• 検索結果がありません。

共同販売における農協と部会組織の関係性に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "共同販売における農協と部会組織の関係性に関する研究"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2018 年 2 月 8 日

共同販売における農協と部会組織の関係性に関する研究

―北海道の野菜産地を事例として―

共生基盤学専攻 共生農業資源経済学講座 地域連携経済学 國本英樹

1.背景

近年,農業協同組合(以下,農協)を取り巻く環境は急激に変化している。政府は農協改革で,

農家手取り向上を目的に,委託による共同販売から農協がリスクを負う買取販売に転換する必要 性を指摘している。また,農協も自己改革において買取販売を増やす方針を掲げている。

しかし,北海道は広大な土地を活かし,大ロットで卸売市場を通して都府県に供給する共販体 制を確立してきた。これからも北海道においては,大規模産地として市場流通を前提とした共同 販売の重要性は高いといえる。農家が共同販売という手段で農協を利用して,いかに流通多様化 や産地の課題に対応しうるのか,特に農協が農家による自主自立した組織である点に注目して検 討することは,これからの農協の販売戦略と新しい協同の姿を見通す意義をもっている。

2.目的と事例地域の選定

本論文では,北海道の野菜産地における農協と農家の部会組織を分析対象とする。部会組織が,

共同販売における農家の意志反映の場としてどのように農協事業に影響を与えるのかという視 点から,流通構造対応のために農協と部会組織が抱える共同販売の課題を実証的に明らかにする。

事例地は,道北なよろ農協及び新函館農協における部会組織を対象とする。稲作北限地という 特性を,野菜ともち米の複合産地化によって克服し多様な販路を開拓してきた名寄地域と,道南 という早期出荷の有利性を活かし主力品目で市場との関係を築いてきた函館地域は,現在の北海 道野菜産地における共同販売の実態を色濃く反映しており,事例として適していると考えられる。

3.結果と考察

分析の結果,農協が部会組織と協力して共販体制を構築するためには,販売事業と営農指導事 業の強化が課題となるという結論が得られた。各事例を要約すると次のようになる。

道北なよろ農協では,運賃の高騰に加え生産量が減少して多様な販路が維持できなくなってい る。それに対し農協は,農家個々ではなく部会組織への助成を重視し作付振興に当たっていたが,

使途については農協側に決定権があった。助成の効果を発揮するために部会組織の主体的な関わ りをどこまで広げて共販を維持していくかが課題といえる。

新函館農協では,市場流通における量販店との相対取引拡大に伴い,部会組織の役割が拡大し ている。特に,部会組織独自の品質管理を積み重ね,市場取引先に対し災害時の出荷基準を変更 する交渉力をもつようになった。今後は,栽培方法や農家による生産技術の差を平準化しながら,

早期出荷の推進でいかに実需に応えるか,農協による組織的かつ専門的な指導が課題といえる。

部会組織は,共同販売を行うための様々な活動を行っており,農協組合員として協同活動を行 う基礎的な場である。しかし,それだけでは現状の実需にあった販売はできず,産地としての優 位性も失ってしまう。安定品質,安定出荷が今後さらに求められる中で,流通・販売過程への組 合員への関わり方や営農指導の負担のあり方といった観点からも,組合員の意志をいかに農協事 業に反映させていくか検討する必要があろう。共同販売は,組合員の声が活かされる農協と部会 組織の関係にあるからこそ成り立っている関係性なのではないだろうか。

参照

関連したドキュメント

このように,先行研究において日・中両母語話

しかしながら生細胞内ではDNAがたえず慢然と合成

 複雑性・多様性を有する健康問題の解決を図り、保健師の使命を全うするに は、地域の人々や関係者・関係機関との

J-STAGEの運営はJSTと発行機関である学協会等

日本遠洋施網漁業協同組合、日本かつお・まぐろ漁業協同組合、 (公 財)日本海事広報協会、 (公社)日本海難防止協会、

協同組合間の提携について

 本研究では、企業・組織の部門内で対面コミュニケーションが行われる場に焦点を当てて 検証を行った。Akgün 

義 強度行動障害がある者へのチーム 支援に関する講義 強度行動障害と生活の組立てに関 する講義