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2_【H30】はじめに~第1序章(P1~14)

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(1)

は じ め に

森林は、県土の保全、水源の涵養

かんよう

、保健・文化・教育的利用の場の提供、生物多様性の保

全、地球温暖化防止等の多面的機能の発揮を通じて、県民生活に安全と安心、潤いや豊かさを

提供するとともに、木材等の林産物の供給源として地域の経済活動と深く結びついています。

このため、無秩序な森林の伐採や開発は、森林の荒廃を招き、山崩れや風水害等による災害

を発生させる原因となります。また、無計画な伐採は森林資源を減少させ、安定的な林産物供

給の面でも大きな支障をきたすおそれがあります。森林の造成には長期の年月を要することか

ら、一旦このような状態になってから森林の機能の回復を図ることは容易でなく、地域の環

境・経済に大きな影響を及ぼします。

そのため、長期的な視点に立った計画的かつ適切な森林の整備・保全を推進することが必要

であることから、森林法において森林計画制度が定められています。

新潟県では森林計画制度に基づき、平成30年10月に策定された全国森林計画の施策の方向に

即しつつ、地域の特性に応じた森林の整備及び保全が適切に行われるよう、佐渡計画区で計画

策定、計画期間中に当たる下越、中越及び上越森林計画区で計画変更を行いました。

本計画書の構成は以下のとおりです。

「第1 序章」では、本計画の位置付けや森林・林業の概況、計画の策定・変更に当たっての

基本的な考え方などを示しています。

「第2 指針等」では、市町村が策定する市町村森林整備計画の規範として、森林の整備及び

保全に関する指針などを定めています。

「第3 佐渡森林計画区の計画量等(策定)」では、佐渡計画区の特性に応じた森林の整備及

び保全に関する基本方針や目標、計画量などを定めています。

「第4 下越、中越及び上越森林計画区の計画量等(変更)」では、全国森林計画の変更に伴

う各計画量及び林地の異動状況に伴う森林の区域などの計画事項を変更しています。

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1 計画の体系

地域森林計画は、全国に158箇所ある森林計画区ごとの民有林について、 都道府県知事が10年間を一期としてたてる計画で、新潟県は、下越、中越、 上越、佐渡の4つの森林計画区に区分されています。 県は地域森林計画において、全国森林計画に即し、森林関連施策の方向や 地域の特性に応じた望ましい森林の姿を目指し、そのために必要な整備・保 全の目標及び数量などについて定めます。これは、市町村森林整備計画を策 定するための指針となります。 また、『にいがた未来創造プラン』を最上位とする県の政策と土地利用に 関する計画等とも整合を図りながら、森林資源の利用促進により林業の振興 を図りつつ、森林の有する公益的機能を発揮させる循環型の地域社会づくり を目指します。

Ⅰ 地域森林計画の位置付け

【森林計画制度の体系】 (即して) 【新潟県の行政計画の体系】 (即して) 森林法第7条の2 国有林の森林整備等の目標 (10年計画:5年毎の策定) (適合して) (適合して) 変更命令・遵守命令 森林経営計画(森林所有者又は森林経営の受託者) 具体的かつ持続的に実施し得る森林経営の計画 (5年計画)【面的まとまりのある区域で計画】 (10年計画:5年毎の策定) ・伐採後の造林の状況報告 ・施業の勧告・措置命令 ・伐採又は伐採後の造林の計画の 森林法第11条 ・森林の土地所有者の届出 市町村の森林関連施策の方向、伐採・造林の指針 ・伐採及び伐採後の造林の届出 森林法第5条 地域別の森林計画(森林管理局長) 地 域 森 林 計 画 ( 都 道 府 県 知 事 ) 新 潟 県 農 林 水 産 業 施 策 推 進 計 画 計画区毎の資源管理目標、森林整備・保全の目標 にいがた未来創造プラン実現に向けた (10年計画:5年毎の策定)【全国158計画区】 推進計画 森林法第10条の5 市 町 村 森 林 整 備 計 画 ( 市 町 村 ) 森 林 所 有 者 に 対 す る 措 置 (15年計画:5年毎の策定)【44広域流域に区分】 森林・林業基本法第11条 森 林 ・ 林 業 基 本 計 画 ( 政 府 ) 長期的な森林・林業施策の方向・目標 (概ね5年毎の変更) 森林法第4条 全 国 森 林 計 画 ( 農 林 水 産 大 臣 ) に い が た 未 来 創 造 プ ラ ン 国レベルの森林・林業施策の方向、資源管理目標 県の最上位計画

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2 森林計画区及び計画期間

※各計画期間の前半5ヶ年を前期、後半5ヶ年を後期として区分します。

3 計画の策定と変更の時期

(1)策定 下越、中越、上越、佐渡の4つの森林計画区において、5年ごとに10 年間の計画を定めます。 (2) 変更 計画期間中に、現在の計画内容に変更が生じた場合、森林計画区ごとに 計画の変更を行います。 例えば、林地の異動、林木の成長、伐採・造林などに伴う森林の区域や 現況、関係法令の改正や経済事情などの変動に伴う目標、計画量、指針な どの変更がそれに当たります。

各森林計画区の計画期間

H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 H40 H41 後   期 5年 佐渡(H30・H35策定) 前   期 5年 下越(H26・H31策定) 前   期 後   期 5年 5年 上越(H27・H32策定) 前   期 後   期 5年 5年 中越(H29・H34策定) 前   期 後   期 5年 5年 計画区(樹立年) 計   画   期   間   (年度)

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1 本計画書の構成

本計画書では、4つの森林計画区の地域森林計画について、共通事項や個 別計画事項を整理し、以下の構成で記載しています。 本計画書では、「第1 序章」において本計画の位置付けや森林・林業の 概況、計画の策定・変更に当たっての基本的な考え方などを示し、「第2 指針等」において市町村森林整備計画の規範となる基本的事項や指針等につ いて定めたうえで、「第3 (第4)計画量等」において、森林計画区別の森林 の整備及び保全に関する目標及び計画期間内に到達すべき計画数量等を定め ることとします。

2 「にいがた未来創造プラン」等との関係

新潟県は、「にいがた未来創造プラン*」及び、その政策の方向をより具体 化した計画である「にいがたAFFリーディングプラン(新潟県農林水産業施 策推進計画)*」に基づいた取組を進めています。 このことから、地域森林計画の策定・変更に当たっては、県の施策と不整 合が生じないように調和を図りつつ、重視する機能に応じた適切な森林の整 備及び保全を通じて、健全な森林資源の維持増進を図ることとします。 「にいがた未来創造プラン」では、次の指標と目標を定めています。 章 名称 主な内容 対象計画区 第1 序章 基本的な考え方等 全計画区 各計画区の概況 第2 指針等 (共通事項) 市町村森林整備計画の規範 全計画区 第3 佐渡森林計画区の 計画量等(策定) 森林の区域、計画量等 策定計画区 計画箇所等 第4 下越、中越及び上 越森林計画区の計 画量等(変更) 森林の区域、計画量等 変更計画区 計画箇所等 第5 参考資料 森林・林業の概況・動向等 の参考資料 全計画区

Ⅱ 計画の策定・変更に当たっての基本的な考え方

*「にいがたAFFリーディ ングプラン(新潟県農林水産 業施策推進計画)」 「にいがた未来創造プラン」 で示した農林水産業の政策の 方向をより具体化した計画。 (期間は平成29年度から平成 32年度まで。) 指標名 中間(H32年度) 最終(H36年度) 区分 素材生産量 20万㎥/年 25万㎥/年 主要 県産きのこ生産の全国シェア 20% 20.5% 関連 *「にいがた未来創造プラ ン」 平成29年度策定の県政運 営の総合的・基本的な指針 となる最上位の行政計画。 (期間は平成29年度から平 成36年度まで。4年毎に 見直しを行う。)

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[参考]土地利用の現況 出典 区域面積: 全国都道府県市区町村別面積調 (H29.10.1現在。国土地理院) 林野面積以外 第127回 新潟県統計年鑑2016 (H28 .1.1現在。県統計課) 佐渡森林計画区包括市町村 市 佐渡市 粟島浦 佐渡 村上 関川 胎内 新発田 聖籠 新潟 阿賀野 糸魚川 上越 妙高 柏崎 津南 湯沢 南魚沼 十日町 小千谷 魚沼 刈羽 長岡 阿賀 加茂 三条 見附 出雲 崎 五泉 弥彦燕 田上 *褐色森林土 温帯から暖帯にかけて最も 多く分布する林野土壌。 *ポドソル 寒冷湿潤な地帯の針葉樹林 下に発達する土壌。 *グライ 低湿地などの地下にみられ る、青灰色の土。

1 計画を策定する計画区(佐渡)

(1)位置及び面積 佐渡森林計画区は信濃川広域流域に属し、新潟市の西方約45㎞の日本海 上に浮かぶ佐渡島の全域で、包括する市町村は佐渡市1市です。 総面積は85,566haで、そのうち森林面積が60,882ha(うち民有林 59.081ha)を占め、森林率は71%となっています。 (2)自然的背景 ア 地勢 本計画区は、中央部の国中平野を はさんで、北西側に金北山(1,172m) を始めとした標高500~1,000mの比 較的急峻な大佐渡山地、南東側には 標高500~600mの比較的なだらかな 小佐渡山地と二つの山地がありま す。これら山地と北東側の両津湾、 南西側の真野湾が国中平野を囲み、 佐渡島を形作っています。 海岸部は大佐渡山地の北西部に 二ッ亀、大野亀、平根崎、尖閣湾等 がつづく外海府海岸や、小佐渡南西部小木半島先端の南仙峡など、変化に 富む景勝海岸が続き、両津湾奥には砂州*によって閉塞された加茂湖があり ます。佐渡島の地形の特徴としては、ほぼ全域を通じて数段の海岸段丘*が 分布していることで、弾崎、二見半島、小木半島などがその典型的な地形 を示しています。 河川では、国中平野に流れ込む小河川を包流し真野湾に注ぐ国府川が島 内最大の河川で、その他大佐渡山地には大倉川、入川、石花川、長江川及 び梅津川等、小佐渡丘陵には、小川内川、羽茂川、及び久知川等の中小河 川がみられます。 イ 地質・土壌 地質は変質安山岩を主とする相川層群が大佐渡、小佐渡の山地に広く分 布して島の骨組を作っています。大佐渡山地の西側はほぼ相川層、真更川 層によって占められ、わずかに流紋岩、石英安山岩溶岩により占められ、 七谷層が国中平野に平行して帯状に分布しています。 小佐渡丘陵の西側は変質安山岩溶岩、相川層、安山岩溶岩が広がり、下 戸層が点在しています。小佐渡丘陵東側は、真更川層、流紋岩、粘板岩、 七谷層が複雑に散在し、小木半島には玄武岩が分布しています。 土壌の大部分は褐色森林土*が占めており、ほかにポドソル*、未熟土、 赤色土、暗赤色土およびグライ*からなっています。褐色森林土は主に新第 三系の安山岩を母材とした土壌が大部分で、赤色系、黄色系の分布は多く ありません。 *砂州 湾の入り口(湾口)に沿岸 流により運ばれた砂が堆積 し、対岸またはその付近まで に至った地形。内側には潟湖 ができる。 *海岸段丘 海岸に沿って平坦面と急崖 が階段状に配列している地形 大佐渡山地より真野湾を望む 林野 71.2%11.8%3.2% 宅地 2.5% その他 11.4% 85,569ha

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[参考]民有林資源内容 佐渡 県全体 人工林率(%) 21.8 24.9 天然林率(%) 72.5 63.9 材積/面積(㎥/ha) 人工林 398 435 天然林 128 128 ウ 気候 佐渡島は対馬暖流の影響を受ける海洋性の気候で、本州側と比較すると 寒暖の差が小さく、特に小佐渡南西部は温暖な気候です。また、県下の森 林計画区の中では年間降水量の合計(1,689~1,852㎜)、最深積雪深 (26㎝)が最も少ない地域です。 エ 森林の概況 本計画区の森林面積60,882haの うち、民有林は59,081ha、国有林 は1,800haを占め、民有林の主要樹 種の分布状況は、広葉樹が全体の約 7割、樹種ではコナラ、ミズナラが 多く、大佐渡山地にはブナの純林も わずかに見られます。 民有林を人工林、天然林別でみる と、人工林面積が12,876ha、天然 林面積が42,813haとなっており、 人工林率22%は県平均の25%を下回ってます。人工林は17齢級*以上の 割合が6%と県内で最も低く、間伐をはじめとした森林整備の推進が必要 です。針葉樹はスギ、ヒノキアスナロ(アテビ)*、アカマツ、クロマツ からなり、スギは大佐渡山地の県有林付近に一部天然生のものが散在しま す。 ヒノキアスナロ(アテビ)*は、面積的には少ないものの、県内で佐渡 にのみ天然林がみられ、風衝をさけた山陰の沢筋に散在し、植栽も行われ ています。 アカマツは国中平野をはさむ丘陵地に多く、他は海岸に面した林地及び 山腹上方から尾根筋に分布しています。クロマツは防風、防砂林として海 岸林に植栽されています。 民有林の総材積は10,611千㎥で、ha当たりの材積は180㎥と県平均の 190㎥を下回っています。 このうち針葉樹の材積は5,593千㎥で総材積の53%であり、ha当たり の平均材積は383㎥となっています。また、広葉樹の材積は5,019千㎥で 総材積の47%であり、ha当たりの材積は122㎥となっています。 オ 自然・歴史 佐 渡 島 は、大 佐 渡 山 地、外 海 府 海 岸、小佐渡の加茂湖及び小木半島等を 区域とする佐渡弥彦米山国定公園、並 びに小佐渡山地をほぼ網羅する小佐渡 県立自然公園に島面積の6割が指定さ れ、海岸部を中心とした景勝地に恵ま れています。加えて、国内希少野生動 物種であるトキの住む島として、その 生息環境の保全が図られています。 また、奈良・平安時代から、本州側 とは異なる特色ある歴史に培われた豊 かな文化が継承されてきました。社寺 をはじめとした歴史的建造物や、島内各地の舞台で上演される能などの伝 統芸能が現存しています。これら古い歴史に根ざした建造物や文化に加え て、平安時代に発見され、江戸時代には日本最大の金銀山として国内外の 経済に大きな影響を与えた佐渡金銀山にまつわる遺構が数多く分布し、島 [参考]計画区内の樹種別割合 ※過去5年間の平均、最大 出典 新潟地方気象台

Ⅲ 各森林計画区の概況

*ヒノキアスナロ(アテビ) 佐渡島に自生。ヒノキ科 アスナロ属、常緑針葉樹。 水湿、虫、菌に強く建築用 材として利用。 *齢級 林の年を一定(5年)の幅 にくくったもの。 [参考]針葉樹齢級配置 佐渡の天然スギ 佐渡市石名県有林の羽衣杉 佐渡金山(道遊の割戸) 佐渡市相川銀山町 スギ 18.1% アカマツ 4.8% クロマツ 0.1% カラマツ 0.003% その他 針 1.6% キリ 0.1% ブナ 0.1% その他 広 69.4% 竹林 1.5% 伐採跡 地 0.009% 草生地 4.2% 59,081ha 観測 点 年間降水 量(mm) 最深積 雪深 (cm) 平均気 温(℃) 新潟 1,881 80 14.0 長岡 2,436 145 13.6 高田 3,097 134 14.0 弾崎 1,736 - 13.4 相川 1,721 26 14.2 両津 1,689 - 13.9 羽茂 1,852 - 13.5 [参考]県内気候比較

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[参考]素材生産量(民有林) [参考]人口密度・高齢者率 佐渡 県 全体 第1次産業 20.2 5.9 第2次産業 16.8 28.9 第3次産業 62.7 65.2 人口 密度 (人/㎢) 高齢者 率(%) 佐 渡 H22 73 36.8 H27 67 40.3 県 H27 183 29.9 (3)社会経済的背景 ア 人口及び産業別就労者数 計 画 区 の 人 口 は 平 成27年 国 勢 調 査 で は、57,225人(H30.10月 末 55,559人)で県総人口2,304,264人の2.5%を占めており、人口密度は 67人/㎢と県全体を下回っています。 また、産業別就業者数は、第1次産業が5,862人(20.2%)、第2次産 業が4,885人(16.8%)、第3次産業が18,248人(62.7%)となってお り、産業別就業者割合は、県全体に比べ第1次産業の割合が高くなってい ます。 イ 交通網 本州側とは、両津-新潟、小木-直江津の2航路により結ばれ、最も便 数の多い両津-新潟間は、カーフェリーで2時間30分、ジェットフォイ ルで1時間5分の航程です。 島内には両津と小木を結ぶ国道350号線のほか、大佐渡、小佐渡の海岸 線一週道路及びこれらを縦断する県道、市道等が交錯しています。 ウ 地域産業の概要 産業別生産額は、第1次産業が69億8千万円(4.1%)、第2次産業が 275億6千万円(16.1%)、第3次産業が1,354億1千万円(79.1%)で、第 1次産業のうち林業は2億6千万円(0.2%)となっています。 エ 林業・林産業の概要 民有林の所有形態は私有林が約84%と大半を占めていますが、その保 有規模は小さく、5ha未満の森林所有者が81%と大部分を占めており、 20ha以上の森林所有者はわずか2%程度です。 素材生産量は約4千㎥と、県全体の3%程度となっています。近年の素 材生産の傾向は、島内の木材需要が低迷する中、行政支援のもと海上輸送 による島外の合板・製材工場への移出等が行われ増加傾向となっていま す。 製材工場は15の工場が新潟県木材組合連合会に登録しており、製材動 力の出力数100Kw以下、従業員10名以下の小規模工場が主体となってい ます。(平成29年度調べ) 森林組合は両津東部森林組合、新穂森林組合、佐渡森林組合、南佐渡森 林組合の4森林組合があり、島内林業の主な担い手となっています。 特用林産物は、乾しいたけの年間生産量が12t(平成29年度調べ)余り で、県内最大の生産地ですが、栽培者の高齢化、後継者不足等により年々 減少しています。 計画区の開設済みの林道総延長は 473㎞で、林道密度は8.0m/haとな り、県全体の5.4m/haを上回ってい ます。また、公道延長を含めた林内 道 路 密 度 も22.9m/haと 県 全 体 の 15.8m /haを 大 き く 上 回 っ て い ま [参考]産業別就労者率(単位:%) [参考]産業総生産額部門別割合 出典 平成27年国勢調査(総務省統計局) 出典 平成27年国勢調査(総務省統計局) 出典 平成27年新潟県市町村民経済 第1次産 業4.1% 第2次産 業16.1% 第3次産 業79.1%

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2 計画を変更する計画区(下越、中越、上越)

(1)下越森林計画区 下越森林計画区は、阿賀野川広域流域に属し、計画区の北東部に位置す る岩船地域や東蒲原地域は、林業生産活動が活発で、森林・林業が地域の 社会・経済に深く関わっている地域です。 また、計画区南部には新潟市があり、木材等の林産物の県内最大消費地 となっています。 ○下越森林計画区の森林・林業の主な特徴 ・人工林の割合が高い(30.1%) ・県内最大の木材生産地域 ・森林所有者の保有山林規模が比較的大きい ○計画区の概要 位 置:県の北東部 面 積:454,321ha 市町村:新潟市、村上市、新発田市、五泉市、阿賀野市、 胎内市、東蒲原郡阿賀町、北蒲原郡聖籠町、 岩船郡関川村、粟島浦村の10市町村 気 候:日本海側気候 平均気温 平野部~山間部で11.4~14.0℃ 平均降水量 平野部~山間部で1,610~2,499㎜前後 (新潟、新津、巻、津川、粟島、村上、下関、中条) 人 口:1,113.3千人(H30.1.1) 産 業:第1次5.0%、第2次24.5%、第3次67.5% (就労者率) ○森林・林業の概要 森林面積:民有林158,323ha、国有林147,515ha (森林率67.3%) 森林蓄積:民有林人工林22,519千m3 天然林12,942千m3 :49,574ha、保安林率31.3% 治山事業:28箇所 木材利用:素材生産量112千m3 県内69% (うち民有林101千m3 :6森林組合 林業機械:高性能林業機械41台 林道延長:908km、林道密度5.7m/ha :生しいたけ生産量654トン、なめこ122トン、 えのきたけ268トン [参考]土地利用の現況 [参考]針葉樹齢級配置 [参考]計画区内の樹種別割合 下越森林計画区包括市町村 [参考]素材生産量(民有林) 粟島浦 佐渡 村上 関川 胎内 新発田 聖籠 新潟 阿賀野 糸魚川 上越 妙高 柏崎 津南 湯沢 南魚沼 十日町 小千谷 魚沼 刈羽 長岡 阿賀 加茂 三条 見附 出雲 崎 五泉 弥彦 燕 田上

Ⅲ 各森林計画区の概況

林野 67.3%14.1%2.9% 宅地 4.8% その他 10.8% 454,321ha スギ 26.5% アカマツ 3.9% クロマツ 0.7% カラマツ 0.1% その他 針 0.2% キリ 0.1% ブナ 1.9% その他 広 59.2% 竹林 0.2% 伐採跡 0.03% 草生地 7.1% 158,323ha

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[参考]保安林面積 (2)中越森林計画区 中越森林計画区は、信濃川広域流域に属し、4計画区の中でもっとも広 い森林面積を有しますが、人工林の割合は23.3%で県平均24.9%を若干下 回っています。 冬期の多量の降雪が特徴的で、広く分布するブナをはじめとした天然林 は、貴重で豊かな自然を形成しており、水源涵養機能や山地災害防止等の 公益的機能の発揮が期待されています。 また、魚沼地方はきのこの生産活動が活発となっています。 ○中越森林計画区の森林・林業の主な特徴 ・県内一の森林面積を有する ・保安林面積が多い ・きのこの生産が盛ん ○計画区の概要 位 置:県の中央部 面 積:501,957ha 市町村:長岡市、三条市、柏崎市、小千谷市、加茂市、見附市、 燕市、十日町市、魚沼市、南魚沼市の10市、 西蒲原郡弥彦村、南蒲原郡田上町、三島郡出雲崎町、 刈羽郡刈羽村、南魚沼郡湯沢町、中魚沼郡津南町の6町村 気 候:日本海側気候、 平均気温 平野部~山間部で9.1~13.7℃、 平均降水量 平野部~山間部で2,042~3,056㎜前後 (長岡、三条、柏崎、小出、守門、十日町、湯沢、津南) 人 口:839.5千人(H30.1.1) 産 業:第1次5.9%、第2次33.4%、第3次59.6% (就労者率) ○森林・林業の概要 森林面積:民有林232,562ha、国有林104,750ha (森林率67.2%) 森林蓄積:民有林人工林23,258千m3 天然林18,516千m3 :65,993ha、保安林率28.4% 治山事業:53箇所 木材利用:素材生産量34千m3 県内21% (うち民有林25千m3 :8森林組合 林業機械:高性能林業機械10台 林道延長:1,052km、林道密度4.5m/ha [参考]針葉樹齢級配置 [参考]土地利用の現況 [参考]計画区内の樹種別割合 中越森林計画区包括市町村 粟島浦 佐渡 村上 関川 胎内 新発田 聖籠 新潟 阿賀野 糸魚川 上越 妙高 柏崎 津南 湯沢 南魚沼 十日町 小千谷 魚沼 刈羽 長岡 阿賀 加茂 三条 見附 出雲 崎 五泉 弥彦 燕 田上 林野 67.2%12.4%2.9% 宅地 3.8% その他 13.8% 501,957ha スギ 22.6% アカマツ 0.1% クロマツ 0.1% カラマツ 0.1% その他 針 0.3% キリ 0.15% ブナ 2.3% その他 広 61.0% 竹林 0.14% 伐採跡 地 0.01% 草生地 13.1% 232,562ha

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(3)上越森林計画区 上越森林計画区は、信濃川広域流域に属し、県の南西部に位置しており、 豊かな自然や多くの景勝地に恵まれています。 人工林の割合は、県平均を若干下回っており、一部で林業が盛んな地域が あるものの素材生産量は多くありません。 また、地形が脆弱であることなどから地すべり多発地帯となっています。 ○上越森林計画区の森林・林業の主な特徴 ・妙高山麓が森林セラピー基地・ロードに認定されるなど、森林の保 健、レクリエーション的な活用が活発 ・国内でも有数の地すべり多発地帯 ○計画区の概要 位 置:県の南西部 面 積:216,568ha 市町村:上越市、妙高市、糸魚川市の3市 気 候:日本海側気候、 平均気温 平野部~山間部で11.8~14.5℃、 平均降水量 平野部~山間部で1,879~3,360㎜前後 (大潟、安塚、高田、関山、能生、糸魚川) 人 口:272.0千人(H30.1.1) 産 業:第1次5.3%、第2次30.4%、第3次63.2% (就労者率) ○森林・林業の概要 森林面積:民有林115,166ha、国有林37,416ha (森林率70.5%) 森林蓄積:民有林人工林10,359千m3 天然林 9,340千m3 :30,821ha、保安林率26.8% 治山事業:40箇所 木材利用:素材生産量12千m3 県内8% (うち民有林12千m3 :4森林組合 林業機械:高性能林業機械7台 林道延長:610m、林道密度5.3m/ha :生しいたけ生産量368トン、なめこ108トン えのきたけ3,062トン 粟島浦 佐渡 村上 関川 胎内 新発田 聖籠 新潟 阿賀野 糸魚川 上越 妙高 柏崎 津南 湯沢 南魚沼 十日町 小千谷 魚沼 刈羽 長岡 阿賀 加茂 三条 見附 出雲 崎 五泉 弥彦 燕 田上 [参考]土地利用の現況 [参考]針葉樹齢級配置 [参考]計画区内の樹種別割合 上越森林計画区包括市町村 林野 70.5%10.5%2.0% 宅地 3.4% その他 13.7% 216,568ha スギ 21.1% アカマツ 0.7% クロマツ0.2% カラマツ 0.7% その他 針 0.2% キリ 0.1% ブナ 2.5% その他 広 59.1% 竹林 0.1% 伐採跡 地 0.015% 草生地 15.2% 115,166ha [参考] 林野庁所管地すべり危険個所面積

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1 森林の整備及び保全に関する基本的な事項

(1)森林の整備及び保全の基本方針 森林の整備及び保全に当たっては、全国森林計画に定められた施策 の方向等の基本的な事項に即しつつ、本県における計画策定の基本的な 考え方や森林計画区の概況を踏まえて、森林の有する①水源涵養か ん よ う、②山 地災害防止/土壌保全、③快適環境形成、④保健・レクリエーション、 ⑤文化、⑥生物多様性保全、⑦地球環境保全機能、⑧木材等生産の各機 能のうち、重視する機能(重複可)を高度に発揮させるよう望ましい森 林の状態を目指した適切な森林施業を実施することとします。 なお、森林の有する8つの機能と機能別の基本的事項を以下のとおり 定めます。 機能の区分 主な働き 望ましい森林の状態 ①水源涵養かんよう機能 土壌への降水や融雪水の浸透 を 促 進 す る こ と な ど に よ り、 ピーク流量を低減して洪水を調 節するとともに渇水を緩和する 働き 下層植生とともに樹木の 根 が 発 達 す る こ と に よ り、水 を 蓄 え る す き 間 に 富 ん だ 浸 透・保 水 能 力 の 高い森林土壌を有してい る ②山地災害防止/土 壌保全機能 自然現象等による山地災害の 発生を防止する働き 下層植生が生育するため の 空 間 が 確 保 さ れ、適 度 な 光 が 射 し 込 み、下 層 植 生とともに樹木の根が深 く広く発達した土壌を保 持している ③快 適 環 境 形 成 機 能 自然現象等による飛砂、潮害 等を防止するとともに、風や騒 音 な ど の 調 節、大 気 の 浄 化 な ど、快適な生活環境を保全・形 成する働き 樹高が高く枝葉が多く 茂っているなど遮へい能 力や汚染物質の吸着能力 等 が 高 く、諸 被 害 に 対 す る抵抗性が高い ④保健・レクリエー ション機能 森林とのふれあいを通じて、 憩いや学びの場を提供する働き 多 様 な 樹 種 等 か ら な り、住 民 等 に 憩 い と 学 び の場を提供している ⑤文化機能 森 林 の 景 観 等 を 通 じ て、歴 史、文化、学術等の振興に寄与 する働き 史 跡・名 勝 等 と 一 体 と なって潤いのある自然景 観や歴史的風致を有して いる ①水を育むブナ林 (南魚沼市) ②山地災害防止が期待され る森林(津南町) ③飛砂や潮害から集落・農 地を守るマツ林(長岡市) ④森林セラピーとして活用 されるブナ林(津南町) ⑤佐渡金山(道遊の割戸) (佐渡市)

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なお、「2(4)公益的機能別施業森林等に関する事項」における「公 益的機能別施業森林」及び「木材の生産機能の維持増進を図るための 森林施業を推進すべき森林」の区域の設定にあたっては、上記の機能 を参考にして定めることとします。 (2)森林の整備及び保全の目標 「(1)基本方針」における機能ごとの望ましい森林の状態へ誘導する ため、育成のための人為の程度、単層・複層という森林の階層構造に 着目した森林の状態(林型)を3区分し以下のとおり定めます。 これを踏まえ、計画期間において到達し、かつ保持すべき林型及び 森林資源の状態を以下のとおり定めます。 ⑥生物多様性保全機 能 森林生態系を構成する多様な 生物の生育・生息の場を提供す る働きで、全ての森林が有する 多 様 な 生 物 が 生 育・生 息 で き る、安 定 し た 森 林 生態系が形成されている ⑦地球環境保全機能 二酸化炭素の固定、蒸散発散 作用等が保たれることによって 発揮される働きで、全ての森林 が有しており、特定の地域のみ で発揮されるものでない 県域を超えた広範囲に わ た る 森 林 の 働 き に よ り、気象・気候等の良好な 環境が維持されている ⑧木材等生産機能 木材等の林産物を持続的、安 定的かつ効率的に供給する働き 林木の生育に適した土 壌 を 有 し、木 材 等 と し て 利用するうえで良好な樹 木 に よ り 構 成 さ れ、成 長 量が比較的高い 林型 林型の解説 育成単層林 森林を構成する林木を皆伐により伐採し、人為*により単一の樹冠層 が成立・維持される森林 例えば、植栽によるスギ等からなる森林 育成複層林 森林を構成する林木を帯状若しくは群状又は単木で伐採し、人為によ り一定の範囲又は同一空間において複数の樹冠層*が成立・維持される 森林 例えば、針葉樹を上木とし広葉樹を下木とする森林 天然生林 主として天然力*を活用することにより成立・維持される森林 例えば、天然更新によるコナラ、ミズナラ、ブナ等からなる森林 ⑥トキの生息する森林 (佐渡市) ⑧スギ人工林から木材生産 (上越市) *人為 植栽、更新補助(天然下種 更 新 の た め の 地 表 か き お こ し、刈 払 い 等)、芽 か き、下 刈、除伐、間伐等の保育等の 作業を総称したもの。 *樹冠層 樹 木 の 枝、葉 の 集 ま っ た 層。樹齢や樹種の違いから林 木の高さが異なることにより 生じるもの。 *天然力 自然に散布された種子が発

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イ 現況が育成複層林となっている森林については、公益的機能の発揮の ため引き続き育成複層林として維持することを基本とします。 ウ 現況が天然生林となっている森林のうち、下層植生等の状況から公益 的機能の発揮のために継続的な維持・管理が必要な森林等については育成 複層林に誘導することとし、その他の森林で、特に原生的な森林生態系や 希少な生物が生育・生息する森林等については、自然の推移に委ねること を基本とします。

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2 森林の整備に関する事項

「1 森林の整備及び保全に関する基本的な事項」を踏まえ、森林整備の 標準的な方法その他森林整備の指針となる事項を以下のとおり定めま す。 (1)主伐に関する事項 主伐については、更新*を伴う伐採であり、その方法については特に 注意を必要とします。主伐にあたっては、あらかじめ伐採後の適切な 更新の方法を定め、その方法を勘案して伐採を行うものとします。 特に、伐採後の更新を天然更新による場合には、天然稚樹の生育状 況、母樹となる木の保存、種子の結実周期等に配慮し、自然条件が劣 悪なため更新の確保が困難と予想される森林にあっては、主伐を見合 わせるか、伐採方法を択伐によるものとします。 また、木材生産機能の発揮が期待され、将来にわたり育成単層林と して維持する森林等においては、主伐後の植栽及び保育等を推進する こととします。 ⅰ 主伐の標準的な方法に関する指針 主伐の標準的な方法は以下のとおりとし、特定の森林においてどの 伐採方法を妥当とするかは、市町村森林整備計画に定める公益的機能 別施業森林の区域等を参考に決定するものとします。 伐採方法 標準的な方法 皆伐* (基礎的事項) 傾斜が急なところ、風害・雪害・潮害等の気象害があるところは 避け、確実に更新が図られるところで行うものとします。公益的機 能の発揮及び森林生産力の維持増進に考慮して伐採箇所の分散に努 め、1箇所あたりの伐採面積を適切な規模におさえるとともに、伐 採跡地が連続することがないよう、伐採跡地間には少なくとも周辺 森林の成木の樹高程度の幅の森林を確保するものとします。 (保護樹帯*の設置) 渓流周辺や尾根筋等をはじめ、気象害やなだれの防止、風致の維 持及び生物多様性の保全のため必要がある場合には、所要の保護樹 帯*を設けることとします。 (伐採後の更新方法別の注意事項) 伐採後の更新を天然下種更新*による場合には、種子の供給を確 保するため伐区の形状、母樹*の保存等について配慮します。 伐採後の更新を萌芽更新*による場合には、優良な萌芽を発生さ せるため、樹木が成長を休止する10月から3月の間に伐採を実施 します。 *更新 伐採により生じた無立木 地(伐採跡地)が再び立木 地となること。 *皆伐 主伐の一種で、森林の立 木を一時に全部または大部 分伐採する方法。 *保護樹帯 一帯の森林を維持するた めに保護すべき森林の区 域。 *天然下種更新 天然に散布した種により 後継の森林を育成する方 法。 *母樹 優良な形質を持った種子 や穂木などを採取する樹 木。 *萌芽更新 林木を伐採した後の株か ら発生するぼう芽を成長さ せて林を更新する方法。

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ⅱ 立木の標準伐期齢*に関する指針 立木の標準伐期齢については、その樹種の平均成長量*が最大となる 林齢を基準に、森林の有する公益的機能、既往の平均的な伐採齢及び地 域内の森林の構成を勘案して定めるものです。 主要樹種ごとの標準伐期齢の目安は下表のとおりとし、これを指針と して、市町村森林整備計画において定めることとします。 (参考)樹種別の標準伐期齢の目安 なお、標準伐期齢は、地域における標準的な立木の伐採(主伐)の時 期に関する指標として定められるものですが、その林齢に達した時点で の森林の伐採を促すものではありません。 樹 種 地区 * * 新潟県 全 域 45 40 40 60 70 20 択伐* (基礎的事項) 単木又は帯状・群状を単位として、伐採区域全体ではおおむね均 等な割合になるように伐採を行うものであり、材積による伐採率が 30%以下(伐採後の更新を植栽による場合には40%以下)を超 えないものとします。 (伐採方法別の注意事項) 単木的な択伐を実施する場合には、下層木に十分な光が当たり、 かつ森林資源を枯渇させることのないよう、適正な材積伐採率と繰 り返し期間で実施します。 帯状の択伐を実施する場合には、伐採の幅を10m未満、群状の 択伐を実施する場合には、1スポットあたりの伐採面積を0.05ha 未満に抑えることとします。 *択伐 主伐の一種で、森林内の成 熟木を計画的に繰り返し抜 き伐りする方法。 *標準伐期齢 森林生産力が最も高度に発 揮される伐採の時期として 設定する林齢。制限林の伐 採規制や森林経営計画の認 定基準等に用いられる。 *平均成長量 林木の体積(総成長量)を その時点の林齢で割った 値。一般に、樹木の成長は 若いうちは速く、成熟する とゆるやかになるため、平 均成長量は山型のカーブを 描く。 *用材林広葉樹 主に製材、合板用材等に 利用される広葉樹。 平 均 成 長 量 林齢

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(2)造林に関する事項 造林については、裸地状態を早期に解消することを目的に行うものであ り、その方法は人工造林又は天然更新によるものとします。 また、更新に当たっては、花粉の少ない森林への転換に向けて、花粉症対 策に資する苗木の植栽、針広混交林への誘導等に努めることとします。 ⅰ人工造林に関する指針 人工造林は、植栽によらなければ適確な更新が困難な森林や、公益的機能 の発揮の必要性から伐採後早期に更新を行うことが適当である森林のほか、 木材生産機能の発揮が期待され、将来にわたり育成単層林として維持する森 林において行うこととします。 人工造林にあたっては、適地適木を旨とし、郷土樹種*など現地の自然条 件に適合するとともに木材需要にも配慮した樹種、花粉症対策に資する苗木 の選定や、技術的合理性に基づいた本数の苗木の植栽に加え、造林の効率的 な作業システムの導入に努めることとします。 人工造林をすべき期間は、森林の有する公益的機能の早期回復及び森林資 源の維持造成を図るため、皆伐による場合は伐採が終了した日を含む年度の 翌年度の初日から起算して2年以内、択伐による場合は伐採が終了した日を 含む年度の翌年度の初日から起算して5年以内とします。 人工造林の対象樹種、標準的な植栽本数及び植栽方法については、下表を 参考に市町村森林整備計画において定めることとします。 (参考)標準的な造林樹種と植栽本数 (参考)人工造林の標準的な方法 樹 種 標準的な植栽本数 備考 スギ 2,000~2,500本/ha 4,900~6,400本/ha 海岸林造成の場合 アカマツ、クロマツ 2,000~2,500本/ha 上記以外 カラマツ 2,000本/ha ヒノキ、ヒノキアスナロ* 2,000~2,500本/ha キリ 200 ~ 300本/ha ブナ、ケヤキ、ナラ類、カエデ類 2,500~3,000本/ha 区分 標準的な方法 地拵え* 方法 全刈筋置きを原則としますが、傾斜が30度以上の急傾斜地において は等高線沿いの筋刈り(筋状地拵え)とし、林地の保全に努めます。 積雪の移動が植栽木に損傷を与えることが予想される場合は、階段 切り付けを行います。 植え付けの 方法 下刈り等の保育作業の効率を考え、全刈地拵えの場合は正方形植え を標準とします。筋状地拵えの場合は、等高線に沿ってできるだけ筋 を通して植え付けます。 植え付けの 時期 ます。降雪まで3週間以上の期間をとれる時期に植え付けます。 春は雪消えが遅く植え付け適期が短いことから、秋植えを標準とし *針広混交林 針葉樹と広葉樹が混生す る森林 *郷土樹種 その土地にもともと生育 している樹種。 *ヒノキアスナロ 別名ヒバ、アテビ等。 *地拵え 人工造林の準備作業。造 林地にある雑草木を刈払 い、伐採木の枝葉などを取 り除いて苗木の植え付けに 適するように整理するこ と。

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なお、スギの造林適地は傾斜25度以下で最深積雪2.0m以下です。ただ し、傾斜25度以下で積雪が2.0m以上の区域では雪が多くなるほど成育条 件(地位*)が要求されます。また、20年生までに植栽木の樹高が平均最深 積雪の2.5倍に達することが見込めない土地*や、傾斜が35度以上の土地に あっては、雪害のため標準的な人工造林の方法による更新は困難です。こ のような土地に人工造林を行うことは、極力避けることとします。 ⅱ 天然更新に関する指針 天然更新は、気候、地形、土壌等の自然条件及び林業技術体系からみ て、天然力の活用により適確な更新が図られることが確実な森林において 行うこととします。 天然更新には、主に根株からの更新を期待する萌芽更新と、主に実生 (種子から発芽した幼稚樹)による更新を期待する天然下種更新とがあり ます。 更新の方法を天然更新とする場合は、現地の状況を継続的に観察し、必 要に応じて天然更新補助作業を行います。天然更新補助作業の標準的な方 法は、下表を参考に市町村森林整備計画において定めることとします。 (参考)天然更新補助作業の標準的な方法 い 天天然更新をすべき期間は、森林の有する公益的機能の早期回復を図るた め、伐採が終了した日を含む年度の翌年度の初日から起算して5年を経過 する日までとします。 天然更新完了基準については、「新潟県天然更新完了基準書」及び「新潟 県天然更新完了基準解説書」に基づき、下表の内容を市町村森林整備計画 において定めることで、適切に更新完了の判断を行うこととします。 新潟県天然更新完了基準 区分 対象 標準的な方法 芽かき 萌芽更新 萌芽枝の成長に優劣が出てくる6~8年目頃 に、最初の整理を行います。萌芽枝は、「根萌 芽*」を中心に発生位置の低い形質の良い優勢な ものを残し、1株当たり4本以内、ha当たり 5,000~6,000本を目標にします。 かき起こし (地表処理) 天然下種更新 ササの繁茂や枝葉の堆積により更新が阻害さ れている箇所について、重機等により堆積物の 除去及び地表の掻き起こしを行います。更新対 象樹種の種子が接地・発芽できる環境を整え、 稚樹の定着を促進します。 刈り出し 共通 ササなどの下層植生によって天然稚樹の生育が阻害されている箇所について、稚樹の周囲を 刈り払い、稚樹の成長を促進します。 植え込み (補植) 共通 更新の不十分な箇所について、経営目標に適した樹種を選定し、植栽を行います。 区分 内 容 更新 対象地 ① 伐採及び伐採後の造林の届出書において天然更新を計画した伐採跡地 ② 森林経営計画において天然更新を実施予定とする伐採跡地 ③ その他天然更新による更新の完了を判定する必要がある伐採跡地等 更新対象地の伐採が終了した日を含む年度の翌年度の初日から起算して *地位 林地の材積生産力 *20年生までに…見込めない 土地 『新潟のスギ』(平成7年12 月スギ特性調査検討会)によ る。周辺の造林地の状態及び 地位指数曲線から樹高を推 定。 *根萌芽 萌芽枝のうち根より発生し たもの。 *立木度 当該林分の林齢に対応する 期待成立本数に対する現在の 林分の立木本数割合

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その他、天然更新の完了を判断するうえでの更新樹種の選定や調査手 法、更新に関する指導等、具体的事項については、「新潟県天然更新完 了基準書」及び「新潟県天然更新完了基準解説書」を参考に、市町村森林 整備計画等において定めることで、適正な更新を図ることとします。 ※ 萌芽能力については、「広葉樹施業の生態学」谷本丈夫著及び「天然更新完了基準書作 成の手引き(解説編)」林野庁作成による。 ◯:萌芽更新が期待できる ×:萌芽更新が期待できない 「空欄」:データなし ※ 新潟県が過去に実施した「森林資源モニタリング調査*」や図鑑等において確認される、 新潟県内に生育する樹種のうち、高木性の樹種を五十音順に並べている。 ⅲ 植栽によらなければ適確な更新が困難な森林に関する指針 人工造林により造成された森林のうち、林内に萌芽による幼稚樹が存 在しない、又は周辺に種子を供給する母樹が存在しない場合や、周辺に 天然更新の完了が困難な伐採跡地がある場合には、天然更新が期待でき ず、更新の方法を植栽によらなければ長期間にわたって更新が図られな いおそれがあります。 市町村森林整備計画においては、このような森林を「植栽によらなけ れば適確な更新が困難な森林」とし、その所在を定めることとします。 新潟県における主な更新樹種 *森林資源モニタリング調査 持続可能な森林経営の推 進に資する観点から、森林 の状態とその変化の動向を 全国で統一した手法に基づ き把握・評価する調査で、県 内約300箇所の定点調査地 を5年で一巡。

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(3)保育及び間伐に関する事項 保育及び間伐については、森林の多面的機能を高めることを目的とし て行うものであり、これまで造成されてきた人工林、及び公益的機能の 発揮が高度に期待されている森林を対象に、森林を健全で活力ある状態 で維持していくために行うものとします。 ⅰ 保育の標準的な方法に関する指針 下表に示す内容を参考に、地域の特性を勘案しつつ、市町村森林整備 計画において保育の標準的な方法を定めることとします。 間伐及び保育の実施にあたっては、森林の生物多様性の観点から、野 生生物の営巣、餌場、隠れ場として重要な空洞木や枯損木の配置に配慮 し、目的樹種以外の樹種であっても目的樹種の成長を妨げないものにつ いては保残に努めることとします。 (参考1)保育の標準的な方法 保育の 種類 実施 林齢 実施 回数 標準的な方法 対象 樹種 根踏み 2年生 1回 積雪の移動や風等により造林木の根 が浮き、根抜けによる枯損が懸念され る場合に実施します。 植栽の翌年の融雪直後に、植え付け た苗の周辺を足でよく踏みつけます。 全樹種 下刈り 2~7 年生 1~2回/ 年 造林木の樹高が雑草木の1.5倍程度 になるまで毎年実施します。 造林木の周辺を刈払い、成長の妨げ となる雑草木を除きます。雑草木の繁 茂が著しい場合は、3年生までは年2 回(6月上旬と8月上旬)とすること が望ましく、それ以降は年1回(6~7 月)とします。 全樹種 雪起こし 4~15年生 1回/年 積雪の移動により発生する倒木及び 斜立木を、わら縄等を用いて引き起こ します。 樹高が2mを超える頃から開始し、 平 均 積 雪 深 の2.5倍 程 度 に 達 す る ま で、毎年融雪直後に行います。 造林木の成長が盛んになる5月頃ま でに作業を終えられない場合は、作業 効果が低下するので実施を見合わせま す。 スギ ヒノキ その他針

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(参考2)施業体系図(大径一般施業・地位Ⅳ の場合) ※『収穫予想表』(昭和55年3月 新潟県農林水産部治山課)から抜粋。 枝打ち 11~30 年生 1~3回 良質材の生産や病虫害・雪害の防除 を目的に枝を切り落とします。 樹高6mの頃に初回(枝下高2m)を 行い、その後樹高が2~3m増すごとに 繰り返し行います。作業効率を重視 し、原則として除伐又は間伐の実施後 に行います。 枝下高が生産目標の高さに達するま でを目安に実施しますが、枝下高が樹 高の1/2を超えないように注意しま す。 スギ ヒノキ その他針 つる切り 随時 適宜 造林木に巻き付くつる類を取り除く 作業です。林齢に関係なく、必要によ り実施します。 全樹種 本数(本) (m) 立地条件 地位 Ⅳ 生産目標 一般大径材 苗木の選定 地元優良品種 植栽本数 2,500本/ha 2 7年生 14 必要に応じて 12 21 28 63 30 30 30 20.4 31.7 70 21.0 32.4 80 22.1 33.4 21.6 75 32.9 221 11.0 15.9 6.0 9.0 12.5 50 8.5 477 17.9 26.6 40 22.2 45 40 325 30 施業基準 5 枝 打 ち 林 齢(年) 見込 保 育 基 準 5 率 (%) 直 径(㎝) 間 伐 樹 高(m) 胸高直径(㎝) 枝 下 高(m) 19.3 16.9 15.6 25.6 12.7 19.3 25 11.0 15.9 30 12.7 6.7 林 齢(年) 除 伐 701 4.1 10 6.8 本 数 6.7 10.2 20 樹 高(m) 10.2 2.0 4.0 12.5 2,500 雪 起 し 下 刈 つ る 切 2,000 1,000 9.0 25 20 15 10 3 35 14.3 20.9 15 60 19.7 28.3 55 18.8 27.5 65 2474 2336 1635 1591 1113 1082 757 737 516 512

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ⅱ 間伐の標準的な方法に関する指針 間伐とは、林冠がうっ閉(ぺい)*し、立木間の競争が生じ始めた森林に おいて、主に目的樹種の一部を伐る伐採の方法であって、伐採後一定の期 間内に再び林冠がうっ閉するものをいいます。 間伐は、森林資源の質的向上を図りつつ適度な下層植生を有する適正な 林分構造が維持されるよう、適切な伐採率*により適期に繰り返し行うも のとし、下表を参考に市町村森林整備計画において間伐の標準的な方法を 定めることとします。 (参考)人工林において行う間伐の標準的な時期と方法 ⅲ その他必要な事項 ア 間伐の目安となる収量比数(Ry)* 林木の生育状況により、実際に間伐が必要となる時期は森林によって 異なります。前項の標準的な時期と方法によらず間伐を実施する場合に は、下記の収量比数を目安とします。 (参考1)「裏東北・北陸地方スギ林分密度管理図」を基にした間伐の実施 方法 林齢区分 実施時期 標準的な方法 うっ閉してから標 準伐期齢に達する までの期間 5~10年に 1回 本数伐採率を20~30%程度とし、 雪害木、樹幹の不整木等から順に選定し 伐採します。 標準伐期齢を超え てから主伐までの 期間 10~20年に 1回 本数伐採率を30~40%程度とし、 材としての利用も視野に入れながら伐採 木を選定する。伐採木の搬出効率を考慮 し つ つ、残 存 木 の 適 正 配 置 を 確 保 し ま す。 区分 収量比数 解 説 間伐の実施時期の目 安 Ry0.65~ 0.7 収量比数が左の値を維持するように間伐 を実施することを標準とします。 間伐1回あたりの伐 採材積の目安 Ry≦0.15 間伐1回あたりの伐採量(材積)は左記の 程度に抑え、林内の急激な環境変化を避け ます。 *うっ閉(ぺい) 隣り合う立木の枝葉が触 れあって、日光が直接地面 まで届かなくなるような状 態になること。 *適切な伐採率 森林経営計画の認定基準 として、森林法施行規則第 38条第3項に定められてい る間伐の基準は以下のとお り。 「 材積に係る伐採率が 35%以下であり、かつ、 伐採が終了した日を含む年 度の翌年度の初日から起算 しておおむね5年後におい て、その森林の樹冠疎密度 が10分の8以上に回復す ることが確実であると認め られる範囲内で実施 」 *収量比数(Ry) ある林分において、同じ 樹高・樹種の時に理論上と りうる最大の材積に対して 実際の材積がいくらあるか を示す数値。林の混み具合 を表す指標となる。

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(参考2)「裏東北・北陸地方スギ林分密度管理図」 【図の見方】(P27.(参考2)の大径一般施業・地位Ⅳを行った場合) 1 2,500本/ha植栽の場合、樹高10m程度の頃にRyが0.65を超え る(➀)(このとき成立本数2,340本/ha程度(図①‘)、幹材積 173㎥/ha程度(図➀’‘))。この時期に初回の間伐を実施し、残存 本数を1,640本/ha程度(図②‘)、幹材積142㎥/ha程度(図②’‘) とする(このとき材積に係る伐採率は18%程度で、国が示す基準 35%以下である)。 2 樹高12m程度に達した頃に再びRyが0.65を超えるので(図③)、 2回目の間伐を実施し(このとき成立本数1,590本/ha程度(図 ③‘)、幹材積241㎥/ha程度(図③’‘))、残存本数を1,110本/ha 程度(図④’)、幹材積198㎥/ha程度(図④‘’)とする(このとき 材積に係る伐採率は18%程度で、国が示す基準35%以下である)。 3 同様に、樹高成長にしたがって間伐実施を繰り返し、生産目標に 応じた林分へ誘導する。 4 樹高成長が早ければ間伐実施の間隔は短く、遅ければ間隔は長く なる。 イ 複層林施業の方法に関する指針 複層林の造成にあたっては、林齢が標準伐期齢に達した森林について 択伐を実施して、下層木を導入する方法をとります。 スギ等の人工林を対象とする場合は、以下の点に注意します。 複層林施業における注意事項(人工林の場合) ・ 少雪地域の森林を対象とします。 ・ 風害や冠雪害に強い複層林を造成するために、残す上層木の形状比*を70以下 に保つよう注意します。 ・ 下層木の生育を考慮し、上層木の立木密度は林床の相対照度が40%以上とな るように管理します。 ・ 下層木の植栽樹種は、耐陰性*の強い樹種を用います。 *形状比 樹高を胸高直径で除した数 値のことで、樹木の太り具合 の指標となるもの。 *耐陰性 林内など日光の少ない条件 下でも育つ性質。 2,500本/ha Ry=0.65 ➀ ② ③ ④ ④'' ②'' ➀'' ➀' ②' ③' ④' (㎥/ha) 20 100 200 300 500 1,000 ③''

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広葉樹等の天然生林を対象とする場合は、以下の点に注意します。 ウ 海岸マツ林の施業方法に関する指針 海岸マツ林の前線部は、最も海岸に近く自然の脅威と直接対峙してい る場所であるので、この林分では間伐などの施業を行わず、飛砂や潮風 等が林内に侵入するのを最小限に抑えるように留意します。また、海岸 マツ林を保護するために、防風工などを施工します。 前線部に続く林帯は、前線部によって厳しい環境から守られ、比較的 林木の成長が良好となります。この林分は最も防災機能が発揮される場 所でもあるので、環境保全機能が向上するように適正な密度管理を行い ます。 防災機能を十分に発揮している海岸マツ林の内陸側の林帯は、前方の 林帯に守られて、環境条件も安定してきます。この林分では常緑広葉樹 や「にいがた千年松」(松くい虫抵抗性マツ)などの導入も考慮し、松 くい虫被害に対応した森林に改善するとともに、保健休養林としての機 能も発揮させます。 エ 広葉樹施業の方法に関する指針 特定樹種の育成を目的とする場合には、対象樹種(以下「特定広葉 樹」という。)は、地域独自の景観、多様な生物の生育・生息環境を形 成する森林を構成する郷土樹種の中から、目的に応じて幅広く市町村森 林整備計画において指定します。具体的には、ブナ、ミズナラ、コナ ラ、ホオノキ、トチノキ、キハダなどがあります。 特定広葉樹が優勢となる森林を造成するために、必要に応じ刈り出 し、植栽等の更新補助作業を行います。さらに、特定広葉樹の生育に必 要な下刈り、除伐等の保育を実施します。 また、特定広葉樹が優勢である状態を維持するため、伐採について は、常に特定広葉樹の立木の蓄積が一定以上に維持される範囲において 行うものとし、特定広葉樹以外の樹種については伐採を促します。 水源涵養か ん よ う機能及び山地災害防止/土壌保全の維持増進を目的とする場 合には、特定の樹種にこだわらず、低木層や下層植生のよく発達した老 齢段階の森林*への誘導を図ることを基本とします。 複層林施業における注意事項(天然生林の場合) ・ 樹冠疎密度*や蓄積から整備が必要な森林を判断します。 ・ 整備が必要な広葉樹林については、主に上層間伐を行って上層木の密 度緩和を図るとともに、低木層の充実を促します。 ・ また、森林をより早く原生状態の構造に導くために、上層間伐だけで なく、やや大きな林孔を造成(数本まとまった上層木の伐採)するこ とで、生育段階の異なったモザイク状の森林を目指します。 *樹冠疎密度 林冠の閉鎖率。樹冠投影 面積を当該区域で除して算 出する。林木の生育状態を 示す尺度。 *老齢段階の森林 様々な森林の発達段階を 複合的にもつ林分がモザイ ク的に構成された林分。

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(4) 公益的機能別施業森林等に関する事項 「1(1)森林の整備及び保全の基本方針」において掲げられている森林の8つ の機能のうち、特に①から⑥の機能を高度に発揮させようとする森林を「公益 的機能別施業森林」、⑧の木材等生産機能を高度に発揮させようとする森林を 「木材の生産機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林」とし、 市町村森林整備計画においてその区域を定めることとします。 公益的機能別施業森林、木材の生産機能の維持増進を図るための森林施業を 推進すべき森林の区域はそれぞれ重複を認め、自然的・社会的・経済的諸条件 を総合的に勘案して、森林所有者が受認しうる範囲内で上記の区域を設定する こととします。 市町村森林整備計画においては、住民に親しみやすい任意のゾーニング名称 を用いて、地図上にそれらの区域をわかりやすく表示できるものとします。 (参考)森林の有する機能、公益的機能別施業森林等の区域及びゾーニングの例 *①~⑥と⑧は重複してゾーニングできます。 № 森林の有する機能の種類 区域 名称 ゾーニングの 名称と区分の例 ① 水源涵養かんよう機能 公 益 的 機 能 別 施 業 森 林 ○水源の涵養かんようの機能の維持増進 を図るための森林施業を推 進すべき森林 「水土保全林(水)」 ② 山地災害防止/土壌保全機能 ○土地に関する災害の防止及び 土壌の保全の機能の維持増 進を図るための森林施業を 推進すべき森林 「水土保全林(土)」 ③ 快適環境形成機能 ○快適な環境の形成の機能の維 持増進を図るための森林施 業を推進すべき森林 「人との共生林 (快適)」 ④ 保健・レクリエーション機能 ○保健文化等機能の維持増進を 図るための森林施業を推進す べき森林 「人との共生林 (保健)」 ⑤ 文化機能 「地域遺産林(文化)」 ⑥ 生物多様性保全機能 「地域遺産林(生物)」 ⑦ 地球環境保全機能 ⑧ 木材等生産機能 ○木材の生産機能の維持増進を図る ための森林施業を推進すべき森林 「木材生産林」

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ⅰ 公益的機能別施業森林の区域の基準及び当該区域における施業の方法 に関する指針 ア 公益的機能別施業森林の区域の基準 区域を設定する基準については、下表に例示するとおりとします。 公益的機能別 施業森林の名称 区域設定の基準 ○水源の涵養かんようの機能の 維持増進を図るため の森林施業を推進す べき森林 ・ダムの集水区域や主要な河川の上流に位置する森林 ・地域の用水源として重要なため池、湧水池、渓流等の周辺に 位置する森林 ・水源かん養保安林及びその周辺の森林 など ○土地に関する災害の 防止及び土壌の保全の 機能の維持増進を図る ための森林施業を推進 すべき森林 ・土砂流出防備保安林、土砂崩壊防備保安林及びその周辺の森 林 ・地すべり防止地区、砂防指定地、急傾斜地崩壊危険区域及び その周辺の森林 ・山地災害危険地区(なだれ除く)及びその周辺の森林その他 災害の防止に資する森林 など ○快適な環境の形成の 機能の維持増進を図 るための森林施業を 推進すべき森林 ・都市近郊にあって地域住民の生活に密接な関わりを持つ森林 ・海岸又は道路の周辺にあって、風雪や飛砂、騒音や粉塵等の 影響を緩和している森林 ・なだれ防止保安林、なだれ危険地区及びその周辺の森林 な ど ○保健文化機能の維持 増進を図るための森林 施業を推進すべき森林 ・観光的に魅力ある湖沼、渓谷等の自然景観や植物群落を有す る森林 ・キャンプ場や森林公園等の施設を伴う森林 ・生産・労働体験や森林・林業体験等の教育的利用の場として 特に利用されている森林 など ・史跡、名勝の所在する森林や、これら史跡等と一体となり優 れた自然景観を形成する森林 ・地域の生活・文化・行事等と密接に関連し独自の利用が図ら れている森林 など ・原生的な森林生態系を維持している森林や貴重な生物種が生 息・生育する森林 ・野生生物のための回廊(移動経路)として機能している森林 ・自然公園、鳥獣保護区、自然環境保全地区及びその周辺の森 林 など

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イ 公益的機能別施業森林の区域における施業の方法に関する指針 公益的機能を高度に発揮するためには、伐期の長期化及び伐採面積の 縮小・分散が望まれます。また、不成績造林地へは積極的に広葉樹を導 入するなど、針広混交林化・複層林化を図ることも大切です。 公益的機能別施業森林の区域内においては、当該機能の維持増進を図 るため、下表の基準に従った施業方法を推進することとします。 公益的機能別 施業森林の名称 推進する 施業方法 具体的な基準 ○水源の涵養かんようの機能 の維持増進を図る ための森林施業を 推進すべき森林 伐期の延長 ・標準伐期齢に10年を加えた林齢に 達する は主伐を行わないこと かつ ・ の更新未完了の区域が連続して 20haを超えないこと ○土地に関する災害 の防止及び土壌の 保全の機能の維持 増進を図るための 森林施業を推進す べき森林 ○快適な環境の形成 の機能の維持増進 を図るための森林 施業を推進すべき 森林 ○保健文化機能の維 持 増 進 を 図 る た め の 森 林 施 業 を 推進すべき森林 長伐期施業 ・標準伐期齢のおおむね2倍の林齢* 達するまでは主伐を行わないこと かつ ・ の更新未完了の区域が連続して 20haを超えないこと ・ 齢における立木材積の1/2 以上の材積を常に維持すること かつ ・材積 が70%以下であること 複層林施業* 択 伐 に よ る 複 層 林 施業 ・ 齢における立木材積の7/1 0以上の材積を維持すること かつ 【伐 採 後 の 更 新 を 天 然 更 新 に よ る 場 合】 ・材積 が 以下であること 【伐 採 後 の 更 新 を 人 工 造 林 に よ る 場 合】 ・材積 が40%以下であること 特 定 広 葉 樹 の 育 成 を 行 う 施 業* ・育成の対象とする樹種にあっては、 その樹種の標準伐期齢における立木材 積以上の材積を維持すること かつ それ以外の樹種にあっては、その樹 種の標準伐期齢における立木材積の 1/2以下の材積を維持すること *標準伐期齢のおおむね2 倍の林齢 ただし、市町村長の判断 により当該林齢の2割の範 囲内で延長又は短縮するこ とが可能。 *複層林施業 択伐又は小面積の皆伐に より、区域全体として森林 を裸地化させることなく逐 次更新を確保することを旨 として行う施業の方法。 *特定広葉樹の育成を行う 施業 保健文化機能の維持増進 を図るための森林施業を推 進すべき森林のみ、本施業 を推進する施業方法として 定められる。

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ⅱ 木材の生産機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき森林 の区域の基準及び当該森林の整備に関する指針 ア 木材の生産機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべき 森林の区域の基準 区域を設定する基準については、下表に例示するとおりとします。 イ 木材の生産機能の維持増進を図るための森林施業を推進 すべき森林の整備に関する指針 木材生産林の区域内にあっては、多様な需要に応じた持続的・安定 的な木材等の生産が可能となる資源構成となるよう努めることとし、 その目的を達成するため、優先的な路網整備や森林施業の集約化・機 械化等を通じた低コストで効率的な森林整備や、木材生産を推進する こととします。 なお、木材の生産機能の維持増進を図るための森林施業を推進すべ き森林が公益的機能別施業森林と重複する区域にあっては、それぞれ の公益的機能別施業森林の施業の基準に従うものとします。 森林の区域 の名称 区域設定の基準 木 材 の 生 産 機 能 の 維 持 増 進 を 図 る た め の 森 林 施 業 を 推 進 す べ き森林 ・木材生産を目的とする人工造林により造成された森林 のうち、通常以上の樹高成長が見込める森林 ・土地の生産力が高く樹木の成長がよい森林 ・道路に近く木材等の搬出に有利な森林 ・薪炭、きのこ原木、粗朶等の用途に供されている森林 など

参照

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