イマームをめぐるシーア派の諸学派に関する一考察
著者 ザルヴァーニー モジュタバー
雑誌名 一神教学際研究
巻 8
ページ 103
発行年 2013‑03‑31
権利 同志社大学一神教学際研究センター
URL http://doi.org/10.14988/re.2017.0000016022
一神教学際研究 8
103
イマームをめぐるシーア派の諸学派に関する一考察
モジュタバー・ザルヴァーニー
要旨
宗教制度または政治制度としての、あるいはその両方としてのイマーム位およびイ マームは、シーア派の信仰の基盤的要素の1つである。小幽隠時代ならびに初期の大 幽隠時代には、イマーム位のあり方をめぐって意見が百出した。その結果、シーア派 の中に多数の宗派が誕生し、またシーア派教徒の間には信仰を捨てたり、他の宗派に 改宗したりする者も現れた。本稿は、クーファ学派、クム学派、バグダッド学派など のシーア派の諸学派を取り上げ、イマーム位をめぐる学派間の論争について検討する とともに、シャイフ・ムフィード、シャイフ・サドゥーク、ムハンマド・イブン・ア ル=ハサン・イブン・ファッルフ・アル=サッファール・アル=クンミ、クライニー ら、シーア派の学者たちの著作ならびにイマーム職のあり方を定義する上で彼らが果 たした役割について論じてゆく。
クーファ学派が極端で誇大的イマーム像を掲げているのに対し、クム学派は伝統を 重んじ、バランスの良いイマーム観を持つ。一方バグダッド学派の主張には極端な部 分と穏当な部分が混在しており、その実態はクーファ学派とクム学派が融合したもの であるといえる。
キーワード:幽隠時代、イマーム位、伝統的神学的学派(Kalȃmi)