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イオウ原子置換シクロプロペニルカチオンの合成

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Academic year: 2021

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(1)

愛知工業大学研究報告第11号

ー ノ ー ト ー

1

7

3

イ オ ウ 原 子 置 換 シ ク ロ プ ロ ペ ニ ル カ チ オ ン の 合 成 牛

I

堀 卓 也

*

2

安田伍朗

*

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井上真一

*

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築野辰三

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ハロゲン化物(テトラクロロシクロプロぺン)と種々のチオール (p-t-ブチルチオフェノール, m-トルエンチオール, 0-トルエンチオール〕の反応によるイオウ原子置換シクロプロぺニルカチオンの 合成について報告する.

1

緒 言 Huckel 則に基づく最も小員環化合物であるシクロ プロぺニルカチオンについて種々の実験と検討が行なわ れ,われわれも,シクロプロペニルカチオンのフェニル 置換誘導体,三塁素置換誘導体について報告してきた. 最近,窒素以外にイオウ,)リ

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どのヘテロ原子置換 体の合成がなされており,非常に興味深い知見が得られ ている.そζでわれわれは,特iこイオウ置換体に注目し て,ハロゲン化物の反応性を利用して,テトラクロロシ クロプロペンと種々のチオール (p-tブチルチオフェノ ール~ m-トルエンチオーJレ,。ートルエンチオール)か ら,イオウ原子置換シクロプロぺニルカチオンの合成を 試み,種々の条件下で収率の向上をも検討した.

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(p -t-ブチルチオフェノール,

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ートルエンチオール, 0-トルエンチオール)を10時間還流撹持し,一昼夜放 置し,過塩素酸晦またはホウフッ化水素酸塩として合成 した. 合成物としては(Ia)トリス p-tブチルフェニルチ オシクロプロペニル,

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Ia) トリス-mーメチルフェニ ルチオシクロプロぺ二J,レ

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a)トリスーoーメチルフェニ ルチオシクロフ。ロペニル過塩素酸臨と(!t)トリス -p -1-ブチjレフェニJレチオシクロフ。ロペニJレホウフッイ七オt 素酸頃である.これらの化合物の確認は, m p, UV. IR. NMR, M Sを用いた.

3

結 果 と 考 察 化合物の物理的,化学的性質については,表LIHζ

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合 成 法 イオウ原子置換シクロプロペニルカチオンは,塩化メ チレン中,テトラクロロシクロプロペンとチオ~}レ

*1

本報をシクロフ。ロペニJレ系化合物に関する研究 (第8報)とする. *2応用化学教室.

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堀卓也担, 安田伍朗*Z, 井上真一*2, 築野辰三河 示した. 表I 化合物(I)~ (1lI)の物理的データと形状 Compound yield m(

p ) Cryst.form 切ら

1

Ia 63.4 180 White Powber b 10.8

…山…

l

IIa 37.3 175-177 Brown Powder

I_II~__35._1 168-170 Brown Powder

mp は 160~180'C 付近であり,熱安定性は比較的高い と思われる.乙のイオウ

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置換体は極性有機溶媒にとけ, 空気中l乙放置しでも変化せず,さらに水中でも非常に安 定に存在する。 表H 化合物(I)~(1lI)の UV, 1R, NMR と MS I Compound UVll 1R2) NMR3l MS Amax nm (cm-1) (τ) (m/e) (Iogε)

*

M+ Ia 232.5 (4.51) 1242 2.15(m) 6f[(534) 290 (4.30) 2.35(m) 6H 435 I 8.35(8) 36H (522¥ b 233 (3.87) 1250 284 (3.98) IIa 260 (4.35) 1250 2.50(nl)12H 309 312 (4.13) 7.90 (s) 9H IIIa 276 (3.98) 1247

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一一型空

(3.

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一 一 一 1) Solvent CHs CN 2) KBr disk

3) Solvent: acetone-D6 ;非:s=Singlet

m = Multiplet UVスペクトルは250と290nm付近に吸収を示し, 1R ではC=Sの伸縮振動と重複していると考えられるシク ロフcロペニルカチオンの特J陀吸収を1250cm-1付近と窒 素置換体より,約300cm-1f皮長シフトしており,イオ ウ置換の構造的影響を示唆している .NMRは(1

.

b) ではア 2.15,2.351こフェニル基

T 8.351乙置換基 (p-t ブチル基) , (IIa), (llIa)ではτ2.50付近にフェニJレ 基, τ7.90に置換基(メチル基)の C-Hの吸収をそれ ぞれ示し,その水素数(;水素比)は化合物とよい一致を 示している.質量スペク卜Jレは予想どおりカチオン自体 がベースピークかそれに準ずるピークとして表われ,高 い安定性を示唆している.またIR,NMRなどにS-H の吸収帯が見うけられない点からも,化合物(ヘテロ原 子置換シクロブロペニルカチオン)への反応が生じてい ると考えられる. カテオン合成においては,原料であるチオールの低い 反応性のために反応の温度と時間,溶剤に問題点があ り,収率向上命についてはさらに検討の必要がある.

4

実 験 4.1 卜リスーp-tブチルフェニルチオシクロプロベニ ル過塩素酸塩 (1a) テトラクロロシクロプロぺン (1.34g

,0.08mol) , 塩化メチレン10ml

p-トブチルチオフェノール (5g

0.030mol)の混合液を10時間還流撹衿し,室温で一昼 夜放置した. 70必過塩素酸を加え, 有機屑を分離し, 無水硫酸ナトリウムで乾燥し,溶媒除去後,エーテル抽 出し,白色粉末結品, mp 180'Cの

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a)を3.0g(63

.

4

9

的 得 た . 4.2 トリスーpイブチルフェニルチオシクロプロニ ルホウフッ化水素酸塩(

h)

4.1と同量の誤薬と42%ホウフッ化水素酸を使用し, 4.1の操作lこしたがった.白色粉末結晶,mp89~90oCの ( h )を0.5g(10.8%)得た. 4.3 卜リス-mメチルフェニルチオシクロプロベニ ル過塩素酸塩(lIa) テトラクロロシクロプロペン(1.79g

0.010 mol), 塩化メレン5ml

m-トルエンチオール (5g

0.040mol) を使用し, 4.1の操作にしたがい,シリカケ、Jレカラムク ロマトグラフィーと再結晶から,茶色粉末結晶, mp 175 ~177'C の(1Ia)を1.6g (37.3%)得た.

4

.

4

トリス 口 メチルフェニルチオシクロプロベニ ル過塩素酸塩(1lIa) 4.3と同量の試薬と oートルエンチオール (5g

0.040 mol)を使用し, 4.3の操作にしたがった. 茶色粉末結 晶, mp 168~170'C の(llI a) を L8g (35.1%)得た.

5

文 献

1) Z.Yoshida, Y.Tawara,よAm.Chem.Soc.,

93

2573 (1971) . 2) 堀卓也,安田伍朗,井ヒ真一,愛知工大TVf報; 10

253(1975) • 3) a.) 吉田善一,米国茂夫,三木定雄; 日化第26 春季年会講演予稿集

C

llI), 1533(1971). b.) R. Gompp巴r

U. Jersak

Tetrahedro日 Lett.

3709 (1973). 4) 吉田善一,米田茂夫,三木定雄,日比野健ー; 日化策28春季年会講演予稿集(1lI), 1162(1973). 〔昭和51年l月10日受付)

参照

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