• 検索結果がありません。

循 環型 産業 システ ムに関す る研究 (リ サ イ ク ル ・シ ス テ ム と経 済 的 手 段)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "循 環型 産業 システ ムに関す る研究 (リ サ イ ク ル ・シ ス テ ム と経 済 的 手 段)"

Copied!
18
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

循 環型 産業 システ ムに関す る研究

(リ サ イ ク ル ・シ ス テ ム と経 済 的 手 段)

田 和

1.緒

人類 に よ る生 産 ・消 費活 動 に よ っ て 地 球 環 境 の 処 理 能 力 を超 え る廃 棄 物 が 排 出 され,こ れ に よ っ て環 境 は 悪 化 の 一 途 を た どっ て い る。 この よ う な地 球 環 境 問題 を 解 決 して 人 類 が 健 康 な 生 活 を維 持 させ る た め に,製 品 の 生 産 ・消 費 過 程 で発 生 す る不 要 品 を再 利 用 す る こ とに よ っ て,廃 棄 物 を最 小 に し て資 源 の 有 効 利 用 を図 る高 度 な リサ イ クル 社 会 の構 築 が 必 要 とな っ て きた 。 こ れ に は,生 産 に 関 す る従 来 の研 究 で は 天 然 資 源 や 自然 の 廃 棄 物 処 理 能 力 が 無 限 で あ る こ と を 前 提 に して きた が,大 量 生 産 ・大 量 消 費 の 社 会 で は この 前 提 の 限 界 が 明 らか に な っ て き た こ と,「 廃 棄 物 処 理 及 び清 掃 に 関 す る法 律 」(廃 掃 法,1971年 制 定) や 「再 生 資 源 の 利 用 の促 進 に 関 す る法 律 」(リ サ イ ク ル法,1991年 制 定),「 特 定 家 庭 用 機 器 再 商 品 化 法 」(家電 リサ イ ク ル法,2001年 施 行 予 定)な どの 法 規 制, ISO14000シ リー ズ やJIS規 格 な ど の 環 境 に 関 す る 国 際 規 格 の 制 定 な どが 必 要 性 の背 景 と して あ る。

高 度 な リサ イ クル 社 会 を構 築 す る た め に,製 品 の 生 産 ・流 通 分 野 の 生 産 型(動 脈)産 業 と消 費 ・廃 棄 物 処 理 分 野 の 還 元 型(静 脈)産 業 を統 合 した シ ス テ ム を

循 環 型 産 業 シ ス テ ム」 と して と らえ ,こ れを実現す る うえで探求すべ き研究 課 題 を 明 らか に す る必 要 が あ る。 こ れ を 目的 に平 成8年 度 お よび 平 成9年 度 文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金 を 受 け た研 究 が な さ れ て い る[1]。 本 論 文 は,そ こで 明 らか に され た研 究 課 題 の 中 で 「循 環 型 産 業 シ ス テ ム の 評 価 」 と し て取 り上 げ ら れ た 「経 済 性 」 に 関 す る経 済 的 手 法,と くに リサ イ ク ル を促 進 す る た め の 経 済

〔85〕

(2)

的 手 法 につ い て 考 察 を行 う。 こ れ を行 うた め に,現 在 実 施 され て い る リサ イ ク ル ・シス テ ム を概 括 し,問 題 点 を 明 らか にす る。 これ に基 づ い て 循 環 型 産 業 シ ス テ ム を実 現 す る た め に,製 品 の リサ イ ク ル ・シス テ ム を考 察 し,経 済 的 手 法

と して の 「課 徴 金 一補 償 シス テ ム」 を 取 り上 げ検 討 す る。

2.リ サ イ クル の た め の直 接 規 制 と経 済 的手 法

リサ イ ク ル とは,製 品 が 廃 棄 さ れ た 後 そ の製 品 に使 用 さ れ て い る素 材 や 部 品 を再 使 用(reuse),再 生(renewal),再 資 源 化(reresource)す る こ とで あ る。

こ こで 再 使 用 とは 素 材 や 部 品 を そ の ま ま新 た な製 品 に用 い る こ とで,再 生 と は 加 工 し直 して用 い る こ と,再 資 源 化 とは 原 料 に戻 し て新 た な 素 材 な い し部 品 を 作 る こ と で あ る1)。 こ れ ら を実 現 す るた め に廃 棄 さ れ た 製 品 を 回 収 して 分 別 ・ 分 解 す る企 業 が 還 元 系 企 業 で あ り,こ れ らの企 業 か ら な る 産 業 が 還 元 型 産 業 で あ る。 生 産 系 企 業 か らな る生 産 型 産 業 と こ の還 元 型 産 業 を 統 合 した シス テ ムが 本 論 文 で 対 象 と して い る循 環 型 産 業 シス テ ム で あ る。

生 産 系 企 業 で 製 造 さ れ た 製 品 が,消 費 者 に よっ て 使 用 され 廃 棄 さ れ た と き, これ を廃 棄 製 品 と呼 ぶ こ と にす る 。 廃 棄 製 品 は,

1.還 元 系 企 業 に引 き取 られ 再 利 用 可 能 な部 品 を取 り出 した 後 に埋 め 立 て な ど 環 境 へ 投 棄 され る。

2.自 治体 が 引 き取 り,環 境 へ 直接 投 棄 す る か,あ る い は 還 元 系 企 業 に引 き取 らせ る 。

3.消 費 者 が 直 接 環 境 へ 投 棄 す る 。

な どに よっ て 処 理 され る。 こ れ らい ず れ の場 合 に お い て も,生 産 系 企 業 は廃 棄 製 品 の処 理 に関 して何 ら 関与 して い ず,廃 棄 費 用 を公 共 処 理 な どの 企 業 外 部 に

1)通 商 産 業 省 環 境 立 地 局 リサ イ ク ル 推 進 課 ・機 械 情 報 産 業 局 自 動 車 課 が 発 表 した

使 用 済 み 自動 車 の リサ イ ク ル 目標 等 に つ い て 」 で は,再 生 は再 使 用 に 含 ま れ る と して お り,リ サ イ ク ル を 「中 古(再 使 用)」,「 廃 品 の 有 効 利 用(転 用)」,「 再 資 源 化 」,「エ ネ ル ギ ー 回 収(サ ー マ ル ・リサ イ ク ル)」 に 分 類 し て い る 。

(3)

循 環型 産業 システ ムに関す る研 究 87 依 存 して お り,外 部 不 経 済 と して と らえ られ る。 した が っ て,廃 棄 製 品 の 削 減 や 環 境 汚 染,リ サ イ ク ル の促 進 に 対 す る生 産 系 企 業 の イ ンセ ン テ ィブ は 低 い も の に な る 。 これ らの イ ン セ ンテ ィ ブ を生 産 系 企 業 に持 た せ るた め に は,廃 棄 製 品 の 処 理 に 関 わ る 費用 を生 産 費 用 の 一 部 とす る,す な わ ち 外 部 不 経 済 を内 部 化 させ,内 部 化 さ れ た 費 用 の 削 減 を通 じて実 現 で き る よ うに す る こ とで あ る。

外 部 不 経 済 を 内部 化 させ る効 果 的 で か つ 直接 的 な方 法 に 直 接 規 制 が あ る。 直 接 規 制 は,廃 棄 物 の不 法 投 棄 や 違 法 処 理 な ど に よ っ て 生 じ る社 会 的 費 用 を行 政 が 規 制 に よ って 抑 制 す る手 段 で,規 制 の対 象 が 局 所 的 ・短 期 的 な場 合 に適 して い る が,他 方 で は経 済 学 的 に は 非 効 率 的 で あ る と さ れ て い る[2]。 これ に対 し て 経 済 的 手 法 は廃 棄 物 処 理 に よっ て 生 じる社 会 的 費 用 を 市 場 メ カ ニ ズ ム に よ っ て 抑 制 し よ う と す る 方 法 で,対 象 が 広 域 的 ・長 期 的 な 場 合 に 適 し て お り, OECDレ ポ ー ト[3]で は以 下 の 手 法 を あ げ て い る 。

1。 排 出 税:空 気,水,土 地,あ る い は騒 音 な ど環 境 に 直 接 排 出 され 汚 染 す る もの に 対 して課 せ られ る税 金 。

2.製 品 税(課 徴 金 〉:製 品税 は環 境 汚 染 を直 接 観 測 で き な い場 合,排 出税 に 替 わ りう る もの で,環 境 に 影 響 を与 え る製 品 の価 格 や,製 品 に 含 ま れ る 有 害 な物 質,使 用 期 間 が 短 い 製 品 に課 税 され る。 課 徴 金 は 原 材 料,中 間製 品,最 終 製 品 に課 せ られ る もの で,最 終 製 品 に課 せ られ る と き消 費税 と呼 ば れ る こ

と もあ る。

3.税 の 差 別 化:こ れ に は消 費 税 や 売 上 税,付 加 価 値 税 な ど様 々 なバ リエ ー シ ョ ンが あ り,環 境 に影 響 を 与 え る財 や サ ー ビ スへ の 課 税 は重 く な る。

4.利 用 者 課 徴 金:利 用 者 が 受 け るサ ー ビス に対 して 支 払 わ れ る税 金 で,廃 棄 物 の 公 的 処 理 の 費 用 を賄 うた め に徴 収 され,汚 染 者 負 担 の 原 則 が 適 用 さ れ る 。 5.税 の 軽 減:消 費 者 や企 業 の 行 動 を 奨励 す る た め に所 得 税 体 系 の 中 に種 々 規

定 され て い る 。税 の軽 減 と して用 い られ る最 も共 通 した もの に原 価 償 却 の 促 進 が あ る。

経 済 的 手 法 は 直 接 規 制 の 補 助 的 な 方 法 と して と ら え られ て きた が,導 入 件 数 は 近 年 増 加 しつ つ あ る。 経 済 的 手 法 が 直 接 規 制 よ り優 れ て い る点 は,直 接 規 制

(4)

に比 べ て よ り少 な い 情 報 量 で効 果 的 に実 施 で き,廃 棄 物 排 出抑 制 の 継 続 的 な イ ンセ ンテ ィ ブ を与 え,と くに 課 税 手 法 の場 合 は税 収 が期 待 で きる 。 さ らに は 産 業 界 の 利 益 に密 着 す る こ とが 少 な く公 平 性 が 保 た れ る こ とで あ る[4]。

3.リ サ イ ク ル ・シ ス テ ム

3.1一 般 廃 棄 物 の リサ イ ク ル ・シ ス テ ム 3.1.1リ デ ン プ シ ョン ・シ ス テ ム

リ デ ン プ シ ョ ン ・シ ス テ ム(redemptionsystem)は,預 託 一払 い 戻 し制 度 (depositrefundsystem)で 飲 料 容 器 な どの 価 格 に あ る 一 定 額 の 金 額(デ ジ ッ ト,deposit)を 上 乗 せ して販 売 し,消 費 者 な どが 空 容 器 を販 売 店 な どの 特 定 の 回収 ポ イ ン トに 返 却 した と き,デ ポ ジ ッ トの 全 額 あ る い は そ の 一 部 な ど の 一 定 額 を 払 い 戻 す(リ フ ァ ン ド,refund)制 度 で あ る[5]。 図1に カ ル フ ォ ル ニ ア州 で 実 施 さ れ て い る リデ ンプ シ ョ ン ・シス テ ム を示 す[6]。 この 実 施 例 に お け る,容 器 と デ ポ ジ ッ トな どの 金 の 動 きは 次 の よ うで あ る。

1.容 器 メ ー カ ー は処 理 業 者 か ら再 生 資 源 を購 入 し,新 容 器 を製 造 して 飲 料 メ ー カ ー に 容 器 を販 売 す る。 そ の 際 ,処 理業者 の容器処理 費用が容器 メー カー へ の 売 却 額 を上 回 る場 合 に は,環 境 保 全 局 を通 じて処 理 費 の一 部 を補 填 す る 。 2.飲 料 メ ー カー は容 器 メ ー カ ー か ら新 容 器 を購 入 し飲 料 を充 填 して 卸 売 業 者

に販 売 す る 。 飲 料 メ ー カー は環 境 保 全 局 に容 器 の 処 理 費 を支 払 う。

3.卸 売 業 者 は 飲 料 を 小 売 業 者 に 販 売 す る と と も に 預 託 金(redemption payment)を 環境 保 全 局 に 支 払 う。

4.小 売 業 者 は 飲 料 を消 費 者 に販 売 す る。

5.消 費 者 は 消 費 した飲 料 の 空 容 器 を リサ イ ク ル ・セ ン ター(大 型 ス ー パ ー マ ー ケ ッ トな ど)に 持 ち 込 み 払 戻 金(refundvalue)を 受 け取 る

6.リ サ ク ル ・セ ン タ ー は 消 費 者 か ら空 容 器 を 受 け 取 り消 費 者 に払 戻 金 を支 払 い,空 容 器 を処 理 業 者 に 売 却 す る。

7.処 理 業 者 は リサ ク ル ・セ ンタ ー か ら空 容 器 を購 入 し,容 器 メ ー カ ー に 売 却

(5)

循 環型 産業 システム に関す る研 究 89 す る と と も に,リ サ ク ル ・セ ン ター に払 戻 金 と売 却 益 の 一 部,お よび 処 理 費

を支 払 う。

8.環 境 保 全 局 は卸 売 業 者 か ら空 容 器 の 買 い戻 し金 に相 当 す る預 託 金 を 受 け取 り,ま た 飲 料 メ ー カー か ら容 器 の 処 理 費 を 受 け 取 る。 これ らの 処 理 費 と預 託 金 を処 理 業 者 に支 払 う と と もに,リ サ イ ク ル ・セ ン タ ー に 取 扱 料 を支 払 う。

9.払 い戻 し請 求 さ れ な い 預 託 金 は,こ の 制 度 全 体 を管 理 す る 州 政 府 の基 金 の 会 計 に繰 り込 まれ る 。

この 制 度 は,容 器 が 回 収 され ず に捨 て られ た と き上 乗 せ され た 金 額 は 払 い 戻 され ない の で,容 器 を廃 棄 し た行 為 に 対 す る課 税 とみ なす こ とが で きる。 また 容 器 が 回 収 さ れ る と,回 収 した の が 誰 で あ っ て も上 乗 せ した 金 額 が 払 い戻 され る の で,容 器 を 返 却 す る とい う行 為 に 対 して補 助 金 が 支 払 わ れ る とみ な す こ と が で き る。 こ の よ う な意 味 か ら リ デ ンプ シ ョ ン ・シス テ ム は 課 税 一補 助 金 シス テ ム と解 釈 す る こ とが で きる 。

廃棄, 他用 途使 用

メ ー カ ー

一 一レ :容器の流れ

図1リ デ ン プ シ ョ ン ・シ ス テ ム(カ ル フ ォ ル ニ ア 州)[6]

3e1.2デ ュ ア ル ・シ ス テ ム

ド イ ツ の デ ュ ア ル ・シ ス テ ム は,1986年 に 制 定 さ れ た 「廃 棄 物 の 回 避 及 び 管

(6)

理 に 関 す る 法 律(廃 棄 物 回 避 法)」 の 第14条2項 に基 づ い て 施 行 され た 「包 装 廃 棄 物 回避 の た め の 政 令(包 装 廃 棄 物 回 避 令 〉」 に よ る一 般 廃 棄 物 を対 象 に し た 強 制 リサ イ ク ル ・シス テ ム で あ る。 こ の 「包 装 廃 棄 物 回 避 令 」 の基 本 的 内容 は 次 の よ うで あ る[7]。

1.製 造 業 者 ・流 通 業 者 に対 し,販 売 し た製 品 の 包 装 材 ・容 器 類 を消 費 者 か ら 無 料 で 回収 し,再 使 用 ・再 生 利 用 す る こ とを 義 務 づ け て い る。

2.飲 料 ・洗 剤 ・塗 料 の 容 器 は,法 で 定 め る預 託 金 額 に基 づ くデ ポ ジ ッ ト制 度 を導 入 す る こ と を義 務 づ け て い る 。

3.1993年1月1日 まで に,法 で 定 め る リサ イ ク ル率 を 達 成 で きる リサ イ ク ル ・ シス テ ム に参 加 す る企 業 に対 して は 上 記 の二 つ の 義 務 を免 除 す る。

この 政 令 は,自 己 回収 と再 使 用 ・再 生 利 用 の義 務 づ けや 法 定 リサ イ ク ル 率 達 成 の 義 務 づ け等 の 直 接 規 制 と,デ ポ ジ ッ ト制 度 の 導 入 や 法 定 預 託 金 額 の 設 定 な どの 経 済 的手 法 を組 み合 わ せ た もの で あ る。 こ の よ う に こ の政 令 は,企 業 に対 して 製 品 に使 用 し た包 装 材 や 容 器 類 を 自己 回収 し再 利 用 ・再 生 使 用 を義 務 づ け て い るの で あ る が,実 際 に は 技 術 的 に も費 用 の面 か ら も実 現 が 困 難 で あ る こ と か ら,多 くの企 業 は3番 目の 「義 務 免 除jの 適 用 を 受 け る た め に 連 携 して リサ イ ク ル ・シス テ ム を構 築 す る よ う に な っ た 。 こ の 意 味 か ら,こ の 政 令 は 「強 制 リサ イ クル ・シ ス テ ム」 と呼 ば れ る こ と に な っ た。 この 「義 務 免 除 」 の 適 用 を 受 け る た め に構 築 され た リサ イ ク ル ・シス テ ム の 中 で も っ と も広 範 で 代 表 的 な シ ス テ ム が 「デ ュ ア ル ・シス テ ム(DualesSystem)」 で あ る 。 こ の シス テ ム は 包 装 材 ・容 器 類 以外 の公 共 の 処 理 シ ス テ ム と民 間 の 包 装 材 ・容 器 類 の リサ イ ク ル ・シ ス テ ムが 公 共 の シ ス テ ム と は独 立 に並 列 の活 動 す る こ とか ら こ の よ うに 名 付 け られ た。 デ ュ ア ル ・シ ス テ ム を運 営 す る ドイ チ ェ ラ ン ド社2)が 政 令 施 行 以 前 の1990年9月28日 に95社 の 出 資 に よ り設 立 さ れ て い る。 こ の シス テ ム は 図

2)正 式 名 称 は 「廃 棄 物 発 生 抑 制 及 び 二 次 原 料 獲 得 の た め の グ リ ュ ー ネ ・プ ン ク ト, デ ュ ア ル ・ シ ス テ ム ・ ド イ チ ェ ラ ン ド有 限 会 社(DerGrUnePunkt.DualesSys‑

temDetschlandGesellschaftfUrAbfallvermeidungundSekundarrohstoffge‑

winnungmbH)」 で 通 常DSD社 と 呼 ば れ て い る 。

(7)

循環 型産 業 シス テム に関す る研 究 9ヱ

2の よ う で あ り,そ の概 要 は次 の よ うで あ る[7]。

1.回 収 の 対 象 と な る も の は 「緑 の 点 」(グ リュ ー ネ ・プ ンク ト,DerGrUne Punkt)が 印 刷 され た 包 装 材 と容 器 で あ る。

2.参 加 企 業 は ドイチ ェ ラ ン ド社 と 「緑 の 点 」 の 商 標 使 用 権 の 契 約 を結 ば な け れ ば な らな い 。 こ の ラ イ セ ンス 料 は 製 品 単 価 に上 乗 せ さ れ最 終 的 に は消 費 者 が負 担 す る こ と に な る。

3.ド イ チ ェ ラ ン ド社 は 「緑 の 点 」 の ラ イ セ ン ス料 を 財 源 に 回収 ・分 別 業 務 を 行 う。 回 収 した 包 装 材 は ドイ チ ェ ラ ン ド社 と委 託 契 約 して い る再 生 資 源 業 者

に よ り再 生 資 源 化 され 販 売 され る。

4.包 装 材 は ドイ チ ェ ラ ン ド社 が 消 費 者 に無 料 で 配 布 した 専 用 容 器 「黄 色 の ゴ ミ容 器 」 を 回収 す る こ とに よっ て 収 集 され る。

再 生業者

包 装廃棄物

( 回収業者 <

1

l

DSD社

)1

ラ イ セ ン ス 料

L

ラ イ セ ン ス料

素材 製 造 業 ) 流 通 業

製品

製品 廃棄

自治体 廃棄 (包装材 を除 く)

図2デ ュ ア ル ・シ ス テ ム(ド イ ツ)[8]

3.1.3エ コ ・ア ンバ ラ ー ジ ュ

ドイ ッ に お け る 「包 装 廃 棄 物 回避 令 」 とデ ュ ア ル ・シ ス テ ム の 影 響 を受 け て フ ラ ンス で は,1992年4月 に 「包 装 廃 棄 物 政 令 」 を制 定 した 。 フ ラ ンス の場 合 も ドイ ツ と同様 に製 造 業 者 や 流 通 業 者 が 民 間 の リサ イ ク ル ・シス テ ム で あ るエ コ ・ア ンバ ラ ー ジ ュ社 に参 加 す る こ とに よ っ て包 装 廃 棄 物 の 自己 回 収 や デ ポ ジ

(8)

ッ ト制 度 へ の 参 加 な どの 義 務 を免 除 して い る(図3)。 しか し以 下 の 点 に デ ュ ア ル ・シス テ ム との 相 違 が あ る。

1.デ ュ ァ ル ・シ ス テ ム はDSD社 と 自治 体 の 回 収 シ ス テ ム が 併 存 して い る が, フ ラ ンス の 回収 シス テ ム は,自 治 体 が 包 装 廃 棄 物 を含 む す べ て の 一 般 廃 棄 物 を 回 収 し,そ の 費 用 をエ コ ・ア ンバ ラ ー ジ ュ社 が 間接 的 に負 担 して い る。 エ コ ・ア ンバ ラ ー ジ ュ社 は 回収 ・分 別 さ れ た 包 装 廃 棄 物 を引 き取 り再 生 業 者 に 委 託 処 理 を させ る 。

2.プ ラス チ ック ゴ ミな どの焼 却 に よ っ て 熱 エ ネ ル ギ ー を 回収 す る サ ー マ ル ・ リサ イ ク ル を 認 め て い る。

3.家 庭 か ら排 出 され る包 装 廃 棄 物 の み を当 面 の 回収 対 象 に して い る。

こ れ らの こ とか ら,フ ラ ンス の 回収 シ ス テ ム は 自治体 の 回収 シ ス テ ム を活 用 す る こ と に よ っ て,企 業 に 間接 的 に廃 棄 物 回 収 の費 用 を負 担 させ て い る とい え る。

素材

エ コ ・ア ン バ ラ ー ジ ュ社

廃棄 図3エ コ ・ア ン バ ラ ー ジ ュ(フ ラ ン ス)[8]

3.1.4日 本 の 容 器 包 装 リサ イ ク ル 法

日本 に お い て は,ヨ ー ロ ッパ の 包 装 廃 棄 物 回 収 シ ス テ ム の 影 響 を 受 け て,1995 年6月 に 「容 器 包 装 に係 る分 別 収 集 及 び 再 商 品化 の促 進 等 に 関 す る法 律(容

(9)

循環 型産業 シス テム に関す る研 究 93 包 装 リサ イ ク ル 法)」 が 制 定 さ れ て い る。 これ は 今 ま で 自治 体 が 処 理 の 責 任 を 負 っ て きた 一 般 廃 棄 物 の 中 の 分 別 基 準 適 合 物(缶,ビ ン,ペ ッ トボ トル な ど7 品 目)を 消 費 者,事 業 者,自 治 体 が そ れ ぞ れ の 責 任 で 処 理 す る こ と を明 確 に し た法 律 で あ る。 この 法 律 で の 責 任 とは,消 費 者 に つ い て は 分 別 して排 出 に協 力 す る 責 任,自 治 体 につ い て は 分 別 収 集 す る責 任,事 業 者 は分 別 基 準 適 合 物 を再 商 品化 す る責 任 をそ れ ぞ れ負 う こ とで あ る。 こ の法 律 の 基 づ く容 器 包 装 廃 棄 物 回収 シス テ ム は 次 の よ うで あ る[8](図4)。

1.容 器 包 装 廃 棄 物 の 分 別収 集 は 自治 体 に 義 務 づ け られ て い る。

2.自 治 体 が 回収 し た一 般 廃 棄 物 の 中 で,省 令 の 定 め る 基 準 に適 合 し た もの を 分 別 基 準 適 合 物 と して指 定 され た施 設 に保 管 す る 。

3.企 業(特 定 容 器 利 用 事 業 者,特 定 容 器 製 造 事 業 者,特 定 包 装 利 用 事 業 者) は 分 別 基 準 適 合 物 の再 商 品 化 とそ の利 用 が 義 務 づ け られ て い る。

4.企 業 が 指 定 法 人 に再 商 品 化 を委 託 した と き,再 商 品 化 した もの と して再 商 品化 の 義 務 は免 除 さ れ る 。

す な わ ち,自 治 体 が 回収 保 管 して い る分 別 基 準 に 合 致 す る容 器 包 装 廃 棄 物 を 指 定 業 者 に引 き取 らせ 再 商 品 化 す る シス テ ム で あ る とい え る。

再生業者

1

委 ▲

指定法人

委 託料

委託料

素材

製 造 業 )

製 品

流 通 業

包装廃棄物

消費者

廃棄物 自治体

廃 棄 (包装材 を除 く) 図4容 器包 装廃 棄物 回収 システ ム(日 本)[8]

(10)

2001年 に 施 行 予 定 の 「家 電 リサ イ ク ル法 」は,消 費 者 が 家 庭 電 化 製 品(家 電) を廃 棄 す る と きに廃 棄 費 用 を負 担 し,販 売 店 が 消 費 者 か ら,メ ー カ ー が 販 売 店 か ら廃 棄 され た家 電 を回 収 す る リサ イ ク ル 方 式 を とっ て お り,メ ー カー は 回収 し た家 電 を 分 解 ・破 砕 して 鉄,ア ル ミ,銅 な ど を取 り出 し,こ れ を 自社 の 製 品 に再 使 用 した り原 材 料 市 場 で売 却 した りす る 。 対 象 とな る 家 電 は,当 面 は テ レ ビ,冷 蔵 庫,洗 濯 機 エ ア コ ンの4品 目で,通 商 産 業 省 の 補 助 事 業 と して(財) 家 電 製 品協 会 が1995年 か ら1998年 に わ た っ て廃 家 電 品 一 貫 処 理 リサ イ ク ル シ ス テ ム の構 築 を行 っ て お り,1998年 茨 城 県 那 珂 郡 に家 電 リサ ク ル実 証 プ ラ ン トを 稼 働 させ て い る。 こ の 実 証 プ ラ ン トは 年 間 約15万 台,全 国発 生 量 の 約1%の 処 理 能 力 を持 って い る[9]。

3.2リ サ イ クル ・シ ス テ ム の 問 題 点 と課 題

前 節 で,一 般 廃 棄 物 の リサ イ ク ル ・シ ス テ ム を概 括 した が,リ サ イ ク ル ・シ ス テ ム を構 築 す る際 の 課 題 を検 討 す る た め に,本 節 で は 前 節 で 取 り上 げ た リサ

イ ク ル ・シス テ ム の 問 題 点 を 明確 にす る。

(1)リ デ ンプ シ ョ ン ・シス テ ム の 問 題 点 リデ ンプ シ ョン ・シ ス テ ム の預 託 一払 い戻 し制 度 を課 税 一補 助 金 シス テ ム と して 解 釈 す る と き,こ の 課 税 は容 器 廃 棄 物 が も た らす 外 部 不 経 済 を内 部 化 す る も の で あ る とい え る 。 しか しな が ら,リ サ イ ク ル ・セ ン タ ー を 増 や せ ば消 費 者 の不 便 は 低 下 す る が,シ ス テ ム の総 費 用 は増 加 す る。 逆 に,リ サ イ ク ル ・セ ンタ ー を減 らせ ば シス テ ム の 総 費 用 は低 下 す る が 消 費 者 の 不 便 は 増 加 す る。 さ ら に,容 器 廃 棄 物 が 回収 さ れ な け れ ば預 託 金 は事 業 者 に 所 得 化 され る こ とに な り,そ の預 託 金 の最 適 な額(課 税 額)の 算 定 が 困難 で あ る。 ま た 包 装 廃 棄 物 を再 使 用 す る た め に は 包 装 材 の 規 格 化 ・標 準 化 を必 要 とす る,な どの 問 題 点 が 指 摘 され て い る[7]。

(2)デ ュ ア ル ・シ ス テ ム の 問題 点[8]デ ュ ア ル ・シス テ ム は ドイ ツ 国 内 だ け で な く近 隣 ヨー ロ ッパ 諸 国 に 影 響 を及 ぼ し なが ら急 速 に普 及 しつ つ あ る 。 こ の シ ス テ ム は,「 緑 の 点 」 さ え付 け れ ば 企 業 は 包 装 廃 棄物 を 回 収 ・再 生 す る義 務 を免 れ る こ とが で きる の で,包 装 材 削 減 の イ ンセ ン テ ィブ は低 くな り 包 装 廃 棄 物 の 減 量 効 果 も低 下 す る。 ま た,「 緑 の 点 」 は環 境 の 保 全 度 を示 す

(11)

循 環型 産業 システ ムに関す る研 究 95 エ コ ・ラベ ル で は な く,回 収 ・再 生 の 保 証 マ ー クで あ る た め に使 い捨 て 型 容 器 の 普 及 を黙 認 して い る こ とに な る。 こ の 「緑 の 点 」 の ラ イセ ンス料 金 は, 環 境 負 担 度 を十 分 反 映 した もの で ない の で,環 境 負 担 度 の 高 い 容 器 の使 用 を 黙 認 して い る とい え る。 した が っ て,企 業 に 与 え る包 装 材 の 材 質 改 善 の た め の イ ンセ ンテ ィ ブ は低 い と い え る 。 デ ュ ア ル ・シス テ ム は 「緑 の 点 」 が付 い たす べ て の 包 装 廃 棄 物 を 回収 ・再 生 す る能 力 が ない た め不 法 投 棄 が 発 生 す る と指 摘 され て い る。 デ ポ ジ ッ ト制 度 へ の 参 加 義 務 づ け は デ ュ ア ル ・シ ス テ ム へ 参 加 す る こ とに よっ て 免 除 され るの で,デ ポ ジ ッ ト制 を採 用 して い る 企 業 もデ ュ ア ル ・シス テ ム に参 加 す る こ と に よ っ て 容 器 を使 い捨 て 型 容 器 に切 り 替 え る可 能 性 が あ る 。 デ ュ ア ル ・シス テ ム を運 営 す る た め の ラ イ セ ンス 料 金 は 製 品 価 格 に 上 乗 せ され て い る の で,デ ュ ア ル ・シス テ ム が 普 及 して い ない 地 域 で は,消 費 者 は 自治 体 の処 理 費 も負 担 す る こ と に な り,二 重 の負 担 を し て い る こ とに な る。

(3)容 器 包 装 廃 棄 物 回収 シス テ ム の 問 題 点[8]日 本 の容 器 包 装 リサ イ ク ル 法 に基 づ く容 器 包 装 廃 棄 物 回収 シ ス テ ム は,一 般 廃i棄物 だ け を対 象 に して お り,産 業 廃 棄 物 を対 象 に して い な い 。 そ して,自 治 体 が 一 般 廃 棄 物 の 中 の 容 器 包 装 廃 棄 物 を分 別 し回 収 して い る の で,分 別 回 収 費 用 に対 す る事 業 者 の 負 担 が 免 除 さ れ て い る とい え る。 回 収 され た容 器 包 装 廃 棄 物 が 事 実 上 無 償 で 業 者 に引 き渡 され て お り,こ こ で も事 業 者 負 担 の軽 減 措 置 が行 わ れ て い る とい え る。 自治 体 が 保 管 して い る容 器 包 装 廃 棄 物 は景 気 の 変 動 に よっ て は事 業 者 に 引 き渡 さ れ な い で 再 商 品 化(再 生 資 源 化)さ れ ず に廃 棄 され る可 能 性 が あ る 。 し たが っ て,自 治 体 の 廃 棄 物 処 理 費 用 が 増 大 し,こ れ が 地 方 税 に転 嫁 さ れ て 地 域 住 民 が 負 担 す る こ と に な る 。 また,事 業 者 負 担 が 意 識 的 に軽 減 され て い るの で,容 器 包 装 削 減 の イ ンセ ンテ ィ ブが 働 か ない 可 能 性 が あ る。

こ こ まで に 明確 に して きた 問 題 点 に基 づ い て リサ イ ク ル ・シ ス テ ム を構 築 す る際 の 課 題 を考 察 す る と以 下 の 項 目が 考 え られ る。

(1)デ ポ ジ ッ ト制 度 で は消 費 者 が 空 容 器 を リサ イ ク ル ・セ ン ター の 持 ち込 む の で あ るが,そ こで 消 費 者 に 支 払 わ れ る 払 戻 金 の額 が 空 容 器 を持 ち 込 む とい う

(12)

行 為 に 対 す る対 価 と して 適 当 で あ る か を検 討 す る 必 要 が あ る。 デ ュ ア ル ・シ ス テ ム で は 回収 の た め の専 用 容 器 が 消 費 者 に配 布 され て い る の で,リ サ イ ク ル ・セ ンタ ー は消 費 者 の 間 近 に あ る とい え,空 容 器 を リサ イ ク ル ・セ ン ター に持 ち 込 む とい う行 為 の イ ンセ ン テ ィブ は 高 くな る 。 しか し,専 用 容 器 の 回 収 は ドイチ ェ ラ ン ド社 が 行 うの で そ の 回収 費 用 は 高 くな り,ド イ チ ェ ラ ン ド 社 の 運 営 に影 響 を与 え る こ と に な る と考 え られ る。

(2)デ ュ ア ル ・シス テ ム で は ドイチ ェ ラ ン ド社 に参 加 す る こ とに よ って 空 容 器 の無 料 回 収,再 使 用 ・再 生 利 用 の 義 務 とデ ポ ジ ッ ト制 度 の 導 入 義 務 を免 除 し て い る 。 こ の よ う な 「義 務 免 除 」 を規 定 す る と廃 棄 物 削 減 や 原 材 料 の 削 減 ・ 改 善 の イ ンセ ンテ ィ ブ を与 え な い こ とに な る。 日本 の 容 器 包 装 廃 器 物 回収 シ ス テ ム も,自 治 体 が 容 器 包 装 廃 棄 物 を分 別 ・回収 して お り,こ れ に よ っ て事 業 者 の負 担 が 軽 減 され て い る の で,デ ュ ア ル ・シ ス テ ム と 同様 に イ ン セ ンテ ィ ブ は低 くな る。 回 収 リサ イ クル ・シ ス テ ム は こ の よ う な イ ンセ ン テ ィ ブ を 与 え る もの に しな け れ ば な らな い 。

(3)汚 染 者 負 担 の 原 則 を徹 底 して 外 部 不 経 済 を 内部 化 し,フ リー ラ イ ド(た だ 乗 り,freeride)を 許 さ な い シ ス テ ム の 構 築 が 必 要 で あ る 。 す な わ ち,預 託 金 あ る い は ラ イ セ ンス 料 を 製 品 の 環 境 負 荷 度 や 再 生 処 理 費 用 な ど に応 じて 的 確 に 設 定 し,そ の 総 額 を生 産 量 に応 じて 正 確 に徴 収 す る必 要 が あ る。

(4)容 器 包 装 廃 棄 物 の 分 別 回収 と再 使 用 ・再 生 利 用 を市 場 原 理 に委 ね る と,景 気 の動 向 に よ っ て は 回 収 さ れ た 容 器 包 装 廃 棄 物 が そ の ま ま廃 棄 され る可 能 性 が あ る 。 景 気 の動 向 に影 響 され ず に 回収 され た容 器 包 装 材 を確 実 に再 使 用 ・ 再 生 利 用 させ る た め に は,あ る 程 度 の 行 政 の 介 入 が 必 要 と な る。した が っ て, 回収 シ ス テ ム は,政 府 ・自 治体 の コ ン トロ ー ルが 可 能 な 複 雑 で な い シス テ ム にす る 必 要 が あ る 。

(13)

循 環型 産業 システ ムに関 す る研 究 97

4.循 環 型 産 業 シス テ ム の経 済 的 手 法

4.1循 環 型 産 業 シ ス テ ム の 構 造

本 論 文 で は図5に 示 す 構 造 を持 つ 循 環 型 産 業 シス テ ム[10]を 対 象 にす る。 生 産 系 企 業 は 自然 界(地 球 環 境)よ り天 然 資 源 を 採 取 して素 材 を製 造 す る 。 た と え ば,鉄 鋼 石 を精 製 して 鉄 を製 造 し,あ る い は 石 油 か ら重 油 や 軽 油,ナ フサ な ど を生 産 す る。 こ れ らは 製 品 製 造 の 素 材 と な り う る も の で あ る。 こ れ らの 素 材 を用 い て部 品 の 加 工 ・組 立 を行 い,最 終 的 に は 消 費 者 が 購 入 す る製 品 を組 み 立 て る。 製 品 は 流 通 業 者 を経 て 消 費者 が購 入 す る 。 購 入 さ れ た 製 品 は消 費者 に よ っ て 使 用 ・消 費 さ れ,最 終 的 に は廃 棄 製 品 とな る 。

廃 棄 製 品 は 自然 界 へ 投 棄 され れ ば,環 境 汚 染 とな り,そ の処 理 に は政 府 ・自 治体 な どの 資 金,す な わ ち税 金 に よっ て 行 わ れ る の で,処 理 に 要 す る 費用 は 消 費 者 が 負 担 す る こ と に な る 。 廃 棄 製 品 が 流 通 業 者 に よ っ て 回収 され 還 元 系 企 業 に 送 られ る と,還 元 系 企 業 で は廃 棄 製 品 の 分 別 を 行 う。 分 別 後,そ の ま ま使 用 で き る廃 棄 製 品 は再 生 製 品(中 古 品)と して,使 用 で き な い廃 棄 製 品 は分 解 さ れ再 利 用 で き る部 品 を取 り出 し再 生 部 品 とす る。 再 利 用 で きな い 部 品 は破 砕 さ

ll 界(地 境)

↓ 採取 ↑ 麟

團 團 團

還 元系企 業

1

再生材 料化 K

K

K

A

再生 部品化 分解'分 別 く

一一>1

再生製 品化 隆1

i

生産系 企業

図5循 環 型産 業 シス テムの基 本 図[10]

(14)

れ 再 生 原 材 料,あ る い は 熱 エ ネ ル ー ギ ー 源 と して再 利 用 で きる よ う にす る。 再 生 製 品 は必 要 で あ れ ば生 産 系 企 業 か ら修 理 用 の 部 品 の供 給 を受 け,修 理 を した 後 に 再 生 製 品市 場 に投 入 され る。 再 生 部 品 と再 生 原 材 料 は生 産 系 企 業 に部 品 あ

る い は 素 材 と して 原 材 料 市 場 に投 入 さ れ る 。 4.2還 元 系 企 業 の 利 益 構 造

製 品 の 原 価 は,一 般 的 に は 直 接 材 料 費,直 接 労 務 費,直 接 経 費 か ら な る製 造 直 接 費 と 間接 材 料 費,間 接 労 務 費,間 接 経 費 か らな る 製 造 間接 費 に よ っ て構 成 さ れ る 。 これ に営 業 費(一 般 管 理 費 と販 売 費)を 加 算 した 総 原 価,さ らに利 益 を加 え て 販 売 価 格 が 形 成 さ れ る 。 生 産 系 企 業 で は部 品 を加 工 しこ れ を 組 み 立 て て 製 品 とす るの で,製 品 の製 造 原 価 は構 成 部 品 の 原 価 の和 と生 産 数 量 との 積 に よ っ て計 算 され る。 還 元 系 企 業 で は,直 接 材 料 費 以 外 の項 目 は生 産 系 企 業 と同 様 で,廃 棄 製 品 の買 取 価 格 が 直接 材 料 費 に相 当 す る。 素 材 と し て購 入 され た廃 棄 製 品 は,そ の ま ま使 用 で きる もの,あ る い は 修 理 を して使 用 で きる もの は再 使 用 可 能 な 製 品 と して リサ イ ク ル 市 場 に投 入 され る。 そ うで ない 廃 棄 製 品 は分 解 さ れ使 用 可 能 な部 品 を取 り出 し,状 態 に よ っ て は 修 理 し再 使 用 部 品 と して, 使 用 不 可 能 な 部 品 は破 砕 され 原 材 料 と し て原 材 料 市 場 の 投 入 され る。 廃 棄 製 品 が 分 解 さ れ再 使 用 部 品 や 再 生 原 材 料 に 変 換 さ れ る と,直 接 材 料 費 で あ る買 取 価 格 は こ れ らの 再 使 用 部 品 や 再 生 原材 料 に適 切 な方 法 で 配 賦 さ れ る。

一 般 的 に は 総 原 価 は(固 定 費+変 動 費 ×生 産 数 量)で 計 算 され る。 さ ら に こ こで の 固 定 費 は 製 造 間接 費 と販 売 費 の 生 産 数 量 とは独 立 した部 分,お よ び 一 般 管 理 費 か らな り,変 動 費 は 直 接 材 料 費 と直 接 労 務 費,お よ び製 造 間 接 費 と販 売 費 の 生 産 数 量 に 比 例 す る 部 分 か らな る 。 先 に述 べ た よ う に還 元 系 企 業 で は 直 接 材 料 費 は廃 棄 製 品 の 買 取 価 格 で あ り,こ れ が 低 価 格 で あ れ ば還 元 系 企 業 の損 益 分 岐 点 は低 くな り,リ サ イ クル さ れ る 製 品 ・部 品 ・原 材 料 の 生 産量 が 少 な くて も還 元 系 企 業 は 利 益 を上 げ る こ とが で き る。 他 方,直 接 材 料 費(廃 棄 製 品 の 買 取 価 格)が 高 け れ ば,損 益 分 岐 点 は 高 く な り,還 元 系 企 業 は大 量 の リサ イ ク ル 製 品 ・部 品 ・原 材 料 を生 産 し な け れ ば 利 益 を上 げ る こ とが で きな い 。

一 方,リ サ イ クル 部 品 ・原材 料 は天 然 資 源 よ り生 産 され た 天 然 原 材 料 と市 場

(15)

循環 型 産業 シス テム に関す る研 究 99 で 競 争 す る こ と に な る 。 生 産 系 企 業 は リサ イ クル 部 品 ・原材 料 を用 い る よ りも 天 然 原 材 料 を用 い た ほ うが 製 品 を安 く造 る こ とが で き る の で あ れ ば天 然 原 材 料 を購 入 し,リ サ イ ク ル 部 品 ・原 材 料 を購 入 しな い で あ ろ う。 この 逆 の場 合 は, リサ イ ク ル部 品 ・原 材 料 を購 入 す る 。した が って 還 元 系 企 業 が 利 益 を得 る の は, 生 産 系 企 業 が リサ イ ク ル 部 品 ・原 材 料 を購 入 し,そ の 需 要 量 が 還 元 系 企 業 の 損 益 分 岐 点 よ り多 い 場 合 で あ る。 リサ イ ク ル部 品 ・原 材 料 を生 産 系 企 業 が 購 入 す る よ う にす る た め に は,還 元 系 企 業 の 直 接 材 料 費 を低 く設 定 し,場 合 に よ って は 逆 有 償 に し な け れ ば な ら な い。 逆 有 償 に な る と,使 用 済 み 製 品 は廃 棄 製 品 市 場 に 投 入 さ れ る こ とが 少 な く,自 然 界 に 不 法 投 棄 され る可 能性 が 大 き くな る。

4.3課 徴 金 一 補 償 シ ス テ ム

前 節 で 検 討 した よ うに 逆 有 償 に起 因 す る不 法 投 棄 を 防 ぎ廃 棄 製 品 の リサ イ ク ル を 促 進 す る た め に,本 論 文 で は生 産系 企 業 に対 して 地 方 自治 体 な どの行 政 が 法 令 な ど に よっ て リサ イ クル 部 品 ・原材 料 の 使 用 率 を定 め,還 元 系 企 業 が 常 に 利 益 を得 る よ う に補 償 金 を支 払 う課 徴 金 一補 償 シス テ ム を 考 え る(図6)。

この 補 償 金 は,製 品 を廃 棄 す る消 費 者 に課 す 税 金 と して の 製 品 課 徴 金 を製 品 価 格 に 上 乗 せ して 製 品 を 販 売 す る こ とに よ っ て賄 わ れ る。 行 政 は この 課 徴 金 を 生 産 系 企 業 よ り回 収 して 還 元 系 企 業 が 利 益 を得 る よ う に補 償 し,廃 棄 製 品 市 場 に お け る廃 棄 製 品 の 買 取 価 格 を維 持 させ る よ うに す る。 こ の よ う にす る こ と に

原材料市場

課徴金

廃彙 製品'㌧

軍取価格ノ

図6課 徴 金一 補 償 シス テム

(16)

よ っ て 消 費 者 が 支 払 っ た課 徴 金 の 一 部 また は全 部 が廃 棄 製 品 の 買 取 価 格 と して 消 費 者 に還 元 され る の で,廃 棄 製 品 を リサ イ ク ルす る イ ン セ ンテ ィ ブ を消 費 者 に与 え る こ とに な る。 消 費 者 が 廃 棄 製 品 を リサ イ ク ル せ ず に投 棄 した 場 合,課 徴 金 は 投 棄 した行 為 に対 す る 課 税 と な る 。 行 政 は そ の処 理 費 用 に 課 徴 金 を充 当 す る こ と に よ り,新 た な財 政 負 担 を軽 減 す る こ とが で き る。

一 方,天 然 原 材 料 に対 す る リサ イ ク ル 部 品 ・原 材 料 の 原 材 料 市 場 で の 優 位 を 確 保 す る た め に は 天 然 原 材 料 を用 い て い る 製 品 へ の課 税 と リサ イ クル 部 品 ・原 材 料 を 用 い て い る 製 品 へ の優 遇 税 制,例 え ば 減 税 の よ う な助 成 措 置 を と る。 前 述 した よ う に製 品価 格 に課 徴 金 が 上 乗 せ さ れ て い る た め に実 際 の販 売 価 格 は製 品 価 格 よ り高 く設 定 され る。 しか し なが ら,リ サ イ ク ル 部 品 ・原 材 料 を用 い る と減 税 な どの 優 遇 税 制 が 適 用 され るの で,製 品 の 販 売 価 格 を低 く設 定 す る こ と が で きる 。 した が っ て,生 産 系 企 業 に製 品市 場 で の 競 争 優 位 を確 保 す るた め に も リサ イ ク ル 部 品 ・原 材 料 を利 用 す る イ ンセ ンテ ィ ブが 働 き,結 果 と して 廃 棄 製 品 か ら出 され る廃 棄 物 の 減 量 が は か ら れ,ま た 天 然 原 材 料 の 使 用 を 抑 制 す る

こ とが で きる 。

この 課 徴 金 一補 償 シス テ ム は,廃 棄 製 品 の処 理 費 用 は製 品 の 最 終 使 用 者 で あ る消 費 者 が 製 品 課 徴 金 の 形 で 負 担 して い る。 生 産系 企 業 は処 理 費 用 を負 担 して い な い の で,外 部 不 経 済 を内 部 化 して い な い とみ る こ とが で き る。 しか し なが ら課 徴 金 が 製 品 価 格 に上 乗 せ さ れ,ま た 天 然 原 材 料 の 使 用 に よ る課 税 に よ っ て 販 売価 格 が 高 く設 定 さ れ るの で,そ の 結 果 と して 製 品 の 市 場 占 有 率 を 下 げ る可 能 性 が あ る。 生 産 系 企 業 は 市 場 占有 率 を確 保 す る た め に も リサ イ ク ル部 品 ・原 材 料 を利 用 して 天 然 原 材 料 の 使 用 を 少 な く し,製 品 の 販 売 価 格 を引 き下 げ よ う とす る。また リサ イ ク ル 部 品 ・原材 料 を利 用 す る こ とに よ って 廃 棄 物 が 減 少 し, 廃 棄 物 の処 理 費 用 も減 少 す る。 こ の こ と よ り,提 案 して い る シス テ ム は外 部 不 経 済 を内 部 化 させ る の と同 様 の 効 果 を もた らす とい え る。

課徴 金 一補 償 シス テ ム で は,天 然 原 材 料 使 用 に対 す る課 税 額 と リサ イ ク ル 部 品 ・原 材 料 利 用 に 対 す る減 税 額,お よび 課 徴 金 の 額 を行 政 が 決 定 す る の で,行 政 が この シ ス テ ム を コ ン トロー ルす る 事 が 可 能 とな り,廃 棄 製 品 の 回収 ・処 理

(17)

循 環 型産業 システ ム に関す る研 究 101 は還 元 系 企 業 が 行 うの で 回収 シス テ ム は 複 雑 に は な らな い 。 課 税 額,減 税 額, 課 徴 金 の 額 を適 切 に 設 定 す る方 法 が 今 後 の 検 討 課 題 とな る。

5.結

本 論 文 で は 高 度 な リサ イ クル 社 会 を 実 現 す る た め の循 環 型 産 業 シス テ ム に 関 す る経 済 的 手 法 に つ い て考 察 を行 っ た 。 そ の た め に,現 在 実 施 され て い る一 般 廃 棄 物 を対 象 に した リサ イ クル ・シ ス テ ム を取 り上 げ,す で に指 摘 され て い る 問 題 点 を示 し,指 摘 され た 問 題 点 か ら循 環 型 産 業 シ ス テ ム を構 築 す る う え で の 課 題 を明 ら か に した 。 こ の課 題 を解 決 す る た め に還 元系 企 業 の利 益 構 造 を分 析 して,廃 棄 製 品 の リサ イ ク ル ・シ ス テ ム を成 り立 たせ るた め に考 慮 す べ き事 項 を 明確 に し,こ の シス テ ム を実 現 させ る た め の課 徴 金 一補 償 シ ス テ ム を考 察 し た。

謝 辞 本研 究 は 文 部 省 科 学 研 究 補 助 金 基 盤 研 究(B)(課 題 番 号09430027,研 代 表 者 人 見 勝 人 ・龍 谷 大 学 教 授)に 基 づ く もの で,こ こ に記 して 謝 意 を 表 す

る。

(18)

第50巻 第2・3号

[1]人 見 他:循 環 型 産 業 シ ス テ ム の 基 本 的 研 究 課 題 の 提 案,オ フ ィス ・オ ー トメ ー シ ョ ン,Vo1.18,No.1‑2,(1997),pp.52‑55

[2]天 野 明 弘:環 境 政 策 の 政 策 手 段,季 刊 環 境 研 究,No.94,(1994),pp.37‑45 [3]OECD:ImplementationStrategiesforEnvironmentalTaxes,OECD,(1996)

P.10

[4]OECD(石 監 訳):環 境 と税 制,有 斐 閣,(1994)

[5]植 田 和 弘,岡 敏 広,新 澤 秀 則(編 著):環 境 政 策 の 経 済 学,第10章 デ ポ ジ ッ ト 制 度(植 田 和 弘),日 本 評 論 社,(1997),p.202

[6]藤 井 美 文,石 川 雅 紀,乃 万 一 隆,鈴 木 俊 之:リ サ イ ク ル 促 進 の た め の 経 済 的 手 段 導 入 の 費 用 と効 果 一 リ デ ン プ シ ョ ン方 式 設 計 の 理 論 と実 証 分 析 一,経 済 分 析, No.147,(経 済 企 画 庁 経 済 研 究 所,1996)

[7]植 田 和 弘:ゴ ミ減 量 化 ・リサ イ ク ル と経 済 的 手 段 一 デ ュ ア ル ・シ ス テ ム とパ ッ ケ ー ジ税 一,経 済 分 析,No.153,(経 済 企 画 庁 経 済 研 究 所,1997)

[8]吉 野 敏 行:資 源 循 環 型 社 会 の 経 済 理 論,東 海 大 学 出 版 会,(1996),pp.184‑201 [9]山 口 省 吾,内 山幸 雄,佐 藤 信 也,小 寺 嘉 一:廃 家 電 品 一 貫 処 理 リサ イ ク ル シ ス

テ ム,三 菱 電 機 技 法,1997年5月 号 。 [10]循 環 型 産 業 シス テ ム研 究 会 資 料,(1998)

参照

関連したドキュメント

 良渚文化の経済的基盤は、稲作を主体とする農耕生

Sugita : Chip Formation of Amorphous Pd80Si20 Alloy, Bull.. Ueda : The Significance of Dynamic Crack Behaviour in Chip

登録車 軽自動車 電気自動車等(※) 非課税 非課税. 2030年度燃費基準85%達成

マイ クロ切削 システ ムの 高度化 にむ けて... 米山 ・陸:マ イク 口旋削加工

③委員:関係部局長 ( 名 公害対策事務局長、総務 部長、企画調査部長、衛 生部長、農政部長、商工

Simon, Herbert A., (997, Administrative Behavior: A Study of Decision-Making Processes in Administrative Organizations,Fourth Edition, New York :

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

[r]