に持 った スプー ンを 「ア ‑ 」 と傾 け,両手で茶碗 を持 って 口に つ け, 「ア‑」 と言 いつつ茶碗 を置 くo

b. 茶碗 に急須で 2 回 「ジャー」 と注 ぎ急須 を下 に置 き,両手で茶碗 の側面 を支 えて飲 むふ り (じっ と母 を見 る) 。

C .茶碗 で飲むふ り。茶碗 をコンロの上 に置 く。

d. 受 話器 を耳 に当て小声 を発す る C rア‑ ア ・ウ‑ ウ」 ) 。受話器 を受 け台 に置 く。

1 0. 自分 と人形 に関連 させ ての単一事 物 の使用。

a .晒乳瓶 を取 り自分 の 口に入れ る。 ( 人形 を捜す よ うに体 を移動 してか ら)人形 の ロに 瓶 の先 をつ け, 自分 の 口に入れ る。 (自発的 な, 同一行為 の連結 )

b. か ノブ を と り, 自分 の後方 に体 を回 し ( つ ま りそ こに人形が あるの を知 ってい る)、

上 向 きで寝 てい る人形 の 口にその か ノブ をつ け (自分 の 口を動か しつつ), さ らにそ の か ノブ を自分 の 口につ け 「7‑」 と飲むふ りを して 口を動 か し,再 び人形の 口に カ ップ をつ けて舌鼓 を打 ち, さ らにその カ ンプ を自分 の 口につ けて 「ア‑ ン」 と発 声。 その カ ップ をコンロの上 に置 くO ( 同一行為 の豊 か な連結。 人形の飲む行 為の代 行一 無意識 的 p‑ 。飲 ませ よ うとの明瞭 な意 図)

今 回は, 自分 と人形 に関連 させ ての単一事物 の使 用 ( 1 0 ) の例, す なわ ち晴乳瓶や カ /プ を開いて 自分 と人形 に飲 ませ る行為 の連結 ( 同一行 為の連結 )にお いて,新 しい傾 向が認め られ るO まず, 飲 ませ る行 為が, これ までの よ うに眼前 に位 置す る人形 に対 してではな く,眼前 にない後方 の人 形 に対 して 自分 の体 を移動 させ た上 で行 なわれ て いる。 自分 の同国 に有す る事物 間の位 置関係, お よび事物 と自分 との位 置関係 につ いての認識の深 ま り, 「人形 に飲 ませ よ う」との意向の出現 な どが示唆 され る。 さ らに人形や 人に対 して特定 の行為 を向 ける場 合, これ までは必 ず事 前 にその 行為 を 自分 に対 して行 なっていたので あ るが, 今 回初め て,最 初か ら自分 にで な く相手 (人形) に その行為 を向 けて い る ( 1 0‑b) 。 またその際, つ ま りか ノブで飲 ませ る時, 自分の ロを動 か し

‑ 22‑

(13)

た り舌鼓 を打 った りして いる。 いわば無意識的代行行為 とで も特徴づ け うるごっこ行為の出現 で あ る。

なお, 自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的便 円の例 申 し9‑b )に,両手で側面 を支 える といった茶碗 の丁寧 な使用法が認め られ るC

1 2.2 歳 2 か 月 表 1 2 2: 2

3.自分 に関連 させ ての単一事 物 の使 用 。

a . くLで 自分 の頭 を とかす。

b. 座 り,蒲 団 を足 にか ける。

4 .人形 に関連 させ ての事物 に よらない行為。

a .子 熊 と並 んで座 る。

5. 人形 に関連 させ ての単一事 物 の使用。

a . くLを見つ けて、(しか しす ぐには くLを取 らず に)体 を回転 させ て人形 を引 き寄せ 、 その頭 に くLをつ けて動 かす。

7. 複数事物 の関連づ け的使用。

a. 茶碗 を左手 に持 ち, 右手 に持 った急須 で注 ぐ ( 先端 を軽 く当て る) 0

b. キュー ブ を持 ち,一方の手 に持 つ スプー ンを近づ け る。両方 を下 に置 く。( 見立 て ?) C . コン口上 の なべ を取 り, ふ た を取 t )

,

しか しす ぐにふ た を して、なべ をコンロの上 に

置 く。

9. 自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用。

a. は しの先 をポ ソトの中に入れ る。 そのは しの先 をロにつ けて, 口を動 かす。

b. は しを 2 本手 に持 ち,頭 を下 げ ( いただ きます ?)てか ら、は し先 を下 の皿 につ けて、

自分 の 口につ け る。 ( テーマ性 の加味 )

C . スプー ンを持 ち , 「ア ッ」 と軽 く頭 を下 げ ( 明 らか に 「いただ きます」 のつ も り) , 皿 か らスプー ンです くって, スプー ンを口につ けるo

d. 茶 碗 を手 に持 ち、 茶碗 の 中 をスプー ンです くうよ うに してか ら, 自分 の ロに スプー ン をつ け る。 スプー ンです くい, 足元の皿 に向 けて スプー ンを傾 ける ( 注 ぐよ うに)。

e . しゃ もじの先 を容器 に入れ, 自分 の 口につ ける。

f.柄 を持 った フラ イパ ンに しゃ もじの先 をつ け、それ を自分 の 口につ け る。頭 を下 げ る。

g .母 の フ ライ返 しを取 り,先 をフライ′ ヾンにつ け, 自分の 口につ け, ロを動 か しつつ 母 を見 る。

h. 茶碗 に包丁 の柄 の方 を入れ, 自分 の ロにつ ける。

i. 茶碗 に包丁 の先 を入れ る。

1 0. 自分 と人形 に関連 させ ての単一‑ 事物 の使 用o

a . 「ア ッ」 と人形 の帽子 を拾 い、自分 の頭 につ けるO 「7 . 月 と帽子 を人形の方 に向 け る。

( 帽子 ・ ・ ・ 自分 ・人形 )

b. ボ ントで 自分 が飲むふ りo体 の向 きをか え,寝 か されて いる人形 の 口にポ ッ トを近 づ け ( 飲 ます こ とがで きた ! とい うよ うな笑顔), 自分 が飲む。

ll.人 と自分 に関連 させ ての単 一事物 の使用。

a .歯 ブ ラシを 「ア ッ」 と母 に向 ける。 自分 に向 ける。母 に向 ける。

1 2. 自分 と人に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用。

a .茶碗 を 「 ‑ イ」 と足元 に きちん と置 く。 スプー ンで茶碗 の 中 をか きまぜ, 自分の 口 に スプー ンをつ け, す ぐ後方 の母 にスプー ンを差 し出す。 ( 明確 な意 図)

b. 受 話器 を取 りつ つ 「 ‑ イ」O受話器 を持 った まま右手指 で ダイヤル を 5 回ほ ど回す ( 上 手 に回 しきるこ とはで きない)。受話器 を耳 に当て, 「 ‑ ィ, ‑ ィ,‑ イ」 と発声。

一度,頭 を軽 く下 げ る。 ( 母 に電話 に出て もらいたい表情で) そばの母 の方 を見て受 話器 を差 し出す。

1 4. 自分 に関連 させ ての単一事 物 の見立 て使 閏。

a . 「ア‑」 と発 しつつ,左手 に持 ったペ グを口に近づ ける。

(14)

今 回初め て,ペ グ を口に近づ け る とい った, 自分 に関連 させ ての単一事 物 の見立 て的使 用銅 が 出現 して い る。 代理 的名称 は もちろん, 口 を動 か して 食べ るふ りをす る とい った象徴 的行為 もま だ付帯 して いず, きわめ て未 熟 ・暖味 な段 階 の見 立 て と言 え る。

次 に既 出の使 用形態 との関連 でみ てみ よ う。 まず, 複数事 物 の 関連づ け的使 用 の例 (7‑C)で は, ナべ につ いて か ソプ的使用 か らの脱却 ,慣 習的 使用 法へ の移行 が認 め られ る。 自分 に関連 さ せ ての緩数事 物 の関連づ け的使 用 ( 9) に関 しては, は しや スプー ン, あ るいは しゃ も じでの飲 食行 為 に前 後 させ て軽 く頭 を下 げ る行 為 が新 し く出現 して い る。 この行為 は, 日常 の飲 食場 面 で 慣習 的 に な され るあい さつ ( いただ きますや ごちそ うさま) の再 現 と思 われ, 本 児の遊 び に テー マ性 が加 味 され て きた こ とを示 す もの と言 え よ う。 なお この 9 の例 にお いては, は しの使 用 ( 2 本 を 一万 の手 に取 り, は し先 を皿 につ けてか ら自分 の 口につ け る)や スプ ー ンの使 用 ( 茶碗 の 中 を丁 寧 にす くって移 す) に も洗練 化 が認め られ る。 人形 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用 ( 5) , 自分 と人 形 に関連 させ ての単一事 物 の使 用 ( 1 0 ) , 自分 と人 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用( 1 2 ) n諸 例か らは, 前 回指摘 した よ うな形 で の他者 へ の指 向 ( 眼前 に いない他 者‑ の積 極 的 なは た ら きか 汁)が明瞭 に認 め られ る0 人 と自分 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用( l Bで は, 歯 ブ ラ シを初 め か ら 母 に向 けて い る 。1 2‑b の電 話使 用 で は,受 話器 を耳 に当てつつ 「 ‑ ィ,‑ ィ,‑ イ」 と発 声 し た i )頭 を軽 く下 げた りして 日常生 活 にお け る大 人や 自分 の通 話行 為 を豊 か に再 現 して い る。 また この例 では, 自分 の耳 に当て た受 話器 を母 親 に 自 ら差 し出す行為 が初 め て生起 して い る。

人形 に関連 させ ての事 物 に よ らない行為 ( 4) で は, 子 熊 の方 に 自分 を移 動 させ て子 熊 と並 ん で座 る行為 が 出現 して い る。 人形 に対 してのパ ー トナー 的意味づ けが可能 とな りつ つ あ るこ とを示唆 す る例 と言 えよ う。

1 3.2 歳 3 か 月 表 1 3 2:3

3 . 自分 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用。

a. くLを頭 につ け るが, す ぐ離 す。

4. 人形 に関連 させ ての事 物 に よ らない行為 。

a . 人形 を 自分 か ら抱 き上 げ,左 腕 で抱 え, 人形 の腰 を右 手 で軽 く叩 きなが ら 「ネ‑ ( ね んね ?) 」 とあや す し ぐさ。 ( 役 的行 動 の萌芽 )

5. 人形 に関連 させ ての単 一事 物 の使 用。

a. 子 熊 に ポ ッ トの 口をつ け る。

b. 雇 て い る人形 の頭 に枕 をつ け る。

C .寝 て い る人形の頭 の上 に枕 をのせ る。

d. 人形 に蒲 団 をか け る。 ( 蒲 団の 中 に人形 の顔 が隠 れ て しまわ ない よ う, 蒲 団が きちん と広 が る よ う, 配慮 して い る)

e .上体 をね じ り、寝 て い る子 熊 の頭 に受 話 器 をつ け る。 片手 で耳 を引 っ張 りなが ら子 熊 を 自分 に近づ け, 片耳 を持 って子 熊 を立 てた まま ( 子熊 は本 児の方 を向 いて い る), 一 方 の手 に持 った受 話器 を子 熊 の耳の所 に当て る。 ( 真剣 な表情 )

7. 複数事物 の関連づ け的使 用。

a . テ ィー ポ ッ トか らスプー ンです くい、床上 の カ ップ ( 2 個 ) と茶 碗 に スプー ン を傾 け 注 ぎつ つ 「ア‑」 と発声。 ( スプー ン・ ・ ・ す くう, 注 ぐ)

b. 包丁 で まな板 を トン トン。

9 , 自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使 用。

a . 晴乳瓶 をか ノブ に傾 けて軽 く振 り, 哨乳 瓶 を放 し, か ノブ で飲 み 「7‑」o b. ポ ッ トで床 の か ノブ に注 ぐ。 か ンプ を口につ け飲 むふ り ( 口 を動 か し 「ア ‑ 」 ) 。

C. テ ィー ポ ッ トにスプー ン を入 れ てす くい, 自分 の ロへ。

d. テ ィー ポ ッ トで カ ップ に注 ぎ、カ ップ を両 手 で持 って 口に近づ け る。軽 く頭 を さげ て

‑ 2 4‑

(15)

か ら ( いただ きますのつ もりO 「ウン」 と発声 )、か ソプ をL 」につ けて飲むo す ぐカ ッ プ を下 に置 くD ( テーマ性 )

e . ポ ッ トか らスプー ンです くい, スプー ンを口につ ける。

f. スプー ンを取 り,手元の か ノブ を持 ち, か ノブか らスプー ンです くって飲む。

g. 床の か ソプ をつ かん でスプー ンです くい 口につ け,頭 を下げつつ か ソプ を放す。 (ご ちそ うさま遊 び ?。他者へ の指向 は弱 い)

h. は し先 をコンロの上 の フライパ ンにつ け, さらに口につ けて , 「ア」 と食べ る。

享 ・ は し先 ( 1 本) を床 の上 の茶碗 につ け, 自分 の 口につ け る。

J. は しを ( 最 初か ら意識 して) 2 本取 り、コン口上 の フラ イパ ンには しの 先 をつ け, そ のは しの先 を床上の茶碗 に向 ける ( 注 ぐ感 じ) 。 その茶碗 を左手 でつ かみ, そのは し 先 を茶碗 の中につ け, は し先 を自分 の 口に入れ る。続 けて、は しの先 を茶 碗の中で回 す よ うに動 か してか らは し先 を口に入れ, そのは し先 を、 床上の容器 に向 けて数 回振

る。 ( 4 つの事物 に よる 多様 な展開。 は しの 多様 な使 い方 )

k. 受話器 を耳 に当て 「 ‑ イ」。右手指 で ダイヤ ル を回 し,受話器 を置 く。

l l.自分 と人に関連 させ ての単一事物 の使用。

a . 哨乳瓶 を自分 の 口へ。 それか ら T の 口へ。

b. 受話器 を自分の耳 に当て 「 ‑ イ」。立 ち上が り,受 話器 を 「 ‑ イ」 と T に差 し出す。

( 他者へ の電話 の取 り次 ぎ ?)

1 2. 自分 と人に関連 させ ての複数事物 の関連づ 廿的使 用。

a .受話器 を取 り , 「ウン」 と一瞬 T に差 し出すが,す ぐ自分の耳 に 当て る。 ダ イヤル を 回す。 「 ‑ イ 」 「 ‑ イ 」 「 ‑ イ」 と忙 しそ うに言 いつつ頭 を軽 く小刻 み に下 げてか ら, 受 話器 を受 け台 に もどそ うとす る。 しか し受 け台にセ ッ トしない うちに、 受話器 を再 び耳 に当て る。「ア イ, ア イ」 と言 ってか ら、「 ‑ イ」と笑顔で T に受話器 を差 し出す。

1 3.自分 と人形 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使用。

a .受話器 を取 り, ( す ぐに受話器 を 自分 の耳 に当て ないで まず) ダ イヤ ル を回 し,横 に 寝 てい る人形の頭 に受話器 を当てて 「 ‑ イ 」 「ア イ」 と発声。 人形か ら受話器 を一旦 離 すが、 す ぐに また人形の頭 につ ける。それか ら自分 の耳 に近づ け 「 ‑ イ」 と言 って、

受 話器 を受 け台 に置 く。 ( 関連行 為の連結。 人形の通話 の代行)

b.受話器 を取 り自分の耳 につ けてダイヤルを回 し,受話器 を 「‑ イ」 と ( Tが抱 く)人 形 に差 し出す。

1 4.自分 に関連 させ ての単 一事物 の見立 て使用。

a . 自分か らペ グを取 り、自分 の 口につ けて舌鼓 を打 った r )しなが らアムアム と口を動 か し笑顔 で食べ るふ f ) ( 笑顔 は人に も向 け られて いる) a

1 5.人形 に関連 させ て の複数事物 の関連づ け的使用。

a .蒲 団 を見てか ら、人形 を蒲 団の上 にそ っ と雇 かす。人形の Lに も蒲 団 を丁寧 にか ける。

1 6. 二つ の人形 に関連 させ ての単一事物 の使用。

a .哨乳瓶 の先 を、 子熊 と人形の ロにつ ける ( 左手で 人形 を起 こす。 静 か に偵重 に飲 ませ て いる) 。

b. 子熊お よび人形 の側頭部 に続 けて受話器 をつ ける。

1 7. 二つの人形 に関連 させ ての単一事物 の 見立 て使用。

a . カ ップの 中のペ グを取 って 口に近づ け、 ペ グ先 に7‑ 7‑ と息 をが ナるO横の子 熊 と 人形の 口に続 けてペ グ先 をつ ける ( や さ しい感 じ。自分の 口を小 さ く動 か している) 。 ( ペ グ‑・ 息 をふ きか ける, 食べ させ る。行 為の代行)

1 8.自分 と複数 の 人形 に関連 させ ての単一事物 の 見立 て使用。

a .緑 のペ グを取 り 「アー」 と自分 の 口に近づ け る。さらに ( 母 が支 える)子熊の 口にペ グをつ けて,舌鼓 を打 つ よ うに 自分 の 口を動 かす。 それか ら人形 を見なが ら 「 7‑」

と頭 を下 げ る。 す ぐに、そのペ グをそばの別の 人形 ( 横 にな って いる)の 口につ け舌 鼓 を打つ。 ふたたび子熊の 口 ( は じめ は 目, す く \自分か らロへ 向 け直す)につ け 「 パ ッパ ッ」 と舌鼓。 「 7‑ 」 と満 足げ な表情 を浮かべ てペ グを放 す。 ( 豊 か な展開。同 一行為の連結。 テーマ ・挨拶O行 為の代行)

1 9. 絵 と自分 に関連 させ ての複数事 物 の関連づ け的使用。

a . ダイヤ ル を回す。立 ち上 が って少 し移動 し , 「 ‑ イ」 と言 って,乳 児用 イスに描 かれ

た子猫 の絵 に受 話器 をつ け る ( 立 った まま) 。 自分 の耳 に も受話 器 を当て る。 それか

(16)

ら元の所 に歩 いて戻 る。

今回は, 多様 な牙Zでの電話 使用が出現 してい る。 まず 人形 に関連 させ ての単一事 物 の使用の例 (5‑ e) では,横 に された子熊 に対 して一方的 に‑ つ ま り子熊 を受 け身 に させた まま‑受話器 をつ け るこ とに満足せず, 片手で持 ち上 げ 自分 に向 けて立たせ た子熊の耳 に対 して, 他方の手 に 持 つ受話器 を真剣 な表情 でつ けて いる。さ らに ,2 つの人形 に関連 させ ての単一事物 の使用 ( 1 6 ) ‑ 初 出‑ の例では,二つ の対 象の側頭部 に対 して受 話器 を続 けてつ けてい る。 自分 と人形 に関連 させ ての桟敷事物 の関連づ 廿的使 用 ( 1 3‑b) では, 自分 の耳 に受話器 を当て, ダイヤ ル を回 し,隻 話器 を人形 に差 し出す とい う,言 わば 自己先行型の異種 3 行為 の連結 が まずみ られ る。 さらに, 受話器 を取 り‑ しか もその こ とで 自分や他者 に受話器 を向け る行 為がす ぐに惹起 されず に‑ , ダ イヤ ルを回 し, まず (自分 ではな く) 人形 の頭 に受話器 を当てつつ発声 ( 通話 ?) を代行 し, そ れか ら自分 の耳 に近づ け発声 し,受話器 を受 け台 に置 くとい った, 人形先行 型の異種 5 行為 の連 結 も生起 してい るO後者 の例 にみ られ るよ うな電話使用 にお ける他者‑ の関わ りの積極性 は,絵 と自分 に関連 させ ての複数事物 の関連づ け的使 用 ( 19 ,初 出)の例 にお いて, さらに顕 著で ある と思 われ る。立 ち上 が i

)

移勤 し,乳 児用の椅子 の背 もたれ に描 かれてい る子猫 に対 して受話器 を つ けている ( 写真 3 ) 。 もちろん,事物 につ いての象徴的思 考 力が育 ちつつ あるこ とも, この よ う

な行動 の出現 に大 き く寄 与 して いる と言 えよ う。

さ らに, 自分 と人に関連 させ ての単一事 物の 使用の例 ( ll‑ b) で は, 日常 生活 にお ける 電話使用場面 で よ く起 こ りうる 「 電話の取 り 次 ぎない し呼 び出 し」を再現 す るかの よ うに,

まず受話器 を 自分 の耳 に当てて 「 ‑ イ」 と応 答 し, それか ら立 ち上 が って人に 「 ‑ イ」 と 受話器 を差 し出 して い る。 お もちゃの電話使 用へ の この よ うなテーマ性 の加 味 は, 自分 と 人に関連 させ ての複数事物 の関連づ 廿的使用 ( 1 2 ) において も認め られ る。 そこでは, 自分の 耳 に受話器 を当てた まま , 「 ‑ イ 」 「 ‑ イ 」 「 ‑ イ」と立て続 けに忙 しそ うに発声 し, かつ小刻 みに 頭 を軽 く下 げて い る。 さらに呼 び出すかの よ うに, 人に笑顔 で 「 ‑ イ」 と受話器 を差 し出 してい

る。

一万,電話 以外 の事物 の使用 に関 して も,今 回はい くつかの注 目すべ き進展がみ られ る。 まず 自分 に関連 させ ての単一事物 の見立て使用掴 ,二つの人形 に関連 させ ての単一事物 の見立て使 用 ( 1 7 ,初出) , 自分 と複数 の人形 に関連 させ ての単一事物 の 見立て使用 ( 1 8 ,初出)の例 にみ るよ うに,ペ グが明 らか に食べ物 に見立 て られ, 多様 な ごっ こ行為 が展開 され てい る 。1 4 では,ペ グ を口につ けなが ら舌鼓 を打 った り口を少 し大 げ さに動 かす だ けで な く, その よ うな ごっこ行為の 楽 しさを伝 えよ うとす るかの よ うに, 笑顔 を他者 に向 けてい る 。 1 7で は, 食べ物 の熱 をさますか の よ うに息 を吹 きが ナてか ら, そのペ グの先 を二つ の人形 の 口へ続 けてつ けてい る。非常 に丁寧 な, 人形へ のや さしさが感 じられ る し ぐさで あ り,ペ グの先 を人形の 口につ けなが ら自分 の 口を 動 か してい る 。1 8 では,ペ グに よる飲 食行為 を 自分,子 熊, 二つ の人形, 子熊‑ と連結 させ てい るが, その 中には, 口を動 かす,舌鼓 を打つ といった代行行 為, お よび 人形 に向 けて頭 を下 げる

といった飲 食に伴 う挨拶 も含 まれて い る。

以 上 の諸例か ら t ,人形 に対 す る親和性や愛情 といった心性 の芽生 えが示唆 され るが, それ は,

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