• 検索結果がありません。

分析前の予想としては ポーチへの意識が変化することによって ポーチに積極的に出ていくようになり ポーチに積極的に出ていくようになったことが ポイント ゲームの獲得につながると予想した 本論文の構成は以下の通りである まず第 2 節では テニスの基本的なルールや本研究の肝であるポーチなどの背景情報につ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "分析前の予想としては ポーチへの意識が変化することによって ポーチに積極的に出ていくようになり ポーチに積極的に出ていくようになったことが ポイント ゲームの獲得につながると予想した 本論文の構成は以下の通りである まず第 2 節では テニスの基本的なルールや本研究の肝であるポーチなどの背景情報につ"

Copied!
26
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1 第1節 はじめに 近年、日本人の硬式テニス1に対する関心が徐々に高まってきている。それは、 日本人男子テニス界で唯一トップ100の中に入り、日本人男子最高位の46 位という記録を持っていた松岡修造氏の記録を2011年に更新し、さらに、 2014年には世界のトップ10入りを果たした錦織圭選手の登場により、日 本のメディアでテニスが取り上げられる機会が増えたことが原因であると考え られる。今ではテニスが多くのメディアで取り上げられるようになり、テニス に親しんでいる私としても大変喜ばしいことである。 私は、大学から初めてテニスに取り組み、現在で3年半になるが、中等学校 や高等学校の頃から、部活動でテニスに取り組んでいた、いわゆるテニス経験 者とも互角に試合をできるまでに技術は上達した。そこまで上達したのは、テ ニスの試合の中でも、特にダブルスの試合にこだわって練習を進めていく中で、 ダブルスの試合において最も重要な技術はポーチという技術であると考えよう になり、試合の中でポーチに積極的に出るように自分自身に意識付けを行って いたからであると私は考えている。 2そんな中、私は大学4回生となりサークルを引退し、後輩らにその後のサー クル運営を託したのだが、後輩らは試合、特にダブルスの大きな試合で目立っ た成績を残せないでいた。私は、先ほど述べた自分の経験から、この原因が後 輩たちのボレー、特にポーチへの意識の薄さにあるのではないだろうかと考え た。そこで、ポーチに出ようという意識の変化がポーチに出る確率を高めるの か、さらにポーチに出る確率上がることがポイント・ゲームの獲得にどのよう な影響を与えているのかを分析することで、積極的にポーチに出ていこうとい う意識を持つことの重要性を明らかにし、現在サークルを運営している後輩た ちの指導に役立てることを目標にして、この研究を始めることにした。 今回の研究の進め方として、以前、所属していたサークルのメンバーの協力 を得て実験を行い、その動画を撮影した。実験の詳しい内容については、第3 節で述べている。内容を動画にして収めた後、STATAを利用して回帰分析を行 い、本研究のテーマであるポーチに対する意識の変化が試合にどのような影響 を与えるのかを検証した。具体的には、①指示3の前後で、ポーチに出た比率が どのように変化するか?②ポーチに出ることがポイントの獲得につながるの か?③ポーチに出ることがゲームの獲得につながるのか?という疑問について 検証した。回帰式や、分析結果については第4節と第5節で述べている。 1 以降、テニスと呼ぶ。 2 ここで登場したポーチという技術とは、ダブルス形式において、前衛の選手がネット中央 へと移動し、後衛が放ったストロークをボレーする技術の事である。第2章の4節で詳し く説明する。 3 指示の具体的な説明は第3節で説明している。

(2)

2 分析前の予想としては、ポーチへの意識が変化することによって、ポーチに 積極的に出ていくようになり、ポーチに積極的に出ていくようになったことが、 ポイント・ゲームの獲得につながると予想した。 本論文の構成は以下の通りである。まず第2節では、テニスの基本的なルー ルや本研究の肝であるポーチなどの背景情報について述べている。第3節では、 実験方法の説明、第4節では回帰式と使用した変数についての説明を、第5節 では、計算結果を分析・解釈、さらに追加的に分析を行った。最後に第6節で は、全体を振り返り、まとめを述べている。 第2節 研究の背景にある情報 2.1 テニスの基本的なルールについて この研究で行った実験・分析・考察を読者が理解するには、まずテニスの基 本的なルール4とこの研究の趣旨であるポーチについて説明しておかなければな らない。これから4節に分けてそれらを述べていく。 まず最初に、テニスの試合の進行についてである。テニスはポイントの取り 合いで試合が進行していき、先に4ポイントを先取したプレイヤーがゲームを 獲得できる。ただし、どちらのプレイヤーも3ポイントを獲得した場合をデュ ースと呼び、そこからは相手に2ポイント差をつけたプレイヤーがゲームを獲 得できる。そして、先に6ゲームを先取したプレイヤ―がセットを獲得でき5 最終的に、セットの獲得数で試合の勝敗(マッチ)が決まるのである。このよ うに、テニスはポイント‐ゲーム‐セット‐マッチという流れで試合が進行し ていく。 次に、テニスの得点方法とショットの種類についてである。テニスでは、コ ートの外にボールが出てしまったり(アウト)、自分が打ったボールがネットに かかってしまったり、サーブを2回連続で指定の場所に入れられなかったり(ダ ブルフォルト)、自分のコート側でボールが2バウンド以上してしまったり、打 ったボールがコート内に入らなかったり、ボールをネットにかけてしまうと相 手の得点となってしまう。逆に、相手にそうさせれば自分の得点とすることが できる。 テニスのショットの種類には2つあり、1つ目はワンバウンドしたボールを 打ち返すショットのストロークである。2つ目は、ボールをバウンドさせずに 4 2.1、2.2、2.3 節でのルール説明は「日本テニス協会」を参考にしている。 5 ゲームカウント5-5の場合は7ゲームを先取したプレイヤ―がセットを獲得できる。ま た、ゲームカウントが6-6の場合は7ポイントを先取したプレイヤ―がセットを獲得で きる。このルールを「タイブレーク」と呼ぶ。

(3)

3 直接打ち返すショットのボレーである。このようにテニスのショットには大き く分けて2つある。 最後に、サーブと試合形式についてである。1ゲームごとにサーブ権を交代 しながら試合は進んでいき、プレイヤーは1ポイントにつき2度のサービスの 機会を与えられている。最初のサービスをファーストサービス、2度目のサー ビスをセカンドサービスと呼び、2度失敗してしまうと、ダブルフォルトとな り相手プレイヤーの得点となってしまう。 試合形式には、各コートにプレイヤーが1人ずつ入り、1対1の形式で試合 を行うシングルスと、各コートにプレイヤーが2人ずつ入り、2対2の形式で 試合を行うダブルスの2種類があり、シングルスで使うコートよりダブルスで 使うコートの方が広くなっている。このダブルスとシングルスで使うコートの 違いは、2.2と2.3で詳しく述べることにする。 2.2 テニスのダブルスについて まず最初に、ダブルスで使われるコートの形式について説明する。2.1で 述べたように、テニスのダブルスは2対2の形式で試合が進行していくが、コ ートに2人ずつ入るということで、シングルスで使うコートより広くなってい る。具体的にどの部分がダブルスで使われているのかというと、図1の左右に 黒色で示したアレイと呼ばれる部分である。 次に、ポジションについてである。まず、ベースライン側を後ろ、ネット側 を前と考えると、4人のプレイヤ―の内、後ろのポジション2人を後衛と呼び、 前のポジション2人を前衛と呼ぶ。そして、後衛の内、サーブを打つ人をサー バー、そのサーブを打ち返す人をレシーバー、あとは、サーバー側の前衛とレ シーバー側の前衛の4人である。この節以降の説明では、図1の○の2人をサ ーバー側、図1の☆の2人をレシーバー側として考えて説明していくこととす る。 最後に、ダブルスにおける主な得点パターンについて説明する。まず1つ目 は、後衛同士のストロークの打ち合いからの得点である。2つ目は、後衛がス トロークやサーブを打つとともに前衛まで駆け上がり、2人とも前衛に位置し てから得点をするパターン、3つ目は、ポーチからの得点である。これら3つ がダブルスにおける主な得点パターンである。プレイヤーのプレイスタイルに もよるが、一般的にダブルスではポーチから得点を獲得するパターンが多い。 2.3 テニスのダブルスとシングルスとの違い シングルスで使用されるコートの形式についてであるが、2.1でも述べた ように、テニスのシングルスでは1人対1人の形式で試合が進行していくため、

(4)

4 使用されるコートの幅は狭くなる。具体的には、図1の青色で示されたアレイ と呼ばれる部分はシングルスでは使用しない。 シングルスでの主な得点パターンについてであるが、1つはストロークから の得点、もうひとつはストロークやサーブを打つとともに前衛のラインへと駆 け上がり、ネットプレーから得点するパターンである。2.2で述べたダブル スの主な得点パターンと比べるとポーチからの得点パターンはダブルスに特有 であり、私はそのポーチに重要性を感じているのである。ポーチのどの点に重 要性を感じているかについては次の2.4節で述べる。 2.4 自分の経験も含めたポーチの重要性 初めに、ポーチとは何かについて説明する。ポーチとは、後衛同士の斜め方 向のラリー6に前衛がボレーで割って入る(この時、前衛はコートの中心へと斜 め移動しラリーに割って入る)というショットである。基本的にこのポーチは 相手前衛の足元を狙って打つショットである。このショットにはメリットとデ メリットの両方の側面が存在するので説明する。まず、ポーチに出ることのメ リットについてであるが、1つは、ポーチは、2.1でも説明したようにボレ ーの一種であり、ボールをノーバウンドで返球するため球の速度が速い。その ため、相手の反応が遅れミスをさせることができるというメリットがある。2 つめは、初心者でも簡単にトライすることができるという点である。ストロー クのラリーは初心者にとって続けることは非常に難しく、また相手の技術力が 高いと返すこともままならないが、ポーチはタイミングさえつかめば、あとは ボールをラケットに接触させるだけであり、それほど難しくはないという意味 で、初心者でも得点することができる可能性があるというメリットが2つめの メリットである。最後に3つ目のメリットとしては、相手後衛にプレッシャー をかけることができるという点である。前衛のポーチに出る姿を後衛が見ると、 前衛にポーチに出てボールに触られないようにと厳しいコースにボールを打と うとする。それにより、後衛にミスをさせることができるというメリットが最 後のポーチに出ることのメリットである。一方、ポーチに出ることのデメリッ トについてであるが、前衛が斜めに(コートの中心へ)移動すると、コートの 半面に誰もいなくなってしまい、そのコースを相手後衛に狙われてしまうとい う大きなリスクを背負うというデメリットである。ただ、私は、それほどの大 きなリスクを背負っても、ポーチに思い切って出ようとすることは重要である と考える。なぜなら、咄嗟の判断で半面のスペースに確実に後衛がボールをコ ントロールするのもまた難しく、ミスにつながることもあるからである。以上、 上記のポーチのメリット、デメリットの両方を踏まえた上で、私はポーチに重 6 これをクロスラリーと呼ぶ。

(5)

5 要性を見出し、研究を行うこととした。 図17 第3節 実験方法について 今回の研究のために、かつて私が所属していたサークルのメンバーに協力を 要請し、実験を行った。この研究では、前衛のポーチへの意識の変化が試合に どのような影響を与えるのかを明らかにするため、まず、「サーバー側の前衛」 以外の条件をできるだけ同じにしようと考え、「サーバー」、「レシーバー」、「レ シーバー側の前衛」は固定の3人に協力を要請し、「サーバー側の前衛」につい ては人を入れ替えながら実験を行うこととした。ただ、すべての試合を固定の 3人で実験したかったが、3人の都合が合わず、何試合かは別の3人に協力を 要請した。実験後の分析で、メンバーが違うことで結果に支障が出ないように 考慮はした。 次に、具体的な実験内容についてであるが、まず、ルールはテニスのダブル ス、ポイントはノーアドバンテージ方式8、ゲーム数は2ゲームで行い、1ゲー

7 WOW TENNIS ONLINE から引用。

(6)

6 ム目は何も指示をせずに試合を行ってもらい、1ゲーム目が終わった時点で、 私が「サーバー側の前衛」のみに「1ゲーム目よりも積極的にポーチに出てく ださい」と指示を出し、2ゲーム目を行ってもらった。因みに、そのような指 示を出した意図としては、指示により被験者にポーチに積極的に出て行こうと いう意識の変化を起こさせるためである。この実験風景はデジタルカメラで撮 影し、全部で10試合、20ゲームを行い、結果として111ポイントを収録 した。このような実験を行って、指示する前と指示した後でどのような変化が あらわれるかを、実験後に分析を行い、考察を加えた。 第4節 データと分析方法 4.1 回帰分析とは 回帰分析とは統計的多変量解析の1つである。クロービスが運営するインタ ーネット上の辞書である「MBA 経営辞書」によると、ある変数 y の動きが、他 のいくつかの変数(x1、x2、x3….)の変動に左右されているのではないかと考 え、両者の関係性を予測し、その関係を具体的に数式で表したうえで、実際の データに最も適合する関係式を導きだそうとする解析方法である。変数 x が2 つ以上存在する場合を重回帰分析と呼び、変数 x が1つだけ存在する場合を単 回帰分析と呼ぶ。このとき、説明される変数 y を被説明変数または従属変数と 呼び、y の変動に影響を与えていると考えられる変数 x を説明変数または独立変 数と呼ぶ。 つまり、予測対象である被説明変数 y の変動を、その変動を説明する要因と して考えられるデータである独立変数x で予測し、y=a¹x¹+a²x²+a³x³+...+b と いった式、回帰式を想定し、実際のデータを当てはめて最も適切な a¹,a²,a³,… を求める(推定する)分析が、回帰分析である。 4.2 何を分析するのか 今回の分析の目的は、ポーチに積極的に出ていこうという意識の変化が試合 にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。①ポーチに積極的 に出るように指示する前と後で、被験者がポーチに出ていった比率にどのよう な影響があるのか②ポーチに積極的に出ていくことがポイントの獲得につなが るのか③ポーチに積極的に出ていくことがゲームの獲得につながるのか、この 順序で分析を行ったので、本稿でもこの順序で説明を進めていきたい。 では、これから推定する回帰式は以下の通りである。 うルール

(7)

7 (ポーチに出た比率)=(指示)*a¹+(被験者のレベル)*a²+(1stサーブの成功率)*a ³+(2ndサーブの成功率)*a⁴+(メンバー)*a⁵+(サーバー側のミス率)*a⁶+(レシーバ ー側のミス率)*a⁷+b・・・① (ポイントの獲得)=(メンバー)*a¹+(1stサーブを成功したか否か)*a²+(ダブル フォルトをしたか否か)*a³+(被験者のレベル)*a⁴+(サーバー側がミスをしたか 否か)*a⁵+(レシーバー側がミスをしたか否か)*a⁶+(ポーチに出た回数)*a⁷+ b・・・② (ゲームの獲得)=(メンバー)*a¹+(1stサーブの成功率)*a²+(ダブルフォルトの 比率)*a³+(被験者のレベル)*a⁴+(サーバー側のミス率)*a⁵+(レシーバー側のミ ス率)*a⁶+(ポーチに出た比率)*a⁷+b・・・③ これら3つの回帰式の左辺、つまり「ポーチに出た比率」、「ポイントの獲得」、 「ゲームの獲得」という変数が4.1節で説明した被説明変数であり、右辺に ある7つの変数が4.1節で説明した説明変数に当たるものである。これらの 変数については次の4.3節で詳しく説明する。①、②式はポイント単位のデ ータなのでサンプル数は111であり、③式はゲーム単位のデータなのでサン プル数は20となっている。 4.3 データ ここでは、実際に用いたデータについて、被説明変数と説明変数に分けて詳 しく説明していく。 4.3.1 被説明変数 回帰式①の被説明変数である「ポーチに出た比率」は、各ゲーム内でポーチ に出た回数をそのゲーム内のポイント数で割った数である。 ここで、ポーチの定義についてであるが、ポーチに出て実際にボールに触っ た場合はもちろん、ポーチに出たがボールに触ることができなかった場合も含 める。この理由としては、ポーチに出てたとえボールに触れることができなか ったとしても、相手後衛にポーチに出る印象を与え、難しいコースを打たせる ことができ、ミスを誘う可能性があるからである。また、指示によって被験者 のポーチへの意識が変化しているにも関わらず、ポーチに出てボールに触った 分だけをカウントしてしまうと、指示による意識の変化への効果を正しく計る ことができないと考えたからである。

(8)

8 次に、回帰式②の被説明変数である「ポイントの獲得」であるが、これは、 サーバー側がポイントを獲得した場合を1、サーバー側が失点した場合を0と 入力してあらわしたダミー変数と呼ばれるものである。ダミー変数については、 4.3.3節で詳しく説明する。 最後に、回帰式③の被説明変数「ゲームの獲得」について説明する。これに ついても、サーバー側がゲームを獲得した場合を1、サーバー側がゲームを落 とした場合を0と入力してあらわしたダミー変数である。 4.3.2 説明変数 4.1節でも述べたように、説明変数(または独立変数)とは、式でいうと 右辺に位置するものであり、被説明変数 y の変動に影響を与えていると推定さ れるものである。この節では、①、②、③の回帰式に分けて、それぞれの説明 変数について説明し、その変数を使用した理由について説明していく。 (1)①の回帰式について この式で使用する説明変数は、「指示」「被験者(サーバー側の前衛)のレベ ル」「1stサーブの成功率」2ndサーブの成功率」「メンバー」「サーバー側のミス 率」「レシーバー側のミス」の7つである。 以下、「指示」から順に説明をしていく。この変数は、被験者に指示をして試 合を行わせたゲームを1、逆に被験者に指示を出さずに試合を行わせたゲーム を0と入力したダミー変数である。したがって、1試合の中で、1ゲーム目を 0、2ゲーム目を1として入力したということである。この変数を入れた目的 は、先にも述べたが、指示を行うことで、被験者にポーチへ積極的に出ていく 意識を持たせているのであり、指示の前後、つまり、意識をしていたか否かが ポーチに出る比率にどのような影響を与えたのかを統計的に捉えるためである。 先に述べたが、この変数は研究のテーマに大きく関わっているので、この式で 最も見たい変数である。 「被験者のレベル」についてであるが、これは被験者を技量別で分類し、レ べル分けしたものである。基本的には、1回生は0、2回生は1、3回生以上 は2として分類し、その数を入力したダミー変数である。この変数を使用した 理由としては、もしこの変数を使用しなければ、例えば、意識に変化があった からポーチに出た比率が高まったのではなく、個人のレベルが高いからポーチ に出られたのではないかといった疑問も発生してしまうこととなるためである。 したがって、そのような可能性をできるかぎり取り除く意味でこの変数は使用 した。このような変数をコントロール変数と呼ぶ。 「1stサーブの成功率」についてであるが、これは各ゲームでの1stサーブの成

(9)

9 功率を表している。つまり、各ゲームの1stサーブの成功数をそのゲームのポイ ント数で割ったものである。この変数を使用した理由であるが、1stサーブが成 功すると、リターン側の後衛は返球するだけで精一杯となり、甘いコースにボ ールを返球することが理論上は多くなる。9したがって、サーバー側の前衛はそ の甘いコースに来たボールをポーチしやすくなり、1stサーブの成功率が高いほ どポーチに出る比率も上がるだろうと予想して、この変数を使用した。 「2ndサーブの成功率」についてであるが、これは各ゲームでの 2ndサーブの 成功率を表している。つまり、各ゲームの 2ndサーブの成功数をそのゲームの ポイント数で割ったものである。この変数は、2ndサーブが入らなければポーチ に出ることはできないと考えて使用した。 「メンバー」についてであるが、これは第3節でも述べたが、全10試合の 内、8試合と2試合で固定の3人のメンバーが変わってしまっているからであ る。メンバーという変数は、8試合の固定メンバーの試合の場合を0、残り2 試合の固定メンバーの試合の場合を1と入力するダミー変数として使用した。 これにより、メンバーに違いがあったからポーチに出られる比率がかわったの ではないかという可能性を消去することができる。 「サーバー側のミス率」についてであるが、これは各ゲームでサーバー側が ミスした比率を表している。つまり、各ゲームでサーバー側がミスをした数を 各ゲームのポイント数で割った数値である。この変数を使用した理由であるが、 サーバー側の後衛がレシーバー側の後衛とのラリーの中でミスをしてしまい、 サーバー側の前衛にポーチに出ていくチャンスを減らしてしまったり、また、 サーバー側のミスには、当然、サーバー側の前衛のポーチミスも含まれるので、 ミス率が高ければ、ポーチに出る比率は下がるのではないかと予想されるので この変数を使用した。 最後に、「レシーバー側のミス率」についてであるが、これは各ゲームでレシ ーバー側がミスした比率を表している。つまり、各ゲームでレシーバー側がミ スをした数を、各ゲームの総ポイント数で割った数値である。レシーバー側の ミスは、いくつかの要素から生まれるが、その1つは2.4節でも述べたが、 サーバー側の前衛のポーチに出る動きがレシーバー側の後衛にプレッシャーを 与えミスをしてしまうパターンである。したがって、レシーバー側のミス率は サーバー側の前衛のポーチに出る比率が高まるほど上がるのではないかと考え、 この変数を使用した。 (2)②の回帰式について 9 一般的に 1st サーブは 80%-100%の力で打ち、2ndサーブは確実に成功させるために速 度下げて打つ。

(10)

10 この式で使用されている説明変数は、「メンバー」「1stサーブを成功したか 否か」「ダブルフォルトをしたか否か」「被験者のレベル」「サーバー側がミ スをしたか否か」「レシーバー側がミスをしたか否か」「ポーチに出た回数」 の7つある。 「メンバー」についてであるが、この変数がどのような変数であるかは(1) で説明した。この変数を使用した理由については、固定メンバーに違いがあ ったために、サーバー側がポイントを獲得しやすかったとなる可能性を消去 するためである。ただしここでは、ポイント単位の変数である。 「1stサーブが成功したか否か」についてであるが、この変数はサーバー側 の 1stサーブが成功した場合を1、失敗した場合を0と入力して表すダミー 変数である。(1)でも述べたが、1stサーブが成功するとその後の攻防を有 利に進めることができるようになる。したがって、1stサーブが成功するとポ イントを獲得することにつながるのではないかと考えてこの変数を使用し た。 「ダブルフォルトの有無」についてであるが、この変数はサーバーがダブ ルフォルトをした場合を1、しなかった場合を0として入力したダミー変数 である。ダブルフォルトをしてしまうとサーバー側は失点をしてしまうこと となるので、当然、ポイントの獲得とダブルフォルトの間には負の相関があ ると推定できる。また、ポーチに出ることも当然できない。 「被験者(サーバー側の前衛)のレベル」についてであるが、この変数の 説明は(1)でも述べた。使用した理由については、前衛のレベルが高いか らポイントが取れたり、レベルが低いから取れないといった可能性を消去し、 この後説明するポーチに出た回数との関係性を純粋に見るためにこの変数 を使用した。 「サーバー側がミスをしたか否か」についてであるが、この変数はサーバ ー側がミスをした場合を1、そうでない場合を0として入力したダミー変数 である。サーバー側のミスはサーバー側の失点につながるので、関連性があ ると考えて使用した。また、ポーチに出ることも当然できない。 「レシーバー側がミスをしたか否か」についてであるが、この変数はレシ ーバー側がミスをした場合を1、そうでない場合を0として入力したダミー 変数である。レシーバー側のミスはサーバー側の得点につながるので、関連 性があると考えて使用した。 最後に、「ポーチに出た回数」についてであるが、この変数は、1 ポイント の中でポーチに出た回数を数えて、入力した。「ポイントの獲得」と「ポー チに出た回数」の間に正の相関が見られれば、ポーチに積極的に出るほどポ イントを獲得できるということになる。これまでも述べてきたが、この研究

(11)

11 のテーマに大きく関わっているので、変数「ポーチに出た回数」はこの式で 最も見たい関係性である。 (3)③の回帰式について この式で使用されている説明変数は、「メンバー」「1stサーブの成功率」「ダブ ルフォルトの比率」「被験者のレベル」「サーバー側のミス率」「レシーバー側の ミス率」「ポーチに出た比率」の7つである。ただし、「メンバー」「1stサーブの 成功率」「ダブルフォルトの比率」「被験者のレベル」「サーバー側のミス率」「レ シーバー側のミス率」の説明と使用理由については(1)や(2)で述べたこ とと重複するので割愛する。「ポーチに出た比率」についてであるが、4.3. 1節ですでに説明されているので、これも割愛する。 「ゲームの獲得」と「ポーチに出た比率」の関係性が最もこの回帰式で見た い関係性である。もし、「ゲームの獲得」と「ポーチに出た比率」との間に正の 相関関係が見られれば、ポーチに積極的に出ていくほどゲームを獲得できると いうことになる。したがって、この関係性に注目してこの式の分析を行ってい く。 4.3.3 ダミー変数 ダミー変数は、擬変数と訳されることもある。計量経済学では、生産量のよ うな定量的に測定された値を示す実変数のほかに、大規模なストライキの有無 や従業員の性別のような数量的に表現できない定性的、属性的なものを分析す る必要がある。定性的,属性的な要因を計量経済モデルに取り入れる目的で作 られた特別な変数がダミー変数で,通常 0 または 1 の値をとる。また、一般的 に、0の値を取る場合には、ある状態ではないことを指し、1の値を取る場合 には、ある状態であることを指している。例えば、4.3.1節で紹介した回 帰式②の被説明変数「ポイントの獲得」はサーバー側がポイントを獲得したか 否かを数量では表せないため、ポイントを獲得した場合を1、しなかった場合 を0として表すダミー変数として使用した。このように、そのダミー変数の係 数は、その特定の状態にある場合とない場合とでの被説明変数の差を表すこと になり、数量として分析することができるようになる。①②③をどのようにし て入力して表したかは、本論文の最後に付録データとして図示した。 第5節 分析結果と解釈 5.1 分析結果と解釈 第4節で述べた説明変数について、予想と合わせて結果を確認しながら、結

(12)

12 果を解釈していく。なお、以下では4.3節と合わせて、回帰式①、②、③に 分けて、予想と分析結果の解釈を行うこととする。 (1)①の回帰式の予想と分析結果の解釈 まず、①式における事前の予想を確認しておく。回帰式については、4. 2節を参照していただきたい。この式で最も重要な説明変数「指示」が被説明 変数「ポーチに出た比率」に正の影響を与えると予想した。つまり、指示を出 さない場合よりも、指示を出した場合の方が、被験者のポーチへ出る比率が高 まると予想された。もしこの通りの結果が得られれば、被験者のポーチに対す る意識が積極的なものに変わったために、ポーチへ出た比率が高まったと言え るだろう。 では、分析結果について見ていく。 Number of obs = 20 F( 7, 12) = 1.24 Prob > F = 0.3561 R-squared = 0.4189 Adj R-squared = 0.08 Root MSE = 0.33427

poachrate Coef. Std. Err. t値 P>t [95%Conf. Interval] direction 0.346421 0.15759 2.2 0.048 0.003062 0.68978 frolevel -0.07261 0.142377 -0.51 0.619 -0.38282 0.237608 1st rate 0.166852 1.05645 0.16 0.877 -2.13496 2.468658 2nd rate -0.17396 0.8988 -0.19 0.85 -2.13227 1.784362 memmber 0.12926 0.311896 0.41 0.686 -0.5503 0.808823 smiss 0.543584 0.417035 1.3 0.217 -0.36506 1.452226 rmiss 1.069336 0.711985 1.5 0.159 -0.48195 2.620617 ここで解釈していく前に、t値とp値について説明しておく。t値について は、絶対値2 よりも大きいかどうか、P-値については 5%、つまり 0.05 よりも 小さいかどうかを調べることにより、得られた推定値(Coef)が有意かどうか

(13)

13 を見る。t 値の絶対値が 2 より大きい、あるいは P-値が 5%よりも小さい場合 には、帰無仮説が棄却され、各説明変数が、得られた推定値通りに被説明変数 に影響を与えている、統計的優位性があることを意味する。また、下限95%や 上限 95%は、有意水準を 5%とした場合、その範囲内に収まっていれば、得ら れた係数が有意ではないことを表す数値である。 では、分析結果を解釈していく。この論文の主題に直接関係する「direction (指示)」から見ていく。この変数のt値は2.2 であり、その絶対値は2よりも 大きい。さらに、p値は 0.048 であり、これは5%を下回る。したがって、変 数「direction」に関して得られた係数の推定値 0.346421 は統計的に有意であり その値をそのまま解釈してよい。つまり、「ポーチに出た比率」と「指示」の間 には正の相関が認められ、指示した後は、指示する前に比べて、ポーチに出る 比率が約35%ポイント増える、ということが言える。この結果から、指示する 前よりも、指示した後の方が、ポーチに出る比率が高まっており、積極的なポ ーチへの意識の変化がポーチに出る比率を高めると言える結果が出た。これは 自分が予想した結果と一致していた。 他の変数についても解釈していく。「frolevel(前衛のレベル)」についてであ るが、この変数のt値は‐0.51 であり、これは絶対値2よりも小さい。さらに、 p値は0.619 であり、これは5%を上回る。したがって、変数「frolevel」に関 して得られた係数の推定値は有意ではなく、被説明変数と「前衛のレベル」の 間には関係が認められない。つまり、前衛のレベルに関係なく、ポーチに出る 比率は高まると言える。この結果から、個人のレベルと比率に関係はない、と いうことが言える。

「1st rate(1stサーブの成功率)2ndrate(2ndサーブの成功率)memmber

(メンバー)」「s miss(サーバー側のミス率)」「r miss(レシーバー側のミス率)」 についてであるが、それぞれのt値が0.16、-0.19、0.41、1.3、1.5 であり、こ れらは絶対値2を下回っている。また、p値は0.877、0.85、0.686、0.217、0.159 であり、5%を上回る。したがって、これらの変数に関して得られた係数の推定 値は有意ではなく、被説明変数とこれらの説明変数との間には関係は認められ ない。 (2)②の回帰式の予想と分析結果の解釈 先と同じように予想から述べる。回帰式については、4.2節を参照して欲 しい。②式で最も重要な説明変数「ポーチに出た回数」と被説明変数「ポイン トの獲得」とは、正の相関であると予想された。つまり、ポーチに多く出るほ どポイントを獲得できると予想された。 では、分析結果について解釈してい く。

(14)

14 Number of obs = 111 F( 7, 103) = 28.56 Prob > F = 0 R-squared = 0.66 Adj R-squared = 0.6369 Root MSE = 0.30058

point Coef. Std. Err. t値 P>t [95%Conf. Interval] memmber 0.080873 0.087079 0.93 0.355 -0.09183 0.253572 1st ser 0.147038 0.067772 2.17 0.032 0.012628 0.281449 Df -0.34034 0.141975 -2.4 0.018 -0.62192 -0.05877 frolevel -0.03666 0.042655 -0.86 0.392 -0.12126 0.047937 smiss -0.42499 0.071254 -5.96 0 -0.5663 -0.28367 rmiss 0.6074 0.073164 8.3 0 0.462297 0.752504 Poach -0.03326 0.050674 -0.66 0.513 -0.13376 0.067237 まず、この論文の主題に直接関係する「Poach(ポーチに出たか否か)」から見 ていく。t値が-0.66、これは絶対値2よりも小さい。さらに、p値は 0.513 で あり、これは5%を上回る。したがって、変数「Poach」に関して得られた係数 の推定値は有意ではなく、被説明変数「ポイントの獲得」と「ポーチに出たか 否か」の間には関連性が認められない。つまり、ポーチに出たことがポイント の獲得につながるとは言えず、自分が予想した結果とは違う結果となった。で は、このような結果になった原因を推測する。動画を見返してみると、サーバ ー側の前衛が、ポーチに積極的に出ていき、相手の取れないコースや威力のあ るボールを打ち得点を獲得する場面や、ポーチに出てボールに触ったことで相 手の意表をついてミスを誘う場面、またボールに触らなくてもレシーバー側の 後衛にプレッシャーをかけミスを誘う場面も見られた。その一方で、サーバー 側の前衛がポーチに出てボールに触るのはいいが、そのボールがネットにかか ってしまったり、ボールがアウトしてしまったり、ボールを相手に簡単に拾わ れ空いたスペースにボールを打たれてしまうといった場面も見られた。このよ うに、先に述べていたポーチのメリットが生かされた場面と、デメリットの部

(15)

15 分が出てしまった場面の両方があり、ポーチに出たからといって必ずしも得点 する数が増えるという結果にはならなかったのではないかと考えた。 では、その他の変数について見ていく。まずは、「memmber」と「frolevel」 である。t値が0.93、-0.86 であり、これは絶対値2よりも小さい。さらに、p 値は0.355、0.392 であり、これは5%を上回る。したがって、変数「memmber」 と「frolevel」に関して得られた係数の推定値は有意ではなく、被説明変数とこ れらの変数の間には関連性が認められない。 最後に、残りの「1st ser(1stサーブが成功したか否か)」「Df(ダブルフォル トをしたか否か)」、「smiss(サーバー側がミスをしたか否か)」「rmiss(レシー バー側がミスをした否か)」について見る。t値が2.17、-2.4、-5.96、8.3 で あり、これは絶対値2よりも大きい。さらに、p値は0.032、0.018、0,0 であ り、これは5%を下回る。したがって、これらの変数に関して得られた係数の 推定値0.147038、-0.34034、-0.42499、0.6074 はそのまま利用できる。つまり、 被説明変数と「1st ser」「rmiss」との間には正の相関関係、「Df」、「smiss」と の間には負の相関関係が認められるということである。「1st ser」に関して、4. 3.2節でも述べたが、1stサーブが成功すると試合を優位に進めることができ るので、この結果は自然である。また、「Df」に関しても、テニスのルール上自 然の結果であり、「smiss」「rmiss」についてもサーバー側のミスが減るほど、 サーバー側が得点でき、レシーバー側のミスが増えるほど、サーバー側が得点 できるというのも自然の結果である。 (3)③の回帰式の予想と分析結果の解釈 先と同じように予想から述べる。回帰式については、4.2節を参照してい ただきたい。この式で最も重要な説明変数「ポーチに出た比率」と被説明変数 「ゲームの獲得」との関係性が、正の相関であると予想された。つまり、ポー チに多く出るほどゲームを獲得できると予想された。 では、分析結果につい て解釈していく。 Number of obs = 20 F( 7, 12) = 3.87 Prob > F = 0.0195 R-squared = 0.6932 Adj R-squared = 0.5142

(16)

16

Root MSE = 0.35577

game Coef. Std. Err. t値 P>t [95%Conf. Interval] memmber 0.076688 0.33374 0.23 0.822 -0.65047 0.803844 1st ser -0.08395 0.563257 -0.15 0.884 -1.31118 1.14328 Df -1.38063 0.928423 -1.49 0.163 -3.40349 0.642231 frolevel 0.114925 0.153119 0.75 0.467 -0.21869 0.448542 smiss -0.57846 0.465107 -1.24 0.237 -1.59184 0.434919 rmiss 1.158797 0.818074 1.42 0.182 -0.62363 2.941227 poachrate -0.04028 0.259423 -0.16 0.879 -0.60552 0.524951 まず、この論文の主題に直接関係する「poachrate」から見ていく。t値が-0.16、 これは絶対値2よりも小さい。さらに、p値は 0.879 であり、これは5%を上 回る。したがって、変数「poachrate」に関して得られた係数の推定値は有意で はなく、被説明変数「ゲームの獲得」と「ポーチに出た比率」の間には関連性 が認められない。つまり、サーバー側の前衛のポーチに対する意識が変わり、 ポーチに出た比率が高まったことが、ゲームを獲得することに影響を与えてい ないということである。また、このような結果が出た理由については、(2)で 述べた。 その他の変数についても考察する。変数は残りの「memmber」、「1st ser」「Df (ダブルフォルトの比率)」「frolevel」「smiss」「rmiss」である。t値は 0.23、 -0.15、-1.49、0.75、-1.24、1.42 である。これは絶対値2よりも小さい。 さらに、p値は0.822、0.884、0.163、0.467、0.237、0.182 であり、これは5% を上回る。したがって、これらの変数に関して得られた係数の推定値は有意で はなく、被説明変数「ゲームの獲得」と「ポーチに出た比率」の間には関係が 認められない。以上より、どの変数についても、ポイントの獲得に影響を与え たとしても、ゲームの獲得に影響を与えるまでにはならないという結果が統計 的に求められた。 (4)(1)から(3)を踏まえた全体的な解釈 では、(1)から(3)までを踏まえて、全体的な解釈を行う。(1)の結果 から、個人の能力に関係なく、ポーチに対する意識の変化のみでポーチに出る 比率は高まることが分かったが、(2)(3)の結果からは、意識の変化によっ て高まったポーチに出た比率が、ポイント・ゲームの獲得に影響を与えるに至 らないということが分かった。そこからさらに、撮影した動画を見返し、ポー

(17)

17 チに出ていくメリットが生かされて得点する場面もあったが、無理にポーチに 出てネットにかけたり、アウトしたり、ポーチに出て打ったボールに威力がな く、またコースも甘いため、逆に相手からの反撃に合う場面も実際多かったこ とを確認した。これらのことから私は、ポーチに対する意識の変化によってポ ーチに出る比率が高まってもゲーム・ポイントの獲得に影響を与えず、また、 無理にポーチに出てもミスを起こしてしまうため、ポーチ自体の技術、ひいて はボレー自体の技術を高めなければならないと考えた。さらに、ポーチに対す る意識の変化がポーチに出る比率を高めるため、技術だけを向上させても、ポ ーチに対する意識を変えなければ、ポーチに出る回数は増えず、技術を活かす 場面が少ないままであろうと考えた。つまり、「ボレーの技術を高めること」と、 「ポーチに対する意識を変えること」の両方を行うことが、試合でゲーム・ポ イントの獲得にとって重要なことなのではないかという結論を私は出した。 (5)追加的な分析 ―① (4)でも述べたが、ポーチに対する意識の変化によってポーチに出る比率 は上がったが、その比率が上がったことで試合に与える影響は統計的には認め られなかった。③の回帰式の分析において、被説明変数「ゲームの獲得」に説 明変数「ポーチに出た比率」が影響を与えていないという結果になった一因と して、ポーチに出た比率の値が0以上1以下というごく小さな値であることが 原因ではないかと考え、「(各ゲームで)ポーチに出た比率」を「(各ゲームで) ポーチに出た回数」に変更し、その他の変数はそのままにして、改めて回帰分 析を行ってみた。その結果以下のようになった。 Number of obs = 20 F( 7, 12) = 3.92 Prob > F = 0.0186 R-squared = 0.6958 Adj R-squared = 0.5184 Root MSE = 0.35422

Game Coef. Std. Err. t P>t [95%Conf. Interval] memmber 0.093077 0.334587 0.28 0.786 -0.63593 0.82208 1st ser -0.05882 0.558745 -0.11 0.918 -1.27622 1.158581

(18)

18 Df -1.42693 0.935138 -1.53 0.153 -3.46442 0.610562 frolevel 0.109644 0.152137 0.72 0.485 -0.22183 0.441123 Smiss -0.55663 0.458036 -1.22 0.248 -1.5546 0.44135 Rmiss 1.235773 0.8285 1.49 0.162 -0.56937 3.040919 Poach(回 数) -0.0146 0.040496 -0.36 0.725 -0.10283 0.073636 では、まず「ポーチに出た回数」から見ていく。t値が-0.36、これは絶対値 2よりも小さい。さらに、p値は 0.725 であり、これは5%を上回る。したが って、変数「Poach」に関して得られた係数の推定値は有意ではなく、被説明変 数「ゲームの獲得」と「ポーチに出た回数」の間には関連性が認められない。 つまり、ポーチに出たことがゲームの獲得につながるとは言えず、やはり、自 分が予想した結果とは違う結果となった。 その他の変数についても、t値が絶対値2よりも小さく、p値は5%を上回 る。したがって、「ゲームの獲得」とその他の変数との間に関連性は認められな い。 「ポーチに出た比率」を「ポーチに出た回数」に変えて回帰分析を行ったが、 (3)と同じ結果となった。このことから、ゲームを獲得することに、ポーチ へ出ることが影響を与えていないという結果が出てしまう原因は、説明変数「ポ ーチに出た比率」の大きさにあるのではなく、別にあると言えるだろう。この ことについては、次に示す分析や第6節でもう一度触れる。 (5) ―② 次の追加的な分析は、ポーチを「ボールに触れたポーチ」と「ボールに触れ ないポーチ」の2種類に分けるものである。それぞれの得点率とポーチに出た 際のレシーバー側のミスの比率を求めた。また、ポーチ以外の得点パターンを その他とし、その得点率とレシーバー側のミスの比率を求め、表にまとめた。 第5節の(4)で自分が動画で見返したことも結果の一部として含めていたが、 それを補足するために追加的に分析を行った。 得点率 r ミス率 触るポー チ 0.318182 0.227273 触らない ポーチ 0.378378 0.378378 その他 0.342105 0.197368

(19)

19 分析を始める前に、表の横の段から説明する。表の2段目の「on poach」と は「ボールに触れたポーチ」を表している。これは、ポーチへと飛び出してい きボールに触れることができたポーチを指している。次に、表3段目の「off poach」とは「ボールに触れなかったポーチ」を表している。これは、ポーチへ と飛び出していったが、ボールに触ることができなかったポーチを指している。 最後に、表の4段目の「extra」とはその他の得点シーンである。これは、ポー チ以外の得点シーンのことを指している。 次に、表の縦の列について見ていく。「得点率」と「rのミス率」についてで あるが、例えば、「on poach」を例に取ると、「on poach」に当てはまるプレー が全部で22回、そのうち得点をした回数が7回、ポーチに出てボールに触っ たことで相手にミスをさせた回数が5回であった。よって、得点した回数を「on poach」に当てはまるプレーの数全体で割って算出された数値を得点率、同じよ うに、ポーチに出てボールに触ったことで相手にミスをさせた回数を全体の数 で割って算出された数値をレシーバーのミスの比率として表したのが、「得点率」 と「rのミス率」である。 では、まず得点率から見ていく。「on poach」の得点率と「off poach」の得点 率を比べてみると、「off poach」の得点率の方が約6%ポイントほど大きい値を 取っていることが分かる。これは、結果のまとめを述べた(4)で述べたこと と重複するが、ポーチでボールに触ることことが逆に、ボールをネットにかけ てしまったり、ボールをアウトしてしまったりというミスにつながってしまっ ていたり、ボールを相手コートに打ち返しても、打ったボールに威力がなく、 またコースも甘くて簡単にポーチに出て空いたコースに打ち返され、失点して しまうようなケースが、この6%の差に出たのではないかと推測される。 今度は、「extra」の項目に注目してみると、「extra」の得点率が約34.2% ポイントであるのに対して、「on poach」「off poach」の平均が約34.8%ポ イントである。これを見て分かるように、ポーチからの得点とそれ以外からの 得点ではほとんど差がなかった。これが原因で、ポーチがポイント・ゲームの 獲得に影響を与える要因にはならなかったのではないだろうか。つまり、ポー チに積極的に出た分、ポーチからの得点率が、それ以外からの得点率よりも、 大幅に大きければ、統計的にもポイント・ゲームの獲得にポーチに積極的に出 たことが影響を与えているという結果が出たかもしれないが、先に示したよう に差がほとんどなかったために、統計的に影響を与えていないという結果が出 てしまったのではないかと推測される。 次に、レシーバー側のミスの比率の項目について見ていく。「on poach」と「off poach」のレシーバー側のミスの比率を見てみると、「off poach」の方が約15%

(20)

20 ポイント高い値を取っていることが分かる。2.4節でも述べたが、ポーチに 出ることのメリットとして、ポーチに出る姿を相手後衛に見せるだけでも、相 手後衛はプレッシャーを感じ、ポーチに出てもボールに触られないように厳し いコースを狙ってミスをすることがあるので、ポーチに出てボールに触れなか ったとしても、表にあるような約37.8%ポイントの割合でレシーバー側の 後衛にミスをさせることができたと分かる。 一方で、ポーチに出てボールに触れた場合でも、打ったボールのコースが厳 しかったり、威力があれば相手のミスを引き起こすことが可能である。しかし、 先ほどから述べているように、今回の実験では、ポーチに出て打ったボールの コースが甘かったり、威力のないものであったりしたために、レシーバー側に 簡単にボールを拾われてしまい、反撃に合ってしまうという場面が見られた。 そのために、レシーバーのミスの比率が約22.7%ポイントとなり、「off poach」 のレシーバーのミスの比率と大きな差が生まれてしまったと考えられる。 最後に、「extra」について見る。「extra」のレシーバーのミスの比率を見てみ ると、全体の中でも一番小さな数値を示している。先ほどから述べている理由 から、ポーチに出ることで、相手後衛にプレッシャーがかかり、ポーチに出な い場合よりも相手にミスをさせていること分かる。よって、「extra」のレシーバ ーのミスの比率とポーチに出た時のレシーバーのミスの比率を比較することで、 ポーチに出ることが、相手後衛にプレッシャーをかけ、ミスを引き起こさせる という、ポーチに出ることのメリットを読み取ることができた。 第6節 おわりに 今回の研究の目的は、積極的なポーチへの意識の変化が試合にどのような影 響をもたらすのかを調べることであった。所属していたサークルの後輩らが試 合、特にダブルスの試合で目立った成績を残せないでおり、私は、この原因を 後輩たちのボレー、特にポーチへの意識の薄さではないだろうかと考え、ポー チに出ようという意識の変化がポーチに出る確率を高めるのか、さらにポーチ に出る確率が上がることがポイント・ゲームの獲得にどのような影響を与えて いるのかを分析し、積極的にポーチに出ていこうという意識を持つことの重要 性を明らかにし、現在、サークルを運営している後輩たちの指導に役立てるこ とを目標として、この研究を始めることにした。この研究のクエスチョンとモ チベーションについて改めて確認するために再度ここで述べた。 検証するにあたって、サークルのメンバーの協力を得て実験を行った。その 内容については、第3節で述べた。実験後、回帰分析によって、①「ポーチに 出た比率」と「指示したか否か」、②「ポイントの獲得」と「ポーチに出たか否 か」、③「ゲームの獲得」と「ポーチに出た比率」の関係性について特に注目し

(21)

21 て分析を行った。分析前の予想としては、指示をする前より指示をした後の方 がポーチに出る比率は高まり、ポーチに出る比率が高まったことがポイント・ ゲームの獲得に正の影響をもたらすと予想していた。 回帰分析の結果、指示をする前よりした後の方が約35%ポイントポーチに 出る比率が高まっていることが分かったが、その比率が高まったことがポイン ト・ゲームの獲得に影響を与えていないという結果となった。 このような結果となった原因については、第5節の(5)の追加的な分析で、 予想ではあるが述べた。追加的な分析では、ポーチを「on poach(ボールに触 れなかったポーチ)」と「off poach(ボールに触ったポーチ)」の2種類に分け、 さらに、「extra(それ以外のプレー)」と合わせてプレー全体を3つに分けて、 それぞれの得点率とレシーバー側のミス率を求めて分析を行った。その結果、 得点率については、まず「on poach」と「off poach」の間に差が見られ、動画 を見返して分かったことも踏まえてその原因を考えた。ポーチに飛び出してい くことが逆に、ボールをネットにかけてしまったり、ボールをアウトしてしま ったりというミスにつながってしまっていたり、ボールを相手コートに打ち返 しても、打ったボールに威力がなく、またコースも甘くて簡単にポーチに出て 空いたコースに打ち返され、失点してしまうようなケースが、実際、何度も見 られ、その分が「on poach」と「off poach」の差として現れたのではないかと 分析した。次に、ポーチの得点率とそれ以外のプレーの得点率を比べてみると、 その差はほとんどなかった。つまり、ポーチに出ることが他のプレーと比べて、 特別、得点を取ることにつながっているわけではないために、統計的には、ポ ーチに出る比率が高まっても、ポイント・ゲームの獲得につながらないという 結果が出てしまったのではないかと予想した。レシーバー側のミスの比率につ いては、ポーチとそれ以外のプレーを比べると、ポーチに出た時の方がレシー バー側のミスの比率が高かったことから、ポーチに出ていくことは、その他の プレーをするよりもレシーバー側にプレッシャーをかけ、ミスを引き起こさせ ることができるということが分かった。 今回の分析から、ポーチへの意識が変わればポーチに出ていく比率は高まる ことは分かったが、ポーチを決める技術がないのに無理にポーチに出ていって も、ミスをしてしまったり、相手から反撃を受けてしまうために、ポーチに出 る比率が高まってもポイントやゲームを獲得することにはつながらないという ことも分かった。これらのことから、ポーチに対する意識の変化によってポー チに出る比率が高まってもゲーム・ポイントの獲得に影響を与えず、また、無 理にポーチに出てもミスを起こしてしまうため、ポーチ自体の技術、ひいては ボレー自体の技術を高めなければならないと考えた。さらに、ポーチに対する 意識の変化がポーチに出る比率を高めるため、技術だけを向上させても、ポー

(22)

22 チに対する意識を変えなければ、ポーチに出る回数は増えず、技術を活かす場 面が少ないままであろうと考えた。つまり、「ボレーの技術を高めること」と、 「ポーチに対する意識を変えること」の両方を行うことが、試合でゲーム・ポ イントの獲得にとって重要なことなのではないかという結論を私は出した。 最後に、今回の分析の課題点について述べる。1つ目は、サンプルの数の少 なさである。これは、有意性の見られる変数が少なかったことの一因であると 思われる。今回の実験は全10試合、20ゲーム、111ポイントとかなり少 なく、もう少し試合数を稼げば、有意性の見られる変数も増えたかもしれない。 2つ目は、3人の固定メンバーの疲労を考慮して実験を行えなかった点である。 1日目が2試合、2日目が8試合と、2日目に多くの試合数を固定メンバーに はこなしてもらったので、後半は疲労が見えていたように感じる。せめて、1 日につき2-3試合にして実験を行えば、全部の試合で最高のパフォーマンス ができたかもしれない。最後の3つ目は、被験者に対してアンケート行わなか った点である。今回の分析では、不確定要素が多かったが、被験者に対してい くつかの質問を載せたアンケートを行えば、分析の助けになったかもしれない と感じた。アンケートを行うのであれば、「どのような意識を持ってポーチに出 ていたのか?」、「積極的にポーチに出ることは難しく感じたのか?」、「固定メ ンバーの3人にもポーチに積極的に出られてどのように感じたか?」などのよ うなアンケートを行ってみたかった。上記に挙げた点以外にも改善点は多くあ ると思われる。今回の研究をうまく進めるために上記で挙げた点については少 なくとも行うべきであったと痛感した。

(23)

23 ≪付録データ≫ ① ゲーム 数 poach

rate direction fro level 1st rate 2nd rate memmber S miss R miss

1 0.25 0 0 0.25 0.75 0 0 0.5 2 1.333333 1 0 0.666667 0.333333 0 0.666667 0.166667 3 0.166666 0 0 0.666667 0.333333 0 0.166667 0.166667 4 0.6 1 0 0.8 0 0 0.4 0.2 5 0.4 0 0 0.4 0.4 0 0.4 0.2 6 0 1 0 0.833333 0.166667 0 0.333333 0 7 0.6 0 1 0.8 0.2 0 0 0.4 8 0.833333 1 1 0.666667 0.166667 0 0.333333 0.333333 9 0.25 0 2 0.75 0.25 0 1 0 10 0.857142 1 2 0.857143 0.142857 0 0.142857 0.428571 11 0 0 1 0.714286 0.285714 0 0.428571 0.285714 12 0.5 1 1 0.5 0.5 0 0.5 0 13 0.4 0 2 0.8 0 0 0 0.6 14 0.666666 1 2 1 0 0 0.333333 0.333333 15 0.75 0 1 1 0 0 1 0 16 0.857142 1 1 0.571429 0.428571 0 0 0.428571 17 0 0 2 0.4 0.4 1 0.4 0.2 18 0.571428 1 2 0.428571 0.571429 1 0 0.571429 19 0.6 0 2 0.6 0.2 1 0 0.2 20 0.857142 1 2 0.428571 0.571429 1 0.285714 0.428571

(24)

24

② ポイント

数 point memmber 1st Ser DF fro level S miss R miss poach

1 1 0 0 0 0 0 1 0 2 1 0 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 1 0 4 1 0 1 0 0 0 0 1 5 1 0 0 0 0 0 1 0 6 0 0 1 0 0 1 0 1 7 1 0 1 0 0 0 0 1 8 0 0 1 0 0 1 0 1 9 0 0 1 0 0 1 0 1 10 0 0 0 0 0 1 0 0 11 1 0 0 0 0 0 1 0 12 1 0 1 0 0 0 0 1 13 0 0 1 0 0 0 0 1 14 0 0 1 0 0 1 0 1 15 0 0 0 0 0 0 0 0 16 0 0 1 0 0 0 0 1 17 1 0 1 0 0 0 1 1 18 0 0 1 0 0 1 0 1 19 0 0 1 0 0 1 0 1 20 0 0 0 1 0 0 0 1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 103 1 1 1 0 2 0 0 1 104 1 1 1 0 2 0 0 1 105 1 1 1 0 2 0 0 1 106 0 1 0 0 2 0 0 0 107 1 1 1 0 2 0 1 1 108 1 1 0 0 2 0 1 0 109 0 1 0 0 2 1 0 0 110 0 1 1 0 2 1 0 1 111 1 1 0 0 2 0 1 0

(25)

25

③ ゲーム

数 game memmber 1st Ser DF fro level S miss R miss

poach rate 1 1 0 0.25 0 0 0 0.5 0.25 2 0 0 0.666667 0 0 0.666667 0.166667 1.333333 3 0 0 0.666667 0 0 0.166667 0.166667 0.166666 4 0 0 0.8 0.2 0 0.4 0.2 0.6 5 0 0 0.4 0.2 0 0.4 0.2 0.4 6 0 0 0.833333 0 0 0.333333 0 0 7 1 0 0.8 0 1 0 0.4 0.6 8 0 0 0.666667 0.166667 1 0.333333 0.333333 0.833333 9 0 0 0.75 0 2 1 0 0.25 10 1 0 0.857143 0 2 0.142857 0.428571 0.857142 11 1 0 0.714286 0 1 0.428571 0.285714 0 12 0 0 0.5 0 1 0.5 0 0.5 13 1 0 0.8 0.2 2 0 0.6 0.4 14 0 0 1 0 2 0.333333 0.333333 0.666666 15 0 0 1 0 1 1 0 0.75 16 1 0 0.571429 0 1 0 0.428571 0.857142 17 0 1 0.4 0.2 2 0.4 0.2 0 18 1 1 0.428571 0 2 0 0.571429 0.571428 19 1 1 0.6 0.2 2 0 0.2 0.6 20 1 1 0.428571 0 2 0.285714 0.428571 0.857142 ≪参考文献≫ ・日本テニス協会

・WOWOW Tennis Online ・MBA 経営辞書

(26)

26 目次 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2.研究の背景にある情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2-1.テニスの基本的なルールについて・・・・・・・・・・・ 2 2-2.テニスのダブルスについて・・・・・・・・・・・・・・ 3 2-3.テニスのダブルスとシングルスとの違い・・・・・・・・ 3 2-4.自分の経験も含めたポーチの重要性・・・・・・・・・・ 4 3.実験方法について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 4.データと分析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 4-1.回帰分析とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 4-2.何を分析するのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 4-3.データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 4-3-1.被説明変数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 4-3-2.説明変数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 4-3-3.ダミー変数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 5.分析結果と解釈・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 5-1.分析結果と解釈・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 5-1-(1). ①の回帰式の予想と分析結果の解釈・・・・・・・12 5-1-(2). ②の回帰式の予想と分析結果の解釈・・・・・・・13 5-1-(3). ③の回帰式の予想と分析結果の解釈・・・・・・・15 5-1-(4). (1)から(3)を踏まえた全体的な解釈・・・・・・・ 16 5-1-(5). 追加的な分析・・・・・・・・・・・・・・・・・17 6.おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 付録データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 参考文献

参照

関連したドキュメント

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

層の積年の思いがここに表出しているようにも思われる︒日本の東アジア大国コンサート構想は︑

としても極少数である︒そしてこのような区分は困難で相対的かつ不明確な区分となりがちである︒したがってその

以上の基準を仮に想定し得るが︑おそらくこの基準によっても︑小売市場事件は合憲と考えることができよう︒

行ない難いことを当然予想している制度であり︑

下山にはいり、ABさんの名案でロープでつ ながれた子供たちには笑ってしまいました。つ

 学年進行による差異については「全てに出席」および「出席重視派」は数ポイント以内の変動で

大村 その場合に、なぜ成り立たなくなったのか ということ、つまりあの図式でいうと基本的には S1 という 場