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26 ヒ素 As ヒ素化合物 ( 補足 ) ヒ素化合物の生理活性は, 酵素タンパク中のシステインなどの SH 基と相互作用して酵素を失活させ, 細胞の代謝を妨げることによる. ヒ素の解毒 ( 補足 ) ヒ素中毒に対しては, ジメルカプロールのような二座の SH ドナーをもつキレート剤が有効である.

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(1)

無機化学補助プリント

リン P

(2)

ヒ素 As

ヒ素化合物 (補足)

ヒ素化合物の生理活性は,酵素タンパク中のシステインなどの SH 基と相互作用して酵素

を失活させ,細胞の代謝を妨げることによる.

ヒ素の解毒

(補足) ヒ素中毒に対しては,ジメルカプロールのような二座の SH ドナーをもつキレート剤が有効である.配位 子交換が起こり,酵素はもとの形に戻る.

(3)

無機化学補助プリント • トファナ水(化粧水としてAs2O3を含有) 16世紀 • 1%亜ヒ酸を主成分:Fowler’s solution (喘息・皮膚疾 患) 18世紀 • サルバルサン(梅毒治療薬)→ペニシリン 1910年 • ルイサイト(びらん性毒ガス)→ジメルカプロール 1918年 • ヒ素ミルク事件:粉ミルクの安定剤として添加していた第二リン酸ナトリ ウム(Na2HPO4)にヒ素が混入(131名死亡,約1万3千人発症) 1955年 • 和歌山カレー事件(As2O3):(4名死亡,63名発症) 1998年 • トリセノックス( As2O3,急性前骨髄球性白血病) 承認 2004年 びらん性毒ガスの一種 常温では褐色~紫色(純品は無色)の液体 曝露すると,まず,びらん剤として作用し,続いて, 呼吸器系への刺激作用,さらに全身のヒ素中毒を起こす. マスタードガス

サルバルサン

(補足)

(4)

これらの有機非素材は,スピロヘータの代謝に必要な酵素中のSH 基と反応して,As-S 結合をつく り酵素を失活させる.これが殺スピロヘータ作用の機序である. 三価ヒ素化合物オキソフェナルジンは毒性が高いので,毒性の低い五価のアセタルゾールがよく用い られる.As5+化合物は体内で徐々に還元され,As3+のオキソフェナルジンに変わり,活性が現れる.

亜ヒ酸パスタ

歯科用歯髄失活剤 (歯の神経を壊死させる薬) 本品は,定量するとき,三酸化ヒ素(As2O3) 36.0~44.0%を含む. 三酸化ヒ素,細末 40 g プロカイン塩酸塩,細末 10 g 親水クリーム 30 g チョウジ油 適量 薬用炭 適量 全量 100 g メラルソプロール (melarsoprol) アフリカ睡眠病 治療薬 ツェツェバエが媒介する寄生性原虫 トリパノソーマによって引き起こされ る人獣共通感染症

(5)

無機化学補助プリント

酸素 O

1.活性酸素種

reactive oxygen species (ROS) (text p.182)

反応性の高い酸素種を一般に活性酸素種とよぶ. (1)一重項酸素 singlet oxygen 1O 2 酸素分子には高いエネルギーを持つ励起状態が存在し,一重項酸素とよばれる.それに対して基 底状態の酸素分子は三重項酸素(3O 2)とよぶ. 1O 2は,3O2のπ*軌道の二つの不対電子が対をなす電子軌道をとり,より高いエネルギーを持ってい る.そのため反応性が高く,様々な反応を引き起こす. 1O 2は,メチレンブルーやポルフィリンなどの色素の存在下で光により3O2が励起され,容易に生じ る.また,過酸化水素と次亜塩素酸イオンとの反応でも生成する.

(6)
(7)

無機化学補助プリント (2)スーパーオキサイドアニオンラジカル(superoxide anion radical, ・O2- )

酸素分子は,一電子還元されやすく,アニオンラジカルが生成する.これをスーパーオキサイドア ニオンラジカルという.スーパーオキサイドアニオンラジカルは触媒イオン触媒存在下,不均化a) て過酸化水素と酸素分子になる. a) 不均化(disproportionation) 反応基質中のある元素の酸化数の増加と減少が同時に起こることを不均化(disproportionation)と いう.言い換えれば,不均化反応を行う元素は,自分自身の酸化剤であり,還元剤である. ex) Cu+ → Cu2+ + Cu (3)過酸化水素 (hydrogen peroxide, H2O2) 酸素分子を2電子還元するとペルオキシアニオンとなり,その水素化体が過酸化水素である.水溶 液中では弱い酸b)(pH 3.0 ~ 5.0)として存在する.酸化剤,還元剤の両方の性質を持つc).徐々に分 解し,水と酸素になる(2 H2O2 → 2 H2O + O2) 3%水溶液はオキシドール(oxydol)として傷口などの殺菌薬に用いられるd).組織,細菌,血液などに 存在するカタラーゼにより発生する O2 が細菌に対して酸化的に働き,細菌を死滅させる.また,酸 素の発生により泡が生じ,組織の破片や汚れを創傷から取り除く洗浄作用を有する.また,酸化力に 由来する漂白作用も持つ. b) c) d) 日本薬局方では,過酸化水素2.5~3.5w/v%を含む,とある.これは,保存中,ガラス容器のアル カリ,光などのため徐々に分解するため含量の範囲が広くとってある. [オキシドールの性状] 本品は無色澄明の液で,においはないか,又はオゾンようのにおいがある. 本品は酸化剤あるいは還元剤と接触するとき,速やかに分解する.

(8)

本品はアルカリ性にするとき,激しく泡だって分解する. 本品は光によって変化するe) pH : 3.0 ~ 5.0 [オキシドールの貯法] 保存条件 遮光して,30℃以下で保存する. e) 容器 気密容器 (4)ヒドロキシラジカル(・OH) ヒドロキシラジカルは,活性酸素中,最も反応性が高いラジカルであり,アルカンや芳香環など大 部分の分子と反応し,速やかに酸化物を与える.ヒドロキシラジカルは,過酸化水素と2価の鉄イオ ンとの反応により生成する.この反応をフェントン(Fenton)反応f)という.この反応によって,ヒドロ キシラジカルは生体内でも生ずると考えられている. f) (5)オゾン (ozone, O3) 酸素の同素体であるオゾンは,117°に折れ曲がった構造g)をしている.酸化力が強く,炭素-炭素 二重結合と反応してオゾニドh)を形成し,その分解により二重結合を開裂させる(オゾン分解). g) h)

2.抗酸化酵素と触媒反応 (text p.181)

生体内には,活性酸素種から生体を保護するために,それらを消去する機構が存在する.スーパ ーオキサイドジスムターゼ(SOD)は3種類存在し,それぞれ活性中心にCu, Zn, Mn, Feといった金属を 含有している.SODはスーパーオキサイドアニオンラジカルを酸素と過酸化水素に変換する.この反 応は不均化反応(disproportionation)である.また,カタラーゼは過酸化水素を酸素と水に分解する.こ の反応も不均化反応である.過酸化水素が分解される経路はペルオキシダーゼも触媒する.この触媒 反応により,過酸化水素は水に変換される(還元反応).

(9)

無機化学補助プリント

硫黄 S

硫黄の混成軌道

硫黄のオキソ酸

(text p.126)

Na2SO3 Na2SO4 Na2S2O3

(10)

硫黄の酸化物

(text p.125)

チオ硫酸ナトリウム・イオウ華

(text p.126)(補足) チオ硫酸ナトリウム Na2S2O3・5H2O は,体内に沈着した重金属 Hg, Pb, Sb, As と結合し,これ らを不溶物としてその排泄を容易にする.シアン中毒に対しても有効で,その解毒機構は,ロダネース 酵素による無毒のチオシアン酸イオン化で尿から排泄させる.(上図参照) イオウS は非常に反応性に富み,金属や非金属元素と硫化物(S2-)をつくる.酸化剤と水の存在で硫酸を 発生する.硫黄元素そのものには殺菌作用はほとんどないが,細菌により硫化水素やペンタチオン酸 H2S5O6に変わり,それらが殺菌作用を示す.にきび,慢性湿疹などに3~10%軟膏,懸濁液として患部 に適用されている.

(11)

無機化学補助プリント

(12)

I

2

+ H

2

O →

酸化

作用により

殺菌力を示す

HI + HIO

HI + [

O

]

医薬品としてのヨウ素

① ②

KI

安定ヨウ素剤

医薬品としてのヨウ素

放射線障害予防として用いられる 放射性ではないヨウ素をヨウ化カリウム の形で製剤したもの

(13)

無機化学補助プリント

金属錯体

・代表的な錯体の名称,構造,基本的性質を説明できる. ・配位結合を説明できる. ・代表的なドナー原子,配位基,キレート試薬を列挙できる. ・錯体の安定度定数について説明できる. ・錯体の安定性に与える配位子の構造的要素(キレート効果)について説明できる. ・錯体の反応性について説明できる. ・医薬品として用いられる代表的な錯体を列挙できる. 1.配位子(ligand) text p.158, 159

(14)

2.キレート効果 text p.167 二座以上の多座配位子は,一般に単座配位子よりも安定な錯体を生成する. 一般に,キレート環が多いほど安定な錯体をつくる. (例)トリエチレンテトラミン – Cu2+錯体 >(エチレンジアミン)2– Cu2+錯体 > (アンモニア)4– Cu2+錯体 二座キレート配位子による錯体安定性・・・配位子の種類に関係なく,一般に, 三員環<四員環<五員環>六員環 (キレート環のひずみの程度に基づく)

(15)

無機化学補助プリント 3.配位数と錯体構造 text p.157, 158 錯体の構造は,中心金属の種類,酸化状 態および配位子の種類によって変わる. 一般に,錯体の中心金属に配位結合して いる原子団の数を配位数という. 配位数として,2~12(7 を超える配位数 の錯体の中心金属は原子番号の大きいもの や希土類元素であり,配位子が小さいイオ ンである場合に多い)が知られているが, 多くの金属では2, 4, 6 であり,直線形,正 四面体形,平面正方形,正八面体をとるも のが多い. 配位数がほぼ 1 種類に決まっている金属 もあるが,Ni (II)や Co (II)のように配位数 が4 および 6 である金属も存在するので注 意が必要である.(text p.98)

(16)

5.結晶場理論 text p.162-164 結晶場理論では,金属のd軌道の軸方向から配位子(負電荷)が接近すると,d軌道との反発によっ てd軌道のエネルギーが上昇する. たとえば、正八面体金属錯体では,軸方向に電子雲が広がっておりdx2-y2軌道およびdz2(eg)軌道は他の 3つの軌道(t2g)よりもエネルギーが高くなる。d軌道への電子の配置の仕方で,高スピン状態と低スピ ン状態の電子配置がある.高スピン状態では t2g, eg軌道の順に一つずつ電子が埋まっていく.低スピン 状態では,電子はまず,t2g軌道を完全に埋めてからエネルギー状態の高い eg軌道を埋めていく.

結晶場理論

Crystal field theory

Ligandを点電荷とみなす 金属イオンの持つ5つのd軌道 Ligandの負電荷との静電反発により分裂 Co (III)錯体 (a)CN-, (b)NO 2-, (c)phen, (d)en, (e)NH3, (f)gly, (g)H2O, (h)OX2-, (i)CO3

2-Adam R. Riordan, et. al

Chem. Educator 2005, 10, 115-119.

d-d 遷移

分光化学系列

(17)

無機化学補助プリント 実験医学 Vol.27 No.16, 2009 - - - - - - - - - - 不安定化 大 実験医学 Vol.27 No.16, 2009

配位子が金属イオンに接近すると

d軌道のエネルギーが分裂

配位子の種類,金属イオンの種類で

分裂の大きさΔ

0

は変わる

実験医学 Vol.27 No.16, 2009

(18)

配位子によって

電子配置が変わる

分光化学系列 text p.164-165 5.d-d遷移 text p.164 遷移金属イオンに光が当たると,エネルギーが低い方の軌道にある電子は,光エネルギーを吸収して, 高い方の軌道に移ることができる.これをd-d 遷移と呼ぶ.d 電子が 1~9の金属イオンが一般に有色 であるのはこのためである.

色彩は

分裂エネルギーで決まる

Co (III)錯体 (a)CN-, (b)NO 2-, (c)phen, (d)en, (e)NH3, (f)gly, (g)H2O, (h)OX2-, (i)CO3

2-Adam R. Riordan, et. al

Chem. Educator 2005, 10, 115-119.

F-は配位子場の弱い配位子であるの で小さなΔo を与え,一方,配位子場 の強いNH3は大きなΔoを与える.

(19)

無機化学補助プリント

d-d遷移

d1– d9 色付き錯体 d0, d10 無色錯体 例えばCu+の錯体 6.配位子置換反応 (補足) 一つの配位子 X を他の配位子 Y で置換する反応

を配位子置換反応(ligand substitution reaction)という.ここで,M は金属イオン,L, X, Y は配位子を示 しているが,この反応には二つの機構がある. その代表的な反応は,6配位 Co3+錯体の反応 と,4配位平面 Pt2+錯体の反応である. Co3+錯体の反応は,Cl-が脱離する過程が律速で,配位数が減少した中間体を経て反応が進むような機 構で,解離機構(dissolved mechanism)と呼ばれている.NH3は置換されにくい(inert)配位子で,Cl -は置換されやすい(labile)配位子である. Co3+ NH3 H3N H3N NH3 NH3 Cl Co3+ NH3 H3N H3N NH3 NH3 Co3+ NH3 H3N H3N NH3 NH3 OH2 Cl- H2O (律速) (fast) Pt2+錯体の反応は,配位子 Y が付加し,配位数が増加した中間体を経て反応が進行するので会合機構 (associative mechanism)と呼ばれる. Pt2+ NH3 H3N H3N Cl Pt2+ NH3 H3N H3N Cl I Pt2+ NH3 H3N H3N I -Cl -(律速) I -一般に,配位数が6と配位的に飽和状態である金属(例:Co3+)では,入ってくる配位子を収容する軌 道がもはやないので,SN1 反応的な解離機構をとらざるを得ない.一方,4配位金属では上下に利用で きる軌道があるので,SN2 的な会合機構で起こる.

(20)

Fe

text p.144, 175-176

ヘモグロビン Fe2+

Porphyrin : 4つのピロール環が α 位で4つの(CH)基と交互に結合した大環状化合物とその誘導体の総 称.(porphine)は無置換体をいう

(21)

無機化学補助プリント

Hemoglobin

Ref) BaileyBio.com 21

ヘム(heme)

[

] と

[ ]の錯体

(proto)heme = protoporphyrin + Fe(II)

protoporphyrin heme tetradentate ligand [ ] ① ② ③ 22 ポルフィリン: 4つの[ ]環が α位で4つの(CH)基と交互に結合 した大環状化合物とその誘導体の 総称 N H

pyrrole 完全 [ ]

安定

② ① 23 [ ]ヒスチジン [ ] ヒスチジン Fe2+ d 錯体 [ ]配位 [ ] ① ② ③ ④ 24 ヘム中のFe (II)は,基本的には6配位 オキシヘモグロビンの場合 プロトポルフィリン・・・・・四座 酸素分子・・・・・一座 ヒスチジンのN・・・・・一座 ヒスチジン ピロール [ ] ① 25 1.ヘム周辺のタンパクの[ ] 2.酸素のFe2+への配位様式 酸素O2の混成軌道 [ ] 3.低スピン状態(オキシヘモグロビン)での [ ]減少 高スピン・低スピン d軌道の分裂 4.[ ]効果 安定に酸素を運搬できる要因 ① ② ③ ④ 26

(22)

オキシヘモグロビン [ ]ヒスチジン① 27

ヘモグロビン

Fe

[ ]

メトヘモグロビン

Fe

[ ]

O

2

と錯体を

[ ]

O2のπ*軌道への逆供与・・・配位子場理論 methemoglobin ③ ① ② 31 [ ]障害 [ ]結合 [ ]障害 をさける ① ② ③ 28

(23)

無機化学補助プリント 酸素電子とFe(II)d電子の電子間反発を減らすために起こる

第6座めを水が占 めていると考えた 場合

(24)

Co text p.147-148 ホジキン博士は1956 年に X 線でこのビタミンB12の3次元構造解析に成功し1964 年にノーベル化学 賞を受賞.

ビタミンB

12

[ ]環

[ ]

テキストp.147-148 ベンズイミダゾール ① ② ③ 32 Pt text p.187 - 188 1969 年,シス-[Pt(NH3)2Cl2]の抗腫瘍活性が発見されて以来,金属錯体のがん化学療法への応用研 究が活発に行われている.白金錯体の抗腫瘍活性の発見は,1965 年,Rosenberg らが大腸菌の成長に およぼす電場の影響を調べる実験中に,使用した白金電極から生じた微量の白金錯体が,大腸菌に対す る増殖抑制作用があることを観察したことに始まる.その後,増殖の速いがん細胞分裂をも阻害するこ とを期待して,各種白金化合物について抗腫瘍活性が検討された.その結果,シス-[Pt(NH3)2Cl2]は活 性を示すが,その幾何異性体であるトランス-[Pt(NH3)2Cl2]は不活性であることが明らかとなった.

(25)

無機化学補助プリント 白金錯体の構造活性相関 シス-[Pt(NH3)2Cl2]の基本構造をいろいろと化学修飾した白金錯体が数多くつくられ,化学構造と抗 がん活性相関について調べられている.Pt(II)はd8錯体であるので,その錯体は四配位平面構造をとる が,白金錯体が抗腫瘍活性を示すためには, i) 4つの配位子のうち2つは容易に置換されない(inert)な NH3 のようなもので,それらがシス- [Pt(NH3)2Cl2]のように互いにシス関係にあることが必要である.エチレンジアミン(en)や,1,2-シクロ ヘキサンジアミンのような二座配位子でもよい.

(26)

ii) 残りの2つの配位子 X2は(必然的にシスの関係にあるが)Cl-のように容易に他の配位子 X, Y と置 換され得るものであること(labile)が必要である. 置換されない配位子がNH3の場合,X2の置換速度と生理活性の間に次のような関連性がある. X2はシュウ酸(oxalato)のような二座配位子でもよい. iii) 錯体は全体として電気的に中性であって脂溶性を持つことが必要である.錯体全体として荷電を有 するものは不活性である.

(27)

無機化学補助プリント

白金錯体の開発

シスプラチン(1965) 腎毒性 悪心・嘔吐 肺がん,頭頸部がん,食道がん 胃がん,膀胱がん,前立腺がん 骨肉腫,卵巣がん・・・ Barnet Rosenberg 大腸菌に対する電場の影響 白金電極 ↓ 大腸菌の分裂障害 マウス実験腫瘍に著効 H3N Pt Cl Cl H3N 1

白金錯体の開発

シスプラチン(1965) 腎毒性 悪心・嘔吐 肺がん,頭頸部がん,食道がん 胃がん,膀胱がん,前立腺がん 骨肉腫,卵巣がん・・・ Barnet Rosenberg 大腸菌に対する電場の影響 白金電極 ↓ 大腸菌の分裂障害 マウス実験腫瘍に著効 H3N Pt Cl Cl H3N 1 Ptの電子配置 3 4 5 6

(28)

膜通過

[ ] [ ] [ ] [ ] ① ② ③ ④ ⑤ ⑦ ⑥ 7 DNA, RNA 8 DNA とシスプラチンの結合様式 http://www.bms.co.jp/medical/phbp/8.html ブリストール・マイヤーズ(株)ホームページより転載 9

SSRP = structure-specific recognition protein (DNAの歪みを認識するタンパク質) 修 復 1,2-架橋 ① ② 10

SSRP = structure-specific recognition protein (DNAの歪みを認識するタンパク質) 修 復 1,2-架橋 ① ② 10 1,3-架橋 1,3-架橋の場合は, DNAの高次構造には 影響を及ぼさない 細胞増殖を阻害せず, 抗腫瘍活性を示さない 12

(29)

無機化学補助プリント 13 ①Instrand cross-link ② 核酸塩基の配位原子

[ ]位[ ]原子

① ②

SAR (Structure activity relationship) 構造活性相関 14 ① ② ① ③ ④ ⑤ ⑥ ③ (1)化合物1,2には抗腫瘍活性はないが,化合物3,4には抗腫瘍活性がある (2) 化合物5には抗腫瘍活性がないが,化合物6には抗腫瘍活性がある シスプラチン 15 [ ]な配位子が2つ,[ ]な配位子が2つ[ ]配置であることが必要 Inertな配位子は,[ ]座配位子でも良い 錯体全体として,[ ]中性であることが必要 ① ② ③ ④ ⑤ 5 6 配位子の種類による活性発現 166 177

配位子置換反応 (ligand substitution reaction)

会合機構(association mechanism) 解離機構(dissociative mechanism) 188 金属との相互作用により薬理活性の発揮される薬物の例 薬物のいくつかは,金属イオンと相互作用して,つまり錯形成によりその薬理活性が発揮されること がある.

(30)

オキシンは,鉄(III)錯体にすると,抗真菌性,抗バクテリア性を示す.鉄(III)やオキシン単独では,そ れぞれ作用を示さないが,金属と配位子を1:1で混合するときわめて有効である.しかし,3:1錯 体のみが細胞膜を通過できるので,細胞内に入り,2:1や1:1の組成比をもつ錯体として細胞膜や 細胞内成分と結合していると推定される. ブレオマイシン(text p.188)は,ヒトの皮膚,子宮頸部などの扁平上皮がんや悪性リンパ腫に対して,臨 床で使用されている.ブレオマイシンは,体内の鉄イオンと鉄錯体を形成し,鉄周辺で活性酸素種を作 り,DNA を切断すると考えられている.ブレオマイシン錯体の Fe2+O2との相互作用は,ヘモグロビ ン中のFe2+O2との相互作用と類似点がみられる.

(31)

無機化学補助プリント 生体内で金属と協調する医薬品 Text p.188 放線菌より単離された 抗がん性抗生物質 52 木村栄一 無機薬化学 p.169 (朝倉書店)53 金属キレート剤 (補足) 金属毒の治療には,金属イオンの低毒性化あるいは体外排泄を促進させる薬剤投与が有効な治療法とな る.形成されたキレートは安定であると共に無害であることが必要であるが,金属によっては形成され たキレートも毒性を持つことがあり,注意が必要である. 金属錯体を生成することによって解毒作用を示す リガンド型薬剤 35 ペニシラミン・トリエチレンテトラミン

Cu

2+

除去

ウィルソン病治療薬 Text p.147 36 トリエチレンテトラミン 4座配位子 1:1の安定な錯体を形成 (キレート効果) 37 D-ペニシラミン 最大三座配位子 38

(32)

D-ペニシラミン 39 併用注意 キレート形成 吸収促進 吸収されては いけない金属が 吸収されてしまう 吸収阻害 本来の薬効が 発揮されない 40 エデト酸ナトリウム Max 6座配位子 金属イオン(特に鉛,カドミウム)の 体外排泄に有効 安定な水溶性錯体を形成 生体内のカルシウムイオン までも捕捉してしまう 親和性 Cd2+> Ca2+ Ethylenediamine-N,N,N’,N’-tetraacetate (EDTA)

41 デスフェリオキサミン Fe3+にきわめて親和性が高い クーリー貧血(サラセミア)の治療薬 42 (1) 鉄の過剰症であるクーリー貧血(サラセミア)の治療に用いられるキレー ト剤はどれか. (2) カドミウム中毒に用いられるキレート剤はどれか. (3) ヒ素中毒に用いられる化合物はどれか. (4) ウィルソン病に用いられるCu2+と1:1の安定な錯体を形成するキレート 剤はどれか. 次の問いに答えよ. 43

(33)

無機化学補助プリント

親和性 Cd2+> Ca2+

(34)

金属含有医薬品 薬剤として用いられる金属錯体 33 薬剤として用いられる金属錯体 34 Fe text p.144-145 金属含有医薬品 Text p.144-145

Fe

クエン酸第一鉄ナトリウム (鉄欠乏性貧血治療薬) フマル酸第一鉄(鉄欠乏性貧血治療薬) 44 2 Au text p.187 金属含有医薬品 Text p.187-188

Au

45

(35)

無機化学補助プリント Zn text p.188 金属含有医薬品

Zn

Text p.188 46 金属含有医薬品 Text p.140

Zn

ZnO

酸化亜鉛

(亜鉛華)

皮膚のタンパク質と結合して被膜を作り, 局所において消炎・保護作用などをもつ. 外用剤(軟膏など)

ZnSO

4

・7H

2

O

硫酸亜鉛

洗眼剤・点眼剤 47 Se 金属含有医薬品

Se

エブセレン (脳梗塞治療薬)

グルタチオンペルオキシダーゼ・・・グルタチオンを還元剤として 過酸化水素を還元的に分解する酵素 Text p.153 活性中心 -SeH 50 Al 金属含有医薬品

スクラルファート(消化性潰瘍治療薬)

アルジオキサ

(消化性潰瘍治療薬)

Al

Text p.189 48

(36)

Co 金属含有医薬品

Co

Text p.147-148

シアノコバラミン (ビタミンB

12

(調節性眼精疲労

における微動調節

の改善)

49 V 金属含有医薬品

V

バナジウム錯体・・・糖尿病治療薬 桜井弘:金属錯体による実験糖尿病の治療 薬学雑誌, 128(3), 317 (2008),一部抜粋 (+5, +4価) Text p.135 551 生体内で金属と協調する医薬品 Text p.188 放線菌より単離された 抗がん性抗生物質 52 木村栄一 無機薬化学 p.169 (朝倉書店)53

(37)

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