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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 高 畑 む っ み

     学 位論文 題名

    R052 functiona11yinteractsw . ithIgGland regulateSitSqualityCOntrolViatheERADSyStem .      ( R052 は IgG1 と機能 的に結合し ERAD システムを介して      そ の品質 管理 を行う )

学位論文内容の要旨

【背景と目的】

  多くのタンパクの分解に関わるユビキチン・プロテアソーム系において、標的タンパクは ユビキチン化され、プロテアソームによルユビキチン鎖が認識されることによルタンパク分 解を受け る。ユ ビキチン 化酵素の 中でユビキチンリガーゼ(E3)は標的タンパクの最終的 なユビキ チン付 加に関わ る重要な 因子であり、E3活性に強く関わるRINGドメインを有す るTRIMファミ リータ ンパクは ユビキ チンープロテアソーム経路に関与し、細胞周期、分 化、DNA修復、細胞内シグナル伝達に重要な役割を果たすことが報告されている。我々は 分子構造 的にRINGフ インガー ドメイ ンを有し、E3として作用する可能性が高いと考えら れるR,052につい てむvitroおよび 血vivoの実験 系を用 いてE3活性 の検討 、基質タ ンパ クの検索からR052の細胞内機能解析を試みた。

【材料と方法】

  ヒトB細 胞cDNAラ イ ブ ラリ ー か らPCR法 を用 い てR052を増 幅 さ せ、 細胞 内発現ベ ク タ ーp3X FLAG、バキ ュロウィ ルスベク ターpFASTBACHrra、酵母ツ ーハイ ブリッド ベク ターpBTMn6、レト ロウィル スベク タ二pMX・puroにサ ブクロー ニング した。同様にして RINGド メ イ ン 欠 失R052(R052△RING) を 各 ベ ク タ ー に サ ブ ク ロ ー ニ ン グ し た 。   バキ ュ ロ ウィ ル ス 系を 用 い てR052リコ ンビ ナントタ ンパク を作製し たのち むdぬ り ubiquitinationa88ayを行い(結果1)、基質タンパクの検索としては酵母株L40を用いて酵 母 ツ ー ハ イ ブ リ ッ ド 法を 行 っ た。pBTMn6.R052をbaitと し て ヒトB細 胞cDNAラ イ ブ ラリ ーくpACT2)をL40に形質 転換し 、検出さ れたコ ロニーか らDNAシークエンスを行つ た(結果2)。次に、ロ・ガラクトシダーゼアッセイによりR052と基質タンパクとの酵母内で の結 合を確認 したの ち、HEK293T細胞を 用いて免 疫沈降 法によりR052と基質タンパクと の結 合、ユビ キチン 化の有無を検討した(結果3)。Rb52の細胞内局在を検討する目的で HeLa細胞を用いて免疫染色を行った(結果4)。

  さら にR052の細 胞内機能 を検討 するため レトロ ウィルス ベクターpMX.pur0を用いて R052安定発現I呂G1ハイブリドーマ(CLNH11.4)を作製した。同細胞株にtunicamycin3い g/ml付加 により 基質タン パクで あるIgG1の糖 鎖修飾を抑制し、Rb52発現株におけるIgG1 発現 量の変化 を検討 した(結果5)。また、IgM産生細胞であるNamalwa細胞にレトロウィ ルス を用いて 分泌型IgG1を安定発現させ、内在性RD52発現の変化を検討した(結果6)。

小 胞 体ス ト レ ス関 連 タ ンパ ク で あるXBP.1のR052への影 響を検 討するた めHEK293T細 胞にXBP,1を発現させ、内在性R052発現を比較した(結果7)。

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【結果】

結 果1.  In vitro ubiquination assayの結果、R,052はUbc4、UbcH5A、UbcH5B、UbcH5C を ユ ビ キ チ ン 結 合 酵 素(E2)と す る ユ ビ キ チン リ ガ ーゼ で あ るこ と が 証明 さ れ た。

結 果2.酵母 ツーハイ ブリッド 法によ り220の コロニ ーが検出 され、 シークエンスを行っ たすべてのフラグメントはヒ卜IgGl heavy chain constant region(I貳jlhc)由来のもので あった。

結 果3.HEK293T細 胞 に お い てR052とIgGlhcの 結 合 が 確 認 さ れ た。 ま たR052△mNG で もIgGlhcと 結合し ており、 結合部 位はRINGドメ インを 含まない ことが 確認され た。

ま たIgGlhcはR052に よって ポリユビ キチン化され、プロテアソームにより分解されるこ とが証明された。

結 果4. 免疫染 色によりRb52は細胞質発現パターンをとり、特に小胞体周囲に強く発現す る こ と が示され た。ま た、小胞 体シヤ ペロンp97WCPとR052、IgGlhcが 結合する ことか ら 三 者 は 小 胞 体 近 傍 に お い て 複 合 体 を 形 成 し て い る と 考 え ら れ た 。 結 果5.R052安 定 発 現CLNH11.4で はmockと 比 してIgG1発 現 量の 低 下 を認 め た 。 さ ら にtunicamycinを 用 い てI写Glhcの 糖 鎖 修 飾 を 抑 制 し 、 高 次 構 造 を 取 れ な い IgGlhc(unfoldedIgGlh.c) を誘導す るとRD52安定発現株ではmoekに比してIgGlhcが減 少していることが確認された。

結 果6.IgG1産 生 細 胞で はIgM産 生 細 胞に 比 し て内 在 性R052が高発 現して いること 、 NamalWa細胞 にIgG1を 安 定発 現 さ せると 内在性R052の発現が 高くな ることが 証明され た。

結 果7.HEK293T細胞 に 成 熟 型XBP.1(XBP.1(s)) を発現さ せるとmockや前駆体 型 XBP.1(XBP.1(U))に比して内在性R052がより誘導された。

【考察】

  これ までTRIMフ ァミリー タンパ クであるR,052が ユビキチ ンリガーゼE3であること、

IgGlhcと 結合す ることは すでに報 告され ているが 、本研 究はR052がIgGlhcをポリユ ビ キチン化しプロテアソーム依存性に分解すること、R052が小胞体膜近傍において分子シャ ペロ ンp97/VCPと結合しunfolded IgGlを 選択的 に分解誘 導する こと、さらにはR,052が 小 胞 体 ス ト レ ス 応 答 に 関 与 す る 可 能 性 が あ る こ と を 示 し た 最 初 の 報 告 で あ る 。   RING型 ユビキ チンリガ ーゼはSCFのよ うに細胞 周期に 関わるも のやIAPのよう にアポ トーシスに関わるものなどを含み多彩な細胞内機能を有しているが、Hrd1のように小胞体 膜に存在し小胞体関連分解(endoplasmic reticulum‑associated degradation: ERAD)に関 わる ものもあ る。今 回我々が 解析を 行ったR052は分泌型IgGlhcを基質タンパクとしてプ ロ テ アソー ム依存 性に分解 していた ことか ら、R052がERADに関与し ている 可能性を 考 え た 。上 記 結 果に よ りR052がERADを介 し てIgGlの品 質 管 理を 行い、 細胞の小 胞体ス トレス回避に関わっているニとが示された。

  さら に多発 性骨髄腫 のように 分泌型IgGlを恒常的に大量産生される細胞内環境におい ては小胞体ストレス応答、細胞生存にR052が重要な役割を果たしている可能性があり今後 臨床的検討が必要と考えられる。

【結論】

  本 研 究を 通 し てユ ビ キ チン リ ガ ーゼ で あ るR052がERADシス テムを 介してIgGlの 品 質管理に重要な役割を果たしていることが示された。また、R052が小胞体ストレス応答シ グナルの一構成因子である可能性が示唆された。

‑ 296

(3)

学 位 論 文 審 査 の要 旨

     学位論文題名

    R052 funCtiona11yinteraCtSwithIgGland regulateSitSqualityCOntrolViatheERADSyStem ・      ( R052 は IgG1 と機能的に結合しERAD システムを介して      その品質管理を行う)

  多くのタンパク質の分解に関わるユビキチン・プロテアソーム系において、標的タンパ ク質はユビキチン化され、プロテアソームによルユビキチン鎖が認識されることによルタ ンパク質分解を受ける。ユビキチン化酵素の中でユ ビキチンリガーゼ(E3)は標的タンパ ク質の最終的なユビキチン付加に関わる重要な因子 であり、E3活性に関与するRINGドメ インを有するTRIMファミリータンパク質はユビキチンープロテアソーム経路に関与し、細 胞周期、細胞分化、DNA修復、細胞内シグナル伝達等に重要な役割を果たすことが報告さ れている。申請者は、分子構造的にRINGフインガー ドメインを有し、E3として作用する 可能 性が 高い と考 えら れるR052にっ いて むぬ む りお よび わガvoの 実験 系を 用い てE3 活 性 を 検 討 し 、 基 質 タ ン パ ク 質 の 検 索 か らR052の 細 胞 内 機 能 解 析 を 試 み た 。   わ汀tro ubiquitination assayの結果、R052はUbc4、UbcH5A、UbcH5B、UbcH5Cをユビ キチン結合酵素(E2)とするユビキチンリガーゼであることが証明され、酵母ツーハイブリ ッ ド 法 に よ り 検 出 さ れ た コ ロ ニ ー は す べ て ヒ トIgGl heavy chain constant region (IgGlhc)由来の ものであった。さらにR052はIgGlhcと結合し、IgGlhcをポリユビ キチン化して、プロテアソームにより分解することが証明された。また、R052は小胞体シ ヤペロンと共存しており、アンフオールドIgGlの分 解に関わっていることがR052安定発 現細胞株の解析から示された。小胞体ストレス応答に重要な転写因子であるXBPー1がR052 の転写を誘導している可能性が示され、R052が小胞体関連分解(ERAD)に重要な役割を果た していることが分かった。

  口頭発表において、副査武蔵学教授より,プロテアソーム阻害薬MG132の特異性、IgGl     ―297―

   

村 山

藏 香

(4)

産 生細胞 におけるIgGlユビキチン化の検出の有無にっいての質問があった。これらの質 問に対し、プロテアソーム阻害薬に関する実験学的解説、R052による細胞内分解について の分子論的解説を行った。ついで、副査浅香正博教授より、R052の自己免疫疾患などにお ける臨床的意義、ノックアウトマウス・トランスジェニックマウスにっいての質問があっ た。これらの質問に対し、これまでに報告されている文献的考察、遺伝子改変マウスにお いて想定される異常について述べた。さらに、副査畠山鎮次教授より、B細胞におけるR052 の存在意義、推測される細胞外機能に関する質問があった。これらの質問に対し、抗体産 生細胞における小胞体ストレス回避の必要性、抗原として作用する可能性を述べた。最後 に、主査今村雅寛教授より、R052のIgGl分解の特異性、XBP―1の免疫グロブリン産生に対 する特異性、今後の臨床応用の展望に関する質問があった。これらに対し、文献的考察か らR052のIgGlに対 する特異性、XBP―1の転写産物の多様性、多発性骨髄腫などの血液疾 患への応用の可能性を述べた。

  本 研究者 はR052がIgGlと機能的に結合しERADに重要な役割を果たしていることを明ら かにしたことにより、今後自己免疫疾患のほかに多発性骨髄腫などの血液疾患の病態解明 および治療への応用が期待される。

  審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども 併 せ申請 者が博士 (医学 )の学位 を受ける のに十 分な資格 を有す るものと判定した。

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参照

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