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食 育 を 支 え る 「 も て な し の 心 」

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(1)

2008年(平成20年)3月

枚 方 市

(2)

【 枚 方 市 食 育 推 進 イ ベ ン ト に て 】 平 成 19 121

食 育 を 支 え る 「 も て な し の 心 」

「食」は命や健康にとって大切な営みであるとともに、

私たちの人生に楽しみや喜びをもたらし、豊かな彩りを生 む「文化」でもあります。

先人から受け継がれてきた日本の食文化は五感で味わう ものと言われています。栄養や味だけでなく、 色、形、香 り、器、そして季節感(旬)などに繊細な心配りを行い、

全体の調和を重んじてきました。また、私たちは、「食」を 通じた「もてなしの心」を大切にし、「食」が人と人との絆 を深めるものであることを、長年にわたって信じてきまし た。

グローバル化をはじめ社会経済情勢が急速に変化する中で、私たちの食生活はこの数十年で 大きく様変わりしました。こうした中で、世界各地の食材が手軽に安価で手に入るなどのメリ ットも手にしましたが、不規則な食習慣や過度のダイエットなど偏った食生活が広がり、メタ ボリックシンドロームなど、これまでに経験のない様々な健康問題を抱える状況を迎えていま す。

また、原材料や産地、消費期限などの 相次ぐ偽装 が明らかとなり、さらに輸入 食品の毒物混 入事件が発生し、枚方でも混入事例が発生するなど、これまでの食品生産・流通システムへの 信頼は今、土台から大きく揺らぎつつあります。

こうした中で、食の安全性や健康に対する関心が高まり、「自分たちの食生活を知り、見直そ う」「豊かな食文化を未来を担う子どもたちに伝えよう」という観点から、家庭や地域など社会 全体で「食育」の取り組みの輪を広げていくことが期待されています。

そのため、枚方市では今回、枚方にふさわしい食育を総合的かつ計画的に推進する指針とし て「枚方市食育推進計画」を策定しました。子どもから 大人まですべての市民が自らの「食」

について考え行動することを目的に、幅広い関係者 で構成する「枚方市食育推進ネットワーク 会議」と連携を図りながら、同計画で設定した目標の達成に向けて様々な取り組みを進めます。

「もてなしの心」には、相手の立場に立ち、相手の喜びを自らの喜びとする関係があり、信 頼で結ばれた心豊かな社会を築くための原点となるものです。生産者、消費者など様々な立場 で「食」に接する市民が、それぞれの立場を尊重し、「食」の大切さと喜びを共有できることが、

豊かな食生活、食文化と地域社会を生む力になるものと 信じています。

「もてなしの心」は、食育を支える大切な心です。

結びにあたり、 本計画の策定にご尽力いただいた関係者の皆 様に心から感謝申し上げます。

平成20年3月

枚方市長

竹 内

(3)

《目 次》

第1章 食育推進計画の策定にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・1 1.計画策定の背景と趣旨

2.計画の位置づけ 3.計画の期間

4.計画の策定体制と方向性

第2章 食をめぐる現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 1.私たち一人ひとりの食の現状(ライフステージ別)

1)乳幼児期(0~6歳)

2)児童生徒期(7~18歳)

3)青年期(19~29歳)

4)中高年期(30歳以上)

2.食をとりまく環境 1)地域における食育

2)農業と食育の関係について 3)環境分野での食の取り組み 4)食の安全・安心

第3章 食育推進計画の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 1.基本理念

2.食育推進の基本方向

3.食育推進のための役割分担 4.枚方市食育推進計画の重点 施策 5.計画の施策体系

第4章 食育推進の具体的施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

第5章 食育の推進について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・49 1.数値目標の設定

2.評価 3.推進体制

第6章 食育推進の重点目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51

(4)
(5)

1 第1章 食育推進計画の策定にあたって

■1.計画策定の背景と趣旨

1)食をめぐる環境の変化

食は私たちの命の源であり、生きるためにかかせないものです。

私たちは、日々の食の営みを祖先から引き継ぎ 、「食」にまつわる知恵を得て、文化を創造 し、生きる力を育み、生活環境を整えてきました 。

近年、社会環境や家族形態の変化、ライフスタイルの多様 化、個別化などから、生活リズ ムの乱れが生じ、栄養の偏りや欠食、家族そろって食卓を囲む機会の減少など「食」の変化 がみられます。

さらには、生産の場から食卓までの距離が離れ ることなどにより、食料や農業に対する関 心の低下や、食べ残しによる 食品の大量廃棄など、「食」への感謝を忘れがちになっています。

また、相次ぐ食品の偽装事件は、企業側のモラルのゆ ら ぎが 経 済社会 へ の信 頼 を失 わ せ、

さらに、食料の約6割を海外に依存している我が国は 輸入食品の毒物混入事件の問題が食全 体に大きな衝撃を与えています。

2)国や府の動き

国においては、健全な心身を培い、豊かな人間性を育むための食育を推進し、現在および 将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目的 として、平成17年7月15日 に「食育基本法」が施行されました。

「食育基本法」では、国民がさまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択 する力を習得し、健全な食生活を実践 できるよう、国と地方公共団体のそれぞれの役 割が明 確に示されています。そして「食育基本法」を基に、平成18年3月には「食育推進基本計 画」が策定され、関係者が創意工夫を凝らしながら、総力を結集して食育推進運動として展 開しようとしています。

大阪府では国の動きに先駆けて、平成15年度から食育に積極的に取り組んでおり、これ までの歩みをさらに発展させ、 食育を府民運動として一層推進するために、平成19年3月 には「大阪府食育推進計画」が策定されました。

3)枚方市の取り組み

本市では、平成6年に「健康・福祉推進都市宣言」を行い、市民が安心して健やかに暮ら せるまちづくりのために生活習慣病対策、介護予防、生きがい対策、運動推進といった さま ざまな事業を展開するなど、これまでも市民の健康増進に努めてきました。しかし、 食をめ ぐる環境は他都市と同様に変わってきています。そのため、 家庭や地域社会 と連携した食育 の推進を、市をあげた取り組みとして 積極的にすすめていく ことが期待されています 。

そこで、子どもから大人まで市民一人ひとりが自らの「食」について考え、 行動すること を目的に、食育を総合的かつ計画的に推進する 指針として、枚方市食育推進計画を策定する ものです。

(6)

2

■2.計画の位置づけ

1)枚方市食育推進計画

この計画は、食育基本法第18条に基づく、国の 「食育推進基本計画 」および「大阪府食 育推進計画」を基本とした本市の食育推進に関する計画です。

この計画は「第4次枚方市総合計画」をはじめ、 市の関連計画と整合性を図り策定したも のであり、食育に関わることについて、各関係部局において 推進します。

これまで、保育、教育、農業、食品生産流通産業、保健医療の各関係機関、家庭、地域な どそれぞれが独自に推進してきた取り組みについて、目的を共有 し、本市がめざす食育の実 現に向け、質の高い連携をめざす ものです。

2)枚方市の関連計画

本市では、市のまちづくりについての総合的な計画があり、それに即して、分野別の計画 を策定しています。次に 示す計画は食育の推進に関連のある計画です。

① 第4次枚方市総合計画 (平成13年 3月策定)

枚方の持続的な発展と市民生活の向上を実現するため 、まちづくりの基本目標と 、市民・

事業者・行政が連携して取り組む基本方向を示した枚方市総合計画です。

そのうち、「市民それぞれが出会いやふれあいのなかで、人と人が支え合うとともに、住 み慣れた地域社会のなかで、人との関わりを持ち続け、お 互い助け合いながら、自らの意 思で生き生きと活動し、社会に 参画できる、“健康で心豊かな自立と共生のまち”」を基本 理念の一つとしています 。

② 男女共同参画計画 (平成13年3月策定)

男女共同参画社会の実現をめざした諸施策の方向、施策目標を示す基 本的指針となるも のです。平成13年度から平成22年度までの10 年間を計画期間に定めています。

また、同計画にもとづき、3年間の計画期間中に重点的に推進する必要のある施策・事 業をまとめた「アクションプログラム」(実施計画)を策定しています。

③ 生涯学習ビジョン (平成15年3月策定)

生涯にわたって学習することへの意欲や需要が増大している中、生涯学習を「人が生涯 を通じて行う『学び』の全てを意味するもの」と位置付け、「 学びを支え、生かせるまち」

を築いていくことを基本方向として「生涯学習ビジョン」を策定しています。

④ 地域福祉計画 (平成17年3月策定)

市民に最も身近な公共団体である市が、地域福祉推進の主役である市民と共に、生活上 の課題に対し、必要なサービス 等について整備し、ぬくもりと個性ある地域社会を実現す ることを目的に、地域における保健・医療・福祉のサービスについ て、総合的・計画的に 推進するための基本として定めたものです。平成17年度から平成21年度までの5年間 を計画期間に定めています。

(7)

3

⑤ ひらかた みんなで元気計画(平成17年3月 策定)

国民の健康増進の総合的な推進に関し、栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るた め、平成15年に「健康増進法」が制定されました。

これを受け、本市では、各種検診の受診や健康づくりに関する啓発、栄養・食生 活の改 善、身体活動・運動の推進に関する項目について 策定しています。

⑥ ひらかた高齢者保健福祉計画21(第3期)(平成18年3月策定)

本市の高齢者保健福祉施策の基本的な考え方と具体的に取り組むべき事項を総合的・体 系的に整えるために策定され、3年を1期とした平成18年度から平成20年度までの3 か年計画です。

⑦ 枚方市新子ども育成計画(平成 17年4月策定)

子どもを取り巻く さまざまな分野の施策を総合的に推進していくために、「次世代育成 支 援 対 策 推 進 法 」(平 成1 5 年 7 月 ) の 趣旨 、国 の 策 定 指 針 な どを 踏ま え 、 次 代 を 担 う子 どもの育成支援に係る施策を体系的に盛り込んだ 、本市の行動計画として策定しています 。

⑧ 枚方市環境基本計画(平成13年2月策定)

枚方市環境基本条例(平成10年 4 月策定)第9 条の規定にもとづき、環境の保全と 創 造 に 関す る 施策 を 総合 的 か つ計 画 的に 進 める た め の環 境 行政 の マス タ ー プラ ン であ り 、 人と自然とのふれあいが保たれ、景観・歴史・文化など地域の特性を活かした快 適で住み 良く、環境への負荷の少ない持続的に発展することが可能な “環境を思いやるまち枚方 ” の実現をめざす指針となるものです。

また、同計画に基づく行政施策・事業を示す計画として、計画期間を 3年間とする「枚 方市環境基本計画実施計画」を策定しています。

枚方市食育推進計画

市 民・事 業 者・関 係 機 関・団 体 が 一 緒 に「 食 育 推 進 運 動 」 を 進 め る た め の 基 本 と な る 計 画

食育推進基本計画

( 平 成18 3月 策 定 )

大 阪 府 食 育 推 進 計 画

( 平 成19 3月 策 定 ) 食育基本法

(平成15715日制定)

【 枚 方 市 の 計 画 】

【 国 ・ 府 の 計 画 等 】

第 4 次 枚 方 市 総 合 計 画 等 市 の 関 連 計 画

整合・連携

(8)

4

■3.計画の期間

本計画は、平成20年度から 平成24年度までの5年間を実施期間とします。

また、社会情勢や経済動向の変動などに留意して、適時見直しを行います。

平 成20 平 成21 平 成22 平 成23 平 成24

■4. 計画の策定体制と方向性

食育を、市をあげた取り組みとして推進していくに当たり、平成18年11月に計画の作成や 健康に関する施策 の立案を行うため、行政内部に健康推進本部を設置し、平成19年2月には教 育や保育、農業、食品生産流通産業、 保健医療、伝統食文化、消費者団体、市民活動団体から 選出されたメンバーと市民公募選出者 で構成された枚方市食育推進ネットワーク会議を設置し、

食育を推進するためのネットワークを構築しました。

また、枚方市食育推進ネットワーク会議から選出されたメンバーと、学識経験者、行政で構 成された枚方市食育推進計画検討協議会を平成19年3月に設置し、「枚方市食育推進計画」 の 検討を行いました 。

さらに、多くの意見を取り入れるため、 インターネットアンケートを実施しました。

今後は枚方市食育推進ネットワーク会議をはじめとして、 食に関するすべての関係者が連 携・協力しながら 「枚方市食育推進計画 」を推進します。

計 画 案 の 検 討

学 識 経 験 者

枚方市食育推進計画検討協議会

委 員 の 選 出 委 員 の 選 出

枚 方 市 食 育 推 進

ネ ッ ト ワ ー ク 会 議 委 員 枚 方 市 関 連 部 課 委 員

市 長

健 康 推 進 本 部 幹 事 会

専 門 部 会

食 品 生 産 流 通 産 業

教 育

保 健・医 療

環 境 伝 統 食 文 化

枚方市食育推進ネットワーク会議

農 業 保 育

PTA 消 費 者 団 体

市 民 活 動 団 体

枚方市食育推進計画

(9)

5 第2章 食をめぐる現状と課題

■1.私たち一人ひとりの食の現状(ライフステージ別)

1)乳幼児期(0~6歳)

乳幼児期は食習慣の基礎となる生活習慣をつくる大切な時期であり、食物摂取に欠かせない 乳歯が生えそろう時期です。また、授乳、離乳食、普通食という食の移行期にあり、保護者の 不安や戸惑いが大きい時期でもあります 。

ここでは、乳幼児の生活リズム、歯の健康状態、食事の悩みの観点から、家庭における食の 現状を考えます。その際、子どもを育てる若い世代の現状についても、あわせて知ることが大 切です。家庭以外の食育の場としては、 保育所(園)・幼稚園の取り組みがあります。

●幼児の欠食(1日の食事回数が3回に満たない幼児の割合)

●生活リズムと欠食の関係

幼児の起床時刻 幼児の就寝時刻

欠食児の起床時刻 欠食児の就寝時刻

1.01 0.89

1.03

0.8 0.9 1 1.1

3歳6か月児健診 2歳6か月児歯科健診 1歳6か月児健診

%

枚 方 市 平 成18年 度16か 月 児 健 診 ・2 6か 月児 歯 科 健 診 ・36か 月 児 健 診 の 問 診 結 果 ( 受 診 者 数3345人 ) ( 受 診 者 数2723人 ) ( 受 診 者 数2677人 )

平成18年度幼児健診で1日の食 事回数をたずねたところ、食事回数 が 3 回 に 満 た な い 幼 児 は 約 1 % い ました。

2.90.0

22.3

48.3

22.9 17.1

22.9 34.3 37.0

14.8

25.9

6.9 6.9

17.2 20.7

0 10 20 30 40 50 60

6時以前 7時 8時 9時 10時以降

%

1歳6か月児健診 2歳6か月児歯科健診 3歳6か月児健診

29.7

8.6

22.9

25.7 28.6

11.1 14.2 3.7

18.5 37.0

3.4

7.0

37.9

27.6

24.1

0 10 20 30 40 50 60

20時以前 21時 22時 23時 24時以降

% 1歳6か月児健診 2歳6か月児歯科健診 3歳6か月児健診 19.1

31.8

1.7 51.0

22.4

5.7 1.8

9.4 7.3 49.8

9.5

56.3

27.5

5.6

1.1 0

10 20 30 40 50 60

6時以前 7時 8時 9時 10時以降

% 1歳6か月児健診 2歳6か月児歯科健診 3歳6か月児健診

8.2 14.1

52.1

26.2

5.9

1.8 9.7

44.0

36.4

1.6 13.5

47.6

31.7

6.3

0.8 0

10 20 30 40 50 60

20時以前 21時 22時 23時 24時以降

% 1歳6か月児健診 2歳6か月児歯科健診 3歳6か月児健診

(10)

6

前述の平成 18 年度枚方市の幼児健診で欠食のあった幼児の生活リズムをみると、22 時以 降の就寝、10時以降の起床が多くみられます。欠食のない幼児では、21時の就寝、7時の起 床がもっとも多いことから、欠食 の有無は就寝時刻、起床時刻と関連が深いこと がわかります。

幼児期の生活リズムの乱れは、食欲や身体機能に大きな影響を与え、食事リズムの乱れにも つながります。

●妊婦の欠食

●母子の歯の健康

幼児健診時のむし歯の有無

成人歯科健診での保護者の歯の健康状態

両親教室(妊婦教室)参加者の 14日間の食 事記録より、欠食なし 58.9%、時々欠食する

37.4%、2 日に 1 日以上欠食するが 3.7%で

した。特に、起床時刻が遅くなる休日に欠食が 多い傾向があります。

本 市 の 幼 児 健 診 受 診 児 の む し 歯 の 有 無 を み ると、3歳6か月児健診でむし歯のあ った子ど

もが 20%を超え、3 歳を過ぎると、むし歯に

な る 子 ど も が 大 幅 に 増 加 す る 傾 向 が み ら れ ま す。また、本市は大阪府と比べ、むし歯のあっ た子の割合は各健診ともに低くなっています。

1歳6か月児健診時にあわせ、その保護者を 対象に歯科健診を行っています。健診の結果は

受診者の 80%に歯科受診が必要な状況です。

歯 の 健 康 は 食 習 慣 や 生 活 習 慣 と も 関 連 す る ことから、注意喚起が必要です。

枚 方 市 平 成 16~18年 度両 親 教 室 参 加 者 食 事 記 録 結 果 (613人 )

枚 方 市 : 枚 方 市 平 成18年 度1 6か 月 児 健 診 ・2 6か 月 児 歯 科 健 診 ・36か 月 児 健 診 の 健 診 結 果 ( 受 診 者 数3345人 ) ( 受 診 者 数2723人 ) ( 受 診 者 数2677人 )

大 阪 府 : 大 阪 府 平 成18年 度 各 健 診 に お け る 実 績 調 査 よ り

枚 方 市 平 成 18年 度 成 人 歯 科 健 診 結 果 ( 受 診 者1343人 ) 19.8

12.5 13.3

80.2 87.5 86.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18年度 17年度 16年度

異常なし 要治療 72.5 77.8

89.7 91.0 97.6 98.5

27.5 22.2 10.3 9.0 2.4 1.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

3歳6か月児健診(大阪府)

3歳6か月児健診(枚方市)

2歳6か月児歯科健診(大阪府)

2歳6か月児歯科健診(枚方市)

1歳6か月児健診(大阪府)

1歳6か月児健診(枚方市)

むし歯のなかった子 むし歯のあった子

58.9 37.4 3.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

欠食なし 時々欠食 2日に1日以上欠食

(11)

7

●食事の悩み

● 保育所(園)・幼稚園における食育の取り組み

保育所(園)・幼稚園での食育の実施 内容と実施率(複数回答)

保育所(園)・幼稚園での食育の実施 方法と実施率(複数回答)

保育所(園)・幼稚園で多く取り組まれている食育の内容は、食事マナーや、野菜の働き、お やつ、偏食などです。実施方法では一緒に食事をする場面、調理体験や飼育・栽培体験といっ た実際の体験を生かした取り組みがなされています。

栽培体験は、子どもたちが季節の野菜とその生長を知り、植物の命をもらって生きているこ とを学び、食べものへの感謝の気持ちを育む学習となります。また、栽培体験で収穫した野菜 の調理体験が、苦手な野菜を食べるきっかけとなり、偏食の改善にもなります。

加えて、給食に行事食や季節の献立を取り入れたり、給食内容の展示や調理法の紹介といっ た取り組みや、保護者向けの食育の講習会なども実施されています。

48.8

29.3 29.3

65.9

53.7

24.4

65.9

75.6 82.9

2.4

14.6 52.2

26.1 34.8

4.3

47.8

30.4

34.8

13.0 4.3 4.3 4.3

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

お話 紙芝居 絵本 寸劇 一緒に

食事

飼育・

栽培体験 調理 体験

ゲーム エプロン シアター

その他

%

保育所(園) 幼稚園 健診時の食事に関する悩みの有無(18年度)

46.2 49.1 40.3

53.8 50.9 59.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

3歳6か月児健診 2歳6か月児歯科健診 1歳6か月児健診

あり なし 幼児健診時に、子どもの食事に関する悩み の有無についてたずねたところ、すべての健 診において、約半数の保護者が子どもの食事 に関して悩みをもっています。

枚 方 市 平 成 18年 度 1 6か 月 児 健 診 ・26か 月児 歯 科 健 診 ・3 6か 月 児 健 診 の 問 診 結 果 ( 受 診 者 数3345人 ) ( 受 診 者 数2723人 ) ( 受 診 者 数2677人 )

平 成18年 度 幼 稚 園 ・ 保 育 所 に お け る 食 育 実 施 及 び 禁 煙 化 状 況 ア ン ケ ー ト ( 実 施 : 大 阪 府 枚 方 保 健 所 ) 市 内 保 育 所 ( 園 )・ 幼 稚 園 84ヵ 所 の 内 、67ヵ 所 ( 回 収 率80% ) の 回 答 結 果

48.8

61.0

29.3

39.0

56.1

22.0

63.4

43.9

21.7

39.1

26.1

39.1

26.1

4.3

39.1

4.3 0

10 20 30 40 50 60 70

3色栄養 バランス

野菜の 働き

朝食 偏食 おやつ 伝統食 食事

マナー

その他

%

保育所(園) 幼稚園

(12)

8 保育所(園)・幼稚園での親子で取り組める 食育活動の実施状況

2)児童生徒期(7~18歳)

児童生徒期は乳幼児期に培われた生活習慣のもとに、自ら食行動をコントロールする力を身 につける大切な時期です。

ここでは、食に関わる生活行動から 児童生徒期の食の現状を考えます。また家庭の食育に加 えて、学校での取り組みが欠かせません。

●小学生の朝食の欠食

平 成 18年 度 こ ど も の 健 康 調 査

( 実 施 : 大 阪 府 教 育 委 員 会 ・ 大 阪 市 教 育 委 員 会 ・ 大 阪 府 医 師 会 学 校 医 部 会 )

●小学校6年生・中学校 3年生の朝食の欠食

平 成 19年 度 全 国 学 力 ・ 学 習 状 況 調 査 ( 文 部 科 学 省 ) 4.0

5.3

6.0 7.1

1.1 0.8

3.2 2.3

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0

全国(公立)中3 枚方市中3 全国(公立)小6 枚方市小6

あまり食べていない 全く食べていない

大 阪 府 内 の 全 公 立 小 学 校 児 童 を 対 象 と す る 健 康 調 査 に お い て 、「 朝 食 を 食 べ な い こ と がよくある」と答えた児童の割合は、大阪府 7.0% 、 東 大 阪 後 背 地 区 ( 枚 方 、 寝 屋 川 、 交 野、四條畷、柏原)6.1%、うち枚方市は 5.7%

でした。

平成 19年度全国学力状況調査で、「朝食を 毎日食べているか」の問いに対する枚方市小 学校6年生の回答は、「あまり食べていない」

5.3%、「 全く食べていない」1.1%で 合わせ

て 6.4%、枚方市中学校 3 年生では、「あま

り食べていない」7.1%、「全く食べていない」

3.2%で合わせて 10.3%でした。いずれの回

答も全国(公立)児童と比べてやや高くなっ ています。

6.4

10.3

8.3 4.8

保 育 所 ( 園 )・ 幼 稚 園 で は 保 護 者 に 向 け た食育の取り組みも実施しています。

中 で も 親 子 で 取 り 組 め る 食 育 活 動 と し て、クッキング等の保護者参加型行事や参 観、給食試食会、学習会等を実施している 保育所(園)・幼稚園は 74.7%でした。

7.0 6.1 5.7

0 1 2 3 4 5 6 7 8

大阪府 東大阪後背地区 枚方市

親子で取り組める食育活動実施の有無

あり 74.7%

なし 23.0%

未記入 2.3%

枚 方 市 平 成 19年 度 保 育 所 ( 園 )・ 幼 稚 園 で の 食 育 活 動 調 査 市 内 保 育 所 ( 園 )・ 幼 稚 園 87ヵ 所 の 回 答 結 果

(13)

9

●高校生の朝食の摂取状況

●小中学校における食育の取り組み

平成 18年度市立牧野小学校が「栄養教諭を中核とした学校・家庭 ・地域の連携による食育 推進事業」のモデル校に指定され、食に関する指導の全体計画 を作成し、先駆的な食育を実践 しました。現在、市内の全小中学 校で食に関する指導の計画 が作成され、全体計画の中に組み こまれ実践されています。

また、食に関する指導体制として、小学校に栄養教諭が 1人、学校栄養職員が 24人配置 されています。

●小中学校における地域人材を活用した食育活動の実施状況

●市立小学校での体験学習の現状

75.1 73.2 74.3

15.2 14.9 7.0

14.4 3.8

3.9 3.8

8.5

5.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

毎日食べる 週2~3日食べない

週4~5日食べない ほとんど食べない 市 内 府 立 高 校 生 に 朝 食 の 摂 取 状 況 を た ず ねたところ、74.3%が毎日朝食を 食べていま した。反対に「ほとんど食べない」という回

答が男子 8.5%、女子 5.9%で、女子より男

子にやや高い傾向がみられます。

枚 方 市 平 成 19年 度「 食 」に 関 す る ア ン ケ ー ト 市 内 府 立 高 校 6校(1281人 )

枚 方 市 平 成 19年 度 幼 稚 園 ・ 小 学 校 で の 食 育 の 取 り 組 み に 関 す る ア ン ケ ー ト

市立小学校 45校すべてで食育の取り組 みがなされており、体験学習についても積 極的に取り組まれています。学年別にみる と、1、2年生で作物の生長を学ぶ栽培体 験や食を楽しむための収穫物の調理体験、

5年生では田植えや稲刈りといった本格的 な農業体験学習が多く実施されています。

地 域 人 材 を 活 用 し た 食 育 活 動 を 実 施 し て い る 小中学校は 50%でした。

小学校では地域の農業者と連携した田植え・稲 刈り体験が多く取り組まれています。他にも地域 の高齢者と児童が一緒に食事づくりをしたり、食 の ボ ラ ン テ ィ ア に よ る 児 童 の お 弁 当 づ く り と い った特徴ある取り組みもあります。

地域人材を活用した食育活動実施の有無

ある 50%

ない 50%

枚 方 市 平 成 19年 度 小 中 学 校 で の 食 育 の 取 り 組 み に 関 す る ア ン ケ ー ト 市 立 小 中 学 校 全64ヵ 所 の 回 答 結 果

22 25

43 36

15

37 30

16 16

33 28

39

0 10 20 30 40 50

6年生 5年生 4年生 3年生 2年生 1年生

収穫物での調理体験 農業・栽培体験

*グラフ内 の数 字 は実 施 校 数

(14)

10

●市立小学校の学校給食での取り組み

学校給食では、学校給食会の献立作成委員会が、児童が正しい栄養の知識を身につけ、健 康で豊かな食生活が送れるように、さまざまな工夫をして献立を作成しています。具体的には 近年の生活習慣病の若年化や健康教育の観点から、薄味の美味しい料理を考案し、毎月の献立 に季節の行事食や旬の素材、郷土料理や世界の料理を取り入れるな どの工夫をするとともに、

それらの取り組みを次のように情報発信しています。

※ 学 校 給 食 会は 、市 立 小 学 校 に お け る 学 校 給 食 の 運 営 お よ び 充 実 を 図 る こ と を 目 的 と し て 、PTA役 員 、小 学 校 長 、 給 食 担 当 教 諭 、 栄 養 教 諭 お よ び 栄 養 士 等 で 構 成 す る 任 意 団 体 で す 。

学 校 給 食 会 で は 、 学 校 給 食 費 の 管 理 、 献 立 の 作 成 、 物 資 の 選 定 ・ 購 入 等 を 行 っ て い ま す 。

学 校 給 食 献 立 表 保 護 者

毎 月 作 成 (8月 を 除 く ) し 、 毎 日 の 給 食 の 献 立 と 使 用 す る す べ て の 食 材 を 掲 載 し 、 学 校 を 通 じ て 家 庭 へ 配 布 し て い ま す 。

市 の ホ ー ム ペ ー ジ 保 護 者 等 毎 月 更 新 し 、 毎 日 の 給 食 の 献 立 と テ ー マ 、 新 献 立 の 紹 介 、 季 節 の 料 理 、 作 り 方 の ポ イ ン ト な ど を 掲 載 し て い ま す 。

日 め く り

カ レ ン ダ ー

毎 日 の 献 立 で 伝 え た い 食 材 の 名 前 や 特 徴 、食 べ 方 な ど の ポ イ ン ト を 、教 室 や 調 理 場 等 に 掲 示 す る と と も に 、給 食 の 時 間 に 校 内 放 送 で 児 童 へ 伝 え て い ま す 。

給 食 だ よ り 保 護 者

各 学 校 で 毎 月 作 成 し 、 季 節 の 食 材 に 関 す る 話 題 や 、 家 庭 で の 食 生 活 に 関 す る お 願 い な ど を 家 庭 へ お 知 ら せ し て い ま す 。

(15)

11 3)青年期(19~29歳)

青年期は盛んな発育発達期を終え、新たな生活をスタートし、ライフスタイル が不健康にな りがちな時期でもあります。生活の自立と併せて、食生活においても自律する力が必要になり ます。

ここでは、食生活管理が家族単位から個人単位に移行する時期であることに着目し、大学生 や専門学校生を中心に食の現状を考えます。

●青年期の朝食の摂取状況

市内の大学生・専門学校生の朝食の摂取状況をみると、毎日朝食を 食べている男性は半数に およびません。朝食を「ほとんど食べない」という回答が男性 23.4%、女性 8.8%で、男性 は女性よりかなり高くなっています。

20歳代市民に同様の調査を実施したところ、男女ともに 毎日朝食を食べている割合は男女

ともに 60%を超えています。朝食を「ほとんど食べない」という回答 は、男性19.6%、女性

11.1%で、ここでも男性は女性より高くなっています。

●大学生・専門学校生の食の現状

○外食や市販の弁当・惣菜の利用状況

①大学生・専門学校生 ②20歳代市民

68.9 63.0

14.5 13.0

11.1 19.6 4.4

3.3

回答なし 2.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

毎日食べる 週2~3日食べない 週4~5日食べない ほとんど食べない

66.4 45.4

19.3 24.8

8.8 23.4

5.5 6.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

毎日食べる 週2~3日食べない 週4~5日食べない ほとんど食べない

33.1 23.5

58.8

27.0 16.2

6.5

31.2 30.0

9.7

8.0 29.8 11.3

0.7 0.5 13.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

夕食 昼食 朝食

ほとんど利用しない 週1回 週2~4回 ほとんど毎日 食事をとらない

外食や市販の弁当・惣菜の利用状況をみ ると、朝食での利用は少なく、外出するこ と の 多 い 昼 食 時 の 利 用 が 多 く な っ て い ま す。

昼 食 、 夕 食 の 欠 食 は そ れ ぞ れ 約 1 % で す。

① 枚 方 市 平 成 19年 度 「 食 」 に 関 す る ア ン ケ ー ト 市 内 大 学 ・ 専 門 学 校 5 校 (602 人 )

② 枚 方 市 平 成 19年 度 食 に 関 す る 市 民 意 識 調 査 (20~29歳 :137人 )

枚 方 市 平 成19年 度 「 食 」 に 関 す る ア ン ケ ー ト 市 内 大 学 ・ 専 門 学 校 5 校 (602 人 )

(16)

12

○夕食の時刻

4)中高年期(30歳以上)

中高年期は社会的な役割や負担が大きく、食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、ストレスの 増大から、生活習慣病などの健康問題が現れ始める時期です。

ここでは、中高年期の健康状態との関連から食の現状を考えます。

●食事バランスの状態

●メタボリックシンドロームの割合

1.1 4.0

4.1

19.7

0 5 10 15 20 25

住民検診 基本健診

7.4

57.4

24.5

5.6 5.1

22.5

58.2

14.4

1.6

3.4 0

10 20 30 40 50 60 70

午後5~6時台 午後7~8時台 午後9~10時台 午後11時以降 その他

%

半数以上が午後 7~8時台に夕食をとって います。男女を比較すると、男性の方 がやや 遅い傾向にあります。

枚 方 市 平 成 19年 度 「 食 」 に 関 す る ア ン ケ ー ト 市 内 大 学 ・ 専 門 学 校 5 校 (602 人 )

枚 方 市 平 成 18年 度 基 本 健 康 診 査 ( 集 団 )5204人 ・ 住 民 検 診 腹 囲 測 定 者 1742人 の 結 果

メタボリックシンドロームの割合は年齢に 関係なく、男性に多い傾向があります。

40歳を過ぎるとメタボリックシンドローム の割合が急激に高くなります。

枚 方 市 平 成 19年 度 食 に 関 す る 市 民 意 識 調 査 (30歳 以 上 :1572人 ) 1日のうちに主食・主菜・副菜をそろえた

食事の回数と割合

食 事 バ ラ ン ス の 状 態 を み る と 1 日 の う ち 主 食・主菜・副菜をそろえた食事を3回している人

の割合は 15.0%であり、0回の割合は 8.2%で

した。

回答なし 1.7%

3回 15.0%

2回 49.1%

1回 26.0%

0回 8.2%

※ メ タ ボ リ ッ ク シ ン ド ロ ー ムと は 、 内 臓 脂 肪 型 肥 満 に 加 え 、高 血 糖 、脂 質 代 謝 異 常 、血 圧 高 値 の3項 の う 2項 以 上 を 伴 う 状 態 を い い ま す 。

(17)

13

●市民(40歳以上)の健康状態

総コレステロール値の異常は、全国や大阪府に比べ、男性全体と 40歳代女性に多くみられ ています。血糖値の異常は、大阪府に比べ、男女共に 75 歳未満の全ての年齢で多くなってい ます。特に男性の 40~50歳代は、全国と比較しても顕著に多い傾向があります。いずれの項 目もエネルギーや脂肪の摂りすぎといった食事バランスの乱れと深い関連があるものです 。

平成16年度 年齢別総コレステロール値異常者(男)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

全国 52.0% 52.4% 50.6% 47.2% 42.9% 37.1%

大阪府 52.4% 54.1% 52.7% 50.4% 45.9% 40.0%

枚方市 59.5% 55.8% 60.6% 56.3% 53.3% 47.8%

40~49

50~59

60~64

65~69

70~74

75歳以

平成16年度 年齢別血糖値異常者(女)

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

全国 4.7% 11.6% 15.4% 17.2% 18.8% 20.5%

大阪府 3.9% 9.0% 11.7% 12.9% 14.5% 18.1%

枚方市 3.8% 9.6% 12.3% 13.3% 14.8% 17.5%

40~49

50~59

60~64

65~69

70~74

75歳以 平成16年度 年齢別血糖値異常者(男)

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

全国 12.3% 21.6% 24.3% 25.5% 25.9% 24.3%

大阪府 11.0% 19.1% 20.9% 21.9% 21.4% 21.4%

枚方市 15.4% 24.5% 23.6% 23.7% 25.7% 21.3%

40~49

50~59

60~64

65~69

70~74

75歳以

平 成16年 度 基 本 健 康 診 査 結 果 の 全 国 ・ 大 阪 府 ・ 枚 方 市 の 比 較

平 成16年 度 枚 方 市 基 本 健 康 診 査 受 診 者 数 : 男7934 17662

平成16年度 年齢別総コレステロール値異常者(女)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

全国 41.8% 52.0% 54.4% 50.7% 45.7% 38.1%

大阪府 45.4% 57.9% 59.8% 56.9% 51.5% 42.9%

枚方市 50.7% 56.3% 58.2% 53.6% 52.2% 38.2%

40~49

50~59

60~64

65~69

70~74

75歳以

(18)

14

■2.食をとりまく環境

1)地域における食育

地域における食育では、家庭を中心とする食育を 支援するものとして、 積極的な活動が求 められています。食の社会依存がすすんでいる現在、家庭における食育はその質と量が低下 しつつあり、地域一体の食育推進が欠かせないものとなっています。 本市における日本型食 生活の実践や地域での取り組み、ボランティアによる食育推進状況 などは次のとおりです。

●日本型食生活の衰退

和食料理を多くとりいれた食事内容にすることは、日本型食生活の実践に欠かせません。現 在は、食の欧米化に伴い、和食ばなれが顕著にあらわれて います。両親教室(妊婦教室)にお けるアンケート結果では、和食料理の調理体験について、「ない」と答える人が多く、普段から 和風だしをとっている人も、「ときどきとる」を加えても 65%という現状がみられます。和食 料理の調理体験が少ない理由の一つとして、欧米化のすすむ日々の食生活のなかで、和食に接 する機会が少なかったということがあげられます。

日 本 型 食 生 活と は 、 日 本の 気 候 風 土 に 適 し た 米 を 中 心 に 水 産 物 、 畜 産 物 、 野 菜 等 を 用 い た 多 様 な 副 食 か ら 構 成 さ れ 、 P F C エ ネ ル ギ ー 比 ( 総 エ ネ ル ギ ー に 対 す る た ん ぱ く 質 、 脂 質 、 炭 水 化 物 エ ネ ル ギ ー の 割 合 ) が 適 正 で 栄 養 バ ラ ン ス に 優 れ て お り 、 日 本 各 地 で 生 産 さ れ る 農 林 水 産 物 を 多 彩 に 盛 り 込 ん で い る こ と が 特 徴 で す 。

枚 方 市 平 成 18年 度 両 親 教 室 で の ア ン ケ ー ト (178人 )

回数 割合(%)

0回 1.4

1回 17.9

2回 58.3

3回 21.8

回答なし 0.6

1日あたり主食として米を食べる回数

1日あたり主食として米を食べる回数は、2回以 上が 80.1%となっています。主食に米を利用する ことは、日本型食生活の実践につながり、食料自給 率の向上のうえにも欠かせないことから、主食とし て米の活用を工夫する食育活動も重要です。

枚 方 市 平 成19年 度 食 に 関 す る 市 民 意 識 調 査

( 成 人1768人 ) 85.8 85.3 72.7 41.5 40.0

95.5

4.5 14.2 14.7 27.3 58.5 60.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

煮魚 筑前煮 ひじきの煮物 切り干し大根の煮物 煮豆 おからの煮物

ある ない

和食料理の調理経験 単位:% だしの利用状況 単位:%

普段からかつお、こんぶ、煮干し などからだしをとっていますか

はい 34.3%

ときどき 30.9%

いいえ 33.1%

その他 1.7%

(19)

15

●地域での取り組み

ふれ愛・フリー・スクエアでの

「食育プログラム」の 取り組み(平成18年度)

ふ れ 愛・フ リ ー・ス ク エ アと は 、完 全 学 校 週5日 制 に 伴 う 土 曜 日 に お け る 児 童 の 健 全 育 成 事 業 を い い ま す 。 子 ど も た ち と 保 護 者 や 地 域 の 人 た ち と の 交 流 の 中 で 、 遊 び を 通 じ て さ ま ざ ま な 体 験 学 習 を す る こ と を 目 的 に 市 立 小 学 校45校 区 で 実 施 さ れ て い ま す 。

●ボランティアによる食育推進

食育推進に携わるボランティア

枚 方 市 健 康 づ く り 食 生 活 改 善 推 進 員は 、 大 阪 府 保 健 所 が 実 施 し て い た 「 保 健 栄 養 教 室 」 お よ び 枚 方 市 が 実 施 す る 「 健 康 ボ ラ ン テ ィ ア 講 座 」 を 受 講 後 、 枚 方 市 健 康 づ く り 食 生 活 改 善 協 議 会 に 所 属 し 、 健 康 づ く り 活 動 を 行 っ て い ま す 。

枚 方 市 健 康 リ ー ダ ーは 、 枚 方 市 が 実 施 す る 「 健 康 ボ ラ ン テ ィ ア 講 座 」 を 受 講 後 、 中 学 校 区 単 位 の グ ル ー プ に 分 か れ 、 健 康 づ く り 活 動 を 行 っ て い ま す 。

テ ー マ 活 動 地 域 ( 小 学 校 区 )

農 作 業 体 験

い も の 苗 植 え (8校 区 実 施 ) 玉 ね ぎ の 苗 植 え ( 春 日 ・ 殿 二 ) 田 植 え ( 交 北 ・ さ だ ・ 春 日 )

農 園 の 世 話 ( 桜 丘 北 ・ 田 口 山 ・ 樟 葉 西 )

収 穫 体 験

い も ほ り (14校 区 実 施 )

稲 刈 り ( さ だ ・ 春 日 ・ 交 北 ・ 樟 葉 西 ) 玉 ね ぎ 収 穫 ( 春 日 ・ 殿 二 )

み か ん が り ( 藤 阪 ) 和 風 料 理 お 雑 煮 作 り ( 開 成 )

巻 き ず し 作 り ( 藤 阪 ) 33校 区 60回 実 施 日 本 の お や つ

作 り

よ も ぎ 団 子 作 り ( 山 田 東 ・ 藤 阪 ・ 五 常 ・ 川 越 ) 柏 餅 作 り ( 殿 一 ・ さ だ 東 )24校 区 39回 実 施

食 文 化

茶 道 (16校 区 実 施 )

七 草 粥 を 作 ろ う ( 山 田 東 ・ 船 橋 ・ 川 越 ) 豆 ま き (6校 区 実 施 )

餅 つ き (20校 区 実 施 ) そ の 他 秋 の 収 穫 祭 ( 桜 丘 北 )

食 育 カ ル タ 作 り ( 殿 一 )

地 域 に お い て は 、 ふ れ 愛 ・ フ リ ー ・ ス ク エ ア が 実 施 さ れ て お り 、 そ の 取 り 組 み の な か で 、 ほ ぼ 全 て の 市 立 小 学 校 区 が 「 食 育 プ ロ グ ラ ム 」 を 取 り 入 れ て い ま す 。 内 容 は バ ラ エ テ ィ に 富 み 、 料 理 教 室 や お や つ 作 り が 多 く 実 施 さ れ て い ま す 。 ま た 、 苗 植 え を し 、 そ れ を 収 穫 し 、 調 理 し て 食 べ る と い う 継 続 的 な 内 容 で 実 施 し て い る 校 区 も あ り 、 地 域 の 特 性 を 生 か し た さ ま ざ ま な 取 り 組 み が 行 わ れ て い ま す 。 こ の よ う な 体 験 学 習 を 通 し て 、 子 ど も た ち が 食 へ の 関 心 を 深 め て い く 食 育 を 今 後 も 活 発 に プ ロ グ ラ ム に 取 り 入 れ て い く こ と が 望 ま れ ま す。

○ 枚 方 市 健 康 づ く り 食 生 活 改 善 推 進 員 201

○ 枚 方 市 健 康 リ ー ダ ー 155 ( 平 成 19 4月 現 在 )

食 育 推 進 に 携 わ る ボ ラ ン テ ィ ア に よ り 、 市 内 の 各 地 区 に お い て 、 市 民 に 向 け た 食 育 に 関 す る 情 報 提 供 や 知 識 の 普 及 を 実 施 し て い ま す 。 市 民 が 身 近 な 地 域 に お い て 学 習 機 会 を 得 ら れ る こ と に よ り 、 広 く 食 育 が す す め ら れ ま す 。 ボ ラ ン テ ィ ア の 育 成 に よ り 、 そ の 活 動 が 活発に実施されることが望まれます。

枚 方 市 教 育 委 員 会 青 少 年 課 調 べ

枚 方 市 保 健 セ ン タ ー 調 べ

(20)

16

●食育推進をめざしたネットワークの構築

市民の力で食育の推進を図るために、多種多様な食育活動を展開する市民団体等によってネ ットワークを構築し、互い の理解と連携にもとづいた 推進が必要です。本市では、平成 19年 2月に、さまざまな分野の市民団体等によって構成 された「枚方市食育推進ネットワーク会議」

を設置しました。

2)農業と食育の関係について

農業は、食を生み出す場であり、農業を通じた食育は、食物そのものとの触れ合いによって すすめられることから、基本となる食育です。農業への理解を深めることは、命の源となる食 への感謝の念から 、命の大切さや食の安全など食への関心を引きだします。本市にお ける農を めぐる現状や農業への理解を深める取り組みは次のとおりです。

●農業に関する状況

平 成18年 版 枚 方 市 統 計 書

平 成17年 「 国 勢 調 査 」 枚 方 市 デ ー タ ( 総 務 省 )

農家数は、平成 17 年は 1,433 戸であり、

昭和 55 年の約 60%に減少しています。農業

就業人口の年齢構成では、高齢者が多くの割合 を 占 め 、 若 い 世 代 は 大 変 少 な い 状 況 に あ り ま す 。 ま た 、 経 営 耕 地 面 積 は 、 平 成 17 年 は

47,242aであり、昭和 55 年の約 60%に減

少しています。農業者の高齢化と農地の減少へ の対策が課題です。

平 成18年 版 枚 方 市 統 計 書

農家数の推移 単位:戸 農業就業人口の年齢構成 単位:人

経営耕地面積の推移 単位:a

1 15 36

51 2537

71 105

227 180

43

146

191

0 50 100 150 200 250

15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 75歳以上

80,285

57,241

47,242 73,535

65,355

53,483

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000

S55 S60 H2 H7 H12 H17

1,596 1,485 1,433 2,333 2,189

1,791

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500

S55 S60 H2 H7 H12 H17

(21)

17

●地産地消への取り組み

市立小学校の学校給食では、米や野菜な ど枚方産農産物を活用し、生きた教材としています。

枚方産農産物の使用品目数は、平成 10 年度は3品目(米を含む)であったのが年々増加し、

平成 18 年度には 13品目となりました。また 、米・野菜類の枚方産農産物の使用割合(重量

ベース)は、平成 17年度実績によれば、大阪府全体と比べ 2~4倍に達します。平成 18 年 度においては、米は 34.7%、野菜は12.6%とさらに増え、米・野菜類全体の使用割合は 17.9%

となっています。今後も学校給食における枚方産農産物の活用が期待されますが、生産者の高 齢化等の課題があります。地域においては、ふれあいツアー(地元農産物の収穫体験)や農産 物直販事業等の地産地消の取り組みが 実施されており、生産者と消費者のお互いの顔がみえる 関係づくりをすすめています。

平 成18年 度 実 施 事 業 例

◇ ふ れ あ い ツ ア ー ( 地 元 農 産 物 の 収 穫 体 験 ) 参 加 者 14,926

◇ 農 産 物 直 販 事 業 実 施 回 数 598

◇ 大 阪 エ コ 農 産 物 直 売 会

大 阪 府 内 で は じ め て 開 催

◇ 農 業 祭( 年1回 ) 参 加 者 5,000

品 目 使 用 し た 献 立

え ん ど う 豆 磯 煮 ・ ミ ー ト ポ テ ト じ ゃ が い も 肉 じ ゃ が ・ 磯 煮

た ま ね ぎ 夏 野 菜 カ レ ー ・ ミ ー ト ス パ ゲ テ ィ さ つ ま い も 芋 お こ わ ・ 栗 豆 き ん と ん ・ 芋 の 天 ぷ ら レ ン コ ン レ ン コ ン サ ラ ダ ・ レ ン コ ン の て ん ぷ ら 葉 付 き 大 根

/ 大 根

大 根 葉 の 炒 り 煮 ・ い か と 大 根 の 煮 物 / 関 東 煮 ・ み そ お で ん

キ ャ ベ ツ キ ャ ベ ツ ソ テ ー ・ キ ャ ベ ツ の サ ラ ダ 白 菜 豆 腐 チ ゲ ・ 煮 浸 し

九 条 ね ぎ す き や き ・ 呉 汁 ・ 豆 腐 チ ゲ ほ う れ ん 草 コ ー ン ソ テ ー ・ か き た ま 汁 チ ン ゲ ン サ イ 煮 浸 し ・ 春 雨 の 中 華 炒 め 冬 瓜 冬 瓜 の 中 華 ス ー プ ・ 味 噌 汁

枚方産農産物を使った学校給食献立例

学校給食での大阪地場農産物の使用割合

(重量ベース) 単位:%

地域における地産地消の促進事業 注 )枚 方 市 デ ー タ は 、枚 方 産 農 産 物 の 使 用 割 合 を

示 す 。

学 校 給 食 で の 大 阪 地 場 農 産 物 の 利 用 等 に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 結 果( 平 成17年 度 実 績 )大 阪 府 農 政 室 調 べ

学校給食での地元米購入量の推移 単位:t

枚 方 市 教 育 委 員 会 学 校 給 食 課 調 べ

枚 方 市 農 政 課 調 べ

枚 方 市 教 育 委 員 会 学 校 給 食 課 調 べ

31.1 28.4 32.4

11.0

19.2 15.6

0 10 20 30 40

H12 H15 H18

くらわんか米(t) レンゲ栽培米(t)

2.7 33.6

11.1 6.4

15.5

0 5 10 15 20 25 30 35 40

全体 野菜

大阪府 枚方市

参照

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