• 検索結果がありません。

最 適 化 の 考 え 方

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "最 適 化 の 考 え 方"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

● 消防 情 報処理 シリ ー ズ 、

最 適 化 の 考 え 方

財団 法人 消 防科学総 合セ ン ター 研究員  山  瀬  敏  郎

1。 最 適 化 と は

最 適 化 は , わ れ わ れ の 生 活 の な か の い た る とこ ろ に 存在 す る 。 そ し て そ れ ら は 無 意 識 の う ち に 行 わ れ て い る こ と が 多 い 。例 え ば, 朝 , 家 か ら 会 社 ま で ど の ル ー ト を 通 っ て 行 け ば 早 く着 く か , ど の よ う な 仕 事 を 誰 に 割 り 当 て れ ば 効 率 的 か , ま た オ セロ ゲ ー ム な ど で 次 に ど の 手 を打 て ば よ い か な ど が そ う で あ る 。 組 織 的 な も の で は , 企 業 の 生 産 計 画 や 販 売 計 画 , 消 防 機 関 の 消 防 計 画 や 避 難 計 画 な ど は , 数 多 く の 方 策 案 の 中 か ら 最 も 効 果 の 得 ら れ る も の を 見 つ け よ う と す る も の で あ り, す べ て 最 適 化 と い え よ う。 こ こ で は , 以 上 の よ う な問 題 を 単 純 化 し , 最 適 な答 え を 得 る た め の 考 え 方 や 方 法 に つ い て 概 説す る 。

にするこ とが目的 となろ う。被 害は 例えば年 間の焼失面積 などで表 現す るこ とが で きる。

到着時間, 費用,年間 焼失面積 のよ うにあ る 目的 を定 量 的 に表 し た もの を目 的 関数 と呼 ぶ。ここでい う最適化 とは。あ る条件 の もと で目的関数 を最 大(あ るいは最 小) とする よ うな解(ル ート ,消防 車の配 置など) を見つ けるこ とであ るとい える。

2。 目的関数

最適化 を行 うため には,具体 的な目的 を設 定 する必 要がある。 ルートの 選択 では, 最 も 早 く到着 するこ とを目的 とす るか,最 も安 い 費用で行 くこ とを目 的とする かなど を明確に し ておか ねば なら ない 。観光 コー スの ように 最 も満足 できるル ート を選択 する ような場 合 も考えら れる。た だし 満足 度をどの ような指 標 で計る かは難しい 問題であ る。 消防 計画で は, 現有の 消防力 で被害 を最小( 効果を最大)

3 。 最 適 化 の方 法

3.1  オ ペ レ ー シ ョ ン ズ ・ リ サ ー チ オペ レ ー シ ョ ン ズ ・ リ サ ー チ ( O R ) は , 文 字 ど お り 作 戦 研 究 のこ とで あ り , 第 二 次 大 戦 中 の 作 戦, 補 給 計 画 に 端 を 発 す る 。戦 後 は , 企 業 の 経営 や 行 政 機 関 の 政 策 立 案 等 に 広 く 利 用 さ れ てい る 。 こ こ で は , 0 R に よ っ て 解 け る 最 適 化問 題 の い くつ か の 例 を 示 すO

(1) 最 短 経 路 の 問 題

図 1 の よ う な 道 路 網 を 自動 車 で 走 る 場 合 を 考 え る。 数 字 は 各 区 間 ( 交 差 点 間 ) を 走 行 す る の に 要 す る 時 間で , 単 位 は 分 と す る 。 こ こ で A 地 点 か ら B 地 点 ま で 最 も早 く 行 く ため に は , ど の ル ー ト を 通 れ ば よ い だ ろ う か 。 基 本 的 に は, A か ら B ま で の す べ て の ル ー ト を 考 え て, 所 要 時 間 を 計 算 し 比 べ る こ とに よ り 解 くこ と は 可 能 で あ ろ う 。 し か し , こ こ で示 し

−31 −

(2)

た 簡 単 な 例 で さ え ど の くら い の ル ー ト が あ る の か 簡 単 に は 分 か ら な い 。 も っ と複 雑 な 道 路 網 に な る と , 膨 大 な ル ー ト が 存 在 し , 実 質 的 に は 不 可 能 に 近 く な る 。 こ の よ う な 問 題 は , 0 R の 中 の 動 的 計 画 法 や ネ ッ ト ワ ー ク分 析 手 法 を 用 い る こ と に よ り, 非 常 に 効率 よ く解 く こ と が で き る。 解 法に つ い て は, 0 R の 解 説 書 に 委 ねる こ と に し , こ こ で は 結 果 だ け を 示 す 。答 え は 同 図 に 太 線 で 示 し た ルー ト で あ り,

走 行 に 要 す る 時 間 は43 分 で あ る 。 こ れ よ り 早

図1 最 短経 路問 題の例

くつ くルートは絶対 にない。

(2) 輸送の問題

ある品物が 市内M 箇所 の倉庫 に備蓄し てあ り, 得意先がN 個所 にあ る とす る。倉 庫の在 庫量,得意先 の需要量, 各倉 庫から各 得意先 への輸送単 価が決 まっ てい ると き,総 輸送 費 を最小 にす るには, どの倉 庫からど の得 意先 に何個の 品物を輸送 すれば よいか という問題 である。倉 庫を地区 ,得 意先 を避難 地に 置き 換 えて, 避難地 の割り当 ての問題 として 考え

(注1)

て みる。 い ま,13の地区 と3個所の 避難地 が あ り, 地区の人 口, 避難 地の収容可 能人口,

各地区 から各避 難地 まで の歩行 距離が図 2の ようになっ てい る とす る。総歩行 距離(避 難 予 定者全貝の歩 行距離の合 計) が最小に なる ように各地区 に対し避難 先を割 り当て たい。

こ の問題は, 輸送型の 線形計画 法を用い て解

最短経路  く こ と が で き る 。 答 え は 図 2 ( 右 ) に 示 す と お り で あ る 。 こ こ で は , 目 的 関 数 を 歩 行 距 離

避 難地       A    B    C 地   区 地 区       人   口

( ォ)        ( 人 ) 1     2    6   9  1,000 2     4   4   11  2.000 3     6   2   13  3,000 4     2   13   9  1,500 5     4   11   7  2,500 6     5   9   6   500 7     7   14   4  2,000 8     9   10   6  3,500 9     7   8   4  1,000 10    13   2   6   500

11     9   16   2  2,500 12     9   6   2  1,000 13    11   4   4  4,000 収 容可 能  ( 人 )       ( 人)

人   口 12,000 5,000 8,000  25,000

避 難 地        地区    

A    B    C   A 

( 人 )       ( 人 ) 1   1.000       1,000 2   2,000       2,000 3       3,000       3,000 4   1,500       1,500 5   2,500       2,500 6    500      500 7   1,000      1,000  2,000 8   3,500       3.500 9      1,000  1,000 10        500        500 11      2,500  2,500 12      1,000  1,000 13       1,500 2,500  4,000 収 容 可 能  (人 )       ( 人)

人口 12,000 5,000 8.000  25,000

( 地区 と避 難 地 と の距 離 )

図 2  輸 送 問 題 の例 ( 避難 地 の 割 り当 て )

−32 一

( 最 適 期)

(3)

と し た が, 歩 行 時 間 で もよ い し , ま た, 避 難 危 険 度 を何 ら か の 形 で 定 義 し , そ れ が 最 小 に な る よ うに す る こ と も 可 能 で あ る 。

(3) 配 分 の 問 題

あ ま り 現 実 的 で は な い が 次 の よ う な 例 を考 え る。 A , B , C の 3つ の 地 区 があ り そ れ ぞ れ に 1つ の 消 防 署 が あ る と す る 。 各 地区 に 何 台 か の 消 防 車 を 配 置 し た と す る と図 3 に 示 す よ う な 効 果 が 得 ら れ る とす る。 こ こ で , 効 果 と し て は 年 間 の 焼失 面 積 の 減 少 量 の よ う な も の を 考 えて も ら えば よ い 。 も し 全 部 で 7 台 の 消 防 車 が あ っ た と き, こ れ を ど の よ うに 配分 し た ら , 3つ の 地 区 の 効 果 の 合 計 が 最 大 に な る で あ ろ う か。 こ の よ う な 問 題 は 配 分 問 題 と(注2)

呼 ば れ,動 的 計 画 法 に よ り 解 く こ と がで き る 。 こ の 例 で は , A に 2 台, B に 3 台, C に 2 台 配 置し た と き目 的 関 数 ( 効 果 の 合 計 ) は 最 大 に な り, そ の 値 は240 ( A が80 , B が100 ,C が60 ) と な る 。

図 3  配 分 問 題 の例 ( 消 防 車の 配 置 )

(4) 巡 回 の 問 題

広 報 車 が 市 役 所 を 出 発 し , N 個 所 の 地 区 を

巡 回 広 報し 戻 っ て く る 場 合 を 考 え る。 市 役 所 と 各 地 区 と の 距 離 ( あ る い は 所 要 問 題 ) 及 び 各 地 区 間 の 距 離 (所 要時 間 ) は わか っ て い る と す る 。 総 走行 距 離 (総 走 行 時 間 ) を最 小 に す る た め に は, ど の よ う な 順 序 で 巡 回 す れ ば よ い か とい う問 題 で あ る。 こ れ は 巡 回 問 題 と 呼 ば れ, こ れ ま で の 例 と 異 な り厳 密 な最 適 解 を求 め る こ とは 困難 で あ る。 現 在 の とこ ろ。

い くつ か の 近 似 的 な 解 法 が提 案 さ れ て い る。(注3)

3.2  シ ミュ レ ー シ ョ ン

線 形 計 画 法 や 動 的 計 画 法 な ど の O R 手 法 を もち い れ ば, ス マ ー ト に 効 率 よ く最 適 解 を得 る こ とが で き る 。 し か し , 現 実 の 問 題 は 複 雑 で あ り, こ れ ら の 手 法 が 適 用 で き な い こ と も 多い 。 例 え ば 配 分 の とこ ろ で 述 べ た 消 防 車 の 配 置 を 考 えて み る 。 実 際 に は , 1 つ の 消 防 署 管 内 に は 署 の ほ か に い く つ か の 出 張 所 が あ り, 何 台 か の 消 防 車 が 配 置 さ れ る 。 あ る 地 点 で 火 災 が 発 生 す る と , 何 か 所 か の 署 所 か ら 消 防 車 が 出 動 す る た め , 到 着 時 間 に 差 が 出 て く る。 ま た , 出 火 場 所 に よ っ て 水 利 条 件 や 火 災 の 燃 え 広 が り 方 も 異 っ て く る 。 こ の よ う な こ と を 考 慮 し た う え で 消 防 車 の 配 置 を 決 定 す る ため に は,前 項 で 述 べ た O R 手 法 は 使 え な い 。 こ の よ う な 場 合 に は, シ ミュ レ ー シ ョ ン に よ

る最 適 化 に 頼 ら ざ る を 得 な い 。 こ れ は , 図 4 に 示 す よ うに , い く つ か の消 防 車 配 置 案 を 作 成 し, そ れ ぞ れ に 対 し 例 えば 1年 間 の 消 防 活 動 の シ ミュ レ ー シ ョ ン を 行 っ て 目 的 関 数 ( 年 間 予 想 焼 失 面 積 等 ) を 計 算 させ , こ れ を比 較 す るこ と に よ っ て 最 適 な 配 置案 を 求 め よ う と す る も の で あ る 。 こ の よ うに , シ ミュ レ ー シ(注4)

ョ ン に よ る 最 適 化 は 原 始 的 な 方 法 で あ る が , 検 討 す べ き案 の 数 が そ れ ほ ど 多 く な い と き は 非 常 に有 効 で あ る。

−33 −

(4)

図 4 シ ミュレ ーシ ョン に よる最 適化 の例 ( 消防 車 の配 置)

3。3  山 登 り 法

検 討 す べ き 計 画 案 の 数 が 多 く な っ て く る と,図 4 の 方 法 は 時 間的 に 困 難 に な っ て く る。

例 えば , 6か 所 の 消 防 署 所 に12 台 の 消 防 車 を 配 置 す る よ う な 場 合 , 数 千 通 り も の 配 置 案 が 存 在 す るO 仮 に , 各 署 所 に は 必 ず 1 台 を 配 置 す る とし て も , 配 置案 の 数 は か な り な もの に な る 。 こ れ ら す べ て の 案 に 対 し て シ ミュ レ ー シ ョ ン を 行 う とす る と , コン ピ ュ ー タ とい え ど も相 当 な 時 間 が か か る で あ ろ う 。 こ の よ う な と き に, す べ て の 案 を 検 討 す る こ と なし に 効 率 的 に 最 適 ( と 思 わ れ る) 案 を 見つ け よ う とい う の が 山 登 り 法 で あ る。 濃 い 霧 で 全 く 見 通 し が き か な い と き に 山 に 登 る とす る。 い ろ い ろ な 方 向 に 一 歩 足 を 踏 み 出 し て み て, 最 も 高 く な っ て い る 方 向 に 進 む。 ど の 方 向 に 踏 み 出 し て み て も, い ま よ り 低 く なる よ う で あ れ ば そ こ で や め る。 こ の 方 法 に よ り , い ず れ は 頂 上 に た ど りつ く こ と が で き るで あ ろ う 。 こ れ が 山 登 り 法 の 概 念 であ る 。 山 登 り 法 に よ り 消 防 車 の 最 適 配 置 案 を求 め る 場 合 の 考 え 方 を 図 5 に 示 す 。 山 登 り 法 に よ っ て常 に 最 適 案 が 得 ら れ る と は 限 ら な い 。 一 つ の 頂 上 の 先 に あ る さ ら に 高い 頂 上 は 絶対 に 見つ か ら な い 。 近 所 の 山 の ふ もと から 登 り は じ め た な ら ば , 絶 対 に 富 士 山 の 頂 上 に は た ど りつ け な い こ とは

容 易 に 理 解 で き る で あ ろ う 。 図 5 の 例 で は 別 の 配 置 案 か ら ス タ ー ト す る こ と に よ り , さ ら

に よ い 配 置 案 が 見 つ か る 可 能 性 も あ る 。

( 注 1 ) 太 田 裕・ 鏡 味 洋 史 「 地 震 時 最 避 難 場 所 の 配 置 計 画 の 検 討 」( 地 震 vol.32 ) の 考 え 方 に 基 づ く 。

( 注 2 ),( 注 4 ) 須 賀 雅 夫 り││畑 正 大 「 シ ス テ ム と 最 適 化 」( 共 立 出 版 ) を 参 考 に し た 。

( 注 3) 例 え ば , 金 田 数 正 「 o R に よ る 輸 送・

運 搬 計 画 」( 内 田 老 鶴 圃 新 社 ) に よ る 。

初 期配 置 (D。) を 決 定 す る 。 い ま,

3つ の 署 所 に 2 台 ず つ 配 置し た 状 態 を初 期 配 置 と しDO =(2.2.2 )と す る 。

配 置DO に おけ る 目 的 関 数 値( 消 防 効 果 ) を 計 算しP,と す る 。

D, か ら 1台 動 か す こ とに よっ て で き る配 置 案 を 求 め る

DI =(1,3,2) ,D2 =(1,2,3) D3 =(3,1,2) ,D, =(2 よ3) DS =(3.2,1) ,D6 =(2,3,1)

に 冶

DI 〜D6 に おけ る 目 的 関 数他PI 〜P。を 計 算 す る 。

PI 〜P6 の中 で最 大 の も の を 求 め Pと し , そ の と きの 配 置 をD と す る 。

Y E S

P < P6

N O

D Oを 最 適 配 置 と す る

図 5 山登 り法 によ る最適 化 の例 (3 つの 消防 署 に 6台 の 消防 車を 配置 す る場 合 )

一34 −

図 4 シ ミュレ ーシ ョン に よる最 適化 の例 ( 消防 車 の配 置) 3。3  山 登 り 法 検 討 す べ き 計 画 案 の 数 が 多 く な っ て く る と,図 4 の 方 法 は 時 間的 に 困 難 に な っ て く る。 例 えば , 6か 所 の 消 防 署 所 に12 台 の 消 防 車 を 配 置 す る よ う な 場 合 , 数 千 通 り も の 配 置 案 が 存 在 す るO 仮 に , 各 署 所 に は 必 ず 1 台 を 配 置 す る とし て も

参照

関連したドキュメント

[r]

一方,膨大な計算時間が記載以上にかかるのはいうまでもないそれはNN構造の規模の増大と共に学

 近年,製剤技術の進歩に伴い,有効性,安定性

;?@AB C -DE FGHIJJ'KLMNOPQR ST... GG GE GGGE QGE GGGE GGGE Gß

is to show that the solution $\{w_{k}\}$ of the Riccati equation shares coefficients of the perfect. squares and that the Riccati equation is nothing but the recursion relation

with Prescott,E., Recursive Methods in Economic Dynamics , Harvard University

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp シリーズタイトル 研究双書 シリーズ番号 510 雑誌名 金融と企業の再構築 :

や 3.4.に挙げる工夫を加えることで,並列度が過剰に高 くなることを抑止している.