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親子に来れる溶血性黄疸の臨床例

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Academic year: 2021

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親子に來れる溶血性黄疸の臨床例

東京女子讐學專門口校岡本内科気室(主任 岡本教授)

光 藤 百 合 子

味 澤 雪 子

黄疸が三代に亙りて現はれたる家族中父娘に就き耳塞か槍査し得たるを以て此虞に其 の結果を報告し大方め御教示を乞ふ次第なり。 症 例 第1例 深○榮○郎 57歳 職業は切花商。 家族歴 父母雨系共魁父母は既に死亡し詳細不明。父親は幼少より黄疸に罹り時に櫓強し,死 亡せる時も黄疸あbしも詳細は不明。母親は老衰にて死亡。同胞は5人。長兄が68歳の時心臓 痂痺にて死亡せるも建η3人は健在。患者は末子なり。子女は4人あPて第4子は第2例に後遠 する如く小見期よη黄疸あy。他は健康なP。悪性腫婆,結核,精紳病等の遺傳的素因を認めず。 臨港症分娩正常。種痘,麻疹を輕過せり。特殊疾患に罹れる事なきも幼時より貧血ありて虚 溺なりしとg何歳の時か不明なるも若年より黄疸あ窮過勢或は風邪の後は必ずその程度を櫓強 し腹部緊張感強くなη且尿が著明に赤色になれηと。「マラリヤ」その他傳染病に罹患せる事なく 性病も否定す。酒は少量,煙草も嗜む。 現病歴 過勢の爲か本年2月宋に悪寒あ/),最高40。Gに獲熱し腹部緊張感あり。黄色の液髄 を4度嘔吐せり。3月初より微熱綾き食思不振,全身の疲勢感,無力感あり。某讐師より黄疸の 檜張せるを注意せられ3月7目本内科に入院せり。便秘に傾き洗腸により排便す。睡眠不良。 現症 身長梢ミ小,膿格言養中等度,皮膚は強く貧血し中等度の黄疸を認むるも療 コ ロ 痒感なき爲掻傷も認めす。脈搏go至,整,梢ミ小,緊張弱,血管壁正常。呼吸は胸 腹型20至,雫静,頭蓋は形状正常,塔ll犬頭蓋もなく頭髪の脱毛無し。上眼瞼梢ζ浮腫 を呈し眼瞼結膜は貧血性,輩膜は黄色を呈す。瞳孔は判形,左右同大,樹光反射は迅速 なi)。鞍鼻,Hutchinson氏歯牙,Negertγpus等を認めす。輕度のPrognathieあり。 口蓋骨は正常の形を呈す。口唇,舌は貧血を呈し,舌は乾燥し白色の舌苔を見るQ扁 一第 10 巻389_

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鱒 光藤・味澤=親子に來れる溶血性黄疸の臨床例 桃腺は腫大はなし。頸部淋巴腺㊧腫脹なく甲歌腺の異常を認めす。胸廓は左右均齊に して心尖搏動は第5取的にて左乳腺より梢ミ内方にあPl o 心臓の比較的濁二上は,右は右胸骨縁,上第4肋間,左乳腺より梢ミ内方。心尖並 びに肺動脈辮口に牧牛期並びに撞張期雑音をi聴取す。 肺肝境界は第7肋骨にして肺右後上部に打診上抵抗感あり。呼吸音一般に弱く右側 肩脾窩に中,小,水泡性「ラ」音を聴取す。腹部は#腹部梢々膨隆し且緊張す。静脈 の怒涯を回す。 肝臓は右現腺上3横指;正中線上4横指鯛知す。表面滑澤にして硬度梢増加せるも 墜痛なし。脾臓は左乳腺上肋骨弓下に2横指燭回し二二あり。腹水の潴溜なし。四肢 の二二は正常にして知畳異常を認めす。膝蓋腱反射は二三す。尿は梢と赤色を帯び殆 んど透明,酸性にして蛋白,二二慮を認めす。「ウロビリン」,「ウロビリノーゲン」強 陽性にして「ビリルビンJ艦は讃明せす。その他に二化なし。糞便,黄色にして正常 形をなし寄生量卵を認めす。 血液所見 第1表に示す如し。赤血球は大小不同症,異型症,多染性,旧基嗜好性 顯三二核赤血球を讃明す。網駄赤血球7r7%・赤血球の三二は「ミク・メータ 一Jに て最小45μ.最大10・5μ・手均72μ.BQckの装置にては7.4μ,低張食唇水に饗す る抵抗は脱繊維素血にては最小O・48 % ・三六〇⑳%血・i・板は107200,出血時間 (Duke氏法に依る)2分。血液凝固時間(佐藤三法による)9分。

血清「ビリルビン」はHijmans van den Ber呂hに從ひ直接反回二期的遅延,間接 風雨で2・3mg%・MeuleDgrachtで19・5,血清の高田氏反回は陰性・赤血球沈降速度 の中i等横:は137mln.なり。 第 1 第1例 (父) 第2例 (娘) 赤 血 球 数 (萬) エ2s 195 白 血 球 数 11600 4900 1血 色 色1素 、素[係 i(%)1数 LL’

o

し 21 l O.9 31 O.9 白血球百分率(%)

1∵鐘羅階

塑7

P1遡∵T

1 L O i35.O l/

融1藩

欝騨)

7.7 ・ 3 7.s122.si12i.ol, 2.ts 1: o L一一 一一一一 53.5 7.5

ri

4.01 7.0 1

1血

小 板 数 107.2CO 136.000 一第 10 巷 390..一一一一一一

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光藤。昧澤=親子に來才しる溶血挫黄疸の臨床例 91 第 2 表 r’

s

lil”・li,’e,/1,11.1・1 (娘) 赤血球直・径(の 滲・透性引回(9の

最小障大1鞠

最大限小

血清「亡リルビン」 直

一d .5 1・ O.5 7・2 @0・2e O・48 i二期的逞延

に一一 ..一. 6.g e.£4 0.44 二二期嚢中逞延 接法隔接法(mg/%)

1一一

2.30 3,0 1 9.0 1 ‘ 4.35 一.一P 維過 入院後一時皮膚責色の程度を増強し,且和衷を訴へ受持警の診察を拒む。 ロ 10^皿腹部膨隆し脾臓は肋骨弓下4横指を鱗知す。 ユ4/璽より20「 %葡萄糖50cc静 注,i6/Mより黄疸鞘セ輕幽す。2。/皿尿中「ウゴピリン」髄痕跡となる。2’]/璽より 37C∼38℃迄不規則にありし熱は下り平熱となる。斯くの如き歌態にて他畳的に脾 臓,肝臓腫脹依然として存在するも自畳的苦痛去りifVに退院す。 ee 2例 編○・・028歳の家婦。第1例の第四子等・鰍蝉茸し一子あV・子女に黄疸その他の異常 を認めずδ 既往症 分娩正常,幼時麻疹を経過すQ 3,4歳迄は健康なりしも以後虚弱となり風邪,胃腸疾患に罹患し易くなる05歳の時突然獲熱 し貧血,黄疸に氣付き,帝大病院に入院し脾並びに肝臓腫脹を注意され手術を勤めらる06週間 後に黄疸輕聞せる爲にそのまま退院せりと。以;來貧一段黄疸は去らず011歳の時滲出性肋膜一炎,17 歳の時腸加予見に罹患す。 年に四,五同適作的に上腹痛あ妬現在家事に從事に特別の苦痛無きも興昧ある例なるを以て 特に外洋にて検査を行ヘリ。 現症 身長梢ミ小,艦重富心中密度,皮膚貧血し黄色を呈す。掻痕,皮下出血なし。 e o 脈搏84至,整,緊張良。呼吸胸腹:型にてユ8至,平静。頭蓋の形状正常。眼瞼梢づ孚腫駄 を呈す。眼験結膜は貧血し,輩膜は輕度に黄疸色を呈す。瞳孔その他に憂化なしつ鞍 鼻,Hutchinson氏歯牙,難器等の先天性徳毒の徴候を認めす。 G蕊nsslenの基げし溶血 性黄疸門前に該當する欧化を認めす。胸廓は右左均齊にして心尖搏動は第6肋聞にて 前腋下線上にあり。心臓濁音界は右は右胸骨縁,上世3肋骨,左前腋下線上にあり。 各七口に牧縮期雑音を難取す。肺臓は打診及び器診上異常を認めす。腹部ば雫坦に して腹壁は弛緩す。肝臓は右乳線.E 3横指,正中線上4横指旧知し,表面滑澤にして 硬度壇加1一。脾臓は膀窩上1横指迄腫脹し表面滑澤にして硬度を増加す,腹水潴溜な し。四肢の運動は正常にして購書過多症,短趾,群舞,指革癒着症等なし。脊椎も異 一第 10 巻 391一一一

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92 光藤・味澤=親子に來れる溶」血性黄疸の臨床例 常なく脛骨,胸骨,肋骨に拍打痛なし。膝蓋腱反射正常。尿は藁黄色,透明。「ウロビ リン」,「ウ・ビリノ・・一 b!ン」を誰明するも「ビリルビンj、その他,蛋白,糖等陰性。 糞便は黄色にして正常形をなし,寄生贔卵,潜血.反慮を認めす。 .血液所見 第1表に示す如し。赤血球’ま大小不同症,異型症,多染性輕度にあり。 有核赤血球を謹明す。網状赤血球7.0%,赤血球の直径は幽ミク・メーター」にては 最:小3.oμ.最大9.0μ.低張食幽水に回する抵抗は最小044%最大0.24 %, tht小 板は136.000,血清「ビリルビン」は直;接反回は二期的邊延,間接反慮4.』5mg%, 血液「ワ」三巴は強陽性。赤血球沈降速度は中等償60mm. 考 按 以上の如く親子二代或は恐らく三代に亙り三明さるる黄疸,肝並びに脾腫,「ビリ ルビン」なく「ウロビリン」艦多き尿所見,血清「ビリルビン」の二期的逞延反慮, 皮膚掻痒感,徐脈なき黙より溶血性黄疸或は角尾敏授,Gilbertの所謂,無膿汁尿 性:黄疸と考ふ。此塵に問題となるは交三共にChauffardの所謂血球上の鼎立症状中 Reticulocytose陽性にして,二度の微小血球症あれど滲透性抵抗減弱が認められざる 事なり。尤も赤血球の滲透性抵抗はGansslenに依れば10%に陰性にしてEPPinger, 長岐等も此の事實を認むる所なり。樹旦氏反慮陽性にして僧帽辮膜症の存在する黙は 晩期徽毒による脾腫,貧.血,黄疸を俘ふ肝疾患を疑はしむ。されど,かNる例症に:於て は本例症の如く非黄疸尿性のものは通常來らす。かxる稀有なる例症がしかも親子二 代に亙りて畿生するは共の蓋然性非常に小ならんと考へらる。吾入は本例二例が幼時 より黄疸獲現し溶血性旧作と見る可き徴候を呈し,家族的遺傳的關係を示す,且其の 経過の長期に亙る黒占よ跣天性家族性溶血性黄疸(Mi・k・w・ki, Ch・uffa・d)の不全型 なりと信ず。 絡ηに臨み終始御懇篤なる御指導を賜りました岡本教授に厚く御禮申上ますo 1) 2) 3) 4) 5) 主要なる引用曳:劇i

Chauffard; Sem. med. p. 25, (1907).

GL’nsslen s Klin. Wschr. s. 930, (1927).

Eppinger; Die hepatglienalen Erkrankungen. Berlin (1920).

角尾;日本消化器病學會誌 第37巻,211頁・

長岐;同新旧學 第26巻,35:頁,468頁.

参照

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