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成人 ・高齢者の リハ ビリテーシ ョン

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7 成人 ・高齢者の リハ ビリテーシ ョン

( 1 ) 要介護 者 の現状

中野 裕之,井 口 茂

平成 4 年度の国民生活基礎調査 による要介助者 ( 在宅)の現状 をみ ると,要介護者全体 の約 7 5 % を 6 5 歳以上の者が 占 め 8 3 万 6 千人に達 している。 これ を全面介助 を必要 とす る日常生活活動 の種類別 でみ ると入浴 3 4. 9 % ,歩行 3 0. 8 % と高

く,着替 え,排推,洗面 ・歯磨 き,食事 の順 になる。

また,要介護者の うち,藩 たきり者は 3 3 万 8 千人 ( 3 0. 2 %) であ り, この うち 6 5 歳以上の者は 2 8 万 9 千人で渡 たきり 者の 8 5. 5 % を占め る。今後 6 5 歳以上人 口が増加す るにつれて, これ らの要介護者,濠 たきり者の増加が予想 され る。老 人が介護 を必要 とした り,渡 た きりとなる原因疾患で最 も多いのが脳血管疾患であるとか ら,脳卒 中後の早期 の リハ ビ

リテー ションの実現,回復期 の リ‑ ビ リテ‑ ション,維持期 での リ‑ ビ リテ‑ ションの充実が今後 ます ます重要になる。

( 2 ) リハ ビリテーシ ョンの 目的

リ‑ ビ リテ‑ ションの 目的 を中村は,患者,障害者に身体的,心理的,社会的,経済的に最大限の 自立度 を回復 させ ることと規定 した。竹 内は,何 らかの障害によって破綻 した生活 を蘇 らせ ること,「 生活の再建 であ る」とした。成人に とっては職業や仕事 を日常的に続け ることが 目的にな り,高齢者では,有意義 な生活 を送 ること,本人の心身機能に適 した自立度 を維持 してい くことである。 このことは,病院での リ‑ ビ リテ‑ ションの 目的が身の回 り動作 ( 排浬,食事, 移動,整容 など)の 自立であ り在宅生活が維持で きてい くこととある。 また, 日常生活の維持 に介助が必要 で,施設入 所 を余儀 な くされた場合 で も,心身機能 を適切に維持 され生活の質 ( QOL) を高めてい くことが 目的 となって くる。

障害 を背負いなが らその生活 を人間 らしく意義 あるものに してい くには,患者の心身機能 レベ ルのみに規定 され るもの ではな く家族 を含めた生活環境や社会経済状況に依存す る。

リ‑ ビ リテ‑ ション医療の視点で,林 は 「リ‑ ビ リテ‑ ション医学 を医療 に応用す ることを通 して,障害 を有す る患 者 を可能 なか ぎ り人間 として望 ましい生活がで きるように支援す る。」ことを目的 とした。 そ して,成人で障害 を残 した 患者の身体機能の状態,精神状態,さらに仕事 を含めた社会参加,収入 を含めた経済活動 などを医療 の面で気配 りをし, 支援 いてい くこ とが リ‑ ビリテ‑ ション医療 と述べ でいる。

( 3 ) リハ ビリテーシ ョン医療の展開

①急性期の リ‑ ビ リテ‑ ション

救命処置や濃厚治療の時期 に行 われ るのが急性期の リ‑ ビ リテ‑ ションである。江藤は,疾患の治療 では早期発見,

早期治療が原則の ように,障害‑の対応 も早期発見,早期対応であ り,疾患の急性期治療 と平行 して リ‑ ビ リテ‑ ショ

ンも開始す ると強調 した。急性期の リ‑ ビ リテ‑ ションの意義 として,過度の安静に伴 う合併症 としての廃用性症候群

の予防があげ られ る。同様 に, 中村は,合併症,二次的障害の予防 をあげ,脳卒 中の場合,高血圧や肥満,糖尿病,高

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脂血症,心疾 患な どの危険因子があれば,薬物療法, 食事療法お よび呼吸循環系の生理機能検査 な どの医学的管理 の も とに理学療法,作業療法が実施 され る

合併症 には呼吸器や尿路系の感染,呼吸器循環器の機能低下,筋萎縮や関節拘 縮,精神活動の低下 な どが ある. この急性期 の リ‑ ビ リテ‑ シ ョンを実施す るためには,医師 を中心 としたチームアプ ローチが よ り適切 な医療 の供給が なされ るこ とになる。林 は,急性期か らの り‑ ビ リテ‑ シ ョン医療 の心 として急性期 治療 に投入す るエネル ギーの何 の‑かは回復後の生活 を考 える,つ ま り,急性期 が過 ぎ延命がはかれたあ との人 として 望 ましい生活 を取 り戻すのに困難 な状況 に しないこ とを強調 した。

( 卦回復期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョン

早期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョンが廃用症候群,二次的合併症の予防 を主体 としたのに対 して, 回復期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョンは 機能 回復へ むけての治療 に重点が置かれ る

この時期 に専 門的 リ‑ ビ リテ‑ シ ョンを受 けたか否かに よって, 障害の改 善 にある程度 の ちがいがでて くる といえる。疾病や外傷 後 の機能 回復, あるいは永続的病理過程 に よ り失 われ た能力の

回復 を促進す る期 間であ る

回復期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョンには,医師,理学療法士,作業療法士,言語療法士, ソー シャルワー カー な どの多 くの医 療専 門職 に よるチー ムアプ ローチが望 ま しいが,入院 中の生活の場 であ る病棟 の看護が最 も大 きな役割 を担 っている。

上 田は,この時期 で リ‑ ビ リテ‑ シ ョンの 目標 のひ とつ に早期 ADL 自立 をあげ,訓練室 な どで行 っている模擬的 ADL 訓練 を 「で きる ADL」 とし,病棟や社会復帰後の実生活での実用的 な ADL ,「している ADL 」に到達す るこ とを主

目的 とした。 その前段階 であ る 「 す る ADL」 指導 も看護の働 きかけが重要 となる。 リ‑ ビ リテ‑ シ ョン看護 の役割 と して椿原は, ADL の評価 と訓練,生活環境 の整備 と介護者の指導に加 え,排尿管理 ( 尿便失禁‑の対処, 自己導尿法 の指導) ,裾創 の予 防に関す る指導,噴下障害‑ のアプ ローチ,高次脳機能障害‑ の対応 ( 半側 空間失認 ・コ ミュニケー シ ョン障害 ・自発性低下 ・記憶障害 な どへの配慮),痔痛や心 因性 身体 障害‑のアプ ローチ,障害受容過程‑の関与,衣 宅復帰への指導 ( 生活指導,家屋改造 な ど) をあげた。

また,患者 の障害の受 け入れが リ‑ ビ リテ‑ シ ョンに大 き く影響 されて くる時期 で もある。障害受容過程 に認め られ る心理的葛藤や患者 ・治療者間に生 じる治療 関係 を分析 し, 自分 の受け持 っている患者の障害受容 の過程 で, どの よう な状況下 にあるか を理解 す る。 そ して, その対処方法 を検討す る必要がある。

( 診維持期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョン

米本 は,維持期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョンを急性期, 回復期 の リ‑ ビ リテ‑ シ ョンで回復 した身体 的機能や精神的機能 を維 持 し,障害 を持 ちなが ら家庭や社会生活 に適応 し,生 きがいを持 って生活す るこ とを目標 とす るため,医療 ・保健 ・福 祉 に またが る広 い範囲 とした.竹 内は,家庭,地域,職場,学校 な どの生活の現場 で展開 され る社会的 リ‑ ビ リテ‑ シ

ョンに含 まれ るもので, ADL , ADPL ( Ac t i vi t i e sPar al l e lt oDai l yLi vi ng ,生活関連動作)の維持,改善 を生活 全体 の視点か ら達成 してい く必要 を述べ ている

リ‑ ビ リテ‑ シ ョン医療 の流れが,画一的に分類す るこ とは困難 としなが らも維持期 を慢性期 ととらえ,維持期 リ‑

ビ リテ‑ シ ョンを慢性期 に行 うリ‑ ビ リテ‑ シ ョン と考 え,高齢者や 障害者の慢性期 に抱 える問題か ら焦点 を健康管理

・リス ク管理,生活 の 自立,介護支援 ととらまえ,つ ぎの定義 を示 したのが小泉 である。「回復期 の リ‑ ビ リテ‑ シ ョン

が終 了 し,獲得 され た家庭生活や社会生活 を維持継続 してい くこ とを保証す るための リ‑ ビ リテ‑ シ ョンである。健康

管理や 自立生活の支援,介護 負担の軽減 な どを図 るため,各種 の住宅 お よび施設 での リ‑ ビ リテ‑ シ ョンサー ビスを総

合的かつ継続的に提供 し, 障害のあ るものや家族の安定 した 日常生活が維持 ・ 継続 され るこ とを目的 とす る。」 このこ と

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I V

リ‑ ビ リテ‑ シ ョン

か ら,維持期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョン とは, 回復期 までの リ‑ ビ リテ‑ シ ョンを終了 した障害者や高齢者に対 して,慢性期 に抱える問題 に対応す るために,退院後の機能訓練のみ を課題 とす るのではな く, ゴール ドプ ランに示 されている社会 資源か らのサー ビスを統合 し,生活 をよ り健康的かつ人間 らしい もの とす る リ‑ ビ リテ‑ ション と考 える。障害者,高 齢者の ADL 低下が家族 を含めた家庭生活に直接影響 を与 えることか らも,家族 を含めた経時的なかかわ りの必要性 と 加齢 とともに起 こる能力低下の発生 と進行 を可能 な限 り遅 らせ る予防的な働 きかけが示唆 され る。

④急性期 ・回復期 ・維持期 リ‑ ビ リテ‑ シ ョンの経時性

一般的に,急性期, 回復期,維持期 リ‑ ビ リテ‑ ション とつ ぎつ ぎにバ トンタッチ され,ひ とりの患者が発症か ら何 らかのかたちで社会 とつなが りを持 ち,人間 として望 ましい人生 を送 るととが望 ましい と考 えられて きた。 しか し,柿 は,いつ再発す るかわか らない重複疾患催病高齢障害者が増 えて きたこと, また福祉領域に入 った障害者の 自助努力 を 求めないで公的援助 でケア をす ることが本人の生活の質 ( QOL) を高 く維持 で きるか との疑問か ら回復期 リ‑ ビ リテ

‑ ションの知識 ・技法が急性期 に も維持期 に も入 り,混 じりあった 3 相体制の考 えを示 した。小泉 は, いつか ら慢性期 なのかの疑問 を述べ ている,彼の地域活動の実践では,時期的には維持期 であるに もかかわ らず, リ‑ ビ リテ‑ ション の経験がなか った り, あって も充分 な治療 を受けていないため, 回復期 リ‑ ビ リテ‑ ションを必要 とす るこ とが少 な く ない と説明 した。一方で,専 門 リ‑ ビ リテ‑ ション機関の充実か ら, 回復期 リ‑ ビ リテ‑ ションの開始時期が早 まって きているといえる。椿原によれば,脳梗塞 などの場合,全身状態が安定すれば発症後 2‑3 日よ り病室 にて座位や立位 訓練が行 われている。前述の ごとく,早期 の リ‑ ビ リテ‑ ションの開始は,能力低下の改善が早 く,介護量の軽減 に も つなが るもの と考 えられ る。このように, リ‑ ビ リテ‑ シ ョンの実践では,各期の リ‑ ビ リテ‑ シ ョンの経時性 に加 え, 相互性 も必要 なのが現状のようである。

( 4) 高齢化社 会 の医療 サ ー ビスの課題

①医療サー ビスの産 出の指標

国民医療費の逓増に対す る医療費抑制の潮流の中で,在宅医療 ・在宅 ケアの政策が推進 されて きている。 これ らの医 療政策の もとでの医療の産 出 ( 結果,効果)の指標 には,健康増進がある。 日本の戦後の医療政策 は,平均余命,乳児 死亡率か ら判断す ると,一応の成功 を収めて きているといえる。 ところで健康状態 とは何 を意味す るかについては, そ の概念が幅広 く,断定す るこ とは容易 ではない。 WHO 憲章の定義によれば,「 健康 とは,完全 な肉体的,精神的 ならび に社会的安寧の状態であって,単に病気や虚弱でない とい うことではない。」とされ る。前述のご とく病気である状態に 比べ, その幅がかな りひろい。 そのため健康 の指標には健康 の裏返 しの指標,曜患率,死亡率や平均余命 などを用いる のが一般的である。 「 HELTH‑ BASED I NDI CATORS OF ECONOMI C PROGRESS」『 The Li vi n g Ec o no my』

( Tr e vo rHanc o c k:Ro ut l e d ge & Ke ganPa ul:1 9 8 7 ) で経済発展の指標 をこの健康状態の基準 とした考 え方 を示 し ている。 これによると,健康状態は社会や環境状態などの広 い範囲 を反映 した指標 であ り,経済発展の指標のひ とつ と

して適当 とした。

しか し,最近の ように,慢性疾患 ・成人病が多 くな り, また障害 を残 したままの生活 を余儀 な くされ る高齢者が多 く なって きているため,上記の指標のみでは医療サー ビスの産 出の測定は困難 な ものになっている。 このため, リ‑ ビ リ チ‑ ションの分野では, ADL の改善 を医療サー ビスの効果の判定 として使用 している。 さらに,最近の リ‑ ビ リテ‑

ションの理念が発展 し,身の回 り動作 を中心 とす る ADL か ら職業の問題 とか,社会参加,趣味,生 きがいに属す るよ

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うな広 い要素 を含 んだ リ‑ ビ リテ‑ シ ョンの産 出 としての生活の質 ( Q OL) の概念が主流になって きている。

②高齢化社会 の医療サー ビスの課題

高齢化 の進展 に応 じた高齢者に ともな う費用が社会全体 で増加 し, それの負担のあ り方につ いての検討が これか らの 重要 な課題 となって きてい る。 この うち, 医療 費に焦点 をあて,医療制度 の変遷, 国民医療費の増加要 因,医療サー ビ スの経済的特性か ら医療 の需要 と供給の考 え方,診療報酬改定 に よる影響,社会的入院の現状 な どを検討 し,今後の高 齢化 に ともな う状況 での医療サー ビスのあ り方につ いて考 える

この中で特 に, 国民医療 費の増加 因子 として老人医療 費の割合 の増加 が指摘 され,社会 的入院の削減や福祉‑の代替 えが社会全体 の費用負担の削減が なされ る とい う主張が あった。社会 的入院の福祉施設‑の代替 えは,費用節減 と費用増加 が相殺 され,大 きな効果が え られない。在宅 ケア も 家族の機会 費用 を考慮す る と効果 はない もの と考 え られた。 さらに,在宅 ケアの政策 は, その地域 内の家族状況 を十分 把握 し, その影響 を配慮 しなければ家族 に介護 を強要す る結果 にな る可能性がある

在宅医療政策 ・在宅福祉政策の受 け皿 としての老人訪 問看護制度に して も老人の QOL を満 たす までの機能 を持 っていない。病院は診療報酬の改定の影 響 を受 け,長期入院 を受 け入れな くなってい くと考 え られ よう。可能 であればで きるだけ多 くの老人が,生 まれ育 った 地域 でゆ とりのあ る療養生活が送れ るのが理想のひ とつ と考 えるが, Q OL , IL の概念に基づ き,患者 自身の 自己決 定に よるニー ドに対応すべ きである

.

これ らの在宅療養 を重視 す る政策 に対 して鴇 田は, 「 英国の老人介護 におけ るコ ミェニティケアの経済分析 」 ( 1 9 93) で, 日本の現状 は絶対的 な施設の不足で, それ を拡充す るこ とが何 よ りも望 まれ る

もし現在 の在宅介護 を重視す るシ ルバー ー

ランが,施設介護 を軽視す るこ とになるのであれば,それは明 らかに誤 りである。現在政策的に必要 なことは, 絶対的に不足 してい る介護施設 をまず充実 させ るこ とであ り, 同時 に在宅介護 を可能 にさせ るデ ェイ ・ケアや短期入所

などの拡充 を図 るこ とであ ると述べ てい る。

わが国の介護 を必要 とす る高齢者の療養施設 としては,医療施設 であ る一般病院や老人病院, 中間施設の老人保健施 読,福祉施設 であ る特別養護老人施設が ある。 これ らの施設の現状 は,老人病院のみな らず一般病院につ いて も長期入 院の傾 向があ り,通過施設 として設立 された老 人保健施設で も在所 日数の長期化が認め られ る。 これに対 して特別養護 老人ホームでは,入所者の医療 ニー ドが増大 している。 これ らの施設 では,制度 で示 されているような明確 な区別 は認 め られず,要介護老人のケアニー ドと提供 され るサー ビスの不一致 を呈 しているこ とが少 な くない。 これ らの施設の療 養 費あるいは介護 費につ いては,老人保健施設,特別養護老人ホー ムは従来 よ り定額制 であったが,老人保健法の施行 以来,特例許可老人病院の入院医療管理料 な どにみ られ るように,今後一層,要介護老人の医療 費の定額化が医療政策 として進め られて くるこ とが予想 され る

この ような費用の定額払 い制度 では, いかに して医療サー ビス ・介護サー ビ スを適切 なレベ ルで確保 してい くかが大 きな課題 となる。つ ま り, この定額支払 い制度 では, 出来高払い制度の場合 と ちがい,提供 され るサー ビスの質や量に関係 な く,一定の金額が支払 われ ることになるので,病 院 ・施設 としては, ケ アニー ドの よ り少 ない老人 を入院 ・入所 させ よ うとす る。 よ り重度 の障害 を残 している老人は, ケアニー ドが高いに も かかわ らず,在宅療養 を余儀 な くされ る

さらに,提供 され るサー ビスの質や量について も,低 いレベルに陥 る可能性 があ る

O

従 って,老人に対 し提供 され るケアサー ビス を適時 ・ 適切 な レベ ルに確保,維持す るこ とが重要 になって くる。

また,入院 ・退院,入所 ・退所 に関す る基準の明確化や要介護老人のニー ドと提供 され るサー ビスの整合性 の検討が今 後の課題 と考 える

要介護老人の処遇 に関す る方針 を考 え る場合,各種 の療養施設や家庭 の状況 な ど高齢者のおかれている処遇 の実情,

ニー ドや提供 されてい るサー ビスの内容 につ いての十分 な検討が必要 であるが, わが国の現状 は, ただ単 に, 医療費抑

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I V ) )‑ビリテ‑ション

制 に主眼 を置 くばか りで介護 を必要 な状態 に陥 って しまった高齢者 を, どの よ うな施 設に置いて療養 す るのが最 も適切 であるか, また, どの ようなケアサー ビスが提供 されなければな らないか, QOL の概 念 に基づ き高齢者 自身の選択 に よる生 き方がで きる環境づ くりな どの議論 が十分 なされてい る とはいえない。

医療分野 ・福祉分野 では, 医療 費抑制政策 に追随す るかの よ うに包括 医療,在宅 医療,地域 医療,地域 リ‑ ビ リテ‑

シ ョン,在宅福祉 の潮流が流れてお り, その流れは勢 い を増 して きてい る。 しか し, 国民医療 費増大 の元 凶 とされてい る社会 的入院の存在や,通過 型施設 としての役割 を低下 させ,在所期 間が長期化 してい る老人保健施設,特別養 護老人 ホームの数年 に もお よぶ入所待 ち期 間の存在,老人訪 問看護制度の退院 ・退所後 の受 け皿の問題 な ど高齢化社会 の医痩 サー ビスの課題 が残 されてい る。 さらに,施設介護 を受 け る人 と在宅介護 を受 けてい る人 との間に不公平感が あ る。家 族が仕事 をしていれば, そ うでない場合 よ り施設入所 が優 先 され るこ とが少 な くない。 さらに病 院の社会 的入院 では, 医療 費 とな り,本人や家族 の負担 は少 ない ものにな る。施 設介護 を受 け る場合,多額 の公的援助 を受 け るこ とにな るが, 在宅介護、 やは, わずか な税控 除 を受 け るだけであ る。

今後 の高齢化 の急激 な進行 のなか での, 国民医療 費抑制 は,単 に医療 ニー ド,介護 ニー ドを有 してい る高齢者 を病 院 か ら排除す るこ とではな く,また,医療 の役割 を福祉 に肩代 わ りさせ て解決す るもの ではない こ とを明 らか に して きた。

老後 を豊かで生 きが いのあ る もの として過 ごす ため に, QOL に基づ いた生活ので きる社会 には,福祉分野 での施設 を 拡充 し, デェイ ・ケア,短期 入所 な ど在宅療養 を可能 に させ る充分 な施 設 と制度 の整備 が必要 であ る とともに, それ ぞ れの機 関で提供 され る医療 ・介護サー ビス を利用す る高齢者のニー ドに整合性 のあ る,妥 当性 のあ る体 系的区分 の研究 が必要 にな ると考 え られた。 さらに,在宅療養 を充実 させ るためには,退院 ・退所 を阻害す る要 因の解消 のため に, 医 療 ・福祉 ・年金 ・税制 な ど トー タルに考慮 した発想 での政策 の研究が重要 と考 えた。

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「QOL

をどう考 えるか」:『総合 リ‑ ビ リテ‑ シ ョン

:医学書院 :

PP91 7‑PP9 21:1 9 9 3

(7)

Ⅰ Ⅴ

リ‑ ビリテ‑ション

5 0 )

鴇 田忠彦 :「英国の老人介護 におけ るコ ミュニティケアの経済分析」

:

『海外社会保障情報』:

PP1 7‑PP2 9:1 9 9 3 5 1 )

漆崎一郎 :

「 QOL

とは何か

」:

『診断 と治療

』PP7 2 4‑7 2 8:1 9 9 4

5 2 )

山岡和枚 :「患者の満足 と生活の質の評価

‑QOL

調査票

‑」:

『医療 と社会 の計量学』:朝倉書店 :

1 9 9 4

5 3 ) Goodi ns o n,S. M. ,Si ngl e t o n,∫ .:「 Qual i t yofLi f e:ac r i t i c alr e vi e w ofc ur r e ntc onc e pt s ,me a s ur e sandt he i rc l i ni c al i mpl i c at i o ns 」:『 I nt .∫.Nur s .St ud. 』PP3 2 7‑4 1:1 9 8 9

5 4 ) Ada ms ,D. L . : 「 Anal ys i so fal i f es at i s f ac t i o ni nde x」『 J o ur nalo fGe r o nt ol o gy』PP4 7 0‑4 7 4:1 9 6 9

5 5 )

原爆被災学術資料 センター資料調査部 :「ねた きり老人, ひ とり暮 し老人 と一般高齢者の 日常生活の満足度 の比較」

:

『長 崎大学医学部原爆被災学術資料 センター研究概要報告

』1 9 9 3

参照

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