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1 緒言 リモートセンシング技術特集号について1 Introduction to the Special Issue on Remote Sensing Technologies

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Academic year: 2021

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近年、我が国は、これまでにないタイプの気象災害 に見舞われている。局地的大雨(いわゆる「ゲリラ豪 雨」)や竜巻などの突発的な大気現象や、線状降水帯 による長時間かつ集中的な豪雨によって各所で甚大な 被害が引き起こされ、社会的に大きな問題となってい る。この深刻な課題の解決において、「避難指示が発 令されてから避難が完了するまでの時間を十分に確保 できること」が極めて重要であり、その達成には、現 在の気象の状態を可能な限り早期かつ正確に把握でき る機能が求められる。一方、地球規模の自然変化に目 を向けると、地球温暖化をはじめとした地球全体をひ とつの系として進行する現象を把握して将来へ備える ことが必要であり、グローバルな視点から大気環境等 を正確にとらえることのできるシステムの構築が求め られる。さらにこれらに加え、我が国は古くから地震・

火山噴火等の発生にも見舞われており、災害発生時に は、地表面の状況が発災前と比較してどう変化したか を一刻でも早く詳細に知ることで、その後の迅速な災 害対応につなげることができる。これらの状況把握機 能の実現には、電磁波を利用することが極めて効果的 かつ効率的である。

情報通信研究機構(以下、NICT)では、2016 年度 から開始した第 4 期中長期目標期間において、電磁波 を利用した「リモートセンシング技術」の研究開発を 実施しており、その内容は以下のとおりである。

① ゲリラ豪雨・竜巻に代表される突発的大気現象 の早期捕捉・発達メカニズムの解明に貢献する、

風、水蒸気、降水等を高時間空間分解能で観測 する技術の研究開発を行う。これらの技術を活 用し、突発的大気現象の予測技術向上に必要な 研究開発を行う。

② 地震・火山噴火等の災害発生時の状況把握等に 必要な技術として、航空機搭載合成開口レー ダーについて、構造物や地表面の変化抽出等の 状況を判読するために必要な技術の研究開発に 取り組むとともに、観測データや技術の利活用 を促進する。また、世界最高水準の画質(空間分 解能等)の実現を目指した、レーダー機器の性能 向上のための研究開発を進める。

③ グローバルな気候・気象の監視や予測精度向上 を目指し、地球規模での降水・雲・風等の大気 環境の観測を実現するための衛星搭載型リモー トセンシング技術及び得られたデータを利用し た降水・雲等に関する物理量を推定する高度解 析技術の研究開発を行う。また、大気環境観測 を目的とした次世代の衛星観測計画を立案する ための研究開発を行う。

NICT は、その前身である郵政省通信総合研究所、

さらには郵政省電波研究所の時代から、気象や気候を 観測する様々なセンサを開発してきた。例えば、地上 降雨レーダーは 1970 年初頭から、航空機搭載合成開 口レーダーは 1980 年代から、衛星搭載降雨レーダー は 1970 年代からそれぞれ研究開発を開始し、得られ た多くの成果は、実用面でも学術面でも大きなインパ クトを社会に与えるとともに、現在実施中の研究開発 にも受け継がれている。

本特集号は、主として第 4 期中長期目標期間におい て実施している上記①から③の研究開発について、実 施内容及び現時点までに得られた成果について詳細に 記述したものである。①については2に、②につい ては3に、③については4にそれぞれ掲載した。こ れらの研究活動は、主として電磁波研究所リモートセ ンシング研究室において進められている。本特集号が、

リモートセンシング技術に関する研究開発や実務に従 事される方々をはじめ、当該分野に少しでもご関心を お持ちの方々の参考になれば幸いである。

本特集号で報告した様々な技術は、総務省や多くの 企業、大学、その他の関係機関の方々のこれまでのご 支援・ご協力がなければ形になり得なかったものであ る。本稿の場を借りて感謝を申し上げたい。

平 和昌 (たいら かずまさ)

電磁波研究所 研究所長博士(工学)

電波伝搬、電磁環境、通信方式

1 緒言 リモートセンシング技術特集号について

1 Introduction to the Special Issue on Remote Sensing Technologies

Kazumasa TAIRA平 和昌

2019R-01-00(01).indd p1 2019/09/06/ 金 10:41:49

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1 緒言 リモートセンシング技術特集号について

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