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本邦二於ケノレチェノレヂュ 一ス氏禿瘡二野テ
殊ニソノ原因的研究補遣
金澤警科大學皮膚科泌尿器科教室(主任長谷川教授)
助手讐學士齋藤弘
1〈jsaku Saito (昭和14年9月16日受附)
作
内 容 抄録
余ハ1例ノチtルヂュース氏禿瘡ガアウヅアン氏小 芽胞菌二野ルモノナルヲ確實ニシ得タリ,コノ原因菌
ニヨル本症ハ本邦二野テ未ダ報告ナキヲ以テ臨淋的並 二菌學的所見ヲ詳述シ,併セテ比較的稀有疾患タル チェルヂュース氏禿瘡二關シ種々ノ統計的観察ヲ行へ
リ。アウヅアソ氏小芽胞菌ノ検出ハ本邦二於テ既二2 例ノ報告アルモ何レモ淺在性白癬ヨリ獲ラレシモノナ
リ.而シテ本刷二野ル総テノ症例が敦レモ本邦ノ比較 的塞キ地方二於テノミ叢見セラレシバ興味アル黙ト
ス,
緒 言 第1章 自家症例
第2章菌學的研究
第1節 培 養 第2節 菌學的要素 第3節 動物移植實験 第4節 小 括 第5節 菌種決定目
次
第3章アウヅアン氏小芽胞菌二因ル白癬 第4章我が教室二於ケル白癬ノ統計 第5章 年齢的關二
二6章 性 別 第7章 季節的關係 第8章 病因論 結 論 文 献
緒
深部白癬i中チェルヂュ e.スr;氏禿瘡ハ泰西二少 ナク我が國二比較的多シトサル・ト難モ省稀有
ノ疾患タルヲ冤レズ.之が病原菌トシテ本邦二 於テハ日本小芽胞一二因り惹起セラル・モノ最:
モ多ク其他動物寄生性白癬菌,特一髪外菌並二 動物寄生性小芽胞菌等二因ルトセラル.抑々白
癬菌病學ハ1843年Gruby氏=依りテ頭部白癬
言
ノ毛髪及表皮中ヨリ病原菌タルアウヅアン氏小 芽胞菌ノ護見セラレテ以來著明ノ護達ヲ來シ,
爾來各國二於テ共ノ業績績出セリ.本邦=於ケ ル白癬ノ研究ハ1900年土肥,旭爾氏東大皮膚科 教室二於テ培養ヲ試ミタルニ始マリ,爾來多数 研究者ノ努力ニョリ次第二全國各地二於ケル白 癬ノ耕究報告相次イヂ出デ白癬菌ノ分布駄態漸
[ 67 ]
ク閾明サレントス.帥チ東京地方ハ土肥及山田
(弘)(1912),高杉(1918),小池及三島(1915),
上林(1918一一一1919),太田(1922),高橋(信)(192 3),長谷川及北村(1930),河崎.( 1 922一 1 923),
中村(1932),藤井(1932),高橋(吉)(1932)ニヨ リ,千葉地方ハ尾形(1929),鈴木(1936)ニヨリ,
伊豆ハ海老原(1933),尾崎(1929)ニヨリ,名古 屋地方ハ楠(1913一一一1914),谷口(1923−1924)ニ ヨリ,i新潟地方ハ竹之内(1925)ニヨリ,金澤地 方ハ高橋(幸)(1929−1931)ニヨリ,仙壼ハ竹谷
(1924−1925)ニヨリ、申國ハ高須及佐藤(1932)
=ヨリ,四丁ハ藤井(1931)ニヨリ,九州ハ駒下 及加藤(1925),森山(1926)日日リ,札幌ハ高橋
(信)(1928)=ヨリ,琉球ハ加藤(1925),上林及
:徳田(1926)ニヨリ,京城ハ高橋(信)(1925),片 岡及宇野(1926)ニヨリ,満洲ハ太田(1921),北
村及寺井(1923)ニヨリ,毫濁冗長谷川及宮原(1 927)ニヨリ,叉南洋諸島ハ高杉(1918)ニヨリ詳 細二調査サレタリ.而シテソソニヨリチェルヂ ュース鴨脚瘡ノ病原菌確定セラレタルモノ89例 ヲ藪フ.其ノ中日本小芽胞菌最:モ多ク,次イデ 茎色菌及ビ星芒歌菌ナリ.而シテ小芽胞菌ハ日 本小芽胞菌が唯一種誰明サレタル=過ギズ.
英,佛國二於ケルチ=ルヂュ 一・ス氏禿瘡ノ原因 門主トシテァウヅアン氏小芽胞菌ナルモ本邦照 門テハ開門テ槍出サレシコトナカリシが余ハ偶
,々此ノ病原菌二二ル1例ヲ得タルヲ以テ鼓二報 告シテ以テ本邦=於ケルチェルヂュース二二瘡 ノ病原二關スル補遺ヲナシ併セテ本邦二於ケル チェルヂュース誌面瘡二面スル統計的観察ヲ行 ハン下ス.
第1章自家症例
患者 金澤市,有〇四〇,11歳,門門.
診断 チ=ルヂュース氏禿瘡,昭和13年11月28日初 診.現症歴=患者ハ数年來遠隔地二族行セシコトナ
シ.約15日前顔面,頭部二廣痒性落屑面,頭部二有痛性 結節ノ生ジタルニ受付キタルが治療ヲ加フルコトナク 放置セリ.洋藍=頭部二散在性二曲豆大ヨリ栂指頭大 ノ境界明瞭ナル赤色結節多数存在セリ.或物ハ硬固ニ シテ塵痛アリ,結節上ノ毛髪ハ三二ナリ.品物ハ既二 化膿シ軟柔ニシテ波動ヲ呈シ,相接セルモノハ癒合シ 毛髪ハ殆ンド脆落セルカ,撮メバ容易二抜去サル.仔 細二橡スルニ病毛ハ或ハ切噺セラレ或ハ切圏1サレズシ テ基部二灰白ノ芽胞鞘ヲ有ス,結節ヲ歴迫スレバ毛嚢 孔ヨリ濃厚ナル黄色膿汁ヲ漏シ激痛ヲ訴フ(Fig。1).
後頭部ニ一別二毛嚢性膿庖,痂皮,落屑並二七毛4ヨ リテ周團ト明瞭口証サル・表面二凹凸アル貨幣大ノ病 竃認メラレタリ.顔面ニチハ右限瞼ノ玉総二貨幣大環
状二排列セル紅色丘疹アリ,中央部ハ淡紅色ヲ呈シ表 面二二糠檬落屑ヲ附着セリ.経過・硬固ノ結節モ早晩 化膿セルラ以テ何レモ切開ヲ加へ1000倍「リヴァノー ル液」漏布ヲ施シ瘡面清潔トナル=及ビ「テール膏」ヲ 塗布シタルニ約2ケ月ノ経過ニテ境界明瞭ナル禿髪面
ヲ残シテ治癒セリ.
安富所見:祓去セル病毛ヲ20%苛性加里液ニテ型ノ 如ク虞置シ鏡検スルニ毛幹周回ニハ直言2−3μノ小 芽胞が石垣朕叉ハ「モザイック」瓶二排列シ所謂芽胞鞘 ヲ形成セリ,試ミニ「デッキ」硝子ヲ膣迫スルニ多数小 芽胞ノ…毛髪表面ヨリ分離スルヲ認メタリ.毛幹内二於 テハ同檬無数ノ野望小芽胞が聯珠状ヲナシ充満スルモ 下部ニチハ菌線垂直二走リ毛髪ハ毛球直上ニテ切断 サレ菌綜ハ此ノ部ニテ所謂アダムソソ氏房ヲ形成セリ
(Fig.2).
第2章菌學的研究
第1節培 養
初代培養一4%「マルト一眠・ペプトン」塞天 試験管内斜面培養基二病毛移植後25。C卿竈内
二配置スルニ3日ニシテ僅力二白色ヲ呈スル牛 米粒大ノ隆起ヲ認ム.10日ニシテ直径約1cmノ
白色ノ釦状菌苔トナリ菌綜ハ基質中ニモ侵入ス
[ 68, )
本邦二於ケルチェルヂュース氏禿瘡二就テ,殊ニソノ原因的研究補遺 359
ル.菌苔ノ表面申央零丁米粒大ノ隆起アリ之ヲ
中心トシテ3−4個ノ放射欣ノ淺キ溝ヲ形成
ス,菌苔全表面ハ雪白色絨毛性=シテ固焼部ノミハ絨毛幾分短シ.菌綜ノ基質中二食ヒ入ルモ ノハ草根歌ナルが培養基表面ヨリハ扁李二隆起
シ邊縁部ヨリハ多数ノ銀白色細長キ菌縣密生
ス.約1ケ月ニシテ菌苔ハ試験管ノ培養基全面 ヲ覆フ=至ル.未ダPleomorph{smusヲ謹明セズ.
第2代培養一4%「マルトーゼ・ペプトン」裡 面培養基二亘大培養ヲ行ヘル=移植後3日ニシ テ米粒大ノ淡黄白色隆起ヲ認メ,10日後酒仙直
径約lcmノ扁平隆起トナリ中央二米粒大ノ釦
形突起ヲ生ズ,菌苔ハ中央ヨリ放射1伏=走ル淺キ溝口依リテ4−5個周匝分サレ淡黄白魚鋤シ
テ表面ハ純白色絨毛ナラズ.14日後菌苔ハL5×1.Ocmトナリ多少増大シ溝ノ激モ6−7個二増
加シ表面ニハ細キ銀白色ノ菌縣多数獲生シテ白 色トナルニ到レリ,邊縁部ニチモ同様斜懸無数 二:放射歌二走ルヲ認メタリ.此ノ頃ヨリ急蓮二 溝ト隆起部トノ差著明トナリ且ツ迂曲シテ鷹廻 轄朕ヲ呈シ始ム,表面ハ全ク雪白ノ絨毛=ヨリ 覆ハレ邊縁部ノ菌綜放射著明ナリ.20日後戸苔 ハ2.0×1.5cmノ不亭ノ隆起部】・其ノ外側ヲ囲ム幅e.5cmノ扁不部トニ分封v扁干部ハ6個ノ
淺キ放射状溝ニテ匝分サル,絨毛ハ中央部短ク シテ切縁部比較職長ク之ヨリ外側二向ツテ力張 ク多激二菌綜ヲ:放射セリ.30日後3.5×3cm,40日後4.5×35Cm,扁卒部愛育シ且ツ放射状溝
藪ヲ増シ,長クシテ且ツ比較的深キ溝8−9個
ト短sシテ淺キ溝藪個生ゼリ.然シ何レノ溝モ 外縁=迄ハ達セズ暁月ハ終始厚クシテ隆起シ而 モ菌鎌深ク基質中二食ヒ込メリ(Fig.3).此ノ時期二至ルモ1)leomorphismusヲ讃明セ
ズ.
馬鈴薯培養基培養.磯育迅速ニシテ最初ヨリ 白色隆起トシテ生ジ,10日ニシテ2.8メ3.Ocmノ 厚キ菌苔ヲ生ジ中央部ハ釦朕二隆起シ邊縁扁平・
ニシテ数個ノ極ク淺キ放射ナ伏溝ヲ作り雪白色絨 毛ハ短シ(:Ffg.4).
第2節菌學的要素
本中ノ菌學的要素ハ比較的眞直或ハ迂曲分枝 セル幣制,「ラケット」歌膨隆,外生芽胞,半生 芽胞,紡錘歌器官及ビ螺旋1伏器官ナリ.
葡萄糖聖天及ビ「マルト・・一・tf」塞天培養基ヲ用 ヒテ懸滴培養ヲ行ヒ撮氏25。C卵麗二静置スル ニ翌日早クモ幅約3μノ比較的隅隅ナル菌綜ヲ 莇生シ,3日目=.ハ迂曲シ且ツ分枝スルヲ認ム.
4日目ニハ分枝及ビ外生芽胞現ハン始ム(:Fig・5 c2),1週前後ニシテ外生芽胞完成セラレ所謂穗
歌芽胞綜ヲ認ム(:Fig.5a1, a2, c1),孕生芽胞モ獲 生ス(Fig.5b1, b2).10日目頃ヨリ外生芽胞並二 孕生芽胞沖融菌綜ヲ出シ(:Fig. 5a3, b3)叉紡:錘状 器官(Fig.5d1, d2, Fig.6),螺旋1伏器官(:Fig・5f,
:Fig.7).ノ獲生ヲ見ルニ至レリ.菌綜一儲メ無 節ナルモ短時日ノ中=隔壁ヲ生ズ,菌懸ノ或物 恥:甚ダ短節ニシテ(:Fig・59)幅員大キク4−51i = 及ブ,隔壁部二於ケル狭窄ナキ故事ヲ有生芽胞
トハ見徹シ難シ.「ラケジト様膨隆」ハ特二黒3 代培養以後ノ比較的古キ培養下多ク見ラレ膨隆 部ハ5μ以上ノ幅ヲ有スルモノアリ(:Fig・5e1,e2,
Fig.8),其ノ膨隆部間ノ距離即チ菌節ノ長サモ 種々ニシテー一定セズ,膨隆部ヨリハ更二枝ヲ出 スモノアリ(:Fig. 5e1)。紡錘欺器官並二螺旋歌器 官モ同様比較的古キ培養ヨリ生ジ紡錘ナ伏器官ハ 大サ種々ニシテ唯賦払末端ノ膨大セルニ語長ザ ル如ク見コ・ルー室性ノ毛ノヨリ(Fig.5d1)3−
6個ノ室二分タレタル45×11 A・細キ紡錘歌ヲナ セルモノ迄見ラレ(Fig.5d2,:Fig.6)表面二突起 様物ハ認メラレズ,多ク門門先端及ビ柄ヲ以テ 菌縣二附着シ直接菌綜側面二在ルモノヲ認メザ リキ.其ノ獲現ハ多カラズ.螺旋1伏器官婦警モ 逞ク生ジ且ツ多数野獣ラレタリ,細キ菌綜ヨリ 成り環歌甲西螺旋歌ヲナス(:Fig.7)。外生芽胞ハ 大サ必ラズシモ一定セズ2−41iノ直径ヲ有シ直 接四界側面=附着ス(:Fig.5CL).孕生芽胞モ亦大 サー定セズ直径5μ以上ノモノアリ介在性ト末 端性ノ雨型ヲ有シ弓形,西洋梨子歌等ノ形態ヲ 呈ス,之ヨリ磯芽ヲ認ム(Fig.5b3).
[ 69 )
Xa,
富
盛
/で晒
、トで♂
ノ1戸
尋3
鰍
Fig. 5
)K,X
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垣〜.
(i2h十司 20vK
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2,
第3節 動物移植實験
實験動物ハ各3頭ノ海瞑及ビ家兎ヲ用ヒ實験 材料ニハ第2代培養ノ菌苔ヲ使用シ清潔ニセル 背面皮膚二型ノ如ク移植セリ.
海狽二於テハ移植後5日ニシテ輕度ノ護赤ト 鱗屑ヲ生ジ,第7日ニハ潮紅,鱗屑形成弧ク毛 髪ハ抜:去シ易ク疎トナル,第11日ニハ毛髪ハ殆
ド脱落シ炎症症歌張キモ此ノ期ヲ頂鮎トシテ次 第二治癒二向ヒ其ノ間毛髪内外二菌綜,芽胞ヲ
認メズ.
家兎二於テハ移植後第7日ニシテ輕度ノ焚赤 ト鱗屑ヲ見,第10日ニシテ鱗屑ノ厚キ堆積ヲ見 ル,第14日ニチハ鱗屑釜々著シク堆積シ皮膚ヲ 撮メバ鞍裂ヲ生ジ毛髪ハ容易二抜去サル,第20
日頃ヨリ毛髪一部脆落シ彊度ノ潮紅面ヲ生ゼシ が毛髪内二菌縣,芽胞ヲ認メズ次第二治癒二面 ヘリ.要之本菌ハ海狸及ビ家兎二樹シ移植不能 ナリトナス.
第4節 小 括
本菌ハ臨鉢的ニハ炎症症歌彊キ禿瘡ヲ獲生セ
シム.初メ毛幹周園二「モザイック」様二排列シ テ芽胞鞘ヲ形成シ後毛幹内二三リテハ先ヅ煉瓦 状排列ヲナシ後下降シテアダムソン氏房ヲ形成 ス,芽胞ノ大サナ2−3μり.「マルトーゼ・ペプ
トン」塞天培養基上二於テハ白色絨毛性ノ厚キ 菌苔ヲ形成シ基質面上二高マリ而モ基質内二食 ヒ入ル,菌苔中心部ハ三廻車專状ヲナシテ隆起シ
之ヨリ7−8個ノ放射溝ヲ出セリ.馬鈴薯上二
於テモ略同様ノ厚キ短絨毛性菌苔ヲ形成シ護:育 一層迅速ナリ.菌學的ニハ紡錘駿芽胞,菌綜ノ「ラケット」欣膨隆,螺旋1伏器官,孕生芽胞,外 生芽胞ヲ形成ス.動物移植ハ成功セズ.
第5節 菌 種:決 定
本菌ハサブn 一一氏ノ分類法二從ヘバ人聞寄生 性小芽胞菌二入ル可クOta Und LaDgeron爾氏 分類法二從ヘバSabouroidites二屡ス可シ.鑑別
ヲ要スル菌種二就テ考フルニMic. umbonatum ハ培養日数ヲ相當経過シ古クナリテ初メテ放射 歌溝ヲ形成スル黙及ビ紡錘1伏芽胞ヲ全然敏如ス ル職二於テ本菌1・相違ス.
[ 70 ]
本邦二於ケルチェルヂュース民禿瘡二就テ,殊ニソノ原因的研究補遺 361
Mic. tardumハMic. Audouiniノ倭小型トモ
見徹ス可キモノnシテ培養3ケ月ニシテMic.
Audouiniノ軽罰ノ大サニ過ギズ.
Mic. depauperatumハ放射1択隆起ノ形成ナシ.
Mic. pertenueハKlehmet氏二依レバ放射歌
隆起ノ形成ナシ阿但シ次代培養ニハ認メラレ
タリト.
Mic. velveticum二:就キテハSabouraud氏自 ラMic. Audouini/Pleomorphe:Formタルノ 疑ヲ有ス.
故二回目ノ諸菌ハ容易二四外スルヲ得最後
二本菌ト鑑別ヲ要スル菌ハM{c.Audouiniニシ テ後者ニハ典型的櫛歌器官ヲ認ムレド本命二認 メザリシ黙ノミ相違スルモ其他二於テハ全ク合 致ス。櫛朕器官ハ之ヲ生ズベキ他ノ満目於テモ 培養條件二支配セラレ往々稜現ヲ見ザルコトァ ルモノニシテ菌種決定上左程重要覗スルヲ要セ ズトセラル.故ヲ以テ余秘本菌ヲァウヅァン氏 小芽胞菌(Microsporon Audouini, Sabouroidites audouini nach Ota und Langeron)ナリト:決定
シテ差支ナシト信ズ.
第3 アウヅアン氏菌二因ル白癬
本菌ハ佛國,英國二於テ白癬ノ主要病原菌ヲ ナシ,Bloch氏ハ巴里二於テ全白癬中60%二於
テ,叉White氏ハ英國曽於テ80−90%二黒テ
}澄明セリト.Pergnani氏二依レバ西班芽及ビ白 義二於テモ略同率ナリト.猫逸二於テ学外菌ノ 流行ハ稀Fシテ伊太利二於テハ更二少ナシト.
本邦=於テハ本菌ノ從來讃明サレタルモノ2例 ニシテ余ノ例ヲ加ヘテ3例=過分ズ.前歯:野山
何レモ頭部淺在性白癬ヨリ獲ラレシモノニシテ EPチ1924年竹谷氏(仙毫).1934年中村,高月氏
(樺太)ノ培養セシモノ之ナリ.深在性白癬ヨリ 獲ラレシバ未ダ其ノ報告ナク本例ヲ以テ嗜矢ト ナス.而シテ余ノ例ハ金澤地方二於テ獲iタルモ ノ=シテ3例共本邦ノ比較的築地二於テ培養サ レシバ注目スベキ黙ナリ.
第4章我が教室昌於ケル白癬ノ統計
昭和3年1月1日ヨリ昭和13年12月末日二至
ル最:近11年間ノ我が教室皮膚科新來患者数ハ24 457名=シテ白癬患者数ハ1007名(4.12%)ナリ.此ノ統計ハ嚢i二高橋(幸)氏ノ行ヘル大正2年ヨ リ昭和2年迄ノ15年pm :於ケル我が明室ノ統計 3.78%二比シ増率ヲ示シ,九州帝大皮膚科教室 ノ明治39年ヨリ大正4年迄10年聞ノ3.8%,北 大皮膚科教室高橋(信)氏ノ大正14年3月ヨリ昭 和2年8月迄ノ統計3.57%二比シ高率ニシテ,
叉東京帝大皮膚科二月ケル峰,折茂氏ノ明治32 年ヨリ同42年迄11年間ノ4.38%,慶大皮膚科中
村氏ノ大正10年ヨリ昭和5年迄ノ10ケ年間ノ
5・45%,千葉讐大皮膚科教室尾形氏ノ大正15年12月ヨリ昭和4年3月迄ノ6.5%,日本馨大皮
膚科高須氏ノ昭和7年1月ヨリ同8年8月迄ノ
7.2% =比シテ低率ナリ.我が教室二於ケル叙 上期聞中ノ白癬患者中頭部白癬ハ168名=シテ 白癬患者総数ノ16.68%ヲ占メ其ノ中チェルヂ ュース氏禿瘡:ハ13名川シテ頭部白癬二封シ7.7%ノ御母率ヲ示セリ.之ヲ白癬患者絡四二比ス レバ1.29%トナリ(第1表)高橋(幸)氏ノ報告セ ル0.675%ヨリ遙二増加シ,高須氏ノ昭和7年
1月ヨリ同8年8月迄=至ル日本尊大皮膚科教 室ノ1.5%,難壁寺井氏ノ昭和8年2月ヨリ同
9年3月迄ノ統計1.3%ト近似ス.要:之チェル ヂュ{ス氏禿瘡ハ比較的稀二散在性二見ラル・疾患タリトス.
[ 71 ]
第1表 我が教室二於ケル白癬患者統計表(自昭和3年至昭和13年)
昭和 R年
昭和
S年
昭和 T年
昭和 U年
昭和 V年
昭和
W年
昭和
X年 昭和 P0年
昭和 P1年
昭和 P2年
昭和 P3年 計
白癬誌
ハ旧態スル百
ェ率
男頭部表在性白癬 女 11 11 11 雪 皇 塗 2§ 11 11 11 11 111 14・3%
チ・ルヂュース男 4 3 4 0 1 0 0 0 0 0 1 ユ2
氏禿瘡 女 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1.2%
縦斑状高言婁
§ 宝 岩 { 量 § 茎 箋 § 11 ζ ll 8・0%碗舶癬婁
}1 19 11 11 18 § 15V 2§ 鷺 % ll lll 27・1%下肥癬婁
圭 ♀8
る 乙8 8
占8 9 8
§ 0.6%男淑疹朕白癬 女 釜 ll 釜1 21 11 19
T
1暑 1暑 11 1§ ll 259
X9 33・1%
男爪甲白癬 女 垂
9 8 8
含 呈 葦8
書 § & ll 5.6%表在性白癬 男 i顔面白癬) 女
窪 窪 差 窪 彗 皇 窪 11 § 室 宝 髪 7・5%
白 王春
茸3 6
岩6 8
§ 迭 巷8 8
11 2.6%白癬総数・2587848・8569・・61・・4・・5・4・97・・83
皮膚科新來患者数 2672 1 240s 1 2431 1 21gg 1 2033 1 2030 1 21gs 1 21ss 1 20s3 1 2110 1 213s 1244s7
患響避際467%&卿45%136%4・・8%3・・%4・8%1 4・7%
5.10/o16.680/ol 4.50/014.40/o第5章年齢的關係
本症ハ主トシテ幼年者ヲ侵ス疾患ニシテ本邦 二於テハ概シテ2歳ヨリ15歳迄二多ク新生見並
二成二二稀ナリ,殊二6−10歳ノモノニ多ク
41.996ヲ占メ11−15歳ノモノニ27.3%見ラレタリ,帥チ6一一15:歳ノ患者ガ69.2%ノ大多数ヲ占 ム(第2表).成人二於ケルチェルヂュ e一ス氏禿
瘡ハ外人ノ報告ニチハ幼年一二於ケルト同様
ノ病母ヲ呈ストナス(Sabouraud,1)laut,:Fox,
Bette]i, Lewandowsky, Arzt, Lehmann,Bargum,
Sternthal),本邦=於テハ峰,折茂氏,小池,
三島氏,河崎氏,高橋(幸)氏並二上ニヨリ齪.察 セラレタリ(第2表).而シテ其ノ所見ハ外人ノ 報告ノ如シ.Mac.:Leod氏ハ小芽胞菌症ヲ有ス ル小見ヨリ感染セル母親ノチェルヂュース氏禿 瘡ヲ認メタリト.本邦二士ケル30歳以上ノ人ノ 本症ハ河崎氏及ビ高橋(幸)氏ノ各1例アルノミ ニシテ河崎氏ハ72歳ノ老姉ノ顧頂部二孫ヨリ傳 染セリト云フ定型的チェルヂュ ・一ス氏禿瘡ヲ認
メ且ツ其ノ病原菌トシテ日本小芽胞菌ヲ培養シ
得タリ.
第6章 性
我が教室二於ケル昭和3年1月置リ昭和13年
12月迄ノ最近11年間二於ケル全白癬患者ノ男女 性別比ハ男780:女303=2.5:1ニシテ高橋(幸)氏ノ大正2年ヨリ昭和2年迄ノ12年陶二於ケル
別
統計男1139:女193 = 6=1二比シ著シク女性患者 ノ増力1ヲ示シ慶大二村氏ノ:男1991:女925=2:1
(大正10年ヨリ昭和5年迄)ト略一致ス.頭部白 癬二就キテハ男147=女21=7:1ニシテ高橋(幸)
[ 72 ・]
本邦二於ケルチェルヂュース氏禿瘡二就テ,殊ニソノ原因的研究補逡 363
氏ノ男407:女51 == 8:1ト;著シキ差異ナク男性患 者ノ優位ヲ知ル.更ニチニルヂュース氏禿瘡二 於テハ余ノ例ニチハ13例中女性1例ニシテ高橋
(幸)氏ハ20例中1例,東大折茂,峰氏ハ11例中
1例ノ女性患者ヲ有セリ.余ハ本邦二於ケル
チェルヂュPtス氏禿瘡ノ文部的統計ヨリ現在迄 二男112:女5=22・4:1ナル男女性別比ヲ得タリ EPチ本症ハ女性ヲ侵スコト稀ニシテ主トシテ男 性二見ラル・疾患ナリ(第2表).
第2:表 チ.Tルヂゴース氏禿瘡ノ年齢並=性別統計 (括弧内ハ女子ノ数)
1−12月 2−5歳 6−10歳 11−15歳 16−20歳 21−25歳 26−30歳 31−35歳 36−40歳 41歳以上
峰, 折茂 1 4 2 2 1(1)
小池,三島 7
河 崎 4 (1)
上 林 1
長 谷 川 1 2
小 池 1 1 1
太 田 3
高 橋信
1(不明) 2
1(不明)
竹 谷 1
竹 之 内 1 2 3
加 藤 6 8
高橋 幸
3 7 5 4 (1)中 村 1 3(1) 1
高 須 1 2 1
藤 井 1 2
森 山 2
田 代 1
尾 形 1 1
海 老 原 2 3
鈴 木 1
寺 井 1
禧 田 1
.齋 藤 4 4(1) 3 1
計 16 49 32
8i
8 2 1 1百 分 率 13.7% 41・9% 27.3%ず
68%i
6.8% 1・7% 0・9% 0・9%第7章季節的關係
本邦=於ケル白癬研究ハ赤門各地ノ學者ニョ リ分憺的二行ハレ,從ツテ其ノ三鷹期間モー定 季節二限ラレタルモノ勘ナカラズ,自ロチ研索季 節ノ不燃等タルヲ冤レズ.本邦二於ケル報告例 ヲ初軍側乃至初診時別=分類スレバ第3表ノ如 ク禿瘡出現率ハ季節的差異ヲ殆ンド認メズ,サ
レド北陸地方二於ケル余ノ例二於テハ13例中8 例ヲ12月ヨリ3月迄ノ冬期二見ル.竹之内氏モ 薪潟地方二於ケル白癬研究二於テ同様チェルヂ ュ. 一ス氏禿瘡ノ冬期二多キヲ認メタリ.之レ恐 ラク北陸地方ノ如キ冬期嚴塞ノ地=在りテハ頭 髪ノ手入レ兎角怠リ勝ナルニ由ルナランカ.
[ 73 ]
第3表 チェルヂa一ス氏禿瘡ノ月別統計(初診或ハ初朝時)
\
1 II 1旺 IvV
VI V工【 VI【【 【XX
XI XI【現在迄ノ統計
2 4 3 5 3 7・ 3 7 6 17 4 4
齋 藤 2 1 2 0 1 1 0 2 0 0 3
第8章 病
チェルヂュース一能瘡一局林上之ヲ2種類二 分類スルコトヲ得.一ツハ張キ炎:症ニヨリ毛嚢 性化膿二陥入ル急性型=シテ他ハ非炎症1生印チ 頭部表在性白癬ヨリニ次的=毛嚢乃至毛嚢開園 ノ浸潤,化膿ヲ惹起スル慢性型ナリ.其ノ病因 ヲ爲ス菌種ハ急性型二院テハ主トシテ動物寄生 罫引二石膏四脚ノ如キ野外菌及ビ動物寄生ノ小 芽胞菌=シテ,慢性型=在りテ岬町地縛粘菌,
衣嚢歌菌,薔薇色菌ノ如キ髪内外菌,並二四外 菌ナリトスルモ髪内菌及ビ寡聞寄生性小芽胞菌 ノ本症ヲ惹起セシ雪叩ル報告モアリ.泰西二於 テ厘々報告サル・菌種ハ
髪外菌:Trichophyton Gypseum Asteroides 最モ多ク其他ハ少数ニシテTr. Gypseum lact一一 icolor (Passini, Lewandowsky), Tr. Gypseum granulosum (Plaut, Solttnann, Br.ault und Vig−
ier), Tr. Gypseum farinulentum (Sabouraud),
Tr. Gypseum persicolor (Keller>, Tr. niveum
(Engelhardt, C. Fox), rr. equinum (Neuber,
Tornabuoni), Tr. faviforme (Dalla Favera,
Lombardo, Keller), Tr. rosaceum (Keller).
髪内外菌:「rr. cerebriforme(Neuber, Mart−
inbtti, Soltmann, Keller u. a.), Tr. plicatile
(Pasini u. Botteli).
髪内菌:Tr・crateriforme(Neuber,:Ballagi,
Keller), Tr. acuminatum (Dalla Favera, Ca−
ppelli, Pecori), Tr. violaceum (Sabouraud,
Vicolan, C. Fox, Lombardo u. a.), Tr. fum−
atum (Pecori, Gavazzeni), Tr. umbilicatum
(Fiocco) .
小芽胞菌ニチハMic.】anosum, Mic. felineum 等動物寄生性小芽胞菌ノ他二Mic・Audouiniア
因
論
リ.禿瘡二於ケルMic. Aud.ノ護暗黙Adamson
共学ノ英誉者二神ルモノニシテAdamson今戸
170例ノ頭部白癬ヨリ10例ノMic. Aud.=因ル チェルヂュース氏禿瘡ヲ報告セリ.次イデGiven,Bunch, C. Fox und Blaxall, Malcolm, Morris,
Mewborn, Salomon, de Vejl氏等角,猫及ビ丁
抹ノ學者ノ報告アリ.Sabouraud氏ハ彼ノ豊富
ナル症例中=於テモ未ダMic. Aud・二因ルチェ ルヂュース氏禿瘡ヲ見ザリシ爲メ,小芽胞菌二 因ル表在性白癬ノ炎症症紫電キ爲メノ誤認力,
Mic. lan・sum或ハMic. felineum等ノ動物寄
生賢聖芽胞菌ナルベシト云ヘリ.サレド其後
:Lewandowsky, Plaut氏等ノ症例追加アリ,叉
:Low, Fox氏等英,猫學者ノ認ムル所トナリ三 二Raeli, Tnlf6, Halkin, Lapiere, Caruso氏等
ハ動物寄生性小判悪獣ヨリハ寧ロ人間寄生ノ
Mic. Aud.二因ル本症ノ多数ナルヲ認定セリ.本邦二四ケル本症ノ病原菌種トシテハ1915年小
池,三島氏耳孔テ3例ノ禿瘡患者ヨリ石膏関町
ヲ誰明セリ、其:後1921年太田氏一期天物於ケル 白癬研究ノ際星芒歌菌3例,1922年上林氏東京 地方二黒テ顯粒歌菌1例,1923年河崎開平ジク東京地方二於テ放射歌菌1例,1925年加藤氏琉 球二於テ禿滑菌4例,篁色菌2例,1926年竹之
内氏i新潟地方二於テ狸紅色菌1例,1928年高橋(信)氏札幌地方一白テ穀粉白白1例,1931年高 橋(幸)氏北陸地方=於テ二二色上1例,1931年 申村民東京地方二一テ黄褐色菌(類似菌)1例,
1936年鈴木氏三浦牛島=於テ石膏歌黄癬菌1例
ヲ三明セリ.3(.1923年河崎氏ハ東京地方二於テ チェルヂュ・一ス氏禿瘡ヨリ日本小芽胞菌3例報 告セリ.爾來症例追加年ト共=加バリ病原菌ノ[ 74 )
本邦二於ケルチェルヂュース氏禿瘡二就テ,殊ニソノ原因的研究補逡 ,365
第4表 チェルヂュース氏禿野原因縁統計表
報告者 報告年
菌
@種
、究地
星芒朕菌 放射朕菌 穎粒状菌 殻粉様菌 嚥脂唐門一 狸紅色菌 三色菌 摘心菌
難
石黄p癬 菌
日話
{胞 ャ菌
オ氏
P訟ツ牙ア胞ソ菌
計一
小池,三島 1915 軍隊(東京)一石脅 一様菌一3
一 一 一 一 一 一 一 一
一 一R太 田 1921 奉 天 3 3
上 林 ig22 東 京 1 1
河 崎 1923 東 京 1 1 3 5
竹 谷 1924 仙 毫 1 1
高橋信
1925 京 城 2 2加 藤 1925 琉 球 ・2 4 4 10
加 藤 1925 九 州 1 3 4
田 代 1926 岡 山 1 1.
竹之内
1926 新 潟 3 1 2 6長谷川
1927 毫 灘 2 1 3小 池 1927 岡 山 1 1
森 山 1927 長 崎 1 1
高橋信
1928 札 幌 1 1 2尾噂
@形
1929 千 葉 2 1 1 1 5高 須 1930 東 京 1 1
申 村 1931 東 京 3 1 1 1 6
藤 井 1931 四 國 2 1 8 11
高橋幸
1931 北 陸 2 1 1 2 5 11高橋吉
1932 東 京 1 1 2海老原
1932 律豆七島 1 2 3高 須 1932 中 國 1 1
佐 藤, 1932 中 國 1 1
高 須 1933 東 京 2 2
冠詞,北村 1934 満 洲 1 1
鈴 木 1936 三浦牛島 1 1
幅 田 1937 長 崎 1
一
1
2計 18 6
一 } 『
2 1十3 3一
3一
13 4 1 1 34 89Po/o (30 ==33.70/,) (25==28.10/o) (34一=38.2)
齋 藤 1939 計
北 陸
isl 6
2 1十3
T 3113 T T T 冨
11i. 1
90
確i定セルモノ既述ノ如ク今や89ヲ藪フ.其ノ中 日本小芽胞菌〉、38.2%ヲ占メ最:モ優位ニシテ髪 外菌33.7%(此ノ中土牛数目星芒散菌ナリ),髪
内菌28.1%ヲ占メ,其ノ中過牛数ハ董色菌ナ リ.髪上菌ノ多キハ臨休上慢性型ノ多藪ナルヲ 物語ルモノナラン(第4表参照).北陸地方二於 ケル白癬研究ハ高橋(幸)氏ニヨリ初メテ行ハレ
同氏ハ11例ノチェルヂュ e一ス氏禿瘡ヨリ日本小
芽胞菌5例,董色菌2例,三寸色菌1例,星芒 歌菌2例,放射欣菌1例ヲ誰明セリ.而シテ未
ダアウヅアン氏 菌ノ謎明サレタルコトナカリシ が余ハ今回アウヅアン氏小芽胞菌二因ル禿瘡ヲ繧験セシヲ以テ之が原因的補遺ヲ行フモノナ
リ.
[ 75 )
結 論
1)余ハ北陸地方=於ケルチェルヂュース氏 禿瘡ワ1例ガアウヅアン氏小芽胞菌二因ルモノ ナルコトヲ確實ニセリ.依テ余ハ日本二於ケル チzルヂュース氏禿瘡ノ病原トシテ未ダ知ラレ ザルアウヅアン氏小芽胞菌ヲ其ノ病原トシテ追 加スルモノナリ.
2)本邦二於ケル病原菌確定セルモノ余ノ例 ヲ加ヘテ90ニシテ日本小芽胞菌最:モ多ク次ギハ 回外菌,髪内菌ノ順ナリ,髪内菌ノ比較的多キ ハ慢性型ノ多キヲ示スモノナラン.
3)本邦二於ケルチェルヂ=一ス氏禿瘡ハ男 性が大部分ヲ占メタリ・
4)年齢的ニハ6歳ヨリ10歳迄が最モ多ク11
歳ヨリ15歳迄,2:歳ヨリ5:歳迄が之二次ギ新生 兇並二20歳以上ノ成人=ハ極メテ稀ナリ.5)本症ハ北陸地方=於テハ冬期n多キモ我
が國全艦トシテハ季節的:影響認メラレズ.欄筆二當リ御懇篤ナル御三遵ト御校閲ノ螢ヲ賜 りタル長谷川教授二深謝ス.
主 要 文 獄
1) Bruhns u. Alexander, Al}gemeine Mykolo−
gie, Handbuch der Haut−u. Geschlechtskranl〈hei ten, Bd. 11, 1928. 2) Norman, F. Conant,
Arch. of dermatol. a. Syphilol. Vol, 33, 1936.
3) Norman, F. Conant, Arch. of dermatol. a,
Syphilol. Vol. 36, 1937. 4) Lewandowsky,
Arch. f. Dermat. u. Syph. Bd. 121. 5) Bruhns
u. Alexander) Grundriss der mykologischen Diagnostik 1932. 6) Carrol William Dodge, Medical mycology 1935・ 7)太田 正雄,皮尿誌,第21巻,第26−28巻. 8)峰 正憲,折茂鼎三L皮尿誌, 第10巻. 9)竹之内 辰四郎,北越署會誌,第41巻. 10)竹谷實,東 北署學.M:N. 11)森山儀六,長崎署會誌,第 4巻,第5巻. 12)小池,三島,皮二巴,第15 巻. 13)「長谷川宗憲,皮尿誌,第27巻. 14)
上林豊明,皮尿誌,第2ユ巻,第23巻. 15)加藤 暴,皮尿毒,第26巻. 16)河崎可也,皮尿誌,
第23巷、 17)小池藤太郡,皮尿誌,第27巻・
18)尾形貞雄,皮尿誌,第29巻. 19)田代登,
皮尿誌,第26雀。 20)高橋信吉,皮芋苗,第25 巻,第28巻. 21)高橋牽三,十全醤転輪,第34 巻,第36巻. 22)同人,皮尿誌,第28巻.23)
下鞍令三,日豊大町,第3巻,第S巻 24)
同人,皮尿誌.第30巷. 25)高僑吉定,皮尿誌,
第32巻. 26)海老原正順,皮尿誌,第36巻 27)同人,軍署團誌,第243巻.28)中村敏朗,
高月晋,皮尿誌,第35巻.,29)申村敏朗,慶懸 署會誌,第12毬. 30)藤井満=郎,皮尿誌,第 31巻. 31)鈴木三郎,皮尿誌,第40巻. 32)
佐藤喬,皮尿誌,第32巻. 33)幅田千代太,皮
尿誌, 第44瑳妻.
t 76 1
齋藤論文附岡
〈1)Fig. 1
劉拷%踊躍7響耀響羅多欝るジ第 /で ・7ワ鶏笏:搾2乞輿
:Fig,3 巨大培養(培養後30日) :Fi9.4 馬鈴薯培養(培養後301ヨ)
Flg 2鱗毛中ノAdamson sdhe Qiiagte
。無識
・卵
疑灘、鞍艶郵
F量9 6 紡錘凧:器官
f
ズ ぜ夢ゼ・ 新
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サ、 ノ 彦
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F19.7 螺旋ナ置人器官
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鰭η・∵/図/一ゲ嫉熟.
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Fi9.8 菌糸糸ラケット光朋彰大