【原 著】 Original
肥満細胞! 好塩基球の関与が疑われる非溶血性輸血副作用症例における 好塩基球抗体検出法の検討
松山 宣樹 平山 文也 保井 一太 谷上 純子 古田 里佳 福森 泰雄 木村 貴文 谷 慶彦 柴田 弘俊
非溶血性輸血副作用の中では蕁麻疹が最も多い.その発生機序は輸血製剤由来のアレルゲンと患者由来 IgE 抗体 による,I 型アレルギーと想像されているが,未だ不明な点も存在している.一方,肥満細胞!好塩基球が関与する アレルギー反応にはこれ以外に,造影剤アレルギーに代表される様に,刺激因子が直接,同細胞を活性化し症状を 惹起する経路も存在する事から,同症例においても,輸血製剤中に含まれる HLA 抗体や好塩基球抗体等の刺激因子 が,同細胞を直接刺激し,脱顆粒に至る可能性がある.そこで,本研究ではこの可能性を検証する為に,まず,好 塩基球抗体を検出する検査法の樹立を検討した. 方法として, 既に報告している 5-cell lineage IFT を一部変更し,
従来法で各血液細胞マーカーとして用いていた CD4,CD20,CD14 抗体に加え,新たに CD123 抗体を加えた.これ により,好塩基球を含む 6 系統血液細胞に対する抗体の検出が可能となった.次に,本法を用いて,アレルギー性 輸血副作用 23 症例を対象に白血球抗体の検索を行った結果,患者 23 例中 14 例,製剤 19 例中 6 例において抗体が 検出され,その内,7 例は好塩基球に反応する抗体であった.これにより,好塩基球に反応する抗体の存在も明らか となった.
キーワード:好塩基球,好塩基球抗体,非溶血性輸血副作用,アレルギー反応 第 55 回日本輸血・細胞治療学会総会推薦論文
はじめに
非溶血性輸血副作用の症状は蕁麻疹やアナフィラキ シー,発熱,輸血関連急性肺障害(TRALI)等,多岐 にわたる.その中で最も多く見られる症状が蕁麻疹で ある1)2).蕁麻疹やアナフィラキシーの場合,副作用発 症後に肥満細胞の脱顆粒マーカーであるトリプターゼ の上昇を認める症例3)がある事から,肥満細胞!好塩基 球の関与が強く示唆されるが,肥満細胞!好塩基球の活 性化機序には不明な点が多い.可能性としては,典型 的な I 型アレルギーが惹起されたか,あるいは,あまり 一般的ではないが,何らかの刺激因子により直接,肥 満細胞!好塩基球が活性化したかの 2 つの原因が考えら れる.前者の例としては,ラテックス IgE 抗体を保有 するラテックスアレルギー患者にラテックスを含む輸 液セットを使用したところ,アナフィラキシーを起こ した例4)やハプトグロビン IgE 抗体を保有するハプトグ ロビン欠損患者において,輸血直後にアナフィラキシー が発生した例5)等が挙げられる.一方,直接刺激の事例 は未だ非溶血性輸血副作用では証明されていないが,
HLA 抗体を含む白血球抗体による好中球の直接の活性 化が TRALI 発症機序の一因となっている事を考えると,
同様な抗体の直接刺激により,肥満細胞!好塩基球が直 接活性化し,アレルギー症状を呈する可能性が充分に 考えられる.従って,好塩基球に反応する抗体の存在 について調べる事は蕁麻疹,アナフィラキシー副作用 症例の原因を解析する上で重要である.
これら白血球抗体検査法として,HLA 抗体検査法に は高感度な方法である Flow PRAⓇ6)等が存在する.また,
顆粒球抗体検査法として広く用いられている方法は,
好中球を解析対象とした GIFT 法7)であるが,GIFT 法には好中球のバックグラウンドが高いという欠点が 存在している.その為,我々は同細胞のバックグラウ ンドを低く抑え,かつ,同細胞以外に単球,T リンパ 球,B リンパ球,血小板を同時に解析する白血球抗体検 査法(5-cell lineage IFT)を樹立し, 報告した8). 今回,
我々は肥満細胞!好塩基球の関与が疑われる非溶血性輸 血副作用症例の原因究明を目的とした好塩基球抗体検 査法を樹立する為に,5-cell lineage IFT に変更を加え,
大阪府赤十字血液センター
〔受付日:2008 年 3 月 17 日,受理日:2008 年 6 月 24 日〕
1.材料
本法に用いたパネル細胞として,大阪府赤十字血液 センター職員あるいは献血者由来血液型検査用血液を 使用した.また,一部の実験では,サンプルとして非 溶血性輸血副作用が発生した患者由来血清(血漿)お よびその対象製剤由来の血清(血漿)を用いた.
2.染色方法
我々が報告した 5-cell lineage IFT8)に若干の変更を加 え,以下の通り染色を行なった.主な変更点は好塩基 球を識別する為のマーカーとして,ヒト CD123 モノク ロナール抗体(MoAb)を新たに加えた点と 96 穴プレー トを使用する点である.パネル細胞として EDTA 採血 した全血 2mlから 3mlに対して,6% ヒドキシエチル デンプン加 0.9% 食塩液(ニプロ社)400 から 600µl
(全血 5 容に対して 1 容)で懸濁し,41×g 5 分間の遠 心分離処理により,大部分の赤血球を沈層分画として 除去し,上清に含まれる白血球,血小板を回収した.
この細胞浮遊液を 1,048×g 5 分間の遠心分離処理によ り上清を除去した後,再度,200 から 300µl(全血血液 の 1!10 量)のパネル細胞由来自己血漿にて懸濁し,こ れを白血球・血小板浮遊液とした.この白血球・血小 板浮遊液を 96 穴丸底プレート(コーニング社)に 10 µl分注し,被検血清(血漿)を 20µl加え 4℃,15 分間 反応させ,洗浄用bufferとして10mM EDTA,0.5%BSA 加 PBS(以下,洗浄 buffer とし,1 回の洗浄に 250µl 用いた)にて 2 回洗浄後,2 次抗体として,洗浄 buffer にて希釈した FITC 標識ヤギ―抗ヒト IgG(ジャクソン 社)もしくは FITC 標識ロバ―抗ヒト IgM MoAb(ジャ クソン社)10µlで 4℃,15 分間染色した.洗浄 buffer にて 1 回洗浄後,BD FACSTMLysing Solution(ベクト ンディッキンソン社)250µlで残存赤血球を溶血させ,
洗浄 buffer にて 1 回洗浄後,再度,200µlの洗浄 buffer に浮遊した後,血小板測定用に 20µlを分取し,残りの 180µlを白血球抗体測定用とし,その後,2 次抗体の残 余結合部位をブロックする為に,洗浄 buffer にて 10 倍希釈したマウス血清(免疫生物研究所)10µlを加え,
4℃,10 分間反応させ,白血球抗体測定用には,PE 標識ヒト CD4,PE 標識ヒト CD20,PerCP 標識ヒト CD14,PE-Cy5 標識ヒト CD123 MoAb(ベクトンディッ キンソン社)を混合した染色液(各 MoAb はそれぞれ 30 倍,80 倍,15 倍,30 倍の倍率で洗浄 buffer にて希
血漿)を陰性対象とした.また,一部の実験において,
被検血清として FITC 標識 MoAb,または PE 標識 MoAb を用いたが,その場合には 2 次抗体およびその後の洗 浄は省略し,陰性対象として,アイソタイプコントロー ルを用いた.また,後者の場合にはヒト CD4,ヒト CD20 MoAb は FITC 標識を用いた.
3.好中球,単球,Tリンパ球,Bリンパ球,血小板,
好塩基球の識別
FSC!SSC(Lin)分布にて,好中球分画を R1,単球 分画を R2,リンパ球分画を R3 とし,好中球は R1 内か つ FL2!FL3 両領域陰性分画(R4),単球は R2 内かつ FL2!FL3 両領域陽性分画(R5),B リンパ球は R3 内か つ FL2 領域弱陽性!FL3 領域陰性分画(R6),T リンパ 球は R3 内かつ FL2 領域強陽性!FL3 領域陰性分画(R7), 好塩基球は R3 内かつ FL2 領域陰性!FL3 領域陽性分画
(R8),血小板は FSC!SSC(Log)分布にて,血小板分 画を R9 とし,R9 内かつ FL3 領域陽性分画(R10)を それぞれの細胞集団とした(Fig. 1,Table 1).なお,
T リンパ球と B リンパ球を識別する為に,PE 標識ヒト CD4,PE 標識ヒト CD20 MoAb を用いているが,これ は予め検討を行い,FL2(PE)領域が 3 分画(CD4 陽性分画,CD20 陽性分画,CD4,CD20 陰性分画)に なるように,各抗体濃度を調整して用いた(データ未 提示).また,一部の実験において,FITC 標識ヒト CD4,
ヒト CD20 MoAb を使用した場合には,FL2 を FL1 に変更し,各血液細胞を識別した.
4.各種モノクロナール抗体の反応
好塩基球を含む 6 系統の血液細胞の識別は,ヒト HLA DR,ヒト CD203c,ヒト CD11b,ヒト CD16b,ヒト CD36
(ベックマンコールター社),ヒト CD11a,ヒト CD15,
ヒト CD86,ヒト CD19,ヒト HLA-A,B,C(ベクト ンディッキンソン社),ヒト HNA-2a MoAb(TAG-4,
広島医学技術専門学校 谷口 菊代博士より分与),
TRALI 症例の製剤から検出された HNA-3a 抗体を含む 抗血清(日本赤十字社 中央血液研究所より分与)を 用いて,染色を行った.
5.肥満細胞!好塩基球の関与が疑われる非溶血性輸
血副作用症例の解析
大阪府赤十字血液センターに調査依頼があった蕁麻 疹,アレルギー反応,アナフィラキシー(反応,ショッ ク)等の I 型アレルギーまたは肥満細胞!好塩基球の関
Table 1 Blood cellsubsetsdefining dot-plotregionsand reactivity ofMoAbs.
Reactivity ofMoAbs Dot-plotregion
Cell
CD123 CD14 CD20 CD4
-
-
-
- R4
Neutrophils
+ / -
+
-
+ R5
Monocytes
-
-
+
- R6
CD20 + B-cells
-
-
-
+ R7
CD4 + T-cells
+
-
-
- R8
Basophils
R10 Platelets
Table 2 Non-hemolytictransfusion reaction cases. Product Patient
Case
6 7
7 urticaria
3 5
5 allergicreaction
4 4
4 anaphylacticreaction
2 2
2 urticaria & dyspnea
4 5
5 others
19 23
23 Total
Fig. 1 Gatesutilized to determine six lineage cells.Cellsin the regionsR1 and R4 were regarded asneutrophils,whereasthose in R2 and R5 were regarded asmono cytes,those in R3 and R6 asCD20 +B cells,those in R3 and R7 asCD4 +T cells, thosin R3 and R8 asbasophils,and those in R9 and R10 asplatelets,assummarized in Table 1.
与を疑う非溶血性輸血副作用 23 症例(患者 23 例,製 剤 19 例)を対象に,本法による白血球抗体検 査 と LABScreen(ワンラムダ社)による HLA 抗体検査を実 施した.各症状の内訳を Table 2 に示した.
結 果
1.6-cell lineage IFTにおける,各種モノクロナール 抗体の反応性
6-cell lineage IFT により,好中球,単球,T リンパ球,
B リンパ球,血小板,好塩基球の 6 系統の血液細胞を正 確に識別する事が可能であるかを調べる為に,6 種類の MoAb を用いて検討を行った.そのプロファイルを Fig.
2 に示した.好塩基球は CD123 陽性,HLA DR 陰性9)と 報告されているが,ヒト HLA DR MoAb は単球と B リンパ球にのみ反応し,好塩基球を含むその他の血液 細胞には反応しなかった(Fig. 2-1).また,CD203c は好塩基球,肥満細胞,およびそれらの CD34 陽性前駆 細胞での発現が報告されているが10),本法では CD203c MoAb は好塩基球にのみ反応性を示した(Fig. 2-2).ま
た,好中球マーカーである CD15 陽性細胞は好塩基球群 には認められず(Fig. 2-3),同様に,単球マーカーであ る CD86 陽性細胞(Fig. 2-4),B リンパ球マーカーであ る CD19 陽性細胞(Fig. 2-5),単球,血小板マーカーで ある CD36 陽性細胞(Fig. 2-6)は好塩基球群には認め られなかった.以上により,好塩基球群はフローサイ トメトリーにて,正確に識別する事が可能であると考 えた.
2.HLA class I抗体およびHNA抗体による各血液細 胞の反応性
HLA class I や顆粒球(HNA)抗原に対する抗体が 6 系統の血液細胞にどの様に反応するかを調べる為に,
ヒト HLA-A,B,C,ヒト CD16b,ヒト HNA-2a,ヒト CD11b,ヒト CD11a MoAb と HNA-3a 抗血清を用いて,
染色を行った.そのプロファイルを Fig. 3 に示した.ヒ ト HLA-A,B,C は 6 系統細胞全てに(Fig. 3-1),ヒト CD16b,ヒト HNA-2a MoAb は共に好中球にのみ(Fig.
3-2 and 3),HNA-3a 抗血清はヒト HLA-A,B,C MoAb と同様に 6 系統細胞 全 て に(Fig. 3-4),ヒ ト CD11b
Fig. 2 Cellsurface makerprofile ofsix fractionsofblood cells.Thin linesand bold linesrep- resentisotype negative-controland testMoAbs,respectively.
Fig. 3 Representative examples of simultaneous whole-blood six cell lineage staining analysis. Thin lines and bold lines represent isotype negative-control or autologous negative-controland testMoAbsortestserum,respectively.
MoAb は好塩基球,好中球,単球に(Fig. 3-5),ヒト CD11a MoAb は好塩基球,好中球,単球,T リンパ球,
B リンパ球に(Fig. 3-6), それぞれ反応が観察された.
この様に,HNA-1-5 抗原系は各血液細胞系統で発現パ ターンが異なるが,本法ではこれらの異なる反応パター ンを観察する事が可能であった.
3.肥満細胞!好塩基球の関与が疑われる非溶血性輸
血副作用症例の解析
LABScreen と本法を用いて I 型アレルギーや肥満細
胞!好塩基球の関与が疑われる非溶血性輸血副作用 23 症例(患者 23 例,製剤 19 例)を対象に,HLA 抗体お よび HLA 以外の白血球抗体について解析を行った.そ の結果,患者 9 例,製剤 12 例については抗体が検出さ れず,また,HLA class I および HLA class II 抗体が単 独で検出された例も認められなかった.そして,抗体 が検出された例は HLA class I+II 抗体が検出された製 剤 1 例,HLA class I および白血球抗体が検出された患 者 1 例,HLA class I+II および白血球抗体が検出され
Table 3 HLA and leukocyte Absin non-hemo- lytictransfusion reaction cases.
Product Patient
Antibody
12 9
None
0 0
HLA classI
0 0
HLA classII
1 0
HLA classI+ II
0 1
HLA classI+ Leukocyte
0 0
HLA classII+ Leukocyte
0 1
HLA classI+ II+ Leukocyte
6 12
Leukocyte
19 23
Total
Table 4 Reactivity ofleukocyte Absto six lineagesofblood cells.
Product Patient
Platelets CD20 + B-cells
CD4 + T-cells Monocytes
Neutrophils Basophils
0 2
+
+
-
+
+
+
0 3
-
+
-
+
+
+
1 0
-
+
+
-
+
+
1 0
-
-
-
-
+
+
0 1
-
-
-
+
+
-
4 6 *
-
-
-
-
+
-
0 2
-
+
-
-
-
-
6
(32%)
14
(61%)
Total
*:Two ofthe six samplescontained HLA antibodiesin addition to neutrophilantibodies.
Fig. 4 Representative examples of simultaneous whole-blood six cell lineage staining analysis.The testserum sampleswere derived from a productofan urticaria case (1st,2nd panel),a patientwith anaphylacticreaction.
た患者 1 例,白血球抗体のみ検出された患者 12 例,製 剤 6 例であった(Table 3).なお,HLA 抗体と白血球 抗体が共に検出された患者 2 例は,いずれも本法によ る各血液細胞の反応は好中球に限られており(Table 4,*参照),Fig. 2,3 に示した様に,HLA class I およ び HLA class II 抗体の反応とは異なっている.その為,
この 2 例には HLA 抗体と白血球抗体が混在していると 判断した.そして,本法により,検出された 20 例の HLA 抗体以外の白血球抗体の内,7 例は好塩基球と反応し,
その内,2 例は製剤から検出された.また,この 7 例か
ら HLA 抗体は検出されておらず,これらが単一な抗体 であると仮定すれば,好塩基球特異抗体ではないが,
少なくとも好塩基球に反応する抗体であり,また,そ れは患者のみならず,献血者(健常人)からも検出さ れた.そして,好塩基球に反応を示した白血球抗体の 代表的なプロファイルを Fig. 4 に示した.1 例目は蕁麻 疹症例の製剤に含まれる,好塩基球,好中球,B リンパ 球と T リンパ球には弱く反応する IgM 抗体であった
(Fig. 4-1).2 例目も 1 例目と同様に,蕁麻疹症例の製剤 に含まれる,好塩基球,好中球に反応する IgM 抗体で あった(Fig. 4-2).3 例目はアナフィラキシー症例の患 者に含まれる,好塩基球,好中球,単球,B リンパ球,
血小板に反応する IgG 抗体であった(Fig. 4-3). なお,
2 次抗体に抗ヒト IgM MoAb を使用した場合には,B リンパ球はその細胞表面に IgM を発現しているため,
同細胞のバックグラウンドは高くなる(Fig. 4-1 and 2).
考 察
今回,我々は肥満細胞!好塩基球の関与が疑われる非 溶血性輸血副作用症例の原因究明を目的とし,好中球,
単球,T リンパ球,B リンパ球,血小板に加えて,さら に好塩基球を解析対象にした白血球抗体検査法(6-cell lineage IFT)の樹立に成功し,また,同方法を用いて,
は同抗体が好塩基球を活性化させる事を確認している
(データ未提示).これにより,HLA class I 抗体や好塩 基球に反応する白血球抗体は,肥満細胞!好塩基球の関 与が疑われる非溶血性輸血副作用の原因となりうる事 が示唆された.
一方,TRALI 症例においては,HLA 抗体や顆粒球抗 体の関与が知られているが11)〜16),後者を検出する方法と して好中球を解析対象にした GIFT 法があるが,我々 は同症例の解析においては,好中球のみを対象とする よりも,単球やリンパ球等もその対象に加える方が,
有利であると考えている.その理由として,同症例と 単球抗体の関わりの報告がある事17)や Fig. 3 に示す様に,
HNA 抗原系は好中球以外に好塩基球,単球,T!B リン パ球,血小板にも発現している.そして,これらに対 する抗体の特異性を決定する際には,GIFT 法は検査に 用いたタイプ既知パネルの反応にのみ依存しているが,
本法はこれに加えて,6 系統の血液細胞の反応(発現)
パターンでも判定する事が可能である.これは抗体特 異性を決定する上で有利となる.また,HLA 抗体と HLA 以外の白血球抗体が混在する場合でも,予め LABcreen 等の HLA 抗体検査法で HLA 抗体の有無や特異性の情 報を入手する事で,本法を実施する際に,HLA 抗体が 影響しないパネル細胞を選択する事が可能であり,ま た,被検血清に含まれる HLA 抗体が広範囲の特異性を 持ち,HLA 抗体が影響しないパネル細胞を選択する事 が困難な場合であっても,6 系統の血液細胞の反応パター ンや蛍光強度(抗原の発現量)の違いにより,HLA 抗体の影響をある程度は類推する事が可能である.実 際に 我 々 は,HLA class I+class II+HNA-1a や HLA class I+class II+HNA-1b,HLA class I+class II+
HNA(特異性不明)などの例について,混在している 各々の抗体の反応性を本法や 5-cell lineage IFT で確認 する事に成功している(データ未提示).従って,我々 は肥満細胞!好塩基球の関与が疑われる非溶血性輸血副 作用のみならず呼吸困難を伴う TRALI 症例を解析する 抗体検査法としても,本法は有用であると考えている.
今後の課題として,本法を用いて,より多くの肥満 細胞!好塩基球の関与が疑われる非溶血性輸血副作用症 例を解析し,それにより検出された白血球抗体が好塩 基球を活性化させるか否かについての検討がある.ま た,TRALI 症例については,好中球や単球を活性化さ
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DETECTION OF BASOPHIL-RELATED ANTIBODIES IN ALLERGIC TRANSFUSION REACTION
Nobuki Matsuyama, Fumiya Hirayama, Kazuta Yasui, Atsuko Taniue, Rika A Furuta, Yasuo Fukumori, Takafumi Kimura, Yoshihiko Tani and Hirotoshi Shibata
Japanese Red Cross Osaka Blood Center
Abstract:
Allergic reactions, including urticaria, are the most frequently observed symptoms of non-hemolytic transfusion reactions. Although it is easy to consider that allergic reactions are induced by IgE-mediated type I allergy, there is only limited evidence for this possibility. In addition to IgE-dependent activation, IgE-independent direct activation of mast cells!basophils is also found, for example in some allergies to contrast media. Therefore, the direct activation of mast cells!basophils might plausibly be involved in allergic transfusion reactions. In such cases, basophil antibody, including HLA antibody, is a good candidate for the direct stimulator of mast cells!basophils. In this study, we devel- oped a detection system for basophil antibody by modifying our previously developed 5-cell lineage immunofluores- cence test. Using this detection system, we examined 23 cases of allergic transfusion reaction. Results showed non- HLA leucocyte antibodies in 14 patient samples and 6 blood components. Of these 20, 7 samples contained antibodies against basophils.
Keywords:
basophil, basophil antibody, non-hemolytic transfusion reaction, allergic reaction
!2008 The Japan Society of Transfusion Medicine and Cell Therapy Journal Web Site: http:!!www.yuketsu.gr.jp