乳児における大人とのボールのやりとり遊びの発達(1)
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第48巻 第1号. 平成9年8月. Se i l fEduca i i i t lo fHokka i do Un t t c onIC)Vo Journa on( vers yo .1 ‐48 ,No. Augus t ,1997. 乳児における大人とのボールのやりとり遊びの発達 (1). 遠. 藤. 純. 代. 問題と目的 乳児における大人とのボールのやりとり遊びの問題は, 1つには, 乳児と大人との社会的遊 び (ゲーム) l dman &Ross に関 する 研 究 の 文 脈 で 検 討 さ れ てき た。 乳児 が相 手 とお こなう ゲー ム を 体系 的 に 定義 した Go. 2 1 )番 (ターン) )参加者の相互的関与;( ) によれ ば, ゲームは次のような共通の特徴を持つという。( ( 19 78 4)虚 構 性。 さ ら に彼 ら は, 「負 の )少なくも各参加者が2 タ ー ン, 計 4 タ ー ン による 連 続 的 反復, ( の交替,( 3 ) の しる しの 欠如」 と いう 特 徴 も付 加 して いる。 感情 ( f f t e c a. 検討対象とされているゲーム内容 の点から見ると, イナイイナイバー遊び (ゲーム) が最も多い。 たとえ 一 も 的 ば Bruner &sherwood ,1983他) は, 大 人 と 子 ども の 間 の ゲーム の 最 普遍 な 形式 の つ ,1976;Bruner. としてイナイイナイバー遊びを取り上げ, 数組の母子の家庭における遊びを2週に1回の割合で0歳前半か ら1歳代にかけて観察し, イナイイナイバー遊びの構造の分析 とゲームの各成分における母親と子どもの各 役 割 の 発 達 の 分 析 を行 な っ た。 ま た 伊藤 は, イ ナイ イ ナイ バー 遊 び に関する 一 連 の研 究 をお こな い, 3 ~4. ) によって, また1名 987 種の条件における子どもの行動の変化を12名の乳児院児について横断法 (伊藤, 1 ) を用いて調べた。 条件変化および物の永続性の理解の発達と関 の家庭保育児について縦断法 (伊藤, 1988 連して遊びへの興味や行動は異なっていた。 この よう に, ゲー ム の 内容 の 点 か らみる と, イ ナイ イ ナイ バー 遊 びが最 も多く 検 討さ れて いる が, ボー ル. のやりとり遊びも乳児期に乳児と養育者の間に一般的におこなわれるゲームである。 ) は, 家 庭 で14組の 母 子 の遊 びを, 6, 8,12か月 の 各 時点 で 観察 した が, 1979 Gus f t( t a son e en & Wes ,Gr こ れら3 時点 で 共 通 に見 ら れた ゲーム と して, イ ナイ イ ナイ バ ー と音 声 ゲーム の他, ボー ルのや り とり遊 び を 挙 げて いる。 ま た Ross &Lo ) は, 実 験 的 な 手法 を用 い て, 乳児 が大 人 を遊 び に 参加 す る よう 1987 i l l s (. 9名の乳児が大学のプレイルームで成人女性 (実験者) と行な 要求する能力の発達を調べた研究において, 1 う遊びを, 9,1 2 ,18か月の各時点で縦断的に観察した。 その際, 全時点に共通して実施した4つのゲー ,15 ム の1 つ に ボー ル のや り とり遊 びを 含め ている。 ボー ル の や り と り 遊 び の 発 達 に つ い て は イ ナ イ イ ナ イ バー 遊 び ほ ど に は 検 討 さ れ て い な い。 Rome‐ 1995 ) は, 乳児 一 母 子 間の ゲーム の ルー ルと 構 造 の 理解 につ い て, イ ナイ イ ナイ バ ー遊 び F 1 l ta ander s ‐( ,e と の比 較 にお い て ボー ル のや り と り遊 びを 分析 した。 母 子25組 を 大学 の 実 験室 にて6, 9, 12 , 18 , 24 , 15 か月・の 6 時 点 で 観 察 した と ころ, ゲー ム の 規則 に関連 した 行動 (ゲーム ジ ェ ス チ ュ ア) や 注意 ・ 情動 に関す. る行動 (ムー ド行動) の年齢上昇に伴なう変化の割合はゲーム間で異なっ ており, ボールのやりとり遊びの 1995 ) の研 究 で は, 観 察 の 実 施 は3 か月 l 方 が習 得 が 容易 と の 結 果 を得 た。 だ がこ の RomeF1 ta ander s .( ,e. 毎であり, より詳細な発達の経過は調べられていない。 83.
(3) . 遠 藤. 純 代. また成宮 ( ) は, 保育園の6か月児と10か月児各14名についての横断研究, および1名の保育園児に 1992 よる生後6か月から10か月までの縦断研究の2つの方向から, 、 実験者とのボールのやりとりの発達について 調べている。 縦断研究では週に1回の割合という密なペースで実施されているが, やりとりの成立ま でに研 究の焦点があるため, 10か月以降の発達過程についてはみられていない。 さらに松田 ( 994 ) は, 保育園児 1 を対象にイナイイ ナイ バーの発達について, 条件変化の効果および対象の永続性の理解や姿勢.運動の発達 などとの関連について検討した研究の中で, ボールのやりとり課題も実施している。 しかし対象月齢に若干 の延長 はある も のの 生 後11か月 ま で である。 乳児 が大 人と の 間 に行 なう ボー ルの やり と り は, 他方 で コミ ュ ニ ケー シ ョ ンの 発達 言 語獲得 に関する , ,. 研究の文脈で検討されてきた。 山田 ( 6 ) は, ボールのやりとりと言語機能との理論的関連に関す 198 , 1987 る論究の中で, ボールのやりとりが成立するための7つの必要条件を分析し, 言語機能との共通性を指摘し ている。 その7条件とは, 1) 相手との間に適当な距離を置くこと, 2) 目標をめがけられること, 3) ポー ル を 「こ こ」 か ら行 か せ る こ と, 4) ボー ル がや っ て 来る の を 「ここ」 で待 てる こと 5) や っ てき た ボー , ル を 「ここ」 で受 け止 め る こ と, 6) 「行 く」 と 「来る」 を逆 転 して 繰 り 返 す こ と 7) や り と り を ゲーム , と して 楽 しむこ と, である。 もち ろ ん, ゲーム の研 究 と コミ ュ ニケ ー シ ョ ンの 発達研 究と いう 2つの文脈は互いに分離しているのでは な い。 た と え ば, Ross & Kay ( ) は, 乳 児 の 発 達 にお ける ゲー ム の 役 割 と して, 「個 人 間の 本物 の 協 1980. 力を含む社会的交換であるがゆえに, 他者に関与し影響を及ぼすことの学習にとっての可能なフォーラム と なる」 と述べ ( ) p ‐ 29 , 社会的インタラクショ ン過程の学習における役割を指摘するととも に, 言語獲得 を促 進す る 役割 につ いて 述べ ている。 この 言 語 獲得 に対 する ゲー ム の 役割 につ いて は Brune 1983な ど) r( ,. が, ゲームは理想化されたフォーマッ トを構成しており統語論的構造を有している点で, 言語獲得の基礎と なる こ とな どを指 摘 して いる。. また0歳後半から1歳代のいわゆる前言語期は, 物との関わりと人と関わりが統合されていく時期でもあ る (麻生, 1992;Bakeman & Adamson,1984;Trevarthen & Hubley,1978; 山 田, 1987な ど)。 ボ ー ル の や りとり遊びはこういっ た角度からも分析して行く必要がある。 そ こ で本 研 究 では, 乳児 が大 人とお こなう ボー ルのや り とり遊 び につ い て, ボー ルのや り とり が成 立 する. 以前の月齢から, ボールのやりとりが成立した以降の幅広い月齢までを対象として, 各月齢時点での行動を より詳細にみていき, ゲームのルールに基づく行動の遂行, 遊びにおける積極性, 物とのかかわりと人との かかわりの統合の一指標でもある視線の方向, などの変化を中心に検討することを目的とする。 なお第1報 では, 2名の乳児の縦断的資料をやりとりの成立および発展の経過の点から分析し, これらの点について示 唆を得ることにする。. 方法 1. 被歌児 函館市内の保育園園児男児, 女児各1名計2名。 男児 (At児) は, 1990年10月18日生まれで, 市立0保 育園0歳児クラス園児であり, 女児 (Ay児) は1990年9月26日生まれで, T共同保育所の0歳児クラス園 児である。 両児とも第2子で, 出生前・出生時および出生後に特記すべき既往歴はない。 なお両園とも0歳 児は0, 1歳混合クラスで, 実験開始当時の当該クラスの在籍園児数は, H保育園では0歳3名, 1歳7名 計10名, 保育者は0歳児も こ1名 (看護婦), 1歳児に3名, 計4名であった。 T共同保育所では, 0歳児7名, 1歳児2名計9名の園児が在籍, 保育者は計3名であっ た。 84.
(4) . 1 ) 乳児における大人とのボールのやりとり遊びの発達(. 2. 期間および場所 1991年6月13日 か ら1992年 3月 6 日。 実験は, 各被験児の所属するクラスの保育室でおこなった。. 3. 手続き まずやり とりの相手となる大人は, 被験児の所属クラスの保育者 (以下Tとも略記する) とした。 その主 たる理由は, 保育園児の日常生活において, 恒常的にかかわり, かつ養育者の一人であるともいえる保育園 の担当保育者とのやりとりを問題としたかっ たからである。 Tと の ボー ルのや り とり 場面 は, 各 児 につ き月 齢 毎 に1 回の割 合で実 施 した。 従 っ て, 上 記 の 実験期 間 は, At児 は生 後 7 か月25日 か ら16か月20日 ま で, Ay 児 は8 か月18日 か ら17か月17日ま で の月 齢 に相 当 した。. 各月齢での課題の実施時期 は, その日齢に関してなるべく一定になるよう実験開始当初は意図したが, 予定 日に被験児が休園する等の事情から厳密な形では実施できなかった (なお, このボールのやりとり遊 び場面 の他に, 物のやりとり場面と要求行動場面も合わせ実施した。 これら3場面の実施順序は, 同一被験児内の 隣り合う月齢間, および同月齢に実施した被験児間の双方において, 同一とならないように留意した。 後2 場面の結果は他の機会に譲る)。 場面は, 午前中の保育時間中, または午睡後でおやつの前の時間に実施した。 1 )まずTが 「00ちゃ ん, ボール行くよ」 などと言 ボールのやりとり遊び場面の構成は次の通りである。( い (場合によっ ては動作 ととも に) , 被験児の注意を引き起こす (Tやボールを見なかっ た時は, 再度働き 「 2 か ける)。( )ボー ルを転 が したり 放る こ とによ っ て, 被 験児 の 方 にや る。 そ の 際, 「ころ ころ」 , ほら, ボー. 3 )(ボールが被験児の方に行った後に, または被験児がボールをつかんだ後に) ル行っ たよ」 などと言う。( 「こ っ ち へ こ ろ ころ して」 な どと 言 い (場 合 によ っ て は動 作 と と も に) T の 方 へ 返す よう 働 き か ける (返 ,. 4 )ボールのやりとりが続く場合は, 繰り返しておこなう (出来れば3回以 さない時は, 再度働きかける)。( 上往復するようにする)。 なおTの教示は, 一字一句を厳密に定めず, 内容を損ねない範囲でその場に応じ 4 )以降の教示や動作については厳密に定めなかっ た。 て展開するようにした。 特に( なお, 被験児が独り座り不可の場合は, 被験児を椅子に座らせて机を間にしておこない, 独り座り可の場 合 は床 (カ ー ペ ッ ト) 上 に てお こ な っ た。 場 面 に使用 した ボー ルは, 子 ども の 関心 や ボー ル の扱 い易 さ が月. 齢上昇の中で変化すると思われたため, 全期間を通 じて一定にしなかっ たが, 布製の直径6c m程の小ボール や18c m程 の ゴム 製 の ボー ルな どが多 か っ た。. 場面には, Tの他, 筆者が観察者兼カメラマン (以下Cとも略記) として在席し, 場面の経過を VTRに 録画した。 観察者は録画中に補足が必要と思われる点に関しては小声で口述し, VTR に合わせ記録した。 実験の実施時に保育室にはH保育園では1~2名の同一クラス児 (0歳児クラスのもう 1名 と被験者と最も 月齢の近い1歳児1名) が在席していた場合もある。 T保育所では他の園児たちが昼食や午睡のために別室 に行っ た時間帯に実施したため, 他の園児はいなかっ た。 最初の実験の実施前に数日間の慣れおよ び予備実験のための期間を設けた。 また筆者は同実験期間におい て, 平行して実施した縦断的観察のために, 各園に週1, 2回の割合で通っており, 被験児と筆者との慣れ は十分形成されていたと考えられる。 4. 分析方法 まず VTR記録を反復視聴して, 文字化した経過記録を作成した。 次に, Tが被験児に向けてボールをや る の を 開始 した 回を ベー ス と して 記 録 を整 理 した。 , そ の 回 を こ こ で はラ ウ ン ドと 呼ぶ こ と にする。 分 析 対 象 と な っ た ラ ウ ン ドを 各 児 の月 齢別 に 記 す と, 次 の 通 り で あ る。 At児 で は 7 か月;3, 8 か月 ;3, 9 か 85.
(5) . . 遠. 藤 純 代. 月 ;4, 10か月 ;7, 11か月 ; 10 , 12か月 ;8, 13か月 ;7, 14か月 ;5, 15か月 ;3, 16か月 ;4 で あ り, Ay 児 で は 8 か月;5, 9 か月;2, 10か月;1, 11か月;3, 12か月;4 13か月;4 14か月 ;6 15か月 , , , ;6, 16か月;4, 17か月;5 であ っ た。. 結果と考察 1 各ラウンドでの行動に関する数量的分析 月齢毎の各ラウンドにおける被験児のいくつかの行動について若干の数量的分析を試みた。 ラウンド数は 一定 していず, また被験児数が少ないため厳密な検討に耐えないが 概括的に把握するため いくつかの指 , , 標 につ き以 下で は みて いく こ と にする。. 1 ( ) ボールが近く に来た時の行動 Tがボールを被験児の方にやっ た各ラウンドにおいて, ボールが被験児の体の近くに来なかっ た (体にぶ つかっ て逆もどりしたり届かなかったりなどで)ラウンドは全部で3回あった。またTが先につかんでしまっ た ラ ウ ン ドが2 回あ っ た。 こ れ らの ラ ウ ン ドを 除い た残 り の ラ ウ ン ドにつ い て は Ay 児 の 7 か月 時 に 「掴 ,. もうとしたがうまくつかめなかった一 回 (1回) があっ たきりで, 他においては全て被験児がボールに手な ど体の一部で触れた。 ボールに触れた後の行動をTにボールを返したかどうかの点でまず記すと At児に , つ い て は10か月 以 降, Ay 児 につ い て は12か月 以 降, T か らの促 しの 有 無 い ず れかの 経過 の 中で結 果 と して. Tにボールを返した。 返すようになってから以降, 月齢が進むと促しがなくなるかに関しては 結果は必ず , しも 一 定 して いな い。 At児 で は11 , 12 , 13か月 で は促 しなく 経過 してい る が, 14か月 以 降 は再 び促 しのあ る ラ ウ ン ドの割 合 が多 く な っ た。 Ay 児 で は, 返 す よう にな っ た12か月 の 次の13か月 で は促 しが ない 経過 だ. が, 1 4か月以降では促しの中で返したラウンドの割合の方が多かった。 これらのことは, 促しをどの位する かはTに任せたという本研究の実施手続き にもよるが, 「促されて (支えられて) 行なう」 ことへの志向性 がこの1 4ヵ月という月齢期で増加する事を示唆していると思われる。 T に ボー ルを返 さ な か っ た場 合の ボー ル に対 する 行動 の 種類 を 見る と ま ず At児 で は 次の通 り であ っ た 。 ,. 7か月:つかもうとする (うまくつかめず) ・ ボールを持つ手を宙で振る・ボールで机を叩く・手は触れず 直接顔を付ける, 8か月:ボールで床をたたく・床に押し付 ける・口に持っ て行きなめる 9か月:落とし , ては拾いまた落とす。 Ay児では次の通りであった。 8か月:ボールに手を置く・手で触れず直接 口を付け る,9か月:宙でボールをもう片方の手でたたく・口に運び嘗める・持ったまま移動・Tの手に置くのみ(手 放 さ な い), 10か月 : T の 手 に 置 く の み ・ T の 足 に 付 ける, 11か月 : Tの 手 に置 く のみ ・ 他 の方角 に転. 表I. Tがボールをやる時の被験児の視線の方向. が す / 投 げ る。な お す で に 返 す よ う に な っ て い る14 ,. 数割まラゥンド数. か 月 で は 「C の 方 に や ろ う と す る」 で あ っ た。. 2 ( ) Tがボールをやるのを開始した時の視線の方向 各ラウンドでTがボールを転がす/投げることを. 視線の方向 月齢 7 8 9 l ol l 12 13 14 15 16 17. モ ギ壷. At. 開始 した 時 にお ける 被 験児 の視 線 の方 向を 表1む こ示 す。 な お そ の 場 合 の ほ と ん ど に お い て (全 月 齢 を 通. その他 Ay児. ボール. “善;” ” ” 0 0 0 0 0 0. 0 1. 0 0. し た 合 計 ラ ウ ン ド数 中 , At 児 で は85.2%, Ay 児. Tの顔. 3 1 o 1 4 0 4 3 3 4 0 1 1 2 0 2 2 3 1 1. ◆ で は97‐5%), 被 験 児 の 方 に ボー ルをやる こと に関. その他. 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0. 7か月、 劇Eの7か月は、場面を勤転してぃなぃため、空欄となってぃる して 注 意 を 喚 起 す る よ う な T の 発 言 を 伴 なっ て いA て ~ Eの1. た。 開始時における視線の方向に関しては, At児 86.
(6) . 乳児における大人とのボールのやりとり遊びの発達( 1 ). で は, 7 か 月 で は T を 見 て い る 方 が 多 い が, 8 か 月 以 降.3か 月 ま で は ボ ー ル に 向 け ら れ て い た。 特 に11か 月 ま で は 全 て の ラ ウ ン ド に お. いて ボー ル を見 て い た。 14か月 以 降は ボー ル は あ ま り 見 ず, T の 顔 を 見 て い た。 一 方 Ay 児 で は視 線 の方 向 の月 齢 的変 化 に は っ きり し た傾 向 はな く, 月 齢 が進 んでも ボー ル を見 て い る 方 が 多 か っ た。 (3). ボー ル に触 れ た直 後 の 視 線 の方 向. 0 % 0 0 10 月齢- 月齢 - , - - - - ー ー - ー -3 7. () - - - - - - -旦L 臨 涌 …, ー =ー=,胆- ー…=. ,…”” ◎ 撚…--耀茄擢聞ー. 2) 3 ) 9 ヒメ*-- ー 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1( 言聾;m mー -( 1 ( o 4 l 〉 ( ) 柵蹴 **- ) 9 E----〉 》 ) } : } 際: キー〉*竺慧 * ≦-キー: *〉 : ョ 3 ) : 7 -( ) ” --》ー -- ー〉--》--》 l鰹--*-*〉 p--= ー - ー…- - -( 8F ゞ ; ;*;*ー - mm-…”. . :キキ : . ; :耕 ・ : . ; : - . :キニ 1I E.※: ギ キー. :. ) 3ドー ー 欄 構 鱒 *州 構g日4 8 2Fき ー - m構 … 州-…= ) 1 1 -( 6 ) 7 4 皿mmIL ) 1 1 3に瀞掛・----榊榊--〉 1 1mm1 1mm1 1 1 1( メ ー( 6 ) 5) 15ヒ-》mlmmm-mH I - I L ==” ー( -( 4 ( 3 5-m m mum, 1 ) 16- umm-mmm---「 ) ーmm- - -m m- ,m m ( 5 ) - 1 1皿 ( -mmmmm m- ,6,旧. 4 L L , - - , - ,-- ,ー …,旧ー田川 -( ) 17r**= 14 ド ー揃〉 〉*1 u- 1…ー I I I - - ー -. 被験児がボールに触れた直後の被験児の視. (A). (B) A y児. Aリモ. 線 の 方 向 に 関 し て は, 図 1 に 示 す。両 児 と も14 か 月 を 境 に し て 変 化 し て い る。 13か 月 ま で は. 8. % 100 - ー- - - -- -. ( ) 内はラゥン ド数 (破線はボール, 縦 熟まTの顔, 横線はTの手, ブランクはその他). ほ と ん どの ラウ ン ドで ボー ル を見 ている が, 14か月 以 降で は ボー ル をみる 場 合 が減 り, ほ. 図1. ボールをとった直後の視線の方向. と ん どのラ ウ ン ドにて Tの 顔 を見 る よう にな っ た。 ( 4 ) ボー ル を 返す 時お よ び返 した 後 の視 線の方 向. 表2. ボールを返す時の視線の方向. ボ ー ル を T の 方 に 返 す (返 そ う と し た) 時 に お け. る, 被験児の視線の方向を, 表2に示す。 返す時に お い て は両 児 と も, 13か月 ま で は ボー ル を見 ている. 数乳まラゥンド数. At児. こ と が 多 く T を 見 て い る こ と は 少 な か っ た。 14か 月 以 降 で は, 16か 月 は 例 外 だ が そ の 他 の 月 齢 で は T を. 見る場合がずっ と多くなった。 一方, 返した後にお ける 視 線 の方 向 と して は, 14か月 で は半 数以 下の値 で や や 低 い が, こ の ほ か の 月 齢 で は ボ ー ル を 見 て い. た ラ ウ ン ドが全 体 の 3分 の 2 以 上 を 示 し て お り, T. Ay児. 棚豪の方向 月齢. l 1 l o l 2 13 14 15 1 6. ポール Tの顔. 6 7 8 7 0 1 2 0 2 0 0 4 2 1. その他. 0 0 0 0 0 0 1. 棚衰のフ胴 月齢. 1 2 1 3 1 4 1 5 16 17. ポール Tの顔. 0 4 2 2 2 2 0 0 3 4 1 3. その他. 4 0 0 0 1 0. を見ている場合は後の月齢になっても多くはなかっ た。. 2 月齢別の行動の特徴について 以下, 各児の場面における経過の中で示された行動の特徴について月齢別にみていく。 各月齢の { } の 次 の ( ) に は月 齢;日齢 を示 す。 ま た主 だっ た月 齢 につ い て はそ の 場面 の 経過 記 録<注〉を示 す 。 <注>ここでの経過記録の記述方法は次の通りである。 まず, 被験児の行動 に関する記述は [ ] 内に示す。 「:」 は同時進行である ことを,「→」 は次に経過したことを表わす。 ただし, 同一人物での後続 した行動は特に矢印を用 いず 文の連続で示した Tは保育者 。 , , Cはカメラマン (筆者), Bはボールを表わす。 Tの発言において, Tは被験児の名前を 「○○ちゃんJ 他 幾通りかの呼び方で呼ん , だが, ここでは At , Ayの表記に統一して記す。○内の番号はTが被 験児に向けてボールをやるのを開始したラウン ドの順番を表わす。 記述の視点は,ポールのやりとりにおける両者の行動にあるが,特に被験児に関しては,視線の方向に留意した 視線の対象にっいては 。 , Tな どボール以外の対象を見ている時は必ず明記したが, ボールはこの限りでなかっ た。 っまり対象を記述していないときはボールを 見ていたことを表わす。 なおTの発言は内容を損ねない程度に要約して記述した所もある。また稀ではあるが,在席した他児とTの間に 関わりが起きるなどの事態に関しては, 場面の経過に影響を及ぼさないと判断した場合には記述から省いてある。 87.
(7) . 遠 藤 純 代. ( 1 ) Aリ目の結果と考察 {7か月} ( 7 26 ) 机を間にし, 食卓イスに座っ て行なっ た。 全部で3 ラウン ド行なっ た。 Tが転がす際に ; 呼び掛けた時には, Tの顔を比較的多く見た (3ラウンド中2ラウンド) が, 転がって来る時は ボールを見 てい た。 第1ラ ウ ン ドで は ボー ル をよく つ か め な か っ た が, そ の 後で は, ボー ルをつ か ん だ。 ボー ル を つ か ん だ後 は,ボー ルを持つ 手 を振る ・ ボー ル で 机 を叩く な どの,ボー ル による 手操作 を 繰り 返 した。この 時T が,. 机の上に両掌を上向きにして置き「At ,ちょうだい」などと言いながら両手指を少し動かすことによってボー ルを返すよう促したが, 促しに対しては, そのまま ボールによる操作を繰り返すか, 別の操作に変わるのみ であっ た。 また操作時はTをほとんど見ず, せいぜい促すTの手の動きを見る位であった。 < 8 か月 の 経 過 記 録>;布 の小 ボー ル。 床 で座 位 にて。 ① 「At , B いく よ。 は い, ころ こ ろ」 と At前 に 転 がす。 → [右 手 でつ か む。 T を見 つ つ 口 にやり, な める] →鎖 き 「At , ち ょ う だい。 こ ろ ころ は?」. と両手の掌を床に置き指を動かす: [他方向を見ながらBで床を何回かたたく] →この後, Tは,「At , ころころ (して ごらん)」 と促 しの言葉 と共に指を動 かすのを3回程繰り返したが, Atは, Tの指を 1 回ち ら っ と見 た だ けでB を見 な がらな め続 けた。 後 略. ② 「は い, 行く よ, ころ こ ろ一 と 転 がす→ [目. の前に来るとつかむ。床に押し付ける。隣室方向(子供の声がした)を見る]→指を動かしながら「頂戴」 を3回ほ,ど言う→ [Tの指先→Bへと視線を移しBを床に押し付ける] ③ (掌の中でころがしながら rAt Bだよ はいBだよ」 : [Bを見ながら両手を同時に床に振り下ろす動作を何回も行なう] → , , At前 に転 がす → [B を 目 で 追 い, 手前 にく る と左 手 でつ か む。 持 っ たま ま B で床 → 膝 → 床 と た たく。 ち ら っ と T を 見 る] → 領 き, 掌 を そ ろ え て差 し出 し 「ち ょ う だい, ころ ころ っ て ち ょ う だ い,」 と指 を. 動かす: [口に運 びなめながらTを見る] →指を動かしながら 「ころころって頂戴」 → [口から離し別 の方向を見る] →同じ促しの言葉と動作→ [Tの掌を見てその方へBをやり, Bを手放す。 離した後も B を見 続 ける] : 「はい どう も一 とB を引 き寄 せる。. 8 16 ) 独り座りが可能となり, この月齢以降, 床 にて座位で行なっ た。 Tがボールを転 がすの {8 か月} ( ; は全部で3 ラ ウ ン ドあ っ た。 第2, 3 ラウンドの最初でTが注意喚起している時に両手を同時に何回も振り 下ろす動作をした。 Tが転がす時やボールが転がって来た時や自らつ かんだ直後にTを見ることはほとん ど なかっ た。 各ラウンドにおいてTは床に両手のひらを上向きにそろえて置き, 指を動かしながら 「ころころ して ごら ん」 「頂 戴一 等 の こ と ば によ っ て 返 す よう 促 す こ と を3, 4 回行 な っ た が, 被 験 児 が ボー ル を返 す こ とは な か っ た。 ボー ルをつ か ん だ後 は, ボー ルや T以 外 の別 方 向 を見 な がら, なめる, 床 に押 し付 ける ・ た たきつ ける な ど, ボー ルへ の 操作 を 繰り返 し行 な っ た。 促 しな が ら動 かすT の 手 に対 して は全 ラ ウ ン ドに て T の 手 を見 た が, 第1, 2 ラ ウ ン ドで はち ら っ と見 る のみ で ボー ル へ の操 作 を続行 した。 第3ラ ウ ン ドで はT の 顔 を見る こ と も1 回あ り, さ ら に こ の ラ ウ ン ドの ラス トで再 三の 促 しに対 し, T の手 の方 にボー ルを. 少し近付け手放すのが1回あったが, 返す意図の下に行なわれたかははっきりしない。 ) Tが, 広げた At児の両足の間に着くようにボールを転がし, す ぐそ ばに来たボールをAt 9 5 i9か月i ( ; 児がつかむ, またはつまむ形で受けた。 ボールが手前に到着する前に前屈 して胸に受け止め, 動きを予期し た 姿 勢 が示 さ れた (第 2ラ ウ ン ド)。 第 1 ラ ウ ン ドで は ボー ル をつ か ん だ後 は, 落 とす → 拾う → 落と す, を 繰返 した。 T の促 しは第 1ラ ウ ン ドにお い ての み だ っ た が, 促 さ れた 際 に T の顔→ Tの 指先 と見 た。 そ れ以 外 の 時 にお い て は, ボー ル ばか り を見 て い た。 第2 ラ ウ ン ドで は, 落 と した ボー ル が たま たま T のそ ばま で 転 が っ て 来 た。 第3, 4 ラ ウ ン ドでは, 落と した ボー ルをT が拾 い, 返 したた め, 全体 と して 第 2か ら第4 ラ ウ ン ドにか けて は, 結 果 と して ボー ルが往 復 した。 <10か月 の 記 録> 1, 2 m 離 れて行 なう。 ① ボー ルを 「ころ ころ」 と転 がす」 → [B を見 て い て, 近 づ く と やや 前屈 し両 手でつ か む] → 「お ー, つ かめ た一一 : [つ か むと 直 ぐT を見 て微 笑む→ B に目 を移 し, 88.
(8) . 乳 殿こおける大人とのボールのやりとり遊びの発達( 1 ) 手 で押 し出 す] (B は前方 = T の 方へ 少 し転 が り止 まる) : 「はい もう 1 回」 → ②B をた ぐり 寄 せ 「は , い, もう 1 回 行く よ」 と転 がす → [こ の 間, B を見 てい て 手 の直 ぐそ ば に来る と 両 手 でつ か む] → 「上 手 だねえ」 → [両 手 でB を い じる] : 右 手 を 差 し出 し少 し動 か しな が ら 「ち ょ う だい」「ぽい して ごら ん」 → 「At , ぽい して ご ら ん」 : [T の 発 言 の 途 中 か ら 顔 を 上 げT の 顔 を 見 る。 B を見, 前 屈 して B をつ か み な がら 体 を戻 す とB が手の 間か ら落ちる] : 「ぽい は? ち ょ う だ‐ い」 と掌 を上 下 に動 かす → [B を 前 方 に押 す] → ③ 「お ‐ 行 っ た 行 っ た」 と 引 き 寄 せ 「ほ れ行く よ」 と 転 がす → [B を 両 手 でつ か , ,. んでから微笑む] → 「よく見 ているわ, Bを」(=Cに向けての発言) → [手を上下に振り Bを離す] , ④Bを引き寄せて 「もう 1回行くよ, はい一 と転がす→ [手前に来ると両手で受け止める。 両足が宙に 浮きひっくり返りそうになりながら口を大きく開けて笑い顔]→ 「ひっくりかえんないで」 と笑う:[手 から外れて動くBを引き寄せてから両手で押す] (斜め方向に転がる) →立ち上がっ て拾いに行き 戻 , る: [Tを目で追う。 TがBを床に押し付 けながら座ると今度はBを見る]. ⑤ [Bが 前にくるとつ. かみ, 微 笑 ん でT を見る。 T を見 な がら両 手 でB をい じる] : 「う わ‐ 上 手 はい ぽい して ごら ん」 → [B ,. を見て右手で押し出す] → (この後2回Bのやりとりが続く) { 10か月} ( 10 13 ) T が転 が したの は全部 で7 回, 7 ラ ウ ン ドであ っ た が こ れら 全て にお い て 転 がす 時 ; , ,. やボールが転がってくる時はボールを見ていた。 またボールが近付くと両手を広 げ (この時右手はいつも斜 め 前 方 に 少 し出 して い た), 次 に下 げる こ と で ボー ル を止 め て お り こ こ か ら ボー ル を 受 ける 時 は そ の動 , ,. きを予測して手を動かしていたことが分かる。 つかんだ直後にTを見たのは7 ラ ウ ン ド中2 ラウ ン ドで そ , う 多い と は いえな い が, T を見 な が ら微 笑 み か け た。 ま た 「微 笑み な が らつ か む」 の が 他4 ラ ウ ン ドにて , み ら れ, こ こ か ら は, ボー ル を受 ける の を楽 しんで行 な っ てい る こ と が分 かる さ ら に ボー ルを 返す よう に 。. なり, しかも促しがない中で返したのが5ラウンドあった。 押し返すやり方で 相手のところに確実に返す , こ と はま だ出 来 な い。 返す 場合 の ほ と ん どは ボー ルを見 な がら であ り T を見 ない が ( )受 けた 後 ボー ル を , , 1 い じっ て い て 返 さ ず促 さ れた 時 に は (② ⑤) す ぐに返 した ( )は ず れた ボー ル をつ か み直 して か ら押 し , , , 2 出 した (④)。 こ れ らか ら, 「返す」 と いう 自 分 のター ンの 内容 を把 握 して いる こ と が分 かる しか し返 した 。. がTの方ではなく, かつ自分からは届かない距離に行っ てしまった時 (⑦) は Tの励ましがあっても途中 , ま で しか追 わ な か っ た。こ の他 拾 い に行 っ たT が戻 る とT か ら ボー ル に視 線 を移 したこ と か らは T の行動 , , , 番 につ い ても 理解 さ れている こ と が示 唆 さ れる。 { 11か月1 ( 11 23 ) T の 促 しがな い 中 で ボー ルの や り とり が9 回も 続 い た T が ボー ル を やる 時 転 が っ て ; 。 ,. 来る時, 受けた直後, 自分が返す時と, やりとりのほとんどの時点においてボールを見ていたが 返す時に , Tを見るのが2回あっ た (①と⑥)。 押し返すやり方は1 0か月と同様に手の甲で押し出したが, ボールが近 くに来るまで手を動かさないで待ち, 来ると押し返した。 押し出す時に発声を伴なうようになった 発声は 。 「ア ー 「ア ー イ 「エ ー 「ギー ギー 「ア ギー な どと 一 定 して い ない ボー をつ か ル ん だ後と 足 の そ ば に 」 」 」 一 」 。 き た時 に笑う, ある い は微 笑 む と いう の が各 1 回あり 楽 しんで行 な っ ている こ と が示 さ れた 返 す ボー , , 。 ル の距 離 が進 ま な い の をT が引 き 寄 せ Atの足 先 の 転がす こ と で全 体 のや り とり が支 え ら れている , 。 「 「 <12か月 の 記 録> パ ズ ル ボー ル に て。 50c 位 の 距 離 は ① と い一 At方 へ 転 が す : [ ウ フ」 と T を見 m 。 微 て 笑 み な が ら 両 手 を 上 下 に振 る。 手 の 動 き を止 め て 転 が っ て き たB を見 る 「ウ ワ ー と い い な がら 。 」. 両手を何回も振る] (手がB にぶつかり, BはTの方へと少し近付く). ② 「はい一 と転がす (がBは. 途 中 で止 ま る) → [手 を 振 る の を 止 め B を見 る。 2 回拍 手] : 「は い と At前 に置く → [両 手 で押 一 , 「 し出 しな が ら ン‐」 ]→ ③B を 転 がす が Atの 体 にぶ つ かり 戻る。 Atの 体の前 に「はー い」 と置く→ [ 「ア パ ー」 と押 し返 す]。 こ の 後 さ ら に 7 回 B のや り と り があ っ た T は Atの 両 足 の 間 にB が 入る よう , 。 に転 がす。 At はB が手 の前 に来る と, ま たは 手 にぶつ かる と 発 声 しな がらB を押 し返 したが ⑥ で は , , , 89.
(9) . 遠 藤. 純 代. B をつ かみ目 の前 に上 げ 「ウ, ウ」 と い っ て か ら下 に置 き そ して押 した。 ⑦ま で はT を見 ず専 らB を見 な がら返 した。 だ が, ⑧ で はT が転 がす 時の 言葉 を 「はい一 か ら 「ころ ころ ころ」 に変 える と, B が止 ま っ て からT を見 た。 ⑨ にて もT が 「ころ ころ ころ」 と 言う と, B か らT の顔 へ と視 線 を移 した。. ) Tが転がすの は9ラウン ドあっ たが, うち8ラウンドまでボールを返した。 最初T が転 { 2か月} ( 12 7 1 ; がした時, Tを見て微笑みながら両手を振って喜 びを表わした。 返し方はこれまでと同様 「押し出す」 やり 方であっ たが, 体を前屈させ, 前半は両手で, 後半は片 手のみで押し出した。 TはAtの両足の間にボール が入るように転がし, Atはボールが手の前に来る と, または手にぶつかる と発声しながらボールを押し返 した が, ⑥ では, ボー ル をつ か んで か ら目 の前 に 上 げ, 下 に置 き そ して押 した。 ⑦ま で はT を見 ず専 ら ボー ルを見 な が ら 返 した。 やり と り は ボー ル を見 て行 なう の が多 か っ た が, 最 後 の9 ラ ウ ン ドで, T の言葉 が 「は. い一 から 「ころころころ…」 に変わる とTを見たところから, 番を行なうTの言葉に対する注意が存在して 「は‐ 「 いる と 思わ れる。 ま た 返す 時 に必 ず 発声 を伴 な っ てい た。「ウー」 , (ウ) ワ ー」 の 順 で多 か っ た が, Tの い」 に対 して 「ア ーイ」 と似 た発音 の 時も1 回 だがあ っ た。. ) 初め機嫌が悪かっ たが, Tがボールを何回かやるうちに機嫌が直り, 第1ラウンドの直 1 3 17 { 13か月} ( ; 前には快の発声をだすようになっていた。 押し返した後, 笑いながら頬に両手をつけるなど, 全体に嬉しそ うに行なっ た。 Tを見ないが, ボールの行き先や着くタイミングをよくとらえて押し返す。 押し返す時に掛 け声 様 の 発 声 が伴 なう の は こ れま で と 同 様 だ が, そ の 発 声 の 内 容 に, 「ア ー」 「ワ ー」 「ワ ー オ」 と 一 定 して き た。 第6 ラウンドでは, Tがボールをやる前に 「さあもう1回」 と言うと手を少し広げTを見て, 待つか. のような動作をする, 第9ラウンドでは 「投げて」 の促しに対して転がすやり方だがすぐに返す行動がおこ なうなど, Tの言葉の意味がより理解されてきた。 だが全体にBを見ていることがほとんどであった。 「 <14か月 の記 録>黄色 の18c m程 の ゴム ボー ル。 座 位 にて。 ① はい一 と転 がす→ [そ ば に来る と両手 でつ か む。 T を見 な がらB を右 手に やる] → 「はい, 行 っ たよ」 → [T を見 てB を 放る。 ず っ とT を見 てい て, T が, バ ウ ン ドして飛 ん で来 たB を受 ける と, 「ウ フ ッ」 と笑う]‐p② 「ウ フ フ…」 と 笑い, 転 がす→ [転. がり始めるとT→Bに視線を移し, 足先に来ると両手でつかむ。右手でBを右肩に置きながらTを見る] → 「上 手」 と 両 手 を前 に出 し, 「はい」 → [T を 見 な が ら肩 の 後ろ にB を や り, 前 に放る] → は ず ん で き たB を 受 け 「オ ッ」 : [T を見 て い て 「アハ ッ」 と 笑う] → ③ 「はい一 と放る → [両 手 でつ かもう と. するがつかめず。 T方へ逆戻りしたBをとろう とする] →Bを受けAt方へ再度転がす→ [左手そばに 来る が と れず前 につ んの める が両 手 を床 に付 い て 押 える] → ④B を 「オ ッ」 とつ か み, す ぐ At方 へ と. → [両手の間に来たBに 「アウー」 と口をつける。 Tを見ながらBを両手に抱える] →両方の掌を前に 出す→ (Bが手から転がり At横の玩具の山にぶつかって止まる) → [Bを押す] : (空回りするのみ) → 「頂戴」 と手を動かす→ [Bを拾い左肩に乗せ, T方へ体を向け直すが一旦床にBを置きTを見る。 Tを見ながらまたBをつかみ, 右肩にBを乗せ肩後方から前方に沿わせているうちにBが落下。 Bを押 「 し転 がす] : T は両 手を前 に出 して待 つ → 「う ふ ふ, 失 敗」 とつ か む: [T を見る] → ⑤ 行く よ」 と. Bを差し出した後, 転がす体勢に入る ために一旦床にBを置く: [Tをずっと見ていたが両手をTの方 「ア バ ッ ア バ バー」 と 口 を 開 けな がらつ か む] → 体 を のり だ し両 手 を差 し へ 差 し出 す] → 転 がす → [ ,. 出す→ [Tを見る。 見ながらBを肩近くから投げる] 14 { 14か月} ( ;0) 経過の随所随所でTを見ることがとても多くなっ た。 転がり始める とボールを見るのは これまでと同様だが, Tが転がす時と, 自ら受けた後にTを見る場合が半数前後の回に見られるようになっ た。 また返す時およ び返すよう促された時はすべてにおいてTを見ておこない, これは以前にはなかったこ とである。 Tが受ける時も過半数の回においてTを見ていた。 さらにTが受け取る と笑っており, 相手の行 動にも関心を寄せ共感を示した。 ボール遊びを楽しんでおこなった。 ③や④からは, ボールがTの方へ届か 9O.
(10) . 乳児む ) こおける大人とのボールのやりとり遊 びの発達( 1. ないと届けようとしていることが伺われる。 返す時は放るようになり, 肩に置いてから放るというようにや り 方 を 工 夫 してい る。 さ ら に⑤ か ら は, ボー ル が来な い と 要 求 している こ と が分 かる。. 1 { 5か月} ( 15 4 ) この月齢では歩行が可能となっ ていた。 開始時は座位であっ たが, 第1ラウン ドの途中 ; から自ら立上がり, 歩きながら行なっ た。 Tが転がす時と自分がボールを受けた後は, 必ずTを見た。 返す 時もTを見ながら行なう場合が多かった。また自分で自分のやりとりする位置(壁際)を決めているようで, こ の こ と は 次の 2 点 か ら 示 唆 さ れた;( 1 )第 1 ラ ウ ン ドで At の 返 したB をT が 拾 い に行 く と, 同 席 して い た Ke 児 が他 の B を持 っ てT へ行 き T と 関 わる と いう 事 態 が発 生 した が, そ の 間 At児 はそ の 窓際 に移動 しボー 2 ル を待 っ た。 さ ら に は, ( )第4 ラ ウ ン ドで, ボー ル をつ か むとや はり その 場 に行 っ て か ら放る, と いう の が み ら れ た。 ま た第 3 ラ ウ ン ドに て, ジ ャ ン グル ジム の 方 へ 転 が っ た ボー ル を取 り に行 っ たが途 中 で止 め, 発. 「エッ」 と言い 右掌を上にして差し出す) でTに要求した この時Tの方もこれ 声と共に頂戴の身振り ( 。 , ま で の よう に ボー ル を 取 っ て やる こ と はせ ず, 「と っ て一 と At自 身 に取る こ と を 要 求 した が Atは この 要 ,. 求を理解し応じて取りに行き, Bを持っ てTに少し近付いてから転がし返している。 { ) Tが転がす時や自分が返す時はボールの動きを見て行なっ たが, 受けた後は必ずTの顔 16か月} ( 16 14 ; を見た。 発声を伴なうこともあっ た。 ボールがきちんと近く に来ず取りに行っ た時は, Tの顔を見て知らせ てい た。 T のする こと をよく 見 てい て, 第3 ラウン ドにてTが床近くから転がすやり方から胸の前に当てて か ら転 がす や り 方 に変 え る と, 直 ぐに真似 た。 なお, ( 1 )第1 ラ ウ ン ドに入る 前 にT がパ ズ ル ボー ルで始 めよ う とする と, 窓の桟 に置 い てあ っ た ゴム ボー ル を指 差 しつ つ 「ウ, ウ」 と近 付 いて い きそ っ ち の ボー ルでや る こ と を 要 求, ( 2 )さ ら に第 7 ラ ウ ン ドで は 「もう 1 回行く よ」 と言う T の 手 か ら ボー ルをつ かみ 取り 窓の ,. 桟上に置きに行くことで終了 の意思表示をする,という経過があっ た。これらのことから, 自分の要求をはっ き り 伝 える よう にな っ て いる こ と が 分 かる。. 2 ( ) Ay児の結果と考察 {8 か月} ( 8 ) 布 製 の15c 16 m位 の ボー ル (振 る と 鈴 が 鳴 る) を用 い, 机 を 間 に して お こ な っ た。 全 て の ラ ; ウ ン ドで, T が転 がす 時や ボー ル が転 が っ て来る 時 は ボー ルを見 てい た。 第1 ラ ウ ン ドから 第3 ラ ウ ン ドま. では, 手前に来たボールに手を置いて止め, その後手を離したりした。 このよう にボールに手を置いて止め る こ と ができる。 第4 ラ ウ ン ドま で は, そ の後T は, 促す こと を ほと ん どしない 形 で経 過 した 第5 ラ ウ ン 。 ドで は, 口の そ ば で止ま っ た ボー ル に直接 口をつ けて ボー ル を嘗め た。 こ のラ ウ ン ドで はT は 「頂 戴」 「こ , ろ ころ っ て」 な ど再 三, 促 した が, Ay 児 は行 な っ てい る 行動 (嘗 める) を変 え な か っ た。 なお 第 1ラ ウ ン. ドで, 手を置いて止めた後ボールを押す行動が見られたが, 本課題を初めて実施した月齢のしかも最初のラ ウ ン ドであ り, T の 促 しも な い 状 況 下 の ため, 「返 す」 行 動 と は考 え ら れず ボー ル に対する 操作 行 動 の - , 形態 と 考え ら れる。転 が っ てくる ボー ル を見 て 微 笑 している の が多 い(3 ラ ウ ン ド有り)こ と か ら 転 がる ボー , ル の動 き に 興 味 があ る こ と が伺 わ れる。 「ボー ル に 手 を置 い た 後 T を見 る」 と 「ボー ル を見 て 微 笑 した後 T. を見る」 が見られ, ボールに向かう行動や気持ちをTにも向けているとも考えられるが 各1回ずつであり , , 明瞭ではない。 i9か月} ( 9 28 ) 床上で座位にて80 ; c m程離れて行なう。 なおこの月齢以降は, 床上で行なっ た。 2ラウン ドしか行なえなかったが, ボールを返す行動はみられなかっ た。 第2 ラ ウ ン ドで は つ か んで か ら別 方 向へ , 這 っ て い っ て しま っ た。 転 が っ て 来る 時 はい ず れも ボー ル を見 てい た。 T を 見 たの は 第1 ラウ ン ドで T , ,. が転がす時と, ボールをつかんでからもう一方の手で叩いてボール内に入っ ている鈴を鳴らした後 の計2 , 回 だ けであ っ た。 T は, 手を差 し出 して返 すよう 促 し こ れに対 して 初 め ボー ル を首 に付 けて いた が T , , , が手を引 っ 込める と ボー ルを捨 て, その 手でT の 手指 に触 れた。 しか し その ボー ル を T がつ かもう と する , 91.
(11) . 遠 藤 純 代. と先 を 越 して ボー ル を 取 っ た。 そ して, 差 し出さ れたT の 手 の 上 に ボー ル を置 い た が 渡 しき れず, 「置 い て はつ か む」を繰 り返 した。その 後,T の 体 に ボー ル をつ かん だまま しがみつ こう と した こ ともあ り,一 方 で ボー ル を持 っ てい た い という 気 持 の 強い こ と が伺 わ れる。 他方 で, 差 し出さ れたTの 手へ の 関心 も示 さ れてお り,. Tの手が気になり自分の手を付けたいのだがボールも放せないというところ から, 「渡しきらない」 行動と なる の かも しれな い。 先 述 の, 「つ か ん だ ボー ル を た た い て 音 を出 して か らT を見 た」 こ と は, 出 来 事を 共. 有しようとする行動の可能性が示唆されるものの, こうした行動が多いとはいえない。 27 { 10か月} ( 10 ) ラウンドを1回しか行なえなかっ たが, Tが転がす時と自分が受けた後ではTを見た。 ; またTが手を差し出し 「頂戴」 という形で返すことへの促しが展開したが, 差し出されたTの手をいずれに お いて も見 て いる。T の 手 に ボー ル を置く の がみ ら れた が,手 放さ な か っ た。T の促 しは全部 で6 回生 じた が, う ち 2 回で は, こ の 「T の 手 に置 い た が 渡 しき れな い」 という も の であ っ た。 促 しに対 して ボー ル を 嘗め 続. けたり, ボールにさわる場合も2回あっ た。 さらに, 頂戴と促されなくとも自分からTの掌にボールを置く が渡しきらない場面(1回)と, ボールを持っ ていないもう 一方の手でTの手に触る場面(2回)とがあっ た。 9か月 と同様に, 「頂戴」 のことばと共に差し出されたTの手に関心を寄せ, 物や自分の手を置く, 付ける と いう 関わ り方 はで きる が, ボー ル は手放 せ な い。 <11か月 の 記 録> 布 の小 ボー ル。 座位 にて。 ① 「行く よ, は い一 と B を か ざす : [T を見る] → 「行く よ」. と転がす→ [Bに這っ て近 づき這う手で2回押す。 (Bは脇へ) →Bを 「あれ?」 とつかむ→ [Tを見 て T へ 這う]. ② 「ころ こ ろ …」 と転 がす → [B を目 で追 い這 い出す。 這 い な が らB を 手 で押 し出す]. : 「あ一 自 分 で 転 が してる の ね」 → [B か ら 離 れ T へ と 這う] → ③ 「行く よー」 とB を 差 し出 し, 「こ ろ ころ …」 と 転 がす→ [B の 方へ這う。 T を見 てT の方 へ B を越 えて 少 し行 く が止ま る。 B をつ かむ]. → 「頂戴」 と両掌を揃えて 出す→ [Tの手を見てその方にBを持つ手を伸ばす。 (手からBが落ちる) B を拾 い, Tの 掌 を見 て立 て 膝 にて接 近, 掌 にB を置く。 T の 掌 の上 です ぐにB をつ かみ直 し, そ の ま ま 胸 に抱 き しめる。 その 格好 でい ざっ て 右 に 回転] → 「気 に入 っ てる の かな? ぐる っ とま わ っ て」 → [T パ と重 ね て差 し出す → [T の 掌 を見 てB を置 を見 て 「ウー」 ] → 「Ay , ち ょ う だい一一 と両 掌 をパ チ チ. くが手放さず, すぐ引っ 込め 「ウー」 と抱え込む。 Tをちらっ と見る。 体を少し回し別方向へボールを 投 げる。 ボー ルへ と這う] { 23 )。 ボー ルが転 がり始 める と ボー ル の方 に這い近 付 いて行 き, 這 いな が ら ボー ル を手 で押 し, 11か月}( 11 ;. 転がすことは出来る。 第3ラウンドでボールを越えてTの方に行きかけたが止まり, ボールを拾い, 差し出 さ れたTの 手 に ボー ル を差 し伸 べ 置 い た が,返すま で に は至 らな か っ た。なお,本試行 に入る 前 に,別 の 大 ボー ルを T が転 が した と ころ, Ay はT の方へ 這 っ てき て しま い, 次い でT が小 ボー ル に変え て 転 がす と Ay は, 這 いな がらT と は関係 ない 方 向へ ボー ルを手 で 転 が して いく, という の があ っ た。 ま た ③ の 後半 に, T と は 別 方 向 だ が ボー ル を 投 げてい る。 こ れ らか ら, T との 関係 で いう と 直 接 T に近 づ い て い く 関係 にあり, 「離 「転 がす の 他 に 「投 げる」 も 含 め て) こ と は 出来 る が 「離 れ た所 にいる 人 に れ た所 へ ボー ル を行 かす」 ( 」 , め がけて, 自 分 はこ こ にと どま っ て, ボー ルを行 か す」 こ と は出来 ず, ま た 「こ こ に と どま っ て ボー ルを待つ」 こ とも 出 来 な い と い える。 さ ら にT に向 け 「返す一 点 で はま だである。 転 が っ てく る 時 は ボー ルを, 促さ れ. た時はTの手を見ている。 Tの促しにはTの手の上にボールを置くが, すぐまた抱え込み, 渡しきることを しない。 差し出されたTの手にボールを置くとの関係はつかめているようだが, 渡しきれないのは, 渡した くない気持ちが強い可能性もある。 <12か月の記録>布の小ボール。 ① Ay前に 「ボン」 と放る→ [Bを拾い掲げるようにして持ち, Tを見 な が らす こ し づ つ 前 へ ずる] : 左 手 を 差 し伸 べ 「こ ろ ころ …」 → 右 手 も 添 え 「ころ こ ろ ころ 頂 戴」 (T. の手は Ayの手の下に位置した) : [Tの手を見, BをTの手に置ききる] 92. ② 「ころころ一 と転がす.
(12) . 乳児における大人とのボールのやりとり遊びの発達( 1 ). → [足 先 にぶ つ かり 止ま っ たB を両 手 で掴 み 「ア ッ」。 B を持つ 手 を頭 上 にや り, 放 す。 (B は 後ろ へ) → 振 り 向 きB へ 這 い, つ か む。 もう 1 回頭 上 か ら 「ウ ン」 と落 と して か ら B を見 る] : 「う ん」 → [T , を見る] → 「ぽん」 と 放る ジ ェ ス チ ャ ー をす る → [B へ 這 い進 み つ か んで か らT の方 へ体 を向 け前 へ , 放る] : (Ay が放る と 一 緒 に) 「ぽん」 → [B を見る] : 「あー じょ う ず」 → ③ 「行く よ ころ ころ …」 ,. と転がす→ [前に来たBをつかみ, 手を上下 に大きく振りながらBを放す (頭上を越え後ろへ) →落ち たB を見 てつ か む] → 「はいち ょ う だい」 と 両 掌 を 合 わせパ チ パ チ して か ら Ay の 顔 を覗 き 込 む→ [T. の手を見てBを置き手を放す] 「どうも一 とお辞儀: [Tを見ている] → 「はいどうも一 と上体を戻す : [Tを見て近付く] →④ 「あ‐行った行っ た」 と転がす→ [すぐ前にきたBを掴む] → [Bを上下に 振る] : 「ころ ころ …」 → [T を見 る] → 「は い頂 戴」 と両 手 を差 出 す→ [T の 手 を 見 てB を置 き きる]。 { 12か月} ( 12 29 ) T が転 がす 時, ボー ル が転 が っ て 来る 時 は, ボー ル を見 て いた。 全 4 ラ ウ ン ド中3 ラ ウ ; ン ドで は, Ay 児 がつ か ん だら 直 ぐにT が促 し そ の 中 で返 す と いう 形 で展 開 した T の 手 に置く 時 はT の , 。. 手を見ながらおこなっ たが,Tの手にボールを渡しきるのが示された。②では,自発的 に放る試みが示された。 こ の段 階で は,T に向い て いる か どう か ではや や 明 瞭さ に欠く が そ の後 T が ジ ェ ス チ ャ ー の み によ っ て放 っ , て 返す こ と を暗示 する と, き ち ん と T の 方 に体 を 向 け直 して か ら放 っ て いる。 こ のこ と か らは 相 手へ の 方 , 向 性 が示 さ れて いる。 4 ラ ウ ン ド中3 ラ ウ ン ド (① ③ ④) にお い て は 促す T の 手 が Ay の 近く に差 し , , ,. 出されため, その手にボールを置く形で展開しており, Tから離れた位置からTに返す点でどうなのか や , や は っ き り しな い。 しか しこの 上 述 の ② にお ける 展 開か ら は, この点 につ い ても可 能 と な っ て いる と 考え ら れる。. 1 1 3か月} ( 2 13 ) ポールが転がり始めるとボールを目で追い, 近くに来ると押し出してすぐに返す形で計 6 ; 4 ラ ウ ン ドが進行 した。 す ぐに返 した た め, こ の月 齢 で は 1 回 もT の 促 しがな か っ た 返す 時も専 ら ボー ル 。. から視線を離さなかっ たが, ボールが余り進まなかっ たのが2ラウンドあり それらの時は押すのをさらに , 追加 した。 ま たそ の 内1 回 で は ボー ル が進 ま な い と ボー ル か らTへ と視 線 を移 し 確 認する かの よう に , , , T を見 た。 こ れ らの こ と か ら, T をあ ま り見る こ と はな い がT へ の 方 向性 は 明 ら かであ り T の方へ ボー ル ,. を押し返そうという姿勢も伺われる。 またTが転がす合図をした時については 前半の2ラウンドではボー , ル を 見 て い た が, 後 半2 回 はT の顔 を見 て いる。 そ して 後半2 回のラ ウ ン ドで は さ ら に ボー ル が転 が っ て ,. くると口を開けたり微笑んだりしており, やりとりを楽しんでいる。 <14か月 の 記 録> 布 の 小 ボー ル。 約 2 m の 距 離 にて 座 位。 こ の月 齢 か ら歩 行 可 能 と なる ① 「は い A 。 , y 「 こ ろ ころ一 と 転 がす→ [B をつ かみ 首 に付 けて か らT を見 る] → 頂戴」 → [前 方 の床 を見 てB を投 , ② 「は い, Ay , 行 く よ」 と 転 がす → [足 元 に来 た B をつ か む。 微 笑 しな が ら首 に付 けT を見 て 「ウ ー」 ] → 「う ー ん, 頂 戴」 → [転 がす] (体 はC 方 に向 い ている の でC脇 へ と) → 「あ 一 上 手 ね え, Ay」 とB を とる : [B を見 て いる → T を見 る] → 「こ っ ち 向い て ごら ん → [B を見 る] → ③ 「こ 」 げつ ける]. ろころ一 と転がす→ [つかんでから立上がりTの方に向く。 数歩進んだ後 頭上からBを振り投げる (後 , 「フ フ フ と 笑う] → 「A ろ へ と)。 T を 見 る] → 「や 一, ふ ふ ふ …」 と 笑う → [ 」 y , そ こ にある」 と B を 指 差 す: [微 笑 ん で いる] → 「笑 っ てる」 ④ Ay を座 らせ て か ら 「行 く よ」 → [T の 方 を見 る] →. 転がす→ [つかもうとしながらTを見る (Bは手から逃げる) →つかむ すぐにTを見つつBを首に付 。 ける] → 「頂 戴 ころ ころ っ て」 : [T を見 な がら立 上 がり頭 の 辺 か ら前 へ投 げる] → 「あ 一 上 手 だね え 」 → [T を見 な が ら 「エヘ ヘ」 と 笑う] → 「う ふ ふ」 と 笑う : [笑う] → ⑤ 「は い どう ぞ と 転 がす→ [B 一. を目で追いながら体も後ろ向きにする。 Bへと歩きしゃ がんでつかむ。 向きを変えTを見つつTに近づ く。 T の少 し手 前 で T の方 に放る] ⑥ 「はい一 と転 がす‐p[B が止 まる と T を見 て 「エ ヘヘ … と 笑 い 」 , そ の 後 C を見 て 微 笑] → 「はい 頂戴, ボー ル」 と 指差 す : [T を見 Tへ行 きか ける が止 め B へ行 き , , , 93.
(13) . 遠 藤. 純 代. つ かみC 方 に投 げる]。. 2 4 ) この月齢から歩行可能となっ た。 開始時においてTは座位で行なわせ, 途中でも座位 を { 14か月… ( 1 4 ; 保とうとしたが, Ay児は立ち上がり歩き, Tに少し近づいてから放ろう とした。 ボールが転がっ てくる時 は専 ら ボー ル を見 て お り, T がよ こす 時も そ の ほ と ん どにお い て ボー ルを見 てい た。 しか しボー ルを 取 っ た 後 で は, そ の ほと ん どでT を見る よう にな っ た。 す ぐに取らな か っ た⑥ で は, ボー ル が止ま る とT を見 た。 ④ で は, 「つ か もう とす る 際」 と 「つ か んで か ら ボー ル を首 に付 ける 際」 の 計 2 回, や はり T を見 た。 T の. 促しがすぐに続く形で展開したラウンドが多かったが, 促された時にTを見る場合が多く, また返す際や返 した後にもTを見た場合が多かっ た。 このように, 自分の番における行動の切れ目で確認や共感を求めるか のようにTを見ており, 行動や出来事の共有に向けた働きかけが顕著である。 また6ラウンド中4ラウンド にお い て 笑 っ てお り, ボー ルのや り と り遊 びを楽 しんで いる こ と がは っ きり と 分 かる。 笑い の生 起状 況 は,. 自分から笑いかける (②) 他, Tから笑いかけられた後に笑い返す (③, ④) , ボールが止まっ た後 (⑥) に自分から笑いかけるな どであるが, いずれもTに視線を向けており, Tへの方向性は明らかである。 さら に⑥では, そばにいるC (観察者) にまで微笑みかけた後でCに向けボールを投げており, Cを遊 びに巻き 込もうとしているかのようである。 全体に積極性が増し, 働きかけの方向性が明瞭に把握できるようになっ た と い えよう。. 21 { 5 ) 1 1 5か月1 ( ;. Tが転がす時 (最初2回は注意を喚起する言葉を, 後の4回は 「それ」 のかけ声を伴っ. てい た) の過 半 数 (6 回中4 回) にお い て, T を見 て い た。 ボー ル が転 が っ て 来る 時 は ボー ルを 注視 してい. たが,受けた直後にはTを見た。さらに手にしてからTに向けボールをやる体勢を整えながら(例,③で「ボー 「 ) ルを上下させる」 , またTに視線を向けた。 その後Tの促しが続く展開がほとん , ⑥で ボールを掲げる」 ど (6回中5回) であっ たが, 自分のターンの各所における こう した 「Tを見る」 行動は, 自己の行動の確 認と共感を求める意味を担っているため, T側の励ましを含めた促しが後続したものと思われる。 自分の行 動の随所随所でTに確認してもらいながら進めたいというのではなかろうか。 それはひき続くTの行動に よ っ て (た と え ば, ④ で は 「は い一 の こ と ばで, ⑥ で は 『放る よう に』 と の 言 葉 と 身 振り で), 直 ぐに Ay. の行動が開始されている ことから示唆される。 さらに返す時 (促された場合も含めて) においても, 「Tを 見る」 のは半数あっ た。 相手としてのTを意識し, その支え・共感のなかでやりとりを行ないたいというこ とと考えられる。 以上は, 別の角度からいえば, ことばや身振りの理解が進んでいることをも表わしている。 第1 ラ ウ ン ドにお い て, T の 「と っ て一 の こ と ば に対 しす ぐに ボー ルを 取り 「差 し出 しな が ら近 づ く」 行 動 が出 た こと, さ ら にこれ に対 しT が 「持 っ て 来な い で止ま っ てよ こす」 よう 言う と, す ぐに「放る」 行動 にな っ. たことなどからも, ことばの理解の進行が示される。 <16か月の記録>小布 ボール, 座位にて。 ① 「行くよ, ころころ…」 と転がす→ [T→Bと視線を変え, 微笑みながらつかむ] →右掌を差し出す→ [Tの手を見る。 Bを見て前に転がす] → 「はい上手だね」 「 ② 「ほ れJ と投げる→ [Bを目で追い, つかんでからTを見る] →拍手し , 頂戴」 と両掌 「ウー と 体 を 横 に ね じる] → 「ぽん」 → [T の 手 を見 る B を 見つ つ 前 に放 を 上 に して差 し出 す → [ 」 。 「 「 ③ そ れ」 と放る → (B は両 足の 間へ) [両 足 をつ ぼめ る (B はTの 前 へ)] → あ 一 上 手」 と拍 手。 て か ら, T に, 次い でC に微 笑 む] → 「う ま い ねえ」 → [つ か ん だB で大腿 を見 な が ら叩く。 前 に放 っ と 取る。. ] てからBの行方を見る。. ④ (Tが 「それ」 と放ると再び足の間へ) → [つかみBで腿を2回叩いて. 「ア ー ] → 手 を 下 げ 「あー あ ー あ一」 と 頭 か らT を見 て 「ア ー」 ] → 「頂 戴」 と 両 手 を広 げて前 へ → [ 」. を横に振る→ [Tに微笑みかけながらBで床を叩く。 Bを置いて立ち上がってからまたつかむ。 Tの方 ] へ 向き 直 っ て か ら放る。. ) 4 ラ ウ ン ド中3 ラ ウ ン ドで 笑 い が見 ら れ, や り と り 遊 びを 楽 しん で行 な っ て いる こ と 16 11 i 16か月} ( ; 94.
(14) . ) 1 乳児における大人とのポールのやりとり遊びの発達(. が示された。 Tの促しに対して発声 と身振りで拒否するのが見られた (第2ラウン ド)。 Tが 「頂戴」 と手 を差し出したことを, 手に置いてと要求されたと思い, 手渡しの形で返すことがいやだっ たのだろうか (第 4 ラ ウ ン ドにて も 「頂 戴」 に対 して は, す ぐに対 応 す る 「渡す」 行動 は出 ず, そ の 後 放 っ て返 して い る)。 T が ボー ル を転 がす 時 には T より は ポー ル を見 て いる こ と が多 か っ た が, ボー ル が着 い た後 には相 手 である T を しっ か り と 見 てい た。 しかも 後半 の 第3, 4ラ ウ ン ドでは, そ の 後, 足 で ボー ル を 挟 むよう に窄 め て見 せる, ボー ル で足 を叩 い て見 せ て 声 を 出す, と い っ た動 作 の演 示 が生 じた。第4 ラ ウ ン ドで は, さ ら にそ の 後, 笑い か けな が ら床 を 叩 いて み せ た。 ま た こう した ボー ルによる 動 作の演 示 は, T の み でなく C にも 向 けら れ て いる (第 3 ラ ウ ン ドにて)。 以 上 か ら, よ り 積 極 的 に働 き か けて お り, ポー ル のや り と り遊 びのルー ル の 中 に, 自分 なりに変化を加えてきていることが分かる。. ) Tが転がす時, ボールが転がっ て来る時は, ボールを注視していたが, 受けた直後は, { 17 3 17か月} ( 1 ; 必ずTを見るだけでなく, Tに対 ”微笑みかける, 口を大きく開けてみせる,「ヘエー」 と笑うなどを行なっ たラウン ドがほとんどであった。 やりとり遊 びの喜 びを伝え, かつ共有しようという働きかけの明瞭さが示 さ れて いる。 ま た, 受 けと っ た 後C を見る, あ る い は 笑い か ける な ど, Cへ の働 き か け が2 回生 じて いた。. 自分が受けたのに対してTが拍手すると, Tにポールが行っ た後ですぐに拍手しており, 模倣による対応も 速 い。 T の促 しは相 変 わ らずあ る も のの, 全体 にや り と り がス ム ー ズ にな っ て いる。. まとめ 場 面 にお ける 2児の行動の結果から, ボールのやりとり遊びに関するルールの遂行,遊びにおける積極性,. および物との関わりと人との関わりの統合な どの発達について, 次のようにまとめることができる。 ま ず At児 につ い て 述べる。. ( 1 )生後7か月から9 か月 ま で;ポー ル をつ か ん だ後 は, ポー ル を用 い た手 操作 を中心 と してお こ な い, ゲー ム の ルー ル に対応 した, 返す 行 動 を 行 な わな い。 ポー ルへ の 関 心 が大きく, 返す よう 働 き か ける Tへ はあま り 関心 を 払 わ な い。 ラス トの 9 か月 で は, ポー ル を 手 か ら 「落 と す - 拾う」 を 繰 り 返 し, さ ら に, 落 と し た ポー ル をT が返 した ため, 形 と して ポー ル が往復 した が, ルー ル の 理解 があ る と は 思わ れない。. ( 2 ) 10か. 月 か ら13か月 ま で;ボー ル のや り と り と いう ルー ル に 基 づ い た行動 が可 能 とな り, や り とり を楽 しんで行 な. う。 返す際にはかけ声様の発声を伴なって行なう。 Tを見ることは少なくボールを見ながら行なう場合が圧 倒 的 に多 い が, T の こ と ばへ の 関 心 と 理解 は存 在 して いる。. 3 ) ( 14か月 以 降;T が転 がす 時, 自 分 が ボー ル. を受けた後, ポールを返す時, さらにはTが受けた時など, かかわりの随所随所で「Tを見る」のが多くなり, かかわる相手としてTを位置づけ, やりとり遊びをTと共有しながら行なっていることが明瞭になる。 かか わる 喜 びを一層 明 確 に示 す。 ま たT がす ぐに ポー ル を寄 越 さな い と相 手 のタ ー ンを要 求す る ポー ル をや り ,. とりする場所やポールの種類を自分なりに決めるなど, ゲーム内の規則に自ら変化を持ち込んで行なう。 Ay 児 につ い て は次 の よう になる。. ( 1 )生後8か月;ボールがそ ばにくると, つかんでから手操作を行なっ たり, 口を付けて嘗めるなどポール に対する関心が優勢である。 返す行動は見られず, Tへの関心はあまりはっきりしない。( 2 )9か月から11か 月まで;差し出されたTの手に関心を寄せ, その手に自分の手を付けたり, Tの手の平にポールを置くこと はする。 しかしボールから手を放し, 置ききる (渡しきる) ことはない。 終りの頃には, 押したり投げるこ とでポールを離れた所へ行かすようになるが, Tと離れた関係を保ちながら, Tをめがけてボールを行かす こ と は出 来 ず, ま た こ こ に と どま っ て ボー ル が来る の を待つ こ とは 出来 な い。 ゲーム の ルー ル に対応 した行 動 はま だ出 来な い が, ゲーム を 構成 する 諸行動 の 一 部 は可 能 とな っ て いる と いえる。 ま た ポー ルへ の 関心 を 95.
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