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献辞(福田敏浩教授退職記念論文集)

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Academic year: 2021

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(1)

献辞 経済学部経済学科の福田敏浩教授は、平成

22

4

9

日に満

65

歳の誕生 日を迎えられ、平成

23

3

31

日をもって定年退職されることになりました。 福田先生は、昭和

44

3

月神戸大学経済学部を卒業されたのち、昭和

44

4

月神戸大学大学院経済学研究科修士課程に進学され、昭和

46

3

月に 同修士課程を修了(経済学修士)されました。 福田先生は昭和

46

4

月に大阪府立大学教養部助手に就任され、昭和

52

4

月に同大学講師に昇任されたのち、昭和

57

4

月滋賀大学経済学部助教 授に着任されました。昭和

62

12

月にはそれまでのご研究の成果を神戸大学 に提出され、経済学博士の学位を取得されました。その後、昭和

63

12

月滋 賀大学経済学部教授に昇進され、それ以来、先生は滋賀大学経済学部と滋 賀大学大学院経済学研究科において教育と研究に尽力されました。 福田先生の滋賀大学におけるさまざまな業績の中で、とくに学内行政につい ては、大学の評議員を

5

期勤められ、平成

18

年からは経済学部長、大学院経 済学研究科長に就任され、まことに長期間にわたって、また大学法人化後の むずかしい時期に学内行政と学部運営に大いに貢献し手腕を発揮されました。 教育面では、学部で「経済政策論」「比較経済システム論」「日本経済論」、 大学院では「経済政策論特講」など多様な講義を精力的に担当され、また「専 門演習」と「演習」では学生・院生諸君を熱心に指導されました。 これらの教育活動の背景には、福田先生の実に豊かな研究業績がありまし た。それは、問題の立て方にしたがって

3

つの時期に分けることができます。第 一に、

1990

年頃までの経済体制学説確立期、第二に

2000

年頃までの体制移 行論または移行経済研究期、そして第三にそれ以降の第三の道の研究期です。 しかし、これらの時期を通じて一貫していたことは、先生がつねに自らのオリジ ナルな視点に基づいて経済社会の最善の設計を模索したことにあるといえま しょう。福田先生が独自に築いた経済体制学説は、まず「所有、相互・上下調 整の三元論」を基準とし、これによって資本主義と社会主義を歴史横断的動 的に整理比較し、両者が誘導資本主義と市場社会主義において接近しつつ あるという認識を得ることでありました。

1989

年の東欧革命は、社会主義体制 に関心を寄せていた先生にとって、「生涯忘れることのできない衝撃的な事件 であった」と述べられています。その後の旧ソ連・東欧社会主義による体制転 換政策は、先生を第二の移行経済の研究へと導いていきました。この時期の 先生の研究では、社会主義から資本主義への移行を私有化、市場化、貨幣化 の

3

つの点から捉え、さらにもう一つ

EU

への収斂の視点を重ね合わせたとこ ろに特徴がありました。そうした体制転換論の蓄積のうえに、第三期の第三の 道論が聳えていくことになりました。ここで先生はドイツ新自由主義、新マルク ス主義、分析的マルクス主義、社会民主主義、カトリック社会論、そして収斂

(2)

理論という実に広汎な経済社会論を丹念に分析し、そのなかでとくに

K.

ポラ ニー、

W.

レプケ、そして

A.

ギデンズから強い影響を受け、国家・経済・社会 のトリアーデ論を展開することになりました。 福田先生がこのように精力的にご研究を展開されてきた原動力は、真理と 理想を探求しようとする研究者としての精神であり、その背景にある豊かな教 養でした。先生は実に学問の人であったといえます。学問的な鍛錬が大学人を つくり、そこで力をつけた個々の研究者が共同して大学のあるべき姿を形づく る。福田先生の地道で着実な研究活動の実践は、われわれ同僚に、大学教員 としてのあるべき姿を身をもって教え、現在の経済学部の伝統をつくりあげて きたといえるでしょう。先生が神戸大学時代の恩師に向けて語られた「徳は孤 ならず、必ず隣あり」(『論語』)は、先生に向けても語るべきものでありましょう。 先生が、今後ともますますご健勝にて過ごされますように心からお祈りいたします。 平成

22

12

月        滋賀大学経済学会長 三ツ石 郁夫

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