相模原地域における河川景観の特徴に関する調査研究
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(2) Ⅳ− 13. 第39回土木学会関東支部技術研究発表会. 果、河川が 39%、山並み 33%であった(図 2(a)) 。河 川が主対象として捉えていた場合、眺め方向は堤防上 から撮影したこともあるが対岸景がほとんどであった (写真 1(a)) 。山並みを主対象としている場合は、遠方 ではあるが丹沢山系の大山を捉えていた(写真 1(b)) 。 被験者が「好きな風景」として選んだ理由を集約した. (a)相模川 図2. (b)道保川 (c)八瀬川 被験者撮影による主対象. ところ、 「川の流れ」をはじめ川の情景についての回答 が多かった。その他、散歩等で馴染んでいる風景とい う理由も見られた。 (2)道保川の河川景観 道保川景観の主対象は、河川が 38%、樹木等が 25%、 庭園風景が 20%であった(図 2(b)) 。道保川の場合、住 宅街の中に河川があり山並みなどの遠景はないので、. (a)主対象が河川 写真1. 流水周辺の樹木を主対象としている場合が多い(写真. (b)主対象が山並み. 被験者撮影による相模川景観の例. 2(a))。また、川辺の庭園風景の植栽も主対象として選 んでいる場合も見受けられる(写真 2(b)) 。被験者の「好 きな風景」の理由は、落ち着き、リラックスのできる 空間についてが多かった。その他、庭園風景に関する 理由も見られ、それを含めた全体の風景、景色といっ た理由も挙げられた。. (a)主対象が樹木 写真2. (3)八瀬川の河川景観. (b)主対象が庭園風景. 被験者撮影による道保川景観の例. 八瀬川景観より抽出された主対象は、河川が 56%、 橋が 29%、植物が 15%であった(図 2(c))。河川が主 対象の場合、相模川に比べ河川の規模が小さく橋の上 から撮影されたこともあり、流軸景が多かった(写真 3(a))。一方、橋が主対象である場合、橋の外観よりも 散歩等で馴染みのある景観として捉えている様子が伺. (a)主対象が河川. える(写真 3(b))。 「好きな風景」として選んだ理由は. 写真3. 散歩等での利用が多く、景色の美観よりも見慣れて馴. 相模原地域の 3 つの河川を対象として、景観把握モ デルと写真投影法を用いて河川景観の特徴を表した。 相模川の場合、河川空間や遠景の山並みなどを景観と して意識しているが、市街地を流れる道保川や八瀬川 での調査では、美観、景色よりも見慣れて馴染のある. 被験者撮影による八瀬川景観の例. 表2 「好きな風景」として選んだ主な理由. 染のある風景であることが推察される。 4.おわりに. (b)主対象が橋. 相模川 ・川の流れ. 道保川. 八瀬川. 6 人 ・落着き/静か/リラックス 15 人 ・散歩等に利用. 11 人. ・その他川について 14 人 ・全体風景. 7 人 ・落着き/静か/リラックス 6 人. ・山に関して. 4 人 ・川の流れ. 6人. 6 人 ・その他川について. 5人. 5 人 ・橋に関して. 5人. 12 人 ・樹木に関して. ・散歩等に利用. 8 人 ・散歩等に利用. ・落着き/静か/リラックス 7 人 ・庭園風景 ・緑がある. 5 人 など ・川について. 8 人 など ・草花に関して 5 人 など. 計画学会都市計画論文集,139,2005. 3) 白井律子:視点場の利用実態と利用者側からみた. 風景を景観として捉えていることが示唆された。. 河川景観の特徴・豊川における河川景観整備に関す. 【参考文献】 1) 国土交通省:河川景観ガイドライン,河川景観の形. る研究,豊橋技術科学大学建設工学部,日本建築学会. 成と保全の考え方,2006. 2) 菅原崇史・三宅諭:盛岡市中心市街地を流れる中 津川の景観特徴,岩手大学農学部共生環境課程,日本. 大会学術講演梗概集,7152,2003. 4) 篠原修:新体系土木工学,景観の工学的把握,土木 学会編,pp27-39,1993. 5) 野田正明:漂白される子供たち,情報センター出版 局,1988..
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