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熊本大学 発生医学研究所
(薬学部・医学教育部・社会文化科学研究科)くわみず病院 内科睡眠障害外来
粂
和 彦
医学部生理学講義
医学部生理学講義
生物時計と睡眠覚醒制御
生物時計と睡眠覚醒制御
K.Kume 2009. 7. 16. 2自己紹介を兼ねて
専門1.分子生物学・神経科学 睡眠・覚醒制御と体内時計の分子機構 =>原始的な意識(志向性)などに興味がある 専門2.内科・睡眠医療 睡眠障害診療(ナルコレプシーなどの病気) =>エンハンスメントなどに関係 専門3.生命倫理・医療倫理 患者の自己決定権・愚行権・医師患者関係 =>「自己」 ・「心」の哲学=>脳神経倫理学専門1:自然科学
分子生物学者として
4熊本大学 発生医学研究所
12研究室 若手中心:5年任期 2002年-2007年 21世紀COEプログラム (23大学28プログラム) ↓ 2007年-2012年 グローバルCOE(生命科学) (13大学13プログラム) ↓ 2009年 研究センター→研究所に格上 2005年9月開設の新棟ショウジョウバエを用いた睡眠研究
ハエ カメラ ホルダー 拡大 5% glucose液 を含むスポンジ台 記録電極(脳) Evans Blue in ACSF リファレンス 電極(複眼) ACSF ハエ ハエの脳の解剖写真 パワースペクトル 測定 値 動画ハエの脳からのLFP 測定
講談社現代新書
時間の分子生物学
第35回
講談社出版文化賞
科学出版賞受賞
概日周期と睡眠制御
8熊大ブックレット
熊大
知のフロンティア
講演会
(2008年2月)
専門2: 医療
睡眠医療認定医として
11くわみず病院 (100床)
睡眠医療
認定医
2名
熊本県で3名
認定施設
熊本県で唯一
(全国約50)
九州では
久留米大に次ぐ規模
12睡眠障害相談室
開設 2000年12月 総アクセス約90万回 サイト経由の相談: 1600件以上受付Google キーワード
睡眠障害
2位
睡眠+悩み
1位
homepage2.nifty.com/sleep/
ちくま新書
眠りの悩み相談室
2007年6月発売
23人の典型的な悩みを
持つ方を紹介
睡眠障害の臨床
睡眠学の最初の教科書(2009)
睡眠の特徴
学際的
診療科横断的
↓
睡眠クリニック
睡眠科の独立
睡眠科学の教科書
Principles and Practice of Sleep Medicine (4th Edition) Meir H. Kryger, MD, Thomas Roth, PhD William C. Dement, MD, PhD
専門3:人文科学
哲学分野において
Neuroethics との出会い
182002年の会議の記録が
2005年10月に出版
立花隆とNHKが、
サイボーグ技術の特集
熊大生命倫理研究会で
2005年12月
に紹介
19
トロリー(トロッコ)問題 1
あなたの目の前の坂道を、トロリーが暴走してきた。
線路上で5人が作業中
このままでは、
5人とも死んでしまう
引き込み線があるが、
そこでも、1人が作業中
あなたは、ポイントを
切り替えるべきか?
20トロリー(トロッコ)問題 2
あなたの目の前の坂道を、トロリーが暴走してきた。
線路上で5人が作業中
このままでは、
5人とも死んでしまう
目の前の橋に男が一人
立っている。あなたは、
彼を突き落として、
5人を助けるべきか?
脳神経倫理学
ニューロエシックス
(2002年にできた学問分野) 世界で最初の教科書 (21人の専門家=哲学、 倫理学、法律家、社会学、 教育学、神経科学、医学、 などが執筆) 文学部・高橋教授と共同監訳脳と心の関係を勉強したい人、募集中
抄読会など計画中
睡眠の性質
ここから本題睡眠とは何か?
身体を休めている状態?
脳
を休めている状態?
意識
のない状態?
意識とは何か?
呼びかけて
反応がある
状態
=
客観的意識
=医学的定義(JCS1~300)
自分がいると感じている状態
=
主観的意識
意識と対応する言葉
同義語?
=
心
=客観的?主観的?
無意識、潜在意識
=
客観的意識
意識の「科学的性質」
大脳皮質
の機能
=>植物状態では、失われる
ただし、
局在的
ではない
(デカルト的な中心は、存在しない)
意識の「科学的性質」
大脳皮質を
上行性賦活系
が活性化
=>脳幹(背髄→延髄→
中脳網様体
→視床下部を介する)
この部分を破壊すると、意識が失われ、
抑制で、睡眠が現れる
麻酔などの神経抑制と意識
麻酔の強さ
神経細胞の
活動レベル
意識レベル
30 前 後 上 日本学術会議「おもしろ情報館」 http://www.scj.go.jp/omoshiro/ 痛みを感じる からだを動かす 考える 話を聞く 話をする ものを見る 横 後頭葉 側頭葉 前頭葉 頭頂葉31
A. 視床下部視索前野 (POA: preoptic area) B. 視床下部視索結節乳頭核 (TMN, Tubulomamilary nucreus) C. 中脳腹側腹側被蓋野(VTA, venrtral tectam area) D. 延髄青斑核(LC, Locus ceruleus) E. 視床下部外側部(Lateral hypothalamus) F. 中脳縫線核(RN, raphe nucleus) G. 視床下部視交叉上核(SCN, suprachiasmatic nucleus) C D A B G F E 眠る脳 (大脳皮質) 眠らせる脳 (脳幹)
睡眠中枢と覚醒中枢の概略
Karashima et al. 2007 BF MnPN VLPO PFA TMN DR LC PRF REM-on REM-off NREM / REM-on Wake / REM-onWake NREM REM
VLPO: 腹側外側視索前野 MnPN: 視索前野内側核 BF: 前脳基底核 PFA: 脳弓周囲領域 TMN: 結節乳頭核 DR: 背側縫線核 LC: 青斑核 PRF:橋網様体核
眠りには2種類ある
覚醒: β速波、閉眼時はα波 ノンレム睡眠 段階1:α波の徐波化と、Θ波の出現 段階2:睡眠紡錘波スピンドルと、K複合体の出現 段階3:3Hz以下のδ波が、20%-50% 段階4:δ波が、50%以上 レム睡眠: 鋸歯状波、速波、急速眼球運動 1秒 50μV 覚醒状態 浅い睡眠(紡錘波) 深い睡眠(徐波) 目だけが動いている、レム睡眠と、 それ以外の、ノンレム睡眠脳を休めるノンレム睡眠
レムではない睡眠(変な言葉です) 脳波は、ゆっくりとしたデルタ波に 起きている時の脳波 眠っている時の脳波夢を見る、不思議なレム睡眠
目玉
が、ぎょろぎょろ動いている
(まぶたは、閉じています)
体の力
が、ぐったり抜けている
脳は、
起きている
時のように、活発に
活動をしている
鮮やかな
夢
を、よく見ている
PGO波の生成が、特徴的:
=>橋レベルでブロック
36レム睡眠の不思議
脳波は、
覚醒
時と同じようなパターン
筋肉が
弛緩
する = 緩むこと
=>
脳の出口(橋)に遮断機
がある
=>目が覚める=>「
金縛り
」
=>
遮断機
が壊れると、
異常な寝ボケ
(レム睡眠行動異常)
37
ネズミの学習と夢の中での復習?
迷路での学習時 1Z
ZZ...
レム睡眠時の回想 (夢による再学習?) 記憶(学習)成立 記憶・学習障害???
レム睡眠の阻害 ストレスなど 1 2 3 4 38Neuronal activity pattern replayed during sleep
singing sleeping
(Dave & Margoliash, Science, 2000)
nucleus RA (motor pathway)
(Euston et al, Science, 2007)
medial prefrontal cortex
覚醒状態 3 4 2 1 レム睡眠
1
2
3
4
5
6
7
8
睡眠時間
ノンレム 睡眠睡眠のさまざまな段階
40眠りには、波がある
ZZZ・・覚醒
覚醒
3 4 2 1レム
レム
1 2 3 4 5 6 7 8睡眠 (時間)
60-120 minノンレム
ノンレム
なお、
90分の倍数
が起き易いは「神話」
哺乳類 鳥類 爬虫類の一部脊椎動物の睡眠の性質
爬虫類の多く 両生類 魚類 ノンレム睡眠とレム睡眠 レム睡眠がない 42睡眠の役割
眠らないとどうなるか?
43
眠らないと、どうなるか?
Bergmann et al. Sleep 12, 5 (1989) 44
眠らないと・・・
動物
は、死んでしまう!
人間
では、翌日には、眠気が強まる
=>注意力が下がる
記憶力
が悪くなる
=>仕事の効率が下がる
事故が多くなる
ホルモン
のバランスが崩れる
=>食欲が上がる
血圧が上がる
=>筋肉が減り、脂肪が増える
45断眠によるホルモンへの影響
断眠
コルチゾール↑ インスリン↑ レプチン↓ 異化作用↑ 脂肪貯蔵↑ 糖代謝変化 食欲↑↑ 筋肉増強↓筋肉減少
脂肪蓄積
? 46睡眠不足で切れやすくなる 1
扁桃体の活性が強まる
Yoo et al. Current Biology 17, R77 (2007)
眠った時
断眠した時
47
睡眠不足で切れやすくなる 2
前頭葉のつながりが弱まる
Yoo et al. Current Biology 17, R77 (2007)
断眠で
弱まる部分
48
睡眠の量的制御
眠くなるから、眠る!
49
睡眠を制御するもの: 二大要素
睡眠
の量と質は、
「眠気」
で決まる
「眠気」
=
「
昼間の活動
」
と
「
体内時計
」
「
昼間の活動
による
脳の疲れ
」
=>活発に活動すると、よく眠れる
昼寝をしてると、眠れない
「
体内時計
」
=>徹夜しても、明け方には目が冴える
時差ボケで眠る時間がずれる
50 脳の疲れによる 眠気の強さ 普段の眠気 普段の7時起床 2時間の 午睡 眠気が強い 眠気が弱い 7 12 19 1 7脳の疲れによる眠気
9 5 16 23 3 早起き 寝坊 普段の就寝時間 眠ると減る 51 目を覚ます強さ 強いほど、 眠気を弱める 7 12 19 1 7体内時計による目を覚ます作用
9 5 16 23 3 普段の就寝時間 日中強く、夜間に弱い 52 7 12 19 1 7ニつの要素を合わせたモデル
9 5 16 23 3 普段の就寝時間 体内時計の 覚醒信号 覚醒 睡眠 実際の眠気 体内時計の力で、日中は、 それほど眠くならない。 脳の疲れによる 眠気の強さ 睡眠負債の眠気(S) 覚醒 睡眠 覚醒 睡眠Two Process Model (Borbely, 1982)
実際の眠気 昼 夜 昼 夜 夜 体内時計の 覚醒信号(C) 体内時計の力で、日中は、 それほど眠くならない。 眠る前後に、 眠気が最大になる。 覚醒 覚醒 覚醒 睡眠 昼 夜 昼 夜 夜
徹夜明けに、すっきりする理由
体内時計の 覚醒信号(C) 残存する 睡眠不足 眠らないため、夜は、 どんどん眠気が増す 体内時計が朝になると、 少し、目が覚める 実際の眠気 睡眠負債 眠気(S)55 覚醒 睡眠 覚醒 睡眠 昼 夜 昼 夜 夜 体内時計の 覚醒信号(C)
体内時計のずれ = 時差ぼけ
時差で体内時計がずれる 夜の眠気が弱く、 深く眠れない 昼の眠気が ひどくなる 早朝に目が覚めてしまう 睡眠負債 眠気(S) 眠気 午前 午後 夜 午前 深夜 7 13 19 1 7 午後の眠気の山 夜の眠気の谷=眠れない時間 (フォービッドン・ゾーン) 深夜実際の眠気の日内変動
(Two Process Model の限界)
24時間周期の体内時計だけでは、 説明できない、山と谷がある =>12時間周期? 57
朝の光 => 時計の針を進める
朝6時
朝7時
58夜の光 => 時計の針を遅らせる
夜10時
夜9時
59体内時計の光によるリセット
時計が
進む
時計が
遅れる
朝
昼
夕
夜
朝
60その子の朝に、光が当たるのが重要
6
12
18
24
6
24
12
活 動 睡 眠 活 動 睡 眠 活 動 睡 眠 睡 眠 朝の光が、逆に働き、 リズムを遅くする! 正常なリズムの子 リズムが6時間遅れた子 朝の光が、 リズムを早める脳の疲れと睡眠
62
イルカは、脳の半分ずつが、眠る
63
運動した部分は、早く深く眠る
Huber et al. Nature 430, 78 (2004)
脳の右側ばかりを使う運動をする
右側が
よく眠る!
64では、体を動かさないと・・・
左手を三角巾で、12時間固定
Huber et al. Nature Neurosci. 9, 1169 (2006)
右側が
眠らない!
脳の時計と睡眠
66 Newton 2004年7月号
生物時計とは
さまざまな形で時間を測る仕組み
1.発生を刻む時計
=>プログラム
2.代謝活動を刻む時計=>タイマー
3.共時性を測る時計 =>スイッチ
4.
自律して時を刻む時計
=>クロック
秒、分、時間、日、月、年・・・
概日周期(サーカディアンリズム)とは
FRP = 23.8 h FRP = 22.5 h 1. 約24時間周期の時計 サーカ = 約 ディアン = 1日=24時間 2. 外部から調節可能 光などにより、進み遅れを 修正することができる 3. 自律して動く 外部の環境が一定でも、 時を刻み続けることができる 4. 温度(体温)変化に抵抗性 体温が変わっても同じ周期を 保ち続ける LD DD マウス(夜行性)の運動リズム生物時計(概日周期)の必要性
1.
時刻
を知る:今、やるべきこと
2.
季節
を知る:この季節にやるべきこと
(日照時間を測ることによる)
3.
方角
を知る:渡り鳥の「羅針盤」
(時刻と太陽の方向から、方角を計算)
概日周期時計の一般的構成
入力系 (リセット) 出力系 光 環境因子 発振器 (時計本体)哺乳類の概日周期制御機構
1. 概日周期中枢:視床下部視交差上核Lesioning of SCN =supra chiasmatic nucleus results in compete abrogation of the circadian rhythm in a whole body. 2. 時計本体:ここの神経細胞
Approx. 10,000 neurons has their own rhythm, manifested by cyclic change in their electrical activities, and synchronized by cell-cell interaction, probably using GABA.
3. 発振機構:
ネガティブフィードバック転写制御
Oscillation of certain proteins by the transcriptional regulation level is required to maintain the cycling of electrical activity.
脳幹間脳視床下部・視交叉上核 SCN
視交叉の上にある視交叉上核 (SCN: suprachiasmatic nucleus)
生物時計の構成
視交差上核は、全体が、ひとつの時計として働き、全身の時計を制御するが、 脳から取り出し、ばらばらにしても、個々の神経細胞一つ一つが独立した 生物時計として、24時間周期を刻むことができる。 個体の活動はSCNに 制御される SCN全体が統一した概日周期を示す SCNの個々の神経細胞も概日周期を示すSCN内の神経細胞の同調
1.GABAが同調因子になっている
2.全体が一様ではなく、内腹側(Dorsomedial)の
部分が、光依存的に反応=>その後、全体が同調
3.左右のSCNは、分離振動(split)することもある
=>ハムスターのLL条件実験(Bill Schwartz)
4.昼行性・夜行性と、SCNのピークは関係しない
SCN からのシグナル
SCN 破壊動物(ハムスター、ラット、マウス)に、
他の個体のSCNを移植するとリズムが戻る。
周期の異なる個体のSCNを移植すると、ドナーの
リズムになる
移植時にカプセルに入れても、リズムは戻る
=>液性因子の存在を示唆
ただし、神経性の制御もある
ベンザー、コノプカ、(+堀田)の発見
一つの遺伝子が、一つの
行動を制御できることを、
最初に示したのがベンザー
その材料が、ショウジョウバエ
シーモア・ベンザーの業績:
時間=>概日周期
愛 =>交尾(求愛)行動
記憶=>学習行動
=>1970年研究の紆余曲折
ピリオド変異株の発表: 1971年 1970~80年代前半 ピリオド変異株のチャンネルの開閉時間の研究 コートシップ・ソングの波長の差 ピリオド遺伝子のクローニング:1984年 最初は細胞外蛋白と考えられた タイムレス遺伝子のクローニング:1995年 哺乳類ピリオド遺伝子のクローニング:1997年生物時計の時計の針
時計の針はピリオド蛋白の量!? 朝 昼 夕 夜 朝 ピリオド蛋白量遺伝子から作られる蛋白質は、転写と翻訳の2段階で量の調節を受ける。 遺伝子 = DNA mRNA 蛋白質 どの細胞でも1組 転写量の調節 翻訳量の調節 発現量 多い 少ない 多い 少ない 多い 少ない 多い 少ない AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA 転写 翻訳
遺伝子の発現量の調節機構
ネガティブフィードバックによる発振機構
Xの遺伝子 転写 翻訳 XのmRNA Xの蛋白質 転写の抑制 AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA AAAA 多い 時間 AAAA 0 ① ② ③ ④ 蛋白質の量 mRNAの量 ⑥ ⑥ ⑤ AAAA AAAA 0時 24時 ⑦ 遺伝子Xの蛋白質が、自分自身の転写を抑制するという性質を 持つだけで、周期的な増減を作り出すことができる。ネガティブフィードバックによる発振機構
概日周期発振機構の詳細
TIM PER PER E-box CLK CYC TIM E-box TIM PER TIM PER CRY 光 + mPER mPER E-box CLOCK BMAL mPER E-box mCRY mCRY mCRY mCRY mPER + ショウジョウバエ 哺乳類 Left / Right mPER3 / mCRY2 mPER1 Merged image動物の概日周期遺伝子研究の進歩
1971年 ショウジョウバエ概日周期変異株(ピリオド)の発見 1984年 ショウジョウバエ・ピリオド遺伝子クローニング 1988年 ハムスター・タウ変異発見 1994年 マウス・クロック変異樹立 1995年 ショウジョウバエ・タイムレス遺伝子クローニング 1997年 マウス・クロック遺伝子クローニング 哺乳類ピリオド遺伝子群クローニング ショウジョウバエ・クロック遺伝子クローニング ショウジョウバエ・サイクル(哺乳類BMAL1)遺伝子クローニング 1998年 マウス・タイムレス遺伝子クローニング ショウジョウバエ・クリプトクローム遺伝子クローニング 1999年 クリプトクローム・ノックアウトマウス樹立 ピリオド(Per2)変異マウス樹立 哺乳類クリプトクローム遺伝子の機能解明 ナルコレプシーの原因としてのオレキシンの発見 2000年 ハムスター・タウ変異遺伝子クローニング=>カゼインキナーゼ 2001年 家族性睡眠相前進症候群でピリオド遺伝子変異の発見 2004年 システムバイオロジー的な、生物時計時刻(位相)決定法の開発 2005年 家族性睡眠相前進症候群でカゼインキナーゼ遺伝子変異の発見Nature 434, 640-5 (2005)
家族性睡眠相前進症候群
~カゼインキナーゼの変異
概日周期により制御されるもの
(ヒトの出力系)
眠気=>睡眠 種々のホルモン コルチコステロイド、メラトニン 体温など、種々の代謝 末梢の時計時計遺伝子発見のインパクト
1.細胞レベルでの時計があることが証明された
=>全ての細胞に、ピリオド遺伝子を中心とする
フィードバックループは構成できる
=>安定性は、同調性の問題
2.臓器レベルでの時計もある
=>SCNがたとえなくても、臓器レベルで
時計を刻むことが可能
中枢時計と末梢時計の関係
【中枢時計】
主に光で調節
【末梢時計】
中枢時計からの調節 + 各臓器・組織特異的な調節時間医学・時間治療学・時間薬理学
細胞分裂のアクロピークに合わせた抗癌剤投与 =>副作用が少なく、効果が高い、仕事をしながら治療可能 働きながら「がん」を治そう :馳沢憲二(集英社新書) 時間医学の進歩で、高カロリーの 輸液のしかたさえ変わった。生物時計研究の今後は?
1.入力系: リセットの機構には不明点がまだ多い 2.時計本体: 動物では、転写調節だけで、タンパクレベルでの 調節がコアになっている可能性はないか? 複数の時計の存在(=>摂食中枢のリズム) 3.出力系: 液性調節と神経系調節 末梢の時計の制御機構睡眠障害の分類 DSM-IV
睡眠障害 † 原発性睡眠障害† 睡眠異常 307.42 原発性不眠症 307.44 原発性過眠症 347 ナルコレプシー 780.59 呼吸関連睡眠障害 307.45 概日リズム睡眠障害 |>病型を特定せよ:睡眠相後退型, 時差型, 交代勤務型,特定不能型 307.47 特定不能の睡眠異常 睡眠時随伴症† 307.47 悪夢障害 307.46 睡眠驚愕障害 307.46 睡眠時遊行症 307.47 特定不能の睡眠時随伴症 他の精神疾患に関連した睡眠障害 † 307.42/44 ...[Ⅰ軸またはⅡ軸障害を 示すこと]に関連した不眠症/過眠症 他の睡眠障害† …[一般身体疾患を示すこと]… による睡眠障害睡眠の病気
時間があれば・・・ 大分類 中分類 睡眠障害の例 睡眠異常 内在因性 睡眠障害 精神生理性不眠、睡眠状態誤認、ナルコレプシー、特発性過眠症、 睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群、等 外在因性 睡眠障害 不適切な睡眠衛生、環境因性睡眠障害、など 概日リズム 睡眠障害 時差症候群、交代勤務睡眠障害、不規則型睡眠覚醒パターン、 睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒症候群 睡眠時 随伴症 覚醒障害 睡眠時遊行症、夜驚症(睡眠時驚愕症)、など 睡眠覚醒 移行障害 睡眠覚醒移行障害 その他の 睡眠時 随伴症 悪夢、睡眠麻痺、レム睡眠行動障害、など 睡眠時歯ぎしり、睡眠時遺尿症(夜尿症)、など 内科・精 神科的 睡眠障害 精神疾患 精神病、気分障害、不安障害、パニック障害、アルコール症 神経疾患 脳変性疾患、痴呆、パーキンソン病、睡眠関連てんかん、など 内科的疾 患に伴う 慢性閉塞性肺疾患、睡眠関連喘息、睡眠関連胃食道逆流、消化性潰 瘍、など 提案検討中 短時間睡眠者、長時間睡眠者、などICSD: International Code for Sleep Disorders