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§1.緒言

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(1)

金属酸化物の塩化バイ焼について

   化学ポテンシャル状態図による平衡論的考察一

        (昭和49年10月19日 原稿受理)

      金属工学教室久保正吉

      植  田  安  昭       野  口  文  男

Studies on the Chloridizing Roasting of Meta10xides   _On the Thermodynamic Consideration by us丘19         Chemical Potential Diagram−

      by Masayoshi KUBO        Yasuaki UEDA        Fumio NOGUCHI

  Wh,n th,1。w gmd・・ul6d・・nd・・id…e・…ch1・Hdi・e己・nd・中…・i°us「°asting

・・n

潤E蕊i蒜・よ潔㌶=,:鷲nご瓢;ni蕊㌶;1盤t三・・

i。0ぷも。,皿。、ph。,・・。d discussed・h・・e1・・i・n・hi・・m・ng h・輌・・m・・τ・t⇒輌sphe祀

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1Pg F:c1蕊噛itw:蕊1謡n㌶二㌫「il謬灘隠:㌻;1h・f・一・−c・i・n

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       などの酸化性ガス分圧によって,有価金属が塩化物や租

§1.緒言    

々の低級塩化物を生成したり,あるいはこれら塩化物が

多くの靴物噸噛は,Cl,ガスやHCIガスによ 再び酸働1・酸化されるなど塩化反応は鋤て灘な反 って容易に塩化され古成塩化㈱ごく{氏温錫蠣性 応酬を示す・そこでこれらの反応鍵を蜥する渤 を示すものが多い.従って,低融硫化鉱や酸榔中に 酬等はc1・ガスによる酸化綱塩化反応 噛.

含まれている有蹴属を塩化物として醗回収したり, pilg・im馴硫化物7 8ハを・S面e「嚥竺のHCIカ ま姓麟働を加鯛度や加熱醐のガス組成翻節 スによる塩化を平繊醜場か樋螂察している

することによって選噸化するなど種々の処理法が提案 が・㌧いまだ選択塩化や総括的見地から塩化反応を竺 難されている.例えば,塩化醗する方法として緻 したものは殆ど貼れな ・従弧塩化の諸反応竺 齢ら銅魂鉛,鉛の除去回収を酸化気圏岬でr ス分圧湿麟から逆反応を加味した平鹸件よりLれ

欝㌘潔雛÷㌶:㌶蕊よ㌶ ㌶㌶㌶:二蕊璽妻貨ご舗きヒ:

を回収する方法・1,さら{、酸化1・・、ガスを用・・た舟木 鉛勘鉄の醐化雛取上げCl・ガスとIIC1カスで 等・の報告槻られる.これらの処酷力・らもわかる様 塩化する齢の化学ポテンシ三ル状鯛を勧・これか に.塩化パ端珈熱酬中に存在する・、,H,・ガス ら酸化縮るい{姓成塩働力剛の塩化鮒の下でど

(2)

のような安定化合物を生成し,どのような挙動を示すか   これから,(3)式にはP,Pc12, Po2・PMCIコ,の4つのパ を平衡言畠的に考察してみた。最後に,各酸化物のポテン   ラメーターが存在し,このうちいずれか3つのパラメー シヤル状態図から得られた結果を総括し,実操業におけ   ターを任意に指定してやれば,残りのパラメーターは決 る選択塩化の可能性についても種々検討を行なったの   定できることがわかる。モこでPM引臼=1と仮定する で,これらの結果について報告する。      と,結局2つのパラメーターを指定してやればよいこと       になる。またこの反応系にGibbsの相律を当てはめて

§乳催ポテンシヤル状態図の作成    みると,自醐3が得られる.従弧塩イヒ囎と他の

 酸化物を塩化パイ焼する場合,加熟温度や加熱気圏中   2っの任意のパラメーターを指定すれば,残りのパラメ に存在するC12, HC1,02, H20ガス等のガス分圧によ   一ターは一定値を示すようになる。ここでは,(2)式中 って,低級塩化物など菰々の形態の塩化物を生成し,非   に含まれているPc12, P。コの2つをパラメーターとして 常に複雑なパイ焼反応過程を示す。従って,バイ焼条件   取上げ,化学ポテンシャル状態図を作成することにし によってどのような形態の塩化物が生成して行くかを明   た。

砿にすることは塩化処理にとって極めて重襲である。そ    しかしながら,HC1−0,系の塩化気圏で酸化物を塩化 こで・酸化物一塩化物系の化学ポテンシャル状態図を作   する場台,(4)式に示す塩化物の生成反応のほか(6)式 りこれから考察してみた。また,得・られた各種酸化物一   に示すようなHC1ガスの酸化,すなわちC]2ガスと 塩化物系のポテンシ+ル状態図を組合せると選択塩化の   H迫ガスの生成反応も併せ考慮する必要がある。また,

可能性が容易に推察されるようになる。ポテンシャル状  (4)式に示した塩化物生成のためのHC1ガス分圧は 態図の作成には塩化剤としてC』,HC1ガスのほか・パ   (5)式,(6)式のHCIガス分圧は(7)式のように表示

イ焼条件によって02・H20・凡等の各租ガスが関与す   される。

ることから,これら種々のガス分圧を考慮した化学ポテ

ンシャ峨態図を作成す秘郵ある.すなオ,ち,C1、, M°・+yHC1ニMCI・+y/2H・°+(エ/2−y/4)°・

㌫㌶㌶㌶》き慧:私一P五缶P−  (4)

化されなくなる.ここでは,Cl、,1{Clガス1、選択塩化 1°g P・c1=(エノ2γ一1/4) °gP・・声21°gpll・・

の基本蝸子として・、,H、・ガスを翫C1、_・、系,   −1/γ1°gK・   (5)

富1㌶㌶㌫蹴㌶諸註 謬;1㌶隠  (6)

を用いて顕一C1,一・、,齪_HC1_・、系の3元系化 1°gP・・1=1/21°gP・…+1/2 °gP…

学ポテンシャル状態図を作成した.      −1/410gP°2−1/210gI{6   (7)

 CI2−O,ガス気圏中で各種酸化物を塩化する場合,塩    ここで・Pllc1はHC1ガス分圧・PIIコoはH20ガス分 化反応は一般に(1)式で示され,その際の平衡CI,ガ  圧を示す。ついで・前述の場合と同様・不活性ガスを除 ス分圧は塩化物の平衡蒸気圧を標準状態,すなわち   き生成塩化物とH20ガスの平衡圧を考慮し,この系の P、1Cl2,=1に仮定すると(2)式のように示される。   平衡全圧Pを考えてみると(8)式のように示される。

  MO.+夕Cl,−MCI,,÷・ノ20コ   (1)  P=P・・1+P・・+p…+p創・+P・・cl・  (8)

  K1=P612/P£12 七       この場合(8)式から, P, pllcl, po2, PH±o, pcl2, pMcly   log Pc】2=x/2夕log Po2−1、ケIog K1   (2)   の6っのパラメーターが存在することがわかり,このう

ここで.P、1、はCl、ガス分圧, P。llま・、ガス分圧, ;3つのパラメ+を聴1・縦してやると残りの・・

P。問,.は塩化励平麟気田Kは平縦数,M欄, フメで一は決定できる巴と拗かる・また・この反応 亜鉛,鉛,蹴どの鑓元灘示す.実脚場合,パイ ≡Glbbsの酬硝て1まめてみると・舳度4欄 焼姻申1・N,加勒不活性ガスカ・嬉するので反応 疏る・そこ℃靴雌とPII・1・P・・, P…の3つの 系の全圧Pはこれらガス分圧も考慮する必要があるが,   パラメータrを用いて化学ポテンシキル状態図を作成す

ここでは(ユ)式の反応に全撫縣であることから塩化 ることにした・   .

物の瀬圧のみを糎すると(3)式のよう1、なる。  鞠(1)・(4)式に示した塩化反応の酬舳工勅        ギー変化ゴG一温度の鴎係から各温度における平衡定数   P=P・1・+P・・+P・CI・・    (3) K1, K・を求め.得られ酪々の値を⑳(5)式に代

(3)

入して各種化学ポテンシャル状態図を作成した。すなわ ち,(2)式から一定温度におけるlog Pclrlog Po2の関

分圧を代入してやると一定温度におけるユog P!lcrlo9

ヤル状態図を求め,これらの結果を組合せると立体的な      £ 温、度一10gPCI2−logPo2及び温度一10gP」1c1−10gP。2       −?og        」

なる。

 標準自由エネルギー変化」G白の計算で、酸化物,塩 ・LO

Kubaschewski12}等の値を用いた。なお,これらの文      LOG P。

       コ

:ζ蕊き㌶/灘;霊1㌫:㌘ Fi 瓢㌫口i−mf・・

Kubaschewskiの手法を用いて概算した。

§3口温度一C』一・・3元系化學ポデンシャJレ綱㌶:翌罐喋る隠翻歪㌫、く蕊

 C12ガスによる塩化反応では,先の(1)式にも示した   示すb線を考えてみると,02ガス分圧が低くなるにつ ように平衡定数K1はPc[,とP。2との関係式で示さ   れて安定化合物はCuO相からCuCl3相に移行するよ れ,塩化温度を指定すると(2)式から10gP段と109  うになることがわかる。また,02ガス分圧一定で生成 Po,間に直線関係の成立することがわかる・そこでX軸   物とCl2ガス分圧,塩化温度との関係を示すC面から

に02ガス分圧,Y軸に温度, Z軸にC12ガス分圧を   CuCl2相及びCu2Cl2相の安定領域を見てみると,いず とり,§2で示した方法を用いて計算し銅.亜鉛・鉛・   れの相も温度が高くなるにつれて狭くなっていくことが 鉄の各元罫ξについて温度一Cl一〇コ3元系ポテンシキル   考察される。モζで, C面上でP眺=10−6atm・po2=

状態図を求めた。すなわち,(1)Cu−C12−02系,(2)  10−1°°atmの一定ガス組成を示すc線上の塩化条件を例 Zn_Cl2_02系,(3)Pb−C12−−02系,(4)Fe−C1一   にとって考察してみると・温度が高くなるに従って安定 O,系の4つの3元系化学ポテンシャル状態図をそれぞ   化合物は,CuC1;相から矢印の方向にそってCu2C12相 れFig.1,2,3,4に図示した。これらの状態図から.  に変化して行くことがわかる・

平衡ガス組成,塩化温度と生成物の形態,その安定領域   このようにポテンシャル状態図から、バイ焼温度や各

など和の縣が容易1、螺できること力竜得ら枇 輌ス分田・よる生成安定相糖易離察できるが瓢 結果をまとめてみると次のようになる。         の塩化バイ焼条件では・加熱気圏のガス組成はPo2十

㌶ε蕊、に_Chガス分圧一定籔5:蕊蕊鑑麟㌦

で塩化疏と。、ガス分圧1、よる生成物関係を示すA 囲で塩化を行なうとC・・Cl・継成し・これが蝶化合 酢ついて考えてみると次のよう疏る.鍼C・C1、物相として存在することが容易に擦される・

相の安定傾域は塩化温度力塙くなる{こつれて狭くなって  (2)Z・−C1亡O源

いくことがわかる.すなわち,0、ガス分圧一定の塩化 Z・−ClrO・系を示すFig』{・ついて繍の場合と 条件,例えば図申a線で示したP。コニ102ヨatmで矢印の   同様な考察ができる。最初・一定C』ガス分圧を示す 方向にそって塩化温度を高くしてやると,安定化合物は  A面でZnC12相の安定領域を考えてみると ZロC12の C。C1,相からC。・相1・変化することが推察される.つ B・P・(732 C)以下では塩化温度力塙くなるにつれてモ いで,塩化館一定でC】,ガス分圧,・、ガス分圧雄 の錠領域は狭くなってL き・B・P・以上では逆}ζ堅 成物の関係を示すB面を離ると,・、ガ粉圧のユ・一・・ なって・・くこと拗かる・ついで・一定塩イヒ温度綜す

。,⊇ら、。−1・。,mの範囲1、存在するC・、Cl湘, B面を取上げてみると・Z°C1湘の蝶蹴1ま゜・ガス

、。−1・。,m以上で存在するC。C1、相破定囎はいずれ 分圧が1°一且゜・tm肚ではC1・ガス分圧力璃くなる1こ

(4)

       がわかる。最初,PbCl2相の安定領域について考えてみ       ると,一定C12ガス分圧を示すA面から,モの領域は温        度の上昇とともに狭くなり,また一定温度を示すB面か       10  らCI、ガス分圧が高くなるにつれて広くなって行くこと       o  がわかる。さらに一定02ガス分圧を示すC面を見てみ       ると,温度が高くなるにつれてその安定領域は著しく狭       柏ゴ くなって行くζとが考察される。なお,塩化バイ焼の実       弔8 操業条件下では,PbChが安定化合物相として生成する        」

      ことがわかる。

      ・30

       (4)Fe−ClrO2系

      切    Fe−ClrO2系を示すFig・4から各種生成化合物と

    .  L°口.   一定C』ガス分圧を示すA面1、おいてF,C1,相破定    醜え鵠毘鷲肥D1刮輌f°「 領域は雌欄くなるにつれて拡大していくこと.一定

       温度を示すB面から,ユ0−15atm以上の02ガス分圧では 従って広くなり,それ以下の02ガス分圧では変化しな

い。また,02ガス分圧一定の条件を示すC面でZnCh 祖の安定領域を考察してみると,モの領域は温度の上昇

とともに著しく狭くなって行くことがわかる。ここで銅 の場合と同様,実操業条件での生成安定化合物を見てみ ると,Z皿CI2であることが推察できる。

 (3) Pb−CI2−02系

 Pb−C1±一一〇2系では, PbO相とPbCI2相間にPbO・

PbCl2,2PbO・PbC12,3PbO・PbCl2など種々の酸塩化 物が存在するがこれらの安定領域は非常に狭く,熱力学 的諸データが不足のため正確に表示できなかったのでこ  れらの領域を省略して化学ポテンシャル状態図を作図し

10 向 星

立oo

 9

一40

これから,醐の場台とほぼ翻の相互関係にあること  一 一゜L::,。°2°°和

       2

       Fig.4, Che1皿i闘1 Potenti口1 Diagr日m for        Fe−CI竺一〇2 system

      C12ガス分圧が高くなるにつれてその安定領域は広くな       10

       り,モれ以下の02ガス分圧では変化しないこと。ま       o   た,一定02ガス分圧を示すC面から,FeCl3相の領域       は温度が商くなるほど狭くなっていくことなどがわか       ロ ロ ッ

      田  る。きらに,塩化パイ焼の実操業条件下における生成相       蝿を見てみると,銅,亜鉛,語が塩化物の形態で存在した       .知   のと異なり鉄の場合は酸化物Fe20コが安定化合物とし       て存在することがわかる。

      切    以上・銅,亜鉛,鉛,鉄のCl2−02系化学ポテンシ

         LOGRハ,      はいずれも生成塩化物の活量や平衡分圧がユであると仮 Fig.3. Chemical Potenti田Djagram for    定するζとによって得1られた結果である。しかしなが     Pb−CI2−025yst㎝      ら,実際の塩化パイ焼ではこれらの{『iが1よりも小さい

(5)

条件で操業されている場合が多い。そこで生成塩化物の 活丑と平衡分圧が1よりも小さい場合に、生成塩化物の 安定領域がどのように影響されるかを同様の方法を用い て検討してみた。ここではその影響を調べるため,その 代表例としてCu−C12一軌系ポテンシャル状態図から 塩化温」度927℃における断面図を取出した。図は縦軸 10gPCI2,横軸10g Po,で示され,これに塩化物Ct12C12 の活鉦を1〜10−4と種々変化して得られた結果を図示 するとFig.5のようになる。これから,生成塩化物 Cu2C12の活皿が小さくなるにつれてその安定頗域は拡  俗 大していくが,一方生成塩化物CuChの安定領域は狭

くなって行く乙とがわかる.また,これらの関係は紬 ξ弔

の温度範囲においても同様な傾向を示すものと推察され      LOG陶、

た。このほか,鉛,亜鉛 鉄についても同様な検討を行    Fig.6. Che皿i舩1 Potent已l Diag㎜for なったが,銅の場合とほぼ同様な関係と傾向が得られ         Cu−HCI−02 system

防〜。・10  1

…一̀。・m  l

一・一wロ迦1 1

E 1

ω

D 1

e CuC』    1

@      1

30

1 20

d o

Cu」C』 i

一 一 一  一 一 一 一 一

qロ磯

_一一_一一二_ ___一_−

@ Cu

    ■

鼈鼈鼈鼈黶f一

@CuO    ・、       、        、        \ o加

3弔一100 −80 −60 一口 一20  0  20  40  60

。昌

た゜          Fig.6,7、8,9のようになる。各化学ポテンシャル状

10

o

逗 0

一拍

ロ己uロご1°@         ≡≡三≡≡§i………壱…』01

   Cu〔㌧

  7

      ロ      ロ       ロ       リ

      LOGP。・,       とがわかる。すなわち, D面上でd線のようなPIIc1=

 Fig.5, Eq皿ilibri㎜1 Di㎎r㎜1 ror Cu−ClrO2   ユ010atmを示す一定HCIガス分圧の塩化条件を考え,

      8ystem at g2アC      矢印の方向に向って0、ガス分圧が低くな君と,安定化  §3.2.温度一HCI−023元系化学ポテンシャル状態   合物はCuC12相からCu2Cl2相に変化するようになる。

   図      ついで,02ガス分圧一定の条件で 生成物 HC1ガス  HC1_0,系についてもCl2_0、系の場合と同様,(1)  分圧と温度の関係を示すE面を見てみると・生成塩化物 Cu−HC1−0、系,(2)Zn−HC1−0,系,(3)Pb−HCI  CuC』相及びCu2C12相の安定頗域は温度の上昇ととも 一〇2系,(4)Fe−HC1−02系について3元系化学ポテ  にいずれも狭くなって行くことがわかる6例えば・

ンシャル状態図を作った。この場合、§2でも述べたよ  Pl1亡F1023at叫PoF10−mnatmを示すe隷のような一 うに1㌔0ガス分圧をあらかじめ決めてやる必要があ   定ガス組成の塩化条件においては・温度が高くなるにっ る。モこで,酬の塩化バイ焼麟時におげる加熱気閲 れて鎚化合物はc・Cl湘から矢印の方向に従って 中のH20ガス分圧が最高0.1ntm前後を示すものと想   Cu2CI3相に移行していくことが理解される・また・こ 定されることから,P】r2白=0.1の一定値を用いて平衡計  れからHC1ガズを用い酸化気圏中で実際に塩化パイ焼 算を行ない,各元素の温度一HCLO23元系化学ポテ   を行なうと・生成安定化合物相としてCuCLが存在し・

ンシ+ル状態図を求めた。これらの結果一を図示すると  Cu,C12として塩化揮発するためには02ガス分圧を非常 態図についてC12−02系の場合と同様な考察検討を行 なってみると次のようになる。

 (1)Cu−IIC1−02系

 Cu−HC1−−02系を示すFig、6には, H20ガス・分圧 PH。。=1,0.01 at皿の場合も併せ図示した。これから PI12。が低くなるにつれて各生成物の安定領域は若干,

拡大するが,これらのポテンシャル状態図はPI董c白=0・」

の場合と殆ど差異のないことがわかる。そこで,PH担=

0.1の場合について説明すると次のようになる。図中・

一定塩化温度でHCIガス分圧,02ガス分圧と生成物の 関係を示すD面を最初考えてみた。これからCuC12相 の窒定領域は10−13atm以下の0コガス分圧では02ガス 分圧が高くなるに従って広くなるが,それ以上の02ガ ス分圧では 02ガス分圧に全く依存せず変化しないこ

(6)

に低くしてやる必要のあることがわかる回  (2)Zn−HC1−02系

 Z皿一HC1−02系を示すFig.7についても, Fig.6 の場合と同様な手法を用いて解析を行なった。最初、一 定塩化温度を示すD面を取上げZロCI2相の安定領域を

考えてみると,10−80atm以下の02ガス分圧ではガス分      o口        迂 圧が高くなるに従うてZnC』相の安定領域は広くなり,

      o O それ以下のO,ガス分圧では分圧に依存せず全く変化し       g

ら,ZnC12相の安定領域は温度が高くなるにつれて狭く z なることがわかる。銅の場合と同様に塩化パイ焼の実操  z

相であることが考察される。       LOGPO2

       Fig.8. Chem三eal Potenti口1 DiagTam for        Pb−Hα一〇25y5t㎝

      合と類似の傾向を示すものと予想される。そこでFeCl3       40  相の安定頗域を考えてみると,一定塩化温度を示すD面       距   で02ガス分圧が10魂atm以下では02ガス分圧が高       くなるにつれて拡大していき,モれ以上の02ガス分圧       2°8 では変化しないことがわかる。また一定O±ガス分圧を        。8  示すE面では,生成塩化物FeC』相とFeC12相の安定        1」 領域は温度が高くなるにつれていずれも次第に狭くなっ       o   て行くことが考察される。ついで,実際の塩化パイ焼条        10  件下での安定化台物を予想してみると酸化物Fe203相       が安定で,銅,亜鉛,鉛等の非鉄金属が塩化物として存          LOGPO

      J

Fig.7. Chemj¢丘l Pote皿ti皿1 Diagram for     Zn−HC1−02 sy5tem

 Pb−HCI−02系を示すとFig.8のようになり,

Fig.7とよく似たポテンシキル状態図を示すことから,

亜鉛の場合とほぼ同様な考察結果が得られた廿すなわ      20_

       o       o o

くなり,モれ以上の02ガス分圧では変化しないことが

      io わかる。ついで一定02ガス分圧を示すE面においては,

ていくことが示される・後最に・状態図から塩化パイ焼  晦曳α諏i皿1P。,。。緬D畑㎜r。『

の実操業条件下における安定化合物を温度やガス分圧等         Fe−HCLO2 sy8tem から考察してみると,PbCI2相であることがわかる。

 (4)Fe_HCI−02系       §4・各酸化物と生成塩化物の相互蘭係について  この系のポテンシヤル状態図はFig・9で示され・ガ   さきに,銅,鉄など種々の金属酸化物を塩化した際,

ス分圧と生成物間の相互関係はFig・6に示した銅の場   塩化条件によって生成する化合物相が異なることや,そ

(7)

       の非鉄金属は塩化物となり,選択塩化の可能性を容易に        推察することができる。また,この範囲のガス組成は工        業的にも実現可能な組成範囲にあることから,塩化温度        に応じてこのようなポテンシャル状態図を作れば,モの    10       可能性の検討に大いに役立つものと期待される。この選   「       択塩化頗域は塩化温度,生成塩化物の活量や1㌔Oガス   8       分圧などの諸因子によって変化することから,個々の因   窒       子による影響を調べてみた。まず塩化温度の影響から検        討してみると、塩化剤がCI2ガスの場合,塩化温度が        723℃から923℃と高くなるにつれて選択塩化領域は        若干Chガス分圧の低い側に移行して行くため,鉄と    一10       他元素の選択塩化は高温ほど低いCl2ガス分圧でよい        ことがわかる。しかし,塩化剤がHCIガスの場合,

        −1°L。G,。°  1°  72雷Cから92即Cと塩化温度欄くなる1・従って選       三       択塩化領域を維持するためにはHCIガス分圧を高くし

Fi訓

F:當麗1竪鴛蕊u跳 

てや秘要のある・とが考紺・る・これらの結果から        もわかるように,選択塩化領域は塩化温度のほか,C㌔

       ガスやHCIガスなどの塩化剤の種類によっても異なる        ことが見出される。このほか選択塩化領域に及ぼす生成        塩化物の活丑の影響は,すでにFig・5でも明らかにし        たように,活量の値が小さくなるにつれてその選択塩化    10

       領域はCl2ガス分圧の低い側に移行するようになる。

       また,H20ガス分圧の影響はFig.6でも示したように

  コ

       してくる。以上のような考察結果から実際に選択塩化処        理を考えた場合,H担ガス分圧は低いほどよく,生成塩        化物は速かに反応界面より除去するほど有利に選択塩化    一Io

       を促進することが出来るものと推論される。このほか.

       塩化剤としてCl2ガスを使用するときは塩化温度が高い         一10        0        10

      ・・GP。、    方が・さらにHC1ガスを使肘るとき{端ヒ雌が低

  Fig.11. Equilibriu皿Di㎎r且m for Cu, Zn,    い方が有利であることも併せ考察できる。

       Pb別1d Fe HCLO2 sy前em 証t     今まで選沢塩化の立場から種々考察してきたが,塩化

       723℃       物選撤化に肌て銅様1・撚することができる。

の安定領域を個々に検討した。そこでこれら酸化物が共  すなわち・選択塩化と逆の立場にある選択酸化の可能性 存した場合,各酸化物の選択塩化性や生成相の相互関係   は・得られた化学ポテンシャル状態図から同様に解析さ を明確にするため,塩化温度としてよく利用される  れる。

723℃の塩化温度を選び先に示した各元素の化学ポテン   乙のように,化学ポテンシャル状態図を作成すると塩 シキル状態図を切断し,これらの断面図を重ね合せて  化反応過程.選択塩化・また生成塩化物の選択酸化の可 考察してみた。切断から得られたlogP〔12−10gPo旦・.  能性が検討できるなど穂々の知見が得られ・塩化機構の 10gPIIc1−logP。,の化学ポテンシヤル状態図をFig.10,  解1斤に非常に有効であることがわかった。しかし・実際 Fig.11にそれぞれ示した。図中斜線で示した部分は,   の塩化バイ焼等の結果の解析にこれらの結果を利用する 鉄の酸化物,銅,亜鐙,鉛の塩化物の安定阻域を表わす  場合、このような平衡論的立場からの考堅結果のみでは 部分である。このような斜線で示される塩化条件を選ん  不十分であり.これに速度論的考察結果を併せ検討する でパイ焼を行なえぱ鉄は酸化物として,銅,亜鉛など他  必要があるものと考えられる。

(8)

§⊇ 括        ・)佐山惣吾・佐鯉司・昨継会臨84(1968)・

       388.

 低品位硫化肱や酸化鉱中に含まれている有価金属を塩    3) 岡元敬蔵,雄田安昭:鉄と銅・51(1965)・1779・

化物として塩化揮発する可能性を示すため,銅,亜鉛,    4)L・Lee鴨:J・Ir。n Steel Iロst 161・26(1955)・

⊇の酸化輪いて温度+・・及び齪一HC15)R,:欝衛F弓:⌒ 昭和36−15611 昭和

一〇2の3元系化学ポテンシャル状態図を作成した。こ    6) 吾要潔,後藤佐吉,斎蹟幸七:日本鉱業会秋季大 れから,塩化パイ焼過程を平衡論的立場から考察を行な     会,分科会資料(昭和38)[司16・

ったところ,温度やガス組成により生成する化合物の形    7)R.RPilgrim and T・Rjng「aham:Ca叫

警蕊欝漂:灘:雲8)1灘鶯鶯耀曇◎

選択塩化と選択酸化の可能性を考察し・その選択塩化領  9)H.Sh目f… Z・it. A…g・Ch・皿・259・53 域に及ぼす塩化温度,反応生成物の活量または平衡分     (1949).

匡濃憩鴎:驚;㍑慧:麗 1°)1撒iき濃蕊:!ぎ當麟

ついて得られた考察結果は・実操業条件の漸に非常に 11)H.H.K・11・99・J.M・t・1・.18B(195・)862・

有効であることを示した。       12)O.Kuba5chewski:Metallugical Thermoche−

       mistry,(1967),353.

         参 考 文 献

1) 大久保安威,石光章利:鉄と朗,58(1972),325.

参照

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