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インフィード型ネイティブ広告における

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2020年 3月修了

早稲田大学大学院商学研究科

修 士 論 文

題 目

インフィード型ネイティブ広告における

コンテンツのタイプとコンテクストコングルーイティ との相互作用による効果について

研究指導 広告理論研究 指導教員 嶋村 和恵 教授 学籍番号 35181058−3

氏 名 CHENG JUNRU (テイ シュンジュ)

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概要書

本研究では、インフィード型ネイティブ広告の効果について詳しく説明している。ネイティブ広 告とは、「ウェブページの中に隙間なく混ざり込めるようにデザインされた広告であり、ページの 見た目やそれぞれのプラットフォームに衝突しないように設けられている」と定義され、オンライ ンメディアにおいて頻繁に用いられるようになっている。インフィード型ネイティブ広告の属性と して、コンテンツのタイプおよびコンテクストコングルーイティが存在する。両者の組み合わせが 異なることによって、ユーザーのブランドに対する信頼度とブランドに対する態度が異なるという 結論が導き出された。

デジタル時代と共に進化している広告業界では、ネイティブ広告の応用がますます広がってい く。ユーザーは日々様々なメッセージを受け取り、解読し、判断を下すという一連の行動を繰り返 している。その行動の先に、積み重ねてきた知識と経験がある。広告だと認識された途端、広告の 受信を拒否されたり、反感を買ったり、ブランドに対する信頼感が下がったりするなどといったネ ガティブな反応につながりかねない。広告主はこれらのネガティブな反応をいかに避けて、経験も 知識も富むユーザーに広告を発信すべきかというある意味において矛盾した課題に取り組まなけれ ばならない。このような課題に取り組むために、ネイティブ広告のような自然とコンテンツに溶け 込み、ネガティブな感情を持たせないままにメッセージを伝える広告が主流となっている。また、

プラットフォームの違いにより、ネイティブ広告は形式に縛られずに変化したり、ブランドや商品 の特徴に応じて調整したりすることができる。

このような実務におけるネイティブ広告の発達に加えて、研究者の立場から見れば、ネイティブ 広告が新しい種類の広告として、今までとは違う効果や論説が続々と立ち上げられ、広告に関する 研究領域が広まっていくという研究価値も存在すると考えられる。先行論文によると、コンテンツ のタイプによって記事の内容がもたらす価値は異なる。その記事の価値によって、ユーザーにとっ てのインフィード型ネイティブ広告の価値も違うと考えられる。また、コンテクストコングルーイ ティも古くから広告効果に影響する一つの重要な要素として多くの研究蓄積がある。本研究では、

説得知識モデルに基づいて、両者の組み合わせによる相互作用がインフィード型ネイティブ広告に どのような影響を与えているかについて以下のような仮説を立てた。

仮説1:コンテンツのタイプとコングルーイティとの相互作用によって、コンテクストとの一貫 性の高い情報型インフィード型ネイティブ広告の方が読者のブランドに対するポジテイブな態度を 引き出せる。

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また、先行研究ではブランドに対する信頼度が、一つの媒介変数として、従属変数であるブラン ドに対する態度と説明変数であるコンテンツのタイプの間に存在していることが明らかにされてい る。したがって、それを踏まえ、ブランドに対する信頼度を媒介変数とした2つ目の仮説を立てる ことにした。

仮説2:ブランドに対する信頼度が一つの媒介変数として、広告価値とコンテクストコングルー イティとの相互効果はそれを経由して、ブランドに対する態度に影響する可能性がある。

また、上記の広告価値はコンテンツのタイプおよびコンテクストコングルーイティによって変化 していることが推察される。したがって、コンテンツのタイプおよびコンテクストコングルーイテ ィは、広告価値を媒介変数として、ブランドに対する信頼度を経由し、ブランドに対する態度に影 響を与えると考えられる。三番目の仮説は下記の通りである。

仮説3:コンテクストとの一貫性は広告価値に繋がっている。コンテクストとの一貫性を高くす ることで、広告価値が高まり、ブランドに対する態度にポジティブな影響を及ぼす。

仮説を導出した後、大学生を対象に2回のプレテストと本番の実験調査を実施した。プレテスト では、刺激物の変更と質問項目の調整を行った。1回目のプレテストでは、刺激物のマニピュレー ションが狙ったようにならなかったため、再度刺激物について検討を加えた。2回目で成功した刺 激物とアンケートを用いて、大学生を対象にして本調査を実施した。その結果、287人のデータを 収集することができた。これらのデータを用いて、分析の結果を導き出した。結論から言うと、3 つの仮説が全て証明された。

そして、今回の研究と調査の流れを考えた上で、今後の研究課題について3つの問題点を指摘し た。

1つ目は、実際に情報性と娯楽性が共存している記事もあり得ると考えられることである。した がって、刺激物を設定する際に、情報性と娯楽性の両方を含めている記事も用意し、情報型記事と 娯楽型記事との関係や効果について研究する必要がある。

2つ目は、ウェブページを利用するインフィード型ネイティブ広告だけでなく、ラジオ、テレ ビ、屋外広告などの様々な形態あるいはプラットフォームに合わせて、ネイティブ広告の形式や効

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果も異なると考えられる。したがって、今後の課題として、ラジオやテレビなどのプラットフォー ムによるネイティブ広告の影響および効果を研究することも必要と思われる。

3つ目は、刺激物の中で使われたテーマと素材を実際の状況に応じて調整していく必要があると いう点である。今回の研究では調査においてタピオカミルクティーをテーマにした刺激物を設定し た。しかし、タピオカのことをよく認識していない被験者や商品の展開が限られているような地域 では、結果が予想通りに行かなかった場合もあると考えられる。そのため、文化や教育の違う地域 あるいは国に住む人々を対象に、インフィード型ネイティブ広告の効果を探求することも本研究成 果の一般化を考えた場合に、今後の研究課題として考えられるだろう。

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目 次

概要書 ... 2

第1章 研究の背景と問題認識 ... 7

第1節 ネイティブ広告の研究背景 ... 7

第2節 問題認識 ... 10

第2章 ネイティブ広告の定義の変遷 ... 12

第1節 ネイティブ広告の定義について ... 12

第2節 ネイティブ広告の6つパターンについて ... 14

第3章 ネイティブ広告に関する先行研究 ... 16

第1節 ネイティブ広告に関する先行研究の2つの視点 ... 16

第2節 説得知識モデルとネイティブ広告との関係 ... 18

第3節 説得知識モデルの延長線上にあるCAREモデル ... 20

第4節 コンテクストコングルーイティの定義について ... 22

第5節 広告価値とネイティブ広告との関係 ... 23

第4章 仮説 ... 25

第1節 インフィードネイティブ広告の広告価値を評価する指標 ... 25

第2節 広告価値からブランドに対する態度までの経緯 ... 26

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第5章 プレテストと調整 ... 27

第1節 調査刺激 ... 27

第2節 1回目のアンケート ... 28

第3節 1回目のプレテストに対する調整 ... 29

第4節 2回目のプレテストと結果 ... 31

第5節 2回目プレテストの質問項目について ... 33

第6章 実験と分析 ... 36

第3節 分析の結果 ... 39

(1)仮1に関するANOVA分散分析の結果 ... 39

(2)仮2に関するSPSSのプロセスによる分析 ... 40

(3)仮3に関するSPSSのプロセスによる分析 ... 43

第7章 考察と今後の課題 ... 45

第1節 論文の構成と結論のまとめ ... 45

第2節 今回の研究から得た成果と苦労したこと ... 47

第3節 今後の課題 ... 48

参考文献 ... 50

付録2(1回目のプレテスト質問項目) ... 55

付録3(2回目のプレテスト質問項目) ... 57

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第1章 研究の背景と問 題認識

本章ではネット広告の世界において新しい形式として現れたネイティブ広告の発祥と変化、およ びネイティブ広告に関わる研究の背景について詳細に説明する。

第1節 ネイティブ広告の研究 背景

80年代には初めて「パソコン通信」における「画像広告」が誕生した。当時、ポータルサイト の中に出てきた「画像広告」は、まだクリックできない状態であった。その後、1993年に米国 Global Network Navigatorというポータルが最初にクリックできる広告を提供し始めた(JIAA ハン

ドブック2017)。翌年の1994年になるとHot Wiredという米国のオンラインメディアが、「バナ

ー広告」という名前で広告枠を販売するようになった。それから、インターネット広告の世界は少 しずつ広がりを見せるようになり、バナー広告枠のサイズの標準化も進んでいる。日本において も、ポータルサイトが次々と立ち上げられるようになった。特に、1996年は日本におけるデジタ ル広告業界の始まりだとも言われている。

ネット広告は長い間に大きな変化を遂げてきた。FlashやJavaScriptがもたらした動的なネット広 告、検索結果に関連している広告やソーシャルアドといったプラットフォームの多様性に応じて 様々な広告形態が出現することになった。

そして、このようなネット広告の活躍に対して、ユーザー側の反応はネガティブな方向に偏る傾 向が見られた。当時の米国の国内調査によると、バナー広告へのクリック率が劇的に下がっている ことも分かった。その原因として、ユーザーの使っているデバイスがモバイル化していおり、特に スマートフォンへのシフトが急速に増長しているということが背景として挙げられる(JIAA ハン

ドブック2017)。また、ユーザーの広告に対する回避が、著しくなってきたことも考えられる。

たとえば、ウェブサイト上の広告を強制的に排除するアドブロックツールと呼ばれるアプリを利用 するユーザーが増え、欧米を中心に大量の広告をウェブサイト上にばら撒くような現象が以前より 増加したことが、ユーザーからの指摘が増えていることからも明らかにされている。

そのようなネット広告環境を背景にして、従来型の広告とは方向性が異なり、当時の企業の抱え ていたマーケティング課題に対応し、より効率的に発信することができるネイティブ広告が生み出 された。

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しかし、ネイティブ広告の誕生に伴い、ネイティブ広告を巡る広告の悪用や不祥事が起きること もある。たとえば、2013年1月14日に、The Atlantic誌は公式サイトで宗教団体であるサイエント

ロジー(Scientology)に関わる記事を発表したという事件がある。広告を明示するために、「スポ

ンサーコンテンツ」というラベルがつけられた黄色のバナーだけは飾られた。しかし、記事が発表 された後、ほぼ即座に記事が炎上し投稿後12時間以内に削除されることになった。この原因に は、当該のネイティブ広告において編集コンテンツと広告コンテンツが混在していため、ユーザー からの反発を起こしたと考えられる。ブランド力のある質の高いメディアだからこそ、そのような 紛らわしい広告を掲載すべきではなかったと疑ったユーザーからの指摘に応え、同サイトは広告に ついて謝罪するとともに掲載を中止する措置を取った。

一方、日本において、「ネイティブ広告」という新しい言葉に対して、業界からは「記事体広告 やタイアップではないのか?」という声が続出していた。実際に、「ネイティブ広告」という言葉 は日本人にとってピンとこないかもしれない。「エイリアン」という外来の意味に対して、「ネイ ティブ」は「本土」や「土地固有的」の意味を指している。そういう意味を踏まえて、「ネイティ ブ広告」はユーザーに見てもらい、「コンテンツとしての広告」だと理解されている。確かに、ア メリカの広告慣習と日本の広告事情は異なるため、言葉の意味からも「ネイティブ広告」に対する 理解は容易ではないと考えられる。

そのような進化と指摘が共存している環境の下、しかしながら「ネイティブ広告」は頻繁に各ウ ェブサイトで活用されている。それと同時に、広告としての明示性がまだ足りないのではないかと いった議論もされている(Campbell and Marks, 2015)。インターネット広告の業界団体であるイン タラクティブ広告協議会(Interactive Advertising Bureau、下記、IABと呼ぶ)による消費者のネイ ティブ広告に対する認識についての調査結果から見れば、広告の発信源あるいは発信者に対する明 示性が不足するため、消費者がすぐに広告だと識別できないという割合は高い(Mane and Rubel,

2014)。ネイティブ広告から付加価値を感じられたり、役立つと思ったりする回答者は、調査の参

加者のわずか38%しか占めていなかったため、ネイティブ広告のウェブサイトに与える影響につ いての疑問も浮かび上がった。たとえば、Campbell and Marks(2015)は論文のなかで、ネイティ ブ広告について広告としての明示性を強調し、コンテンツのクオリティを高めれば自然とネイティ ブ広告は消費者に受け入れられ、予想通りの成果を手に入れるだろうと議論した。

ネイティブ広告に対して、米国における団体や広告関連企業、およびアプリ開発企業によって構 成される「受け入れられる広告宣言(Acceptable Ads Manifesto)」とIABによる「Light(軽い)、 Encrypted(暗号化)、Ad choices support(ユーザー側の自由選択権)、Noninvasive-Non-disruptive

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(ユーザー体験を邪魔しない)」の略語である「LEAN」 はとりわけ注目を浴びていた(JIAA

2017)。また、当時の広告に関連する団体や企業は、ユーザーのネットを利用する時の経験を積極

的に保護し、ウェブサイトにおける広告の数や動的要素を制限し、プライバシーに尊重するといっ た一連の協議を広告指針として呼びかけていた。

また、2015年12月22日に米国連邦取引委員会(Federal Trade Commission、以下FTCと呼ぶ) の発表したネイティブ広告に関するガイドラインにより、ネイティブ広告の進化につれて、ユーザ ーが広告とその他のコンテンツを見分けられなくなっているという問題を緩和することができると 考えられる。

たとえば、広告において曖昧な表現や言語を使わないようにすることがある。これまでのウェブ サイトにおけるネイティブ広告に対しては、広告であることを表記することを義務付けられたが、

明白な文言あるいは言葉は決められていない。その結果、「Advertisement(広告)」,「Spon- sored by(スポンサーとして提供している)」、「Promoted by(による販売促進です)」などの表 現が飛びかっていた。なぜなら、消費者がそういう表記に接触した際に、誰が広告しているのか、

誰によって発信されているのか、スポンサーが広告の作成に関わっているのかなどの問題に惑わさ れる可能性が高い。したがって、今回のガイドラインにおいて、そのような曖昧的で誤解を招きや すい表現は消費者を混乱させかねないと指摘されている。

FTCのガイドラインにおいて言葉の表現は、文言に止まらず、読みやすいフォントや色だった り、目立つ背景だったりといった明示性も強調された。言葉だけでなく、FTCのネイティブ広告 に対するガイドラインでは、広告表記の場所についても詳しく説明している。ネイティブ広告であ る旨を開示する場所と間隔は極めて重んじられている。広告についての明示をネイティブ広告の下 に配置すると、消費者がその情報開示に気づかずに広告をクリックしてしまうリスクが高いという 背景を踏まえ、見出しの直前または上部に広告であることを明確に説明する必要があると指摘して いる。

ネイティブ広告に関わる規則は、その変化に応じて複雑化しており、広告業界においての対策も 幅広い範囲になっている。その一方で、ネイティブ広告のネガティブな効果に対して、ネイティブ 広告によるポジティブな効果にも、当然のことながら、注目しなければならない。

たとえば、クッキーのオレオの事例がある。オレオクッキーの100周年を祝うために、キャンペ ーンの担当者はネットで100日間にわたって100種類のオレオを作成した。そのキャンペーンによ り、フォロワーとの関係を維持し、共鳴を起こし、毎日新しいコンテンツを提供することができる

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ようになった。結果として、次の作品を楽しみにしている消費者は増加し、オレオというブランド に対する好意を抱くファン層を築き上げることに成功したという(Campbell and Marks, 2015)。

広告であることを明示することはネイティブ広告の欠陥ではなく、義務であり、長所でもある。

いかに広告であることを隠蔽しようとしても、コンテンツが悪かったら、消費者からの反感を買 い、ネガティブな感情を招きかねない。ユーザーの経験を邪魔せずに受け入れてくれるための方策 を検討して、コンテンツに与えるポジティブな影響について適切に把握することを前提として、初 めて効果的なネイティブ広告が成り立つだろう。

第2節 問題認識

インターネットをはじめとする情報通信技術の発達により、伝統的なマスコミとは違う特徴を 持つネイティブ広告の繁盛が導き出された。情報が飛び交うデジタル時代において消費者は、スマ ホアプリ、ウェブサイト、室外などの様々なところから情報を受け取ったりすることができる。そ の中で、消費者が情報を能動的に探し出す場合もあれば、企業によってもたらされた情報を消費者 が受動的に受け取る場合もある。情報の量および質、いわゆる情報のクオリティにばらつきが出る ことを加えて、消費者から情報ないしは情報源への不信感、嫌悪のようなネガティブな感情があふ れてくることも考えられる。企業によるマーケティング活動に対する消費者の説得知識が蓄積され つつある状況下では、従来からある伝統的なマスコミ媒体がこれまでのように通用できるとは必ず しも考えられない。

そのために、デジタル技術を活用し、記事やコンテンツのなかに溶け込むようなネイティブ広告 は、消費者に意識されずに情報を提供することができるので、著しい広告効果を発揮している。で は、具体的に、広告価値の異なるネイティブ広告の場合、コンテクストコングルーイティを変えた ら、どのような効果あるいは影響が出るのだろうかという課題が本研究の目的意識にある。

インターネットにおいて広告の明示性が極めて強調されている現在では、広告の発信者としてい かに消費者のプライバシーを侵害せず、かつ反感を買わずにメッセージを伝えるかは問題となるだ ろう。

その中で、幾つかの研究者は、コンテンツのクオリティの重要性を呼びかけている(Campbell and Marks, 2015)。コンテンツに含まれている情報性と娯楽性を通じて、消費者との友好な関係を 築き、互いに理解し合った上で、より効率的に広告としての役割を果たすことができると論じてい る。たとえば、消費者は情報性に富むコンテンツを閲覧し、自分にとって役立つ情報を入手した場 合に、コンテンツないしはスポンサーにも好意的な態度を抱くと考えられる。もちろん、娯楽型の

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コンテンツの場合もそれに類似する効果を有すると考えられる。消費者はコンテンツから面白さを 感じて、掲載されたブランドや商品に対してポジティブな感情を抱える可能性が高くなる。

一方、コンテンツを考えると同時に、ネイティブ広告に関連する内容の一部として含まれている コンテクストを無視してはいけない。前述のようなフォント、色、サイズのような見た目でわかる ネイティブ広告の特徴に対して、コンテクストという文書としての特徴は見た目からでは簡単に気 づきにくい。しかし、コンテクストの違いにより、消費者の広告に対する認知度やブランドに対す る態度も変わると考えることができる。たとえば、バナー広告において、コンテクストの一貫性が 低い場合には、消費者が簡単に広告だと識別できてしまう。したがって、広告と記事あるいはコン テンツとの衝突が感じられ、ウェブサイトや広告に対してネガティブな感情を湧き出しかねない。

しかし、バナー広告とは正反対のネイティブ広告の場合、消費者の経験を尊重するためにコンテ クストの一貫性という属性が重んじられている。コンテンツの一貫性の高低により、消費者の広告 に対する態度、ブランドに対する信頼度、ブランドに対する態度などのような感情が、どのように 変化するのかは本研究の目的の一部である。

また、コンテンツのタイプが違う際に、コンテクストの一貫性の高低により、いかなる変化がも たらされるのかについても本研究で究明しようとする目的である。たとえば、情報型のコンテンツ と娯楽型のコンテンツは、コンテクストの一貫性の変化に応じて、必ず同じような結果をもたらす とは限らない。そのため、両者の相互作用により、消費者のブランドに対する信頼度、ブランドに 対する態度がいかなる影響を受けているのかについて、本研究で仮説を立てた上で実験を通じて、

結果を導き出す。

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第2章 ネイティブ広告の定義の変遷

ネイティブ広告の起源、発展、派生に伴い、それに対する定義も変化しつつある。本章では主に 各研究者によるネイティブ広告に対する様々な定義をまとめて紹介する。そして、今まで出てきた 6つのネイティブ広告のパターンをIABによる評価基準に基づいて説明する。

第1節 ネイティブ広告の定義について

ネイティブ広告とは何かという問題について、学界では盛んに議論されており、様々な定義が提 案されている。しかし、実際の種類が豊富で、形態も多様なネイティブ広告を、完全に包括して定 義づけることはまだ困難である。そこで第一節では、今まで提唱された様々なネイティブ広告の定 義を取り上げた上で、ネイティブ広告の概念を整理し、本研究で取り込むネイティブ広告の範囲を 明らかにする。

2012年のOMMA Global カンファレンス(Online Media, Marketing and Advertisingの略称であ る)で、アメリカのベンチャーキャピタリストであるFred Wilsonは“native monetization”(ネイティ ブによる利益化)という専門用語で一種類の特別な広告を意味づけようとしていた。それはユニー クでユーザーの経験にフィットする一つの新しい広告形式であり、今ではネイティブ広告とも呼ば れるものであったとされる(Marius, 2015)。

この時から、ネイティブ広告はユーザーのオンライン経験を邪魔せずに自然とウェブページに馴 染む能力を生かし、伝統的な広告に勝る利益を広告代理店やペイドメディアにもたらすことに成功 したとされている(Wojdynski and Evans, 2016)。したがって、編集者あるいは発信側から定義す れば、ネイティブ広告とは「ウェブページの中に隙間なく混ざり込めるようにデザインされた広告 であり、ページの見た目やそれぞれのプラットフォームに衝突しないように設けられている」と定 義される(I.A.B. 2013)。

しかし、このような仕組みについては、昔から議論され続けてきた。「ユーザーのネイティブ広 告に対する認識不足を利用する不審なもの」というネイティブ広告の効果に疑問を持つ説も出てき

た(Carlson, 2015)。しかし作者の本当の意図を隠し、ユーザーからの信頼を利用するステルスマ

ーケティングや記事広告と違い、ネイティブ広告はユーザーの経験に影響を与えない形で、広告を 明示したり、ユーザーからの抵抗心を弱くしたりすることができる(Campbell and Marks, 2015)。 したがって、消費者あるいは受信側からネイティブ広告を定義すれば、ネイティブ広告とは「コン

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テンツに溶け込むことで、ユーザーのオンラインエクスペリエンスへの干渉を最低限に抑え、注意 力を引き寄せる一種類の新しいオンライン広告」ということである。

実際のところ、効果的なネイティブ広告を発信するためには、多様な広告形式を利用し、ウェブ ページの中に入り込むだけでは足りない。周囲の環境に馴染み、記事やニュースに囲まれる環境で 生きていくために、時々ユーザーを困惑させたり、情報源あるいはメディアに対する不信感を招い てしまったりすることも有り得る。それを防ぐために、アメリカの公的機関であるFTC連邦取引 委員会は、ネイティブ広告の中でスポンサーシップを明示する必要および方法について詳しく説明

し、規定した(FTC 2015)。たとえば、ブランドのロゴを目立つところに配置したり、広告だと

明示する明白な用語を使ったりするなどといったルールがある。つまり、ネイティブ広告は、ネイ ティブ広告の構造からも定義することができると考えられる。ネイティブ広告とは「コンテンツ部 分」および「スポンサーシップ情報部分」という2つの要素によって構成され、「コンテンツ部 分」は一般的によくできた記事やニュースの形を取っている。一方、「スポンサーシップ情報部 分」はブランドの名前を伴って“PR”や“PR記事”などの言葉で広告である旨を明示する(I.A.B.

2013)。

図表2−1 ネイティブ広告に対する定義

出所 立場 定義

IAB2013

Interactive Advertising Bureau(IAB)オンライ ン広告に関連する非営利 団体

 ネイティブ広告はウェブページの 中に隙間なく混ざり込めるようにデ ザインされた広告であり、ページの 見た目やそれぞれのプラットフォー ムに衝突しないように設けられてい る。

Marius(2015)

2012OMMA Globalカン ファレンスでキャピタリ ストであるFred Wilson よって提出された。

 ネイティブ広告は、ユニークで ユーザーの体験にフィットする一種 類の新しい広告形式として生まれ た。

Colin and Lawrence2015

サンディエゴ大学の助教 授とケント州立大学の教

 ネイティブ広告とはコンテンツに 溶け込むことで、ユーザーのオンラ イン体験への干渉を最低限に抑え、

注意力を引き寄せる一種類の新しい オンライン広告ということである。

Schauster, Ferrucci and Neill2016

コロラド大学ボルダー校 の助教授とベイラー大学 の准教授

 ネイティブ広告とは有料広告の一 種類であり、広告主ではなくジャー ナリストによって作成されたコンテ ンツだと読者に思わせるため、より 好意的な態度を獲得できるというこ とである。

Wojdynski and Evans2016 ジョージア大学の準教授 と助教授

 ネイティブ広告とはユーザーのオ ンライン体験を邪魔せずに自然と ウェブページに馴染む能力を生か し、伝統的な広告に勝る利益を広告 代理店やペイドメディアにもたらす 新しい広告形式ということである

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第2節 ネイティブ広告の6 つパ ターンについて

ネイティブ広告を他の広告から区別するために、IAB(2013)による一般的に使用されているネ イティブ広告のタイプを紹介する。1.インフィード型、2.ペイドサーチ型、3.レコメンドウ ィジェット型、4.プロモートリスティング型、5、ネイティブ要素を持つインアド型(IABスタ ンダード)、6.カスタム型という6つのパターンがある。

また、ネイティブ広告を選択・評価するにあたり、ブランドの目的と合致するため、形式、機 能、統合、バイイングとターゲティング、計測指標、広告の明示性という6つのポイントを検討す る必要がある。この6つのポイントを併せてIABネイティブアド評価フレームワークと呼ぶ。 6つのネイティブ広告のパターンは、以下のようにまとめられる。

(1)インフィード型

インフィード型とは、媒体社の通常のコンテンツの中に文章で、コンテンツや記事と同じ形式 で書かれ、または媒体社の編集チームと協力して周囲のコンテンツに合うように書かれている。イ ンフィード型ネイティブ広告は通常“スポンサー”、“PR”、“PR記事”などの言い方で広告を明示す る(英語の場合は“Advertisement/AD”、“Promoted(by)”、“Sponsored Content”、“Presented by”であ る)。インフィード型ネイティブ広告はYahoo、Facebook、Twitterなどのサイトでよく使われてい る。

(2)ペイドサーチ型

ペイドサーチ型は、検索エンジンにおける自然検索結果の右側、または異なる表示方法(自然検 索結果の上部あるいは中部に位置する)でユーザーの目を引くために設けられる。通常は“広告”あ るいは“Ad”というシールが検索結果についているという表示方法で広告を明示する。ペイドサー

チ型はYahoo、Google、Bingのような検索エンジンの中でよく使われている。

(3)レコメンドウィジェット型

レコメンドウィジェット型とは、広告あるいはタイアップ記事などのリンクがウィジェットを 経由して配信される形式のネイティブ広告である。通常は「あなたへのおすすめ」、「オススメの 商品」という言い方で広告を明示する(英語の場合は“You might like”、“Recommended by”、“Spon- sored Content by”)。レコメンドウィジェット型はYahoo、Amazon、楽天などのネット通販機能が あるサイトにおいてよく使われている。

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(4)プロモートリスティング型

プロモートリスティング型とは、サイト上で提供される商品あるいはサービスと同じ見た目で 表示され、リストにある商品と関連性が低い/高いものを紹介する広告のことである。通常は「広 告のフィードバック」、「広告」、「他の人はこちらも検索」といった表示形式で広告を表示する

(英語の場合は“Ads”、“Sponsored Products”、“What’s this”)。プロモートリスティング型ネイティ ブ広告はAmazon、Google、Etsyの中でよく見られる。

(5)ネイティブ要素を持つインアド型(IABスタンダード)

IABスタンダード型とは編集記事の中ではなく、コンテンツに関連性のある広告が枠内に表示 される広告のことである。通常は外部のサイトにリンクし、ウェブプージのコンテンツと明らかに 違うものとして識別しやすい特徴を持っている。固定の広告枠で販売されているため、どんな文脈 に埋め込まれているかを代理店が正確に把握できる。

(6)カスタム型

上記のネイティブ広告評価フレームワークにうまくはまらない不規則なパターンとして、特定 のプラットフォームに依存しすぎたり、変化が多かったりするため、詳細な定義をつけるのは困難 なものもある。たとえば、Spotifyによる提供されている音声、歌曲サービスの中でよく見られる 音声広告、動画広告、フルスクリーンで表示される広告商品などのことである。

このようにネイティブ広告には多くの種類が存在している。本研究では、もっともユーザーに親 しまれたり、頻繁にウェブサイトに出てきたり、ウェブサイトに溶け込めたりするといった理由か ら、記事の中に組み込まれる形式のインフィード型ネイティブ広告を研究対象とすることにした。

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第3章 ネイティブ広告に関する先行研究

本章では本研究の問題意識に基づいてネイティブ広告の研究に関わる先行研究をレビューするこ とにより関連する理論を紹介し、本研究における理論的枠組みについて議論する。

第1節 ネイティブ広告に関する先行研究の 2 つの視点

これまでのネイティブ広告に関する先行研究は、大きく2つの方向に分かれている。具体的に は、先に述べたIABによるネイティブ広告の分類に基づいて、記事やストーリーという形をとる

「コンテンツ部分」に対する研究と、ブランドのロゴ露出やフォント、広告を明示する言葉遣い

(“PR”、“PR記事”)などということを説明する「スポンサーシップ情報部分」に対する研究であ

る。

たとえば、「スポンサーシップ情報部分」に関わる研究として、Mojdynski and Evans(2016)の 研究では、ネイティブ広告の中でよく使われている“Advertising”あるいは“Sponsored”のような広告 を明示する言葉遣いが、ユーザーのブランドおよび広告に対する態度にどのような影響を与えるの かについて調べている。実験の中で、242人のアメリカ人を対象に12種類の実験物を配り、先に 実験物を読んでもらった後、彼らにアンケートを回答してもらった。また、12種類の刺激物は広 告の位置および言葉遣いの組み合わせよって作成されたものである。具体的には3種類の広告の立 地(上、真ん中、下)と4種類の言葉遣い(“Advertising”、“Sponsored content”、“Brand voice”、

“Presented by「sponsor」”)を組み合わせて作成した。その結果、このような言葉遣いが高い認知度 をもたらす一方、ネガティブな態度や評価を招いてしまう可能性も高まることがわかった。

そして、上記のような実験に引き続き、ユーザーのネイティブ広告に対する認知度が、いかに利 用者の行動や態度に影響を与えるのかについても実験が行われた。Mojdynski(2016)によると、

言葉遣い、ロゴの有無および位置、フォント、色彩を変えることで、ユーザーのコンテンツに対す る認知度が変わる。記事を広告だと認識したユーザーの方が、認識できなかったユーザーより、高 い認知度および理解度を示している。さらに、記事を広告だと認識したユーザーは、広告に対して 欺瞞性を感じ、記事に対する信頼度が下がり、ブランドに対する態度もネガティブな方向に向かう という傾向がある。実験を通じて、Mojdynskiは広告認知度が一つの説明変数として、「広告の説 得力」、「広告の欺瞞性」、「広告の信頼度」、「広告スポンサーに対する態度」、「e口コミ」 という5つの目的変数に影響することを証明した。

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一方、「コンテンツ部分」に対する研究も近年は盛んにおこなわれている。「スポンサー情報部 分」ではなく、コンテンツに注目する研究方向では、Robert(1996)のオンライン広告のクオリテ ィを評価する理論に基づいて行われており、ネイティブ広告の記事内容のクオリティがユーザーの 経験および態度を左右すると提唱している(Hwang and Jeong, 2018)。コンテンツの評価について 詳しく説明すると、コンテンツに含まれる刺激(Irritation)、情報(Informativeness)、および娯楽

(Entertainment)という3つの要素のクオリティを評価することで、全体的なクオリティを判断す

ることができるという理論である(Robert, 1996)。このようなコンテンツの要素を含んだ研究 が、オンラインの広告やマーケティングの文脈で行われている。

たとえば、Hwang and Jeong(2018)によると、コンテンツの情報量を変えることでコンテンツ のクオリティをコントロールし、ブランド露出による効果を識別する実験が行われた。実験の中 で、情報量の多少によるコンテンツ・クオリティの高低という2つの変量を、ブランドを提示しな い、暗示する、提示するという3つの変量と組み合わせて、6種類の記事を作成し、実験の参加者 に見せてアンケートを回答してもらっている。実験の結果として、ネイティブ広告のクオリティが 低い場合のみ、スポンサーシップが提示されるネイティブ広告の出所に対する不信感および記事に 対するネガティブな態度が生じないことがわかった。逆に、コンテンツのクオリティが高い場合に は、スポンサーシップおよび記事に対するポジティブな態度が生じる結果となった。いわゆる、

「コンテンツ部分」の高いクオリティは、ユーザーにポジティブな影響を与える一方、ブランド露 出による悪い影響も存在することが証明された(Hwang and Jeong, 2018)。

情報量だけでなく、コンテンツのタイプに関わる娯楽性や情報性に対する研究も行われている。

Christina and Doori(2019)による研究は、コンテンツのクオリティがブランドに対する消費者の

評価に与える影響について調べている。コンテンツのタイプは娯楽性を強調するタイプと情報性を 強調するタイプという2種類に分けられた。この研究では、ユーザーのブランドに対するイメージ が調整変数として、コンテンツのタイプとユーザーのブランドに対する信頼感との間に存在し、コ ンテンツのタイプによって、ユーザーのブランドに対する態度に異なる影響を与えることが明らか になっている。

このような2つの研究方向を照らし合わせて総合的に分析すれば、実際に共通している部分があ ると考えられる。それは「コンテンツ部分」も、「スポンサーシップ情報部分」も、ユーザーの広 告に対する認知度に作用しているということである。広告認知度の変化によって、欺瞞性に影響 し、広告に対する信頼度や態度ないしは、購入する意欲にも影響するということが分かった。

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第2節 説得 知識モデルとネイティブ広告との関係

ネイティブ広告の研究において、実際に最も多く用いられている理論的枠組みが、説得知識モデ ル(Persuasion Knowledge mode:以下、説得知識モデルと呼ぶ)である。説得知識モデルは、人間 が今までに培ってきた説得知識を用いて、マーケティング活動や広告といった外界からのメッセー ジあるいは刺激に対応するかというプロセスを解釈するためのモデルとされている(Friestad and Wright, 1994)。

このモデルは、単純に企業からの一方的な情報発信と消費者との双方向的な関係を想定してい る。したがって、説得知識モデルを活用すれば、発信者がターゲットに友好的なメッセージを発信 する方法も説明できるようになった。外部環境からの刺激あるいは広告、メッセージなどといった 情報を処理することは、消費者にとって日常的に行われる行為である。日々の処理経験を積み重ね ていった結果、消費者は自ずと自分を説得しようとしている行動に対して評価し、解釈を与え、そ れなりの知識を蓄えていくようになる。このようなプロセスによって獲得された知識は「説得知 識」と呼ばれている(Friestad and Wright, 1994)。もちろん、消費者はそれぞれ異なる生い立ちや 経歴を持っているため、説得知識も個々の消費者によって、それぞれに異なる。説得知識を通し て、なぜ自分が経験したマーケティング的な刺激が企業から消費者に届けられたのか、いつからそ のような刺激が自分をターゲットにして影響を与えようとしているのか、そのような刺激がいかに 自分を説得しようとしているのかなどの問題を理解することが容易になる。

たとえば、Friestad and Wright(1994)の論文の中で描かれた説得知識モデル(図表3−1)によ ると、受信側がターゲットと称され、発信側がエージェントと称されている。発信側によるターゲ ットに向けられた行動は、説得するための試み(Persuasion Attempt)と名付けられている。発信者 はメッセージを効率的に発信するために、今まで蓄積してきた知識を生かさなければならない。一 方、受信側から見れば、受信者としての知識、発信するテーマに関わる知識、説得知識などといっ たものが効率的な情報処理のためには欠かせない。また、それに対して、発信者の行動に対する受 信側が取った反応は、説得に対する対応的な行動(Persuasion Coping Behavior)とされている。受 信者も外部環境からのメッセージを解読するために、今まで蓄積してきた知識を応用しなければな らない。受信側から見れば、発信者についての知識、テーマに関する知識、説得知識などといった ものを活用していることになる。

説得知識モデルを要約すると、発信側の持つ説得知識と、受信側のもつ説得知識との関係が深け れば深いほど、刺激やメッセージは、受信側により簡単に理解してもらうことができ、発信側の予 測どおりの行動を受信側がとってもらえるようになる。したがって、ネイティブ広告の研究のなか

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で、広告の特徴による影響を説明するための理論的な根拠として、説得知識モデルが数多く用いら れている。消費者は刺激に対する反応と行動を決めるために、目の前に提示されている広告をはじ めとする企業からの情報提供が誰によって行われたものなのか、どのような仕組みをもっているの かを意識しなければならない。消費者は、それを確認するために説得知識を活かし、広告などの刺 激の見た目から判断する必要がある。たとえば、タイトル、広告の標記、発行元、スポンサー関 係、フォント、サイズ、言語などのような表に出ている特徴である(Jung and Heo, 2019)。これら の特徴と説得知識に基づいて、消費者は広告であることを意識することができるようになる(Wo- jdynski and Evans, 2016)。

図表3−1 説得知識モデル(Persuasion Knowledge model)

出所:Friestad & Wright (1994)

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第3節 説得 知識モデルの延長線 上にある CARE モ デル

説得知識モデルをネイティブ広告などの文脈に当てはめたモデルも開発されている。それが暗示 的な広告の認識と効果モデル(The Covert Advertising Recognition and Effect model)とである。この モデルは、略して「CAREモデル」(下記はCAREモデルと呼ぶ)とも呼ばれている。近年では コンテンツの中に紛れ込み、ユーザーの経験を邪魔せずにメッセージを伝える広告は主流となって

いる(Wojdynsi and Evans, 2019)。これまで見てきたように、様々なプラットフォームにおいて、

見た目を変えたり、形を変えたりすることで広告に多様な変化をもたらされてきた。

たとえば、ネイティブ広告、コンテンツマーケティング、ステルスマーケティング、スポンサー シップ、ブランドコンテンツ、インフルエンサー、プロダクトプレイスメントなどの活用が存在し ている。それらを統括して、Wojdynsi and Evans(2019)のレビュー論文の中でコバート広告(Co- vert advertising:以下、コバート広告と呼ぶ)と称している。

CAREモデルは、説得知識モデルを補足もしくは延長したモデルとも言える。CAREモデル(図 表2−2)においては、広告に対する認知の重要性が非常におおきく強調されている。ユーザーは 広告の特徴を慎重に見極め、メッセージあるいは情報を知識に基づいて理解したことで、広告に対 する自分なりの認識を生じる。そのような認識が、広告に対する認知(Advertising Recognition)と なる。

以前のオンライン広告は、消費者の注意力を引き寄せることを目的に、ウェブページ上に、やみ くもにバナー広告やフラッシュ広告を貼り付けようとしていた。しかし、そのようなやり方では消 費者からの反感を買いかねないと同時に、プラットフォームである掲載サイトおよびスポンサーに 与えるポジティブな影響も強いとは言えない。消費者はバナー広告のような広告形式に対して、一 定の認識と知識を構築するようになり、その結果として広告を無視したり、拒否したりする割合も 高くなってきた。

一方、バナー広告に反して、広告に関する知識や認識を用いずにコンテンツを楽しんでもらい、

自ら広告に接触しようとしているという仕組みは、ネイティブ広告が本来的に持っている能力だと 言える。たとえば、ニュースサイトにおいて、ニュースの間に挟まれたり、新聞記事の最後につい ていたりする広告などがあるとしよう。消費者はニュースを閲覧している際に、自ずとニュースサ イトを使う経験、文字や記事に関わる知識、スマホやパソコンを使う経験などといった広告に関わ らない知識を用いている。そのため、ネイティブ広告は消費者に気づかずにコンテンツに溶け込 め、消費者が広告に関わる知識を利用していないうちに消費者の目の前に出るからこそ、機能を果 たしたわけである。

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また、人間のもつ広告に対する認知は、一定程度に維持されているわけではないので、広告だと 気づいた前と後とのギャップも発生する。そのため、ユーザーは広告だと気づいた際に、ギャップ が深く生じてしまい、記事や発行元、ブランドに対する態度も、通常の広告に接触する場合より消 極的になることがある(Wojdynsi and Evans, 2019)。

したがって、いかにして消極的な感情を抑えることがネイティブ広告の発信者の最大の課題とな ってくる。広告認知の手がかりになれるあらゆる特徴は、ネイティブ広告が本物の記事を真似する アプローチの一つである。たとえば、見た目のスポンサーシップ、フォント、サイズ、色彩、記事 の内容などの特徴である。

これらの特徴に接触する時、ユーザーの能力によって、見るか見ないか、受けるか受けないか、

信じるか信じないかなどといったユーザーが下した決断も違う。つまり、広告に対する認知の程度 によって、ユーザーは異なる広告に対して異なる行動や反応を行う。たとえば、メッセージに対す る態度、ブランドに対する態度、製品に対する態度、口コミなどの受信側の行動が影響を受けてい る(Mojdynski, 2016)。

もう一つ注目すべきことは、発信側のとった数々のネイティブ化するアプローチがCAREモデ ルにおいて、詳しく提示されていることである。主に、見た目とコンテンツを通して、広告に対す る認知に影響する特徴である。それぞれはネイティブ広告の先行研究の中で言及された「スポンサ ーシップ情報部分」と「コンテンツ部分」に当たる。

図表3−2にもあるCAREモデルによれば、刺激あるいはメッセージに接触する際に、ユーザー は自分の知識や経験に基づいて状況を判断する。刺激の見た目を見極め、発行元を確認し、最初の 広告に対する認知を生じるまでのプロセスはCAREモデルの図表の上半部に当たる。その後、記 事の内容に目を通し、自分にとってどれくらいの広告価値があるかを見積もり、広告に対する認知 を踏まえて、消費者のとった行動や反応を決めるまでのプロセスはCAREモデルの図表の下半部 に当たる。消費者の行動や反応は受けたメッセージや刺激によって変化している。その中に、主に 3つの要素が含まれている。それぞれは想起率に関連する認知的な反応、商品やブランドに対する 態度に関連する態度的な反応、および口コミに関連する行動的な反応である。

このようにCAREモデルをもとにして、ネイティブ広告の効果に影響を与える要素の一つを見 つけることができた。それは「コンテクストに関わる特性」に所属するContext congruity(下記、

コンテクストコングルーイティと呼ぶ)である。このコンテクストコングルーイティをネイティブ 広告の文脈でとらえると、広告と記事との一貫性という意味になる。

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図表3−2 CAREモデル

出所:Wojdynski & Evans (2019)

第4節 コンテクストコングルーイティの定義について

先にも述べたように、コンテクストコングルーイティとは、広告と記事との一貫性ととらえられ る。コンテクストコングルーイティの度合いによって、ユーザーの広告に対する評価、態度、認知 ないしは記憶は変化する。たとえばMandler(1982)によると、バナー広告とウェブサイト内の記

個人特性による差

説得知識

見た目に関わる 特性

立地 言語 目立つ程度(配色、

フォントなど)

メッセージに関わる特

ブランドの有無 ソース(発行元、出所など)

コンテクストに関わる特性

コンテクストとの一貫性 プラットフォーム

広告に対する認知

受信者の刺激に対する反応及び行動 回避

拒否 態度、行動など スポンサーシップ

の明示性

受信者の動機 に関わる特性

広告価値

態度的反応

メッセージ対する態度 ブランド/商品に対する態度

購買意欲など

認知的反応

ブランド想起率 メッセージ想起率

行動的反応

メッセージに対する集中力 Eクチコミ

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事との一貫性が低い場合、ユーザーは一貫性のない情報に注意力を払う傾向があるため、より高い 広告に対する認知および深い印象が生じる。一方、低い一貫性に惹かれると同時に、ユーザーの情 報を理解する能力が弱まり、逆にネガティブな評価が起こる可能性もある。たとえば、インターネ ット上の記事において、一貫性の高いスポンサーシップは一貫性の低いスポンサーシップより好ま しいということが証明された(Rodgers, 2003)。

コンテクストコングルーイティの範囲は広い。広告だけでなく、広告に含まれる要素と記事との 一貫性も範囲に入っている。たとえば、ナレーターと商品との一貫性(Kamins, 1990)、バックグ ラウンドミュージック(BGM)と商品との一貫性(Hung , 2000)、広告写真と広告との一貫性

(Areni and Cox, 1994)などの先行研究がある。

広告とコンテクストとの一貫性は、コンテクストコングルーイティの一つとして、電子雑誌やバ ナー広告に関わる研究の中でよく用いられている。雑誌では1ページの広告が記事の中に挟まった り、記事の後ろについたりすることは珍しくない。一貫性の高い実験物と一貫性の低い実験物を用 意した。Zanjini, Diamond and Chan(2011)の調査では、それぞれ10ページの広告と11ページの 記事が入ったものを使って調査を行っている。140名のアメリカ大学生を調査対象として、2種類 の実験物を配りアンケートに回答してもらった。その結果として、電子雑誌の場合、単純に閲覧す るユーザーより、情報探しを目当てにするユーザーの方が、コンテクストコングルーイティに敏感 で、広告に対する認知も高いことがわかった(Zanjini, Diamond and Chan, 2011)。

もう一つの研究は、バナー広告においてコンテクストコングルーイティの程度により、ユーザー の集中力と態度が変わることを明らかにしようとしている。調査の結果としてバナー広告の場合で は、広告と記事との一貫性が低い方が、より深い印象と広告認知が生じる。一方、一貫性の高い方 が、よりポジティブな広告に対する態度が生じることも明らかにされている(Moore, Stammerjohan and Coulter, 2005)。

第5節 広告価値とネイティブ広告との関 係

広告価値とは消費者が広告に接触した時、広告から感じたり、読み取ったりした情報や娯楽など といった価値である(Ducoffe, 1995)。このような価値を一切得られない場合、広告は消費者に無 視されてしまったり、嫌われてしまったりする可能性が高い(Ducoffe and Curlo, 2000)。コンテン ツに含まれている記事の内容を調整することは一つのツールとして、広告主が広告価値を改善する ために使われている手段でもある(Saenger and Song, 2019)。Ducoffe(1995)によると、具体的に 広告価値を改善するための3つの指標がある。すなわち、情報のクオリティ、娯楽のクオリティお

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よび刺激である。また、3つの指標のなかでも、特に情報と娯楽が広告価値をより効果的に引き出 せる属性として、先行研究ではよく取り上げられてきた(Ducoffe, 1995)。異なる意図や目的を持 っているユーザーあるいは消費者によって、広告価値を評価する基準も異なる。そのため、消費者 にとって記事のクオリティもそれぞれ異なっている。いずれにしても、記事のクオリティが広告価 値の一部を左右していると言っても過言ではない。記事のクオリティが高ければ高いほど、広告価 値は高く評価されると考えられている。それに従って、消費者が予期通りの広告価値を得た際に、

広告に対する態度もポジティブな方向に向かうことが考えられる(Ducoffe and Curlo, 2000)。逆 に、予想とは全く正反対の結果を得た場合には、消費者が記事ないしブランドに対してネガティブ な感情を抱いてしまい、商品に対する反感を買ってしまうことにもなりかねない。

このように、広告価値という理論は、ネイティブ広告のような記事のなかに溶け込むという形を とる広告の価値を測るのに適切だと考えられる。情報と娯楽のクオリティを高めることにより、広 告価値も上がると考えられるからである。

このような考えに基づいて近年では、ネイティブ広告のクオリティを評価するための理論的枠組 みの一つとして広告価値の理論が持ち出されている。最初の情報量を調整することで、ネイティブ 広告の広告価値を評価したり(Hwang and Jeong, 2018)、広告を見た後の情報と娯楽のクオリティ を分けて広告価値を判断したりするといった実験が行われた(Saenger and Song, 2019)。結果とし て、コンテンツのタイプやクオリティにより、消費者の広告に対する態度やブランドに対する態度 もわかってくる。

つまり、広告価値の程度を調整することができれば、ネイティブ広告の効果がもたらす効果も変 化させられると考えられる。

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第4章 仮 説

本章では、前章で述べた問題意識を解決するための仮説を説明する。本章で導出された仮説の検 証については、次の章で述べることにする。

第1節 インフィードネイティブ広告の広告価値を評 価する指標

記事のクオリティによって、広告価値もことなる。たとえば、Hwang and Jeong(2018)の実験 結果によれば、情報を提供する記事と娯楽性に富む記事という二種類の記事のタイプの場合、ブラ ンドプレイスメントの有無によって、読者のブランドに対する信頼度および態度も異なることが明 らかにされている。つまり、インフィード型ネイティブ広告として、記事のクオリティは広告価値 を決める一つの重要な指標であることが示されたことになる。

また、読者は常に記事を読みながら、続きの展開についてそれなりの期待を持っている。期待か ら外れ、いわゆる記事と出てきた広告との一貫性が低い場合には、期待と現実とのギャップが広が り、読者の態度はネガティブな方向に偏る可能性が高くなる。逆に、一貫性の高い場合には、期待 と現実とのギャップが縮まり、読者の態度はポジティブな方向に偏る可能性が高いとされる(Ro-

dgers, 2003)。つまり、コンテクストコングルーイティという概念は、広告価値を判断するもう一

つの重要な指標だと考えられる。

このような議論に基づいて、以下のような仮説モデル(図表4−1)を提出した。

図表4−1 本研究に関する仮設モデル

出所:筆者作成

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第2節 広告価値からブランドに対する態度までの経緯

ブランドに対する信頼度は媒介変数として、広告価値の違うネイティブ広告はそれを経由し、ブ ランドに対する態度に影響していると証明された(Saenger and Song, 2019)。本研究で上記の理論 を参照にした上で、コンテクストコングルーイティが変わる場合、ネイティブ広告は同じ効果を発 揮できるかという考えを含め、実証する。

上記の理論と推測を踏まえて、仮説を提出する。

文字で表記すれば、下記のように示されている。

仮説1:コンテンツのタイプとコングルーイティとの相互作用によって、コンテクストとの一貫 性の高い情報型インフィード型ネイティブ広告の方が読者のブランドに対するポジテイブな態度を 引き出せる。

仮説2:ブランドに対する信頼度が一つの媒介変数として、広告価値とコンテクストコングルー イティとの相互効果はそれを経由して、ブランドに対する態度に影響する可能性がある。

仮説3:コンテクストとの一貫性は広告価値に繋がっている。コンテクストとの一貫性を高くす ることで、広告価値が高まり、ブランドに対する態度にポジティブな影響を及ぼす。

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第5章 プレ テストと調整

本章では、二回に分けて行ったプレテストの結果を踏まえて、データの分析手順、質問項目の選 択や表現、刺激物の有効性といった本調査に向けて調整した点について説明する。

本研究では、刺激物であるネイティブ広告を見てもらう必要がある。そこでできるだけ現実的な 状況でネイティブ広告を見てもらうために、オンラインでみられるネイティブ広告を作成すること にした。具体的な刺激物を閲覧するにはスマホあるいはネット通信ができるデバイスが必要であ る。刺激物の中で登場する商品およびブランドに対して読者の反応はどう変化するか、コンテンツ のタイプとコンテクストコングルーイティの違いによって影響を受けているかどうかについて探る ことにした。

第1節 調査刺激

本研究では、プレテストを2回実施した。最初のプレテストのために作った刺激物では、コンテ ンツのタイプとコンテクストコングルーイティについての違いを判断する項目において違いが出な かった。そこで1回目の調査で用いた刺激物を再度検討し2回目のプレテストを実施したところ、 想定した操作が確認できたので、最終的な調査においては2回目のプレテストで作成した刺激物を 用いることにした。

まず、最初のプレテスト刺激物ではタピオカに関わるインフィード型ネイティブ広告のウェブペ ージを4つ作った。タピオカというテーマを選んだ理由としては、タピオカブームが巻き起こり、

中高校生や大学生の中で話題となっているため広告のテーマとして適切だと考えられたためであ る。それぞれ「台湾旅行でお茶体験」、「タピオカでお茶体験」、「食べるタピオカが話題に」、

「怪しい奇食が話題に」というタイトルの記事を作成した。タイトルの下に実在の台湾タピオカブ ランド「1點點」のスポンサーロゴが明示されている。記事の最後、「1點點」というブランドの 広告のキャッチフレーズと公式サイトのアクセスが配置されている。

同時に、4種類のネイティブ広告のウェブページにアクセスするQRコードも4つ作成した。ア ンケートの先頭には四種類のQRコードの中から一つだけが配置されていた。これにより、実験の 際にアンケートが都内の80名大学生参加者に配られた。参加者はQRコードをスマホでスキャン すれば簡単にウェブページにアクセスできる。刺激物を閲覧したら、アンケートに回答してもらう という流れである。

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2回目の刺激物は、附録の図1に提示されたように、記事の内容が違う4つのインフィード型ネ イティブ広告のウェブページを用意した。それぞれのタイトルは「台湾旅行に三つの必需品」、

「台湾旅行に三つの必食タピオカ料理」、「台湾人イラストレーターによる三つのタピオカ漫 画」、「台湾人イラストレーターによる三つの恋愛シーン」である。また、1回目の刺激物と同 じ、QRコードが飾るアンケートを都内の83名大学生にランダムに配り、1回目のプレテストと 同様にアンケートに回答してもらった。

第2節 1回 目のアン ケート

実験を行う場所に関しては、全てのアンケート調査が参加者の大学構内で実施された。アンケー トの回答を終えた後、質問紙をその場で回収した。1回目は東京富士大学で80名の大学生を対象 に、2回目は駒沢大学で83名の大学生を対象に行なった。

1回目のアンケートにおいて、刺激物のコンテンツタイプとコンテクストコングルーイティを測 定するために、4つの質問項目が設けられた。4つの質問項目は全てSaenger and Song(2019)の 論文の中で使われた質問を参考にして、日本語に翻訳したものである。また、質問について、7段 階のリッカート尺度を用いて変数の関係を測定した。附録の図2に提示されたように、左と右の両 側に記事やブランドに対する判断が書かれている。実験の参加者が質問に回答する際に、もっとも 自分の考えに近い判断を決めた上で、1から7までの一つの数字を選択するような形式になってい る。

たとえば、1回目のアンケート調査において、情報型記事なのか娯楽型記事なのかというコンテ ンツのタイプを判断するために、2つの質問が用意された。付録の図1にある調査票の質問3の第 5問と第6問がそれに当たる。質問3−5の質問項目は「役に立つ情報が含まれている」/「面白い 内容が含まれている」である。質問3−6の質問項目は「ユーザーに情報を伝えようとしている」/

「ユーザーを楽しませようとしている」である。そして、質問3の第7問と第8問はコンテンツの コンテクストコングルーイティに関わる問題である。質問3−7の質問項目は「1點點というブラ ンドに関連した内容である」/「1點點というブランドに関連した内容ではない」である。質問3−

8の左と右は「1點點というブランドにふさわしい」/「1點點というブランドにふさわしくな い」である。

アンケートの中で、広告に対する信頼度、個人差による広告のクオリティに対する態度、ブラン ドに対する信頼度、ブランドに対する態度、購買意欲、個人として広告に対する態度などの質問が 含まれている。それぞれ、アンケートの質問2の第1、2、3問、質問3、質問4、質問5、質問

図表 3 −1  説 得 知識 モ デル ( Persuasion Knowledge model)
図表 3 −2  CARE モ デル
図表 5 −7  2回目プ レ テストの質問項目に対する 因 子 分析 の結果  出 所 : 筆 者 作成   回 転 後 の 因 子 行 列 は 1回 目の時よりも 改善 された結果となった。ただし、質問3、 質問4と 質問 9 において、多少問題があると思 われる結果が出た。そのため、質問3に関わるデータを本番 の実 験のでは採 用しないことにした。 1 2 3 4 5 6 7 8Q7-20.85Q7-50.81Q7-10.80Q7-40.80Q7-30.76Q9-70.93Q9-80.90Q9-50.
図表 6 −2  質問項目に対する信頼性 分析
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参照

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