自ら立つ地平を築くための国語科の授業研究(1)
−教師の説明を軸にした芥川龍之介「トロッコ」
の授業実践を通して−
著者 横田 宏之, 松川 利広
雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要
巻 7
ページ 67‑78
発行年 1998‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/10105/4320
自ら立つ地平を築くための国語科の授業研究(1)
一教師の説明を軸にした芥川龍之介「トロッコ」の授業実践を通して一
横 田 宏 之
(奈良県生駒郡斑鳩町立斑鳩中学校)
松 川 利 広
(奈良教育大学国語科教育研究室)
HiroyukiYokota
(IkarugaJuniorHighSchool,Nara)
Toshihiro Matsukawa
(DepartmentJapaneseLanguageEducation,NaraUniversityofEducation)
要旨:教師による、教材そのものにかかわる説明と学習の進め方にかかわる説明の教育的意義に ついて、「トロッコ」(芥川龍之介)の授業実践を通して検証した。よく吟味された教師の説明は、
生徒一人一人の読みを限定あるいは画一化するものではなく、生徒一一一人一人が自ら立っ地平を築 くための有効な支援の一つになりうることを、「導入の段階での説明」「話し合いの段階での説明」
「感想を発表する段階での説明」の三つに分けて詳述した。
キーワード:説明 文学教材「トロッコ」
1.はじめに
芥川龍之介の「トロッコ」は、大正11(1922)年に実業之日本社発行の雑誌「大観」に発表され、
翌年刊行の第六短編集『春服』(春陽望)に所収(1)された。 戦前から主として中学一年生用の 教科書に採用され続けている教材である。
授業実践史から概観すると、1960年代は教科書用に原作から削除された部分のあつかいを中心 に、作品の主題そのものについてや、生徒と主題をどのように出会わせるかなどの論議{2)が中 心であった。1970年代から1980年代前半にかけて、導入に重点を置いた指導や全体の構成に着目 した指導、良平の心情と密接なっながりをもった情景描写の緻密さに着目した指導など(3)、今日 の代表的な指導法の多くがこの時期に報告されている。
さて、教育課程審議会が「個性を生かす教育の充実」を明らかにする1980年代後半からは、授 業においても生徒の読みの尊重が第一に考えられ、教師による解釈的な読みや読みの方向付けを 好ましくないものとする傾向が強くなってくる。
学習の主体が生徒であることに異論はないが、では教室という場で、生徒の読みを尊重するこ とと教師の果たす役割はどのような位相関係にあるのか。国語科の学習を契機として生徒一人一 人が、自ら立つ地平を築く力を身につけていくために教師は何をなすべきなのか。個性重視や新
しい学力観や読者論的読みの尊重などと呼ばれるものに基づく授業観では、この点に関する論議 が少なかったように思う。芥川龍之介や「トロッコ」に関する教師の解釈や説明の類が、全面的
に好ましくないもの、否定的なものであると言い切れるのかを、もっと厳密に検討する必要があ るのではないだろうか。
2.研究の視座
2.1.日的
生徒が文学教材と対噂するときに、教師は彼らにある程度の解釈や説明をなすべきだというの が本研究の基本的立場である。もちろん、解釈や説明の程度は教材の内容と生徒の実態に応じて 調整されなければならないし、生徒の立つ地平を一つに定めてそれを押しつけるような解釈や説 明は否定されるべきである。
教師による解釈や説明は、生徒一人一人が自ら立っ地平を築くことを支援するものでなければ ならない。換言すればそれは、これまで二項対立的にとらえられてきた、生徒の読みの尊重を第 一とする授業と教師の解釈や説明を中心とする授業を、有機的に結びっける性質のものでなけれ ばならない。二元論的対立を越えて二つの授業が結びついたときに、生徒は自ら立っ地平を築く ことができるのである。
本研究の目的は、授業の基底にある教師の果たす役割を再考することである。説明をキーワー ドにして、教師が授業において果たすべき役割を実践的に考察する。
2.2.説明という用語の定義
説明という用語は、白銀一彦によれば「その基本は、人間が抱く疑念・不審(なぜwhy・な にかwhat・いかにhow・なんのためにforthepurposeof)を、われわれが論理的・詳細に記述 description L、理解verstehen・納得させること」(4)と定義できる。
生徒が学習を進める過程で抱くであろう疑念・不審を予想し、その理解や納得をうながすため の論理的・詳細な記述の準備をしておくことは、教師にとって不可欠な教育的営みである。また、
教師のそのような準備を見ることは生徒にとっても、自分自身の手で疑念・不審を解決してゆく 方法を学ぶことになる。
2.3.授業に際して
「トロッコ」の学習に際して生徒が抱くであろう疑念・不審を仮定して三つに大別した。まず は「授業の進め方に関する疑念・不審」である。日々の授業を担当する教科担任に代わって初対 面の人物が教壇に立つ授業だから、学習活動の進め方についての疑念・不審が大きいことは間違 いない。二つめは「教材に措かれている時代に関する疑念・不審」である。この教材の場合は交 通手段や子どもたちの遊びや服装などについての疑念・不審が顕著だろうと予測できる。三つめ は「教材の内容(文学価値)に関する疑念・不審」であり、その中でも特に主題や心情について の疑念・不審は、どの文学教材を学習する場合にも取り上げるべき性質のものである。
以上のように仮定した疑念・不審に対して、
<ア>…学習の進め方についての説明 → 指示的な説明
<イ>‥・当時の暮らしや子どもたちの遊び、服装や道具・用具などについての説明
<ウ>…日ごろあまり使用しない語句や難語句についての説明
<ェ>・‥主題や人物の心情に迫るための説明 → 助言的な説明、発問的な説明
自ら立つ地平線を築くための国語科の授業研究(1)
<オ>…表現の豊かさに関する説明 → 解釈的な説明 という、五つの説明(5−を準備した。
<ア>は「授業の進め方に関する疑念・不審」に対しての説明である。これについては、教材 そのものにかかわる説明ではないから他と同次に論じるべきではないとの見解もあろう。しかし、
教材そのものにかかわる説明と学習の進め方にかかわる説明がうまくかみ合ったときにこそ、自 ら立つ地平を築くための授業が成立するとの立場から、<ア>を指示的な説明として他の説明と 同次に位置づけたい。
<イ>とくウ>は「教材に描かれている時代に関する疑念・不審」に対しての説明である。二 つに分けたのは、イメージ形成が不十分なまま語句の意味調べだけが先行することを危惧したた めである。この教材では導入の段階で<イ>に力点をおいて、明治末期という舞台設定を豊かに
イメージさせることが大切だと考える。
<エ>と<オ>は「教材の内容(文学価値)に関する疑念・不審」に対しての説明である。<
エ>が教師の解釈の押しつけにならぬよう、考える方向を示す助言的な説明や考えを探化させる ための発問的な説明として準備すべきである。この観点から見れば<ェ>は、教材そのものにか かわりながら同時に学習の進め方に影響を与える指示的な説明であるとも言えよう。表現の豊か さや教師の読みや文学研究の成果に基づく解釈的な説明を<オ>とした。<オ>は学習のまとめ の段階か発展学習の段階でなされることが原則である。
2.4.研究の対象
授業は平成9(1997)年12月第3過に、斑鳩町立斑鳩中学校(19学級・生徒総数595名)の一年二 組(男子19名・女子20名)を対象として、5時間完了で実施した。事前に教科担任と学級担任か ら生徒の実態のおよそを聞き、国語の授業を1時間参観して実態把握に努めた。なお本稿では、
生徒が説明をどう受け止めたかを客観的に確認するために、5名を抽出して学習段階ごとの反応 を報告する。抽出生徒A・B・Cは男子で、D・Eは女子である。国語科の学習に対する姿勢は、
対象学級がかなり良好な状態にある中で、Dはやや消極的な態度を示している。国語科の相対評 価でとらえた場合の学力は、A・Eが上位、B・Dが中位、Cが下位にある。
3.授業展開
授業時間は当初4時間を予定していたが、生徒の第1時の過度の緊張状態をみて、教師との交流 をはかるための第2時を、身近な資料を用いてのクイズや雑談を交えて実施した。
3.1.指導目標
①自らの体験や価値観と照応させながら「作品」を読むことによって、生徒一人一人の感性を豊 かに育むとともに生徒たちの価値観の再構成をうながし、自ら立つ地平を築く礎とする。
②「トロッコ」に描かれる人間心理についての考察を深め、生徒が自らの生き方を見つめ直す契 機とする。そのために
・風景や情景、あるいは心情に関する豊かな表現を読み味わい、主人公良平の心の動きをとら えさせる。
・良平の心の動きを中心に、各自が興味をもったテーマについて話し合い、その経過もふまえ た感想文をまとめさせる。
③文学への関心や読書意欲を喚起する。
3.2.授業経過
①第1次 聞く活動を中心にした学習 【導入】 12月16日(火)第4/5校時
〈学 習 目標 〉 く学 習 内容 〉
第 1 時
学 習 の進 め方 を確 認 し、 登 場 人 物 ・時 代 背 * 「トロ ッ コ」 の主 題 の輪 郭 を つ か む。
景 や服 装 や用 具 ・語 句 に つ い て の 説 明 を 受 *作 者 と作 品 に つ い て確 認 す る。
け てか ら、 朗 読 C D を 聞 いて 「トロ ッ コ」 *学 習 の進 め方 を確 認 す る。
の概 要 をっ か む。 *朗 読 C D を 聞 く。
第
時 代 背 景 や トロ ッ コを 使 っ て の 工 事 に つ い *生 駒 山 の トンネ ル 掘 削 工 事 や ケ ー ブ ル敷 て の細 く説 明 を聞 い た 後 、 各 自が 教 材 を 黙 設 工 事 な ど の親 近 感 を 抱 き や す い 資 料 を 見 読 して 読 め な い漢 字 や わ か りに くい 語 句 を な が ら、 時 代 背 景 を再 確 認 す る。
2 確 認 し、 全 体 で そ の確 認 をす る。 *読 め な い漢 字 や わ か りに くい 語 句 を 全 体
時 で 確 認 す る。
* 「あ お る」 と 「しな う」 を 自分 の こ と ば で 説 明 す る。
②第2次 読む活動を中心にした学習 【展開1】 12月17日(水)第2校時
第 3 時
指 名 音 読 しなが ら絵 図 で 行 程 を 確 認 し、 一 *テ ー マ決 定 を意 識 しな が ら、 指 名 音 読 に 人 一 人 が テ ー マ を決 め る。 範 議 を ま じえっ つ 全 体 を通 読 す る。
*行 程 を実 感 し、 豊 か な表 現 に気 づ く。
*各 自 で テ ー マ を考 え る。
*数 人 が テ ー マ を発 表 す る。
* 「テ ー マ報 告 カ ー ド」 を提 出す る。
③第3次 話し合う活動を中心にした学習・書く活動を中心にした学習 【展開2】
12月19日(金)第2校時と家庭学習 自他のテーマを確認するとともに、テーマ
別グループ討議によって考えを深め、題名 に工夫をこらした感想文を各自まとめる。
*自他のテーマを確認する。
*あらかじめ依頼しておいた司会担当者が、
「司会の手引き」を参照しながらテーマ別討 議を進め、各自が「考えるヒント付きメモ 用紙」を活用して考えを深める。
*今回は次の七っのテーマに分けられた。
a 良平はどうしてトロッコにあこがれていたのだろう。
b 良平はどうして途中で帰ると言わなかったのだろう。
C 良平はどうして土工にならなかったのだろう。
d いちばん印象に残っている場面について考える。
e 遠くへ行くときと、家に帰ろうと走っているときの良平の気持ちを考える。
f 良平はどうして途中では泣かず、家で泣き続けたのだろう。
g 二十六歳の良平がこのときのことを思い出す理由について考える。
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*感 想 文 の 題 名 に 工 夫 を 凝 ら す こ と や 、 カ ギ カ ッ コ の 使 い 方 な ど を 学 ぶ 。
* 「原 稿 用 紙 の 使 い方 」 と 「『ト ロ ッ コ』 の 感 想 文 を 書 くた め に 」 に つ い て の 説 明 を 受 け て か ら感 想 文 を 書 き 始 め る 。 完 成 は 課 題
(家 庭 学 習 )と す る 。
④第4次 発表を中心にした活動 【まとめ】 12月20日(土)第2校時
第
感 想 文 の発 表 会 を通 し て異 な る テ ー マ の 友 *各 テ ー マか ら一 人 か 二 人 の指 名 され た 生 人 と も読 み の 交 流 を はか る。
「トロ ッ コ」 や芥 川 龍 之 介 に 関 す る文 学 史
徒 が 感 想 文 を発 表 す る。
*友 人 の感 想 文 と そ れ に 対 す る教 師 か ら の
5 説 明 を聞 い て読 み の幅 を広 げ る。
時 * 「トロ ッ コ」 や芥 川 龍 之 介 に つ い て 、 ま
的 研 究 の一 端 に触 れ て 、 今 後 の 読 書 生 活 を た 自校 の図 書 室 の配 架 状 況 な ど を 知 り、 今 進 め る うえ で役 立 て る。 後 の読 書 生 活 に役 立 て る。
4.導入の段階での説明
4.1.主題の輪郭を示すための語り
教師の自己紹介直後、これから取り組む教材について何も示さずに「みんなは、どうしようも なく不安になったことや、孤独な感じを体験したことがある?」と呼びかけた。その後で、教師 自身の幼少期の不安と孤独についての思い出を語った。教材に描かれるような強烈なものではな いが、この語りはその授業を担当する教師のリアリティの表れである。
その教師にしか語れないリアリティをもって、生徒一人一人の幼少期の不安や孤独についての 記憶を刺激するとともに、この教材の主題の輪郭を示すことを意図した。この語りは、いわば萌 芽状態にある説明とも言えるもので、説明<ウ><ェ>の中間的性質を内包Lでいる。この語り によって、学習に取り組む体制をととのえるとともに、これから読む教材の主題をおぼろげに示 すことに寄与できた。
4.2.作者と教材の概要をとらえさせるための説明
ノートを開けさせて、教材名だけを板書した。「トロッコってどんなのか知ってる?」緊張し ているのか反応は皆無で、教師の説明だけが続く。「もともとは英語でね。トラックと同じよう に荷物や土や砂などを運ぶもの、と言っても木でできていて箱みたいで、レールの上を走るの。
ちょっと時代は違うけどレールの上を走ってるトロッコの写真を見ようか」と言って、実物投影 機でトロッコの写真㈲を示した。説明<イ>に相当するがここではあまり詳しくふれない。
「この「トロッコ」っていうお話はね、これに乗りたくて乗りたくてどうしようもなかった男 の子の話です」「作者はね、読めるかな?」と板書した時点でようやく反応があった。
作者と教材の概要を生徒がどの程度とらえたかについては、アンケート(7)の結果を分析する 節を設けてそこで述べる。
トロッコと聞いてトロッコ電車を思い浮かべる生徒もいたことだろうし、この時間の後半に軽 便鉄道の写真を示すことがはっきりしていたのだから、その違いをもっと強調して、教材に出て
くるトロッコは、箱型で泥だらけでかなり重いのに手押しであることなどをていねいに説明すべ きだった。
また、ストーリーの展開に期待感を抱かせようとして、あらすじを「トロッコに乗りたかった 男の子の話」と簡単にまとめた。しかし、説明<ェ>につなげるためのあらすじという観点から 見れば、「乗せてもらって、今までに行ったこともないほど遠くまで行ってね、どうやって帰っ たと思う?」という程度まで述べるべきであった。
4.3.時代背景や語句に関する説明
作者についてはあまり詳しくふれずに、説明<イ>に力点をおいた。時代性を表出させている 写真(8〉を実物投影機で多数示し、場所については掛け図を用いてこれを見せつつ、小田原・熱 海間の一部、およそ3〜4kmの海沿いの山道が「トロッコ」の舞台であることを説明した。季節が 厳冬の二月であることも登場人物の麦わら帽にからめて説明した。全授業後のアンケート(9)に よると、この導入時の説明<イ>は大変好評だった。
説明<ウ>として、軽便鉄道の写真脚を何枚か見せたが、海辺を走る軽便鉄道の写真のイメー ジは教材文中の「うすら寒い海が開けた」とはあまりにかけ離れていた。語句の説明に偏ると、
イメージ形成上の問題が起きることに思いが至らなかった。
印ばんてんは黒板に絵を描き、板草履は実物を提示して説明<ウ>とした。良平が初めてトロッ コに乗った十問の距離を説明するために、18mの荷造り用ビニールテープを用いたところ、十問 がほぼ二教室分の縦の長さに等しいことが実感ができた。
4.4.授業の進め方についての説明
ここまでの説明を終えてから、説明<ア>として「この時間もいれて4時間かけて芥川龍之介 の「トロッコ」を勉強します。最終的には君たちの感想文の発表会を開きますのでそのつもりで いてね。けどまだ、「トロッコ」が書いてあるのも0力もらってへんよね。心配せんといて、ここ にあるから。けどまた渡さないよ。この時問は耳を使って「トロッコ」を聞いてもらいます。次 の時間はこれ(抜刷)を読みます。読んだ次の時間に感想を話し合って、それから感想文を書く ねん。聞く・読む・話し合う・書く、これで4時間、Ok?耳も目も口も手も頑も使って勉強し ようね」と述べた。
小説教材に耳から入るというのは生徒たちにとって目新しい学習法だったようで、授業後のア ンケートロカでは「文を読まずに、どんな話か分からないままに説明を聞いていたこと」がいちば ん印象に残ったとの回答が見られた。
説明<ア>は、生徒に学習の見通しと興味を持たせるために欠くべからざるものである。今回 は教材全体を見通した大まかな説明だったが、授業が進むにつれてより詳細に、この指示的な説 明を加えることが必要である。
4.5.第1時終了時点でのアンケート結果分析 一拍出生徒を中心に−
第1時の終了時に、説明(主に<イ><ウ>)とそれを受けてからの朗読の聞き取りの実態を っかむために、記名式のアンケート調査「授業の確かめ」を5分程度で実施した。質問事項は8項 目で、題名、作者名、時代、季節、場所、主人公名、主人公の年齢、あらすじについて尋ねた。
正答率03が高かった項目は、題名と時代と季節と年齢で100%〜95%。作者名を正しく漢字で書
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けている者は40%しかいなかったが、ひらがなを可とすると95%になる。場所を問う項目の正答 率は45%、主人公名の漢字による正答率は66%と低かった。
全般的に見て、総合正答率が50%以下の生徒はおらず、平均78%(作者名のひらがなを可とし た場合は85%)の正答率であったことから、説明<イ><ウ>は生徒に受け入れられていたと 言えよう。質問事項に対して誤答・無答がまったくなかったのは男子2名・女子7名の24%だった。
抽出生徒Eはその中の1名である。誤答・無答の項目数はAが1、Bが2、Cが3、Dが2だった。
抽出生徒は「トロッコ」のあらすじを次のようにまとめている。
A−良平がトロッコをおしていき、最後にけん命に走るお話。
B一少年があこがれていた、トロッコなのに、すごく遠い所までいってしまって、くやしい気 持ちになってしまった話だった。
C−トロッコをおしたがっている少年がいるというお話 D一少年がトロッコに乗るのをあこがれていた話
E−主人公の少年が二人の土工にトロッコに乗せてもらい、一人で暗い夜道を走って帰ってく る話。
A、B、Eのように「トロッコ」が往路と復路の展開がある話だととらえている生徒は約半数 で、片道の話だとまとめた生徒が13%、CやDのように良平のあこがれだけを答えた生徒が18%
いた。往路と復路という構成に気づかせる説明のあり方を再検討する必要がある。回答時問が短 かったこともあってか、二割弱の生徒がこの項目に対して無答だった。
5.話し合いの段階での説明
5.1.司会担当生徒への説明
前時(第3時)に提出された「テーマ報告カード」によって教師が事前にテーマq4を把握し、
グルーピングをおこなった。テーマ別討議での司会担当生徒の決定や、説明<ェ>を準備するた めに必要な営みである。
司会担当生徒への事前指導は説明<ア>に相当する。始業前に司会依頼を兼ねて、討議の進め 方(主に発言の求め方)を「司会の手引き」というプリントを使って説明した。
5.2.テーマ別討議をスムーズに始めるための説明
本時(第4時)の学習をスムーズに始めるために、次のような説明<ア>をおこなった。「い ま返したカードに自分のグループが書いてあるやろ。ではグループに分かれてもらいます。机ご と移動。どこへ移動するかはこっち見て」机の移動をスムーズにおこなうために、グループの位 置を教師が指示した。気になるグループがあれば見やすい位置に設定できるメリットもある。口 頭ではなくOHPを用いて図示したので混乱がなかった。
司会担当生徒に「考えるヒント付きメモ用紙」をグループの人数分渡して、机問指導を待たず に討議が始められるよう配慮した。ヒントとして書いたことがらは説明<ェ>にあたり、その内 容は例えばaグループに対して、良平のあこがれが括かれている描写を見つけよう、自分自身が 何かに強くあこがれたことがないか思い出してみよう、bグループに対して、自分ならば帰ると 言えたか考えよう、良平の性格を読みとろうなどである。
生徒が机の移動をしている時間に、前時に用いた往復の行程を詳細に示した絵図q豆を掲示した。
b・d・e・fの各グループが討議を進めるのに役立っと思われたからである。次のように述べ た。「話し合ってる途中で、良平の行き来した道のりを碓認したくなったら、前のこの図を参考 にしてください。前に見に来てもかまいません。場面をきちんと押さえようね」
この絵図は説明<ェ><オ>を側面から支えるうえで大いに役立った。いちばん印象に残った 説明を問うアンケートQeに、4名の生徒がこの絵図だったと回答している。
5.3. グループ別の説明
討議開始後は机間指導によって、グループまたは個人に対して説明<ア><ェ>を加えた。例 えば次のようなものである。
aグループに説明<ア>として、「そうそう、感想文を書くためのヒントをっかむ。そのため の話し合いや」と述べた。fグループの抽出生徒Cに説明<エ>として、「(Cのメモを読みなが ら)家に帰るとほっとして泣いた、うん、そうやね。じゃあ、帰るまでの道のりではどんな気持 ちやったんかな」と尋ねると、Cが「命さえ助かれば」と答えた。そこでさらに説明<ェ>とし て、「○○さん(他のグループの生徒)は、命さえっていうのは大げさすぎるって言ってたよ。
君らはどう思うか、もうちょっと話し合ってごらん」とうながした。
討議の後半になると話し合いはかなり活発になり、bグループでは「何が気になるの?」「な んでそこがひっかかるの?」など、説明<ェ>に相当する発言が生徒間に見られた。
5.4.感想をまとめることを意識させるための説明
テーマ別討議を終えて、感想をまとめることを意識させるための説明に移った。これは説明<
ア><ェ>の要素を併せ持っものである。具体的には、対象学級の夏休みの読書感想文を題材に して、題名に工夫を凝らす(それによって文章が個性的になりテーマが明瞭になる)ことや、カギカッ コの使い方を中心に表記上の留意点を述べた。説明の要点はTPシートとプリントで準備し、座 席はグループのままにした。書き始めてからも簡単な相談ができるようにと考えてのことである。
5.5.抽出生徒の様子
Aは男子ばかり5名のdグループで、印象に残った場面というテーマで話し合った。当初は、
「若い土工はなぜトロッコを押してもいいと言ったのか」をテーマにしていたが、討議が進むに つれて良平が泣く場面に着目しはじめた。後半は討議にはあまり参加せず、自分の体験との比較 をしていた様子である。
Bのaグループは、トロッコへのあこがれをテーマとしていた。討議の前半では「菓子を食べ ながら走ったらよかったのに」と真剣に述べていた。
Cのfグループは、良平が途中で泣かずに家で泣き続けた理由をテーマに話し合った。司会生 徒は手際よく討議を進めたが、その内容をメモして感想文に活用するという手続きが少し難しそ
うだった。
Dはテーマ報告用紙に、「少年がトロッコに乗ったときのこと。走って帰ったときの少年のこ と。」と書き、eグループに属した。討議終了の時点(第4時途中)で原稿用紙に「トロッコに 乗った少年」という題名を記した。第1時終了の時点で三分の二以上の生徒が良平という固有名 詞を用いていたことを考えると、この「少年」という題名のつけかたは、Dという生徒の実態を 考察するうえで注目に値することである。感想文を書き始めてまもなく、比較的仲の良い隣席の
自ら立つ地平線を築くための国語科の授業研究(1)
生徒と言葉を交わして、題名を「トロッコに乗った良平」と改めた。
Eは友人と2名だけのgグループで、討議と言うよりも相談に近い形態で二十六歳の良平がこ のときのことを思い出す理由について考えたが、交わされる言葉数は少なくメモも進まなかった。
授業後のアンケートで、授業全体を「どちらかといえばよかった」「どちらかといえば楽しかっ た」と否定はしないものの、説明の量は「どちらかといえば多すぎた」し、説明によって自分の 考えを深めることが「できなかった」と回答欄している。学力的に高い位置にあるEは、自分で 調べたり考えたりする学習を望んでいるようである。
6.感想を発表する段階での説明
6.1.読みの着眼点についての説明
発表生徒は各グループから1〜2名を指名して9名になった。指名の基準は着眼点が個性的であ ること、表現をとらえていることとした。授業では説明<ェ><オ>を強く意識し、発表生徒の 着眼の優れていることを具体的に示して読みの交流を図った。
一例を挙げると、aグループの発表生徒が「ぼくも今とても飛行機に乗りたい」と自分に引き つけて良平をとらえている点や、「あおるように車台が動いたり、土工のはんてんのすそがひら ついたりしているのが、良平にはかっこよく見えたのだろう」と表現に即してとらえている点を 評価したのである。この生徒の発表は、説明<ア><ェ><オ>につながっていく。特に表現に 即している点で、説明<オ>に生かすことができた。
9名の発表を通して、読みの着眼点は多数あり、主題や心情のとらえ方も一つに限定されるも のではないという説明<ェ>はかなりできた。 しかし9名という発表者数は、聞く側の集中力と いう面からはやや多かった。
6.2.授業のまとめ
教師によるまとめに替えて、良平と事件の出会い、生徒と作品の出会い、生徒と孤独や不安と の出会いなど、出会いをテーマに教師自身の読書経験を話し、芥川龍之介の紹介プリントを配付
し、芥川作品の文庫本出版状況や図書室の配架位置にふれて授業を終了した。
今回のまとめでは、説明<オ>にあたる解釈的な説明についてふれることがあまりできなかっ たが、生徒は第一学年である。来年度以降の文学教材の発展学習に、説明<オ>を位置づけるこ
とが可能であるし、またそうすべきである。
6.3.感想文の事後指導について
感想文は225字詰めの用紙に記述させた。市販の400字詰めのものに比べて、量的抵抗感を軽減 することができ、教師のコメントも記入しやすかった。記述量は、枚数的には1〜7枚(平均2.2 枚)、字数で見ればほとんどの生徒が400字程度記述していた。
感想文の事後指導を通して、個人に対して説明<ェ>を加えることができる。今回の実践では 説明の対象が、学級全体→グループ→個人へと絞られてきた。しかし、もっとも密度の高い説明 であるべき、個人を対象とした説明<ェ>の形態が、感想文を媒介にした事後指導でよいとは思 われない。やはり説明<ェ>は、話し合いの段階で形成的になされることが自然であろう。
そういう意味では、授業で取り上げた9つの感想文も、取り上げることができずに朱を入れた
だけで返却した感想文も、それらを題材にした二度Hの話し合い活動を設定することによって、
いっそう読みを深化させる題材として生かし切ることができるのではないだろうか。説明<ェ>
は、実はこの二度目の話し合い活動でこそ大きな役割を果たすものではないかと考察する。
今回はそこに至らない事後指導で終わってしまったが、感想を発表する段階での説明は、学級 全体に対してあるレベルまで説明<ェ><オ>の共有をもたらすと同時に、生徒一人一人の実態
に応じた他者評価としての役割を果たすことができた。
6.4.抽出生徒の感想について
Bは「菓子を食べながら走ればよかった」からは脱皮したが、時代背景を十分に唄噂できてい なかった。Cは話し合いによって深められた読みをうまくまとめた。Dが家庭学習で書いてきた 感想文の後半では良平という呼称が安定して用いられ、良平の心情への共感的理解もみられる。
Eは「こどく」というキーワードを自己ゐものとして使用している。
今回の実践の中でもっとも印象深いもののひとつであるAの感想の一部を紹介する。
しかし、絶望しているだけでは状況は何も変わらないことを知った良平は、とにかく走り 続けた。絶望の谷底に突き落とされた自分を脱出させるために、無我夢中で走った。浅はか
だった自分に後悔するゆとりもなく必死に走り続けたのだと思う。(中略)
僕は、良平のような状況になった経験はない。慎重なタイプだからだ。でも、自分の思いと は状況がどんどんと違っていったことはある。あせってくる…。つい逃げ出したくなる。で も、必死になることはなかったと思う。
しかし、良平は必死になった。絶望の底に突き落とされた自分を脱出させるために。
そんな必死になった幼い日の自分を今、取りもどしたいと思っているのではないか。今の自 分から脱出するために……。 (「絶望、そして脱出」・全文約800字縦書き)
7.結語と今後の課題
以上、教師の説明を軸とした「トロッコ」の授業について分析と考察を試みてきたが、次のよ うな成果(彰(診③を得ることができ、課題④⑤(釘が明らかになった。
(彰 学習の進め方にかかわる説明<ア>は、生徒の思考を限定あるいは画一化することにはつ ながらず、むしろ思考手順や思考対象を明確化し、学習意欲を向上させるうえで大切な役割 を果たす。
② 時代性や地域性を反映している語句などについては、予め教師が資料を用意し、視聴覚機 器を活用しながら説明することにより、作品自体が有する文学的価値追求の時間を保障する
ことができる。
本研究では導入の段階で重点的に説明<イ><ウ>を加え、生徒もこれをおおむねプラス に評価している。作品の文学的価値を、時代性や地域性あるいは語句の意味の確認(語彙の 拡充)だけに求めるのでなければ、生徒が限られた時間の中で密度の濃い学習を展開するた
めに、教師は説明<イ>くり>の準備に重きをおくべきである。
③ 生徒の読みにかかわる説明<ェ>は、助言的、発問的な説明としてなされたときに、その 授業を豊かに成立させ、生徒一人一人が自ら立つ地平を築く力を伸ばすことへとつながって いく。これは生徒の読みの尊重を第一に考える授業と対立する性質のものではない。よく吟 味された教師の説明こそが、生徒の読みを豊かにしていくのである。
自ら立っ地平線を築くための国語科の授業研究(1)
また、感想を発表する段階での説明<ェ>は、一人一人の生徒の読みの実態に応じた教師 による他者評価として、また一人一人の生徒にとっては、本教材の学習内容とその方法に関 する自己評価として位置づけることができる。
④ 本研究では、解釈的な説明<オ>についての考察が十分できなかった。生徒の思考を限定 あるいは画一化することを避けつつ、文学研究の現到達点を示しうる解釈的な説明のあり方 を検証していかねばならない。
⑤ ①と②については、一斉ならびに小集団という授業形態から導かれた内容であり、一人一 人の生徒の実態に即して行われた説明ではないため、その説明が一人一人の生徒にとってど のような意味を有したのか、その客観性と妥当性について事実に即して検証されなければな
らない。
⑥ ③については、一教材の授業実践から導かれた内容であり、その説明の有する教育的価値 については、次なる単元・教材との関係において検証されなければならない。
本研究を通して、「自ら立っ地平を築く」主体はあくまでも一人一人の生徒であるが、そのこ とと教師の説明とは対立項として存在するのではなく、両者はあくまでも緊密な関係にあって、
一方がもう一方を退けるのではないことがわかってきた。今後は両者の関係をよりシステム的に 記述できるよう、また④(診(砂に記した課題解決に向かってさらに実践を積み重ねていきたい。
(附記)
本研究を進めるに際して、勤務校の斑鳩中学校校長岡田泰治先生をはじめとして教務時間割担 当の先生、第一学年担任団の先生方、国語科の先生方、とりわけ授業クラス担当の雑賀めぐみ先 生にはたいへんお世話になった。教材文の抜刷を快くお引き受けくださったのは、三省堂国語教 科書編集室の木下朗氏である。突然の公開研究授業であったにもかかわらず意欲的に学習に取り 組んでくれた生徒諸君に対しても、ここに記して心からの謝意を表したい。
(注)
(1)三好行雄編『別冊国文学芥川龍之介必携』学燈社昭和54(1979)年p.79p.226など
(2)例えばこの時期の「トロッコ」への言及には次のようなものがある。
主題についての触れた論考として望月辰夫代表執筆の「『トロッコ』をめぐって(『教育科 学国語教育』第24号明治図書昭和36(1961)年1月pp.95−100)、指導法について古田拡が
『教育科学国語教育』(明治図書)に連載した「授業分析の観点を求めて」の当該号(第73号 昭和39(1964)年11月pp.119−125、第74号昭和39(1964)年12月pp.120−125、第75号昭 和40(1965)年1月pp.121−126)、小学六年生の感想文を分析した小原フサの「芥川竜之介
『トロッコ』」(『日本文学』第158号日本文学協会昭和41(1966)年7月pp.24−32)など。
(3)導入に重点を置いた指導には、堤亮二「全員の問題意識で組み立てる導入指導」(『教育 科学国語教育』第189号明治図書昭和49(1974)年4月pp,79−83)や、宮下勅夫「中学 校段階における学習者研究」(『教育科学国語教育』第226号明治図書昭和51(1976)年12月 pp.44−49)などがある。
全体の構成に着目した指導には、表現力育成を念頭に置いた野田哲也の「中学校の読み取 り指導の改善(二)」(『教育科学国語教育』第243号明治図書昭和53(1978)年2月pp.56 − 61)などがある。
良平の心情や情景描写に着目した指導は数多いが、『国語科学習状況の評価を生かした指 導事例』第1学年(小林一仁他編明治図書昭和57(1982)年pp.39−44)に収められた安藤 修平の論考や、F読み方授業のための教材分析』第6巻(市毛勝雄他編明治図書昭和58(19 83)年pp.47−62)に収められた佐藤洋一の論考などが代表的であろう。
(4)奥田真丈他監修『現代学校教育大事典』第4巻ぎょうせい平成5(1993)年p.475
(5)「説明」を分類するにあたって、内田松夫「学習形成上の絶対条件」『小学校・中学校 学習指導案作成の手引き −基礎・事例編−』岡崎市教育課程研究委員会他編集平成4(199 2)年pp.54−58を参考にした。
(6)松本典久『軽便鉄道』保育社昭和57(1982)年
(7)本稿「4.5 第1時終了時点でのアンケート結果分析」参照。
(8)『〈明治百年〉の歴史』明治編/大正・昭和編講談社昭和43(1968)年
(9)12月20日(土)第2校時の後半15分を事後のアンケートにあて、授業全体の印象、理解につ いての自己評価、説明の量とその効果に関する自己評価などについて回答を得たが、好意的 に過ぎる回答が目立った(否定的印象や理解できなかったと回答した生徒が二人ずつしかい なかった)ことなどから、本稿ではこれを分析する節を設けなかった。
(10)(6)に同じ。
(11)授業実施校は光村図書の『国語1』を使用している。
(12)(9)に同じ。
(13)百分率の小数第一位を四捨五入した。分母数は障害児学級在籍生徒を除いた38である。
(14)本稿「3.2授業経過」の第4時に、テーマ7つを示してある。
(15)国語科で縦書きの板書をしている場合、通常は絵図も右から左へと措くものであろう。し かし、今回はあえて往路を左から右に描いて帰路をその下部に付した。小田原・熱海の地図 上の位置関係を図表に取り込み、海が左右どちらに見えるかをリアリティをもって理解させ たかったからである。
良平の家から岩村までの距離の三、四倍もある片道の行程を、大西忠治の指摘(『「トロッ コ」の読み方指導』明治図書平成5(1993)年pp.20−40)などに従って、約3キロメート ルと考えた。黒板の横幅にあわせて、1センチメートルが10メートルとなる縮尺で、良平が 初めてトロッコを押した「十間」やみかん佃までの「五、六町」などの距離を示し、勾配も 可能な限り表現に忠実に描いた。舞台設定に関して、リアリティを尊重したいとの考えによ るものである。
なお、優れた風景描写や心情描写を抜き出してこの絵図に添えて、豊かな表現に気づかせ ることをねらった。抜き出した描写は「両側のみかん佃に、黄色い実がいくつも日を受けて いる」「みかん佃のにおいをあおりながら、ひた滑りに線路を走り出した」「つま先上がりの ところどころには、赤さびの線路も見えないほど、落ち葉のたまっている場所もあった」
「広々とうすら寒い海が開けた」など13箇所である。
(16)(9)に同じ。
(17)Eと同じように「説明が多すぎ」て「考えを深めることができなかった」との回答が(9)
のアンケートで11%もあり、「説明を聞く」よりも「自分で調べること」を中心にした授業 の方が望ましいという回答が34%に達したことは、他が好意的であるだけにいっそう真撃 に受けとめなければならないと考えている。なお、数字については(13)に同じである。