日本機械学会[No.137-1]北陸信越支部 第50期総会・講演会 講演論文集 [2013.3.9福井市]
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三次元境界要素法を用いた異方性-異方性二相体の応力解析 Stress Analysis for Anisotropic-Anisotropic Materials using
Three-dimensional Boundary Element Method
○学 板倉 司(長岡技大院) 正 古口 日出男(長岡技大)
Tsukasa ITAKURA, Graduate School of Nagaoka University of Technology, 1603-1 Kamitomioka, Nagaoka, Niigata Hideo KOGUCHI, Nagaoka University of Technology, 1603-1 Kamitomioka, Nagaoka, Niigata
Key Words: Stress Analysis, Stroh Formalism, Boundary Element Method, Stress Singularity
1. 緒言
電子デバイスには小型化のため CSP(Chip Size Package) がよく用いられる.CSPは半導体を封止樹脂によって接合 したものであるが,このような接合体に外力が加わると,
接合界面端部は,弾性論的には応力が無限大に発散する特 異応力場となる.これによる接合界面の剥離がCSPの破壊 原因の一つと考えられているが,特異場では応力が発散す るため応力値のみでの単純な強度評価ができない.
これまでの研究(1)では,特異点からの距離 r での応力σij
が近似的にσij=Kijr-λに載ることを利用して,特異場の強さ Kijと特異性オーダλによって,界面の強度が評価されてい る.これらは等方性接合体を対象としたものであるが,実 際の電子デバイス内には多くの単結晶が使われており,多 く用いられているシリコン等は異方性を有している.本研
究では,Stroh形式による異方性-異方性二相体のグリーン
関数を三次元境界要素法の基本解として導入し応力解析を 行うことで,より現実の電子デバイスに近いモデルにおい て,特異応力場と特異場の強さの関係を明らかにする.
2. 三次元異材接合体における応力解析
2・1 Stroh形式を用いた異方性-異方性二相体の基本解 異方性-異方性二相体におけるStroh形式を用いたグリー ン関数は,既に古口(2)によって導かれている.
物体力がない場合の三次元弾性体において,変位ベクト ルをuj (j=x,y,z),作用力ベクトルをtj =(σxz, σyz, σzz),その他 の応力成分をsj =(σxx, σxy, σyy)とする.これらをx,y平面に ついて二次元フーリエ変換した!!,!!,!!は次式となる.
(1) (2) s(!! 1,!2,z)= !i!C e!ip*!z q (3)
Fig.1 Anisotropic-Isotropic two-phase material
ここで,η1=ρn1,η2=ρn2とおいた.なお,(n1,n2)=(cosθ,sinθ) であり,ρは正の変数である.またA,BおよびCは弾性 定数などによって決まる行列で,特にAはStroh固有ベク トルajからなる行列である.pはStroh固有値,qは未定係 数ベクトルである.
図1に示すようなを異方性−異方性二相体において,点P に集中荷重f=(f1,f2,f3)が作用する場合を考える.このときの 変位と作用力の材料界面における境界条件は,次式のよう に表せる.
(z=0) (4) (z=0) (5) (6) (7) ここで括弧付の上添字は対応する領域の材料を示している.
式(1)~(3)を用いて二相体におけるグリーン関数を表し,境
界条件式(4)~(7)によって未定係数ベクトルを求める.さら
に,これらの式をフーリエ逆変換することで変位と応力の グリーン関数が得られる.
図2(a)にz0=-0.5,0.5mmにx方向の単位集中荷重が作用し
た場合,(b)に z0=-0.5,0.5mmに z 方向の単位集中荷重が作
用した場合の x=y=0.1mmにおける変位uijを示す.ここで 変位の添字はi方向の単位集中荷重に対する j方向の変位 を表している.いずれの成分も材料界面で連続な分布とな っている.また,図3(a)(b)に,z0=-0.5,0.5mmにx方向とz 方向の単位集中荷重が作用した場合の x=y=0.1mm におけ る応力σijkを示す.変位と同様に応力の添字は,i方向の単 位集中荷重に対するjk面の応力を表す.これもまた,界面 で連続な分布になっていることが確認できる.
材料定数については,材料 1 は Ni(1,1,1 面)の弾性定数 {C11, C12, C13, C15, C33, C44, C66}={325.70, 129.03, 103.17, 36.58, 351.57, 72.47, 98.33}[GPa],材料2にはAl(1,1,1面)の 弾性定数{C11, C12, C13, C15, C33, C44, C66}={111.92, 58.69, 56.96, 2.44, 113.64, 24.89, 26.62}[GPa]を用いた.
2・2 三次元境界要素法(3)
一般に応力解析には有限要素法を用いることが多い.し かし,特異応力場など応力値の変化が顕著になる箇所では より微小な要素を用いる必要があり,物体内部まで要素分 割する必要がある有限要素法では,総要素数が膨大となる.
そこで本研究では,境界のみの要素分割で解析が可能で,
基本解によって物体内部における応力をより高精度に求め ることができる境界要素法を用いる.
三 次 元 弾 性 体 内 に お け る 任 意 の 点 の 変 位 は , 次 の
Somiglianaの境界積分方程式で求めることができる.
(8) ここで,pは領域の内点,Qは境界上のソース点,tiとui
ui(p)= "#Uij(p,Q)tj(Q)!Tij(p,Q)uj(Q)$%ds(Q)
&
Su(!! 1,!2,z)=A e!ip*!z q
!t(!1,!2,z)= !i!B e!ip*!z q
! u(1)=u!(2)
!t(1)=!t(2)
! u(1)
z=z0+=u!(1)
z=z0!
t!(1)z=z
0+!!t(1)z=z
0!= !f
(a) Displacement uxj for concentration force in the x-direction
(a) Stress σxjz for concentration force in the x-direction
は作用力ベクトルと変位ベクトル,Uijは変位の基本解,Tij
と作用力ベクトルの基本解でσijknkにより与えられる.また nkは単位法線ベクトルである.内点の応力は,内点のひず みを次式で求め,Hooke則に代入することにより求める.
(9) ここで,Uij,kおよび Tij,kは着力点における変位および表面 力の基本解の微分であるが,本研究では基本解を解析的に 微分して用いている.
3. 解析モデル
前述の異方性-異方性二相体の基本解を三次元境界要素 法解析プログラムに組込み,図4に示すような,同寸法の 異方性体と異方性体の直方体が接合されたモデルに対して,
応力解析を行った.解析モデル下面をz方向に変位拘束し,
異方性体側の上面にσ0=1 MPaの荷重を付加した.また,解 析には対称性を考慮し4分の1モデルを用いている.要素 分割は四辺形二次要素を用いており,界面角部に向かって 詳細要素としている.しかしながら,本解析で用いる前述 の基本解は複雑な数値積分を含んでおり,解析に膨大な時 間を消費する.そこで,特異応力場における応力を観察で き,なおかつ解析にあまり時間を要さない要素分割として,
最小要素寸法は約0.1mmとしており,総要素数は34,総 節点数は104となっている.
解析結果については,本講演において述べるものとする.
(b) Displacement uzj for concentration force in the z-direction
(b) Stress σzjz for concentration force in the z-direction
Fig.4 Analysis model for Anisotropic-Isotropic material
4. 結言
本研究では,三次元境界要素法に Stroh 形式による異方 性-異方性二相体の基本解を導入し,異材接合体の応力解析 を行った.また,等方性二相体と異方性-異方性二相体の特 異応力場における応力を比較した.
参考文献(例)
(1)古口,藤石,小林,矢田,機論(A編),59-567 (1993), 2702.
(2)古口,機論(A編), 77(782), 1770
(3)結城良治,木須博行共著,境界要素法による弾性解析,1987, 培風館,pp.219-249.
ui,k(p)= "#Uij,k(p,Q)tj(Q)!Tij,k(p,Q)uj(Q)$%ds(Q)
&
SFig.2 Fundamental displacement uij for anisotropic-isotropic two-phase material
Fig.3 Fundamental stress σijz for anisotropic-isotropic two-phase material
Ni
Al σ0=1 MPa
1 mm1 mm
1 mm 1 mm
x
y z 20x10-12
16 12 8 4 0 Fundamental displacement
u
xj-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0
Distance from interface z , mm
z0 = 0.5mm uxx uxy uxz z0 = –0.5mm uxx uxy uxz
12x10-12 10 8 6 4 2 0 -2 Fundamental displacement
u
zj-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0
Distance from interface z , mm
z0 = 0.5mm uzx uzy uzz z0 = –0.5mm uzx uzy uzz
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0
Fundamental stress xjz
-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0
Distance from interface z , mm
z0 = 0.5mm xxz
xyz
xzz
z0 = –0.5mm xxz
xyz
xzz
-3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0
Fundamental stress zjz
-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0
Distance from interface z , mm
z0 = 0.5mm zxz
zyz
zzz
z0 = –0.5mm zxz
zyz
zzz