『人間健康学研究』創刊の言葉
著者 竹内 洋
雑誌名 人間健康学研究 : Journal for the study of health and well‑being
巻 1‑2
発行年 2011‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/10112/00023287
『人間健康学研究』創刊の言葉
関西大学人間健康学部は、 2010年4月、堺市に設置されました。堺市のみなさんと関西 大学2010年プロジェクトをはじめとする多くの関西大学教職員の尽力によって設置されま した。人間健康学部は「スポーツ」 と 「福祉」をキーワードに、人間の誕生から高齢まで のライフステージをもとに、 「こころ」 と 「からだ」 と 「くらし」を総合的に考え、幸福 な社会を目指すことを研究と教育の目標としています。
従来型の専門分化し、ひたすら縦深的分析に赴く研究スタイルは、葦の髄から天井をの ぞくような研究になりがちですが、そうした弊を脱皮しようとすることが目標になってい ます。 したがって、教員は、特定の分野の専門家に片寄らなく、スポーツ科学、身体論、
社会福祉論、教育学、宗教学、社会学、心理学などの広い範囲の陣容をととのえています。
また、これまでの学問は応用科学よりも純粋科学が威信をもったように、研究のための研 究、専門家集団だけのための学問に堕することもありましたが、われわれは研究の目的を 専門家集団だけの閉じられたものではなく、幸福な社会を目指すものと社会に開かれた目 標においています。これまでの専門を人間健康論という台座に開花させ、幸福な社会のビ
ジョン構築に至ることが望まれています
おもえば、大正ll年、関西大学が旧制大学へ昇格したときに、総理事兼学長となった山 岡順太郎は、関西大学の学是に学理と実際の調和をめざす「学の実化」を掲げました。 2 1世紀の今こそ、 「復性復初」 (性にかえり、初めにかえる)の精神で臨みたいとおもう しだいです。そのような思いをこめて、 「人間健康学研究」が発行されます。教員の新し い学問を目指すフロンテイア精神と切蹉琢磨を祈るとともに、学外のみなさんの厳しいご 意見を頂戴したいとおもっております。
関西大学人間健康学会会長 人間健康学部学部長 竹内洋