児童の怒りの類型化とその特徴記述の試み [ PDF
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(2) (2) 場面的怒り、怒りの行動的側面に関する項目. r=.565)、 慢性的怒りが強いほど抑うつ感、 無気力感が高く、. MSAI(Smith, Furlong, Bates, & Laughlin, 1998)の項目. 快感情が低いことが示唆された(r=.324~.655)。また、破壊. のうち、Anger Experience と Anger Expression の項目を. 的表出と抑うつ感の間に中程度の相関が見られ、攻撃行動. 邦訳して使用し、4 件法での回答を求めた(Table 3 参照)。. を取る児童は仲間から拒否されやすく、その結果孤独感が. Anger Experience については選択肢に顔絵を添えた。. 強まり抑うつ感が高くなるとの指摘(坂井ら,2003; Messer. (3) 抑うつ感、無気力感、快感情に関する項目. & Gross, 1994)を一部支持する結果であったと言える。男. 寺坂・井上(2002)のものを使用した。抑うつ感に関する. 女で違いの見られた特徴としては、男子では場面的怒りと. 項目は DSRSC の日本版(村田ら, 1996)、CDI の日本版(村. 破壊的表出に中程度の相関が見られたが、女子ではごく弱. 田ら, 1989)を参考に、無気力感に関する項目はアパシー尺. い相関しか見られなかった。このことから Dodge (1996). 度(下山,1994)を参考に作成されたものであった。. の指摘するように、男子の方が反応的に怒りを表出しやす. 教師用. く、女子では間接的な表出をしやすい可能性が推測される。. TRF(Edelbrock and Achenbach, 1984)から Aggressive、 Social Withdrawal、Inattentative、Unpopular の項目を 抜粋、邦訳して使用した。成績は 5 段階で評価を求めた。 <手続き> 児童用調査用紙回収後、分析を行い、類型化した場合の 各類型に含まれる児童を、各クラス 6∼8 名ずつ無作為に抽 出し、計 72 名の児童についての評定を、教師に求めた。 【結果と考察】 <尺度分析> (1) 慢性的怒り(敵意・いらだち)に関する項目 2 因子構造を想定して主因子法でバリマックス解を求め たところ、想定された 2 因子(「いらだち」、「敵意」)が抽出さ れた(Table2)。各下位尺度の α係数は.7552、.6557 であっ た。全体でのα係数は.7679 であり、全体としてよくまとま っていると考えられた。これらを「慢性的怒り」尺度とした。 (2) 場面的怒り、怒りの行動的側面に関する項目 3 成分構造を想定した主成分分析(バリマックス回転)を 行ったところ、Smith, Furlong, Bates, & Laughlin(1998) の結果と同様の 3 成分構造が得られた(Table3) 。それぞれ、 「場面的怒り」 、 「破壊的表出」 、 「積極的対処」と命名した。 破壊的表出、積極的対処の 2 つの行動的側面についての α 係数が低く、これには項目数が少ないこと、特に積極敵対 処の中には、抑圧や回避、発散など、様々な対処が含まれ ていること(Smith et al,1998)などが要因として挙げられる。 <児童における怒りの特徴> 怒りの特徴には男女で違いが見られるとの指摘(Crick & Dodge, 1996; 坂井ら,2003; 秦,1990; Tangney et al, 1996)から、それぞれの下位尺度得点について t 検定により 性差を検討した。Crick & Dodge(1996)が指摘するように、. Table 2 慢性的怒りを測定する項目の因子分析結果( バリマックス回転) 項目 いらだち ( α=.7552) 20. いつもイライラしている。 29. 気持ちが、むしゃくしゃする。 15. いつもふきげんだ。 10. ちょっとしたことではイライラしない。 25. ものごとがうまくいかないと、気持ちがイライラする。 敵意 ( α=.6557) 26. 友だちのなかには、いやな人が多い。 21. まわりの人は、みんな親切な人ばかりだ。 24. ふだん仲よく していても、本当に困ったとき助けてく れない人もいる。 11. わたし(ぼく )は、みんなのことが好きだ。 4. ほとんどの人は、正直ではないと思う。 17. わたし(ぼく )は、とてもしあわせだと思う。. れは Tangney et al (1996)の指摘と一致していた。 各変数間の相関係数を男女ごとに算出したところ、男女共 に いらだちが強いほど破壊的表出をしやすく(r=.528;. .790 .711 .701 -.500 .415. .216 .326 .274 -.067 .060. .670 .612 .567 .254 .176. .224 .069 .195 -.193 .159 -.110. .612 -.573 .459 -.445 .392 -.381. .425 .333 .249 .235 .179 .157. 全体α=.7679 寄与率( %) 32.204 13.779 累積寄与率( %) 45.983 ( 下位尺度名、α係数を付記) Table 3 場面的怒りと怒りの行動的側面を測定する項目の主成分分析結果( バリマックス回転) 項目 成分1 成分2 成分3 共通性 場面的怒り (α=.8149) 2. 2人の強そうな子が、あなたものを取りあげて、あなたをのけものにして 遊んでいた。 .640 -.062 .075 .419 11. 勉強していたら、誰かがわざと机にぶつかってきて、やり直さないとい けなくなった。 .628 .098 .103 .414 5. 「 トイレに行きたい」 と先生に言ったら、だめだと言われた。 6. 朝、自分の机の中を見たら、勉強道具が盗まれていた。 3. 先生に「 気分がよくない」 と言ったのに、信じてもらえなかった。 12. 誰かがあなたをいやな呼び名で呼んだ。 4. クラスの誰かがいたずらをしたので、放課後全員が残された。 7. クラスの誰かが、あなたのことをどうにかしてくれるよう、先生にたのん でいた。 8. 他の子はもっと悪いことをしているのに、あなただけ先生に呼ばれた。 10. 給食の列に並んでいる時に、誰かが間にわり込んできた。 1. 食べかけのガムが自分のイスの上に置かれているのに気づかずに 座ってしまった。 9. テストのために一生けん命勉強したのに、成績が上がらなかった。 破壊的表出 (α=.6997) 7. はらが立つと、まわりのこと全部がいやになる。 9. はらが立つと、その気持ちをおさえられない。 4. はらが立つと、ものをこわす。 2. 怒っているときは、まわりにいる人にやつあたりする。 10. とてもはらが立つと、自分を傷つけたくなる。 積極的対処 (α=.6712) 11. 学校で頭にきたことがあると、その気持ちを誰かに話す。 12. むしゃくしゃするときは、誰かをそのことを話し合う。 6. はらが立ったときは、走ったり遊んだり、体を動かして、すっきりさせる。 3. 怒りでばくはつする前に、どうしてこうなったのか考える。 1. 怒っているときは、何か別のことを考えるようにしている。 8. むしゃくしゃするときは、本を読んだり、何かを書いたり、絵を描いたりし て、自分を落ち着かせる。 5. むしゃくしゃするときは、そのことを笑い話にしようとする。. .608 .599 .598 .590 .576. .030 -.113 .178 .055 .133. -.038 .071 -.048 .004 -.079. .372 .376 .391 .351 .356. .574 .549 .495. .096 .272 .067. -.045 -.059 .063. .341 .378 .254. .486 .467. .070 .169. -.119 .174. .255 .277. .267 .205 .053 .129 .019. .695 .668 .631 .575 .568. .050 -.051 -.096 -.117 .043. .557 .491 .410 .361 .325. .044 -.028 .050 .015 .058. .202 .118 -.205 -.390 -.254. .627 .627 .591 .547 .539. .436 .408 .394 .451 .359. .034 -.089. -.293 .137. .522 .503. .360 .280. 寄与率( %) 18.806 11.374 7.387 累積寄与率( %) 30.180 37.567 ( 下位尺度名、α係数を付記). Table 4-1 男子における各尺度得点間の相関( N). 男女で怒りを感じる程度には差がないことが示された。積 極的対処では女子の方が高く(t=2.586, df=315, p<.05)、こ. 因子2 共通性. 因子1. いらだち いらだち 敵意 慢性的怒り 場面的怒り 破壊的表出 積極的対処 抑うつ感 無気力感 快感情. 敵意. .341 (156) (156) (156) (157) (160) (156) (159) (156). (156) (154) (154) (157) (153) (155) (153). 慢性的怒り 場面的怒り 破壊的表出 積極的対処 抑うつ感. .847 .789 (153) (153) (156) (152) (155) (152). .245 .039 .196 (155) (158) (154) (155) (155). .528 .279 .511 .407 (159) (154) (156) (154). -.045 -.108 -.097 -.027 -.110 (157) (159) (157). .495 .568 .651 .115 .324 -.051 (155) (154). 無気力感. .325 .358 .417 .050 .274 -.157 .351 (155). 快感情. -.167 -.367 -.324 .068 -.180 .257 -.266 -.298.
(3) Table 4-2 女子における各尺度得点間の相関( N) いらだち いらだち 敵意 慢性的怒り 場面的怒り 破壊的表出 積極的対処 抑うつ感 無気力感 快感情. 敵意. .449 (153) (153) (153) (151) (152) (154) (152) (151). (153) (155) (153) (154) (155) (154) (153). 慢性的怒り 場面的怒り破壊的表出 積極的対処 抑うつ感. .834 .867 (152) (150) (151) (153) (151) (150). .169 .320 .285 (153) (154) (155) (154) (153). .565 .424 .570 .205 (153) (153) (152) (151). -.246 -.196 -.264 .002 -.239 (154) (153) (152). .497 .621 .655 .187 .437 -.136 (154) (153). 無気力感. 快感情. .411 .472 .521 .146 .433 -.400 .460. -.284 -.454 -.439 -.060 -.324 .407 -.405 -.521. (152). <怒りの類型化について> クラスター分析により男女それぞれ 5 つのクラスターが 得られた。男女共に、よく適応していると推測されるタイ プから、適応に困難を生じていると推測されるタイプまで、. も積極的対処が高い特徴のあるタイプであった。これら 2 つのタイプを合わせると 7 割近くの女子が含まれ、大多数 が比較的よく適応しているものと考えられる。適応に困難 を生じていると推測されたのは、 Extreme Anger(激しい怒り) タイプ、Chronical(慢性的怒り)タイプ、Impulsive(衝動的) タイプであり、それぞれのタイプに含まれる人数は 1 割か ら 2 割と少なかった。 <教師による行動評定との関連> 行動評定による児童の怒りに関する項目、怒りの類型の. 様々なタイプが見られた。男子ではクラスター間でそれほ. 併存的妥当性は確認されなかった。これは、Nelson et. ど人数のばらつきが見られなかった(10%∼32%)が、女子. al(1993)、Smith et al (1998)の結果と同様であり、怒りは. では積極的対処の高い 2 つのクラスターに 7 割以上の女子. 個人的な体験で、外的な妥当性へとつながりにくいことが. が含まれた。しかし、人数の偏りは見られたものの、Furlong. 示唆された(Nelson et al, 1993)。. & Smith (1998)の男子における類型のほとんどが本研究の. <まとめと今後の課題>. 女子の結果において見られたことから、クラスターの多様. それぞれのクラスターの特徴から、その特徴に応じた介. さには男女で違いが見られない可能性も示唆された。類型. 入には、共通するものもありながら、異なる部分もあると. 化に用いた怒りに関する各変数、抑うつ感、無気力感、快. 推測される。このことは、学校場面における個別的な介入. 感情のいずれにおいても、分散分析により類型の効果が確. のみならず、予防的に広く用いる場合にも、どのような児. 認された(p<.001)。また、それぞれのクラスターの成員にお. 童のどのような特徴を対象として想定するかによって、そ. ける各変数間の相関係数を算出し、特徴記述に用いた。. の内容を変化させたり、組み合わせたりするための、ひと. <男子における類型の特徴>. つのめやすとなると思われる。本研究では男女別に類型化. 各類型の特徴は Table 5 に示す。最も人数が多かったの. を行ったが、女子にも Furlong & Smith (1998)で男子を対. が、Low-Arousal Low-Coping(怒りが低く対処も低い)タイ. 象として得られた類型が見られたことから、同じような類. プであり、Furlong & Smith (1998)で最も人数が多かった. 型が男女に存在すると考えられた。男女合わせて類型化を. Prosocial(向社会的)タイプは、本研究では 14%と少なかっ. 行うことで、女子に特徴的なタイプ、男子に特徴的なタイ. た。これには Furlong & Smith (1998)が 6 年生から 12 年. プがそれぞれ出現する可能性が考えられ、今後研究が必要. 生を対象としていたのに対し本研究では 5、6 年生を対象と. である。さらに、本研究では怒りの行動的側面に関する尺. していたことが要因のひとつとして挙げられ、発達により. 度の信頼性、怒りに関する一連の尺度と類型の併存的妥当. 社会的な怒りの表出方法を身につけていく可能性が推測さ. 性が不十分であった。児童の怒りへの対処についてより詳. れる。また、日本で文化的に怒りの感情を認識することへ. 細に捉えること、また教師による行動評定以外の方法によ. の抑制が働くという指摘(氏家,1992)も要因のひとつとし. る妥当性の確認が、今後必要であると考えられる。. て考えられるかもしれない。 抑うつ感、無気力感、快感情との関連から、よく適応し ていると推測されたのは、 Prosocial(向社会的)タイプであり、 比較的よく適応していると推測されたのは、Low-Arousal Low-Coping(怒りが低く対処も低い)タイプ、High-Arousal Low-Coping(怒りが高く対処が低い)タイプ、High-Arousal High-Coping 怒りが高く対処も高い)タイプであった。最も 適応に困難を生じていると推測されたのは、Extreme Anger(激しい怒り)タイプであった。 <女子における類型の特徴> 各類型の特徴は Table 6に示す。抑うつ感、無気力感、 快感情との関連から、比較的よく適応していると推測され た の は 、 Prosocial( 向 社 会 的 ) タ イ プ と Low-Arousal High-Coping(怒りが低く対処が高い)タイプであり、どちら. 【主要な引用文献】 Furlong, M. J., & Smith, D. C. 1998 Rging Rick to Tranquil Tom: An empirically based multidimentional anger typology for adolescent males. Psyshology in the schools, 35(3), 229-245. Hecker, M. H. L., & Lunge, D. T. 1985 On the diagnosis and treatment of chronically hostile individuals. In M. A. Chesney & R. H. Rosenman(Eds), Anger and hostility in cardiovascular and behavioral disorders (pp.227-240). New York: Hemisphere-McGraw. 本田恵子 2002 キレやすい子の理解と対応 ―学校でのアンガーマネージ メント・プログラム― 本の森出版 坂井明子・山崎勝之 2003 小学生における 3 タイプの攻撃性が抑うつと 学校生活享受感情に及ぼす影響 学校保健研究,45,65-75 桜井美和・J.クスマノ 2002 アメリカにおける中学生の怒りの基礎的研 究および怒りのコントロール(Anger Management)に関する Review 上智大学心理学年報,26,77-90. Spielberger, C. D., Krasner S. S. & Solomon, E. P. 1988 The experience expression and control of anger. In M. P. Janlsse. (Ed.), Individual Differences, Stress and Health Psychology. New York: SpringerVerlag..
(4) 70. 65. 65. 60. 60 Extreme Anger. 55. T 得 50 点. Low-Arousal Low-Coping High-Arousal High-Coping. 45. Prosocial. 40 High-Arousal Low- Coping. 35 30. 55 T 50 得 点 45 40 35 30. 慢性的怒り. 場面的怒り. 破壊的表出. 積極的対処. 抑うつ感. Fig. 1- 1 基準変数における各類型の平均得点(男子). 無気力感. 快感情. Fig. 1- 2 その他の変数における各類型の平均得点(男子). Table 5 男子における類型とその特徴 類型 ExtremeAnger (激しい怒りタイプ). N 35. Low-Arousal Low-Coping (怒りが低く対処も低いタイプ). 48. High-Arousal High-Coping (怒りが高く対処も高いタイプ). 31. Prosocial (向社会的タイプ). 21. High-Arousal Low-Coping (怒りが高く対処が低いタイプ). 15. 特徴、予防・介入の焦点 最も適応に困難を生じていると推測された。Furlong & Smith (1998)の同タイプほど極端な傾向を示しておらず、Furlong & Smith (1998)で言う ImpulsiveタイプやCynicalタイプなども、このタイプに含まれた可能性が考えられる。高い破壊的表出の背景には、強い慢性的怒りが存在し、この 慢性的な怒りへの介入が必要であると考えられる。また、相関係数からは、場面的怒りが強く破壊的表出をするほど、快感情が高いことが示唆され、 怒りの感情を抑制するよりも、それを適切な手段を用いて表現できるよう促すことが大切であると推察される。 最も人数が多く、日本においては男子に比較的一般的なタイプであると考えることができる。顕著に低い場面的怒りが特徴的なタイプであり、比較 的よく適応していると思われるが、慢性的怒りはそれほど低くないので、感情の認識や表出を促すような介入が、慢性的怒りの持続によって起こり うる心身の健康へのネガティブな影響を予防するかもしれない(Hecker&Lunde,1985) 。 慢性的怒り、場面的怒りが共に高いが、破壊的表出よりも積極的対処をする傾向が見られた。快感情は低くないが、抑うつ感、無気力感が比較的高 い傾向にあり、対処がうまくいっていない可能性が推測される。慢性的、場面的怒りが高いので、行動によって対処する前に、怒りによる身体的反 応を鎮めたり、ストレスフルな状況を避けるなどの工夫も効果的であるかもしれない。 最もよく適応していると推測された。このタイプは、Furlong &Smith (1998)では最も人数が多かったが、本研究では14%にとどまっていた。5こ のタイプは怒りを適度に感じた上でうまく対処するという特徴があり、日本人においては怒りの感情を認識することへの抑制が働くという、文化に よる影響(氏家,1992)も要因のひとつとして考えられる。 比較的よく適応していると思われた。人数が最も少なく、積極的対処は取りにくいが、相関から、刺激下での感情の認識が抑制されていないことが、 抑うつや無気力感の低さと関係していると考えられ、比較的よく適応できていると考えられる。. 70. 65. 65. 60. 60 Prosocial. 55. 55 T 得 50 点. Extreme Anger Chronical. 45 Low-Arousal High-Coping. 40. Impulsive. 35. T 50 得 点 45 40 35 30. 30 慢性的怒り. 場面的怒り. 破壊的表出. 積極的対処. Fig. 2- 1 基準変数における各類型間の平均得点( 女子). 抑うつ感. 無気力感. 快感情. Fig. 2- 2 その他の変数における各類型の平均得点(女子). Table 6 女子における類型とその特徴 類型 Prosocial (向社会的タイプ) ExtremeAnger (激しい怒りタイプ). Chronical (慢性的怒りタイプ). Low-Arousal High-Coping (怒りが低く対処が高いタイプ) Impulsive (衝動的タイプ). N 66. 17. 18. 38. 11. 特徴、予防・介入の焦点 よく適応していると推測された。積極的対処が高い特徴のあるタイプであった。人数も4 割以上と他のタイプに比べて多く、女子の半数近くがこの タイプに含まれた。男子における同タイプと比較すると、全体的に値が高く、Furlong&Smith(1998)のものに類似していた。 適応に困難を生じていると推測された。破壊的表出をしやすいが、破壊的表出の高さと抑うつ感の低さに相関が見られ、破壊的表出が強い怒りへの コーピングとしての役割を果たしているとも考えられるが、一方で快感情の低さとも関連していた。積極的対処も快感情の高さとの間に相関が見ら れたが、抑うつ感の高さとも関連しており、行動的対処がうまく働いていない可能性が推測された。コーピングスキルの獲得と同時に、顕著に高い 慢性的怒りへの介入も必要と推測される 適応にやや困難を生じていると推測された。Furlong & Smith (1998)のCynicalタイプに類似していた。慢性的怒りが高く、どちらの行動も抑うつ 感の高さと相関が見られた。行動上の対処やスキルの獲得も必要であるが、先ず高い慢性的怒りに介入することが必要であると推測された。これに は、認知の再構築を目指した介入が適しているとされている()Furlong&Smith,1998)。そのような介入により、慢性的怒りの持続によって起こりう る心身の健康へのネガティブな影響を予防できるかもしれない。 Prosocialタイプに次いで人数が多く、女子において一般的なタイプであると言える。怒りに対する反応は鈍いが、積極的対処を取りやすい。抑うつ 感は平均程度ではあったが、快感情はProsocialタイプと近似して高く、よく適応していると考えられる。 刺激下で怒りを強く感じるほど、反応的に破壊的表出をしていると考えられ、これにはきっかけはずしやリラクゼーションなどで身体的喚起を鎮め る必要があると指摘されている(Hecker &Lunde,1985;本田,2002) 。一方、破壊的表出と抑うつ感の低さとの間に相関が見られたことから、破壊 的表出が何らかのコーピングとして機能している可能性が考えられた。また、取られにくい傾向にはあるが、積極的対処にもコーピングとしての機 能があると考えられ、そのような行動的コーピングスキルの獲得を中心とした介入が有効であると考えられる(Hecker&Lunde,1985) 。.
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