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床スラブの付いた外ダイアフラム形式柱梁接合部の力学的挙動 [ PDF

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Academic year: 2021

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69-1 厚さ(mm) 幅(mm) 長さ(mm) CFT(N/mm2 ) 床スラブ(N/mm2) V -N 無し - - - - -V-S 有り 85 1000 1450 - 33.5 C-N 無し - - - 40.2 -C-S 有り 85 1000 1450 40.6 20.7 試験体名 角形鋼管柱(BCR295) H形鋼梁(SN490B) コンク リート充 填の有無 床スラブ コンクリート圧縮強度 中空 充填 □-200×200×9 BH-300×120×6×12 床スラブ の有無 1450 1 0 0 0 柱(□-200×200×9,BCR295) 外ダイアフラム (PL-12,SN490B) 梁(BH-300×120×6×12,  SN490B) 頭付きスタッド (φ13 h=60 @100) 鉄筋(SD295,D10,@100) 2 5 5 2 5 1 2 2 7 6 1 2 5 2 5 1 4 0 0 2 5 8 5 40 120 1 2 0 45° 1 2 0 45°

床スラブの付いた外ダイアフラム形式柱梁接合部の力学的挙動

竹内 卓也 1.はじめに 1995 年兵庫県南部地震をはじめとする大地震において, 鋼構造建築物の柱梁接合部に甚大な被害が生じた.その被 害の低減策として,分割外ダイアフラムなど,これまでに 多くの研究,提案がなされてきた.外ダイアフラム形式柱 梁接合部は柱内部に突起物が存在しないため,コンクリー ト充填鋼管(以下,CFT)にも適した接合法である. 実際の鋼構造建築物の床にはコンクリートスラブ(以下, 床スラブ)が採用されることが多く,床スラブの影響を考 慮した柱梁接合部に関する研究1)も行われている.しかし ながら,床スラブの影響を考慮した外ダイアフラム形式柱 梁接合部を対象とした研究は,これまで行われていない. そこで本研究では,床スラブの存在が外ダイアフラム形 式柱梁接合部の力学的挙動に与える影響を明らかにする ことを目的とし,中空柱および CFT 柱の場合についてト 字形部分架構試験体による載荷実験を行い,その結果を評 価するとともに,耐力評価法を検討する. 2. 実験概要 2.1 実験概要 図 1 に試験体形状を,表 1 に試験体一覧を,表 2 に鋼 材の機械的性質を示す.すべてト字形部分架構試験体であ り,実験変数は床スラブおよび充填コンクリートの有無で ある.柱,梁,外ダイアフラムの鋼種,形状は全試験体共 通であるが,床スラブ付きの試験体である V-S,C-S に関 しては直交梁を設けている.また設計上完全合成梁2)とす るため梁上に頭付きスタッドを取り付けている.すべての 試験体は接合部の降伏が先行するよう設計されている. 2.2 載荷および計測概要 図 2 に載荷装置を,図 3 に計測項目と変形の定義を示 す.図 2 のように梁先端部に取り付けた 500kN 油圧ジャ ッキにより上向きを正,下向きを負として正負交番繰返し 漸増載荷を行った.制御は層間変形角 R により行い,R= ±0.005,0.01,0.02,0.03,0.04rad の振幅で各 2 サイ クルおよび R=±0.05rad で明瞭な耐力低下(最大荷重の 90%程度)が見られるまで載荷した後,正方向に装置の限 界に達するまで載荷する.R は梁端(V1)および柱頭・ 柱脚(U・L)で計測した変位を用いて算出する(図 3). 3. 実験結果と考察 3.1 梁端モーメント-梁回転角関係と破壊性状 図 4 に各試験体の梁端モーメント Mb-梁回転角bを, 図 6 に破壊性状を示す.ここで Mbは加力点と鋼管表面の 間の距離とジャッキ荷重の積で定義される値である.いず れの試験体も耐力低下が見られるまでは紡錘形の履歴性 状を示している. 試験体 V-N は R=0.05rad の 4 サイクル目で梁の下フラ ンジと外ダイアフラムの溶接部に亀裂が発生し(図 6(a)), 明瞭な耐力低下が確認できたため,5 サイクル目に正側 に押し切った. (a) 平面図 (b)正面図 (c)ダイアフラム詳細 図 1 試験体形状 表 1 試験体一覧 板厚 12mm

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69-2 0 50 100 150 200 250 300 350 400 0 1 2 3 Mb(kNm) θ b(×10 -2rad) 正側 負側 正側 負側 正側 負側 正側 負側 正側 負側 正側 負側 V -N 20523 19376 0.79 0.74 179.6 -170.1 196.1 -199.9 196.5 1.00 0.98 V -S 41788 23244 1.61 0.89 205.2 -160.3 228.3 -199.2 229.5 1.01 0.99 C-N 24795 23011 0.98 0.91 205.9 -202.4 235.6 -232.1 211.4 0.90 0.91 C-V 33495 27409 1.33 1.08 237.0 -206.6 265.7 -250.3 235.3 0.89 0.84 V -S/V-N 2.04 1.20 - - - 1.14 0.94 1.16 1.00 - - - -C-S/C-N 1.35 1.19 - - - 1.15 1.02 1.13 1.08 - - - -試験体名 Ke(kNm/rad) -196.5 -211.4 26020 25272 Ke/Kcal jMye(kNm) jMpe(kNm) jMp(kNm) jMp/jMpe Kcal (kNm/rad) -400 -350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0 -3 -2 -1 0 Mb(kNm) θ b(×10 -2 rad) V-N V-S C-N C-S 降伏耐力 全塑性耐力 梁ウェブ SN490B 6.0 197,955 397 547 6.2 202,209 399 546 角形鋼管 BCR295 9.2 196,681 413 485 9.0 196,461 404 445 スラブ筋 SD295A - 177,562 328 488 - 189,447 354 515 降伏応力 (N/mm2) 引張強さ (N/mm2) 358 528 V -N,V -S C-N,C-S 引張強さ (N/mm2) 板厚 (mm) ヤング係数 (N/mm2) 531 12.1 181,216 外ダイアフラム 梁フランジ SN490B 12.0 205,431 377 部位 鋼種 板厚 (mm) ヤング係数 (N/mm2) 降伏応力 (N/mm2) V-N V-S C-N C-S 降伏耐力 全塑性耐力 試験体 V-S は R=0.05rad の 2 サイクル目に鋼管柱と下 側の外ダイアフラムの溶接部(図 6(b))に亀裂が生じた. その後正側載荷時に床スラブの影響により中立軸位置が 上昇することによって,大きな引張力を受け,その亀裂が 大きくなり耐力が低下し,4 サイクル目に押し切った. 試験体 C-N は充填コンクリートの影響で,R=0.05rad の 2 サイクル目に梁フランジおよび梁ウェブ上部に局部 座屈が生じた.その後,5 サイクル目の負側載荷により梁 の上フランジ側に変形が集中し,梁の上フランジと外ダイ アフラムの接合部で破断し(図 6(c)),6 サイクル目に正 側に押し切った. 試験体 C-S は,R=-0.05rad の 1 サイクル目に梁ウェブ 下部に局部座屈が生じた.その後,床スラブの影響による 中立軸位置の上昇により, 4 サイクル目の正側載荷で梁 の下フランジと外ダイアフラムの接合部で破断し,そのま ま正側に押し切った.V-S および C-S は床スラブには正 側載荷時において支圧破壊が見られた(図 6(d)). 3.2 骨格曲線 図 5 に各試験体の Mb-b関係の骨格曲線を,表 3 に各 試験体の実験値と計算値を示す.図 5 中には降伏耐力を▼, 全塑性耐力を●で示している.初期剛性は R=±0.005rad 時のピーク点と原点の割線剛性とし,降伏耐力,全塑性耐 力はそれぞれ初期剛性の 1/3,1/6 接線剛性時の耐力とし た. 表 2 鋼材の機械的性質 表 3 各試験体の実験値および計算値 (a)V-N (b)V-S (a)正側載荷時 (c)C-N (d)C-S (b)負側載荷時 図 4 梁端モーメント Mb-梁回転角b関係 図 5 骨格曲線 図 3 計測項目と変形の定義 ※Ke:初期剛性の実験値,Kcal:初期剛性の計算値,jMye:降伏曲げ耐力実験値,jMpe:全塑性曲げ耐力実験値,jMp:全塑性曲げ耐力計算値 図 2 載荷装置 1500 1 8 0 0 ピン ピンローラー 500kN 油圧ジャッキ 面外移動拘束材 + - R b V1 U L -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 θb(×10-2rad) Mb(kNm) -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 θb(×10-2rad) -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 M b(kNm) θ b(×10 -2rad) -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 θ b(×10 -2rad)

(3)

69-3 表 3 より,床スラブの存在により正側載荷時の初期剛性 が大きく上昇(中空柱の場合 2.04 倍,CFT 柱の場合 1.35 倍)したことがわかる.中空柱の試験体よりも CFT 柱の 試験体の初期剛性の上昇分が小さい一因として,CFT 柱 の試験体に用いた床スラブコンクリートのヤング係数が 中空柱の試験体よりも低いためだと考えられる.また,局 部変形の影響も考えられる.中空柱の場合,床スラブが付 くことによる圧縮側局部変形の抑制効果は大きいのに対 し,CFT 柱の場合は床スラブが無くとも充填コンクリー トの影響で圧縮側の局部変形が非常に小さいので,床スラ ブが付いても圧縮側の局部変形減少による剛性増大は小 さいためだと考えられる. 一方,負側載荷時では中空柱,CFT 柱とも初期剛性が 2 割程度上昇している.これはスラブ内の鉄筋や直交梁が 抵抗したためだと考えられる.耐力については,床スラブ の影響はほとんど見られなかった. また,表 3 中の Kcalは剛性の計算値を示しており,計算 値は床スラブを無視し,外ダイアフラムの存在領域に梁と 同一断面を仮定し,曲げ変形およびせん断変形を考慮した. 床スラブ付きの試験体の負側で計算値と実験値の比較を 行うと,計算値と実験値は比較的近い値となっている.本 研究の試験体は接合部降伏が先行するように設計されて おり,通常の構造設計通り梁端降伏を先行させる設計を行 えば,さらに剛性は上昇するものと考えられる.よって床 スラブの付いた外ダイアフラム形式柱梁接合部が負曲げ を受ける場合でも,剛接合とした場合とほぼ同等の剛性を 有する可能性があるといえる. 4. 耐力算定法 4.1 床スラブを考慮した接合部全塑性曲げ耐力 図 7 に床スラブを考慮した柱梁接合部解析モデルを示 す.文献 3)と同様の手法により図 7 に示すように中空柱, CFT 柱各 2 通りの解析モデルを仮定している.接合部全 塑性曲げ耐力式は接合部全塑性耐力(Pp,Ppc)および床 スラブの有効圧縮耐力(Cv,Cc)の大小関係により決定さ れる. まず,中空柱の場合の接合部全塑性曲げ耐力jMpは次式 で表される

Pp≦Cvの場合 Pp>Cvの場合 また,Cvは次式で表される

ここで,Pp:中空柱の接合部全塑性耐力,hs:スラブ厚中 心から下フランジ厚中心までの距離,Cv:中空における床 スラブの有効圧縮耐力,hb:梁フランジ中心間距離,fcコンクリートの圧縮強度,ts:スラブ厚,D:柱幅である. 同様に CFT の接合部全塑性曲げ耐力は次式で表される. Ppc≦Ccの場合 Ppc>Ccの場合 また,Ccは次式で示される. ここで,Ppc:CFT の接合部全塑性耐力,Cc:CFT 柱にお ける床スラブの有効圧縮耐力である.なお,コンクリート の支圧強さとして中空柱の試験体においては文献 2)より 1.3fcを,CFT 柱の試験体については文献 4)より 1.4fcを採 用する. 4.2 中空鋼管を対象とした接合部全塑性耐力の算定方法 中空の場合の全塑性曲げ耐力算定式である(1)式,(2)式 に含まれる接合部全塑性耐力 Ppは文献 5)と同じものとし, 次式で与える. ここで,x, κ:鋼管フランジの面外崩壊機構を決定づけ るパラメータ,t:鋼管板厚,a:外ダイアフラムの出寸法, b:梁フランジ縁から鋼管角部までの距離,:水平ハン チ角度,hd:外ダイアフラムせい,td:外ダイアフラム板 厚,σdy:外ダイアフラムの降伏応力,s:隅肉溶接脚長, D:鋼管外径,σcy:鋼管フランジの降伏応力である. ) 6 ( 4 . 1 f t D       Cccsdy d d p t h a b t x P                         2 2 2 tan 4 1 ) tan 1 ( 4 2 3 2 ) 7 ( ) (log 4 2 2 2 2    cy e d t x t D x s t             ) 4 (                s pc p jMPh

pc c

b      ( 5) s c p jMChPCh (a)V-N (b)V-S (c)C-N (d)床スラブ(C-S) 図 6 破壊状況 ) 1 (        h P Mp p s                 j            

p v

b      (2) s v p jMChPCh ) 3 ( 3 . 1 f t D       Cvcs

(4)

69-4 (1)Pp≦Cv (2)Pp>Cv (3)Ppc≦Cc (4)Ppc>Cc Pp Pp Ppc Ppc Pp Cv Ppc Cc Pp- Cv Ppc- Cc hs hb κ x t d + 2 s d b -t d -2 s 降伏線 降伏場 x D-t-2x x 鋼管壁 P cc P cc   4.3 CFT 柱を対象とした接合部全塑性耐力の算定方法 4.3.1 崩壊機構 (4)式および(5)式に含まれる Ppcの算定方法について示 す.CFT 造柱梁接合部については鋼管壁において図 8 の ような崩壊機構を仮定する.中空鋼管の場合との違いは, 文献 5)では圧縮側フランジにおいては逆対称の崩壊機構 が形成されると想定しているが,本論で新しく示す崩壊機 構では充填コンクリートの存在により圧縮側フランジに おいては崩壊機構が形成されないと仮定している点であ る.外ダイアフラムに関しては中空柱の場合と同様に文献 5) の崩壊機構(図 8(a))を採用する. 4.3.2 各部の応力仕事 外ダイアフラムの応力仕事は文献 5)と同様のものとし, 次式で与えられる. 図 8(b)に示す鋼管フランジの面外崩壊機構の応力仕 事は次式で表される. ここで,dc:D-t,db:梁フランジ中心間距離である. 4.3.3 崩壊荷重 崩壊荷重 Ppcは仮想仕事の原理より次式で与えられる. 上式に含まれる x,は上界定理より次式を解くことで 得られる. 上式より得られる x とを用いれば,CFT 柱を対象と した接合部全塑性耐力は次式で与えられる. 5. 実験値と計算値の比較 表 3 に実験値と計算値の比較を示す.なお,負側は床ス ラブを無視している.表 3 より中空柱の試験体 V-N,V-S は正側,負側共に実験値と計算値が良く一致しており,非 常に精度良く評価できていることが分かる.CFT 柱の試 験体では正負側共に 1 割程度の過少評価をしているもの の安全側の評価となり比較的良く評価できている. 6. まとめ 本研究では以下の知見が得られた. [1] 床スラブの付いた試験体は床スラブの付かない試験 体と比べ,特に正側載荷時において剛性および耐力 が上昇した. [2] 床スラブの存在により負側載荷時においても剛性が 上昇し,剛接合とした場合とほぼ同等の剛性を有す る可能性があることを示した. [3] 柱が中空および CFT の場合について,正曲げ時にお ける床スラブの影響を含めた全塑性曲げ耐力算定式 を誘導した. [4] 計算値は実験値を比較的精度良く評価できた. 参考文献 1) 吉敷祥一他:床スラブの影響を含めた柱梁接合部パネルの弾塑性挙動の考 察,日本建築学会構造系論文集,第75巻,第654号,1527-1536,2010.8. 2) 日本建築学会:各種合成構造設計指針・同解説,2010.11 3) 森田耕次他:箱形断面柱-H 形断面はり接合部のダイアフラム補強に関する 研究 - 接合部降伏耐力の評価-,日本建築学会構造系論文報告集,第388 号, pp.100-111,1988.6. 4) 日本建築学会:鋼構造限界状態設計指針・同解説,2010.02 5) 松尾真太朗他:外ダイアフラム形式角形鋼管柱梁接合部の設計式,日本建 築学会構造系論文集,第 618 号,pp.221-238,2007.8 Ppc 領域Ⅱ 領域Ⅰ   hd x+t/2 x+t/2 D-t-2x hd a (a)外ダイアフラム (b)鋼管壁 図 8 崩壊機構 図 7 床スラブを考慮した柱梁接合部の解析モデル ) 2 ( 4 1 2 2 ) (log 2 2 2 s t d d x d x s t d b c c d e                 ) 13 ( 2 2 ) 2 ( ) 2 ( 2 ) 2 ( 2 2 2 2 2   cy c d b c d b t x x d s t d d s t d               dy d d pc t h a b t x P                         2 2 2 tan 4 1 ) tan 1 ( 4 2 3 2                ) 2 ( 4 1 2 2 ) (log 2 2 2 s t d d x d x s t W d b c c d e c s

) 10 ( 2 2 ) 2 ( ) 2 ( 2 2 ) 2 ( 2 2 2 2 2    cy c d b c d b t x x d s t d x d s t d                          Ⅰ (8) 4 ) 2 ( 3 1 2 2 2 dy d d t a b t x W            ) 9 ( tan 4 1 ( 3 ) tan 1 ( 2 2           Ⅱ dy d d d h t W    ) 11 ( / ) ( d d s c        pc W W W P    ) , 12 ( 0 0 P ab Ppc pc              ,       

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