湖 山池 における栄養塩負荷量 に関す る研究
道上
正規
*1・檜谷
治
*I。本卜
啓 次
*2・
1土木工学科・
*2日建技術コンサルタント
Inflow of Nutrients in Lake Koyamaike
by
Masanori h/11cHIuE*1,OSamu HINOKIDANI・
2 and Keiii BOKU*2*lDepartinent of Civil Engineerilag
キ
2Nikken Gijutsu Consultant
In lake koyamaike, lake ttrater contains a lot of nutrients such as Nitrogen or Phosphorus, so phytoplankton blooms sometimes appear in sumlner season 「Γhis
phenmenon might be caused by drained water from agricultural farms or houses in lake koyamaike.
Therefore,in this paper,、 vater qualities of 14 rivers which inflow in lake koyamai‐
ke are investigatied, and inflow rate of sevaral nutrients are considered And the
qualty of water which is contained into bed material(mudl in the lake is also inves‐ tigated,then he amount of nutrient eluted frona the mud is evaluated by experiments. Finany,the characteristics of budget of nutrients are discussed.
l
は じめに 鳥取市 の西部 に位置す る湖山池 は、湖面積6 8km2、 湖 岸線長17.5km、 平均水深2,3m、 貯水量1,9X10'm3の湖 で あ り、千代川か らの流 出土砂 の堆積 と地盤 の隆起 によ つ てで きた海跡湖 である。 また、流域面積 は45 7km2で湖 面水位 の変動 によ り湖山川 を通 して 日本海 の海水 が湖 内 に流入す る汽水湖であ る。 このため、湖山川 にあ る湖 山 水門を用 いて湖 山池 の塩分 の制御 が行 われている。 この湖山池の水質 は、湖山池周辺が大学 の移転 ともな い都市化 が進行 した ことによ って近年悪化 して きてお り、 現在 の水質 は環境基準 によると湖沼類型Cに相当 し、湖 山池 の環境基準 である湖沼類型Aに適合 していない。 そ こで、本研究では、 まず、水質悪化の主要因 と考 え られ る流入河川 か らの栄養塩 の負荷量 を観測 によ って明 らかにす るとと もに、 もう一つの要因 と考 え られ る底泥 か らの溶 出量 を実験的 に検討す る。つ ぎに、その他の要 因を加 えて、湖山池 におけ る栄養塩の収支 (循環)を
評 価 し、湖山池 における水質特性 と負荷量 との関係 を検討 す る。 E三] 山林地
E三コ
農剣弔
地
mlmlllその他
(工場、
集落
)2
湖 山 池 にお け る流入 河川 の水質 調 査2-1
調査方 法 水 質調 査 は、1991年
4月15日
、5月18日
、6 月12日
、3月16日
、12月
11日
の計5回行 い、 対 象 河川 は図-1に
示 す14河
川 で あ る。 調 査 項 目は、 気 温 、 水温 、濁度 、pH、 DO、 透 視 度 、COD、
T一 N、 T― Pと各種栄 養 塩 (NH.―N、N02 N、 N03 N、
P04 P)で
あ る。 測定 に用 いた器 具 及 び測定 方 法 を表-1に
示 す。 また、水 質項 目に関 して無 機 栄 養 塩 で あ るNH4 N、
N02-N、 N03 N、
P04 Pに
つ ヽヽて は、 採水 した試 料 を 0.45(μ m)メ ゾ ンフ ィル タ ーを通 して か ら行 った。2-2
流 入 河川 流 域 の土地 利用 状 況 今 回調 査 を行 った各河 川 の流 域 と、 そ の土 地 利 用 状 況 を図-1に
示 す。 この流 域 の土 地利 用 状 況 か ら、各 河川 は以下 に示 す よ うに3つの グル ー プ に分 類 で き る。 グル ー プI:1、
3、 5、 9の河川 流 域 は、 土 地 利 用 の50%以上 が山林 で、残 りの大 部 分 は農 業 用 地 で あ る。 したが って、主 に農業排 水 に影 響 され る河 川 で あ る。 グル ー プ Ⅱ:6、 7は 1、 3、 5、 9と同様 、土 地 利 用 か らみ る と山林 の他 は ほぼ農 業 用 地 で 占め られて い る。 しか し、上 流 に吉 岡温泉 が あ り、農 業 排 水 と と もに生 活 排 水 に影 響 され る河川 で あ る。 グル ー プⅢ:11、
12、13、 14、 16、 18、
Table l BquipBents and ttethods for water
quality test, 測 定 項 目 測 定 器 具 備 考 水 温 柏木デツタル塩分計 気 温 塩 分 濃 度 セオニクスン│ドンPE-2CN SIalTA DO-3 獨 反 tントラ的う, υC-61型 後方散乱光 強 度 測定 法 NH(― N tント '"11' HC-1000型 TNP88M型 発 光 試 薬 に よ る 吸 光 光 度 法 COD セント,加〕 'HC-407型 」IS X―O101 準拠 Fig.l Lake 【ovaBaike and inflo口 rivers.
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
23巻
20、22は
農業用 地 はほ とん どな く、市 街地 や 住宅 が 数 多 く存在 し、主 に生 活雑 排水 に影 響 され る河川 で あ る。2-3
観 測結 果及 び考察 pH、 DO、COD、
T一N、 T― Pと各 種 栄 養 塩(NH4 N、
N02 N、 N03 N、
P04 P)の
観 測結 果 を図-2(a)か
ら図 に-2(o)に
示 す。 な お、 図 中 の値 は濃 度 に関 して は各 グル ー プの平均 値 を 、負 荷量 に関 して は合計 値 を そ れ ぞれ示 して い る。(1) pH
全体 的 に変動 は少 な く、 や や夏 季 に低下 して い る もの の ほぼ7の値 を示 して お り、 中性 で あ る こ とがわ か る。(2) DO
グルー プ Ⅲの濃度 が 他 の グル ー プよ り もや や高 く、水 温 に反 比例 して い るが 、全 体 的 に好 気 状 態 で あ る。 しか しなが ら、 個 々 の河川 につ いて み るは河川13お
よび河 川16で
夏 季 にlppm以
下 の無 酸 素 状 態 も観 測 され た。(3) COD
グルー プIおよ びIでは5、 6月に最高 値 とな って お り、農 地 の施肥 の影 響 で あ る と考 え られ る。 また 、 グル ー プⅢ は全 体 的 に他 の グルー プ よ り も濃 度 が高 くな って ヽヽる。(4) N H4 N
まず濃度・ 負 荷量 と もに グル ー プⅢ の濃 度 が全 体 的 に 高 く、家 庭 排水 等 の影 響 が大 きい ことが わか る。 グル ー プIoIで
は低濃度 な が らCODと
同様 に5、 6月に最 高 とな って い る。 また 、最 高 濃 度 は河 川16お
よ び20
で約9ppmで
あ った。(5) N02 N
グル ープ Ⅲが濃度・ 負荷 量 と も最 も大 き く、 グルー プ Iでは ほ とん ど観 測 されて い ない。 これ はN H4 N同
様 家庭排 水等 の影響 を大 き く受 けて い る もの と考 え られ る。 また、最高 濃度 は河川14の
1. 2ppmで
あ る。(6) N03 N
濃度 。負 荷量 と もN02-Nと
同様 な傾 向 を示 して お り、 家 庭排水等 の影 響 が認 め られ る。 また、 河川22で
約12ppmの
高濃 度 が観 測 され て い る。(7) T一 N
まず濃度 に関 して み る と、無 機 栄 養 塩 類 同様 、 グルー プⅢが他 の グルー プ に比 べ非常 に高 くな って お り、最 大 値 は12ppm以
上 を取 って い る。 しか しなが ら、負 荷 量 に関 して は グルー プ Ⅲが や や大 きい もの の、 グルー プ I・ Iの合計 とほぼ同様 で あ り、T一 Nに関 して は家 庭 排水 の影響 と農地 の影響 が同程度で あ るといえ る。(8) P04 P
濃度・負荷量 とも図中 に示す平均値 で はグループⅢが 高 くな っている。 しか しなが ら、個 々の河川で は値 が非 常 にば らついて いる。 この原因 は、P04 Pが
土粒子 な どに吸着、結 合 しやす い性質を有 してい るので、排水路 内に一時的 に堆積 している土砂等 の流入 に影響 され るた と考 え られ、その結 果 に時間的・場所的変動が激 しくな って いる もの と推定 され る。(10) T―
P 全 体的 に、上述 したP04 Pの
濃度 と比 べると、高濃 度であ り、有機 リンの占める割合が ほ とん どであること がわか る。 また、流量 が比較的大 きい12月
が大 き くな ってお り、 グループ Iな どでは流入土砂 の影響 を強 く受 けて いる もの と考 え られ る。 なお、12月 11日
は降雨 後の測定 で、他 の観測 日に比べて流量がやや多 い。3
底泥 か らの栄養塩 の溶出に関す る室 内実験 底泥か らの栄 養塩 の溶 出負荷 は、河川 流入負荷 ととも に水質悪 化の主要因 であ り、河川 か ら流入 して くる栄養 塩を削減 した と して も、すでに底泥 に多量の栄養塩 が畜 積 されて いれば、 この底泥 の栄養塩 の溶 出の影響で水質 が回復 しない可能性 があ る。 そ こで、湖 山池 におけ る底 泥か らの溶 出量 を把握す るために、現地底泥の間隙水 の 水質 を調 査す るとともに、その底泥 か ら溶出 して くる栄 養塩類の量 を室 内 における溶出実験 を行 い検討す る。3-1
底泥間隙水 の水質調査 調査地点 は、図-1に
示す測点IからⅥで、 9月 5日、11月
25日
の2日間行 った。試料 の底泥採取方法 は、 内径 3cm、 長 さ120 cmの透明のパ イプを底泥 に打 ち込 み、 上層 か らOcm∼10cm、 locm∼20cm、 20cm∼30cm、 を上、 中、下層 と分 けて底泥 を採取 した。 つ ぎに、採取 した底 泥を3000rrmで30分
間、卓上小型遠心分離器 (卓上小 型遠心分離器 2010 KUBOTA)にかけて間隙水 を得た。 測 定項 目は、NH4 N、 N02 N、 N03 N、
PO`―
P、 T一N、 T一 Pであ り、測定結 果 を測点毎 に表-2
に示す。(1) N H4 N
各測点 において、無機窒素(DIN)の
大部分をNH
4 Nが
占めて い るのがわか る。 また、2回の測定結果 を 比較す ると、夏季の方が濃度が高 くな っている。(ppm) ― グループ: 0___oグルーブ肛 e__oグルーブm 6月 8月 (a)pH (,,In) ― ● グループI O―・0クルーブ “ け-0クループⅢ 6月 8月 (b)Do (ppm) 0 5 0 2 0,1 ●――● グループI o…Oグルーブ‖ チ ーoグループЛI 0月 8月 10月 12月 Concentration of N02 N 1月 (f) (g/s) 0 1 (P,m) 6月 8月 10月 12月 (g) Inflo▼ rate of NOB―N
6月 8月 10月 1 2Jl (1) Concentration of NOB― H
6月 3月 lo,1 12月
(1) Inflow rate of NOB― N
4■ 6月 8月 10月 12,】 (j) Concentration of T― N 0-―● クルーブI
/〉
株ご
一里街
4 (p pnl) 6月 8月 (c) COD 4月 0月 8月 10,1 12月 (d) Concentration of H14 N (g/s) 4月 (c) 6月 8月 tO月 12'11■flo▼ rate of NE4 N
― ● グルーブI O――‐0グループX o―‐―Oクループ "I ▼ _― ‐ 一
八
/
ノ
一
\ 、 (,p nl)\
予
― グルーブ〕 ∈ ‐・0グループⅡ/ヽ
・
くィ
/曇 ィr」
●――● グルーブI ◆ ‐‐oグルーブ “ o―‐‐● グループDl_卜
ヽ
、
.\ . (g/6) ― グループ: o―‐0グルーブ‖ チ ‐‐eク:ループⅢ く S― く ●――●グルーブI O―‐・OグループIIこ
・
\`
く
ヽ勃
\
●――● グループI O―・0グループm チ ー0グルーメΠI \ 、デ .ィ ,オ・オ・▼ \
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
23巻
(g/S) (ppm) (H/s) ●― グループI O‐‐・0グループX o―・● クループ〕I 6月 8月 10月 12月 (k) Inflo■ rate of T―N(2) NOs一
N、NOを
一N
NOs―
N、N02-Nは
N H4 Nに
比 べ非常 に少 な く、 また、夏季 と冬季 の違 いはあま りみ られ なか った。(3) P04 P
ほとん ど検出 されず、最大で0. 75ppmで
あ った。(4) T一
N、 T一 P T一 Nは下層 に行 くほ ど濃度 が高 くな ってい るが、季 節変化 はあま りみ られず、ほぼ同濃度 で あ る。 しか しな が ら、冬期では有機成分 の割合が大 き くな ってい ること がわか る。 T― Pについては、無機 リンがほ とん ど検 出 されなか ったため、 ほとん ど有機 リンであ ると考 え られ る。 また、 場所的変化が大 きく、測点 Ⅳの濃度 が非常 に高 い ことが わか る。3-2
溶出実験 の概要 実験 は好気 、嫌気状態 で温度 を変 えて4ケー ス行 った。 測定項 目は、水質 に影響 のある無機窒素塩類(NH.―
N、N02 N、
NOs―
N、P04 P)で
あ る。実験 は、図-3に
示す高 さ58,7cm、 縦横 それぞれの33 0cmの アク リ ル容器 に、測点 Ⅳで採取 して底泥 を高 さ 3cmに敷 いて、 栄養塩 の まった くない蒸留水 を301入
れて行 った。 また、 嫌気状態 の実験 は室素 ガスを混入す ることによ ってDO
を約 3ppmに保 って行 った。水質測定 は最初 は1時間お き に計5日間測定 し、一回の採水 は約 30 mgと した。 また、 実験 は水温の影響 を見 るために実験室 内 (約10℃
)と 恒温室内 (約20℃
)で
行 ぅた。3-3
実験結 果及 び考察 まず、 それぞれのケー スの水温、DO、pHの
時間的 変化 を表-3に
示す。嫌気状態 に設定 したケー ス2、 4 では、DOの
濃度が ほぼ3.9ppm以
下 を保 ってお り、 嫌気状態 を示 している。 また、 ケー ス1、 3は好気状態 に設定 してお り、表か らもその様子 がわか る。pHに
つ いては、初期条件では約pH5, 0の
蒸留水 を使用 して いるが、時間 とともにや や高 くな って お り、実験終了時 には好気状態 で約pH6.5、
嫌気状態 で はpH7.0
程度 で、嫌気状態の方がやや上昇 して い る。 水温 においては、 ケー ス1・2(実
験室 内)で
は変化 がみ られないが、 ケース3・4(恒
温室 内)で
は実験開 始の約10℃
か ら約18℃
まで徐 々に高 くな ってい る。 図-4は
各 ケー スごとに上層、下層 のNH4 Nの
時間 変化 を示 した ものである。 まず、12時
間 までの図をみ ― グルーブI o一‐〈)グ ルーブ耐 チ ‐oグループロI 6月 8月 10月 12月 (1) Concentration of P04 P 6月 8月 10月 (n) Concentration of T― P ●― クルーブI ∈-0グ,レーブⅡ 併-0グループ "I 6月 8月 10月 12月 (口) Inflo口 rate of P04 P (I),m) (B/s, 4月 6月 (o) Inflo▼Piと,2 Tater quality
8月 lo月 12月 rare of T― P of inflou rivers. ― グルーブI ∈ ―・0グルーブW チ ‐0グループЛI /./夕
/ノ
\
庫
・
`
/
=ri__一 ― 。 ― グルーブI ∈-0グルーブn e―‐eグループ‖ITable 2 Quality of 口ater contained into Bud. 9月 5日 l二月25日 IB 中層 羽 騒 H 中層 下層 (4tt:ppm) 9月 5日 1二月25日 境 中層 下層 IB 中層 下層 (単位:ppm) 9月 5日 11月25日 IB 中層 刊 騒 IB 中層 羽 騒 (単位:,pm) 1二月2S日 」 ■ 中層 TE IE 引 ■ 下層 (単位:ppm) 9月 5日 1二月25日 ■B HJE TE M 中層 下層 卜 ∞ い 0月 5日 ■8 中層 刊 日 境 中層 下層 ると各 ケー スとも
N H4 Nの
増加 がみ られ るが、好気 と 嫌気 ではやや異 な ってい る。す なわ ち、好気状 態 のケー ス1,3で
は、勾配 の小 さい直線 的な増加 を示 して いる が、嫌気状態 のケー ス2・ 4では指数的 に増加 して いる。 しか しなが ら、各 ケースとも12時
間で はほぼ同程度 と な っている。 また、他の無機栄養塩 に関 してはケー ス4においてN
03 Nの
濃度 の増加が観測 されたが、 それ に反比 例 してNH4 Nの
濃度 が減少 して いることか ら、N03 Nの
溶出 とい うよ りは溶 出 したN H4 Nが
硝化 作用 によ ってN03 Nに
変化 した もの と考 え られ る。 また、 それ以外 の無機栄養塩 の濃度 は観測終了時で も0. 05ppm以
下であ り、以上 の ことか ら、顕著 な溶 出はN H4 Nの
み 駆CASE l
経 過 時 間 (Ir) 0 5 水温 (℃) pH 5.70 5 70Do(ppa)
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第23巻
Table 3 ExperiBcntal conditions.
(ppm)上
層 0 3 0 0 (p 0pm)上
3 (pp“)下
層 0 3Fig。4 Tiae variation
で あ り、温度 ・
DOの
影響 は認 め られ なか った。 つ ぎに、表-4は
実 験 終 了後 の水 質 を調 べ た もので あ るが、T― Nにつ いて み る とN H4 Nの
濃度 よ りか な り 高 くな って い る。 これ は、 有 機 窒素 の溶 出 と も考 え られ るが、表-5に
示 され て い る実験 前 後 の底 泥 間隙 水 中 の 0 5 1 (ppm)下 層 03 of concentration of ドH4 N・NH4 Nの
濃度差 に見 合 う溶存量 が測定 されていない こ とか ら、微生物 の影響 と考 え られ る。す なわち、12時
間以降 の実験結 果をみると、すべて のケー スにおいて1 ∼3日後 までの間は増加傾向はみ られない。 これは、 ケ ース4で実験開始2日後硝化作用が み られ るよ うに、実 層CASE 3
経過 時 間 (hr) 0 も 水 温 (℃) pH 5,49 6 50Do(ppB)
10 0CASE 2
経 過 時 間 (hr) 0 S 水 温 (℃) pH 6 3? 7.08Do(ppm)
CASE 4
経 過 時 間 (hr) 0 5 水 温 (℃) 14.3 pH 5 07 6 57 η 13 Do(,p“) 2,7 ●――●CASEI O‐―‐ocASE2 o……ecASE9 e―・‐eCASE4 ●――●CASEl O―‐OcASE2 0‐‐―eCASE3 e―‐‐e CASE4 ― CASEl O…・OcASE2 0‐いく9CASE3 ●―‐‐eCASE4 ●――●cASEl O‐…ⅢO CASE2 0‐‐―eCASE3 e…・‐eCASE4Table 4 ▼ater qu21ity at the end of test.
\
CASEl CASE2 CAS E30 0.50S 0.024 0 0 32S 0.360 0_460 済 度 6 00 (単位:ppm) 験開始 1日 以降で は、独立栄養細菌等 によ つて
N H4 N
が摂取 され、有機物化 して いる結果で あると思われ る。 したが って、実験 中の有機態 の溶出はない もの と考 え る と、表-4に
示 され るT一 Nの測定結 果の平均値0. 6
mgが
NHl―
Nと して溶出 した ことになる。3-4 N H4 Nの
溶 出速度 底泥 か らの栄養塩 の溶 出 は、間隙水 と底泥直上水 との 間の濃度差 による拡散 によ って起 こる。通常 この溶出速 度 は(1)式
で算定 されて い るが、式 中の拡散係数を評 価す る必要 があ る。 そ こで、今回の実験 で得 られた結果 より、(1)式
を用 いてN H4 Nの
拡散係数 を逆算す る。R=K。
(Ct一C)//Z/2
ここで、R:溶
出速度(g/m2/Day)、K:拡
散係数(m2/Day)Ci:間
隙水 中の溶存濃度(mg/1)、Ci湖
水最下層 の溶存 濃度(mg/1)Z:溶
出に関与す る底泥層厚(■)であ る。 上述 した よ うに、実験終 了 までに(120時
間後)0.
6mgの
NH.―
Nが
平均 的 に溶 出 した と考 え ると、式(1)よ
り拡散係数 Kは 3.5x104(m2/Day)となる。4
栄養塩収支 に関す る検討 ここでは、毎 日行 ってい る湖 山池内の水質調査結果 に 基づいて、各種栄養塩 の湖 内溶存量 を評価 し、上述 した 河川か らの流入量、湖底 か らの溶出量、および雨か らの 直接負荷か ら各種栄養塩 の月別栄養塩収支 を検討す る。 そ こで、 まず各種栄養塩負荷量 の算定方法 について説明 す る。4-1
各負荷量 の算定方法(1)
河川流入負荷Table 5 Quality of ▼ater
initial cOndition
contained into Bud at the and the end Of test.
(単 位:ppm) 上述 した河川流入負荷量を月単位 に換算 した もので、 測定 を行 っていない 7月 、9月、
10月
、11月
におい ては、測定 を行 った月の平均値 で表 した。(2)
降雨負荷12月 11日
の降雨 によ り雨水を得て、水質測定 を行 った結果 を表-6に
示す。 この雨水 が湖 内に直接負荷す るもの と して、以下 の方法で各 月において定量化 を行 っ た。 降雨負荷量=月総降水量 ×湖 山池流域面積 ×雨水 中の各栄養塩濃度(3)
溶出負荷 溶出実験結 果 よ り算定 した。(4)流
出負荷 流 出負 荷量 は湖山川下流 にあ る水 門の 日単位で行われ る開閉に大 き く影響 され、負荷量 の変動 も大 きい。 この ため、栄 養塩収支 において この流出負荷量 を用 いて検討 すのは好 ま しくない。 そ こで、湖山池 の流域 において降 水 によって もた らされた各月の総水量が、各月の湖内の 栄養塩濃度で湖山池 か ら流 出す るもの と して、以下 の方 法で各月 において定量化 を行 った。 流 出負荷=月総降水量X湖山池流域面積 ×各 月の湖水内の栄 養塩 濃度 ここで、各 月の湖水 中の栄養塩濃度 は月平均で ある。(5)溶
存量 湖山池内の図-1に
示 している測点A∼
Dの箇所 で観 測 した各種栄養塩濃度 を月平均 し、 これ を月間の湖水中 の栄養塩濃度 とす ると、溶存量 は以下 の式 によ つて定量 化で きる。 なお、式中の湖水量 は湖水位 の明確 なデータ が得 られなか ったため、季節変化が ない ものと して2000\
搬 実 験 前 案 験 後Table 6 ▼ater quality of rain. NHI一
N
0.020
N03 N
0.001
N03 N
0,150
T―N
0.387
P04 P
0.000
T―P0.060
COD
0。480
(単位:ppm)
万mBとした。 溶存量=湖
水中の栄養塩濃度X湖山池 の貯水量 得 られた結 果を表-7に
示す。4-2
栄養塩収支 上記 の項 目を考慮 し、定量化 を行 った月別 の各種栄養 塩収支 を表-8に
示す。表 中の溶存変化 は溶存量 におけ る前月 との差である。参考 と して湖内の内部生産状況 を 表す平均濁度 を示 して いる。 また、各種栄養塩 の湖内の 量的な変化 を捉 えるため、収支差 として以下 の方法で算 定 した。 収支差=流
入+降
雨+溶
出一流出 ―溶存変化(1) DIN
まず、 植物 プ ラ ンク トンの栄養 源 で あ る無機 態 窒素(DIN)の
月別栄養塩収支 をみると、負荷では溶 出負 荷量 と河川流入負荷が大 き く、降雨 による影響 は少 ない ことがわか る。溶 出負荷 は、溶 出実験 よ り算定 した もの で、N H4 Nの
溶 出によるものである。底泥 か らの溶出 は底泥 間隙水中の濃度 に反映 し、今回の測定で明 らかな よ うに、N H4 Nは
夏季 に高濃度 を示す ことか ら、 それ 1にともな って溶 出負荷 も夏季 に大 きな値 を示 して いる。 その量 は河川流入負荷量 の約3倍程度 にな ってい る。 つ ぎに、収支差 をみ ると全ての月で多量 の正値 を示 してい る。 この収支差 のプ ラス成分 は、DINに
関 して は植物 プランク トンによる摂取、沈殿、脱窒 による負荷量 を表 してい るが、その値 が植物 プランク トン量 に正比例 して 鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第23巻
Table 7 1nvolved mutrients in lake water.
いることか ら、植物 プ ランク トンによる摂取 が主要因で あると考 え られ る。
(2) T―
N
まず、流入負荷量 に関 してみ るとDIN同
様、溶 出負 荷量 と河川流入負荷量 が多 い ことが わか る。 つ ぎに収支 差をみ ると、DIN同
様、正値 を示 して い る。 これ は、 植物 プ ランク トンが他の生物 に摂取 され る量 と植物 プ ラ ンク トンが死んで沈澱 した量 に関係 して お り、 そのため 生物活動 が盛んな夏季 に値が大 き くな って いる。(3) P04-P
まず、負荷では降雨、溶出がない ことか ら、汚濁源 は 流入 のみ とな っている。 つ ぎに、収 支差 をみると7月、 9月な どで負値 を示 して いる。 この原 因 は溶存量 の増加 に見 合 うだけの流入負荷量がないた めで あ る。本研究で は、底泥 間隙内の濃度が ほ とん ど無 か ったために溶 出負 荷 を考慮 しなか ったが、植物 プ ランク トンの摂取量 な ど を加味す ると、ある程度 の溶 出負荷量 が あ るもの と思わ れ、今後 の検討課題 であ る。(4) T一
P 負荷で はP04 Pと
同様 に河川 によ る流入 が汚濁源 の 主要因 とな っている。収支差で も、湖内 の生産活動 が活 発 な 7月 に大 きな負値を示 し、3月に大 きな正値 を示 し ている。 この現象 も7月 に溶存変化 に見合 う量 が流入 し ていない ことが原因であ り、溶 出等 によ つてか な りの量 が流入 していると考 え られ る。5
おわ りに 本研究 では、湖山池 における流入 河川 の水質 を観測 し、 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 DIN T―N 11 0S 15.30 16.39 P Ot―P 0.02 T―P 14 18 2,82 COD 41 S3 46 79 175 06 SS1 20 78 10 85.34 80.26 73.52 (単位:toれ/月)(単位:ton/月) 栄養塩 の河川流入負荷量 を評価す るとともに、底泥か ら の溶出負荷量を実験的 に検討 し、湖山池 における栄養塩 収支 の特徴 について明 らか に した。本研究 で得 られた こ とを要約す ると以下 のよ うであ る。
(1)無
機態窒素 に関 して は、家庭か らの,F水等 の影響 で、大学周辺 の市街地 か ら流入す る河川 の負荷量が大 き いが、全窒素に関 しては生活排水等 と農業排水等 の影響 はほぼ等 しくな ってい る。 また、農耕地の多い河川で は、 農耕期 の5、 6月に施肥 が行われ るため、濃度 。負荷量 が増加す る現象 が認 め られた。C2)底
泥間隙水 中の栄養塩濃度 に関 して は、窒素で はNH4 Nが
主成分 であ り、水温 に比例 して夏季 に高濃度 を示す ことがわか った。 また、 リンで は有機 リンが主成 分であ り、無機 リンはほとん ど検出 されなか った。(3)底
泥 か らの栄養塩 の溶 出実験 の結果、今回の実験 範囲で は水温 および溶存酸素 の影響 は認 め られず、無機 栄養塩 の中でN H4 Nの
溶 出が顕著であることがわか っ た。 また、 その実験結果か ら溶出に対す る拡散係数KをTable 8 Budget of nutrients.
DIN負荷量の月別収支 (単位iton/劣) T―P負荷量 の月男噸 支 い 位iton/劣) 評価 し、35x104(m2/Day)を得 た。