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CO2回収型次世代石炭ガス化複合発電システムの提案

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. CO2 回収型次世代石炭ガス化複合発電システムの提案 背 景 最近の地球温暖化防止に対する内外の世論の高まりに対して、石炭火力発電においても CO2 の排出抑制が重 要な課題となっている。この課題に対して、電気事業は火力発電の高効率化の促進、バイオマス燃料等の導入 など様々な対策を進めている。また、発電プラントへの CO2 分離回収・輸送・貯留(CCS : CO2 Capture and Storage)技術の適用に関して国際的な議論も高まっている。しかし、既に開発が進められている CO2 回収型 発電システムでは、発電効率の大幅な低下および発電コストの上昇は避けられず、CO2 の分離回収に当たって は新たな高効率発電システムの開発が不可欠である。. 目 的 CO2 回収型高効率石炭ガス化複合発電システムの試設計を行い、その期待される効果を明らかにするととも に、今後の開発課題を抽出する。. 主な成果 1.CO2 回収型次世代石炭ガス化複合発電システムの特徴(図 1) 本システムは、回収した CO2 をガス化剤として利用する新たな酸素− CO2 吹き石炭ガス化炉と、リサイク ルした排ガスに酸素を混合して燃焼させるクローズドガスタービンを組み合わせたものであり、ガス化性能 およびガスタービンの熱効率が大幅に向上し、さらに CO2 を濃縮・分離する工程も不要となる。 2.期待できる具体的な効果 ・酸素− CO2 で石炭をガス化すると、CO2 によるガス化促進効果によって、従来の空気吹き(酸素− N2) および酸素(酸素− N2)吹きガス化に比べて、炉内炭素転換率および冷ガス効率が大幅に向上すること が推算された(表 1)。これによりガス化炉およびチャーリサイクルシステム* 1 をコンパクト化でき、設 備コストの低減が図れる。 ・ガスタービン作動流体の CO2 分圧が非常に高く、通常の空気に比較して比重が大きいのでガスタービンの コンパクト化が可能である。また、比熱比が小さいので、圧縮機後流に再生熱交換器を導入することに よって高効率化が達成できる。 ・ガスタービンの排ガスを直接圧縮し、CO2 を液化して回収できるため、CO2 を濃縮・分離する工程が不要 となり、設備コストの低減が図れる。さらにクローズドガスタービンの採用により送電端効率が大幅に向 上するため、1300 ℃級ガスタービンで 42 %(HHV)、1500 ℃級で 45 %(同)を得ることができる(表 2)。 また、ガスタービンの代わりに将来、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)を用いると 60 %近い効率が期待 できる。 3.開発課題 本システムの実用化を進める上では、以下の項目が主要な課題となる。 ・システムの最適化 ・大幅なガス化性能の向上を活かすことによるガス化炉本体のコンパクト化、システムの簡素化(チャーリ サイクルシステムなど) ・ガス精製装置における炭素析出対策 ・クローズドガスタービン最適設計と適切な制御方法. 今後の展開 本発電システムのフィージビリティースタディー(FS)を実施し、発電コストを明確にすると共に当研究 所設置の 3 トン/日石炭ガス化研究炉における試験検討等を進めていく予定である。 担当者 関連報告書. エネルギー技術研究所 プラント工学領域 上席研究員 白井 裕三 「CO2 回収型高効率石炭ガス化複合発電システムの提案とその課題」電力中央研究所報告: M07003(2007年 10月). * 1 :石炭ガスと共に排出される未燃炭素を含む粒子(チャー)を回収して、ガス化炉にリサイクルするシステム. 102.

(2) 6.化石燃料発電 蒸気タービン. CO2濃縮・分離工程. 蒸気タービン. 蒸気. 蒸気 石炭 窒素 酸素 又は 空気. ガ ス 化 炉. ガ ス 精 製 装 置. シ フ ト 反 応 器. CO2 分 離 回 収 装 置. 排 熱 回 収 ボ イ ラ. ガ ス タ ー ビ ン. 蒸気 石炭. ガ ス 精 製 装 置. ガ ス 化 炉. 煙突 酸素. 排 熱 回 収 ボ イ ラ. ガ ス タ ー ビ ン. 酸素. シフト反 応 水蒸気凝縮器 CO+H2O→H2+CO2 CO2液化へ 空気. 水 蒸 気 凝 縮 器. CO2 液化へ. CO2+水蒸気 CO2. 従来型CO2回収型IGCC発電システム. CO2回収型次世代IGCC発電システム. 図1 CO2回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)システムの比較 従来型システムでは、石炭ガス中の CO を水蒸気で改質して CO2 と H2 に変換し、CO2 を分離・回収して H2 をガスタービンで燃焼させる。一方、次世代システムではクローズドガスタービンを採用し、空気の代わ りに、酸素に燃焼排ガスを混ぜたガスで石炭ガスを燃やすので、燃焼排ガスの主成分は CO2 と水蒸気にな り、従来型システムに設置した CO2 濃縮・分離工程を必要としない。 表1 ガス化性能の比較 ガス化剤 酸素−CO2 酸素−N2 % 100 69.9 炉内炭素転換 t/h 13.9 51.8 生成チャー量 wt% 0 72.9 チャー中C wt% 100 27.1 チャー中Ash t/h 274.6 274.6 生成ガス流量 MJ/m3N 11.1 10.3 生成ガス発熱 vol% CH4 0 0 生 vol% H2 21.3 24.4 成 vol% CO 66.5 56.9 ガ ス vol% CO2 5.4 0 組 vol% H2O 5.3 0 成 vol% N2 1.5 18.7 % 冷ガス効率 80.8 78.8. 空気 69.5 58.1 66.3 33.7 536.3 5.7 0 12.9 31.8 2.0 2.2 51.1 76.5. 6. 酸素− CO2 吹きガス化炉を用いると炉内炭素転換率は 100%となり、石炭中の可燃分をほぼ完全にガス化 できると共に、投入した石炭の熱量に対する生成した石炭ガスの熱量の割合を示す冷ガス効率は 80%に達 し、ガス化効率が大幅に向上する。 表2 CO2回収型次世代IGCCシステムの発電効率試算結果 ガス化剤. 酸素−N2*2 酸素−N2*2 酸素−CO2 酸素−CO2. ガスタービンクラス. 1300℃級 1300℃級 1300℃級 1500℃級. CO2回収率. %. 0. 90. 99以上. 99以上. 発電端効率(HHV/LHV) % 47.7/49.8 42.7/44.7 56.9/59.6 60.0/62.8 送電端効率(HHV/LHV) % 42.5/44.5 34.9/36.5 42.0/44.1 45.1/47.2 従来の酸素吹きガス化 IGCC(1300℃級ガスタービン)では CO2 を回収すると効率は 34.9%まで低下する が、酸素− CO2 吹きガス化 IGCC(1300℃級ガスタービン)では CO2 を回収しても 42.0%の効率が得られ、 大幅な発電効率の向上が期待できる。 * 2:酸素吹きガス化 + 湿式ガス精製 +CO2 化学吸収システム試算値を入熱 992MW ベースで換算(試算値は NEDO 成果報告書「平成 16 年度クリーン・コール推進事業石炭ガス化を核とするコプロダクションシステムに関する調査」 2005.3、04002145-0 より引用). 103.

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