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コーベモグラにおける生殖腺の季節的変化-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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ヨーベモダ別こお抒る生殖腺の季節的変化 田 杉▲ 男 (香川県大川郡五名小学校)

序:モグラ科(Talpidae),Lipotyplla・Ins?Ctivoraに関する頸在までの研究については,特に

生殖腺に関しての解剖学的ものほ殆んど見られない.その理由は,托野・及び飼育が囲難な寛であろ う・筆者は,哺乳動物たるモグラの,地中に於ける変った生活環勤ミ,生殖陳の形態にどう影響して いるかを研究しようとした.侍期間中,常に指導をいたゞいた矢崎発生に謝意を表する. 材料と方法:実験に用いたのはコーべモグラ朋oggγα乙〃Og〝γα彪)∂gαgであって,自宅附近で捕 獲した.捕獲には,二穫の器具,即ち穎版の金属製挟み捕り器及び手製のトラップ(生り捕り器)を 掃いた・このう■ち,.トラップは捕獲率が悉く(後述)仕かける場卿こも制約される馬,鋏み獲り器 の方が遠かに有効であった.器具をかける場所は,田畑のあぜや,石垣の根元等の比較的深い地中 (20∼ 漁った場所がよく,排された柔かい朗より,踏み固めたような他の固い場所がよかった.挟み捕り終 にかゝつたモグラは大体半時間から2,3時間の 外側を通過してしまって,これで捕ったのは4個体のみであった.叉これで捕ったモグラは,内部で 盛んにもがき,鼻棉を器具の内部にうちつけて,大体6,7時間で死亡した.捕えたモグラは解剖まで 1∼2乃至9時間の間隔があった.解剖前に,体重,頭胴長,尾長,掌指長を測定し,解剖には,生碍 腺,生殖玲管,附属腺,腎臓,劉腎の一塊と,甲状腺,脳下垂体を別出して,直ちにBouins民国定 液で固定,その後ほ70%alcoholに保存した.生殖腺の一塊ほ固定前にその重畳を測定し,併せて,

前立腺prostata,睾丸testisの長径,及び子宮uterus,卵巣0Varyの幅と大きさを測定した▲

4 に生殖に関係ありと云われる胸腹部の臭いと毛色についても観察し、同時に歯式:i号ヰpm盲m =42によってコーべモグラなることを確軋組織的研究は各月に於て雌雄一個体づつ行った. 結果と説明:捕獲期間は,昭和27年4月から12月に 第1因:月別捕獲個体の体重及び頭胴長 亘り,総計48匹を得た.(第1表). 畑 X _ ¥ #サ Y又◆◆ ◆◆ ︼盟叩す ◆ヽ◆ 嘉 官軍禁 ▲が▲鼓雛 ◆篭 曇◆ ◆ ● ヰ撃 第1表:獲捕個体数月別表 lgp

㌻紳輔如

:二二三蔓巨木童㈲ ○ ○●● も80 0● ●0 0 0 0写 00 ● ● ■●●● 普‰r● ● ● ○ ●● 00 ●● ● 0 0 0U● ● これ等の材料により,次の第2表,第3表,を作つ た. 第1因により,捕獲した各個体の体重はその変化が 旦 ▲U 7 8汁 二 7 ′り ︻J 4・

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6 大きく,各月とも概して姓の方が雌より或い傾向が 見られる.又現胴長ほ雌雄葉碇140乃至170ilュmであ る朗から,す郁芸胴体は何れも戚無した偶作である隷 が推察される. 解2表から節の泌軋生殖器の箋さほ,4月から7 第2表:泌尿生殖器の還さの尉紆平均(g) 月までには大きく,以軌ま念動こ減少し,8月以筏は大した変化はない.擬は8月以後先分減少の傾 向ほあるが経書野署でない. 第3表ほ,泌ゎこ生隠榊)重さ〔Wg〕の体或(Wb)に

節3ま:WかWbxlOOの月別平均

4萱5蓼6き78∃9壬10illj12

対する百分率である・表から鮭の万力灘よ車率の変 化が著しく,第2表の変化をよく示してゐる. 又胸 距部の毛色は,雌雄葉忙,4月から6即ぶまで貴報 色化がひどく,輿臭も著しかったが,7,8月頃より

こい−、・・−−1モ∴一’

2・3j2・4j2・中・9い・7妄2・0や亘8 次第に毛色が淡くなり,異臭の程度も低くなってきた.それ以餃は,異臭が殆んど沿えるも,毛色は 8月頃の淡褐色を埼離した. a:生殖腺の形態的変化 第2「望lで見れば,既に於ては’キミ丸,貯措 繋が7月頃から急激に萎縮し,その大きさ が傍胱位になり,以後著しい変化がない. 鴎でほ5月に柚三娠したのがある(肇2図7 号)が,6月までほ比較的子宮,撞が太く 厚い,熱し7月覇から子宮,振共に識く, せ寒く 冒.つ企榊勺に縮少して,12月填ま で,あまり変っていない. 第2図:上段が雄,下段が昭,番引..2.7.8二が∠1月及ヨミ6月,3. 4.9.10.が7月教室9月,5.6.11.12.が10月及至12月の娼胴の代 襲的なものである.雄で葦丸(t),貯精璧(i))の=一等備がみえ, 雌で7掛は姉娘申のものにして.胎〔!し〔け‡,fゴ,F:l)3桐を含む・ 対照として腎拡(R〕の大きさに少しも数†とのないことに注意. 4 甘 言 7 β 9 J8’lさ ほ 一づ巨岬 ㌫諸刃:㌣丸及び町制璧碕ぷ凝抵月別平均8月 曝ほでに←昔樟して,それ以後著しい変化がない 第3匿iは睾丸と貯招衰の長径,箪4図は 子■糾〕帖煮び卯簸の長径の,夫々月別平均 第4閉:郡駁放び子宮の長径と暗の月別神霊野月β月囁たにそ れぞれ策離して以後その状態な接続する・

変化を示す.これによっても,旅の空ぎ二殆i榊)急毀な変イヒは妾ミとしで貯情整」葦丸の変化に起因し,雌

では子宮.卯数の変化が掠因しノている寄付汗わかる.実験抑リjの7月填までは,解剖時に直ちに雌雄の 区別がけ凍たが,後動こは,しばしばその判断を謀る位となり,榔抑こ生矧規は脂肪塊の如ぎ観があ

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7 った.又その色も初期の淡紅色から,次第に白ばくなり,全体が萎縮していた.

b:組織白勺変化 生殖腺の組織自勺変化は,極めて複雑であるが,綜合的に次の事が観察された.経

でほ4月,5月頃や畢丸にほ,非常に発達した細梧管があり,その内部は清原細胞で充たされ,細精

管胚はなく,生殖上皮にSertoli氏細胞の分化したものがあった.然し精子(SPerm)ほ認められなかつ たノ,これが睾丸の萎縮が始まる7月,8月項から,細精管の数もあくなり,その間終に繚維状の固有

朕(tunica propria)に似た結締組織が著しく睾丸内部に優して来た。更に精原細胞ほ形が小さくな

り,数も減少して,4,5月頃の組織を観察した倍率では見分け難かった.雌では5,6月掛こ卵巣内に

大′ト様々一の液胞と黄体が認められ,液胞の中には上皮の多層化したものもあった.これが8,9月頃以

後ほ,黄体が減少して殆んどなくなり,濾胞の大部分が原始液胞で,多層化したものは認められなか

った.

考察= 以上の実験結果から掛こ於てほ,少くとも2月頃より急激に細精管が肥大し,造精組織の活

動化と共に,問質は圧迫されるが,睾丸全体として,硬度と肥大が増す.これと併行して貯精嚢も発

達する.この頃,胸腹部の毛の黄褐色が始まり,特異臭も著しくなる.以上の諸変化ほ睾丸からの雄

性コ長ルモンによって,各細胞が発達するものと思う.6月頃から始まる.葦丸の萎縮ほ,細精管の退化

に伴ない,問質が肥厚するが,睾丸全体として重量が減じ,性ホルモンの減少と▲共に,貯精嚢も萎縮

する.此に注意することは,問質の肥直時に,生殖腺全体の萎縮が表はれることである・附こ於ては

6月に捕った姫娠個体は勿論,多層化した濾胞や黄体の多く認められる5,6月頃に,性ホルモンが最

も多く分泌される時期で,排卵や姫娠がある蕃殖期が,この頃と推察される,又雌の胸腹部毛の黄褐

色化,特異臭も,このホルモンに関係すると考える.多層化した液胞や,黄体のない7,8月以後は,

蕃殖期外にある状態と見倣して良い.以上の尊から,コ【べモグラの蕃殖期ほ,3月頃から6月頃迄

であり,この頃特有の体臭は,蕃殖期独特のものであって,孔道内に於ける嘩堆の接近を容易ならし

めるものであろうト蕃殖期と体臭につ、.、ては,今泉菅典の記述と合致した・

総括:1.生殖器の重量比からみると,雌雄共に3月頃より6月頃までが最も高く,以筏減少して,

12月頃まで,その状態が鱒く.

2.蕃殖期でも生殖器の体重比は,放で10%,雌で3%を越えない・叉退化期でも,雌雄共に1・5

%を下らない。

3,生殖腺の内,変化の著しいのは経で葦丸と摂護腺,蛙で子宮,陛及び卵巣である,

4.以上の観察からゴーべモグラの蕃殖期は・少くとも3月頃から6月頃迄である・7月以後ほ雌

雄共に生殖腺が萎縮,退化の状態にある.

文献:岸田久菅1933,モグラの孔這生活について

今泉昔典 分類と生態 モグラ科

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参照

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