実施
: 2019
年7
月15
日(月) 10:50-12:20, 4-203
室2019 年度 前 期 中 間 試 験 (問題
兼解答用紙)
開講学部 評点小計理工学部
問題枚数 両面印刷 別紙解答用紙 試験時間 試 験 科 目 名 出 題 者
1/2
有 なし80
分 線 形 代 数4
月曜教科書2: Original時限, 大 西 良 博持込許可物件 所属学部 所属学科 学年 クラス 学 籍 番 号
(9
桁) 氏 名なし 理工学部 学科 年
評 点
注意
1.
最終的な答に至る途中の説明をできるだけ詳しく書くこと.最終結果だけでは得点できない. 注意2.
学生証,記名用のペン,鉛筆またはシャープペンシル,消しゴム以外は机の上に置かないこと.注意
3.
試験場の静粛を保つために,退出は開始60
分後の時点の一回限りとする. 注意4. 3a
と3b
は選択問題である.どちらか1
問選んで解答せよ.1 (15
点) R 4
内の3
つのvectors
− 5 2
− 4 2
,
− 7
− 3 6 2
,
1 9
− 7 4
の生成する部分空間の正規直交基を
1
組求めよ.( Hint : Gram-Schmidt
の直交化法)
2 (15
点) A
とB
が直交行列のときAB
も直交行列であることを示せ.
3a (20
点)
方程式x 2 − 4xy − 2y 2 + 10x − 8y + 13 = 0
の標準形を求 め,これが表すxy
平面上の図形の概形を図示せよ.3b (20
点) A
をn
次の実対称行列とせよ.R n
には標準内積を入れてお く. u, v ∈ R n
をA
の固有値λ, µ
に対する固有vectors
とせよ.
このと きλ ̸ = µ
ならばu ⊥ v
であることを示せ.4 (10
点) T
を内積空間V
の線形変換とする.T
が直交変換であるためにはT
がどのvector
の長さも変へないこと,即ち∥ T (u) ∥ = ∥ u ∥
が全てのu ∈ V
について成り立つことが必要十分であることを示せ. 但し∥ u ∥
はu
のnorm
を表す.5 (15
点)
実対称行列A =
5 4 0 4 3 − 4 0 − 4 1
に対し,B = P − 1 AP
が 対角行列となる直交行列P
を求め,B
も記せ.学籍番号
6 (20
点)
方程式− 5x 2 − 11y 2 + 2z 2 + 12zx + 12zy = 7
で定義される2
次曲面の標準形を求めよ. また得られた標準形の表す曲面の概略(座標 軸の名称は入れること)を図示し,その曲面の名称も記せ.7 (5
点)
次の問に答へよ.(1)
正則行列A
についてφ A
−1(t) = | A | − 1 ( − t) n φ A (1/t)
であることを示せ.
(2)
直交行列A
について| A | = − 1
ならば− 1
はA
の固有値であることを証明せよ.( Hint :
行列式が− 1
であるいくつかの直交行列の固有多項式を挙げておく. t
3−
37t
2−
37t + 1, t
4+
49t
3−
49t − 1, t
5−
35t
4−
25t
3−
25t
2−
35t + 1. )
記号
N
…自然数全体, Z
…整数全体のなす環, Q
…有理数全体のなす体, R
…実数全体のなす体, C
…複素数全体のなす体, I
…単位行列.
既習事項のまとめ
( 1 )
行列の主成分とは,
各行における0
でない最も左にある成分のことである.
従つて主成分が存在しない行もあり得る. ( 2 )
簡約行列とは右下りの優しい階段状の行列であつて,
主成分がすべて1
で,
主成分のある行は主成分以外はすべて0
であるもののこと. ( 3 )
どんな行列も基本変形(掃き出し法)により簡約行列に変形(簡約化)でき,
結果は一意的である.
それにより,
連立1
次方程式を解くことができる. ( 4 ) V ector
空間V
の部分集合X
について,
その中にr
個のv ectors
からなる1
次独立な組があり,
しかもX
のどんなr +1
個のv ectors
も1
次従属であるとき, r
をX
の最大1
次独立数と呼ぶ. ( 5 ) V ector
空間V
の最大1
次独立数を与へる集合B
をV
の基または基底といふ. r
をV
の次元と呼んでdim( V )
またはdim V
と記す. ( 6 ) V ector
空間V
からそれ自身への線形写像を線形変換といふ. ⋆
以下V
はv ector
空間,
基{ u
1, ·· · , u
n}
はV
の基, T , T
1, T
2等はV →
は線形変換であるとする. ⋆ A , B
はn
次正方行列とする.
( 7 ) ( T ( u
1, ·· · , T ( u
n) ) = ( u
1, ·· · , u
n) A
となる行列A
をこの基に関するT
の表現行列と呼ぶ.
( 8 )
線形写像T : U → V
についてKer( T ) = { u ∈ U | T ( u = 0
V}
をT
の核, n ull( T ) = dim ( Ker( T ) )
をT
の退化次数, Im( T ) = { T ( u ) | u ∈ U }
をT
の像, rank( T ) = dim ( Im( T ) )
をT
の階数といふ. ( 9 ) φ
A( t ) = | tI − A |
をA
の固有多項式と称する. ( 10 ) A u = λ u
(あるいはT ( u ) = λ u
)となるscalar λ
とu ̸ = 0
が存在するとき,
それぞれをA
の(あるいはT
の)固有値,
固有値λ
に対する固有v ector
と称する. ( 11 ) W ( λ, A ) = { u | A u = λ u }
をλ
に対するA
の固有空間と称する. ( 12 ) W ( λ, T ) = { u | T ( u ) = λ u }
をλ
に対するT
の固有空間と称する. ( 13 ) λ
がA
の固有値であるためにはφ
A( λ ) = 0
であることが必要十分. ( 14 ) Ca yley-Hamilton
の定理: φ
A( A ) = O , φ
T( T ) = O . ( 15 ) V ector
空間V
線形変換T
のV
の適当な基に関する表現行列A
に対しφ
T( t ) = φ
A( t )
と定め,
これをT
の固有多項式と呼ぶ. φ
T( t )
はV
の基の選び方に依存しない.
( 16 )
ある正則行列P
が存在してB = P
−1AP
となるとき, A
とB
は相似であるといはれる. ( 17 )
正則行列P
が存在してP
−1AP
が対角行列になるとき, A
はP
により対角化されるといふ.
またこのとき, A
は対角化可能であるといはれる. T
の表現行列A
が対角化可能であるとき, T
は対角化可能であるといはれる. ( 18 ) A
が対角化可能⇐ ⇒ ∑
λ
dim W ( λ, A ) = n .
但し,
和はA
の固有値λ
のすべてに渡る.
( 19 ) T
が対角化可能⇐ ⇒ ∑
λ
dim W ( λ, T ) = dim V .
但し,
和はT
の固有値λ
のすべてに渡る.
( 20 )
任意のu , v ∈ V
に対し( u , v ) ∈ R
が定められてゐて,
第1
変数についても第2
変数についても線形性を持ち,
さらに任意のu , v
について( u , v ) = ( v , u )
が成り立ち, ( u , u ) = 0 ⇐ ⇒ u = 0
を満たすとき, V
には内積( , )
が定められてゐるといひ,
その様なV
を内積空間と称する. ( 21 )
内積空間V
においては∥ u ∥ = ( u , u )
なる記法を用いる.
これはu
のnorm
と呼ばれる. ( 22 )
内積空間において( u , v ) = 0
となるv ectors u , v
は直交するといはれu ⊥ v
と記される.
( 23 )
実正方行列P
はtP P = I
を満たすとき,
直交行列と呼ばれる.
これはP
tP = I
と同値である. ( 24 )
任意のu , v ∈ V
に対して( T ( u ) , T ( v )) = ( u , v )
となるときT
は直交変換であるといはれる. ( 25 ) T
が直交変換であることとT
の表現行列が直交行列であることは同値. ( 26 )
実正方行列P
が直交行列であるためには, A
の列v ectors
の長さが全て1
でかつ互ひに直交することが必要十分である. ( 27 )
tA = A
のときA
は対称行列と称される. ( 28 )
どんな対称行列も直交行列により対角化される.
( 29 ) A = [ a
ij]
2×2が正則行列のときa
11x
2+ 2 a
12xy + a
22y
2+ b
1x + b
2y + c = 0
で表はされる2
次曲線は平行移動と直交変換を合せた