関西学院通信[関学ジャーナル]
突撃!KG CLUB
体育会 カヌー部
数字でみる関学
関西学院の使命とスクールモットー
2018 . 4 . 1
259号
Special 特集
世界市民を育む、学びがある。
世界へ羽ばたく世界市民へ!
関西学院大学での私の学び
総合政策学部メディア情報学科の学生を 中心とした有志団体「Kwansei gakuin Sps Maker」の代表を務める。阪神・淡路大震災当 時の写真や動画をデジタル化し、アーカイブす
ることで、震災の記憶を後世に伝える活動をし ている。
きっかけは2017年の阪神・淡路大震災追悼 行事「1・17のつどい」(三宮・東遊園地)に参 加したこと。会場に設置されたテントの中にいる 遺族や被災者の方々から、風化を恐れる声をた くさん耳にした。一方で、多数のメディアは追悼 式の模様に多くの時間を費やし、撮影・取材し ていることに違和感を覚えた。
「震災を体験していない若い世代の自分たち ができることは何かを考えた結果、テントの中に いる被災者たちに話を聞いて、その様子を撮影 し、記憶を継承することではないかと考えました」
と当時を振り返る。
森さんたちはテントの中で被災者の声を収め た動画や当時の写真を集めるだけでなく、各自 の視点でまとめたスライドを作成。意見交換をし ながら、震災について学び続けている。来年の
「1.17のつどい」の前には、動画や写真の展 示会を開く予定だ。
「メディアの限界や疑問を感じたことから始め た活動ですが、メディアが他者に与える影響力 についても実感しました。私たちのような若い世 代が、人の目に触れなくなりつつある震災の現 実を伝えることに意味があると考えます。今後も 活動を通じ、次世代に伝えていきたい」
森 愛美
さん 総合政策学部3年生関西学院大学のミッションステートメントは、「Mastery for Service を体現する世界市民の育成」にあります。“Mastery for Service”
は本学のスクールモットーであり、「奉仕のための練達」と訳されます。
これを提唱された初代学長のベーツ先生は、この言葉について次 のように述べられています。
「我らは弱きを欲しない。強からんこと、主たらんことを願う。しかし 我らが主たらんと願う目的は、己れ個人の富を積むことではなく、世 に仕えることでなくてはならない。」
つまり、社会や世界の変化に対応するために、自己を鍛え、その成 果を自分のためだけでなく世界人類のために役立てなさいと言われ ています。
世界市民(world citizen)であるために、4年間の大学生活を通 して、語学や専門分野の勉強を徹底的に学ぶことは勿論のこと、新 たなスポーツやボランティア活動、そして海外留学にぜひチャレンジ してください。
関西学院大学では、入学した学部での学びの他に、インターナショ ナル・プログラム、ハンズオンラーニング・プログラム、副専攻プログラ ムのいずれかにチャレンジすることを学生の皆さんに求めています。
4年間の学生生活が充実したものになることを心から願っております。
世界市民への
新たなチャレンジを
学長 のポケット ●
学長・村田 治
表紙 人
関西学院通信[関学ジャーナル]
CONTENTS No.259 1 学長のポケット表紙人
2 特集世界市民を育む、学びがある。
世界へ羽ばたく世界市民へ!
関西学院大学での私の学び 9 ひと人ひと
11 Research & Research 商学部石淵 順也ゼミ
理工学部生命医化学科 関 由行研究室 13 突撃!KG CLUB
体育会 カヌー部 15 My favorite KG
アウリア ムハマド ザキさん
(インドネシア)
GO Global!
大西 勇磨さん(商学部3年生)
16 数字でみる関学
関西学院の使命とスクールモットー 17 Moment
19 ~「教わる」から「研究」へ~TALK DEEP 25 就職の窓
「キャリアの第一歩」
27 Campus News 関学カプセル KGグルメ 学院通信
32 世界の街角から
トルコ 佐々木 大輔さん
33 Libraring
大学図書館を使いこなそう!
34 聖書に聞く
院長 田淵 結
世界へ羽ばたく世界市民へ!
関西学院大学での私の学び
関西学院大学は、スクールモットーである“Mastery for Service(奉仕のための練達)”を体現 する「世界市民」の育成を使命としています。世界市民とは、広い視野を持ち、他者への思いやりと 社会変革への気概、そして自らの大きな志を持って行動できる人のことです。学生たちは、ここでさ まざまな経験を経て、多くを学び、それぞれが目指す世界市民像に向けて一歩ずつ成長しています。
そんな学生たちの取り組みについて「学び」「集い」「精神」「絆」をテーマに紹介します。
世 界 市 民 を 育 む 、 学 びが あ る 。
世 界 市 民 を 支 え る 、 精 神が あ る 。 世 界 市 民 を 生 む 、
集 いが あ る 。
世 界 市 民 を つ な ぐ 、 絆が あ る 。
Special 特集
世界市民を育む、学びがある。
海
外でのフィールドワークや︑国際ボランティアの一つである国際社会貢献活動︑キャンパスを出て学ぶハンズオン・ラーニング科目などに参加し︑実践的な場で学びを深めています︒高校生の時は︑どちらかというと内向的な性格で︑外に出るようなタイプではありませんでした︒しかし︑大学入学後は﹁今しかできないことをしたい﹂と考え︑大学が提供するプログラムに参加するようになりました︒特に︑観光を通じた地域活性化に興味があったため︑
りの授業でした︒ プロジェクト︶は︑私にとってぴった 践演習︵朝来・竹田城下町活性化 の秋学期から参加した社会探究実 3年生
この授業は︑朝来市竹田地区をフィールドに︑地域産業の振興と観光を基本にしたまちづくりの在り方について現地の商工会︑観光協会やNPO法人等と連携して調査し︑活性化策を提案するというものです︒最初は︑先生や商工会の方に来 ていただき︑朝来についての授業をしてもらい知識を深めました︒その後︑実際に現地に行って︑観光客や事業所の方にアンケートへ協力してもらい︑朝来の現状を分析︒﹁天空の城﹂﹁日本のマチュピチュ﹂と呼ばれる竹田城跡は観光客でにぎわっているものの︑城下町には人が集まっていないことを再認識しました︒私は︑インバウンドに興味があったので︑海外からの観光客をターゲットにこの課題を解決する案を作成しようと考えました︒
まずは︑海外からの観光客について観光局が公開している資料を読み︑各国の国民性や生活スタイル︑日本への旅行で何を求めているかなどを調べ︑竹田とマッチさせた旅行プランを作ろうと考えました︒先生からは﹁場所と場所をつなぐのは誰でもできる︒竹田に来てもらうための仕掛けが大切﹂と言われ︑その部分にとても苦労しました︒そこで︑健康意識が高く︑写真を撮るのが好きなタイとシンガポールからの観 光客に焦点を当て︑サイクリングやハイキングをしながら撮影スポットを回り︑その中で城下町竹田の魅力を知ってもらう旅行プランを提案しました︒現地の方や企業の協力を受けて︑旅行プランを商品化することもできました︒
授業を通して︑問題の背景を考えることを学びました︒城下町について﹁多言語対応ができていない﹂とか﹁地図が見にくい﹂など︑目に見える課題を指摘することは簡単ですが︑﹁なぜそれが問題になっているのか﹂という本質の部分にまで目を向けて考えることはとても難しいことでした︒地域の課題を︑ひとごとではなく﹁自分ごと﹂として捉えることの重要性も学びました︒現地と現地の人々についてよく知り︑強い信頼関係を築かなければ地域活性化は成し得ないものです︒こうした学びを得ることができたのは︑竹田の方々の協力があったからこそだと感じています︒
世界市民 を 育 む ︑ 学 び が あ る ︒
社会探究実践演習 ︵朝来 ・ 竹 田 城下町活性化 プ ロ ジ ェ ク ト ︶
4
1 2
5
3
6
観光 を 通 じた 地域活性化に 取 り 組み 問題の背景 を 考 える 大切 さを 学ぶ
1 フィールドワークでの早朝インタビュー 2 第1回フィールドワークでメンバーたちと 3 竹田城下町寺町通りの法樹寺 4 竹田城下町の寺 町通り 5 最後のフィールドワークで(商工会館) 6 国際社会貢献活動で訪れたマレーシアで、イバン族の伝統行事
潮 華音 さん
(国際学部4年生)
高校までは、待っていても情報が入ってくることが多かったと思いますが、大学では自分から情
報を取りに行く必要があります。特に関西学院大学は、たくさんの学びの機会を提供してくれて
います。しかし、自ら動かない限りは何も始まりません。どんどん挑戦してください。失敗が許され
るのが学生の特権だと思います。新入生の皆さんには、挑戦と失敗を繰り返して学んでいって
ほしいと思います。
新入生へ
Special 特集
体
育会学生本部の本部長を務めています︒在籍する約2500人をまとめる立場にあるので︑自分の行動が体育会に影響を与えるという自覚を持って取り組もうと考えています︒高校までバレーボールをしており︑入学後もバレーボール部に入りました︒しかし︑周りには全国大会で優勝や準優勝を経験した選手がいて︑レベルの高さを痛感︒﹁選手としてはチームに貢献できないかもしれない﹂という思いを徐々に抱くようになりました︒中途半端になることが嫌だったのと︑人と関わることが好きだったため︑選手以外でチームに貢献できる道として︑ した︒ 習を優先してしまうこともありま の仕事よりもバレーボール部の練 整理ができない部分もあり︑本部 して打ち込んできたため気持ちの 入りました︒しかし︑ずっと選手と 2年生の時に体育会学生本部に
気持ちを切り替えることがで きたのは︑本部での活動経験でした︒体育会では毎年︑
めて﹁リーダーズキャンプ﹂を 主務を中心に200人以上を集 交代の時期に各部の新しい主将や 12月の幹部
2
泊
部のメンバーと考えます︒ や︑つくりたいチームについて他の 3日で開き︑目指すリーダー像
は︑体育会に所属する全ての 1月に 1年
生を対象とした﹁フレッシュマンキャンプ﹂も開きます︒体育会のモットーで︑競技力だけでなく人としての在り方も大切にする
“ N o b l e S t u b b o r n n e s s ︵
高貴なる粘り︶
”
の考えを︑キャンプを通じて
を持つようになりました︒ うちに︑本部員としての強い自覚 います︒これらの活動を経験する り続けることができているのだと思 員が同じ考えを大切にし︑強くあ した取り組みがあるからこそ︑全 1年生全員に浸透させます︒こう
私が目指すのは﹁つながり﹂がある体育会です︒一つの部の中で終わるのではなく︑部を越えた交流 が生まれやすい雰囲気をつくり出し︑より良い体育会をつくっていきたいと考えています︒毎年開いている関西大学との定期戦﹁関関戦﹂では︑集客にまだまだ課題があります︒学外に出ることを大切にし︑地域やOBとのつながりを強化する中で︑たくさんの応援をいただけるようになりたいですし︑それと並行してOB会も盛り上げていきたいと考えています︒つながりを少しずつ生み出すことで︑体育会の輪が広がっていくことを望んでいます︒
きたいと思っています︒ 支えていくための基盤をつくってい すが︑今後︑体育会をより良くし︑ を実現することは難しいと思いま 1年という任期で︑この理想
世界市民 を 生 む ︑ 集 い が あ る ︒
体育会学生本部長
4
1 2
5
3
6
地域やOB会へと 輪 を 広げて
「つながり 」 がある 体育会 を 目指 す
1 バレーボール部の淡路島合宿 2 バレーボール部のメンバー 3 フレッシュマンキャンプの参加者たち 4 リーダーズキャンプの様子 5 リー ダーズキャンプでの本部長あいさつ 6 体育会学生本部員
平田 一裕 さん
(人間福祉学部4年生)
新しいことに挑戦するのは素晴らしいことだと思います。私は高校までバレーボールばかりをして
いましたが、新しい挑戦をしたことで、自分自身の成長を感じますし、充実した大学生活を送れ
ています。挑戦は成長の糧になります。体育会にはラクロスやカヌーなど、大学から始められるス
ポーツもたくさんあるので、こうした競技に挑戦するのもいいと思います。
新入生へ
“
T
h e F i r s t S t e p t o t h e W o r l d ︵
世界への一歩を踏み出す︶
を軸に活動する学生団体﹁ トの提供と開発教育の実施の二つ を理念に︑国際系イベン”
C L U B G E O R D I E
﹂の事務局長をしています︒﹁国際交流や国際協力には興味があるけど︑一歩を踏み出す勇気が出ない﹂︒そんな人たちの支えとなり︑世界へ踏み出すきっかけを与えられるような活動を提供したいと考えています︒
入学当初は︑サークルに入るつもりはなく︑国際的な活動への興味もありませんでしたが︑同じ授業を受けていた友人の紹介でこの活動に出合いました︒各学科の分野で頑張りながら︑本気でサークル活動にも打ち込んでいる先輩の姿に﹁自分もこの人たちのようになりたい﹂と思い︑参加することを決めました︒
メンバーは主に総合政策学部の 引退した現在は約 3年生までが中心です︒上級生が
いますが︑毎年︑新入生が加わると 60人で活動して を 他にも︑留学経験者を招いて経験 作成を主に担当してきました︒その は広報部に所属しており︑機関紙の れます︒私は︑事務局長になるまで れるため︑それぞれに役割が与えら あり︑全員がどこかの部署に配属さ 開発教育部︑総務部の四つの部署が います︒組織内には広報部︑企画部︑ 数名加わり︑さらに活発に活動して ります︒最近は理工学部の学生も 100人近くにな
1︑
協力して取り組んできました︒ でもらう開発教育などにメンバーと ゲーム感覚で難民問題について学ん を対象にロールプレイングを通じて せた異文化交流イベント︑高校生 ツと日本の運動会競技を掛け合わ うイベントや︑海外のマイナースポー 2年生などに紹介してもら 昨年
の となって進めました︒﹁小学生へ の開発教育は︑私も中心メンバー 6月に開いた小学生対象
“ T h e F i r s t S t e p t o t h e W o r l d
の一日の生活﹂について通学方法 ﹂を目的に︑﹁日本と海外” を与えられればと考えています︒ もたちに世界に興味を持つきっかけ より良い授業をつくり︑多くの子ど 善していく必要があると感じました︒ 交換をするなどして授業内容を改 く知っているため︑他の団体と情報 近は︑子どもたちも海外についてよ いで伝えることに苦労しました︒最 も難しく︑適切な話し方や言葉遣 た︒小学生に授業をすることはとて 介する紙芝居形式の授業をしまし や給食などの違いを写真で紹
この活動を通して︑先輩たちから多くのことを学んできました︒事務局長となった今は︑その学んだことを後輩たちに伝えていかなければならないと思っています︒さまざまな活動があり︑それぞれに責任も生じるため︑大変に思うこともありますが︑その中で経験する達成感や人とのつながりには︑それ以上の楽しさがあります︒この楽しさを後輩たちに伝えていくのが自分の役割だと思って︑今後も活動に取り組んでいきたいと思っています︒
世界市民 を 支 え る ︑ 精神 が あ る ︒
CLUB GEORDIE 事務局長
4
1 2
5
3
6
活動の達成感や人 とつながる 楽 しさ 学 びを 後輩 たちに 伝 えていきたい
1 Coffee Hourで留学生と交流 2 国際系イベント RaRaRamen 3 国際系イベントLet's enjoy MUKASHI ASOBI 4 小学校での開発 教育 5 内部研修の様子 6 和歌山大学WAPさんとの交流会
橋本 港
みなとさん
(総合政策学部3年生)
大学生活は、これまでの人生と比べて時間がたつのが信じられないくらい早いです。一方で、自
由な時間も多く、この自由な時間をどう使うかが大学生活ではとても大切だと思います。大学は
高校と比べると、多様な人が集まっており、CLUB GEORDIEには、さまざまな分野の研究を
本気でしながら、サークル活動にも本気で取り組むメンバーがたくさんいます。「自分を変えた
い」「挑戦したい」と思う人、ぜひお越しください。