小学部 遊びの指導 学習指導案
指導者 広島県立呉特別支援学校 教諭 高野 ひとみ(T1) 教諭 大本 美智子(T2) 1 日時 平成24年11月21日(水)10:00~10:45 2 場所 小学部4-1教室 3 対象学年 小学部 第4学年 1組 3名(男子2名,女子1名) 4 題材名 ごっこ遊び「おいもの バス旅行」 5 題材設定の理由 ○ 児童観 本学級の児童は,男子2名,女子1名の3人である。入学してからの4年間同じクラスで過 ごしてきている。そのため,児童間で仲間意識が芽生えてきている。 Aは,知的障害を伴った自閉症があり,友だちと関わって遊ぶことが苦手だが,大人が一緒 に遊んだり,繰り返し遊んだりすることで,物を介して友だちと関われるようになってきた。 聴覚,触覚などの様々な感覚過敏があり,学校生活の中で気持ちが不安定になってしまったり, 活動に制限がかかったりしてしまうことがある。それらの強さ,頻度はその日,その時の精神 状態や疲れに関係していることが多い。4月中頃からイヤーマフを使い始めている。 Bは,知的障害を伴った自閉症があり,簡単な言葉でのやり取りができ,こちらの指示等は 3語文くらいであれば理解できる。ルールを守って活動することは苦手だが,事前にイラスト などを提示することでルールを守ることができる。 Cは,アンジェルマン症候群があり,人と関わることが好きな児童である。指先で物を操作 することは苦手だが,教材に音楽を使うことで自発的に活動できる。Bの行動に興味をもって おり,活動を共にすることも多い。友だちと遊ぶことが好きなのでAとBを遊びに誘っている。 ○ 題材観 本題材は,本学級の児童の実態から,友だちとの関わり,児童がすすんで動ける活動という 点にポイントを絞って設定した。 絵本「さつまのおいも」は,児童が読んだことのある絵本である。特に,絵本の中で歯を磨 いたり,泳いだりするおいもが登場する場面,おならになる場面などが子どもたちには印象的 である。また,サツマイモは毎年畑で栽培し,焼き芋にしているのでなじみのある野菜である。 今回は,児童が活動の見通しをよりもちやすくするために,この絵本を4年1組バージョンと して製作した。おいもになった3人の児童が食べられたくないから旅に出て,お化けをやっつ けたり,逃げたりする。そして,お化けから逃げた後は,みんなでダンスをして喜ぶという内 容になっている。それぞれの場面の活動は,お化けをやっつける場面はストラックアウト,逃 げる場面はおんぶ遊び,喜んで踊る場面はフォークダンスに設定した。これらの活動が絵本の 流れに沿って展開される。活動を通して楽しく友だちと関わったり,ルールを意識したりでき る題材である。 ○ 指導観 指導に当たっては,児童に見通しをもたせることにより,主体的な参加を促したい。そのた めにも,「みんなで旅をする」「たどり着いた先で活動(ゲームなど)する」というパターン化 した動きを授業の中で繰り返す。児童たちに活動のパターンを理解させることで,自信をもっ て主体的に次の活動場所に移動し遊べるようにさせたい。 旅に出るときは,3人がおいものバスに乗る。バスは,これまでに何度も校外学習で利用し た事がある乗り物である。3人で移動することで一緒に活動しているということ,次の活動が 始まることを感じてほしい。移動中は,「大型バス」の歌を歌って楽しい雰囲気作りをする。 移動した先での遊びは,ルールを取り入れた個人の活動と友だちや指導者と関わり合いなが ら遊べる活動を設定した。個人の遊びはストラックアウトである。お化けのイラストを的として貼ることで注目しやすくした。また,座る場所,投げる場所を決めておくことは児童にとっ て動線がわかりやすいと考えたので,待つときにはイスに座らせ,投げるときは足型の上から 投げさせるように指導する。投げた後は,次の人のためにボードの片付けをする。この遊びを 通して,的を見る,投げる,片付ける,ルールを守る力をつけさせたい。 友だちや指導者と関わり合いながらの遊びは,おんぶ遊びとフォークダンスにした。児童た ちは,大人とのスキンシップを好んでいる。そこで,おんぶをしてもらうだけでなく,自分が おんぶをする側になって遊ぶことにした。この活動を通して,友だちと一緒に活動し,触れ合 うことの楽しさを感じてほしい。また,フォークダンスは,手をつないで輪になって踊るので 一体感が得られやすいと考えた。楽しい雰囲気を指導者が作って,児童たちが友だちとの活動 を楽しめるようにしたい。 6 題材の目標 ○ 遊び方のルールを意識して遊ぶことができる。 ○ 次の活動がわかって自分から動くことができる。 ○ 友だちや指導者と一緒に遊ぶことができる。 7 指導計画(全5時間) 第1次 さつまのおいも ・・・1時間 第2次 おいものバス旅行・・・4時間(本時4/4) 8 本時の目標 ○ 全体の目標 ・ 順番を待ったり,決められた場所に道具を置いたりするなどのルールを守ることができ る。 ・ 準備物を見て次の活動に自分から参加することができる。 ・ みんなで一つの輪を作って踊ることができる。 ○ 個々の目標 児童 これまでの様子 目標 A 遊びのルールは,その都度,言葉掛けをしたり繰 り返し活動したりすることで守ることができてい る。 大人とのスキンシップは好きで求めてくるが,児 童同士で体が触れ合うことは苦手である。 作業的な活動やパターン化された活動が得意で, やり方が分かると進んで活動することができるよ うになってきた。 ○指導者の言葉掛けを受けて, ルールを守って遊ぶことがで きる。 ○指導者や友だちとおんぶ遊 びをしたり,手をつないで踊っ たりできる。 ○バスやゲームのセットを見 て自分から活動に参加できる。 B ルールは,繰り返すことで覚えてきているが,守 ることは難しく,その都度,言葉掛けをすることで 守れている。 歌ったりみんなで踊ったりすることは好きな活 動である。 作業的な活動やパターン化された活動が得意で, やり方が分かると進んで活動することができる。 ○的当てやおんぶ遊びでは順 番などの約束を守ることがで きる。 ○歌詞を口ずさんだり,掛け声 を掛けたりすることができる。 ○バスを見て自分から次の場 所に移動することができる。 C 指導者と一緒に遊ぶことで遊びの簡単なルール がわかってきている。 友だちや指導者とのスキンシップは大好きで,積 極的である。 繰り返し活動することで見通しをもつことがで き,その時間必要な準備物がわかって準備すること があった。 ○指導者と一緒に遊びながら, ルールを守ることができる。 ○曲を聴いて自分から手をつ ないだり,踊ったりできる。 ○バスを見て自分から次の場 所に移動することができる。
9 準備物 絵本,芋づる(ホース),おいものバス(ダンボールで作ったもの),ボール,ストラックア ウトのボード,CD,ラジカセ 10 学習過程 グループ児童生徒 小学部 第4学年 1組 グループの準備物 指導上の留意点(□個々の活動,○支援,☆評価) 時間 活動 A B C 1分 ①あいさつ 1分 ②本時の内容 を知る。 ○ホワイトボードを指差し て,見るよう促す。(T2) ○ホワイトボードを指差し て,見るよう促す。(T2) ○イラストを目の前に提示 し,ホワイトボードを見る ように促す。(T1) 2分 ③ 絵 本 を 見 る。 ○絵本を目の前で見せて, 今から絵本を読むことを伝 える。 ○絵本を指差して絵本を読 むことを伝える。 ○絵本を目の前で見せて, 今から絵本を読むことを伝 える。 3分 ④おいもの役 になって引っ 張り合いをす る。 ○指導者が力を加減しなが ら,引っ張り合いをする。 ☆しっかりと綱を握ること ができたか。 ○ 指 導 者 が 掛 け 声 を つ け て,一緒に言うように促す。 ☆指導者と一緒に掛け声を つけて引っ張り合いができ たか。 ○指導者が力を加減しなが ら,引っ張り合いをする。 ☆しっかりと綱を握ること ができたか。 5分 ⑤おいもバス に乗って移動 する。 ○バスを提示し,場所を移 動することを伝える。 ☆バスを見て友だちと一緒 にバスに乗ったり歩いたり することができたか。 ☆バスを見て自分から活動 に参加できたか。 ○バスを提示し,場所を移 動することを伝える。 ☆ 自 分 か ら バ ス に 乗 っ た り,歌の一部分の歌詞を口 ずさんだりできたか。 ○バスを提示し,場所を移 動することを伝える。先頭 になることを伝える。 ☆自分からバスに乗って, 教室の外に移動することが できたか。 12 分 ⑥前庭前廊下 でストラック ア ウ ト を す る。 ○自分の順番ではないとき は座って待つように,その 都度,言葉掛けをする。 ☆座って待つことができた か。 ☆指導者の言葉掛けを受け て,ルールを守って遊ぶこ とができたか。 ☆ゲームのセットを見て自 分 か ら 活 動 に 参 加 で き た か。 ○順番と,座って待つこと を話して伝える。 ☆順番を守って,座って待 つことができたか。 ○自分の順番ではないとき は,座って待つようにその 都度言葉掛けをする。 ☆座って待つことができた か。 ホワイトボードを見て本時の流れを聞く。 着席して,両手を合わせて挨拶をする。 みんなで絵本を見る。 大型バスの歌を歌いながら,おいもバスに乗って,校内を歩く。 校内を周ってバス玄関に行く。 一人ずつ順番に的当てをする。待っているときは座って待つ。す べてのボードを落としたら,ボードとボールを拾って片付ける。 ボールは,次の児童に渡す。 おいもの役になって指導者と引っ張り合いをする。
8分 ⑦2人組にな っておんぶを する。 ○児童どうしでのおんぶが 難しい場合は,誘ったり指 導者が一緒にそばを歩いた りする。 ☆指導者や友だちとおんぶ 遊びができたか。 ☆指導者の言葉掛けを受け て,ルールを守って遊ぶこ とができたか。 ○おんぶをしてもらったら 交代をすること,おんぶし た友だちと歩調を合わせる ことを言葉で伝える。 ☆相手をおんぶしたり,歩 調をあわせて歩いたりでき たか。 ○ 友 だ ち を お ん ぶ す る と き,交代の合図をして見守 る。 ☆交代の合図を聞いて自分 から交代できたか。 ☆指導者と一緒に遊びなが ら,ルールを守ることがで きたか。 8分 ⑧バスに乗っ て4-1教室 前廊下に移動 し,フォーク ダ ン ス を す る。 ○手をつなぐように誘う。 ☆指導者と手をつないで踊 ることができたか。 ○手が離れたら言葉掛けを して手をつながせる。掛け 声や最後のポーズは一緒に 言ったり手本を見せたりす る。 ☆手をつないで踊りながら 歌詞を口ずさんだり,掛け 声を掛けたりできたか。 ○曲を聴いて手をつなぐこ とが難しければ,そばで言 葉掛けをする。 ☆曲を聴いて自分から友だ ちと手をつないだり,踊っ たりできたか。 3分 ⑨おいものバ スに乗って教 室に戻る。 ○バスを提示し,場所を移 動することを伝える。 ☆バスを見て友だちと一緒 にバスに乗ったり歩いたり することができたか。 ○バスを提示し,場所を移 動することを伝える。 ☆ 自 分 か ら バ ス に 乗 っ た り,歌の一部分の歌詞を口 ずさんだりできたか。 ○バスを提示し,場所を移 動することを伝える。先頭 になることを伝える。 ☆自分からバスに乗って, 教室の外に移動することが できたか。 2分 ⑩あいさつ 始めは,指導者が児童をおんぶし「よういドン」の掛け声でゴー ルまで行く。帰りは交代で児童が指導者をおんぶしてイスまで戻 る。次は,その日の児童の実態を考慮しながら,児童どうしでお んぶし合う。 着席して,両手を合わせて挨拶をする。 大型バスの歌を歌いながら,教室に帰る。 友だちや指導者と手をつないで輪になり,曲「どこのこきのこ」 を踊る。