第0版 2005/05 山本
少年野球
審判の“極意”
!?
はじめに
本資料は、審判講習会などに参加して教えていただいた、少年野球審判に関することがらを、初 心者むけにまとめたものです。 せっかく審判教習会に参加させていただき、いろいろと教えてもらうのですが、時間がたつと忘れ てしまうし、なかなか実地では動けません。 そんな悩みを少しでも軽減しようと、教えていただいた ことなどを基に資料を作ってみました。 練習試合などで、コーチのみなさんも審判をする機会はあると思います。 そんなときの参考にして いただければ幸いです。 資料作成にあたって、いろいろとお教えいただいた南小レッドイーグルス審判部長の濱野さん、小 金井の少年軟式野球連盟の審判部の皆さんに深謝いたします。 (なお、この資料は山本が個人的に作成した資料です。 小金井の少年軟式野球連盟や、その他 の公的組織の了承をいただいているものではありません。 内容についての責任は、山本にあり ます。 私の理解不足や、間違いなどありましたら、お教えください。)
まず基本はグラウンド
幼年・少年の2種類がある。
作る順番は・・・
1) ホームからセンター方向を決め、2塁の位置とピッチャー
プレートの位置を決める。
(直角二等辺三角形の底辺を決める。)
2)塁間の2倍をメジャーでとり、2塁で押さえ、1辺 塁間の
二等辺三角形を作り、1塁・3塁の位置を決める。
3)バッターボックス周辺を作る。
ラインは“内側”になるように・・・
グランドを作ろう(少年チーム)
23m
16m
32.5m
11.5m
“3+2=5” と覚えると良い。グランドを作ろう(幼年チーム)
21m
Cチームは14m Dチームは13m29.7m
10.5m
“2を9から引くと7” と覚えると良い・・ (ちょっとツライけれど・・) 塁間の半分90cm
150cm
75cm
38.1cm
13cm
バッターボックスは少年・幼年とも同じ
ストライクについて・・・
コース と 高さ
2つにわけて考えると
わかりやすい。
ストライク・ゾーン “コース”
ホームベース上の
どこかをボールが
かすればよい。
ストライク・ゾーン “高さ”
高め(上限):肩とベルトの中間の
高さ。ここをかすればよい。
低め(下限):ヒザ頭の下。
ここを通過しなくてはダメ。(内規)
判定は、ホーム前縁とベース点と
の間を通過するかどうか
要は、ホーム前縁から、ベース点
までの間で、高めの線からボール
ひとつ上の(濃緑色の線)から、ヒ
ザ頭の線(ピンクの線)の間の空
間を高さとして、完全に“通過”した
ボールがストライク。
バッターが、バッターボックスのど
の位置にたっても、高さの判定は
同じで、ベースの位置。
ベース点
上限
下限
ベース前縁
ストライク・ゾーン “高さ”
ベース点
青はストライク・
赤はボール
ストライクゾーン上限をかすっているので ストライク ベース前縁でストライクゾーン上限をかすらないので ボール ベース点で、ストライクゾーン下限に完全に入っているので ストライク ベース点で、ストライクゾーン下限を完全に通過していないので ボールベース前縁
球審の位置・視線(内角に立つ場合)
左足は、キャッチャーの足のかかとより後ろ に。(キャッチャが動いたときに足をすくわれ ることがあるため。) 右足はやや後ろ。(視線を下げるため) 高めの位置に視線の高さをあわせる。 (視線より高い投球は“ボール”) 下を見たときに、ベース点が見えること。(低 めの判定点の確認ができる。) キャッチャの背中とは、こぶし1つか2つくら い空ける。 ストライクはその場で立ち上がってコール(ス トライクワン・ストライクツー・ストライクスリー) ボールはそのままの姿勢でコールベース点
足の位置
視点の高さ
キャッチャーの
かかとの線
球審の立つ位置(横方向)
内角に身体の正面を向ける。 外角のボールは実際の位置より 遠く(はずれて)見えることに注意 する。(自分の感覚より広めにと らないと、外角はボールが多くな る。) キャッチャーの頭ごしに、ベース の各点が見えるようにする。球審の位置
身体の中心
塁審と球審の責任範囲
ラインを確保して落下点に 近づいて判定。(3塁も同じ) きわどいボールほど大きな 声で明確に 球審 の判 定範 囲 塁審 の判 定範 囲1stベース
責任範囲の基準点
球審の判定事項
ボーク
投手(プレートを踏んでいる)のボーク 1)投球の中止・2)ボールを落とす・3)1塁への偽投・4)塁へ足を踏み出さな いで牽制投球・5)走者のいない塁への投球や偽投・6)反則投球(ボールに異 物をつける)・7)打者と正しく対面しないで投球・8)キャッチャーボックス外の キャッチャーに投球・9)投球姿勢をとったあと、投球以外でボールから手を離 す・10)セットポジションで静止しない・11)ボールを持たずプレートにたつ。 野手(プレートを踏んでいない)のボーク 12)プレートを離れて投球動作・13)不必要な遅延行為ボークの“勘どころ”・・・
一塁・三塁への牽制球・・・ 足を投げるベースに向け踏み出しているか?
(45度以内がめやす)
1塁(右投手の場合)へ、足は肩と同時に1塁方向にステップしているか?
2塁への牽制球・・・ 一つの動作となっているか?
塁審も、投手のけん制の癖などをよく見ておくこと。球審の判定事項
インフィールドフライ バッターアウト
条件: ノーアウトまたは、1アウト で 走者1塁 2塁にランナーがいるとき。(3 塁はいてもいなくても可)。 内野エリアに上がったフライで、守備側(処理は外野手・投手・キャッチャでも 可) が簡単に処理できると判断できる“フェアグラウンドへ飛んだ”打球。 ファールや、バントフライはインフィールドではない。 >>> 守備側が意図的にこのようなボールを落とすと、そのボールを3塁・2塁・ 1塁と回していけば、ダブルプレーや、トリプルプレーもとることができる。 この ような“守備側の意図的なダブルプレー・トリプルプレーを防ぐ“と考えるとわか りやすい。<<<< >>>インフィールドフライは、“インプレー” だから、もし守備側がボールをおとし たら、ランナーはタッチアップなしで、走れます。<<< インフィールドフライの成立は、球審からのサイン(胸のワッペンに触れる) で塁審も確認しておくこと。 インフィールド成立時には、塁審も“インフィールドフライ”とコールすること。球審の判定事項
故意落球 バッターアウト 条件:ノーアウトまたは 1アウトで、走者1塁にランナーがいるとき。(3塁は、いてもいなくて も可・・・ 2塁にランナーがいると、インフィールドフライが成立するので故意落球はなし。) 内野エリアに上がったフライや、ライナーを守備側が、一回グラブにあてて、故意に落と した場合。 ファールグラウンドで落としたときは、単なる“ファール” >>>故意に落としたボールを、2塁・1塁と回すと、ダブルプレーが成立する。 この ような“守備側の意図的ダブルプレーを防ぐ”と考えるとわかりやすい。<<< >>> インフィールドフライとの違いは・・・ ・ランナーの条件の違い。 ・ボールが浮いている間に判定されるのが、インフィールドフライ ・ボールを“故意に”落としたときに判定されるのが、故意落球 ・故意落球と判定したら、ボールデッド(ランナーは走れません。) >>> 幼年などでは、“故意”でないにしろ、落としますね。 判定がムツカシイ・・・球審の判定事項
反則打球 バッターボックスから、“完全に”足を出して打った場合。 フェアであろうが、ファールで あろうが・・・ 原則 バッターが アウト だが・・・ 重要な例外がある。 スクイズがかかっていて、三塁ランナーがホームへ走っていた場合。 この場合は、三塁ランナーがアウト! バッターはノーカウント (3塁ランナー 以外は、もとの塁にもどす。) >> 3塁にいる場合には、チームにとってもっとも重いペナルティを科す。 重要な例外 が重要!!球審の判定事項
打撃妨害 1) 妨害されて、打てなかった・・・ 1塁へ進む(1つの安全進塁権を得る。) 2) 妨害されたけど、ヒットを打った場合・・・ ヒットであれば、継続してもよい。 3) 妨害されて、ゴロ・フライなどでアウトになった場合・・・ 打点などがあれば 継続してもよい。 もしくは、1塁への進塁を選択してもよい。 選択権は、監督にある。 球審は、キャッチャーとバッターにわかるように、小さな声で“打 撃妨害!” とコール。 プレーが止まったところで、タイムをかけて 攻撃側監督に選択権を与えることになります。球審の判定事項
バッターボックスでの守備妨害 内野エリアでのフェア・ファールコール 内野エリアでのフライキャッチアウト その他…審判の位置
ベースから6m程度後ろ ラインからこぶしひとつ 外に立つ ヒザを軽くまげて、両手を 軽くヒザ上に置き、すぐに 一歩を踏み出せるように する。 立ちっぱなしはダメ。 外野のライン際は追う。 フェアは声を出さずフェア グラウンドを指示する。
塁審位置 ランナーなし
球審 の判 定範 囲 球 審 の 判 定 範 囲 塁 審 の 判 定 範 囲 塁審 の判 定範 囲審判位置 ランナー1塁
and/or
2塁
ランナー
2塁は中に入っても座らない 1塁は3m位まで近づく 要は、2塁でタッグプレー (タッチプレー)が発生しそうな 場合は中から見るということ。 (幼年の場合をのぞく) 前進守備で、審判が守備の 邪魔になる場合は外に出る 幼年の場合にも中にはいらない。審判の基本的な動き
球審・内野ゴロの動き
内野の打球の場合は、まずフェ アかファールかを判定(ラインを確 保) フェアの場合はバッターランナー を追って1塁ハーフウエーまで行 き、ランナーの守備妨害などを判 定できるようにする。 フォースプレーなので少 し遠く(6m程度)離れて 見る。 1塁への送球となるべく 直角になるよう位置をと る。 捕球後落球することもあ るので、アウトの判定は ゆっくり。 セーフの判定 は早く、と心がける。
内野ゴロ
1塁塁審は・・・
90度守備側選手
ランナー
フォースプレーなので少 し遠く(6m程度)離れて 見る。 1塁への送球となるべく 直角になるよう位置をと る。 捕球後落球することもあ るので、アウトの判定は ゆっくり。 セーフの判定 は早く、と心がける。内野ゴロ
1塁塁審は・・・
90度守備側選手
ランナー
バント、キャッチャーゴロ の時には、大きく回りこん で見る。ダイヤモンドの外 からだと、ボールの捕球 がランナーと重なって見 えないことがあるので、注 意。
内野ゴロ
1塁塁審は・・・
90度守備側選手
ランナー
ライトゴロはダイヤモンド の外から見る。 1塁をかけぬけてくるバッ ターランナーとぶつから ないような位置で見ること。 でも、本当はライトへ抜けた ボールは1塁塁審が追っ ているはず・・・ このあた りがムツカシイです。 と りあえず“明らかなライト ごろ”の判定と考えてくだ さい。ライトゴロ
1塁塁審は・・・
90度ランナー
外野ライン際打球の判定
ラインを確保して落下点に近づ いて判定。(3塁も同じ) ファールなら大きな声で明確に “ファールボール”とコール フェアなら・・・ 1)コールをしないで、ボール の落下地点を指差す。 2)野手が取れなかったボール は、“ノーキャッチ”とコール きわどいボールほど大きな声で 明確に審判の動きの考え方
塁審の動き 大原則!
塁審の動きは、ランナー状況によって変わります。 すべての場合を覚えようと
すると、とても大変。 でも、大原則を覚えるとわかりやすくなる。
塁審の仕事、優先順位大原則!!
1番: 自分の責任範囲に来たボール
2番: 自分の責任ベースにいるランナー
3番; 自分の責任ベースに走ってくるランナー
4番; 他の塁のカバー
この優先順位 大原則を基本に考えるとわかりやすい。
最優先 責任範囲のボール
責任範囲にボールが来たら・・・
“躊躇”なく追っかける!
目の前にランナーがいてもかまわない。
とにかく、責任範囲にボールがきたら、思い切り良くボールを追う。
責任範囲とは・・・
1) 2塁塁審が外にいるとき
1塁塁審: ライトより右
2塁塁審; ライト・レフトの間
3塁塁審; レフトより左
2) 2塁塁審が内にいるとき
1塁塁審; センターより右
3塁塁審; センターより左
優先2番 責任ベースにいるランナー
ボールを追わなくてもよいなら、目の前のランナーに注目!
目の前のランナーで注意することは沢山あるけれど、
タッグアップ(タッチアップ)のタイミング に注意しよう。
優先3番 責任ベースに走りこむランナー
目の前のランナーが進塁してしまっても、次に走ってくる
ランナーを忘れないようにしよう。
走りこんできたランナーが触塁したか? 確認をしておこう。(車掌さんがやるよう
な“指差し確認”を気持ちの中でやるとよい。 実際の“指差し確認”動作は、
オブストラクションなどを示す審判の公式動作なのだそうで、本当は触塁確認
などでは、やってはイケナイそうです。)
優先4番 他の塁のカバー
3塁塁審は・・・ ランナーなしの時に2塁をカバー
2塁塁審は・・・ “原則” 飛んだボールの方向の塁をカバー
(例外; ランナー1塁の時は、レフト方向
打球でも1・2塁をカバー)
1塁塁審は・・・ ホームベースか1・2塁。 球審の位置を
見て判断。(でも、2塁以上にランナーが
いるときは、普通ホームは球審が見ている。
だから、1・2塁をカバーすることが多い。)
状況別審判の動き
ランナーの状況による審判の動きを次ページから書いてみます。 状況によって、とても複雑に思えますが、 なにより、審判の動きの“大原則”を念頭に見てみてください。 意外と?ロジカルに動きが規定されているのがわかると思いますよ。
ランナーなしの場合
ランナーなし。 レフトより打球
レフトから左は3塁塁審が追う。 2塁の塁審は打球は追わなず 中に入り2塁の触塁を見る 3塁は球審がタッグプレーを見る。 ホームベースは1塁塁審がバッタ ランナーの触塁を確認後ホーム へ来て見る。審判
守備側選手
② ① ③ ④ ① ② ③ ④ランナーなし 外野への打球
2塁塁審が 追う範囲 ① レフト・ライト位置の間の打球は2塁塁審が追う。 2塁は3塁塁審が見る。 3塁は、球審が見る 1塁審は、バッターランナーの触 塁を確認後、ホームを見る。 外野へボールを追った塁審はそ のプレーが終了するまで内野へ は戻らない。(内野へもどって ジャッジはしない。) ② ③ランナーなし。 ライトより打球
ライトから右は1塁塁審が追う。 1塁の触塁は球審がみる。 球審はその後ホームをみる。 ① ②1塁 にランナーがいる場合
2塁塁審が動けないので1・3塁塁審が外野をカバーする。
ランナー1塁 レフトへの打球
1塁ランナーがいるので 2塁塁審は中にいる。 センターから左は3塁塁審が 追う。 2塁の塁審は打球は追わな い。 3塁の触塁は球審が見る。 1塁塁審は、1塁触塁確認後 球審がホームにいない場合 にホームを見る。 3塁塁審が 追う範囲 ② ③ 1塁ランナーがいるので 2塁塁審は中にいる。 センターから右は1塁、左は 3塁塁審が追う。 2塁の塁審は打球は追わな い。 2塁の触塁と、1塁の触塁を 見る。 1塁塁審が 追う範囲