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垂直上昇管内の気水混合物の摩擦 損失*(第1報)
勝 原 哲 治
Pressure Drop due to Fricton for Upward Flow of Mixtures of Vapour and Water in a Perpendicular Pipe(1st. Report)
Tetsuji KATSUHARA
Though there are many studies on the pressure drop of the isothermal flow of two phase fluid in a pipe, most of them are based on experiment in a horizontal or inclined pip巳
This paper deals with the pressure drop due to to friction for the isothermal and uniformly distributed flow of the mixtures of vapour and water in a perpendicular upriser pip巳 The pressure drop due to friction and dryness fraction for the upward flow of the mxtures of air and water in a perpendicular pipe of steel and glass have been measured. As the results the ratios of the coefficient of friction are extended to the flow of the mixtures of two phase fluid for high pressure regions.
1.緒言 点が違っている。他の一つは,流動様式の変化と
気水混舗の瀬は化学難,蒸気ボイラ源 摩擦係数の関係棚らかにするにある・本文は第1報として混合流及びそれに類似の流 子動力装置の諸方面に深い関係にある。従って,
本文で取りあつかっている圧力損失についても, れの範囲を取り扱ったもので・上昇管としてガラ すで磯つかの重視すべき研究がある.(1・しか ス管を用い場合と引繍管を用いた場合の実験 しながら,これに関する計算綴の要求1ま,さら 結果より・使用する管に応じて齢べき摩擦係数 にきびしく,徹底的な研究が望まれても・る。 の値や気体体積率との関係にふれ・次いで実験結
この研究媚的の_つは高圧のもとにお1ナる 果を計算により高圧域に擁し高圧域における
摩擦係i数比を求めた。
飽和水蒸気と飽和水が混流する場合の摩擦係数や
それと飽和水の単相流における摩擦係数との比・ 2.実験装置ならびに実験方 即ち摩擦係数比の値を明らかにするにあるが,そ
法 の方法としては,空気と水の混合物を常圧のもと
に流したときの圧力損失を測定し,その結果を計 (1)ガラス管を用いた場合 実験装置の概要 算により高圧域に拡張する方法をとった。赤川ら 図を第1図に示す。高さ4mのヘッドタンクT1に
(2)はLokhartら(3)が水平管内に水,油及びベン 水道水を通し,オーバーフロー法によりヘッドを ゼン等と空気を混流したときに測定した圧力降下 一定に保ち・出口の弁V2で流量を調節する。出
より高圧の飽和水蒸気と飽和水の一相流に対し摩 口弁から弓白 のゴムホースでコックCに導かれ 擦係数比を与え,この結果を垂直管に対して検討 る。このコックは垂直に立てられたガラス管P するために&huring(4)の実験結果と比べ実際上 の下部に短いゴム管によりつながれている。空気 差支えのないことを言っている。従って,この研 は圧縮機により圧縮されレシー一バーRに蓄え 究でとられた方法も赤川らの計算と大同小異の感 られる。こめ出口にニードル弁を設け,その開度 がするが,水平管に対する実験結果をかりずに直 により圧力の調節をし流量計Aに導く,この流 接垂直上昇管における測定結果をもとにしている 量計には湿式ガスメーターを用いた。流量計を出
*昭和30年11月26日,日本機械学会広島地方講演会にて講演
た空気はコック内に差し込まれた空気噴出孔より △PTP、=Ho(γw一γ)−HM、γw・一……(1)
水申に噴出し,ガラス管内を水と共に上昇する。 △PTP,=Ho(γw一γ)−HM,γw…………(2)
噴出孔は内径約α4mmのものと内径約α8mmの ここに,γは気水混合物の比重量,γwは水の ものと二種類作られ,それぞれ単孔又は3孔のも 比重量,Hoは測定孔間の高さを示す。このうち のが用いられた。ガラス管は長さ1500mm,内径 γは次のようにあらわされる。
約1&1mm,外径約23mmで,垂直に固定され下 γ=(1一ψ)γw+ψγd………(3)
端より250mmのところに第1測定孔,これから ここに,ψは気体の体積率,γdは気体の比重 500mm上方に第2測定孔,さらに500mm上方に 量である。この実験ではγw》γdであるから,
第3測定孔を設け,いずれも静圧測定用とした。 γ≒(1一ψ)γw…・…・…・一…・一・……・(4)
このガラス管内を通過した気水混合物はタンク 従って,γの値を求めるためにはψの値を測る T3に入り気水を分離し水のみはタンクT2に流 必要がある。この測定には下部コックCの急閉に され,その途中で水の流量測定をする。マノメー よりガラス管内の空気と水とを分離せしめ,空気 ターはM1, M2, M3, M4の4個を使用した。 部の高さを求める方法を用いた。
Mエは水銀マノメーターで空気流量計Aの出口 (4)を(1),(2)に代入すれば
の空気圧と大気圧の差を測る。M2と砿3は水の △PTP、=(ψH )−HM、)・γw………(5)
逆U字マノメーターで,M2は第2測定孔用と第3 △PTP、一(ψHo−HM、)・γw…………・一(6)
測定孔間の気水混合物の圧力降下を,M3は第1 気水二相流の助走距離については,はっきりと 測定孔と第2測定孔間の気水混合物の圧力降下を わかっていないが,単相流の場合から類推すると
それぞれ測る。M4は水銀マノメーターで第2測 △PTP、は助走距離内の圧力損失も入る可能性が 定孔部の気水混合物の圧力と大気圧の差を測る。 あるので本文では二相流の圧力損失としては △PTP,をとり,△PTP、は参考のために求めてお
一
いた。従って,以後ことわりない限り△PTP。をも って気水二相流の圧力損失として△PTPであら わすことにする。
実験の順序としては,先ず空気を吹き込まずに 水のみを流したときの圧力損失を測り,それから 摩擦係数λwを求めた。一般にλwの値は明らか になっていることは言うまでもないし,この測定 は本研究の目的とは関係のないようにみえるが,
二相流の場合の圧力損失の実験値を整理する際に この装置で測った心の値を必要とするので測定 しておいた。次いで気水二相流の実験に入った。
(2) 引抜鋼管を用いた場合 第1図に示した 装置と比べると,ガラス管の代りに内径1朽6 と 同1% ,長さいつれも1800mmの2本の引抜鋼 管を用いた点が違うだけで,その他の装置は同じ ものを用いた゜これらの鋼管には下端より380mm
第1図実験装置 のところに第1測定孔,その上方380mmのとこ
マノメーターM2及びM3の液の指示高さ うに第2測定孔,さらに上方1000mmのところにHM,及びHM,を読めば,第1測定孔と第2測定 第3測定孔を設けた。いずれにしても孔の内径は 孔間の圧力損失△PTP、,第2測定孔と第3測定 約1mmで静圧測定用のものである。圧力損失の 孔間の圧力損失△PTP,はそれぞれ次のごとく求 測定値としては,第2測定孔と第3測定孔の間に められる。 おけるものを用いた。マノメーターM2の液の指
Tり
@ ▽2
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A
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P
R
T2一 C
晦 H3 ド12酷
一垂直上昇管内の気水混合物の摩擦損失 (第1報)− 9
示高さH を測れば,この場合の圧力損失△PTP と混合流では気水の混合状態には差はあるけれど は, も,図上ではほぼ同じ線の上に乗ってくるし,
△PTP=(ψHo −H )・γw…・・………・…(6。) bckhartらが水平管内の気水二相流の圧力損失 ただし,Ho は第2測定7Lと第3測定孔間の高 の値を整理した方法がこの場合にも応用でき
さである。 ることがわかる。実験に用いたガラス管では
計測の方法や実験順序もガラス管の場合にほぼ (△Pw/△Pd)ち の1直が約20より小さいときは気
同じである。 体はピストン状に集結してしまうので,実験点は これより大きいところのみにあらわれている。ま
3.実験結果 た鋼管では流動状態を観察することはできないが 内径がガラス管にほぼ等しいので同じ取り扱いを (D(△PTP/△Pw)} 一(△Pw/△Pd)ハ 先ず した。この結果から,圧力損失に関する限り臨界 Lckhartらが水平管に対して整理した方法は・こ 流と混合流では流動様式を区別して考える必要は
の場合に適用できるかどうかをみたい。ここに・ ないと言える。また,ガラス管も鋼管も同じ実験
△Pwおよび△Pdは圧力損失△PPTが生じた管 線の上に乗ることから考えると,管内面の粗滑の 長間において気水混合物申の気体及び水がそれぞ 程度が違っても,その管に適合するλwを用いれ
れの流量で単独に流れた場合の圧力損失である。 ば(△PTP/△Pw)ハ と(△Pw/△Pd)殆の関係は同 これらは気体及び水の測定値から次の式で計算さ じになることがわかる。
れる。 5
(ただし,鋼管ではHoの代りにHo を用い
る。)ここに,λdは気体の単相流の摩擦係数, 10 2° 40 6° 801°°
dは管の内径‥,Ww。は気体,水の単相流に 極
おける平均流速である。計算に用いたλwは,こ 第2図
の実験装置に対し,あらかじめ水の単相流の圧力 水平管に比べると, (△PTP/△Pw)ハ の値は 損失を測って求められたもので, (△Pw/△Pd)夢 の同一値に対しわずかに大きい,
ガラス管では λw=0・3252/R・wo・25 気水間の相対速度の大小からくるものと考えられ 引抜鋼管ではλw=α0163+1・15/R・wo・44 るが,気水二相流の同範囲からみればあまり大き であった。ここに,R。wは水の単相流のレイ な差異ではない。
ノルス数である。上のλwはR。wが3600、52700
0 40 の範囲で求められたものである。また,層流の場
合には,λw=64/Rewを用いた。気体はいつれ o 30 の場合も層流であったのでλd=64/Redを用いた
ここにR。dは気体の単相流の場合のレイノルズ o?o 数である。 ぐト 第2図は(△PTP/△Pw) と(△Pw/△Pd)ハ
の関係の実験から得た値の代表線も入れておいた σ10 ガラス管の場合には臨界流と混合流に分1ナて+分 脚8 にピストン状に集結しないで気泡が寄集したり部
分的に結合したりしている部分が周期的に流れて 的鮎 2。 40 60 即1◎o いるような状態を指し,混合流とは気泡がほぼ一 願
様に流れているような状態を指している。臨界流 第3図
。肪ス筒堤絨
怐@〃 ,臨界鹿
●引放棚管
〉〜、_・
lartmelli
● ●●
A 、 一
、
oo
●
Φ
。介ラス管,遣合流
怐@・ ,臨界琉処 抜 鋼管
o
(2)ψ一(△Pw/△Pd)ハ ψと(△Pw/△Pd)ハ うけないで,粘性係数や密度などの物理定数のみ の関係をとったものを第3図に示す。これでは が圧力,温度により変化するとした。
ガラス管と鋼管とでは,その差異はみとめられな 管長1のもとにおける気水の,それぞれの単相 い。 流圧力損失は,
(3)摩擦係数比一般に気水二相流1・おける △P・一λ・・ ・誓・・
摩擦係数λを次の式で定義する。
△玲一λ㍑γ一…一…・一(7) △PW一λw・告・要γw
ここに・1は管の長さ・Wは連続の原理をもと㌶‡;;1㌻1/△Pw)ハ および(△Pw/△Pd)ハ にした平均流速である。wは次の式から容易に計
算できる・ V会舞P「器ン☆吉
w一 Yw −(1+Wd・・γd WWo γw)ン譜………(9)
の鐘1 隠の鍵蒜れ気鰍び水 v薔聯嬬穿一一(・・)
Gd・Gw・γ・△pTPなどの測定値から(7)を用 (△pTP/△pw)ハ と(△pw/△pd)ハ との関係は いてλを算出し・このときのλwとの比をとり, 第2図のようになることが明らかになったので,
ξ一㌃一一一・一一…一(8)表現上・次のようにおく二
で摩擦係数比ξを定義すれば,ξは第4図}ζ示す レ鷲一f・C鑑)…・…・………・(・・)
ようになった。 さらに,
2・5
Φ
O O
●
δ
●
o
。ガラス管,混合琉
● 〃
,臨早洗
●引抜θ岡管
m吋蛋一一一・・…一一(・2)
とおくと,(9),(11)より,
一加 @ ξ=(・+〔鷲)・吉 (13)
15 ψとmの関係は第3図のように求められたが,こ の関係を,
ψ=f2(m)…・・………・………・・…・(14)
1・o
lo 3。 5。 ?0 90 とあらわせば,(13)は次のごとくなる。
4.高圧域への拡張 ………… (15)
比重比として,
本文の主な目的の一つは,高圧における摩擦係
数比ξの徹知ることであるが渓験は大気圧の η・一芸一一一・一一・一一・・(・6)
もとで行われたものであるから,これる直ちに高 とおけば,(10)より,
㌶㌶‡1二漂慧:ξミ三 驚一m↓万・ンE…・一・……(・7)
(17)を(15)に代入すれば,
拡張の方法は,すでに試みられた方法と(2)・(5)ほ
ぷ㌫㌫差鑑篭:ξ=晋÷鐘謝…(18)
一垂直上昇管内の気水混合物の摩擦損失(第1報)− 11
ここに, の広い範囲にわたり使用できる摩擦係数比を求め ξo=〔f1.(m)〕2・〔1−f2(m)〕…………(19) た。その結果をまとめると
また,混合流や臨界流の範囲では, (1)空気と水とによる混合流およびそれに類似
・+専・嬬一・ 腰煕こ鷺㌶㌶轟嶽灘
とおけるので,(18)は べるとわつかに大きく(3),垂直下降管内のそれ
ξ=ξo十〔f1(m)〕2・f2(m)・ηd−・・………(20) }こ比べると小さい。(5)
ξoは比較的に圧力の低い場合摩擦係数比とも言 (2)したがって,水平管おける二相流の実験結 える。第2および第3図に示結果よりξoおよび 果をもとにして計算した摩擦係数比は本文で考え
〔f1(m)〕・f2(m)を整理すれば・ ている流動様式に関する限り,垂直上昇流に適用 ξo=1+&25m−o・37……・・一…………(21) しても実用上差支えない。
〔f1(m)〕2・f2(m)−9λ4m−1・472………(22) (3)使用する管の内面の粗度の程度が違っても 第4図,第5図のなかの実験線は・上の式が与 単相流の摩擦係i数としてその管に適合する値を用
えるξo,〔f1(m)〕2・f2(m)を示す。(21)・(22)を いるならば,摩擦係数比は管の粗滑の影響をうけ
(20)に代入すれば, ない。
ξ一1+325m−o・37+924m−1・472・ηd…(23) (4)圧力の影響を考慮に入れた摩擦係数比とし これが,圧力の影響を考慮に入れた摩擦係数比で て,
ある。 ξ=1十&25m−o・37十9a4m−1・427ηd
2・0
1,0
0・8 σ6 言 迫 04
墳 ξ
〕 σ2
{
0・1
●
●
ψ
● o
o
。ガラス管,遣合流
Φ怐@・ 、臨界流 処 │管
o
IO 20 40 60 80 }oo
を得た。特に高圧でない限り第3項を省略しても 大きな誤差はない。最後に,研究費の一部は文部 省科学研究費によったことを記し感謝の意を表す
参 考 文 献
(1)W.田ens and G Leppert; Amedcan
Society of Naval Engr, VoL 67 Nα2(1955)
W.Schurig;Forsch−heft, Nr 365 (1934)
W.E Davidson. P.H.Havdie.()GR且amphre ges. A.A Markson, A.RMumford T.Ravese;
A,SM.E Trana VoL 65, No.6 (1943)
m KSchwarz;ForschhefL NL 445 (1954)
第5図 (2) 赤川浩爾,小泉倫吉;日本機械学会論文集
(23)を用いてξの値を求めるには,次の手順 第20巻第29号 (昭和29年)
によればよい。即ち,圧力,管径,気水の流量な (3)RW.Lockhart and RC, Mardnelli;chem どが与え.られると,wd。/ww・,λw/λdなど単相流 Engg Progress, VoL 45, Nα1 (1949)
の知識から容易に求められ,ηdは蒸気表を用い (4)W.Schurig;Forsc壮heft, NL 365 (1934)
て算出し,このときのmの値は(17)の関係か (5)勝原哲治; 日本機械学会論文集第23巻第 ら定まる。このmの値とηdの値を(23)式に入 132号 (昭和32年)
れてξの値を求める。
5.結 言