歩車分離制御移行後の利用者意識に関する調査分析
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(2) IV-003. 土木学会中部支部研究発表会 (2008.3). 一方,渋滞対策としての評価は交通手段別に異なる結 果となった.図-6 より自動車利用の回答者の 7 割は有用. 交通安全対策:81. でないと評価しており,一方,自転車・徒歩を選択した. 交通渋滞対策:57. 回答者は半数以上が有用と回答している.これは,本交. 63. 11 0%. 差点の運転経験の有無によって回答が分かれたことによ. 10%. 15. 17 20%. 非常に有用. 30%. 17 40%. やや有用. 50%. 60%. 12 70%. あまり有用でない. 21. 80%. 90%. 100%. 有用でない. 図-4 歩車分離制御移行の有用性(交通手段別). るものと考えられる.. 全体(112). 85. 自動車利用(29). 5. 歩車分離制御移行に関する総合的な評価. 20. 自転車(46). 歩車分離制御移行に関する総合的な評価を図-7 に示 す.これより全体の約 4 分の 3 が満足と評価しているこ. 10%. 20%. 非常に有用. 全体(80). 自転車(33). により新たに生じた負荷が影響していると考えられる.. 徒歩(23). 6. 歩車分離制御に対する交通手段別総合評価モデル. 7. 被説明変数として総合評価(満足:5 点,やや満足:4. 徒歩(32). 点,どちらとも言えない:3 点,やや不満:2 点,不満:. 10%. 9. 20%. 30%. やや有用. 21. 9. 8. 5 40%. 50%. 6. 60%. 70%. あまり有用でない. 80%. 90%. 100%. 有用でない. 19. 18. 8 11. 20%. やや満足. 30%. 10 8. 21 10%. 11. 10. 19. 6 40%. 50%. 60%. どちらとも言えない. 説明変数 定数 制御移行後の交通安全:前より良くなった 制御移行後の交通安全:前より悪くなった 本交差点利用頻度:高頻度利用 (毎日/2,3日に1回利用=1,他回答=0) 利用時間: 7時~16時 (7時-10時/10時-16時=1,他回答=0) アンケート実施以前に制御変更既知 (知らなかった=0,他回答=1) 制御移行前:ヒヤリハット経験有り (1,2回程度/3回以上あった=1,他回答=0) 制御移行後:ヒヤリハット経験無し (1度もなかった=1,他回答=0) 交差点改良:歩行者青時間増加賛成 (賛成/どちらかと言えば賛成=1,他回答=0) 年齢:50代-70代 (50代/60代/70代=1,他回答=0) 交通手段:徒歩(日中) (徒歩かつ7時-10時/10時-16時=1,他回答=0) 交通手段:自転車(夜間) (自転車かつ16時-19時/19時-24時/0時-7時=1,他回答=0). 高いことがわかる.歩車分離制御移行により通行権が分. 修正済みR2 F値 有意確率 サンプル数. けられ,青時間中のヒヤリハットが実質起こらなくなっ たことが影響していると考えられる.歩行者青時間の増 加に賛成とすると評価が下がることについては図-1 に. 100%. 5. 70%. 80%. やや不満. 01. 90%. 0 100%. 不満. 表-3 交通手段別総合評価モデルのパラメータ推定結果. これより,交通手段別によって同じ変数でも総合評価. 利用者は制御移行後にヒヤリハット経験がないと評価が. 90%. 図-7 歩車分離制御移行の総合的評価(交通手段別). いて分析を行った.表-3 に交通手段別の分析結果を示す.. ット経験がある利用者ほど高評価であり,さらに自転車. 80%. 7. 30. 満足. 用時間,交通手段,属性,ヒヤリハット経験の有無を用. また,自動車・自転車利用者は制御変更前のヒヤリハ. 70%. 01. 有用でない. 23. 11. 0%. 1 点) ,説明変数として制御移行後の状態,利用頻度,利. ていることが原因だと考えられる.. 60%. 9. 全体(101). 自転車(39). で示した歩車分離制御移行によって交通流に悪影響が出. 50%. 9. 3. 自動車利用(30). 影響を与える要因を交通手段別に明らかにする.今回,. わかる.特に自動車利用者の値は大きいが,これは 4 章. 2 0. 図-6 交通渋滞対策としての有用性(交通手段別). 前章までで交通手段別に利用者評価が異なることが示. では符号が負であり頻度が高いほど低評価であることが. 40%. あまり有用でない. 5. 非常に有用. 頻度が高いほど高評価であるが,自動車・自転車モデル. 2 1 5. 23. 3. 0%. 徒歩モデルにおいてパラメータの符号が正であり,利用. 30%. やや有用. 13. 自動車利用(24). の左折待ち時間が多い」など歩車分離制御になったこと. に与える影響が異なることがわかる.高頻度利用者は,. 9. 図-5 交通安全対策としての有用性(交通手段別). の割合は,自転車・徒歩の回答者よりも低いことがわか. された.そこで本章では重回帰分析を用いて総合評価に. 4 2. 31 0%. とがわかる.しかし,自動車利用の回答者における満足 る.これは, 「隣接する交差点との連動が悪い」 , 「東→西. 34. 徒歩(37). 21 7. 自動車 β t値 10.014 -0.209 -1.330. 自転車 β t値 4.392 0.398 2.357 -0.311 -1.870. 徒歩 β t値 7.516 0.474 2.304 -. -0.368. -2.348. -0.313. -1.720. 0.346. 1.635. -0.162. -1.015. 0.458. 2.854. -0.349. -1.729. -. -. -0.309. -1.939. -0.265. -1.338. 0.481. 3.134. 0.461. 2.356. -. -. -. -. 0.193. 1.166. -. -. -. -. -0.242. -1.449. -. -. -. -. -. -. -0.228. -1.178. -0.024. -0.157. -. -. -. -. -0.189. -1.233. -. -. -. -. 0.427 4.353 0.005 30. 0.387 3.289 0.014 35. 0.235 2.536 0.062 26 ※ β = 標準化係数. 7. 終わりに. 示すように,横断時間が短縮され,横断時間が不足して. 本研究では,歩車分離制御移行後の利用者意識に関す. いることが影響していることが考えられる.また,アン. るアンケート調査結果に基づき歩車分離制御が利用者評. ケート実施以前に歩車分離制御移行を認知していたとす. 価に与える影響について分析を行った.今後はより精度. る変数に対しては自転車・徒歩共に負の値となっている.. の高い総合評価モデルの構築を目指すとともに,歩車分. これは歩車分離に期待していた効果をあまり得ることが. 離制御に対するドライバーの評価,周辺住民の評価につ. できなかったことが影響していると考えられる.. いても検討する. -272-.
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