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基本とし, 本人の性格や生活歴, 健康状態や 感覚機能などに配慮しつつ, 周囲の家族や介 護者が適切な認識 ( その人を取り囲む社会心 理 ) を持って接する このことによって, 認 知症の状態や現れる症状は良くも悪くもなる という考え方を大切にケアを行っている そ して, 神経障害 ( 機能的障害

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(1)

 本稿では,認知症の行動・心理症状(BPSD)

が出現し,家族が自宅での介護に限界を感じ

施設入居に至ったNさんが3カ月後の自宅復

帰を目指し,周囲のかかわりや環境を整備し

たことでBPSDが緩和した事例を紹介する。

【事例】昼夜の活動が逆転し,

眠前薬の効果もないMさん

事例概要

Mさん,90代,女性,要介護4

障害高齢者の日常生活自立度:A1

認知症高齢者の日常生活自立度:Ⅲb

HDS-R:実施困難

既往歴:アルツハイマー型認知症(平成

22年),左大腿骨頸部骨折(平成24年)

身体,認知機能

〈ADL〉

・食事全介助 ・排泄全介助

・移動は車いす使用

〈主な認知症の症状〉

・見当識障害,昼夜逆転,異食行為

・布団や家具を投げ飛ばすといった行動

・危険認識の低下,物を倒す,壊す行動

・パッドいじり,放尿

家族環境

 娘夫婦(70代)と同居。主介護者である長

女は高齢の上,がんの術後のため通院している。

室から出てくるなどの行動が続くようになっ

た。このため,家族の介護負担が増え,介護

老人保健施設(以下,老健)に入居となる。

施設ケアプラン立案

アセスメント(入居前訪問)

 居宅ケアマネジャー,看護師,リハビリ

テーション(以下,リハビリ)スタッフ,支

援相談員,介護士が自宅を訪問した。老健入

居時に居室を自宅の環境に近づけるため,家

族より生活歴を聞き取り,暮らしの中の習慣

や課題の抽出を行った。

 自宅では,離れに一人で暮らし,食事も居

室へ運び,通所サービスの利用のない日は外

部との交流がなかった。服を脱いだり家具を

倒したり,物を壊したりといった行動が見ら

れ,身体には打撲,内出血もあった。また,

部屋のあちこちに排泄の失敗があった。

立案のポイント

 Mさんは自宅生活では昼間に刺激となる活

動がなく,夜間は眠前薬の増量などで睡眠を

促されていた。しかし,眠前薬の効果は見ら

れず夜間が活動の中心となったことから,日

中の食事や排泄にも影響を及ぼしていた。

 当施設では認知症の方への支援方法とし

て,パーソン・センタード・ケアの考え方を

在宅強化型老健に学ぶ! 在宅復帰のケアプラン事例集

[ ケーススタディ編 ]

BPSDのある認知症の人の

在宅復帰とケアプラン事例

介護老人保健施設

なんぶ幸朋苑

介護課長 

宇田川 瞳

支援相談員 

森安克彦 後藤裕輔

介護職 

鷲見和恵 山本奈津江 野坂賢一

入居までの経緯:通所サービスを利

用していたが,認知症症状が悪化し,

夜間寝られず活発に動き体中に内出

血や擦り傷が無数にある。離れの自

(2)

基本とし,本人の性格や生活歴,健康状態や

感覚機能などに配慮しつつ,周囲の家族や介

護者が適切な認識(その人を取り囲む社会心

理)を持って接する。このことによって,認

知症の状態や現れる症状は良くも悪くもなる

という考え方を大切にケアを行っている。そ

して,神経障害(機能的障害・構造的障害),

身体の健康状態(既往・五感特に視覚と聴

覚),生活史(過去の個人的体験・最近の出

来事),個性・人格(気性・能力・行動パター

ン),個人を取り巻く社会的心理背景(対人

関係パターン)の要素を考慮し,統一したケ

アを基本としている。

 本事例においては,入居前訪問で得た情報

を基に暫定プラン(資料1,P.3~6)を作

成し,モニタリングを行った上で次の3点を

ケアのポイントとした(資料2,P.7)。

▷生活リズムを整える

・さまざまなアクティビティ(歌,体操,会

話)の実施

・1日の過ごし方を計画する

▷排泄の取り組み

・排泄パターンの把握

▷睡眠に関する取り組み

・在宅の環境に合わせた寝具の見直し

・眠前薬の見直し

施設ケアプラン

(資料3,P.8~10)

と実際の取り組み

 入居当初は日中に傾眠傾向が強く,食事や

排泄も全介助であった。また,表情や感情の

表出がほとんどなく,口数も少なかった。夜

間ベッド上でぐるぐる回ったり,ベッドから

降りようとする動作を繰り返していた。

▷生活リズムを整える

 入居後,安心して眠り,気持ちのよい目覚

めを提供するために,起床・就寝時間・食事

時間の統一,リハビリ,アクティビティなど

を導入し,1日の過ごし方を考えた。また,

コミュニティの場で人と交わり,集中力・関

心事を見いだすようにした。

 その結果,覚醒時間が向上し生活意欲の向

上につながった。また,生活歴と習慣を取り

入れることで認識力の向上につながった。さ

らに,コミュニケーションが増えたことによ

り意思の伝達,意向の表出につながった。

 特に風船バレーは,取り組みの中では最も

興味を示された。体操では職員の動きを模倣

し,10 〜15分は集中力が持続した。これに

より笑顔も増え,歌を口ずさむなどの変化が

見られるようになり覚醒度も向上していっ

た。また,「おなかが減った」などの発言が

増え,意思表示が明確になってきた。その他

にも車いすを自操したり食事を自力摂取でき

るようになったりするなど,ADLの向上も

見られるようになった。

▷排泄の取り組み

 ノム・ダス・ハカル調査を行い排泄パター

ンを把握,飲水量より排尿量が多いため水分

量の増加が必要ではないかと考えた。

 日中は100 〜200㏄の残尿があり,夜間は

200 〜300㏄の残尿が見られた。トイレへの

排尿が少量で残尿が多い時があるため,長め

に座ってもらうか,排尿量が少なければ時間

の調整を行うこととした。ソワソワしたりズ

ボンを下ろそうとする仕草が見られたりした

時にトイレへ案内すると排尿が見られた。本

人の訴えや行動を観察してトイレへ案内して

いく必要があると分かった。

 また,パッドの吸収量の縮小(吸収量の少

ないパッドへの変更)と布パンツへの移行を

検討することとした。

(3)

平成 ○

10

感染症

R L

【ご家族にお願いしたいこと】

(ご本人の状態や生活環境の改善・生きがい楽しみの支援に向けて の取り組み・かかわり方)

疾患(発症・受傷年月日等)

できる範囲のことは行っていただく

可能な範囲内での面会・外出・外泊

自宅の居室環境をできるだけ保持し,昼夜逆転を改善す

るために日中の活動量を増やし,生活リズムを整えていく

なし

高次脳機能

皮膚状態・褥瘡

運動機能

拘縮(部位)

[内服薬]

上下肢に多数の内出血見

られる

聴覚(補聴器なし),視

覚特に問題なし

・ボルタレンテープ15mg外用(腰)

感覚機能

認知症の周辺症状あり

その他

(訴え等)

[外用薬]

T: ○ / P:○(整・不整)/ BP:

  ○ / ○ mmHg  R: ○ SPO

=○%

【利用者の介護に対する思い・意向】

・ツムラ抑肝散5.0g  2×朝,夕食前

・アリセプトD(5)1T,メマリー(5)1T,1×朝食後

・イーケプラ(500)2T 2×朝,夕食後

・ラックビー未微粒3.0g 3×毎食後

平成22年 アルツハイマー型認知症

平成24年4月 症候性てんかん

(平成24年4月と平成24年7月に

入院あり)

平成24年5月4日

自宅で転倒し,左大腿部頸部骨折

認知症の進行あり

とにかく家族がほっとしたい(対応に疲れている)

ご本人からの意向確認できず

自宅

腰痛あり。自分からの訴

えはないが,伸ばすと痛

みあり

既往歴疾患,発症

受傷年月日等

【ご本人に行っていただくこと】

【家族の介護に対する思い・意向】

【総合的な生活の援助方針】

運動が得意だったので体操などを行ってほしい

【食事に対する思い】

【食事に対する思い】

総合的な生活の方針(その人らしく生活するためのポイント)

ふ り が な

氏名

入居年月日

入居前の居場所

本人住所

生年月日

要介護度

4

平成

居宅介護支援

事業所

担当者

主治医

医師

事業所名

TEL

評価年月日:

大正 昭和 明治

資料1:生活支援および栄養・リハビリテーション実施計画書(暫定)

(4)

  レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ

レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ

レ レ レ レ レ レ レ レ

レ レ

レ レ レ レ

水分であり

コーヒー,甘いものが

好き。流涎あり

〈OT,PT〉

排泄動作の確認を行う

状況

朝はパン食。食事形態は軟

飯・柔らか食。汁はトロミ剤

使用する

かきこみ,ムセがある。手づ

かみで食事摂取される。異食

あり

〈ST〉

食事動作,口腔機能,

嚥下機能評価を行う

階段昇降

紙パンツ,パッドを使用し尿意

の訴えはないが,ソワソワされ

る仕草がある時はトイレ案内を

する

座位

「現在の評価および目標」における項目に関する記入事項:  上段;目標   中段;実行状況  下段;能力 つかまり立ち たまに自分で立つこともあ る

〈PT,OT〉

移動方法の検討を行

い,安全に移動ができ

るように検討していく

車いす,手引き歩行

起き上がり

PT,OT,ST,DH, 栄養士が実施する内容・ 頻度等(実施上の留意点)

移乗

米飯,常食,小おにぎり 自宅では離れで食べている。日 によっては声をかけないと手が 止まり,介助が必要なこともあ る。箸を使用しているが,持ち 方が分からない。手づかみで食 べることもある。好き嫌いはな 朝食は食が進まなければあんぱ んでもよい  い

家庭用ベッド使用

屋外移動

移乗は腰部を支えながら声か

けし一部介助必要

短距離(ベッドから居室トイ

レ)なら手引き歩行可能であ

るが,気が向かないと歩行で

きない

 項目

手引き歩行可能,自宅では 這っている。自分で歩かれ ることもある

暫定生活支援計画

屋内移動

現在の評価および目標

寝返り

〈PT,OT〉

身体面の評価を行い,

日常生活動作を把握

する

利用者氏名:    M    様

立位

立ち上がり

看護・介護職等が実施する

内容・頻度等

(実施上の留意点)

寝返り,起き上がり,座位は

可能だが,危険認識が低く,

自分でつかまり立ちされるた

め一部介助,見守りが必要

ムセ

食事

摂食・嚥下

排泄(昼)

排泄(夜)

紙パンツ上げ下ろし介助。 ポータブルトイレ使用。便尿意 あり。自ら訴えることはない。 トイレ案内。自宅では放尿あ り,便いじりあり(きれいに拭 けず,手が汚れていることがあ る)。最近はポータブルトイレ でできなくなった。排便は1∼ 2日おきに自然排便 自 立 見 守 り 一 部 介 助 全 介 助 行 わ ず

到 達 時 期 重 点 項 目

資料1の続き

(5)

  レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ

電動ベッドを一番低くし,ベッドから降りることを前提に

周りに緩和マットを敷く

入居時より居室に置いてある家具を一時撤去し,様子を見る

コードを引き抜かれるため,目につかないよう工夫する

暫定生活支援計画

自身で行えることは行ってい

ただく

PT,OT,ST,DH,

栄養士が実施する内容・

頻度等(実施上の留意点)

手の届く範囲内は洗身を行っ

ていただく

夜になると行動が活発になり,物を倒したりコードをひっ

ぱたり,布団のシーツを外したりと落ち着きがなくなるた

め,頻回に訪室する

現在の評価および目標

土間

Pト イ レ タ ン ス

4人部屋

看護・介護職等が実施する

内容・頻度等

(実施上の留意点)

利用者氏名:     M     様

「現在の評価および目標」における項目に関する記入事項:  上段;目標   中段;実行状況  下段;能力

居室・

居場所等

職員が義歯のブラッシング,

うがいの介助を行う

上下義歯あり。合って

いないが,直すことを

眠前薬を服用しているが,あまり効

果はない様子

昼夜逆転あり

[自宅(前施設)部屋の見取り図]

デイサービスにて入浴。

シャワー浴。調子のよ

い時は浴槽をまたぐこ

とが可能。家では入浴

しない

脱ぐことは可能だが,

着方は分からない

更衣

 項 目

入浴

状況

拒否されて自分で外す

ことは可能。自宅では

ケアしていない

タオルを手渡している

睡眠

口腔ケア

整容

自 立 見 守 り 全 介 助 行 わ ず 一 部 介 助 到 達 時 期 重 点 項 目

緩 和 マ ッ ト

資料1の続き

(6)

(測定日)

症状・訴えなど

リハビリ

日常生活に支障なし

面談日:

畑を趣味としていたが,認知症が進行し, 畑に出られなくなった。デイサービスを利 用しながら自宅の離れで一人で過ごされて いる 最近認知症による行動が活発になり,狭い 隙間に入り込んだり,服を脱いだり,テー ブルを倒したり,コタツをベッドの上に載 せたり,ポータブルトイレを倒したり,部 屋のいろいろなところで排泄の失敗があっ たり,灰皿で戸棚を叩いたりし,家族は夜 も眠れず困っている。打撲,打ち身が多い 以前は編み物や旅行,着物が趣味だった。 テレビ番組は『水戸黄門』が好きだったが, 観なくなった。走ることが速く陸上の選手 であった。身体を動かすことは好きである

〈リハビリ〉

認知面の観察を行い,落ち着いて施設での生活を送っても

らえるようにかかわりを持っていく。また,昼夜逆転の改

善を目指していく

環境に慣れないうちは落ち着かれないことがあるので,頻

回に訪室する

〈介護・看護〉

面談者:

〈介護・看護〉摂取状況等経過を行い,適宜提供内容を見

直す下肢浮腫があるため,デイルーム内に畳でくつろげる

環境を整える

腰が曲がっており,伸ばすと痛みが

ある様子。横を向いて眠る

視力

身長

リスク

注:本計画書に記載されている情報は,適切な介護サービスを提供するためにのみ使用いたします。

計画書有効期間

平成   年   月   日 ∼   平成   年   月   日

備考

相談員

担当医

ケアマネジャーサイン

ご利用者・ご家族サイン

歯科衛生士

栄養士

ケアマネジャー承認日

日常生活に支障なし

体重

現在の状況

低栄養状態

介護・看護

平成  年  月  日

平成  年  月  日

ご利用者・ご家族承認日

聴力

アルブミン値

比較体重

項 目

体重変動率

利用者氏名:      M      様

面談場所:

暫定生活支援計画

BMI

身体・健康

状態・リス

クに関する

こと

認知・

コミュニケ

ーション・

社会性・

家族対人関

活動・役割

資料1の続き

(7)

    M     様 記入者:

記入日: 平成

11

寝返り・起き 上がり・座 位・立ち上が り・立位等

移乗・移動

ベッド上をゴソゴソされる時があり,自らの意思がある時は自

力で寝返り・起き上がりは行える

意思疎通が図れると,立ち上がり自力で行えるが介助が必要

移動は車いす。傾眠があるため歩行は難しい

食事・嚥下

生活リズムを整えるため,7時に起床を

促し,22時にベッドへ入ることを習慣

化してもらう

<ケアマネジャーコメント>

昼夜逆転,ADLの低下を改善し在宅復帰

へつなげていく

水分量を増やし,便秘を改善していく

生活リズムを整え,夜間良眠へつなげる

けがのないよう環境を整える

新しいニーズ・取り組み

覚醒状態がよい時は,介助にてシルバー

カーを使用し歩行を取り入れていく

在宅復帰を考え自宅での食形態に変更す

るが,つめこみに注意する。覚醒状態

によって食事介助が必要となる

トイレサインを見逃さずトイレ案内を

行っていく。トイレで長く座ることに

よって排尿がある

畳の上で過ごす時間を設け,浮腫の軽減

に努めていく

昼夜逆転傾向あり

日中はデイルームで過ごされる

ベッドは一番低く設定し,横には畳とマットを設置して一人で

降りられてもよい環境を整える

生活リズムを整え,昼夜逆転を改善していく。また,覚醒状態がよい時は体を動かすこ とを取り入れたり,歩行を取り入れたりして歩行能力を維持していく

<介護コメント>

利用者氏名:

排泄(排尿)

入居当初はST評価で軟飯・ソフト食であったが,在宅復帰を

考え自宅で対応できる食事形態に変更する。常飯(小さめのお

にぎり),副食は刻む。水分にトロミ剤使用

覚醒状態がよい時は箸やスプーンを使って食べられる。食べる

時,食材を膳に移したり皿に入れたりしている。傾眠がある時

は食事介助が必要

生活支援計画を実施したことによる成果・変化等

起床時,食後,トイレサイン時(ズボンをずらす行為),就寝前は トイレ案内し,夜間睡眠されている時はパッド交換を行う。排尿の 間隔が長く,トイレに座ってもなかなか排尿が見られないことがあ る。トイレのサインを見逃さず,案内を行う必要がある 2∼3日目に排便が見られています

居室・

居場所等

睡眠状態を整えて,昼夜逆転を減らしていく必要がある

両足背に浮腫が見られる。排尿量の観察等が必要

昼夜逆転傾向あり。日中の活動量を増やす(会話,風船バレー)

定期的にご家族の面会がある

排泄(排便)

睡眠

起 居 ・ 日 常 動 作 食 に 関 す る こ と 排 泄 睡 眠 環 境 身 体 ・ 健 康 ・ 安 全 面 認 知 ・ 社 会 性 ・ 情 緒 身体・健康 状態・リス クに関する こと 認知・ コミュニケ ーション・ 社会性 家族対人関 係

資料2:暫定老健生活支援計画 モニタリング表

(8)

/

/

歳)(

)

計画評価実施日:

/

(平成 日 ) 】 ( ) 】 総合的な生活の方針(その人らしく生活するためのポイント) 【ご本人に行っていただくこと】 【総合的な生活の援助方針(かかわり方)】 【ご家族にお願いしたいこと】

【1日の過ごし方】

6 0 7 18 年 〈介護〉 昼夜逆転の改善には至らず,夕方より活動的になられ日中はうとうとしておられることが多いです。現在は,7時ごろには起きていただき,生活のリズムを整 えるようにしています。食事はご自分で食べられる時はかき込むようにして食べられますので,声をかけながらゆっくりと食事をしていただくようにしていま す。排泄は,日中よりも夜間の方が排尿量が多いようです。無意識にズボンとパンツをずらされる時は排泄サインのため,トイレ案内しています。測定の結果, 残尿量が多く, トイレに少し長めに座ると排泄につながり,パッド内での失敗が少なくなりました。飲水量と排尿量を比較すると飲水量が不足しているため, 水分量を増やします 〈栄養〉 食事量は安定していますが,水分摂取が十分にできていません。体重は身長に対する基準体重の範囲内にあり,入居時の血液検査でも栄養面に特に問題は見ら れませんでした。生活リズムを整えながら,今後の状態を観察して適宜提供内容の見直しを行っていきます 〈リハビリ〉 PT/OT:あまり覚醒状態がよくないことが多く,歩行や立位等に介助が大きく,あまり運動が進められていない状況です。拒否は見られていませんので,調子 を見て体操などを促していきたいと考えています。訴えはないですが,腰が痛い様子です。また,右下肢が左下肢に比べると出やすいため,移乗は右側に移乗 する方がしやすいと思います。歩行も前腕支持の6輪付き歩行器使用を試しましたが,5∼10m程度が限界で介助量も大きい状態です ST:リハビリでは嚥下体操や風船バレーなどを行っています。拒否なく参加されています。食事は現在普通食を刻んで提供しています。日によってはかきこみ なども見られるため,見守り・介助が必要です。水分もそのままではムセが見られるため,トロミ対応を行っています 平成 ○ 11 ○ 【前回計画書作成からの改善・変化等

利用者氏名:

要介護度:

年 ○ 11 月 ○ 日 平成 24 年 22 月 【ご本人・ご家族の希望 月 可能な範囲での面会・外出・外泊をお願いします 10 8 15 日 現在の 過ごし方 夜に睡眠がとれるように日中の活動量を増やし,一日の生活 のリズムを整えます 歩行能力が落ちないように,少しずつ歩きます 3カ月後に自宅へ復帰するために夜間睡眠がとれるように生活リズムを整えてほしいです。夜ゆっくり休みたいです 12 (ご本人の状態や生活環境の改善・生きがい楽しみの支援に向けての取り組み・かかわり方) 1.日中の活動を増やし,夜間の睡眠状態がよくなるようにしていく 2.決まった時間に起きる・就寝する習慣を身につける 3.身体を動かすことや手を使った運動,本人の習慣や楽しみが続けられる環 境づくり,なじみのあることを話題にしたコミュニケーションなどを取り入れ ながら生活のリズムを整えていく 4.両足のむくみも見られるので,足を伸ばして過ごせるように畳で過ごす時 間を設ける 〈栄養〉 ご本人の嗜好や意向を考慮した食事・水分を提供することで,食事摂取量の安 〈リハビリ〉 PT/OT:在宅復帰を目指し,現在のADL能力の維持と日中の覚醒度を少しで も上げるようなかかわりを行います ST:口腔・嚥下機能の維持・向上を目指します 定を図り,栄養状態の維持に努めます 平成 ○ 年 2 月 ○ 日 有効期間

4

生年月日:

大正

○ 日

平成 ○ 年 11 月 ○ 日 ∼

新規 入居年月日:

安心して日々生活していきたい 私の望む 過ごし方 生 活 目 標 排 泄 介 助 排 泄 介 助 起 床 朝食 口腔 ケ ア 昼 食 ト イ レ 案 内 ト イ レ 案 内 お 茶 の 時 間 リ ハ ビ リ 施 設 内 歩 行 訓 練 ︵ 週 5 ︶ 口 腔 ケ ア ト イ レ 案 内 散 歩 お茶 夕食 の 時 間 ア ク テ ィ ビ テ ィ 口 腔 ケ ア ト イ レ 案 内 テ レ ビ 鑑 賞 ト イ レ 案 内 臥 床 入居年月

資料3:生活支援・栄養・リハビリテーション実施計画書(本プラン)

(9)

A B C A B C / A B C A B C 睡眠 ご飯(小さいおにぎり) 普通食(細かく刻む) ヨーグルト 箸・スプーン・エプロ ン使用 水分180ccに対しトロ ミ剤2.5cc 汁(トロミ使用) 朝パン2個 排泄(夜) 具体的な支援内容 環境 居室・ 居場所等 ベッドの高さは1番低くし, ベッドサイドには畳を一枚と衝 撃緩和マットを敷く  自立・介護 状況       尿意がある時は トイレに連れて 行ってほしい 【目標】 トイレでの排泄 食事 摂取量 紙パンツ・パッド 22時(臥床前) 入眠時 (0時,3時,6時) パッド確認 起きておられる時 ソワソワされる時・ ズボンをか触ってい る時はトイレ案内 睡眠薬を服用しているが,夜間 起きておられることがある。十 分な入眠に至っていない いろいろなものを動かされたり,触ったり するため,チェストは離れたところに設置 する ◎ 車いすの介助で行う。現在は覚醒状態があまり良く なく行えていないが,調子を見ながら手引き歩行を 行っていく。シルバーカーを使用し歩行されるが腰 が引け,足が開いてくるため,転倒のないように注 意していく 〈PT・OT〉調子に合わ せて歩行練習を行い,歩 行能力の維持に努める。 介護士と連携し,覚醒状 態のよい時に歩行ができ るようにしていきたいと 考えている 車いす PT,OT,ST,DH,栄養 士が実施する内容・頻度等 (実施上の留意点) 意  向

看護・介護職等が実施する 内容・頻度等 (実施上の留意点) 「現在の評価および目標」における項目に関する記入事項:  A;目標   B;実行状況  C;能力 おいしく食べたい 【目標】 自宅で提供してい る食事形態を維持 する 項目 現在の評価および目標 摂取・嚥下 屋内移動 できることは自分 でしたい 【目標】 立位・歩行の安定 を維持する 使用用具 介護内容等 現在の状況 水分180ccに対しトロミ剤2.5cc 何でも飲まれる トロミをつけて提供する。特に好き嫌いは ないが,1日の水分量が少ないため,1,500cc 飲んでいただけるように援助していく。 ストローでは吸いにくい時には直接コップ から飲んでいただき,一口量に注意し,ム セのないようにしていく 7時起床時,毎食後に声をかけてトイレ案 内を行う。手すりにつかまって立っていた だくが,すぐに座られるため体を支えてパ ンツ・ズボンを下ろす。排泄までに時間が かかるので,ゆっくり座っていただく。そ の他,ズボンを触ったり,そわそわされた りした時はトイレの希望を確認して案内する 〈栄養士〉 摂取量は安定している。 副食とおにぎりをカット することで安全に摂取し ていただく 提供エネルギー:1,400kcal 提供タンパク質:50g ・水分は180ccに対して2.5ccのトロミ対  応を行う ・食事の際は見守りを行い,必要あれば介  助を行う ・食事は刻んで提供する 小さめのおにぎりをさらに4等分し,一口サイ ズの大きさにする。副食は細かく刻んで提供す る。汁は具なしでトロミをつける。食べこぼし があるため,エプロンを使用する。食事に意識 が向かない時は介助で食べていただく。ご自分 で食べられる時は,箸かスプーンを持っていた だき小皿で一皿ずつ食べていただくが,飲み込 むまでに次々と口へ運ばれるため,声をかけな がらゆっくりと食べていただく 〈栄養士〉 嗜好を考慮した水分の提 供に努め,摂取量の安定 を図ります。トロミ剤を 使用し,安全に摂取して いただく cc/日    

800

排泄(昼) 紙パンツ・パッド 7時起床時・毎食 後・訴え時にトイ レ案内 おやつ 現在の食事形態の押しつぶしは,肉 類,繊維質のものなど不十分な場合 もあるので,刻んで提供している。 またかきこみが見られることもある ので,見守りが必要。水分はそのま ま摂取するとムセが見られる。 摂取量 ST:口腔・嚥下機能の維 持のため,①嚥下体操, ②歌唱,③風船バレー などを行っていく

利用者氏名:

何でも飲みます 【目標】 1日1,500cc摂取 を目指す けがのない環境 就寝前にはトイレ案内をしてから休んでい ただく。起きておられる時は,日中と同様 のサイン時にトイレ案内を行う。眠ってお られる時は0時・3時・6時にパッドを確 認し,交換させていただく 夜間目覚めていた らトイレに連れて 行ってもらいたい ゆっくり寝たい 【目標】 夜間睡眠を得る 食 に 関 す る こ と 排 泄 自 立 見 守 り 全 介 助 行 わ ず 一 部 介 助 到 達 時 期 重 点 項 目 3 カ 月 食 事 水 分 昼夜逆転傾向にあり,眠れない時は布団やシーツ を触ったり,ベッドの上でゴソゴソしたりしてい る。また,ベッド柵に足をかけられることもある。 眠れない時はそばで寄り添い,温かい飲み物など 提供してみる。眠くなってから横になっていただ く。眠前薬を20時に飲んでいただき,22時ごろに 横になっていただくが,今後中止を検討する。7時 には起きていただき,生活のリズムを整えて,夜間 の良眠につなげていく

資料3の続き

(10)

 その結果,パッドいじり,放尿は見られな

くなり,紙パンツから布パンツへの移行もで

きた。「おしっこへ行きたい」などと尿意も

訴えられ,トイレでの立位や排泄動作も安定

し,職員1人での介助も行えるようになった。

▷睡眠に対する取り組み

 自宅で使用されていた寝具を施設でも使用

することとした上で,睡眠状態を詳細に記録

した。また,睡眠薬を服用しているが夜間入

眠につながっておらず,日中傾眠状況であっ

たため,医師に確認し中止を検討した。

 その結果,11月は夜間に熟睡できなかった

が,12月になり熟睡できた日が増加した。1

月には睡眠時間が伸び,中途での覚醒が減少

し,朝まで深い眠りが続いた。電気毛布であ

らかじめ布団を温め,使い慣れた寝具を活用

し睡眠環境を整えたことが,寝つきをよくし

深い眠りにつながった。臥床と起床の時間を

統一することで生活リズムが習慣化され,決

まった時間に眠くなる様子が見られた。

BP:

/

身長:○ cm 体重:○ kg 比較体重 ○ kg 視力: 聴力: 症状・訴え等: 【内服薬・外用薬】 【リスク】 点 年 月 日 リスク 低 注 : 本計画書に記載されている情報は,適切な介護サービスを提供するためにのみ使用いたします。 看護・介護職等が実施する 内容・頻度等 (実施上の留意点) 項目  自立・介護 状況 現在の評価および目標 具体的な支援内容 意  向 使用用具 現在の状況 介護内容等 PT,OT,ST,DH,栄養士が 実施する内容・頻度等 (実施上の留意点) 測定日○/○/○ 日常生活に支障なし 低栄養状態 日常生活に支障なし 体重変動率○% 評価日 BMI ○ アルブミン値:○ 現在,腰痛の訴えは見られない 両足のむくみがあるので,デイルームでは畳 で過ごしていただき,足を伸ばしていただく ようにする 活動的な時は車いすを片側だけ動かされ,同 じところをグルグルと回っておられる。物に ぶつかることもあるので,けがのないように 見守りをしていく 現在,1人で立ち上がったり,歩かれたりす ることはないが,そのような時は転倒のない ように見守りを行い,必要に応じて介助をし ていく ベッド上でゴソゴソされる時はベッドからの 転落が考えられるので,落ち着かれるまで職 員のそばで過ごしていただく 睡眠導入剤によりふらつきが見られる可能性 があるので,転倒に注意していく 平成   年   月   日 ご利用者・ご家族サイン リハビリ 歯科衛生士 相談員 本人のやむを得ない事情により,算定要件を満たさなかった場合においても加算の算定はいたします。 平成   年   月   日 認知・コミュ ニケーション 社会性・情緒 役割・生きが い・楽しみの 支援に向けて の取り組み ご利用者・ご家族承認日 ケアマネジャー承認日 〈栄養士〉食事摂取量は安定 されていて,身長に対する体 重も標準内であった。11月の 血液検査では,栄養の指標で あるタンパク(アルブミン) 値がやや低値だったが,基準 内であった。今後も身体状況 に注意しながら経過観察を行 い,栄養状態の維持に努める 腰痛あり。自分からの訴えはな いが伸ばすと痛みあり 測定日○/○/○ ケアマネジャーサイン 〈PT/OT/ST〉 覚醒の向上を目指し,声かけ や風船バレーなど興味のある ことなどを行っていきたいと 思う 日中にしっかりと起きていただけるように, 本人が好きだったことや得意だったこと,う れしかったことのエピソードなど聴き取り, また本人の言葉に耳を傾けコミュニケーショ ンを深めながら関係を築いていく 身体を動かすことを好まれるため,風船バ レーを行うなど覚醒向上に努める 歌番組などのDVD鑑賞をして過ごしていく 栄   養 【目標】 日中の活動を充実 し認知症の行動・ 心理症状を緩和す る 日中の覚醒が悪いことが多く, 夜間に眼が覚めていることが多 い 覚醒状態がよいと話もしっかり とされる。昔のことなどを話さ れ,また,今どうしたいかなど もお話ししてくれる 介護・看護 担当医 身体健康状況 リスクに関す ること 測定日○/○/○ 測定日○/○/○ 健康でけがのない ようにしたい 平成 転倒スケール 自 立 見 守 り 全 介 助 行 わ ず 一 部 介 助 到 達 時 期 重 点 項 目 職 員 天気のよい日には短時間でも外に出て日光を 浴びていただく

資料3の続き

(11)

 12月には,眠前薬を中止しても夜間の睡眠

状態に大きな変動はなかった。電気毛布を使

用すると「あったかくてええな」との発言が

あり,布団の上でぐるぐる回るなどの行動も

なくなった。寝つきがよくなり,21時ごろに

うとうとする様子が見られるようになった。

まとめ

 ここまで述べた取り組みにより,Mさんは

日中の活動量が増え,覚醒時間を延長でき

た。家族も頻回に施設を訪れたため,施設で

の様子を伝えたり家庭での様子をその都度確

認したりし相談できる環境を整えた。その結

果,認識機能や意欲が高まり自力での食事摂

取や車いすの自操につながったと思われる。

家族の情報から,もともと好きであった運動

をかかわりに多く取り入れたことで,集中し

ながら楽しみとしてアクティビティに取り組

めた。さらに,コミュニケーションをとる機

会が増えたことで意思を伝えられるように

なった。そして,尿意の訴えが増えたことに

より,トイレでの排泄が習慣化された。

 眠前薬中止後の状況から,薬が睡眠に効果

をもたらしていたとは考えにくい。よって,

家族や職員のかかわり方に効果があったと言

える。また,認知症の症状の変化については,

空腹の訴えが出てきたことにより,水分や自

宅から持参された好みのおやつなどを提供し

空腹が満たされた。このことが異食行為の改

善につながった。さらに,夜間眠るように

なったことで日中の覚醒時間が増し,物に対

する認識が高まった。それによって,物を壊

したり投げたりする行動が軽減した。

 入居から約3カ月間,在宅復帰に向け生活

リズムを整えてきたが,退居1カ月前に家族の

都合により有料住宅へ退居となった。結果と

して在宅復帰にはつながらなかったが,在宅

復帰に向け介護職員と家族が情報交換しなが

ら周囲がかかわり方を変えたり,環境を整備

したりすることでBPSD症状を緩和できた。

 今回,ケアプランのポイントとして挙げた

支援項目は,主に生活リズムを整え昼夜逆転

を解消することを目的として始めた。しか

し,目的以上の成果が見られたと考える。昼

夜逆転などのBPSDにおける課題の原因や対

応について,日中・夜間と断片的に考えるの

ではなく,生活全体を見直しかかわることで

改善できた。また,このことが幅広くQOL

の向上につながることを再確認することがで

きた。今後も生活全体をとらえていく視点を

持ち,かかわりを重視することで,その人ら

しい生活を支援していきたい。

アプランを作成していきたい。

今後のケアプラン作成の課題

 これまで当法人では,在宅サービス,施設

サービス双方が独立したアセスメントとケア

プラン作成の方法を取り入れてきた。しかし

現在,ケアプラン作成に当たり,根拠あるア

セスメントを目的にインターライ(interRAI)

方式ケアアセスメントの導入を進めている。

これは,在宅サービスと施設サービスの一貫

したアセスメントとケアプランにより,双方

の課題共有と同じ目標に向かって行う効果的

支援を目指すものである。根拠に基づいたケ

アプランを軸に多事業者の専門職者がチーム

となって支えることで,高齢者のより充実し

た暮らしをバックアップできる。当施設は,特

に在宅高齢者の生活の継続に対して,リハビ

リ,ケア力(りょく)の充実を図ることで在宅

支援チームの一翼を担っていきたいと考える。

(12)

【事例】食事・水分摂取が不足し,

介護に拒否のあるNさん

 暴言・暴力・介護拒否などのBPSDのあっ

た人が,食事・水分摂取量の確保,排泄介助

の介入に向けて支援する中でBPSDが改善し

た事例を紹介する。

事例概要

Nさん,80代,女性,要介護2

障害高齢者の日常生活自立度:B1

認知症高齢者の日常生活自立度:Ⅲa

HDS-R:拒否あり測定できず

性格:元来プライドが高い

既往歴:アルツハイマー型認知症,甲状腺

機能低下症

家族環境:夫と2人暮らし。夫が主介護者

であるが,膝が悪い。市内に長女が住んで

おり頻回に通って介護を手伝っている。

入居までの経緯:平成〇〇年6月に認知症

の診断を受ける。デイサービスを利用しな

がら自宅での生活を続けていたが,暴言・

暴力・介護拒否が見られるため,夫の介護

負担が増えていた。このため,レスパイト

目的で平成〇〇年4月に当施設入居となる。

 

 入居前は,デイサービス6回/週,福祉

用具レンタル(電動ベッド,立ち上がり用

手すり)を利用していた。

施設ケアプラン立案

アセスメント(入所前訪問)

 PT・看護師・相談員で自宅に行き,夫と

長女の同席の下アセスメントを行った。

 自宅環境としては,ベッド脇に立ち上がり

用手すりを設置している。また,ベッドから

トイレ・洗面所までは自分で移動している

(片道約3m)が,ベッドで横になっている

時間が多い。また,デイサービスの送迎時,

受診時には玄関から駐車場まで約30mの距離

を介助者が手を引き歩いている。

 自宅での介護状況は,次のとおりであった。

▷食事

 声かけをしないと食べない,食べるまでに

30分程かかり,食べるのにも時間がかかる。

ベッド上でギャッジアップしオーバーテーブ

ルを使用して食べている。デイサービスでも

食事量にムラがある。自宅でもデイサービス

でも,勧めると介護者をたたいたり,手を払

いのけたりして拒否する。アルブミン値は

2.7g/dL。

▷水分

 自宅でもデイサービスでも水分はほとんど

飲まない。勧めても拒否がある。

▷排泄

 声をかけないと行かない。夫が声をかける

と自分で手すりを持ち,トイレまで行き排泄

を行う。毎回のようにパッドが汚れているの

で,夫がパッドの交換を行っている。排便の

失敗時には夫にもトイレに入るなと言う。デ

イサービスではトイレに職員が入ることを拒

否しパッド交換できない。交換しようとする

と暴力がある。

立案のポイント

 アセスメントの結果から次の3点を課題と

とらえ,これらの課題を改善することで夫の

介護負担軽減ができ,自宅復帰につながると

考えてプランを立案した(資料4)。

市内 県外

(13)

平成

感染症

R L

【ご家族にお願いしたいこと】

外出,外泊をお願いします

・食事摂取量と水分摂取量を確保し,生活のリズムを整

 える

・排泄介助の介入ができ,清潔が保たれる

・精神的に落ち着き,暴言・暴力・介護拒否が減るよう

 にする

ゆっくり食べたい

[外用薬]

自分でできることを増やしてほしい

介護拒否や暴言暴力があり,ご主人の介護では手に余る

状態で老健に入居することになった。日常生活動作の維

持と認知症進行予防を希望

【利用者の介護に対する思い・意向】

できることはしていただきます

・胃癌(全摘)

・アルツハイマー型認知症

・胆石症

・総胆管拡張

・甲状腺機能低下症

高次脳機能

その他

(訴え等)

感覚機能

【家族の介護に対する思い・意向】

【食事に対する思い】

ロキソニンテープ⇒肩痛・腰痛時

モーラスパック(30)

ツムラ抑肝散エキス(5.0) 2×朝夕

チラージンS(25)1T  1×朝

発作・興奮時⇒テグレトール細粒(50%)

        1回/1包(屯用)

総合的な生活の方針(その人らしく生活するためのポイント)

KT○℃ SpO

2

=○% P:○(整・不整)

L:○㎜Hg R:○mmHg

[内服薬]

【食事に対する思い】

2

ふ り が な

氏名

要介護度

12

生年月日

評価年月日:

昭和

担当者

主治医

医師

本人住所

入居年月日

平成

12

入居前の居場所

居宅介護支援

事業所

食事を自分で食べてほしい

事業所名

疾患(発症・受傷年月日等)

既往歴疾患,発症

受傷年月日等

(ご本人の状態や生活環境の改善・生きがい楽しみの支援に向けての取り組 み・かかわり方)

【総合的な生活の援助方針】

【ご本人に行っていただくこと】

自宅

TEL

運動機能

拘縮(部位)

皮膚状態・褥創

資料4:生活支援および栄養・リハビリテーション実施計画書(暫定)

(14)

  レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ

レ レ レ

レ レ レ レ レ レ レ レ レ

レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ

・トイレに行こうとしたら,都度

 声をかけパッドが汚れているか

 を確認する

・ズボンの上げ下げは自分ででき

 るが,ふらつくことがあり,見

 守りが必要

・夜間は21時,0時,3時,6

 時に起きていれば,パッド交換

 の声かけをし,本人が行きたい

 時はトイレ案内をする

ベッド柵がありつかま

り可能

両手引き歩行。長距離は

車いすを使用する

トイレ介助に拒否あり, パッド交換ができないこと が多い。紙パンツ+パッド 使用 自宅トイレ使用。失敗もあ り朝夕パッド交換するが, 暴言・暴力・介護拒否があ り,交換できないこともある 【目標】暴言・暴力・介護 拒否なく,介助ができるこ と。これにより,清潔を保 持する トイレ介助に拒否あり,紙 パンツ+パッド使用。 自宅トイレ使用

普通/粥食摂取

偏食があり牛乳・ヨーグ

ルトなどの乳製品は嫌い

小食で小茶碗1杯弱程度

の摂取量

食事開始に時間がかかり

食べることにも時間がか

かる。水分も飲まない

【目標】食事摂取量と水

分摂取量を確保し,生活

のリズムを整える

〈ST〉

食事・水分の評価を行

います。

・お茶と水を好んで飲む。これ以

 外にも好きな飲み物がないか,

 色々と勧めてみる

・食事と水分の摂取量が少ないた

 め,都度声をかけて勧める

・食事に集中できる環境をつくる

屋内移動

立位

〈PT,OT〉

週3回

状態を把握して適時動

作指導等介入していく

・寝返りは自分でする

・ベッド上で動くことはないが,

 トイレは自分で行く(ナース

 コール押さず)

・L字バー使用

・車いすに乗ることに拒否が見ら

 れることあり

・手すりにつかまり歩行する

・長い距離の移動は車いすを使用

 する

状況

暫定生活支援計画

看護・介護職等が実施する

内容・頻度等

(実施上の留意点)

 項 目

つかまり立ち可能

ふらつきあり

〈PT,OT〉

週3回

状態把握して適時動作

指導等介入していく

日中いすに座られ過ご

されていることが多い

つかまり立ち可能

ふらつきあり

手すりにつかまり可能

だが,両手引き

「現在の評価および目標」における項目に関する記入事項:  上段 目標   中段 実行状況  下段 能力

PT,OT,ST,DH,

栄養士が実施する内容・

(実施上の留意点)

屋外移動

寝返り

起き上がり

座位

階段昇降

利用者氏名:    N    様

移乗

立ち上がり

自宅では常時ベッドに

臥床されている

食事

摂食・嚥下

排泄(昼)

排泄(夜)

現在の評価および目標

ムセなし

行 わ ず 全 介 助 見 守 り 自 立 一 部 介 助 到 達 時 期 重 点 項 目

資料4の続き

(15)

  レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ レ

デイサービス利用時,時折入

浴への拒否が見られ,その際

は入浴していない

トイレ時のみ起きてくる。自宅では21∼22時に入眠し,

7時までに起床している

居室→○○○○(○○号室)

ブラシ等を手渡したら

可能。指示が必要

義歯なし

(残歯あり)

口腔ケア・洗面共に指

示誘導が必要。すすぎ

は可能

・できない所は介助する

入浴

デイサービス時(月∼

土)毎回入浴しているが

入浴は嫌い。一般浴(個

浴)で手すりを持ち浴槽

をまたげる。手の届かな

い所は介助が必要

良眠している。

口腔ケア

整容

更衣

居室・居

場所等

[自宅(前施設)部屋の見取り図]

睡眠

 項目

PT,OT,ST,DH,栄

養士が実施する内容・頻

度等(実施上の留意点)

看護・介護職等が実施する内

容・頻度等

(実施上の留意点)

利用者氏名:    N     様

「現在の評価および目標」における項目に関する記入事項:  上段;目標   中段;実行状況  下段;能力

現在の評価および目標

暫定生活支援計画

・臥床時は自分で義歯を取る

 ことがあるので,義歯を取

 り臥床してもらう

・義歯が合っていないようで

 DHが診て必要であれば歯

 科受診を行う

状  況

・夜間パジャマへの更衣は自

 分で行えるが,不十分な所

 は介助する

声かけ指示が必要

自 立 見 守 り 一 部 介 助 全 介 助 行 わ ず 到 達 時 期 重 点 項 目

資料4の続き

(16)

(測定日)

症状・訴えなど

・介護負担軽減を目的に入居。在宅復帰予定。

身長

○cm

体重

日常生活に支障なし

日常生活に支障なし

夫と2人暮らし。長女は市内に在住。

主介護者の夫は膝の疾患があり歩行が

不安定,また難聴がある。本人は寒が

りで平熱は低くKT35.5∼36.0℃くら

い。血圧も低めである。薬を飲むこと

が嫌いであり,現在味噌汁に薬を混ぜ

内服している状況である。以前デイ

サービスご利用時に箸やタオル等備品

を持ち帰られたことがあり,手元に物

を置かないようにされている

自宅ではベッドに寝ておられ食事とト

イレだけに起きられる。朝はご主人が

声かけされて起きられ,洗顔・トイ

レ・食事等声かけ指示をしないとされ

ない。プライドが高く長谷川式スケー

ルも拒否があった。周囲から何かをさ

れると不信感を持つ。

・意思疎通可能

・歌を聴いたり,歌ったりすることが好きなので,一緒に

 歌う

・あまりしつこく声をかけると手で払いのけたりされるこ

 とあり。その際は時間を空けてから声をかける

・ナースコールを押さずに行動する

・都度,声をかけコミュニケーションを図る

%

比較体重

・立位・歩行時にふらつきがあり転倒のリスクがあるので

 注意する

・介助拒否が見られるので,声かけを行い注意して対応する

【栄養】胃を全摘されているため,摂取状況や身体状況の

変化に注意し,安定した摂取量の確保から,栄養状態の維

持・改善を図ります

・行動把握のため足元センサーを設置

・粉薬を吐き出すことがあるため,持参のオブラートを使

 用し内服してもらう

・錠剤が口腔内に残っていることがあるため,内服したの

 かをしっかり確認することが必要

リスク

活動・役割

備考

介護・看護

ケアマネジャーサイン

ご利用者・ご家族サイン

注:本計画書に記載されている情報は,適切な介護サービスを提供するためにのみ使用いたします。

計画書有効期間

平成○年12月○日 ∼   平成   年   月   日

歯科衛生士

栄養士

平成  年  月  日

平成  年  月  日

ケアマネジャー承認日

ご利用者・ご家族承認日

担当医

面談日:

面談場所:

kg

利用者氏名:    N    様

聴力

リハビリ

相談員

体重変動率

項目

アルブミン値

平成○年3月○日

BMI

○kg

身体・健康

状態・リス

クに関する

現在の状況

○○デイサービス,自宅

面談者:

暫定生活支援計画

介助をしてもらうと涙を流されることがあ り感謝なのか情けないと思われてなのか不 明。他者が介助されていても涙され感情が 不安定。

視力

低栄養状態

平成○年4月○日

認 知 ・ コ

ミュニケー

ション・社

会性・家族

対人関係

資料4の続き

(17)

▷食事摂取量と水分摂取量を確保し,生活

のリズムを整えること

 低栄養であり摂取量の確保が必要。また,

時間ばかりがかかり食事に集中できていない

様子なので集中できる環境づくりを図る。

 脱水のリスクが高く摂取量の確保が必要。

お茶と水を好んで飲むので勧めてみる他に好

きな飲み物を探る。

▷排泄介助の介入ができ,清潔が保たれる

こと

 清潔保持のために職員が排泄介助を行える

ことが課題,本人の自尊心を傷つけないよう

な対応が必要。

▷精神的に落ち着き,暴言・暴力・介護拒否

が減ること

 コミュニケーションを図り,関係を築くこ

とが必要。

モニタリングのポイント

(資料5)

▷食事

・食事量は確保できているのか。

・食事に集中できているのか。

・食事に集中できる環境はどのような環境か。

・食事時に暴言・暴力・介護拒否はあったか。

▷水分

・水分量は確保できているのか。

・摂取できたもの(水分内容)は何か。また,

その時の本人の様子はどうだったか。

・水分摂取時に暴言・暴力・介護拒否はあっ

たか。

▷排泄

・介助時に暴言・暴力・介護拒否はあるのか。

・拒否なく介助できる時はどのような声かけ

をしているのか。

▷精神的落ち着き

・食事・水分摂取・排泄介助時に拒否はある

のか。

施設ケアプラン

(資料6)

と

実際の取り組み

▷食事

・食べやすく,食事に集中できるようにワン

プレート,主食はおにぎりで提供する。

・テレビから離れたところにソファーを置

き,食事中はテレビを消す。消す代わりに

隣に職員が座り,話しかける。本人だけの

空間をつくる。

・職員との外食を計画。

▷水分

・お茶ゼリー,補水液のゼリーを提供。ゼ

リーを提供する器にワイングラスを使用

し,それを柄の付いた皿の上に置いてケー

キ屋風に提供する(おいしく見える工夫)。

・本人のペースで少しでも飲んでもらえるよ

うに,ゆっくりと会話をしながら勧めてい

く。

▷排泄

・トイレ案内の声かけに対して拒否があっ

た場合には時間を空けてから再度,声をか

ける。

・「交換をさせていただけますか?」「ありが

とうございます」などのへりくだった言葉

で声をかける。

▷精神的落ち着き

・時間が空く度に職員は隣に座り話かける。

何げないことから話しかけ,会話から好き

なことや嫌いなことなどを引き出していく。

・本人が歌を口ずさんだことから,一緒に歌

を歌うなどのかかわりを計画する。

(18)

記入者: 記入日:平成 ○ 年 4 月 ○ 日 施設内の散歩などを徐々に行っていく 移乗・移動等 ・寝返りは自立にて行えている。起き上がり,立ち上がりは体の痛みの訴えなどがあ  る際は一部介助している ・移動は歩行(手引き)で行っている。居室内ではつたい歩きをしている。4月○日  夜間居室内で転倒しており,居室内の環境を変えている(居室内を歩き回られるこ  とがあるため,つたい歩きのしやすい環境) ・徐々に職員や他利用者との会話も見られるようになっ  てきた。コミュニケーションを図っていく ・本人の負担にならないよう役割を見付けていく 〈ケアマネジャーコメント〉 落ち着いて施設での生活を送ってもらえるよう,また ADL維持,改善に努める 水分量が少ないので,排便の間隔や状態の確認が必要 ・内服を行えるよう声かけなどを工夫する ・自分で行動することが見られるようになっている。転  倒に注意する 夜間良眠しているが,4月○日夜間居室で転倒した 日によってムラはあるが,毎食前後ひだまりデイルームで過ごすことが多い。その他 は居室ベッドで臥床している 介助に対する拒否が少なくなっている。笑顔で話すなど施設での生活に徐々に慣れてきている様子である。転倒に注意 していく 身体・健康状態・ リスクに関する こと 【食事】 ・テレビのスイッチが入っていないと怒る。食事中はテレビに集中し,時間だけがか  かり,摂取量が少なかった(0∼5割) ・他者が話したことを自分の悪口を言っていると思い,他者に暴言を吐くことがあっ  た ・テレビから離れたところにソファーを置き,そこで食事を摂ってもらい,本人だけ  の空間をつくった。また,食事中はテレビを消し,消す代わりに隣に職員が座り,話  しかけた。これにより,食事に集中できるようになり,徐々に食事量が増えてきた。  また,他者に暴言を吐くこともなくなった 【水分】 ・水分摂取量が少ない(150∼400cc/日)が,徐々に水分量は増えている ・イオンサポートゼリーを提供すると,数口介助で食べた後,自力で全量摂取した ・ゼリーは好んで食べる ・アイスクリームの提供を試したが,食べる前に溶けてしまった ・グリーンティーを職員と一緒につくり,「おいしい」と言い全量摂取した。飲み物  を一緒につくると摂取量が増えるのではないか ・果汁ジュースは飲まなかった ・寒天素材でもゼリーをつくったが,ゼラチンでつくったものを「おいしい」と食べた ・栄養ゼリーのココア味を提供したが,食べなかったので,他の味を試してみる ・飲むタイプのゼリーを提供するが,飲まず 新しいニーズ・取り組み ・手の痛みに注意しながら起居動作を介助する ・できることは行ってもらう 【食事】 ・食事形態においても,食べやすく,集中できるような  工夫をする ・食事に集中できるように,本人の空間をつくる。ま  た,テレビの代わりに職員が隣に座り,話しかける 【水分】 ・比較的ゼリーを好むので,提供する。いろいろな味を  提供し,味の好みを把握する。 ・提供する器も変え,見た目からもおいしく見せる工夫  をする ・トイレ案内の声かけに対して拒否があった場合には時  間を空けてから再度,声をかける ・「交換をさせていただけますか?」「ありがとうござ  います」などのへりくだった言葉で声をかける 生活支援計画を実施した事による成果・変化等 ・トイレ案内をしようと声をかけると強く拒否することが多い。その時には時間をお  いて対応すると介助させてもらえることがある ・夜間のパッド交換時に,「お尻をきれいにさせていただきますね」「きれいにさせ  ていただけますか?お願いします」などへりくだった言い方で声をかけると,拒否  なく交換させてもらえた。 ・トイレへの声かけに「お前は誰だ」「いらんことだ」と怒り,殴りかかろうとする  ことがあった 寝返り・起き上が り・座位・立ち上 がり・立位等 自分でするが,時折拒否見られることがある 自分でする。朝タオルを渡すと拭く 自分で行えるが,手の痛みなどがある際は介助する 2回/週いす浴で入浴する。入浴前に拒否があるが,入浴中はない 口腔ケア 排泄(排尿) 4月○日不消化便が多量に出ているが,以後見られていない 睡眠 居室・居場所等 認 知 ・ コ ミ ュ ニ ケーション・社会 性 家族対人関関係   活動・役割等 ・内服時強い拒否が見られる ・4月○日居室内で転倒していた。自分で居室内を歩くため転倒のリスクがある ・入居してしばらくは介助に拒否があったが,徐々に拒否が少なくなってきている ・長女が来苑すると,うれしそうにしている。帰宅願望などは見られていない 〈介護コメント〉 更衣 食事・嚥下 排泄(排便) 整容 入浴 認 知 ・ 社 会 性 ・ 情 緒 身 体 ・ 健 康 ・ 安 全 面 起 居 ・ 日 常 動 作 食 に 関 す る こ と 排 泄 身 だ し な み 睡 眠 環 境

資料5:暫定老健生活支援計画 モニタリング表 

参照

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