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学位論文題名Distribution of Carbon in Peat Layer and Estimation of Carbon h/Iass uslngSatelliteDatainaTropiCalPeatland,CentralKalimantan,IndoneSia

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Academic year: 2021

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博 士 ( 地 球 環 境 科 学 ) 島 田 沢 彦

     学位論文題名

Distribution of Carbon in Peat Layer and Estimation     of Carbon h/Iass uslngSatelliteData inaTropiCalPeatland , CentralKalimantan ,IndoneSia

     (インドネシア・中央カリマンタンの熱帯泥炭地における 泥炭層内炭素分布と人工衛星データを用いた蓄積炭素量見積)

学位論文内容の要旨

  近年,熱帯域の急激な土地利用変化や森林火災により,温室効果ガスとして大量の炭素 が大気中に放出されていることが明らかとなっている。泥炭地は温室効果ガスである二酸 化炭素のシンクであり,推定329‑‑‑528 Gtの蓄積炭素が世界に存在している。これは地上 総炭 素量の 約20%に相当する。このうち約70 Gtの炭素が熱帯泥炭中に存在すると言われ ている。一般に泥炭は多くの炭素を含む有機質からなり,湛水した還元状態では比較的安 定であるが,地下水位が低下して乾燥化し空気にさらされて酸化すると急激に分解し炭素 は大気中に放出されてしまう。このように非常に脆弱な熱帯泥炭をカーボンシンクとして 安定的に維持するためには,その堆積環境および蓄積量の把握が急務である。しかし、熱 帯泥炭地における正確な炭素量分布・炭素蓄積量はいまだに明らかではなく,より詳細な 実測値および,泥炭地タイプ・湿地林タイプ・泥炭深の違いによる炭素含有特性などの解 明が必要とされている。そこで,本研究において,インドネシア・中央カリマンタン州の 泥炭地を例にカーポン・プール推定方法確立のため,泥炭層内蓄積炭素含有量について分析 を 行 うと と もに ,多時 期リモー ト・セ ンシング ・データ(NOAA‑AVHRR)を用 い,泥炭 層 厚との関係から泥炭層厚推定を試みた。また,GIS(地理情報システム)を利用した地形条件 に よ る ス ク リ ー ニ ン グ か ら 更 に 精 度 の 高 い 泥 炭 層 厚 図 作 成 を 試 み た 。   熱帯泥炭湿地林において泥炭層厚と湿地林タイプとの関係が示唆されており,泥炭層厚 の推定に有用であると考えられる。しかし,いまだに広域に適応できる手法が確立されて い な いの が 現状 である ため,本 研究で は多時期NOAA/AVHRRデータ を用い ,中央カ リマ ンタンを例に,熱帯泥炭湿地林分類を行い,厚い泥炭層上に存在する湿地林タイプの抽出 を試みた。インドネシア・中央カリマンタンに広がる泥炭湿地林を,Land System Map及び Land Use Map (RePPnoI1995)を用いて抽出し,この湿地林領域内で2°S―3゜S,l12°35 E−114゜05 Eの 範囲を研 究対象地 域とし た。中央 カリマ ンタン地 域にお ける1992年4 月〜1993年9月の1kmXlkmNOAA/Aヽ佃えR.10一dりsコンポジットデータ(NI冫丶H,chamel−4,

‐5)をEROS(EarmResourcesく)bservationSSysternS)DaぬCenterから取得し,放射地表面温 度(TS)をchamel‐4,ー5からsplitwindowalg面thmにより計算した。この多時期NDVI及 びTSをmonthlyコ ンポジッ 卜し, 更に30月の メジア ンフイル ターに よルノイズを除去し た。泥炭層厚データは1997年〜2000年の現地調査によるものと,既存のデータを用い,す べてを1‐kmメッシュデータにりスケールした。研究対象湿地林における日蒸発散量が平均 3.5mmで あるの で,月降雨量が100n珊以下である月の連続する期間を乾季(Dヴ)とし,

それ以外を雨季とした。更に雨季を前期(Wa‐1).後期(Wa‐2)に分割した。本研究にお い て は1992年9月 〜1993年8月まで の1年3期 間を研究 対象期 間とした 。人工 衛星デー タ によ って植 生分類を 行う場合,特に熱帯において,NDMのみで分類するよりも分類精度が     ―125―

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向 上 する とい う理 由か ら,本 研究ではNDVIとTsとの比を指数としTVIと定義した(TVI= NDVI./ TsX100)。各期間における平均TVI (TVIDRY,TVIWETl, TVlwFr2),対象期間の年 平 均TVI (TVllyr)を算出した。これらの値の相対関係によ り対象地域の森林を次の主な6 つのフェノロジータイプに分類することができた。乾季にTVI活性がある(TVIDRY> TVllyr冫 嫌 雨的タイプ(Phob‑Z, Phob‑V);雨季後期にTVI活性がある(TVlwE:r2冫TVIlyr)好雨的タ イ プ(W2);乾季.,雨季後期両方にTVI活性がある(TVIDRY> TVliyrand ryiwm冫TVIlyr)

W2D‑A , W2D‑Z ;乾季・雨季前期両方にnnc活性がある(TVIDRY冫TVllyrand TVlwFrl 冫TVIly)タイプの6フェノロジータイプである。そのうち,嫌雨的タイプ(Ph01トZ,Phob‐V) は好雨的タイプ(W2)よりも1VIの季節変動幅(TvI‐Amplitude)が有意(Pく0.05)に大き く ,地形的に,雨期の高水位の影響を受けやすい場所に存在することが示唆された。これ により,Fl00dingStressが影響し雨季には植生の活性度が下がるタイプが嫌雨的タイプであ ると考えられる。更にフェノロジータイプ W21)lパは,有意に厚い泥炭層(MeanThickness

:4.6m), Ph出V は,有意に薄い泥炭層(Me孤111ickneSS゜0.9m)において存在するこ と が明らかになった。各フェノロジータイプにおける平均泥炭層厚を代表値として用い推 定 泥炭層厚分布図を作成する事ができた。更に分布図の精度を向上させるため,これに地 形 条 倖を 考慮 に入 れた 分布図 も作成し,RMSエラーを2.7mから1.6mに減少させる事が で きた‥しかし,より詳細な泥炭層厚推定には,更なる説明パラメータとグランドトゥル ースの取得が必要である。

  一方,泥炭地タイプをRePPPゆT(1985)のhndsys忙mMapを基にmv師ne,Temce,恥me, Ma画n甜,CoaStd泥炭地に再分類し,泥炭層中の炭素密度(丶blume晒cCむbonDensity:CDu を 比 較し たと ころ ,泥 炭層中 の炭素密度(CDv冫は,Temce,恥v師鵬において,Dome, Ma晒衄1,Co錨讎泥炭地よりも有意(sche儲 s伯st:p<0.05)に大きい値を示した。Don鷺,

M叫如m泥炭地において木片層の含有量(50〜89%冫が大きいことから,泥炭の分解が進ん でいないためであると考えられ,恥v師neにおいてはミネラル・インプット,Ten亀ceにおい て は泥炭生成年代が古いことから,泥炭の分解が進んだため,泥炭構造の圧密化からCD丶 が 増大したと考えられる。.また,各泥炭地タイプのCDvは深さにより変化しなぃことが明 らかになった。

  フェノロジータイプにおける平均泥炭層厚を代表値として用いた推定炭素量分布図と,

これに地形条件を考慮に入れた分布図がくニIh特性を組み合わせることで作成することがで き ,これらの分布図からインドネシア・中央カリマンタンの研究地域の総蓄積炭素量を見 積 もづた。計算の結果,調査地域内の蓄積炭素量が111〜1.8GtM・lであると推定された。

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学位論文審査の要旨

主 査    教 授    小 野 有 五 副 査    教 授    甲 山 隆 司 副 査    助 教 授    高 橋 英 紀

副 査    助 教 授    谷    宏 ( 大 学 院 農 学 研究 科 )

     学位論文題名

Distribution of Carbon in Peat Layer and Estimation     of Carbon IvIass uslngSate11iteData inaTropiCalPeatland , CentralKalimantan ,IndoneSia

     (インドネシア・中央カリマンタンの熱帯泥炭地における 泥炭層内炭素分布と人工衛星データを用いた蓄積炭素量見積)

  近年,熱帯域の急激な土地利用変化や森林火災に より,温室効果ガスとして大量の炭 素 が大気中に放出されていることが明らかとなって いる。泥炭地は温室効果ガスである 二 酸化炭素のシンクであり,推定329  ‑528 Gtの炭 素蓄積が世界に存在している。これ は 地上 総炭 素量 の 約20%に 相当 する 。こ のう ち 約70 Gtの炭素が熱帯泥炭中に存在する と 言われている。しかし、熱帯泥炭地における正確 な炭素量分布・炭素蓄積量はいまだ に 明らかではなく,より詳細な実測値および,泥炭 地タイプ・湿地林タイプ・泥炭深の 違いによ る炭素含有特性などの解明が必要とされている。

  本研究ではインドネシア・中央カリマンタン州の 泥炭地を例に炭素蓄積量推定方法確 立のため ,地域内で多数地点の泥炭層内炭素含有量について調査・分析を行うとともに,

多 時期 リモ ート ・ セン シン グ・データ(NOAA一AVHRR)を用いた森林水文特性の季節変化 を 指標としたフェノロジー分類、デジタル標高デー タから導入した斜面勾配を指標とし た 地形分類、既存のランドシステム分類泥炭層厚と の関係から泥炭層内炭素密度および 泥炭層厚 推定を試みた。

  地形・フェノロジータイプ・ランドシステム各分 類による泥炭層厚分布推定の適性に つ いて 検証 した 結 果、 (1)地 形分 類: 全般 的 に最 も有効である。(2)フェノロジー タ イプ 分類 :厚 い 泥炭 層が 優占する地域において最も有効である。(3)ランドシステ

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ム分 類: 傾斜 が比 較的 大き い領 域に お いて 最も 有効である。(4)上記3分類図の特徴 を組 み合 わせ て作 成し た泥 炭層 厚分 布 図が 実測 結果に最も近い、などの 結論を得た。

  ま た、 地形 ・フ ェノ ロジータイプ・ランド システム各分類による蓄積炭素密度(CDV) 分布 推定 の適 性に っい て検 証し 、(1)地 形分 類: 有効である(2)フェ ノロジータイ プ分 類: 有効 では ない 。(3)ランドシステム分類:最も有効である。最 終的に泥炭層 厚推 定に 関し ては3分類 図を組み合わせたもの、蓄積炭素密度推定に関し てはランドシ ステム分類を用い、対象地域の炭素量の見積もりを行ない1.1〜1.8 Gt  Mha−1の値を得 た。

  本研究において開発した蓄積炭素量推定モデ ルは,リモートセンシング. GIS技術に 適応しており、より多様な地域への利用と、更 に精度の良い地域スケールの蓄積炭素分 布図作成を可能とする。また、熱帯泥炭地にお ける蓄積炭素量分布・絶対量の正確な把 握は、その炭素貯蔵機能を解明し、地球規模の 炭素循環システムにおける位置付けを明 らかにする上にも重要である。

審査 員一 同 は、 これ らの 成果 を高 く評 価し、また大学院課程における研鑽や取得単位 なども併せ、申請者が研究者とし て誠実かつ熱心であり、博士(地球環境科学)の学位 を受けるに十分な資格を有するも のと判定した。

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参照

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