彩色・無彩色図形における刺激 特性について
― 因 子 分 析 に よ る 試 み ―
l門 前 豊 志 子
簡単な図形刺激を用いて,動きの投影甲メカニズ与を明 らかにする試みの一 環 として,前回は,図形に投影 されたイメージの分析 を行ない,その結果,黒 い色彩 昼情緒的不安を喚起 し,動 きを極端に,・抑制 したり,促進 したりするこ とが明 らかとなった.その際,図形の形態もイメージの形成や情緒状態に影響 を与えていることが示唆された。従って,図形刺激の特性 を捉えることによっ■ て,これまで推測 してきた刺激側面における要因を,客観的,科学的に位置づ けることができれば、.投影のメカニズムを解明するうえに,有効な手がか りと なるであろうと思われた。
‑ これまで図形刺激特性について 恥 門前 (1982,1983,1984)の結果よ.り.,具 象的図形と非具象的図形,あいまい図形 とあいまいでない図形,色彩図形 と無 色彩図形,、安定.した図形と不安定 な図形 という側面が考え られるのではないか
‑と推論 してきたo今回は.,潤 論の域孝でなかったこれ ら刺激側面の諸特性 につ いて,可 能な限 り客観的な分析 を試み,その特性 を明 らかにしてみようと思 う。
、′ J′目的
‑∴個体の情緒状態やイメージの形成に影響をあたえて,動 きの投影 を規定する と考え ら中る図形の刺激側面に着 目し,いかなる刺激特性が動きの投影 fl こ関係 しているかを明確にすることを目的とする。
.大別 して図形の色彩 と形態 という側面に二分 されるちとが推測されるが,色
105
彩と形態のより厳密な特性を捉えてみることを目的と したい。そうすることに ょって,個体が外界 を認識する一手段 としての投影のメカニズムについて,そ の理解 をより一層深める一助 となるであろうと考えられるo
方法
被験者 18‑19歳の学生,119名。被験者 を無作為につぎの4群 に分 けた。
1 Cdl群一快的な情緒状態におかれ,黒色 と白色図形の組み合わせからな る図形の系列 を提示 される群。
2 UCl群一不快 な情緒状態におかれ,黒色 と白色図形の組み合わせからな る図形の系列を提示 される群。
3 CO2群一快的な情緒状態におかれ,灰色 と白色図形 との組 み合わせか ら なる図形の系列 を提示 される群。
4 UC2群一不快な情緒状態 におかれ,灰色と白色図形 との組み合わせか ら なる図形の系列 を提示 される群。
情緒状態 上述 したように,快的な情緒状態と不快な情緒状態とを設定 した (図1参照)0
エ レク トーン演奏による協和音と不協和音 をそれぞれ録音 したものを使用 し た。刺激者の評定の信頼性と妥当性はすでに検証 されている (門前,1982)0
図形刺激 15枚の幾何学図形か らなる。きわめて単純な等辺図形が9枚と, 不等辺図形が11枚,および円形と円形の集合 した図形5枚か らなっている。そ れらの図形 は, ランダムに配列 されていて,15枚の図形の.'3示で黒色に彩色 さ れた図形が挿入 されている場合を黒色系列とよび,灰色に彩色 された図形が挿 入されている場合を灰色系列 とよぷ (図2参照)0
手続 き 実験 4群に,それぞれの情緒状熊 をひきおこさせるように∴部屋の 後方中央か ら左右のスピーカーを通 して,'適度な音量で実験が終了する\まで繰
り返 し音刺激をきかせる。
1
被験者は,その昔をききなが ら,前方スクリーンた,映写 されるスライ ドの
図形刺激 を,それぞれ5秒 間凝視するよう指示 されたのち,手元の記録用紙 に, 1‑,動きを感 じる程度, 2;‑動 きの早 さ, 3,動 きの方向性 について,それぞ . れ10秒間に記述するよう指示 される。
◆整理方法,1.動 きを感 じる程度 につ いて隼 15段階評定 (非常にかんじる・
かなりかんじる,ふつう,あまりかんじない,かんじない)にそ、それぞれ, 5, 4, 3, 2, 1の重 みをあたえた0 .2,動 きの早 さについては,早い・il? う・遅 いの3段階に区別を して,それぞれ3, 2, 1の重みをあたえた. 31,動 きの 方向性 については,矢印にて,その方向を記述 させた結果を20通 りに類別 して;
それぞれの方向を数字であ らわ し,コンピューターにて統計的処理 を行 なった。
本実験の主 目的である図形刺激特性の分析 は, コンピューターを活用 して, バ リマ ックス回転による因子分析によって,因子 を抽出 し,刺激特性 をあ らわ す因子 を兄いだすことに した (田中 豊 ・脇本和昌,1983)0
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図形番号 1 2 3 4 5 ̲p6■■ 7 図 準
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図2.図形刺激 (同一の図形で黒色と灰色系列がある)
結果
動 きと図形刺激 との関係 についての結果を報告するふ
① 動きをかん じる程度についてのF検定1要因の結果,p<0.5で有意差 をし め した図形 は,図3, 4, 5, 7, 8, 9,10,12,14である。図5, 7, 9 以外 は,彩色図形である。形態に関 しては,三角形以外のすべての形態 を含ん
I
でいるoまた, どの図形 に於 しさても,UCl群が他あ 3一群 よりも,動きをかん じる程度の強い結果を しめ した。 ∴ 1
② 同 じく, 4群間と図形刺激間の̲2要因甲F検定結果で旦 4群間隼おいて, F‑9.609,p<0.1,図形刺激間において,i‑r9.971,p<0.1,で それぞれ有 意差が認め られ1=O‑また,交互作用 もF‑1.792,p<0.1で認められた。
その結果,CO2群>COl群,UCl群>UC2群 とな り;図1, 3, 7, 14に有意差が認められた。
③ 動きの早 さについてのF検定 1要因Q?.検定結果では,̲p<0.
5
で有意差を示 した図形 は,図6, 7, 9,10,12であ 1群が,UC2群∴COl群 よ りも早い動 きの速度を投影することが認められた。図10と図12とは,彩色図形であり,図6, 7とは,〜や 、̲類似の傾向を有する 形態をもつ図形である。
UCl群 とCO2群間には,有意差は認められなかった。
④ 同 じく, 4群間と図形刺激間の2要因のF検定結果では, F ‑ 8.102, p<
0.1, F‑ 9.541, p< 9,1̀でそれぞれ有意差が認め られた。
‑,まT=,交互作用 も, F‑ 1・7r66, p< 0・1で認められたoI
その結果,CO 2群> COl群, UC 2群< UCl群 とな り,‑ CO 2群 とUCi, I
群 との間には有意差は,認め、られなかった.図1,図7,図14において,'特 に
顕著な差が認められた . 〜
つ ぎに,図形刺激の特性 を抽出するためにおこなった因子分析の結果は,下 記の通 りである。
表lt
+ … … FACTORANALYSIS (PRtNCJPALFACTORL忙T110D】★ ★ ★ …
r ・ Number'ofVarlable5 30
NumberofSamples t19
17人U8T7.つー﹀JotJ'71350119520d「3999553795t69T7.85797Ln86‑ILL.)・7・16528LI.)2028441944.NつJ575d「6日U363355832561L'47‑.q6.I.35583A。・。・■・●・・一.・・・・・●・●・・・〇・●,●・.●E1‑‑1.1;12‑ll‑‑IllllIl;〜」2‑ll‑I‑‑I
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注※
表2 L
∫
+◆◆◆CORRELATIONMATRlXr+++◆
1 2 E 3
1 0.894
2 0.464 0.958
3 0.371 0.362 0.863
109
6hunU.q6lUhU7d︼53055846coLE799‑346‑30‑7813,ICG9397382985lU97216972Od741106・599878169767806677878079867906D・・・.。・・・・.・・●●・●●■●。・●・●●●・↑・・・hUnunU000‑1nUnVOnU0∧U10000∩VolUl1000nulUO1人US
l
洋{varlablel I‑15黒色系列図形
VarLatlIc5 16‑30灰色系列図形
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