高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究 : 日本のソーシャルワークと「家族」の文化
著者 空閑 浩人
雑誌名 評論・社会科学
号 85
ページ 1‑42
発行年 2008‑03‑31
権利 同志社大学社会学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012025
︹論文︺
高 齢 者 福 祉 施 設 職 員 の 経 験 と 意 識 に 関 す る 研 究
││日本のソーシャルワークと﹁家族﹂の文化││
空 閑 浩 人
蠢
はじめに
蠡
高齢者福祉施設職員へのグループ・インタビューの実施
1.援助者側の経験や意識への着目の意義 2.グループ・インタビューの概要 3.グループ・インタビュー結果の分析および考察の方法 蠱
グループ・インタビュー結果の分析と考察
1.サービス利用に伴う利用者や家族への理解 盧
サービス利用に対する利用者や家族の意識
盪
サービス利用をめぐって職員が経験する家族関係
2.利用者や家族とのかかわりのなかでの経験 盧
利用者や家族とのかかわりにおける難しさ
盪
利用者へのかかわりと働きかけの実践
蘯
家族へのかかわりと働きかけの実践
3.利用者や家族の﹁生活支援﹂への意識や思考 盧
利用者にとって家や居場所となる施設づくり
― 1 ―
盪るくづ係関なうよれ﹁らじ感を﹂族家り 蘯
家族への援助と家族関係の維持や再構築
蠶
日本のソーシャルワークと﹁家族﹂の文化
蠹
おわりに
蠢
はじめに
ソーシャルワークの理論や実践のあり方は︑様々な生活上の困難を抱える人々の社会生活を支援するという意味で︑
確かに国際的にも普遍性をもつものであるといえる︒しかし︑一方でそれは︑現実的で具体的な人々の日常生活にかか
わるものであり︑その意味で︑人々の間で意識的︑無意識的に共有されている生活の価値観や生活習慣︑生活感覚など
の︑その国や地域の社会的・文化的な特性にも根ざしたものでなければならない︒﹁学問には﹃故郷﹄はどうしても必
要﹂︵佐伯2006:281︶という言葉を借りれば︑ソーシャルワーク研究にも﹁故郷﹂や﹁国籍﹂が必要ということにな
るであろう︒
本研究は︑福祉サービスの利用者の生活状況を共有し︑利用者そして家族への援助活動を行う社会福祉現場職員の経
験や意識から︑日本における社会福祉援助︑すなわちソーシャルワークのあり方に関する考察を目的とするものであ
る︒そのための取り組みとして︑高齢者福祉施設で働く職員へのインタビューを試み︑職員が日々の援助活動のなか
で︑サービスを利用する高齢者やその家族のどのような思いや感情︑価値観や生活様式・生活習慣︑また生き方などに
︵1︶触れながら︑援助者として何を経験し︑意識しながら日々の業務に取り組んでいるのかに注目した︒本稿では︑そのイ
ンタビューの結果をふまえつつ︑高齢者福祉施設における要介護高齢者や家族へのソーシャルワークとして︑どのよう
な目標や対象への理解︑かかわりや働きかけが実際に行われているのか︑またどのようなあり方が求められるのかにつ 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 2 ―
いての考察を試みる︒前述したように︑ソーシャルワークは人々の現実の生活状況と︑日常的な生活意識や生活習慣に
もかかわる対人援助の実践である︒それには︑その国や地域での人々の生活とそれにかかわる実践の現場から見出さ
れ︑創造される実践論や援助論の検討が求められる︒本稿は日本の高齢者福祉の現場における︑いわば﹁現場のリアリ
ティ﹂としての︑施設職員による利用者や家族とのかかわりのなかでの経験や︑それに伴う意識や思考を基盤にしたソ
ーシャルワークの実践と理論の展開に向けた試みである︒
蠡
高齢者福祉施設職員へのグループ・インタビューの実施
1.援助者側の経験や意識への着目の意義
今回のインタビュー調査では︑高齢者やその家族に直接的にかかわりをもつ施設職員を対象とした︒つまり︑ソーシ
ャルワークについての﹁援助者側﹂の経験や意識からの考察となる︒人々が直面する様々な生活上の困難を改善して︑
安定した生活の実現のためにどのような支援が求められているかということは︑サービスの利用者側からのみの経験だ
けでなく︑その状況を理解し︑共有し︑そして援助する者の経験や意識の側からも明らかにすることができると考え
る︒﹁病い﹂という経験とその意味を︑看護師へのインタビューから明らかにして︑﹁ケア﹂という営みの捉えなおしを
試みた西村ユミは︑その著書の冒頭で︑患者にかかわる看護者側の経験に着目することの意義について次のように述べ
ている︒
疾患の成り立ち自体も︑一つの原因が引き起こしているわけではなく︑﹁病い﹂という体験は︑傍らにいる人と
の関係のなかで︑その人を取り巻く多くの人びとや状況との関係のなかで意味づけられる︒︵中略︶このように
― 3 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
﹁病むこと﹂が他者や状況との関係のなかでさまざまな意味をともなって立ち現れるのであれば︑その傍らで︑ま さに﹁病むこと﹂に触れている側の体験にも注目する必要がある︒︵西村2007:17︶
要介護高齢者やその家族にかかわるソーシャルワークは︑身体的あるいは精神的機能の衰えに伴う社会的な生きづら
さや生活のしづらさを対象とし︑その状況の改善のための相談や具体的な介護サービスの提供によって︑高齢者やその
家族の生活の安定を支えようとする方法であり︑援助活動である︒そしてその実践の過程は︑利用者の個別の生活状況
を援助者が利用者と﹁共有﹂しながら︑両者の﹁協働﹂作業として進めていく過程である︒その意味で︑利用者や家族
とかかわる日々のなかで︑その様々な生活状況や家族関係︑価値観や生活習慣などに﹁触れている﹂側である施設職員
が何を体験し︑意識し︑どのような思いを抱きながら援助活動を営んでいるかを明らかにすることは︑ソーシャルワー
クのあり方の現実的な検討を行う上で意義あることと考える︒
2.グループ・インタビューの概要
以上のようなインタビューの目的および趣旨をふまえ︑筆者は二〇〇七年八月から九月にかけて︑関西地区にある高
齢者福祉施設の職員に対するインタビュー調査を行った︒インタビューの方法としては︑その趣旨に照らして︑個別イ
ンタビューに比べて回答者の意見表出のプレッシャーが少なく︑個々の意見が共有され︑グループの作業としての意見
を構築でき︑またメンバー間の相互作用や相互刺激によって潜在的な意見の引き出しが可能になる︵安梅2001:6︶と
される﹁グループ・インタビュー﹂を行った︒あらかじめ今回のインタビュー調査に関する説明と協力依頼の文書︵巻
末︻資料1︼参照︶を︑事前に連絡・依頼して承諾を得た施設宛に送付し︑当日のインタビュアー︵筆者︶による説明
とあわせて調査協力の同意︵巻末︻資料2︼参照︶が得られた職員に対して実施した︒対象となるのは︑直接に高齢者 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 4 ―
表1 グループ・インタビューの実施日程および対象者 実施期間:2007年8月〜9月
対 象:関西地区の高齢者福祉施設で勤務する職員
[直接的に利用者およびその家族とのかかわりをもっている職員]
インタビュアー:空閑 浩人 1.グループA
日時:8月2日(木)16:20〜18:10 場所:滋賀県立長寿社会福祉センター 研修室
インタビュー対象者:6名(滋賀県内の高齢者福祉施設[5施設]に勤務する職員)
回答者漓女性:(a特別養護老人ホーム)介護士:3年4ヶ月:
社会福祉士・介護福祉士・ホームヘルパー2級 滷男性:(b特別養護老人ホーム)生活相談員:7年:社会福祉士 澆女性:(c特別養護老人ホーム)入所サービス所長:11年目:
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員
潺男性:(d特別養護老人ホーム)介護職員:2年7ヶ月:社会福祉士・介護福祉士 潸女性:(e特別養護老人ホーム)介護職員:4年10ヶ月:介護福祉士
澁男性:(e特別養護老人ホーム)介護職員:5年1ヶ月:ホームヘルパー2級 2.グループB
日時:8月7日(火)13:30〜15:00 場所:奈良県内総合福祉センター 研修室
インタビュー対象者:3名(奈良県内高齢者福祉施設職員・奈良県社会福祉士会会員)
回答者澀男性:(f特別養護老人ホーム)施設長:13年目:社会福祉士・介護支援専門員 潯男性:(gデイサービスセンター)所長・(h特別養護老人ホーム)マネージャー:
13年目:社会福祉士・ホームヘルパー2級・介護支援専門員 潛女性:(h特別養護老人ホーム)生活相談員:6年目:
社会福祉士・ホームヘルパー2級・福祉住環境コーディネーター2級 3.グループC
日時:8月9日(木)17:50〜18:30 場所:京都府内 iデイサービスセンター会議室
インタビュー対象者:4名(iデイサービスセンター所長および職員)
回答者濳男性:デイサービスセンター長・ケアマネージャー:8年:社会福祉士・介護支援専門員 潭男性:生活相談員:9年:介護福祉士
澂女性:生活相談員:3年目:社会福祉士・ホームヘルパー2級 潼男性:介護士:3年目:社会福祉士・介護福祉士
4.グループD
日時:8月21日(火)17:30〜19:00 場所:大阪府内j特別養護老人ホーム
インタビュー対象者:5名(j特別養護老人ホーム職員)
回答者潘女性:生活相談員:3年目(以前に他施設で数年の勤務経験有り): ホームヘルパー2級・社会福祉主事・臨床心理士
澎男性:介護職員:3年目
澑女性:介護職員:13年目(この施設では3年目):ホームヘルパー2級 濂女性:介護職員:7年目(この施設では3年目):介護福祉士 潦男性:介護職員:3年目:介護福祉士
5.グループE
日時:9月5日(水)10:45〜12:20 場所:京都市内 k特別養護老人ホーム
インタビュー対象者:6名(k特別養護老人ホーム職員)
回答者澳女性:介護職員:3年目(2年9ヶ月):ホームヘルパー1級 澣女性:介護職員:7年目(6年3ヶ月):介護福祉士・介護支援専門員 澡女性:介護職員:6年目:ホームヘルパー2級
澤女性:相談員・ボランティアコーディネーター:4年目(3年6ヶ月): 社会福祉士・ホームヘルパー2級
澹女性:介護職員:6年目(5年4ヶ月):介護福祉士
濆男性:生活相談員:6年目(5年6ヶ月):社会福祉士・介護福祉士
― 5 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
やその家族にかかわりを持つ特別養護老人ホームおよび高齢者デイサービスセンターの職員であり︑表1にあるよう
に︑五グループの実施で︑計二四名の職員による協力を得ることができた︒なお︑表中の回答者については︑性別
:
︵勤務施設︶職名
︶でむ含も務勤の設勤施他︵数年務 :
取得資格の順に示している︒ :
また︑質問内容については︑利用者の意識や価値観などと援助者の経験や考えを問うことを目的にあらかじめ設定し
た質問項目︵巻末︻資料3︼参照︶を当日の回答者全員に配布し︑インタビューの際には︑インタビュアーがこれを読
み上げるかたちで質問を行い︑回答者に自由に答えてもらう︵半構造化インタビュー︶ようにした︒
3.グループ・インタビュー結果の分析および考察の方法
録音したグループ・インタビューの内容についてテープ起こしを行い︑その読み込みおよび内容全体の分析︵個々の
発言のコード化︶から︑まず大きく三つのカテゴリー︵大カテゴリー︶を設定して︑個々の発言を分類した︒次にそれ
ぞれのカテゴリーに分類された発言を︑さらに細かく分類︵中カテゴリーを設定︶して分析・考察を行った︒カテゴリ
ー項目は次の通りであり︑1.2.3.は大カテゴリー︑
盧盪 蘯は中カテゴリーの項目となる︒ 1 .サービス利用に伴う利用者や家族への理解
盧
サービス利用に対する利用者や家族の意識
盪
サービス利用をめぐって職員が経験する家族関係
2.利用者や家族とのかかわりのなかでの経験
盧
利用者や家族とのかかわりにおける難しさ
盪
利用者へのかかわりと働きかけの実践
蘯
家族へのかかわりと働きかけの実践 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 6 ―
3.高齢者や家族の﹁生活支援﹂への意識や思考
盧
利用者にとって家や居場所となる施設づくり
盪るくづ係関なうよれ﹁らじ感を﹂族家り 蘯
家族への援助と家族関係の維持や再構築
︵2︶また︑分析・考察の作業のなかで︑必要であればさらに細かく分類︵小カテゴリーを設定︶して検討した︒
蠱
グループ・インタビュー結果の分析と考察
1.サービス利用に伴う利用者や家族への理解
まず高齢者福祉の施設サービスや在宅サービスの利用にあたり︑利用者である高齢者やその家族のどのような思いや
考えに職員が触れているのか︑そしてその思いに対してどのような理解をしているのかについて︑回答者の発言からま
とめてみたい︵なお︑発言内容の掲載箇所について︑たとえば﹇A︱
漓ル答回のAプーグ﹈︑はのるあと者
漓の発言と
いうことである︒また発言内容中の傍線は筆者による︶︒
︵1︶サービス利用に対する利用者や家族の意識
最初に︑高齢者本人や家族のサービスの利用意識に関する発言からみていくことにする︒
﹇B︱
澀﹈
︵サービス利用に対する意識は︶ずいぶん変わってきました︒介護保険の前と今では印象が違いますよね︒ご家族の方の意識と
― 7 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
して︑昔は﹁嫌やけど仕方なく入れるわ﹂︒最近は︑﹁早く入れてよ﹂という感じで︑入所された後もいろいろ注文をつけてくる
ことがあります︒権利を行使しているという感じがあります︒ずいぶん変わりましたね︒
﹇B︱
潯﹈
まず介護保険が始まる以前と以後で︑家族さんの意識が大分変わってきました︒措置の時代から契約の時代へということで︒
入所に関しては家族さんもだんだんとものを申すようになってきたことは確かですね︒
﹇C︱
濳﹈
介護保険で何かのサービスを利用する時︑サービスを受ける権利を有していることを自覚する人が徐々に増えてきているなと
思います︒昔の人からは﹁お上のお世話になりたくない﹂という言葉を実際に聞きましたが︑そういう言葉は最近はほとんど聞
かなくなりました︒いるとは思いますけどね︒介護保険が始まってもう何年ですかね︒浸透してきたのかなと思います︒
﹇D︱
潘﹈
日本は変わってきたと思うんですよ︒昔は老人ホームに入れられるとか︑捨てられたじゃないですが︑そう思われていたと思
います︒今は核家族化していますので︑老人ホームに入ることは幸せじゃないが︑プロの人にみてもらうことを念頭においてい
る感じです︒団塊の世代の人たちは︑これから施設に入ってくる人たちは︑プロの人たちにみてもらいたいと︒今の利用者の人
たちも﹁娘たちに︑やいやい言われるくらいやったら施設に入っている方が﹂という選択をされた方も︑中にはいらっしゃいま
すね︒
これらの発言から︑特に二〇〇〇年に介護保険制度がスタートして以降︑サービス利用に対する高齢者や家族の意識
の変化を職員が経験していることが伺える︒特に﹇B︱
澀﹈や﹇B︱
潯表ビーサ︑りおてしを﹈化変の識意の族家はス
利用が﹁権利﹂であるという意識が浸透していることを感じさせる︒また︑﹇C︱
濳﹈にある﹁お上のお世話になりた
くない﹂という言葉は︑いわば措置時代の福祉サービスの利用に対する印象や抵抗感を象徴する言葉であるといえる
が︑今日では﹇D︱
潘念みてもらうこと﹈頭人においている﹂人々にをの族ロにあるよう︑家にで護プはの﹁介︑くな 験研るす関に識意と高経の員職設施祉福者齢究
― 8 ―
が増えているということである︒確かにそれは核家族化の進行やそれに伴う親子関係をめぐる価値観の変化を表してい
ると言えるが︑しかしそのことが家族関係の希薄化を示していると解釈するのは早急すぎるであろう︒むしろ︑自分に
︵3︶介護が必要になったとき︑﹁家族に迷惑をかけたくない﹂という思いが﹇D︱
潘に言いやいや︑ち﹈た娘﹁のかなのわ
れるくらいやったら施設に入っている方が﹂良いという言葉となって︑﹁プロの人たちにみてもらいたい﹂という気持
ちにつながっているとも考えられる︒つまり︑それは人々が長生きすることに伴う家族の介護期間の長期化のなかで︑
高齢者の家族への愛情や思いの表れ方の変化を示しているともいえる︒いずれにしても︑このようなサービス利用意識
の変化や抵抗感の減少について︑デイサービスの利用に関する次の発言﹇C︱
濳﹈がある︒
﹇C︱
濳﹈
私が就職した八年前は︑利用を恥ずかしいと思う家もありましたが︑次第に減ってはきていますね︒送迎車両が朝︑あちらこ
ちらで見受けられますし︑保育園の送迎バスとよくすれ違うんですが︑それくらい浸透しましたので︒全部ではないですが︑か
なりそういう抵抗感は消えてきているとは思います︒
今日では︑デイサービスを提供する施設の増加とともに︑送迎車両を日常的にみかけることが確かに多くなった︒デ
イサービスが普及して︑一部の人たちだけでなく︑日常的に多くの高齢者が利用するようになったことは︑サービスが
社会的に受け入れられ︑利用に対する抵抗感を軽減させることにつながっているといえる︒しかし︑在宅サービスのな
かでも︑ショートステイに関しては︑次のような発言﹇B︱
潛﹈があった︒
﹇B︱
潛﹈
デイサービスは比較的在宅の利用者さんに馴染みやすいサービスだと思います︒ところがショートステイになってくると皆さ
― 9 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
ん︑日が暮れてくると不安になられて︑デイサービスを利用されていて︑ずいぶんサービスの利用経験があるのに︑それが泊ま
るということになると︑全く状況は違ってくるようです︒日が暮れると︑なんで帰れないのだろうと︑全く受け入れられなくな
ることによる混乱がショートステイにはつきものです︒そうなると今度はリスクが重なってきて︑転倒されたり︑発熱されたり
ということになってきてしまいます︒
デイサービスのような通所型サービスの利用と異なり︑宿泊をともなうということ︑それは言うまでもなくその日に
家に帰れることと︑帰れないこととの違いである︒家族と離れて宿泊するという体験は︑確かに老人ホーム等の施設に
入所することと同様ではある︒しかし︑ショートステイの場合は︑そのサービスの特徴から︑家族の急な事情が利用動
機になりがちであるため︑施設入所とは異なる利用者の混乱や不安を担当職員は経験している︒それは︑発言のなかに
ある﹁なんで帰れないのだろうと︑全く受け入れられなくなる﹂ような混乱や不安であり︑それを早くに軽減し︑滞在
期間中の安定した生活を保障するという︑施設サービスや他のサービスとは異なる難しさを︑ショートステイの職員が
経験していることが伺える︒
また︑上で挙げたようなサービス利用意識の変化についての意見とは反対に︑サービス利用に関して︑施設や職員に
遠慮しがちな家族や利用者についての発言や︑あるいは利用者への家族の愛情の強さが施設への強い要望となって表れ
るというような発言もあった︒
﹇A︱
潺﹈
家族の方とのかかわりでは特養に預かってもらってことはありがたいと思っている家族が多いんです︒私が直接苦情の受け付
けをしているわけではないんですが︑施設に失態があった時︑施設よりは自分自身を責めるところにつながりやすい︒家族の立
場で考えてみたら施設に苦情を言いたいけど︑自分が介護しないとあかんおばあさんやのに︑施設に預けている自分にも責任が 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 10 ―
あるのではないかと︒社会的な契約で預けているわけだから言うところは言ってもいいと思いますが︑まだそういう意識が残っ
ていたり︑預かってもらうだけでありがたいという思いがあるだけに︑施設に預けた自分自身の責任を強く感じておられます︒
﹇C︱
潭﹈
これだけお金払っているから︑これだけサービスを︑ということを強く訴えられる家族さんはほんとに少ない︒互いに主張で
きる立場なんですが︑僕たちにみてもらっているから何も言えないというところがあるのではないかなと感じています︒
﹇E︱
澣﹈
入所されても﹁お世話になってありがとうございます﹂という方もあれば︑私たちが一生懸命ケアをしていても︑そこの部分
で思いが伝わらなくて︑逆にクレームを言われたり︑家族については︑利用者本人への思い入れが深い分︑私たちに要望されて
くる内容も大きくなってくるかなと感じることがあります︒
﹇A︱
潺﹈や﹇C︱
潭し話は﹁自分が介護なのいとあかん﹂こと世者﹈うにみられるこのよな齢家族の様子は︑高で
あり︑本来は家族としてやるべきことであるという意識や︑それを他人にしてもらっていることによる罪悪感や申し訳
なさからくるものであるといえる︒それは︑いわば家族による伝統的な扶養意識の強さの表れともいえる︒そのような
家族が抱く気持ちや利用者本人への思いを受け止め︑かつ家族の身体的・精神的負担を軽減していくことが︑家族との
かかわりのなかで職員の役割として重要である︒また﹇E︱
澣へが﹂い深がれ入い思の人﹈本者用利﹁にうよるあにゆ
えに施設に対して多くの要望を訴える家族もある︒いずれにしても︑人口の高齢化が進むに連れて︑多くの人々がサー
ビスを利用する時代になり︑地域性や世代の違いも影響しつつ︑利用に対する意識もそれだけ多様化しているというこ
とである︒個々に異なる親子・家族関係とそれぞれの事情や思いを抱えた利用者や家族への個別の対応が︑今まで以上
に求められているという状況が伺える︒
― 11 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
︵2︶サービス利用をめぐって職員が経験する家族関係
施設職員は︑利用者や家族とのかかわりのなかで︑サービスの利用をめぐる様々な家族関係を経験することになる
が︑今回のインタビューでは︑職員が高齢者本人と家族との気持ちの﹁ずれ﹂を経験していることを表す以下のような
発言が得られた︒
﹇B︱
澀﹈
最近︑特に思うのは︑家族さんとご本人さんとの気持ちが結構︑離れている状態で入所になっているケースが多いなという気
がします︒︵略︶家族さんには大きく二パターンあると思います︒一つは同居されてすっかり介護に疲れて入所する場合︒もう一
つはもともと家族さんと離れて暮らしておられて︑独居かそれに近い状態で暮らしておられて︑隣近所から﹁これをほっておい
たらあかんで﹂ということで︑でも予め家族さんとしてはご本人に対する気持ちはすでにそんなに近くはなく︑﹁もうそろそろ施
設に入れておかないとあかんな﹂という感じでの入所︒最近はその二つのパターンが多いなと思います︒どちらにしてもご本人
さんと家族さんの気持ちが離れたところにある感じです︒
﹇B︱
潯﹈
在宅に関しては︑同居されている家族さんによっても意識の差があって︑我々が見ていても﹁そこまで家でみないでもええや
ないか︑施設に預けた方がええやないか﹂という家族さんもいてはるし︑﹁エッ︑こんな軽いのに︑まだまだ家でみられるのに﹂
と︑そこの家の家族関係︑親子関係︑嫁姑関係がいろいろあると思いますが︑﹁もうみてられない︑施設でお願いしたい﹂と︑そ
ういうのが増えてきましたね︒そのへんで我々はどちらの立場に立って意見を代弁するか︑在宅サービスでヘルパーさん︑デイ
サービスを使ってなるべく長い間︑在宅でいてもらいたいと思う反面︑家族さんはショートステイとか使って施設の方にちょっ
とでも長い間いてもらいたいとか︑そうなってくるとご本人さんの施設で馴染む人はいいですが︑馴染まない人もありますし︒
﹇B︱
潛﹈
サービスは本来︑利用者本位と言われていますけど︑ショートステイほど利用者の気持ちがどこかにいっているものはないん 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 12 ―
じゃないかなということを日々思うところですね︒これほど家族本位のサービスはないという感じがしているので︑日々やって
いて一番辛いところです︒利用日数がどんどん長くなって︑最後は﹁いつ入れてくれるんですか︑いつ入所の日が来るんです
か?﹂と家族さんは言われるんだけれども︑ショートステイの日数が長くなる中でも︑利用者さんは少しでも早く家に帰りたい
という気持ちを強く持っておられて︑利用中に帰宅願望が強くてという状態が出るのに︑帰ってみれば家族は意外と冷たかった
りとかするわけですね︒でも帰りたかったという利用者さんの気持ちをどこに持っていってあげればいいのかなというところ
が︑業務で一番辛いところですね︒
﹇C︱
濳﹈
利用者と家族の意見が全く違うということは︑よくよくある話でして︑極端な例の一つとしては︑本人は家にいたい︑家族は
面倒をみられないから施設に入れたい︒今の経済的な関係では家族がサービス利用費を払っている︒過去のおばあちゃんと息
子︑嫁との関係を僕らは知らない︒家族からお話を聞くと﹁おばあちゃんからいじめられた﹂とか反感の感情が出てきて︑よう
面倒みない︒かたや︑おばあちゃんの方は身体が弱っていて︑誰かが面倒みないといけない︒これは極端なケースですがね︒そ
ういう時にさてどうしようか︒施設入所の話で進めていくのか︑在宅で継続するか︒判断に迷いますね︒僕らでは決められない︒
﹇C︱
潭﹈
たとえば︑かたや︑ご本人は歩きたい︑かたや家族さんは歩かせたくないというような場合があります︒家族さんの生活環境
の中で︑四六時中︑みることができないので︑ベットや布団でケアしているということで︑拘束ではないと思いますが︑故意で
はないんですが︑安全ということでね︒でも本人さんは歩きたいという気持ちがあるんです︒そういう場合︑スタッフと関係者
と調整するんですが︑ご本人さんの歩きたいという思いがある以上は︑ここで﹁できません﹂と言えないので︑ある程度︑家族
さんが認めてくれるような直地点を探りながら落ちつけるようなところを探るという点が難しいなと思います︒
﹇C︱
澂﹈
利用者の方とその家族の方の思いが違う時があるんですけど︑利用者の思いを一番にというのが基本だと思いますけども︑私
たちは家族の方の支援を含めてやっていかなければいけないと思うんですね︒そこで思いの違いが出てくると︑どのような支援
をしていけばいいのか難しいと思うことがあります︒たとえば︑家族の方はもう一回くらいデイサービスに行ってお風呂に入っ
― 13 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
たり交流したりして健康的に過ごてほしいなと思っていても︑利用者の方は家で過ごしている方がいいと言われる方もあります︒
﹇B︱
澀ち者本人と家族の気持が利﹁離れたところにある用ス﹈ビの発言は︑施設サースビの利用にあたり︑サー﹂
と感じられるという指摘であり︑﹇B︱
潛ス際にショートテ︑イの利用者の実を﹈気はそのような持態ちが離れた状家
族の対応に対して﹁冷たい﹂という印象で経験していることを示す発言である︒利用者の思いに寄り添い︑その立場に
立つという姿勢を大切にする職員にとって︑それは﹁辛い﹂経験となっている︒また︑﹇B︱
潯﹈の発言は︑職員から
みて在宅での生活が限界であると思われるにもかかわらず自分︵たち︶で高齢者をみようとしている家族がある一方
で︑十分在宅で生活していける状況であるにもかかわらず︑施設入所させたいという家族からの希望の増加を感じてい
るという発言である︒利用者本人と家族の思いとの両方を受け止めつつ︑﹁どちらの立場に立って意見を代弁するか﹂
という高齢者本人と家族との意思の相違の間に職員が挟まれるという経験を表している︒いずれにしても︑施設職員
は︑これまでその家族や親子が積み重ねてきた﹁そこの家の家族関係︑親子関係︑嫁姑関係がいろいろある﹂状況と︑
その影響の大きさをサービス利用の際に感じて︑経験することになる︒そしてそれは︑﹇C︱
濳﹈の発言にあるよう
に︑本人と家族の意思が異なる場合に︑職員の側で決めることはできず︑﹁判断に迷う﹂という経験になる︒このよう
な職員の経験の背景には︑サービス利用に際して︑利用者の家族の意向やそれぞれの家族関係・親子関係の歴史および
現状を無視できないということがあり︑それゆえにその家族や親子の関係を何とか調整しようと試みるのである︒その
気持ちや姿勢が﹇C︱
潭地てくれるような直点認を探りながら落ちめが﹈にの発言にあるよう﹁んある程度︑家族さつ
けるようなところを探る﹂というかかわりになる︒
このように高齢者福祉施設の職員は︑﹇C︱
澂とけすまい思とだ本基がのういに﹈番一をい思の者用利﹁のかなのど
も︑私たちは家族の方の支援を含めてやっていかなければいけない﹂という言葉にあるように︑利用者を中心としなが 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 14 ―
らもその家族関係や親子関係をも受け止め︑家族にもかかわりながら︑家族の支援も重要視している︒しかし利用者と
家族との﹁思いの違いが出てくると︑どのような支援をしていけばいいのか難しい﹂とあるように︑実際にはその調整
は︑次の発言﹇C︱
潭のるめ極を難困︑りなと﹂業難﹈至﹁なうよるいてれさ示もに︒
﹇C︱
潭﹈
こちかららの一方的な情報になってしまうといけない︒家族さんの現状の思いを考えると︑こちらからの一方的な思いだけで
はうまくいきませんので︑うまく調整していくのは至難の業だなと思っています︒
その調整への努力は一方で︑以下の発言﹇A︱
滷な安の係関族家やさき大のりがつ﹈の族家りはや︑にうよるあに定
が利用者を支えることになるということを職員が経験していることによる︒
﹇A︱
滷﹈
名前の通り︑老人ホームなので︑家になると思うんです︒帰宅願望もあるんですが︑七〇年︑九〇年暮らしてきた家とホーム
と比べたら間違いなく家だと思うし︑ほったらかしのような家族でも︑それでも家がいいということで︑家と家族には勝てない
かなと感じてはいるんです︒でも︑その中でホームと名前をつけている施設がどれだけ家に近づいていけるか︒b特養もそうい
う方向に︑ということで︑職員が疑似活動をする︒孫とか曾孫のような︑娘︑息子のかかわりで︒家族さんには勝てないんで
す︒どれだけ信頼関係をよくした職員でも︒関係がよくない家族さんが来ても家族の方がいいということはあります︒
﹁家族には勝てない﹂︑﹁関係がよくない家族でも家族の方がいい﹂という言葉にあるように︑利用者にとってその関
係は多様であっても︑いかに家族の存在やそのつながりが与える影響が大きいかということを︑職員が肌で感じている
― 15 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
ということであろう︒そのような経験から︑﹁施設がどれだけ家に近づいていけるか﹂という︑利用者にとって﹁家﹂
となるような生活空間づくり︑施設づくりを目指すということになる︒また︑グループBでは︑利用者の状況からター
ミナルケアとなるような場面で︑家族関係の再構築がみられるという以下のような興味深いやりとりがあった︒
﹇B︱
潯﹈
基本的に施設から家族に連絡するのは︑行事のお知らせだったり︑本人に熱が出たりとか︑相談員から連絡したりしているん
ですけど︑先般の例で︑医者の方からも﹁これはターミナルやな﹂という話になったケースがあって︑一応家族さんにも来てい
ただいてターミナルケアプランを立てて︑最後まで入院しないでここで看とりましょうという話になりました︒でも︑その話が
出てから︑今までほんまに施設に来なかった家族さんが来るようになって︑本人が好きな茶粥をつくってくれたり︑いろんなき
ょうだいの方も来られて︒それによって本人さんは︑刺激があったのか︑まだターミナルの時期ではありますけど︑命が永らえ
ているというケースがあります︒
﹇B︱
澀﹈
ターミナルが始まると元気になることもありますね︒
﹇B︱
潯﹈
医者の先生を交えて家族さんに話をしておいた方がいいということでプランを立てるんですけど︑そういうふうに元気になる
人もいて︑それだけはわからないですね︒
﹁B︱
潛﹂
それだけ家族とか︑家のにおいのするものが大きいということですね︒ずっと望み続けていたものが︑そんな状態になってや
っと与えられて︑にわかに元気になったということですね︒常々家に帰りたいと言っておられた方なのでね︒
﹇B︱
潛︑に象徴されるよ﹈に利言用者の生活や人生にお葉うういのい家族とか家のにお﹁のきす﹂いと大がのもる 験研るす関に識意と施経の員職設祉福者齢高究
― 16 ―
ける﹁家族﹂の存在や﹁家﹂という空間が与える影響の大きさがある︒そしてそれは︑ターミナルの時期にあっても利
用者の﹁生命﹂を支える力にもなる︒それゆえに施設職員は︑永年築いてきた利用者と家族との関係を尊重し︑視野に
入れながら日々の実践を行っているのであり︑それは時には︑サービス利用をめぐる利用者本人と家族との気持ちの
﹁ずれ﹂を受け止めながら︑その調整を試み︑家族関係の修復や再構築をも目指す実践となるのである︒
2.利用者や家族とのかかわりのなかでの経験
︵1︶利用者や家族とのかかわりにおける難しさ
利用者や家族との直接的なかかわりのなかで︑職員は様々な悩みやとまどいを経験する︒次は︑今回のインタビュー
で得られた発言から︑具体的にどのような悩みや難しさを経験しているかを明らかにしたい︒
﹇A︱
漓﹈
利用者ができることは自分でしてもらって︑できないことを職員がしようと思っているんですが︑利用者によっては﹁全部や
ってほしい﹂という要望が多くて︒ご家族の方も一緒に﹁やったってくれへんか﹂と電話でわざわざ言ってきたり︒こっちがし
たいと思っていることと︑向こうがしてほしいと思っていることが違うなと思うことがあります︒
﹇A︱
澆﹈
介護保険によるサービスになったことで︑なんでもかんでも家族の要望を聞くのではなく︑契約ということで︑施設でできる
ことと︑できないことをきっちりお話をさせていただくことにしています︒出てくる要望に関しても最大限できること︑できな
いことはできないと︑どううまく伝えられるか︒利用者に関しては﹁それは無理ですから﹂と話をさせていただくことで済みま
すが︑家族側にすると﹁なんでお金払っているのにそこまでしてくれないのか﹂と言わはる方も出てきます︒︵略︶伝えるタイミ
ングとか投げ方を常に考えますが︑そこを押さえておかないと何かあった時にトラブルが起こるということに関しては一番気を
― 17 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
つかいます︒難しいと思いながらもやっています︒
﹇D︱
潦﹈
少しずつ我慢していただかないといけないところがあるので︑それをどうお伝えしたらいいのか︒伝えられるケースもあれ
ば︑伝わりにくいケースもあって︒我慢してもらう部分の代わりに何が提供できるか︒難しいと思うことは毎日山ほどありま
す︒この人に対してどうしてあげたらいいのかというのを︑私たちの接し方もあるでしょうし︑環境もあるでしょうし︑限られ
た時間︑限られた環境の中で︑その人にとってどうするのが一番いいのか︑どうして過ごしていただくのがいいのかを考えて︑
時間的な制約とか環境的な制約でできなかったり︑限られた中でどう実現していくのかを考えてもなかなか解決策は出てこなか
ったり︒根本的なところで言えば︑その人は何を望んでいるのか︒家族さんもどういうことを思ってはるのかを︑どうやって情
報交換すればいいのか︒その方法とか︒難しいことだらけです︒
これらの発言は︑利用者や家族に対して︑サービスとして︑そして援助者として何がどこまでできるのか︑あるいは
やるべきなのかということの難しさを表しているといえる︒﹇A︱
漓ばくなでのういといいれ﹈やをて全︑は言発の︑
利用者のできないところを補うのが介護であり︑援助であるという考えのもとでの実践を行おうとするのであるが︑そ
れが本人や家族に理解されず︑﹁こっちがしたいと思っていることと︑向こうがしてほしいと思っていることが違う﹂
状況に職員がとまどう様子を表している︒また﹇D︱
潦しいなけいといなかだたいて慢﹈我つずし少﹁に者用利︑は﹂
ことがどうしてもあるという状況︑すなわち施設での生活という色々な側面で﹁限られた﹂状況のなかで︑それでも利
用者や家族の思いや要望に最大限に寄り添うために︑どうすれば﹁その人は何を望んでいるのか︒家族さんもどういう
ことを思ってはるのか﹂を知ることができるか︑同時にそれらを少しでも実現するにはどうすればよいのかという悩み
や
鐚藤である︒
このようなことについて︑﹇A︱
澆いービス利用と﹈ることから︑施設サうよのには介護保制度険もでの﹁契約と﹂ に意識研関する験と齢経の員職設施祉福者高究
― 18 ―
で﹁できることとできないこと﹂を﹁きっちり﹂伝えることが重要という指摘である︒それをやっておかないことがト
ラブルの要因ともなり︑利用者や家族と築いてきた関係に結果的に支障を来すことになり得るということである︒﹁難
しいと思いながら﹂も︑悩みや
鐚えるえ伺が姿の員職るすとうよ伝藤に族家や者用利︑もつつえ抱を︒
次は︑施設での利用者の現状を家族が受け入れられず︑その理解を促すことへの難しさを経験している職員の発言で
ある︒
﹇D︱
濂﹈
家族さんに自分のお父さん︑お母さんの状態をご理解いただくのが難しくて︑毎日一緒に暮らしていたら気づくのでしょうけ
ど︑入所されていて毎日一緒に暮らしていないので︒利用者さんに何かあったことを家族さんに説明させてもらっても︑どこか
で﹁そんなことないやろう﹂という感じで︑なかなか受け入れてもらえない場合があったりします︒家族さんに情報を伝えて︑
現在の状態を受け入れてもらえるかなということで悩むことはあります︒
﹇E︱
澣﹈
家族さん自体がご利用者さんの現状を受け止めていただけないことがあって︑いろんな角度を変えてワーカーの立場からご説
明してもご納得いただけないとき︑家族さんとしては受け止めたくないのかなということがあって︒今のお父さん︑お母さんの
ことを受け止めたくなくて言っておられるかなと思うこともあります︒こちら側に望まれることがハードルが高くて︑毎日のケ
アから︑それは絶対無理ということであっても︑家族さんとしては﹁これをしてほしい﹂と言われることがあります︒こちらは
保身に走ってしまうかもしれないのですが︑こんなことをすればご利用者さんにとって負担がかかるということが︑毎日のケア
でわかっていても︑そこは望まれないという難しいことがあったり︒ドクターとかからいろんな話をしていただいても︑﹁あの先
生の言うことは信じられない﹂という感じがあります︒そのギャップをどう受け止めていくか︒ケアにかかわっていて︑家族さ
んにそこを理解していただけずに︑﹁やってもらっていない﹂と言われることが辛いですね︒
― 19 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
﹇E︱
澹﹈
入居者様のご家族様からすれば︑いい時期のお父さんだったり︑お母さんだったりする像があって︑その状態から今の変化を
読み取りにくい︒受け入れにくい︒両方の間に入ってケアする時に難しいなということがよくありますね︒認知症をお伝えする
時にも︑しっかりしているという像が家族さんの中にあるので﹁最近︑身体の調子が悪くて︑ものを言っても全然違う返事が返
ってくる﹂とか︒職員として﹁今はこんな状況なんです﹂と伝えることがいいのか︑家族さんのことを思って少しやんわりしゃ
べった方がいいのか︑家族の方がかかわってくださるなかで︑余計にそう思うところがあります︒でも︑受け止めてもらうのも
大事かなと︒そして︑そのなかでかかわれることも一杯あるということを伝えたいけど︑なかなか難しいなと思います︒
言うまでもなく︑﹁老い﹂とは身体的・精神的な衰えを伴うことであり︑高齢者福祉施設の職員は︑様々な﹁老い﹂
の状態と︑﹁老いていく﹂過程を利用者と共にしながら︑日々を過ごしている︒そして︑利用者の﹁老い﹂に伴う状態
の変化に寄り添いながら︑日々の安定した生活とその質の向上のためによりよいケアの実践に努めている︒しかし︑
﹇D︱
濂態だけに︑利用者の状のな変化を﹁なかなか受けいい﹈とにあるように︑家族にってては普段一緒に暮らし入
れてもらえない﹂︑あるいは﹇E︱
澣とめたくない﹂いけうことが起こり止受﹈よのなかにあるう﹁に︑家族として得
る︒また﹇E︱
澹症﹂像があり︑認知のさ状態に対しても﹁しん母﹈﹁のように︑家族にはいおい時期のお父さん︑っ
かりしている﹂ときの像があって︑そのことが利用者の現実の状態と家族の認識との﹁ギャップ﹂を生み出すことにな
る︒そのような﹁ギャップ﹂を埋めるために︑職員は家族とのかかわりを重ねていくが︑理解が得られない難しさに悩
みながら︑ときには﹇E︱
澣て︶やってもらっいとない﹂と言われるをこ﹈家にあるように︑族いから﹁︵してほし辛
さを経験することになる︒また﹇E︱
澹用がゆえに︑利者思の状態についうを﹈ののように︑そよとうな家族のこて
﹁少しやんわりしゃべった方が﹂というような︑はっきりと伝えることへのとまどいを感じているのである︒
このことは︑それだけ利用者の日々の生活の安定のためには︑利用者本人だけでなく家族とのコミュニケーション 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 20 ―
が︑そして利用者の状態やケアの方針や内容についての家族の理解が大切であるということを表している︒職員は︑
﹇E︱
澹止認知症の進行を受けめ化るなかで︶かかわれるや変﹈その最後にあるように﹁ののなかで︵利用者の状態こ
とも一杯あるということを伝えたい﹂という思いを持ちながら家族とかかわりを重ねているのである︒
︵2︶利用者へのかかわりと働きかけの実践
では次に︑以上のような難しさや悩みを抱えつつも︑職員が利用者や家族との関係を深めるためにどのようなかかわ
りや働きかけを大切にし︑実践しているのかについてみていきたい︒
﹇A︱
潺﹈
利用者の中で多くの方が帰宅願望︑家に帰りたいという希望を持っておられます︒実際には家には帰っていただくことは頻回
にはできないので︑その思いを受け止めてその方が帰られるように家族さんと連絡をとって︑一時帰宅をしていただくことを大
事なことだと思って配慮させていただいています︒家に帰って仏壇がちゃんとあるかどうかとか︑家に帰って︑何かしたいとい
う方や︑家に帰って子どもの顔が見たい︑家に帰って家の雰囲気を感じたいという方など︒︵略︶家に帰ること自体が大事なこと
なのだろうと思います︒
﹇A︱
澁﹈
利用者さんに関して言えば︑生活習慣︑価値観をどこまで叶えられるか︒ハード的にむりなことがあるんですが︑どれだけ折
り合いをつけて皆でやっていくかということですね︒それと諦めて入ってくる人もあります︒家族に捨てられたという思いで入
ってこられる方がおられるので︑そういう方の場合︑生活習慣︑価値観をすべて捨ててくる人もいますから︒その中でどれだけ
寄り添ってそれらを見出していけるか︒しゃべれないのではなく﹁しゃべらはらへんかったんや﹂みたいな方もあります︒
﹇C︱
澂﹈
信頼関係ですね︒それがあって初めてその方が求めているものが出てくると思います︒対話︑コミュニケーションしかないな
― 21 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
と︒利用者の方や家族の方と気軽に︑こちらからもコミュニケーションをとっていきたいと思っています︒利用者さんは高齢の
方ですから大先輩ですし︑尊敬に値する方ですから︑その方々の気持ちをくんで︑介護の世界であれば信頼関係をいかに持って
いくかが大事だと思います︒
﹇D︱
澑﹈
どうしてあげたらいいのかという方もいらっしゃいますよね︒ナースコールを何回も押さはるのは来てほしい︑特に用事はな
いんだけど職員にかかわってほしいという思いの現れだったりします︒そのためにはどこか痛いと言わないといけない︒エアコ
ンが暑いとか寒いとかというふうな︒かかわりを求めておられるんですね︒︵略︶歳をとってくると我が侭になるのが︑何となく
わかるような気がします︒︵略︶何が︑そう言わせているのかを考えていけるようにしていきたいですね︒
﹇E︱
澳﹈
話を伺う姿勢︑思いがあるのであれば︑伺いたいなという︑それを日々の自然な形で取り入れられたらなと︒改めて﹁どうで
すか?﹂と聞くのではなく︑日々の会話のなかで︒家族の方だったら︑面会に来られて最近のご様子をお伝えして︑その中で言
われた一言︑一言を気に留めながら少しずつ思いをくみ取っていけたらなと考えています︒
﹇E︱
澤﹈
職員はやることが決まっていて︑できることに限りがあります︒職員は時間的にも余裕がなくて︑ボランティアさんにかかわ
っていただくことで利用者さんに視野を広げてもらえるということがあります︒毎日同じ人ばかりではなく︑いろんな方とかか
わっていただくということで︑家の中だけで家族だけとの生活はありえないわけで︑社会的存在である人という意味では大切な
部分かなと思います︒
前述したように施設入所への抵抗感は減少してきているとはいえ︑﹇A︱
潺はに家の分自﹁りや﹈︑にうよるあに帰
りたい﹂と思う利用者も多い︒この職員は﹁家に帰ること自体が大事﹂という言葉にあるように︑その利用者の思いを
否定することなく受け止め︑一時帰宅を﹁大事なこと﹂としている︒施設で暮らす利用者が︑一時帰宅によって住み慣
れた﹁家の雰囲気﹂や家族とともに暮らしてきた空間を味わうということも︑生活の安定に向けて非常に重要なことで 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 22 ―
あろう︒そして︑何より施設職員には︑利用者の施設での生活の安定をいかに図っていくかということが求められる︒
そのために﹇A︱
澁とし︑施設での生活い尊うことでの限界はあ重を﹈れにあるように︑そま観での生活習慣や価値っ
ても︑職員間で協力して可能な限り﹁折り合いをつけて﹂現実化していくことに努めるのである︒特に︑﹁家族に捨て
られたという思い﹂を抱いて入所する利用者に対しては︑そのつらさや苦しみに寄り添いながら︑利用者の背景にある
ものへの理解︑すなわちこれまでの生活習慣を見出して実現していくことが︑施設での生活の安定のために必要なので
ある︒
﹇C︱
澂﹈と﹇E︱
澳てめていくかについのに発言であり︑﹇D深う﹈ミは︑利用者とのコュよニケーションをどの︱ 澑いC﹇︒るあで言発のてつ﹈に方りあの解理者用利は︱
澂係こるいてめ求︑き築を﹂関﹈頼信﹁のと者用利︑はでと
を理解するためのコミュニケーションの重要性を﹁対話︑コミュニケーションしかない﹂という言葉で表現している︒
そして﹇E︱
澳﹂﹁日々の自然な形でのとやりとりのなかからの族﹈たが示すのは︑改まっ形家ではなく︑利用者や︑
そこでの﹁一言一言を気に留め﹂︑大切にすることで利用者や家族の思いを受け止めていきたいという職員の姿勢であ
る︒そして﹇D︱
澑考わせているのかをえうて﹂︑かつ職員間で言そ﹈のは︑利用者の言動背︑景︑すなわち﹁何が共
有することを大切にしたいという発言である︒そのような援助者としての姿勢が︑﹁かかわりを求めておられる﹂︑﹁歳
をとってくると我が侭になるのが︑何となくわかるような気がします﹂という利用者を理解する言葉となって表れてい
る︒また︑﹇E︱
澤家の指摘である︒﹁のい中だけで家族だけとてつ﹈とにあるのは︑利用者ボにランティアとの交流の
生活はありえない﹂ということから︑職員や利用者同士の関係だけでなく︑施設の外︵の人々︶との社会的なつながり
が︑施設入所後も﹁社会的存在﹂として︑あるいは地域の一員としての利用者を支え︑その社会生活を豊かにするとい
うことである︒
また︑利用者とのかかわりについては︑﹁利用者の味方﹂という言葉で職員の姿勢を表現した以下の発言﹇B︱
澀﹈
― 23 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
﹇D︱
潘﹈もあった︒
﹇B︱
澀﹈
利用者さんに関しては︑この人は私の味方︑この人は頼りになるという人が職員の中に絶対誰か一人ほしいと思います︒ケア
ワーカーでは担当制が敷かれますが︑その担当になった職員は︑どんな場合でも私はこの人の味方だという立場を貫くようにし
てほしいなと思いますね︒結構︑利用者間でも職員の中でも︑人間関係が色々あるので︑﹁この人は絶対私のことはわかってくれ
る︑味方や﹂という人が一人はいるようにしたいですね︒
﹇D︱
潘﹈
私は生活相談員なので常に一〇〇%︑ご利用者様の味方であるということです︒︵略︶どんなわがままを言われてもです︒︵略︶
わがままを聞き入れるのが難しいことも知っています︒けれども︑そのわがままを聞いてくれる人がいなくなった時の喪失感を
埋めていくのが相談員の役割だと思っていますので︑一〇〇%︑どんなことがあっても︑どんなに変なことを利用者さんが言っ
ても︑私だけは絶対に反対しない︒ほかの職員からすると﹁利用者さんに甘い﹂と思っている人もいると思いますが︑私はそれ
でいいと思っています︒︵略︶それを叶えていくために職員にどのように協力してもらえるかというのが日々の職員との人間関係
によって実現されると思います︒日々の職員との人間関係がそこに反映していくと思います︒︵略︶職員に何かお願いしても﹁そ
うですか︑じゃ︑やってみます﹂と言ってもらえたら︑私はそれで利用者様に反映すると思っています︒
﹇B︱
澀の︑﹁この人は絶対私こでとはわかってくれる︑も人﹈ににあるように︑利用者と一って職員のなかの誰か味
方や﹂と思えるような存在がいるということは︑利用者の寂しさや不安を軽減し︑施設での生活の安定をもたらす助け
となるといえる︒また﹇D︱
潘﹂あるということと方いう言葉から︑で味﹈一のなかの﹁常に〇の〇%︑ご利用者様そ
れがたとえ﹁わがまま﹂であっても︑周りから﹁甘い﹂と思われても︑﹁私だけは絶対に反対しない﹂で︑利用者のそ
の思いに徹底して寄り添うという職員としての強い姿勢が伺える︒さらに︑﹇D︱
潘実﹈めたるさ現せをい思のそ︑は 験研るす関に識意と者経の員職設施祉福齢高究
― 24 ―
にも︑日々の職員同士の人間関係が大切であり︑そのことが利用者の生活の安定に反映するという重要な指摘をしてい
る︒
︵3︶家族へのかかわりと働きかけの実践
次は︑利用者の家族に対して︑職員がどのようなかかわりや働きかけを行っているかについての発言である︒
﹇A︱
滷﹈
そういう方々︵施設に面会や訪問もない家族︶とコミュニケーションをできるだけとって︑近くの場合であれば︑ご家族さん
を訪問させていただき︑折りに触れて手続きとかの理由で連絡をとって︑最終的には娘さんとかを引っ張りだす形で関係を深め
ていくということをやっています︒家族の方と直接話ができるように︑行事の際などにきていただいて︑行事を通して関係を築
いていくとかです︒施設に入っていらっしゃる方も家族抜きには考えられませんので︑ご家族をまずどう巻き込むのか︑ご本人
さんはもちろんですが︑ご家族にどう施設に向いていただくかというところを考えます︒
﹇A︱
澆﹈
ご家族さんが面会にこられない場合︑家族の中にその人を思っている本来の姿と今の姿があまりにも違っていて︑家族として
は︑﹁見たくなくて来はらへんのや﹂と思い知らされることがあります︒そういうときには︑家族さんの中に残っている︑その方
の今までの姿を大切にできるような話し方︑昔の話を聞き出すこととか︑﹁今はこんなふうになってしまって﹂という時に︑﹁こ
ういうところは今でも残ってますよ﹂とお話をさせていただいたり︑﹁全く別人になってはるのではなく︑今もその片鱗がありま
すよ﹂などと︑家族が思っているこの方と︑今いらっしゃるその方をつなぎあわせるようなお話をすることを心掛けています︒
﹇B︱
澀﹈
家族さんとのかかわり方では︑日頃のコミュニケーションに勝るリスクマネジメントはないなと思います︒とにかくミスし
た︑失敗したこと︑怪我したことで家族さんを第一発見者にしてはいけない︒﹁ごめんなさい﹂とこっちから絶対に先に伝えない
― 25 ―
高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
といけない︒家族さんを第一発見者にするとだめ︒そういう処遇は大事かなと思います︒
﹇B︱
潛﹈
日常の段階から︑こちらで過ごされている様子が︑いかに家族さんに理解される状態で伝わっているかどうか︑日々のコミュ
ニケーションのとり方のマメさが大事です︒連絡をくれはった職員はあの方で︑普段こういうことを言われている︑多分こうい
うことだろうと家族さんが容易に想像できるような信頼関係が何かトラブルが起こった時にも現場を救ってくれるような気がし
ます︒人情に任せているようなずるい気はするんですが︑︵略︶これだけのことをしてくれてはって︑こうなったんやとどれだけ
理解されるかによって︑トラブルの重篤さが変わるような気がしています︒家族とのそういうかかわりに時間を割く必要がある
のかなと思っています︒
﹇E︱
澡﹈
私のユニットは要介護度が高くて寝たきりの方も認知症の方もいらっしゃいます︒なかなかご本人さんと意思疎通がとれない
方が多いんです︒入所されて間もない方とか︑何年もいらっしゃる方もあって︑それぞれに対応とか︑職員が声かけとかすれば
いいんですが︑その時︑その時でなかなか難しいこともあります︒︵略︶いつも顔を合わせている家族さんなのに︑腰を据えてお
話をしたことで︑その人の知らなかった生活歴のお話をしていただいて︑初めて見えたことがあって︒﹁この人はこういう環境で
過ごされたのや﹂ということがわかることがあります︒見えてない部分がまだまだあるかなと思います︒
﹁E︱
澹﹂
家族の方が一緒に利用者さんと一部︑食事介助とかお手伝いしてくださるとか︑定期的にかかわっていただけるのがいいかな
と思います︒毎日のように来ていただいている家族の方もいらっしゃって︑サービスということでも施設でどういうことをして
いるか︑よく見ておられるし︑家族さん同士がお話しあいする機会や時間も増えて︑利用者さんにとっても家族さんにかかわっ
ていただくのはうれしい時間だと思うので︑一緒に過ごす時間を大切にしていただくようにしています︒はじめはお手伝いして
もらうということで我々にも抵抗があった部分もあるのですが︑今は︑﹁ここは家族さんには代われない﹂ということでお願いし
たり︑ご家族にも参加していただくようにしています︒ 高齢者福祉施設職員の経験と意識に関する研究
― 26 ―