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(1)

発行年・出典 タイトル・寄稿者・図 内容・要点 婦人と子ども

第1巻第1号 M34.1(1901) pp.75-77

「板と箸」

松村ひさ

図1「板と箸」

図2「板と箸」

(汽車、三味線、風船、傘、水道のネジなど)

【実践紹介】

①実践の内容と種類

恩物用の板と箸を使って自由に遊ばせる。

②材料

恩物の正方形の板1枚 箸1本

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

⑤子どもの反応

「私は、或時、私が世話をして居る幼児等に、恩 物中の正方形の板一枚と、三寸の箸一本とを、

與へまして、これであそべ、といひつけました。

そうすると、幼児等は左にあるやうな、いろい ろなものをこしらへて、これにさまざまな名を つけて、よろこんで居りました。⑤」

婦人と子ども 第1巻第2号 M34.2(1901) pp.71-73

「はきよせ」

清水 鶴

図1「はきよせ」

「何れも正方形の紙を以て造りたるものにして三年

【実践紹介】

①実践の内容と種類

正方形の折り紙で折り方を自由に考えるあそび で、実際幼児が工夫したものを紹介している。

②材料 折紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応 記載なし

(2)

婦人と子ども 第1巻第3号 M34.3(1901) pp.66-69

「圖畫教授に付きて」

東 基吉

【論考】

①<記事の内容および引用>

今日の図画教授について次の5点を批評している。

「(1)ただに手本を金科玉条とする教授法は誤謬 といはざるを得ず。

(2)形態を正しく、模写せしむるには、精確なる 用機畫法に依らずべからず。現今の教授は、自在 畫と連結すべき用機畫を全く別種のものとして別 離せしめたり。

(3)幼稚園に於いて頗巧みなりし児童が反って、

学校に出て甚だしく劣るに至りしは、学校に於い て、随意の発表を束縛したるに依るなりと。この 方面より見る時は、手本と実物を以て攻め付ける 他に、更に自由に自家の思想を発表せしむるを要 す。

(4)応用せしむることの少なきは又今日の欠点と いはざるべからず。

(5)図画教授に於いては、他の学科と同じく、幼 児の心理的発達の順序に従はざるべからず。」

②<動機づけの捉え方>

手本を模写するだけはよくないと今までのやり方 を指摘しているが、動機づけについての記述はな い。

婦人と子ども 第1巻第5巻 M34.5(1901) pp.68-69

「幼児の工夫」

図1「競争と兵隊」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

金の環と木の箸を使ったあそびで、材料を与え、

自由にやらせている。

②材料

金の環1 木の箸数本

③導入方法

④活動内容の提示

⑤子どもの反応

「其一(てふてふの譜)

こどもこども なにをみてよろこぶ かけつこするのを みてよろこぶ あかはたもつて しろはたもつて ばんざいばんざい 日本ばんざい 其二

こどもこども なにをみてよろこぶ

(3)

へーたいごっこをするのを みてよろこぶ てつぽーをもつて さーべるさげて

ぼーしをかぶつて プップップップップップップー 右の歌は、幼児らが、自造り出して、歌ひしも のにして、この歌に基づきて、金の環一と木の 箸数本とを與へたるに、自競争と、兵隊とを工 夫し出したるものなり

婦人と子ども 第1巻第7号 M34.7(1901) p.16

室内遊び

「紐遊び」

図1「紐遊び」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

紐を使ったあそびで、この材料で、こんなこと ができますというやり方の説明がされている。

②材料

長さ二尺直径一分許の紐

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「長さ二尺直径し一分許の紐の両端を、極ちい さい結目に繋いで、石盤の上に置き、鉛筆の尖 か、錐のさきで、彼方此方を付き出したり、付 き込んだりすると、下の様な色々の形ができま す。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第1巻第8号 M34.8(1901) pp.16-17

室内遊び

「紙の剪り方」

図1 「紙の剪り方」の見本

【実践紹介】

①実践の内容と種類

保姆の指示通りにつくらせている切り紙あそ び。

②材料

厚いま四角の紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「厚いま四角の紙を二つに折って、一圖のよー に、鉛筆で筋を書いて置いて、其の線通りに、

切ってごらんなさい。(後略)」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第1巻第9号 M34.9(1901)

室内遊戯

「紙の剪り方」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

保姆の指示通りにつくらせている切り紙あそ

(4)

図1 「紙の剪り方」の見本

②材料 細い紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「細い紙を、縦に二つに折って、輪になつてを る方から、一圖の線のよーに、斜に剪刀を入れ、

残らず切れましたら、ひろげて切れた所を、立 ててごらんなさいきれーです。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第1巻第10号 M34.10(1901) pp.10-11

室内手遊

「たたみ方」

図1 「たたみ方」の見本

(机→小さな屏風→座布団→紙入れ)

【実践紹介】

①実践の内容と種類

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくらせている。

②材料

半紙または千代紙、色紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「先ず圖の通り一番から順にたたんでみましよ ー」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第1巻第11号 M34.11(1901) pp.18-19

室内手遊(しつないおもちゃ)

「たたみ方」

図1 「たたみ方の見本」

(家→帽子→そー船→豚)

【実践紹介】

①実践の内容と種類

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくる工作活動。

②材料 折紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「前にたたみ方のお話をいたしましたが、今度 も亦そのつづきを申しましょう。さて今度は六 番で、家でござります。たたみ方は前の座布団 の端を、圖の様に引き出して、家根を拵えるの です。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第1巻第12号

室内手遊び(しつないてあそび)

「たたみ方」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

(5)

M34.12(1901) pp.15-16

図1「たたみ方」の見本

(肩掛け→山→襦袢(じゅばん)→ちり とり→かぶと)

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくらせている。

②材料 折紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「今迄申したたたみ方わ、最初に長い四角を造 るのでしたが、今度わそーでなしに、一のよー に先つ三角にたたむのです、これかもとでいろ いろの形が出来ますか、先つこれを肩掛といた しましよー。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第2巻1号 M35.1(1902) pp.13-14

「たたみ方」

図1「たたみ方」の見本

(額→船)

【実践紹介】

①実践の内容と種類

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくらせている。

②材料 折紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「今度は又別のたたみ方です、先づは四角な紙 の、邊と邊とを合せて長い四角にし、それを又 横に二つに折つて、まん中に線をつけ、両方の はしを、一圖のよーにまん中で合せ、又そのは しをひろげて、二圖のよーにし、次ぎにひろげ た所を、三圖のよーに折りかえし、又そのふち の裏の出ている所を、二つに折り又二つに折つ て四圖のよーにいたすのです、これわ紙入れで ございます。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第2巻1号 M35.1(1902) pp.10-11

室内手遊(うちでのあそび)

「たたみ方」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくる工作活動。

②材料

(6)

図1 「たたみ方」の見本 (花)

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「さて四方の角をそのまん中に集めて、一方を はねてごらんなさい、状袋です(第一圖)。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第2巻2号 M35.2(1902) pp.16-17

室内手遊(しつないてあそび)

図1「たたみ方」の見本

(柿の花)

【実践紹介】

①実践の内容と種類

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくらせている。

②材料 折紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「今度のたたみ方は、前のつづきでございまし て、やはり先づ四角な紙の四つ角を、まん中に 集めるのです、そして小さな四角になりました ら、又同じよーに裏の方へ折つて、なを小さな 四角にしまして、始め折つた方を、一圖のよー に折りかえしてこれを脚にして、立てて花籠に いたします。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第2巻3号 M35.3(1902) pp.13-14

「たたみ方」

図1「たたみ方」の見本

(はなかご くるま)

【実践紹介】

①実践の内容と種類

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくらせている。

②材料 折紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「今度のたたみ方は、前のつづきで、第一番は 灯籠でございます、たたみ方は車の通りで、輪 になつた所、一圖のイとロの所を裏かえしにし て引き出して、二圖のよーにいたすのです。」

⑤子どもの反応 記載なし

(7)

婦人と子ども 第2巻4号 M35.4(1902) Pp15-16

「たたみ方」

図1 「たたみ方」の見本

(灯篭→股引→足袋→鉄風船→風車→二 艘船→帆掛船)

【実践紹介】

①実践の内容と種類

折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保 姆の指示通りにつくらせている。

②材料 折紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「今度も又前のつづきで、第一は額です、これ は二艘船をひろけて一圖のようにし、その船の 底てあつた所を、中央て合ふよーに、裏へ折り かえして、二圖のよーにし、そのイとロとの所 を、三圖のイとロのよーに折り、又ハニホヘの 端を裏にたたみ込んで、四圖のよーにいたすの です、これで額ができました。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第2巻9号 M35.9(1902) pp.77-78

「幼稚園保育法」

【論考】

①<記事の内容および引用>

日本の幼稚園保育方法の一つである「手技」につ いて、アメリカの雑誌スクール、ジョルナルに掲 載されている保育方法と日本の保育方法とを比較 したうえで、日本の幼児教育の規律的すぎる点を 指摘している。

②<導入についての考え方>

日本の幼児教育の規律的すぎる点を指摘されてい るが、まだ導入方法を議論するところまではいっ ていない状態といえる。

婦人と子ども 第3巻10号 M36.10(1903) pp.45-49

「遊戯の方針」

町田 則文

【論考】

①<記事の内容および引用>

作品を作って持って帰り、どう保存したのか人に 伝えたのかも大切であり、これがなければただ自 分が面白く遊べばよいという方向に傾いてしま う。作らせる一片では知力だけに傾いてしまう今 日の問題を指摘している。

②<動機づけの捉え方>

作らせる一片で知力だけに傾いてしまっている現 状を批判し、作品を持ち帰り、家でどんな会話が なされ、家のひとが子どもの思いにどう寄り添っ

(8)

ョンを生み出す術となるようにとする考え方が伺 える。現状の保育を改善していこうとする動きが 見て取れる。

婦人と子ども 第4巻第2号 M37.2(1904) Pp53-56

「幼稚園の遊戯」

松村 ひさ

【論考】

①<記事の内容および引用>

理想の遊戯とはどんな風であるのかについて、「子 供に向て指導命令する事が少なく、保母の言ふ口 数も少なく、子供にとつては命ぜられて居るとい うふ感じが少ないのが良いのである」と説いてい る。

②<動機づけの捉え方>

一方的に、教師の言われたことをする教師主導の やり方を否定している。その中でも、子供にとつ ては命ぜられている感じが少ない教師の言葉が必 要であると述べていることから、導入の必要性に 気付き始めたのではないか。

婦人と子ども 第6巻第2号 M39.2(1906) pp.52-54

「談話と手技の結合」

和田 實

図1「大晦日」

図2「大晦日」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

教師がお話をしながら積木で形をつくってい く、談話と手技の結合

②材料 積み木

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「○あしたはお正月ですね、皆さん今日お帰り なさると晩に戸を締めて、窓をしめて寝るでせ う?そら是が家ですよ(1)早くあしたになると よーございますね

○此家はメリー、トムの家です、二人は仲のよい、

はきはきした、すなほなよい子であります、今夜 は大晦日だからいい子には福の神があしたいいお 年玉をくれますよ茲に寝床が二つあります、是方 メリーですよ(2)」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第7巻第10号 M40.10(1907)

「粘土細工に就て」

藤五代策

【論考】

①<記事の内容および引用>

「子供が家庭で手遊びする事柄は色々あるけれど

(9)

pp.31-33

図1「粘土細工記事参照」

も我思想を一の形體としてするに最適當したもの は粘土細工が最もよいのです」と、粘土細工の見 本を示している。

婦人と子ども 第7巻第11号 M40.11(1907) pp.28-32

「色の話」

藤 五代策

【論考】

①<記事の内容および引用>

夏は寒色を用いて青松に雪の降り積もる絵を飾る のがよく、冬は熱色にて描ける掛物や壁絵がよい など、熱色と寒色について述べている。

婦人と子ども 第7巻第12号 M40.12(1907) pp.16-18

「色板排べに就て」

藤五代策

図1「第一種の色板」

図2「第二種の色板」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

色板排べの取扱いについての説明。

②材料 色板

③導入の方法 記載なし

④活動内容の提示

「色板は先づ之を排べまする前に色板の色の名 称と單形の名称とを問答して次に如何なるもの を排ぶるかをよく考案せしめおいてからボツボ ツと静かに排列せしむるものであります。」

⑤子どもの反応 記載なし

(10)

図3「色板並べの記事参照」

婦人と子ども 第8巻第1号 M41.1(1908) pp.17-19

「切貫細工につきて」

藤五代策

図1「切貫細工記事参照」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

切貫細工について説明している。

②材料 画用紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「切貫くべき形は最簡単にして子供の常に目撃 する併かも興味を以て迎ふる器物や動植物の形 でなければならぬ且又切貫くべき個所は成るべ く形の周辺を切り貫きて内部は極めて切貫かず にすむ様な形がよい之れと同時に其の形は一纏 りになつてばらならに切れ離れぬ者が望みたい のであります斯く形の上に要求したならば其の 要求の範囲内にて子供に種々の形をよく見させ て形を正しく看取する習慣を養ふのです次に其 の形は如何に影に映ずるかを実験さするのであ りますが是れは極めて簡短の仕方で先づ壁。障 子の如く立面に建てる者と燈火との間に器物を 鋏み其の陰影の立面に映ずる處をよく観察せし め尚其の形を鉛筆にて寫すときは大躰の形を得 られますから直ちに之を切貫かすのでありま す。是れは最も秩序ある方法でありますが、常 には子供の心に浮かんだものを気儘まに鋏にて 切り貫かすのであるが多くの子供の内には中々 巧みで大人でも及ばぬ様な成績を見ることがあ ります。斯く出来たものは臺紙に貼り付け尚鉛 筆を用ふる箇所あらば随意に描かすのでありま す」

⑤子どもの反応

(11)

記載なし

婦人と子ども 第9巻第1号 M41.8(1908) pp.19-22

「幼稚園の手技と小學校の手工」

藤五代策

【論考】

①<記事の内容および引用>

家庭から入ってきた子は探求心があるが、幼稚園 から上がってきた子は、「それは幼稚園で習った」

と探求心がない。小学校でこのような姿が見られ ることから、小学校の一年生に手工を教える様な 扱いと同様に教えてはいないか、身体の発達に留 意してよく遊ばせることを主として物を作らせる べきであると指摘している。

婦人と子ども 第9巻第1号 M41.8(1908) p.30

子供と繪(一)

野生司香雪

図1「略畫」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

五六歳の子どもに絵を描かせる方法が説明され ている。(描けない子どもへ描ける方法の簡単な 見本を提示している)

②材料

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「六七才の子供に畫かしむる繪と云ふものは子 供が常に喜ぶべき物体の其特徴を捉へてこれを 極單易に畫かせる様に努めなければならん其方 法としては子供の意識に上って居るところの材 料を捉へて其の順序は子供の真意の働きの状態 に従はなければならんのであるからして一定の 方式には依らずして子供の視覚にありて感ずる ままを畫くの能極めて不完全なれは之を畫くべ き方法の極單易なるものを常に教示して置くこ とが必要である。」

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第10巻第4号 M43.4(1910) pp.26-31

「遊戯的手工指導法」

和田 實

【論考】

①<記事の内容および引用>

遊戯的手工には間接的、直接的指導法の二つがあ り、間接的により興味を示さなかった幼児は、直 接的指導を引用する。それは次の三段階に区別す べきだとしている。

「一、模範に因る模造工作

二、少許なる指導を受くる半自由工作

(12)

②<導入についての考え方>

導入についての記載ないが、自由製作という言葉 が出て来た。

婦人と子ども 第11号第3巻 M44.3(1911) pp.11-15

「自己活動の原則に就いて」

和田 實

【論考】

①<記事の内容および引用>

作り、工夫することばかりでなく、どんな経験を させてやるのかを考えることの大切さを説いてい る。

②<動機づけの捉え方>

動機づけについての記載はないが、作るための過 程が注目されてきたといえる。

婦人と子ども 第11巻第3号 M44.3(1911) pp.24-26

「幼稚園に於ける圖畫」

藤五代策

図1「半円を使って様々なものをつくる」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

小学校の図画教育の中から幼稚園児にもよいと 思われる方法をあげており、半円を使って何が できるかを考えさせている。

②材料

保母:直径4寸の半円形及びチョーク

子ども:半円形、種々の色鉛筆、十六枚切画用 紙

③導入方法

④活動内容の提示

⑤子どもの反応

「今日はみなさんに丸を二ツに切つた、半圓の 形を一枚つつ、お渡ししてあります。此の半圓 の形を圖學紙の上において、其の周りを鉛筆で なぞつて、平らにおいた處、縦においた處、又 は倒においた處など、澤山の形を描いて、その 形に種々の部分をくつ附けて、皆さんの好きな 形を描くのであります。

さあ是から、どんなものを描いたらよいか考へ て見ませう。皆さんそつと目を閉ぢて考へて御 覧なさい。朝早く起きてお台所に行つて、女中 の扱つてゐる品々を考へて御覧なさい。半圓に 見えるものはありませんか(此時多くの幼児は 鍋があります、笊があります、茶碗があります、

鉢があります、など口々に言ひ出す)

さあ考へ出したら、鍋でも茶碗でも、その物に

(13)

図2「木の葉などの輪郭を写す」

図3「点と点を結ぶ」

見える様に、脚や糸底をくつ付けて御覧なさい。

今度は學校へ参る途中で、店屋に排べてあるい ろいろの品を考へて見ませう。先づ水菓子屋の 前に出でました。澤山の果物を二つに切つて御 覧なさい。若しも半圓に見える物があつたら、

夫れを描いて綺麗に色をお塗りなさい。次には 帽子屋に行きます。櫛屋に行きます。傘屋に行 きます。仰いで空を眺めます。軽気球の様のも のがあるかも知れません。夜になると又々面白 いものが顕はれます。皆さんは澤山のものを考 へ出したでせう。今日は成るべく澤山描いて、

綺麗に色を塗りませう、斯く導いて行きます と、如何に鈍い幼児でも三つか四つ、位は、何 か物の形を描き出すのであります。」

「輪郭をとらすには、樫の葉、紅葉の葉、銀杏の 葉の如きを、圖畫用紙の上におき、左の手にて動 かぬ様に押さへ、右手に鉛筆を持ちて、正しく輪 郭を寫して好みの色を塗らすのである或は以上の 葉形を三四枚も散らして寫させ、葉と葉との間に 枝を附けると、亦一層面白いものが出来る。例へ

ば始め1、2、3の如く葉を寫しておき、後に4の

枝を附けるのである。

「之れは器物、景色、動物、の如きものの、必要 な點又は線を描き與へて、餘地の部分は、手本又 は考案によりて描き足す方法である。此の點及び 線は極めて淡い水色で印刷したものならば一層結 構であるけれども、若し印刷が面倒であるならば 畫用紙を二三十枚ずつ重ねておきて、其上より針 に點を作るのもよい。而して線は點を續くれば出 来ます。例えば次の如き海面に船の浮べる處を描 かさんには、其の必要なる點123456の部の點を作 りおき、幼児は手本を見て、點と點とを連接して 題畫の如く描き、之れに彩色を施す方法である。」

(14)

発行年・出典 タイトル・寄稿者・図 内容・要点 婦人と子ども

第13巻1号 T2.1(1913)

pp.15-18

「如何にして幼児に圖畫を描かしむる か」

東京女子高等師範学校助教授 藤 五代策

【論考】

①<記事の内容および引用>

幼児にどのような方法で絵を描かせるか5つの点 から述べている。

「描寫法の四五を掲ぐることにせう。

一 、平 面形 の折 紙細 工品 又は 草木 の葉を 寫さ しむること。

二、盛んに影畫を描かしむること。

三、針金にて大體の輪郭を作り之れを寫さしむる こと。

四、畫用紙に必要なる形状を描き與へ其の他の部 分を幼児に描かしむること。

五、透寫畫を描かすべきこと

幼児の圖畫は保姆の方より六七分までは献立 をなし與へて、三四分の部分に向つて描かす 様にしたならば頗る佳良の成績が見らるるで あらふ、いくら幼児だからとて、従来の如く 全く放任して描かせては、いつまで立つても 上手にはなれない」

婦人と子ども 第13巻7号 T2.7(1913)

pp.255-265

「觸覺筋覺關節覺を其根底とせる圖畫 教授の實驗的研究」

神戸幼稚園園長 望月 くに

図1「四角3形」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

「竹の皮を用ひて種々なる形態を作り是を表面 滑らかなる厚紙に貼付す。」

保母の指示に従って描く。

②材料

竹の皮(正三角形、正方形、圓、達磨)

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「従来の方法と新案との成績を比較線固めに次 の三種の方法により畫を畫かしめたり。

(一)園児の一組を保育室に容れ畫かしめんと する形體の名称を云ひ直に鉛筆を以て畫洋紙に 其名称に應ずる圖畫を畫かしむ。例へば「三角 を書いて下さい」「マルを書いて下さい」と云ひ て直に畫かしめ其成績を集めて研究の資料と なす。此の際畫く時間は各自の任意にせり。

(二)畫くべき形體の手本を示して是を畫洋紙 に摸寫せしむ。

(三)先に工夫したる練習用具を各園児に與へ

(15)

図2「丸」

図3「正三角形圓形」

食指の先端を以て竹の皮にて造られたる形體の 輪郭を閉眼又は開眼にて幾囘も觸知せしめ(多 くは拾數囘)被驗者の心に該形體の視覺的筋覺 的關節感覺的心像を作り、且つ其形體を畫くに 必要なる筋肉運動の習慣を或程度まで成立せし め然る後に紙面に該形體を畫かしむ。

⑤子どもの反応 記載なし

婦人と子ども 第15巻2号 T4.2(1915)

pp.76-78

保育入門

九、幼稚園教育の方法 第三、其の手段 三、 手技、圖畫 倉橋 惣三

【論考】

①<記事の内容および引用>

描き方を教えると感動がなくなるため、幼児教育 の手段としての圖畫手技であることを説いてい る。

「幼児の畫に對しては、之れは何であるかと問ふ よりは、之れは何がどうして居る處かと問ふべき ものである。又此の意味の期待を以て、その指導 を與ふべきものである。此のことは幼児教育者の 深く注意を要することであつて此の事を忘れて、

幼児の圖畫の興味を正當に指導することは決して 出来ない。幼児は犬の走る事を描こうとして居る のに、犬そのものを描いて居るものと解釋せられ、

又その如く要求され得ない幼児は次第に圖畫の技 巧の六かしさのみを覺えて其の感與は失せて仕舞 ふのである。」

②<導入についての考え方>

導入についての記載はないが、幼児は犬の走る事 を描こうとしているのに、犬そのものを描いて居 るものと解釈されているとあるように、子どもの 姿を捉えていこうとする考え方が伺える。

(16)

婦人と子ども 第16巻第5号 T5.5(1916)

pp.177-182

保育材料の循環的排列 目白幼稚園長

和田 實

「目白幼稚園保育材料豫定細目標表」

図1

「目白幼稚園保育材料豫定細目標表」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

畫き方の方法が記載されており、保母の指示に 従って行っている。

②材料 鉛筆、紙

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

「小学校の方では寫生が大體に於て目的になつ て居りますが、幼稚園では自分の意志を発表す る爲めに畫き方を習はせます。案の始めに直線 の練習、圓の練習などありますが、實際やる時 には直線練習だから直線をかかせるといふ事で はない、たとへば障子をかかせるとか、鐵道路 線をかかせるとか云ふ事にして子供に興味をも たせるやうにして居ります。

「たとへば前に練習した線を應用して山とか木 の書き方を教へるといふ風にします。

⑤子どもの反応

「子どもは非常に喜びます。」

婦人と子ども 第18巻第3号 T7.3(1918)

pp.110-118

動物園あそびの記

東京女子師範学校付属幼稚園保姆 とよ子

図1「水族館」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

「動物園あそび」

子ども主体に考えられており、子どもが自主的 に行っている。

②材料

画用紙、糊、型紙、積木、鉛筆、はさみ

③導入方法

⑤子どもの反応

「其五つと入口左右の壁裏表に貼るための森四 枚とを教生(本校四年生にて實施保育練習生)

にたのんでいて貰ふ事にした。頼まれた人々は 紙を何枚も何枚も繼いで部屋一ぱいに擴げて畫 き始めた。殆んど實物大の象を描かうといふ、

なかなか大變な事である。其の輪郭をとるだけ でも大變である。大きな刷毛で思ひ切り大きく 畫いてゐる。細かい所が分からなければわざわ ざ動物園に見に行く。かく迄して一生懸命に畫 いた。其尊き本眞劍な努力。子供は之を見た。

(17)

図2

「色々な案が出て、それを絵に表し壁に 貼っていく」

図3「象」

實に之を見た。單に繪の進行のみを見たのでは なかつた。「象はまだかなあ」と毎日の様に待ち 遠しがられながら、象は一日一日と形と色とを 成していつた。「僕は早く象が剪りたいなあ、ま だかなあ」と、とんでもない時に鋏を握つて待 ち詫びた子供もあつた。 々象が出来上がつた となると、其悦びは一通りでない。「象出来まし たよ」と云へば、見たさ、剪りたさに、何もか も捨てて慌て出した。やがて遊戯室に廣く蓙が 敷かれ、其上に象が擴げられた。「やや大きいな あ」「先生剪らせて下さい」「僕も剪らせて下さ い」「僕、鼻ッと」「僕あたまッと」「僕脚ッと」

「僕背中ッと」各自が欲する所を申出して、鋏 を握つて座つた。先生に更に範囲をきめて貰つ て、各自剪り始めた。

「何れもベストを畫さうと鈴の様な眼を見張つ て夢中になつて剪つてゐる。」

④活動内容の提示 記載なし

婦人と子ども 第18巻第5号 T7.5(1918)

pp.181-186

彩色遊びに就て

東京女子師範学校付属幼稚園保姆 つや子

【実践紹介】

①実践の内容

ぬり絵あそび(子どもが自主的に行う)

②材料 紙、色鉛筆

③導入方法

④活動内容の提示

⑤子どもの反応

「皆に一枚づつ騰寫版にすつた毬の図案と一揃 の鉛筆とを與へます。各机には豫め保姆の彩色

(18)

図1「ぬり絵あそびの紹介」

たいもののために)。初める前に最も楽な姿勢 をとらせて「お口を縫いませうね、もし中途で 御用が出来たら音のしない様に立つてそつと先 生の所へいらつしゃい」と申しました。子供は もらつた圖案をながめて大喜びです、いよいよ 初めるともう本眞剣になります。隅々隣りのを のぞく子供も直きに自分のにもどつてぬつてゐ ます。熱中するので鼻水の出る子供も出来ます。

すると自分でこっそりと足音をしのばせて立 ち、室の一隅で静かにかんでまた着席して塗り はじめます、うれしそうに、一生懸命に。」

幼児教育 第19巻第12号 T8.12(1919)

pp.463-470

幼児教育と繪畫 鹿島三原女師 米山えん

【論考】

①<記事の内容および引用>

繪畫における階段的発達を三つに分け、

1 錯畫時代 2 想像畫時代

3 説明畫及芸術畫時代

こういった発達段階を考慮しながら絵画活動を行 う際の保育材料について紹介している。

幼児教育 第21巻第3号 T10.3(1921)

pp.105-114

幼児の発問の研究 黒瀬 艶子

【論考】

①<記事の内容および引用>

「これは何?」「なぜ?」ときく子供の心持ちには、

いろいろな意味が入っているが、その対応策につ いて解説している。

②<導入についての考え方>

導入についての記載はないが、子どものことを理 解しようとする傾向が現れている。

幼児教育 第21巻第5号 T10.5(1921)

pp.163-168

粘土細工に就いて 宇都宮多歌子

【論考】

①<記事の内容および引用>

粘土細工を幼稚園で教授する場合での教材につい て解説している。

「第一に季節のものをさせます。

第二には、時事のものをさせます。

第三には自由なものをさせます。」

「この前の日曜には皆さん何處に遊びに行きまし た?」「先生、わたしは御姉様につれられて上野の 動物園を見に行きました。」と、問ひを待ちかねて ゐたやうに、あちらにもこちらにも、小さい口は

(19)

開かれてやがてがやがやと答へることでせう。そ の時、「動物園で何を見て来ましたか?」「虎を見 ました」。「熊を見ました」。それでは、「あなたは 虎を粘土でつくつてごらんなさい」。「あなたの方 は熊をつくつて先生に見せて下さい」。と云ふやう に、何をつくろうかと思ひわづらつてゐる子供が あつたら、かうした問を出して、ヒントを與へて やるのもよろしい事です。

第四には型を與へて細工をさせます。」

第五には題を授けて細工をさせます。」

②<動機づけの捉え方>

自由にものを作らせるときには、教師がある程度 イメージしやすいように誘導していくその方法が 書かれていることから、従来までの見本を示して させる方法から変化していることが伺える。

幼児教育 第22巻第9号 T11.9(1922)

pp.209-274

児童と製作 女子高師講師 中田 俊造

【論考】

①<記事の内容および引用>

子供は如何に物を造るか、その製作に対する動機 と目的、又目的が如何なる過程で進展するのかに ついて述べている。

「凡て児童の製作は、遊戯的本能に基ける構成的 遊戯に始まるのである。思ふに遊戯は児童に取つ て最初の仕事であつて、彼等は吾人が職業を有せ ねばならぬ様に遊戯は必ず爲さねばならぬ仕事で ある。」

②<動機づけの捉え方>

動機という言葉が使われ出している。

幼児の教育 第23巻第7号 T12.7(1923)

pp.36-44

私の子供の繪

―児童畫発達の實際研究―

東京女子高等師範学校助教授 山形 寛

【実践紹介】

①実践の内容と種類

私の子供の絵(お絵かき)

(子どもの発達段階における描写生活の観察記 録)

②材料 紙、鉛筆

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

・満3歳から5歳頃の描写について

(20)

図2「妹」満五年頃ノ作

図3「顔」二年八ケ月頃ノ作

は、「耳の上に髪の毛がたれて見えない様になつ て居るでせう」と答へた。成る程妹の耳はおか つぱさんに下げた毛のために大部分かくれて居 るのであった。私は之を聞いてはつと思つた。

子供の繪を見て之はちがつて居るの、變である のなどとうつかり云へないことを今更の如く感 ぜしめられた。彼にとつては耳の上に毛がたれ てかくれて居るのだと云ふ思想が充分に表現出 来て居るのである。」

幼児の教育 第23巻第8号 T12.8

p.26

子どもにさせる塗り繪と貼り繪 東京女子師範学校付属幼稚園 及川 ふみ

図1「子どもにさせるぬり絵と貼り絵」

図2「子どもにさせるぬり絵と貼り絵」

【実践紹介】

①実践の内容と種類 ぬり絵と貼り絵

(日常の経験を工作活動に結びつけていく)

②材料

紙、はさみ、のり

③導入方法

④活動内容の提示

「ついさき元気に挨拶したばかりの弘ちやんと 新ちやんとの顔が見えない。「おや、新ちやんも 弘ちやんもゐらしいた筈だのに」と獨言をいふ と、「ええ、今ね、マントに帽子をもつて裏のス トーブ小屋へ、かたつむりをとりに・・・」私 は「そう」といつたまま、急いで裏へ行ってみ た。すると、長靴の足もと危く、石段にかけの ぼつて、獲物をねらつて手を伸して居るとこの ろであつた。「先生、こんなのが・・・ほら」と、

碗豆粒位のをてのひらにのせて見せた。そうし て、うれしさうに可愛いい肩をゆすりながら、

いそいそとお部屋に歸つていつた。「とれた?」

「とれて?」羨ましそうに、みなが訊く。私は、

その日の切り紙を「かたつむり」にしました。

(21)

⑤子どもの反応 記載なし 幼児の教育

第25巻第1号 T14.1

pp.20-24

大正十三年最終の保育誌 京都 原 美代

【論考】

①<記事の内容および引用>

サンタが大きな袋を持っていると、中に何が入っ ているのか、興味津々の子どもたちの様子を書い ている。

「サンタクロスのあそび」

「此の園の兒供達は常に三圓や五圓位の玩具を與 られてゐる幸福な家庭の子女であるが、かうした 園の贈物は高の知れた二十三錢のつまらぬ玩具で ある。それがどれ丈幾倍か子供のよろこびに價す るであらうかを思はせ私共られる、其の品が子供 の満足をかふに價値ないものであつても、其あそ びの間其封じたものを開く迄での子供のよろこび に満ちた好奇心それを持ち歸つて家庭に於ける語 り草、其印象何れも私共の望ましい事ではあるま いか、かうしたあそびの中に保姆と子供とは心の 接近、互の心のよろこび共通など考へさせられる ものではあるまいかと思ひました。

②<動機づけの捉え方>

子どもの好奇心に着目した実践といえる。この実 践からは、動機づけの重要性が伺える。

幼児の教育 第25号第5号 T14.7

pp.51-53

八百屋遊び 及川 ふみ

図1「八百屋遊び(一)」

【実践紹介】

①実践の内容と種類 八百屋あそび

(子どもが作った作品をもとに、そこから活動 を発展させていく形)

②材料 画用紙

野菜(画用紙に絵をかきそれをきりぬいたもの)

③導入方法

④活動内容の提示

⑤子どもの反応

「この間からみんなが一生懸命にしてこしらへ たお野菜(これは画用紙に絵をかきそれをきり ぬいたものであります)が 箱の蓋一杯にたま つてゐます。早速茶色の紙で小さい丸を澤山う ちぬいてお金をこしらへました。そこで「今日

(22)

図2「八百屋遊び(二)」

ろこびで五六人の子供達は物置へはしりこみま した。そして自分達の背よりも高い衝立をわい しよわいしよとお部屋へかつぎこみました。こ れが彼等の愉快な遊びとなりました。」

幼児の教育 第26巻7・8号 T15.7

pp.71-91

研究発表

幼児人物畫の発達 神戸幼稚園保姆 松永 とき子君

図1「頭の部」

図2「胴の部」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

幼児の人物画の発達について解説している

(保母の指示に従って描く)

②材料

八切畫用紙とクレヨン

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示(以下 引用)

(一)目的

此研究は私共の園児に一ヶ月に一回づつ描かせ て居ります人物畫に依つて、年齢の上から幼児 の精神の発達を見たいと思つて致しましたもの で御ざいます。

(二)実験の方法

一、毎月一回全園児に「人をお書きなさい」と 言ふ命令のもとに畫かしめたものであります。

一、全園児一斉に各組の部屋で描かせました。

一、時間は朝の初めに致しました。

一、用具は、八切畫用紙とクレヨンを用ひまし た。

一、描き終つた者はそれを保姆に渡し畫いた人 物について色々の説明を致しました。保姆はそ れを記入いたしましたが表現の理解の出来ぬも のは尋ね、それについて答へたものは記入し答 へなかつたものは仕方なく意味不明といたしま した。

四歳頃の、観念がポツリポツリ頭の中にある 時代には物を附號で表し得るに過ぎませんか ら、しいて實物の様に描かせ様とつとめなくと

(23)

図3「手と足の部」

もよいと思ひます。大人が描いてみせると言ふ 様な場合も符號で表す程度のものでよいと思ひ ます。之が次第に進んで参りまして五歳位にな りますと實物を見るままに描き他の物との関係 などと云ふ事が表れ初めて参りますから物を観 察すると言ふ事はこの時に初めなければなりま せん。即ち寫生を初める時期は此時であります これより其子供の発達の丁度に依つて重荷にな らぬ様に適當に導いて行く事が我々保姆の任務 だと存じます。

⑤子どもの反応 記載なし

(24)

発行年 タイトル・図 概要・要点 幼児の教育

第29巻第6号 S4.6(1929) pp.51-56

幼児畫に現れた種々

東京女子高等師範学校家事科教生

図1(上)

「笑った顔・泣いた顔・怒った顔」

図2(下)

「(左)泣いた顔・(右)笑った顔」

【実践紹介】

東京女子高等師範学校からの実習生が四週間の実 習で得られたことを形として残そうと子どもの絵 画活動について調べている。

①実践の内容と種類

笑つた顔、泣いた顔、怒つた顔を書かせた。

(保母の指示に従って描く)

②材料 紙、鉛筆

③導入方法

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

「怒った顔は他の表情よりも幼児にとつて表し 易いらしかつた髪を立てたもの、角を生やした 者、一體に線を強くした者、又芝居から表情を採 った者もあつた。」

①実践の内容と種類 物語を繪にかかせた。

(保母の話から印象に残った場面を描く)

②材料 紙、鉛筆

③導入方法

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

「年少は話を畫に書くと云ふ事は束縛を感ずる らしいが年長は寧ろ興味を以て書いた。」

①実践の内容と種類 寫生(象の絵を描く)

②材料 紙、鉛筆

③導入の方法

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

「年少組には『描けない』と嫌がる者が多く、年 長組は割合に興味を以つてかいた、が普通の自由 畫よりは一倍半の時間を要した。」

(25)

①実践の内容と種類

自由畫(お絵かきのお帳面からとったもの)

②材料 紙、鉛筆

③導入の方法

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

「自由に現はれたもの、種類を調べた。

數の多いものから順に並べると次の様である。

年長組 男31人→船、景色、電車、家、自動車、

汽車、人

女25人→花、景色、家、人、船、器物 年少組 男25人→船、電車、自動車、人、花、

景色

女25人→花、家、電車、旗、景色」

幼児の教育 第29巻11号 S4.11(1929) pp.66-70

箱のお家 及川 ふみ

図1上「箱の家一」

図2下「箱の家二」

【実践紹介】

①実践の内容と種類 箱の家づくり。

(なるべく幼児の手だけで出来るように考えら れた工作活動)

②材料

紙の空箱、ボール紙、色模造紙、クレームペーパ ー、セロハン

③導入方法

「今年の5月頃から紙の空き箱を幼児の家から 二つ三つづつ持ってきてもらってお家を作り始 めました。」

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

「登園した幼児から今日の仕事の番にあたつて ゐる幼児を一机として仕事を始めてゐるうちに 組のほとんどの幼児も登園して男児の一團は廊 下をへだてた前の部屋で大積木でお家をこしら へて遊んでゐる。両方の部屋の戸をあけはなして 時々そちらも気をつける。

女の子はお部屋の一方にござを敷いておまま ごとをはじめてゐる。」

(26)

幼児の教育 第31巻第1号 S5.1(1930) pp.64-69

丸ばかりで作る切抜細工 山形 寛

図1「第一圖 小鳥」

図2「第二圖 ひよこ」

図3「第三圖 人 」

図4「第四圖 ダンスをしてゐる人」

図5「第五圖 駆けてゐる人」

【論考】

①<記事の内容および引用>

「〇の形でつくる切抜細工のほんの一例を紹介し ている。

第一圖 小鳥 第二圖 ひよこ 第三圖 人

第四圖 ダンスをしてゐる人 第五圖 駆けてゐる人

以上述べた所は丸を用ひて作る一例に過ぎないの であるから、先生ももつと面白いものを考へ子供に も考へさせて作らせて見るがよい。」

(27)

幼児の教育 第30巻4号 S5.4(1930) p.43

八百屋遊び―幼児の生活(三)―

図1「八百屋遊び」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

手技工程が取り入れられている八百屋遊び

(子どもの心持ち(動機)をもとに展開していく 活動)

②材料 厚紙、粘土

③導入方法

④活動内容の提示

「おとなのするやうに、自分でも買い物の眞似が したい。それよりもなほ、賣り手になつて見た い。」そういふ心持を動機として、先づ八百屋の 店が作り始められます。」

⑤子どもの反応

「練習とかけいことかいふ練習意識を全く離れ て、自分達の仕事に専念没頭しております。」

幼児の教育 第30巻第5号 S5.5(1930) pp.71-78

切り紙(猫のお見舞) 及川 ふみ

図1「猫のお見舞」

図2「第一図」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

お話を聞かせてから切り紙製作をする

(お話から製作活動へ)

②材料

台紙、色鉛筆又はクレヨン、はさみ、のり

③導入方法

「この話中の橋を渡って二匹の犬が見舞いにゆ くところです。」

④活動内容の提示

「これは年長児の材料としてこしの「らへて見た のであるが割合にきりぬく場面も多いので數回 にわたつて連續した作業として取扱ひたいので あります。背景はこの種の作業になれて居る幼児 には定めた背景を與へずに幼児自身に書かした 方がよいのでありませう。」

⑤子どもの反応 記載なし

(28)

図3「第二図」

図4「第三図」

図5「第四図」

図6「第五図」

幼児の教育 第30巻11号 S5.11(1930) pp.49-52

健康増進の手技に就て

富山懸高岡市北陸女学校付属幼稚園 南 タミ

【実践紹介】

①実践の内容と種類

幼稚園での約4週間の健康増進習慣の一つとし ての手技の様子についての紹介。

「私の幼稚園で約四週間を健康増進の週間とし て、順序的に幼児に其知識を與へ之を歌、童話、

(29)

図1「健康週間ノ手技ノ一部(一)」

図2「健康週間ノ手技ノ一部(二)」

劇、手段に結びつけて致しまして、手技は次のよ うなプログラムで年長組幼稚園、各異なつたもの をいたしまして、四週の終りに特に健康デーとし て手技を陳列し、また健康増進に関する童話や 歌、劇、等を致して父兄の方々に見ていただきま した。」

③導入方法

④活動内容の提示

⑤子どもの反応 記載なし

幼児の教育 第31巻第7号 S6.7(1931) pp.41-56

幼児の繪について―母を目標として―

中村 楠雄

【論考】

①<記事の内容および引用>

幼稚園でなぜ絵を描かせるのかについて書かれて いる。(以下引用)

<幼稚園でなぜ絵を描かせるのでせう>

「一方にはそれが幼児の心身の発達程度に相応す る事が必要であり、他方には、幼児での現在将来の 生活に価値あるものである事が必要である。

図畫の教育的価値

1 描畫による自由表現の要求の満足、並に其の方 法の知識及技能の習得。

2 描畫発表により思想の明確を得ること。

3 自然並に美術品に對する鑑賞力を養ふこと。

4 描畫材料に関する知識の習得並に用具の取扱 上の習熟。

<幼児にはどんな方法で絵を描かせるのでせう>

「幼稚園の教育は今もやはり注入的、觀念的な方法 を避ける事に變りなく、専ら幼児生活の充實進展に つとめてゐるのであります。」

<幼稚園で繪を描かせる場合の具體的實際例>

「あのね、先生!正彦さんね、僕のお父さんこんな 口髭はやしてるつて、かいたのよ。」

「そしたらね、先生!一美さんは僕のお父さんの は、こんなに長いぞつて、あれ書いたの」

(30)

ね。」

こんな問答をしてゐるうちに段々登園して、子供 の數は増して来ます。

「先生!僕兵隊さんかけます。」

「先生!あたしお母さんようかきます。」 などと、申し出る子供があります。

「さうを―えらいのね、じゃあ書いて見せて頂戴と 申しますと、

「はい」

とお返事をしていそいそとかき始めます。

②<動機づけの捉え方>

汽車ごっこから「汽車ごっこの絵を描きたい」とな るように、導入部分である遊びの充実を説いてい る。

幼児の教育 第32巻第4号 S7.4(1932) pp.58-62

切抜折紙の動物 山形 寛

図1「鶴」

図2「馬」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

切抜折紙の動物の作り方の紹介。

(保母の指示に従って行う)

「切抜折紙の動物の作り方を紹介します。

これは別に新しい方法ではなく、今ではだいぶ 方々で行はれて居り、子供雑誌などにも時々散見 しますし、キャラメルのおまけなどにもついてゐ るやうですが、幼稚園手技の材料としても面白い ものですから、お試しを願ひます。」

②材料 紙、はさみ

③導入方法

④活動内容の提示

⑤子どもの反応 記載なし

(31)

図3「カンガルー」

図4「熊」

幼児の教育 第32巻第4号 S7.4(1932) pp.17-18

紙の儉定について 岡田 千代

図1(上)「第一図」

図2(下)「第二図」

【実践紹介】

①実践の内容と種類

物事がほんの少しわかりかけてきた子どもの絵 について述べている。(見本を見せて描く)

「第一圖は問題の電気スタンドの手本である 第二圖は理知と感情が一致した優れたものであ る。

先づ姿勢を正しく手本の圖をよくながめて此 れは何であるか、何を描くのか、ここから描くか と云ふ事を了解して、判然した意識で自信をもつ て描いたものである。此れには子供の魂が一本一 本の線の中に動いて伸び伸びして力強く見える、

どこまでも自分で思ふところまでやると云つた 気持ちで出来上がつてから最う一度見比べたの である。

第三圖は、この時代の子供の心理的特長とか云 ふが、第三圖の様に物を反對にしかも安々と描き 表はす事の藝度はすばらしいものである、多分自 分に一番近いものから順に先きに描いたからだ ろうと思はれる。

(中略)

第4圖 は、あわてて充分に手本を見ないで、

いきなり筆を取る、そして唯常識的に最後までほ

(32)

図3(下右)「第三図」

図4(下左)「第四図」

がひを描いたとも気づかないのである。

(中略)

又男児と女児を比べて見ると、形が整はなくと も何かを受ける、魂の動くのは男児である、女児 は美しく上手に描うとするから小さくまとまつ て何等動く精神が受け取れない。以上二つの事が らは大に考へさせられる。」

幼児の教育 第34巻第6号 S9.6(1934) pなし

自畫自詠 六歳女児

おなじく六歳男児

図1「自畫自詠 六歳女児」

図2「おなじく 六歳男児」

幼児の教育 第34巻第7号 S9.7(1934) pp.67-74

共同製作について 東京市立淡路幼稚園 北條 静

【実践紹介】

①実践の内容と種類

共同制作について述べている。

(生活の中から製作の題目を決める)

③導入方法

④活動内容の提示

⑤子どもの反応

<製作過程>

1、題目の選択。この製作になれて参りますと幼

(33)

図1「共同制作の様子」

児自ら題目を選びますが大體は保姆があれを仕 様とまづ目標を定めます。

2、幼児と話し合ひ題目の中にひき入れる。即ち 幼児にその題目を理解してもらうのであります。

3、誘導性のある、題目の中心となる仕事より始 める。

4、幼児の創造性を誘導して仕事を発展させる。

5、題目の発展性及び幼児の興味次第で進展、継 続する。

例へば動物園と云ふ題目を定めます。動物園に ついて色色話し合ふ時、ある子は象の鼻を。あ る子は御猿を。又變つた子は茶店の事を考へた り。それぞれに動物園の何かを考へて居るので ありますこの中からまず最も中心となつ動物 から作り出します。動物を作れば必然的に檻 も。えさも。と進んでいきます、③④⑤そして自 由に活動出来る動物園が出来上つて行く譯で あります。」

幼児の教育 第35巻第3号 S9.7(1934) pp.66-74

大型の動物製作

付属幼稚園 村上 露子

【論考】

①<記事の内容および引用>

大型の動物製作に至るまでの過程を紹介している。

(以下抜粋)

(子ども発信からの製作活動)

或る朝の事、前日の續いたお休みに、偶然にも數 人の子供が動物園に行つたと、しきりに話しをし て居りました。如何にも親しみを持つて居る様子 に、私も乗り出して、

「象さんに乗って見たい?」

と切り出しました。みんんはニコニコ笑つて頷づ きます。

「何がお好き?」

「僕ライオンだよ」

「私兎ちやんだわ」

「象が好き」

「みんな大好きだい」

「山の組でも動物園作らないこと?とてもいい ものを」

「うん作らう」

と殊に力の溢れた正大君が、眞先きに力強く申し

(34)

「馬だの象だの、大きいの作りませうよ。皆さん の乗つかれる様なのね」

「先生、何で作るの?」

「大きな木の箱があるでせう、あれで作つたらど う?頭と脚と尻尾をつけたら本當に乗つかれま すよ」

「いいね」

と皆んな大喜びで御座いました。

幼児の教育 第35巻第7号 S10.7(1935) pp.31-32

木の葉を觀て描く 新庄 よしこ

【実践紹介】

①実践の内容と種類

色々な葉っぱを観て描く実践の紹介。

(保母の指示に従って行う活動)

②材料

鉛筆、紙、毛筆

③導入方法 記載なし

④活動内容の提示

⑤子どもの反応

「一枚の葉をとつて紙の上において見ると、その 單純さが子供にもたやすくかき寫せそうに思は れて早速こころみたのがこの圖である。」

1、鉛筆で形をとらせる

2、鉛筆の上を毛筆でなぞる

かうして二三人づつ描いて居ると、次々にそばに 寄つて来るのであとから来た子は順が来る迄見 せておく。

幼児の教育 第35巻第7号 S12.6(1937) pp.42-46

新しい手技二つ三つ 大阪、若葉幼稚園 竹中 良治郎

【実践紹介】

①実践の内容と種類

保育的価値が豊富で幼児の生活に則している新 しい手技を紹介する。

(保母の指示に従って行う活動)

「幼稚園の手技は無論芸術的美術的である事を 必要とするが、更に求むる所は、其れが保育価値 豊富で幼児の生活に則してゐる點である。」

「従来たたみ方と云へば大抵方形紙を使用した しかし方形紙は幼児には角と角を一致さすこと が困難であるのに比し圓形紙はかかることなく 遙かに幼児に適してゐるのに気付いた。そこで今 迄顧みなかつた、圓形紙のたたみ方を研究して

(35)

図1「丸の形を半分に折り、図のように もう半分に折り、窓と車輪を貼る」

図2「お茶碗、シーソー、乳母車など、

色々と応用できる」

図3「図のように折っていくと富士山が

できる」

中々面白い作品が平易に得れた其一二の例とし て次のものを示すことにする。」

②円形艶紙

③導入方法

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

(36)

図4「オウムと車の折り方」

幼児の教育 第38巻第2号 S13.2(1938) pp.28-35

戦争を描いた昔の随意畫

図1「第一圖 奉天占領」

図2「第二圖 奉天占領」

図3「第三圖、 嶺占領」

【論考】

①<記事の内容および引用>

日露戦争当時の戦争画が出てきたため、今の子ども の絵と当時の子どもの絵を比較してみたことにつ いて説明している。

「ここに四五枚、戦争を描いた随意畫が出て来た。

日露戦争當時のものである。」(M38.8.3、M26)

「三十幾年前の幼児に、時の日露戦争がどのように 映ったであろうか、それをどう描きあらはしてゐる か、その方面の様子がほぼ推察できるものである。」

「どうぞ今の幼児の描く自在畫と思ひ合せて、これ らをよく見て頂きたい。」

(37)

図4「第四圖、月夜の海戦」

図5「第五圖、左方、敵艦が、中ば沈み

かけてゐる」

図6「第六圖、右方の弾丸に當つて倒れ

かかつてゐるのは敵兵らしい」

図7「第七圖、旗行列と堤灯行列を一緒

(38)

幼児の教育 第38巻第2号 S13.2

pp.54-57

フレーベル賞入選手技 粘土おしゑ

神奈川縣大磯幼稚園 K・S 雪だるま、雪兎

図1「雪だるま、雪兎」

【実践紹介】

①粘土の子どもへの与え方の紹介。

(見本を見せてつくる活動)

②材料 粘土

③導入方法

④活動内容の提示 (以下抜粋)

<子供への與へ方 粘土>

先生がいくつかこしらへて置いていたものを見 せる。心掛けて用意して置いた箱に粘土をつねさ せる。石ころ、青竹その他落葉等は四五人のグ ループごとになるべく豊富に使用出来る様に用 意する。一度やってもまづかつたら、又とり出し て粘土をよくなでつけて又置き直しやり直す事 ができる。よく出来たのはそれをボールドの前な どに立てかけてならべて置く。

<雪だるま>

1、子供に見本を見せ、自由にクレヨンで雪ダル マを書かせる

2、書いた形に、綿を切らせ、臺紙に糊をつけ今 の綿をはる。

3、直径一糎に書いておいた目を切らせ、自由に 貼らす、鼻口は自由に切らせ、はらす。

4、マントを着た子供を作る。

⑤子どもの反応 記載なし 幼児の教育

第41巻第4号 S16.4(1941) pp.17-20

幼児の自由畫 及川 ふみ

図1「舌切雀のお爺さんとお婆さん」

【論考】

①<記事の内容および引用>

一年間が終わり、子どもたちの描いた自由画帳をひ ろげてみて一年間の自由画帳についての出来事を 思い出している。(自由に描く活動)

「年少組の終わりになつて、過去一ヶ年の幼児の自 由畫帖をくりひろげて見た。」

「自由畫は書き終るといつも、月日を記入して保育 室の一隅に飾つておく。「これは幼児自身の繪の飾 られた一つの喜びを受けるためでもあるが、又組の お友達の繪をよく觀る機會もつくりたい気持ちも ある。それで時々には保姆が先頭に立つて順々と皆 の繪を見て歩いて、これは何をかいたのだとか、面 白い繪だとか一つ一つについて軽い批評をしなが ら觀賞する時もある。又、だまって眺めているとき

(39)

図2「小鳥のおはなし」

もある。」

幼児の教育 第43巻第2号 S18.2(1943)

pp.17-20

お畫かき雑感 付属幼稚園 上遠 文子

【論考】

①<記事の内容および引用>

一年間の自分の保育者としてのお絵かきに対する 処置法を考え直している。

「四月入園當初目の前に出された、畫帳とクレヨン に、いきなり畫いた繪をみますと、私達からみると 一本の線ですがそれが人であり、電車であり、静物 であるのです。直線が曲線に、曲線が圓に變化して 次第に大入道に手足がつきました。やつと貧弱なが ら胴がつきました。此處まで参りますと畫題も次第 にきまり、電車、汽車、自動車、お嬢さん、お家、

お花等もかくやうになり、形もそれらしくになりま す。

線のしつかりしてゐる上手とみなされる幼児で も、はじめは、線畫で、しかも一物體をぽつんぽつ んと孤立的に畫いてゐます。「色を塗つていらつし やい」と教へ、それに背景なるものを教へ、一つの 繪になる様導いて来ました。」

(40)

幼児の教育 第47巻第8号 S23.8(1948)

pp.15-18

「製作の指導」

東京女高師幼稚園 吉田 とみ子

【実践紹介】

①実践の内容と種類

製作時の題材の選び方とそれに対する子どもの 反応について。

②材料

クレヨン、絵具、墨、えんぴつ、色鉛筆、古葉書、

古便箋、粘土

③導入方法

<題材の選び方>

「学期のはじめに子供達と相談する。

「おもちやさん」をしたいという。

「あれもつくりたい」「これもつくりたい」と自 然と作るものが次々出てくる。

いつでも興味の起こった時にすぐつくれるよう に分類しておく。

④活動内容の提示 記載なし

⑤子どもの反応

(1)自発的に動く子供。

(2)自分から入っていけなくてもお友だちとか人 の環境で自然に入っていける子供。

(3)なかなか手が出ない子供。

(4)はじめから入ろうとしない子供。

等、色々ある。

このような子どもたちをどうして指導したらよ いか。

先生が如何にも楽しそうにやり始める。

「○○ちゃん、これ、作らない?」等とうっかり 言ってしまったためにかえって他の所へ行って しまったりして失敗した事もあり。

飽きやすい子供には、興味を失いかけた時に程よ い手綱役になって励ましてやる。」

幼児の教育 第48巻第7.8 号

S24.8(1949)

pp.18-21

「幼児畫に於ける創造と模倣の意味」

久保 貞次郎

【論考】

①<記事の内容および引用>

保母の幼児の絵の見方について疑問を投げかけて いる。

「文科省の保育要領では、『のびのびした気持ちで 自由な表現』をすすめていながら、実際の指導者で ある保母達が、その要領を無視し、従わないのはな ぜであろうか。それとも『のびのびした気持ちで自 由な表現』という意味が、幼児の繪の上に現れた時

図 1  「紙の剪り方」の見本  ②材料  細い紙  ③導入方法      記載なし ④活動内容の提示  「細い紙を、縦に二つに折って、輪になつてを る方から、一圖の線のよーに、斜に剪刀を入れ、残らず切れましたら、ひろげて切れた所を、立ててごらんなさいきれーです。」 ⑤子どもの反応     記載なし  婦人と子ども  第 1 巻第 10 号  M34.10(1901)  pp.10-11  室内手遊  「たたみ方」  図 1  「たたみ方」の見本  (机→小さな屏風→座布団→紙入れ)  【実践紹介】  ①実
図 1  「たたみ方」の見本  (花)  ③導入方法    記載なし ④活動内容の提示  「さて四方の角をそのまん中に集めて、一方をはねてごらんなさい、状袋です(第一圖)。」 ⑤子どもの反応     記載なし  婦人と子ども  第 2 巻 2 号  M35.2(1902)  pp.16-17  室内手遊(しつないてあそび)  図 1「たたみ方」の見本  (柿の花)  【実践紹介】  ①実践の内容と種類  折紙を使った、たたみ方に関するあそびで、保姆の指示通りにつくらせている。 ②材料 折紙 ③導入方法
図 2  「色々な案が出て、それを絵に表し壁に 貼っていく」  図 3「象」  實に之を見た。單に繪の進行のみを見たのではなかつた。「象はまだかなあ」と毎日の様に待ち遠しがられながら、象は一日一日と形と色とを成していつた。「僕は早く象が剪りたいなあ、まだかなあ」と、とんでもない時に鋏を握つて待ち詫びた子供もあつた。 々象が出来上がつたとなると、其悦びは一通りでない。「象出来ましたよ」と云へば、見たさ、剪りたさに、何もかも捨てて慌て出した。やがて遊戯室に廣く蓙が敷かれ、其上に象が擴げられた。「やや大きいなあ」
図 1  「5 歳 6 か月  図式の絵」  図式期(カタログ期・自己主張の時 代) ・・・七才~八才  図 2「1 才 3 ヵ月~3 才 11 ヶ月」     (3)誉めてやる  (4)ときどき刺激を与えてやる (5)環境を整えてやる 図1 「5歳6か月  図式の絵」  図式期(カタログ期・自己主張の時代) ・・・七才~八才 図2 一番上・「無秩序の錯画(1才3ヶ月)」 図2 上から二番目・「円型錯画(満2歳)」 図2 下右・「註釈の錯画(2才10ヶ月)」 図2 下左・「象徴錯画(3才11ヶ月)」  第
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