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アオムシコマユバチの寄生活動に関する研究 XIV 被寄生寄主の摂食活動-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

第8巻第1号(ユ956) 121 アれムシコマユパテの寄生活動に関する研究

ⅩⅠⅤ 被寄生寄主の摂食活動彗

於 沢

寛,野 崎 伸 夫

Investigationsonthe parasitic activities ofApantelesglomeYaius XIVFeedingactivitiesofthe host,Pieriゞr‘砂aecrucivoYa,

Which was paras主ti2;ed by A.glomeraius.

HiよposhiMArSlプZAWA andNobuo NozA】ミⅠ

(Laboratory of Applied Entomology) (Reeeived September19,1956) ● 緒 閂 寄主モ∵/シ′ロチョウア才♂′まSγqかαβCγ〟C加γαの幼虫に・対する寄生者アオムシコマ・ユバチ 4夕α乃gβJβぶgJ〃∽βグα≠〝g のもたらす影響は,寄主の発育や或部分の大きさ等の上軋何等かの萎で現われて来そうに思われるが,之等の問題 を正しく理解するには,当然その被寄生寄主の満会清動に.ついてその実際を知る必要がある.そこで聾者等ほかか る見地から昨年(1955一)首題のごと.き実験的研究を行い,著干の成置を得たので,義に簡単に大要を薬篭する。本文 に入るに党立って,恩師元京都大学数段,規岡山大学教援春川忍苦樽士,京都大学教皮内田俊郎博士の日頃からの 懇篤なる御指導と,本学宮森裕三助教授及び岡永秀俊氏の棍麺的なる御協力に対し厚く感謝の恵を表する..倍本研 究に積極御便宜を与えられた本学袋学部長果上巻拾得士に.対しても厚く御礼申上げる 実 験 方 法 実験に使用した昆虫は,寄主寄生蜂共香川県産秋生のもので,野外より得たモソシPチョウ既成虫を用いて,60W 電燈による保温照明法により一滴/こ・大量に腰邦した卵から生じた1令幼虫:脚化宣後)又は3令幼虫(第2固脱皮直 後)を寄主として用い,之に羽化後間もない東寄生蜂をして個体別に1回宛攻饗産卵せしめた・爾後毎日の庸食盈 をその排泄賛意によって継続調査し,特に令の更新には細心の注意を払った1排泄糞盈ほすべて寄主毎に電熱乾陰 を行って,ほじめはトーショソバラyスにて秤虚しようと努めたが,不都合であったので化学天秤にて脛盈した・ 寄主の飼育は口径2..5cm,長さ9cmのガラス管(綿栓装啓)を用いて個体別に新鮮なるキャベツ莫を以つで行い, 毎日之を斬らしいものと取替えるよう努めた・・飼育温度ほ240cとして実施したが,寄主モyシPチョウ幼虫の取 扱いは常に極細の宅輩(サバキ)を以って注意深く行った 実験成績並びに考察 摂食急について論ずる前に・,兜づ未実験に放ける寄主モソシpチョウ幼虫の寄生,非番生別の発育乃至令更新の 状況を知る必要がある.そこで今実験にもとづいてその戎琉を示すと第1表のごとぐで,1令寄主に産卵せしめた 場合,3令寄主の場合,対照区の非寄坐の場合等のそれぞれで,見掛の上では可成りちがった傾向が看取された・

Tablel.Developmentof thelarva of PieYis YaPae Cr雄CiL,OYa

whicb was paraSitizedbyノ4♪α乃≠β∼β・S gわ∽βγα≠〟S‖(240C).

‡ ̄_・−‡‥∴∵こ∴_:

Duration of eachinstar of the hosts(days)

工 Ⅱ Ⅱ ヨ Ⅳ

V Total 一 て≦ニ云「(云砺 (4ノ}5)や ▼ 4・阜▲▲− て百こフ)ヰキ 6.7 【 啓示㌻ (11′・・■16) 12.5 「両市 16.0 (8∼14) 11.7 1・・5」_」+乞1 「両

2.2 2.L7 1ラ:こ5う

(1{′2) (2) 1り9 2.0 一 ‘′ ̄+ (1∼2)(1∼2) 2.6 1 2.8 2.9 1 1.8 1..6

#,斗キShowingthe dur・ationfromthe4th moulting to the emergenceof parasitesfromhostbodiesl・

媚 香川大学農学部応用昆虫学研究室業績 No..23

(2)

香川大学農学部学術報賃 ユ22 特に・寄主の5令期間が,(優富上非寄生の場合は前蛸になる迄,寄生せしめた場合ほ寄生蜂が寄主体を脱出する 迄とすると一),対照区粧比していずれも著しく長びいて居り,従って全発育日数(幼虫)も接種した場合の方が, 対照区の場合より長くなる傾向が明らかに.見られる しかしながらこの場合の5令期間は寄主体内の寄生蜂幼虫の寄重体脱出時期の早晩によって決定されるのである から,真の意味での比較は之では出来ない訳であって,5令以前の期間でのみ実際の比較ほ行わるべきである..そ うした意味で再び第1表の成績を検討すると,特別各区で著しい差異が認められる訳ではないので,この場合各区 で寄主の発育乃至令更新がアオムシコマー1バチの寄生の影響を非常に受けたとは考えられないことになるい通常本 寄生蜂の只1回の産卵でも,1∼50,平均25個内列の卵を産み込むのであって,照化した寄生蜂幼虫ほ1週間叉ほ それ以上も寄主体内に在って栄養を奪うのであるから,寄主の発育又ほ令更新等に何等かの影響がもたらされそう であるが,第1表の成続からするとどうも斯様な推測は否定されそうである..輩者等の之と関連のある他の契験成 演を引合いに.出して考察してみてもやはり同様なことが云えそうである. 次に,寄主の摂食活動であるが,寄主の5令期間の延長は届かけの上とはいつても可成りそれぞれで臭った摂食 の仕方を余儀なくされるものと考えられるが,寮契本実験の成績惣虻と.めてみると第2表のごとく,それぞれで特 徴のある成績が見られた小

Table2.,The amount of e戊Creta during eachinstar of the host

whichwasparasitizedby’Apanlelesglomeratus.(24Oc) AmotlntOfexcr・eta(dried,mg)

王nstar of hosts

When tbey

Were attacked Numbe工・Of individuals Ⅱ L Ⅳ l V

6) い (68..9′−108 フ7。.96 (84‖6一一131 98.43 十 + 工 もj lO  ̄ ̄ ̄【− ̄一 ̄【】 ̄’ Ⅱ 7 − て岳訂両所

127い37 123.19

(9・4∼19・9)㌔(73・0∼156 14.17 109”00

行訂1二面5二.香うて元1:盲こ元5う) 2〕.18 1 99.21

Cbeck 8 ∼ +i++

第3令,第4令等の摂食状況は各区共大同小異で あるが,非鉄種区でほやや摂食蕊がましている小第 5令寄主の摂食状況ほ叉非常に特異性があり(第1 表を併せて参照),非挨穣区でほ第5令忙入るや, にわかに摂食盈が増大し,急速匿蛸化するに至ると いう傾向を強く示しているが,籍3令に客種した寄 主にあってほ第5令に入ってやや摂食盈ほますが, 1日当りの摂食盈は節操囁区に比して著しく低下し, しかもその状態で寄生魔の寄重体脱出迄相当長くつ づく傾向をみせている..第1今に選種した寄主の場 合は,1日当りの摂食盈は第3令に接程した場合と 余り変らないが,4−5日に亘る5今期問を考える と大体に於て,両者の中間的候向をみせているとい づても差支えない小 このような関酪は個体別に示し た鵠1因を見れほ一周明瞭に知ることが出来よう 摂食盈の級計(第1,2令を除く)は,鶴2表に示し たごとく,第1令に接種した寄主は他の2区の寄主 に比して可成り低い傾向があるが,従来笠者等の行 っている度重なる接種実験の経験からいっても,斯 様な傾向は一腰的のようである芳し寄主の頭巾等 が寄生蜂の寄生によって一俵に/J、さくなる審契等が 存するとすれば,或ほ上のごとく君命寄主に寄生す る場合に見られる摂食盈の低下が影響をもたらす−も 6 8 10 12 14

DAYSFROMCOMMENCEMENTOFTE丸

16

Fig.1..Showing the amount of excr’eta Of the host after the at・taCk of parasite., A:ParaSitize(王0ヱ1t土Ie bost at tbe stageof

thelstinstar。 B:Not paTaSitized.

C:Parasitized on thehost at the stage of the3rdinstar..

Figu工eS:Individualnumber of hosts。

(3)

123 第8巻第1号(1956) のであり,文寄生時の寄主が芳命である程顕著に爾後に影響するのではあるまいかと考え.られる.但し,水寄生蜂 がアオムシに層生を行う場合に,MCG†IGAN(1955)(l)がSprucebudwormに於いてみた†ように明瞭な頭巾の大 きさの波少が見られるかどうかは現在のところ十分忙は分らないが,目下研究中(一部は建託2)に・控戟)であるの でいずれ何等かの結論が得られるであろう 摘 要 アオ・ムシコマエバチに寄生せられた寄主モソシロチョウ助虫の,摂食活動の実際状況を知るために1955年太実験 を行い次のごとき成蹄を得た 1)毎日の摂食慮は寄主の第1令から第4令達は,1令寄主に按挺した場合も3令寄主に揆挺した場合も,非接軽 寄達のそれと大差ほなかったが,免5令に.なった寄主の摂食盈は各各の場合共非常に特徴ある傾向が認められた血 2)5令寄違の摂食の状況は,非按畦の寄主が2…4日の問に旺んに食って急速に蛸化する僻向を示したのに対し て,3令寄主に接種した場合はやや少な目に6−7日にも亘って食い,更に第1令寄主に接録した場合ほ丁度そ の中間的傾向を示した〃 3)1令,2令を除いた寄主の除摂食盈は,非按瞳寄主と:3令時に鋲穣した寄主との間でほ大差なかったが,1令 時に接麓した寄主ほ之等より相当に少なかった 参 考 文 献 1)McG(棺Aド,B..M.:Cαれ励≠り87,178−187(1955). 2)蔭沢寛:酎l快学農学部学術報告,8(1),(1957)・ R畠S u m 仝

Inorder toknowtherealstateof feeding activityofthe host,Pieris YqPaeCYuCivoYa,Whichwas para$itizedby Azantelesg10meraius,preSent eXPerimentwascarriedoutin1955withthefollowing

reSults:

1)The amountof excre†a ofthetost belongingtothelst,2nd,3rdandthe4thinstarwhichwas

paIaSiti2;edatthestageofthelstinstarandthe3rdinstardidnotdiffersomuchfromthatofthe

hostwhichwasnotpa工aSitized.But,at丑estageofthe5thinstar,the characteristicinclination

was discernible at each case

2)Thehostofthe5thinstarwhich waspaIaSitizedatthestageofthe3rdinstar contimledtheir

feedingactivitiesinsomewhat smalldosesduring60r・7days,although the host which was not par・aSitized continuedremarkableandrapidfeeding,aS$00naSthehost developedtothe5thins・

tar.Butinthe case ofthe host belonging tothe5thinstar whichwasparasitizedatthe stage of

thelstinstar,theintermediateinclination was observed.

3)Totalamount of excreta of the host which wasparasitized at,the stage ofthe3rdinstar wa$

considerablylarge anddidnot differsom11Chfrom that of the host which was not parasitiz;ed,

althoughthe amount of excr・eta Ofthe‡〕OSt Which wasparasitized at the stage ofthelstinstarwas

VerySmallingeneralinc?mparisonwiththe above岬

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