鐙畑ダム上流域の短期流出解析
47年7月集中豪雨の流出について第2報
丹野哲郎・望月誠美
1
AnalysisofrunoffintheYoroibata‑dambasin
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(昭和48年10月31日受理)
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●前回第1報として,中安の単位図法および貯留関数法
により,昭和47年7月の洪水解析を試承たが,あまりおもわしい結果が得られなかった。その後更に検討を加え タンクモデル法をも使用して洪水解析を行った結果を文 献2),3)で報告した。今回は之等の中で更に検討を加えた 結果を報告すると共に,他の洪水に対する適応性につい て検討を試ゑた。中安の単位図法については,基底流量 の適格な分離がむづかしいことと、適当な降雨資料が不 十分なことから,適格な有効雨量の推定が困難であり,
又有効雨量の大小によって単位図を変えるという研究報
告')もあるので,今回はとりやめた。2 タンクモデルによる検討
タンクモデルは流域をいくつかの貯留型のタンクの組 合せに置き換えて考える流出計算法である。右側の孔は 流出を表わし,底の孔は浸透を表わす。雨は最上段のタ
ンクに貯留され,流出孔から流出したり,浸透孔を通って下のタンクに貯留される。下のタンクがない場合は,
その分の雨は失われたものと考えられる。ここでは流出 の解釈はすべてダムの貯水池に到着する水量に関するも
のとする。 図−1 タンクモデル
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2−2過去の洪水資料による検討
過去に鐙畑流域で起った小洪水にもこのモデルがあて はまるかどうか興味があったので計算を行った所,図一 3に示す結果を得た。No.6を除き,すべて実測の流量 より計算値が上回った。このことから計算値を実測にあ
わせようとすればモデルの最上段のタンクの浸透孔を大 きくすべきであり,No.6からいえる事は最上段のタン クの下の流出孔の高さを高くすべきである。しかし,そ
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図−3雨量と流量ハイドログラブ実測(実線)と計算値(破線)
のようにして得たモデルが今回の洪水にあてはまるか否 かは疑問である。
60
3貯留関数法による検討 ︵屋屋︶の
00543−1 昭和47年7月洪水による検討
第1報で検討したものは,昭和47年7月日の複雑な洪 水資料をそのままとって貯留関数式を誘導したため,思 わしい結果が得られなかった。従って, この資料より単
一の洪水波形を取り出し,単純な波形にして検討してゑ た。即ち二つの洪水波形の最初の波形が,比較的単純な形をしているので,最初のピークを形作った圭要降雨
が, 7日の24時で止んだものとして,過去の実測資料より減水定数を定め,之により単一の洪水波形を推定し,
(図−9破線)これより貯留関数式を導いた。遅滞時間
T1については,図=L4,および5に示すとおりT1=1 ルァでもTI=2"γでも夫を逆方向のループを画くので,流入係数/とT!との関係曲線図より求めると,T4=2"7 ノ=0.9となる。これより貯留高sと9の関係を両対数 方眼紙にプロットすれば図一7のようになり,次の貯留
関数式が得られた。S=24.32(9‑9i)0.53 但し9‑9j=3mm以下 S=29.99(9‑9i)0.327但し9‑9j=3mm以上 之により流出追跡計算を行い,.累加実測流出高と累加
計算流出高の関係を方眼紙にプロツトすれば,図一8の ように三つの折線となるので,一次流出率ハを二つに30
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貯留関数式S=12.05(9‑9i)0・115
(図‑18)
これらの値と前記3−1より求めた値を比べてゑると
何れもピーク流量400〜600ma/S程度のものであるにも かかわらず,各洪水毎夫々異った数値を示している。従 って3−1で求めた貯留関数式および遅滞時間等を,他の洪水に使用すれば当然実際と異ったハイドログラフを 得ることになるb
とり,/1=0・68,A'=0.86,飽和雨量Rs(z=133"'m, Rsαノ=268mmとした。
これらより流出高を計算し,実測流量と対比すれば図
一9のようになり,比較的よく合致した。
3−2過去の洪水資料による検討
過去の洪水資料のうち,比較的雨量の資料の整ってい る,昭和44年7月30〜31日,昭和44年8月23〜25日,昭 和45年8月1〜2日の洪水資料より貯留関数式を誘導す
ると,
1)昭和44年7月30〜31日洪水
遅滞時間TI=2"γ (図‑10およびI1)
流入係数f=0.64 (同 上)
≦貯留関数式S=49.09(9‑qj)0.233
(図‑16)
2)昭和44年8月23〜25日洪水遅滞時間T4=1"r . (図‑12, 13) 流入係数f=0.64 (同 上)
貯留関数式S=35.56(9‑9j)0.296
4 ま と め
以上タンクモデル法および貯留関数法とも,昭和47年
7月洪水より抽出したモデルならびに関数式は,同洪水 に比較的よく適合するが,他の洪水に対しては必ずしも適合しない。洪水によっては著しく異ったものとなるこ
とは両法とも同様である。
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図‑14 S‑Q曲線図 T/
図‑15T1‑F曲線図
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〕 4−015.06.08.010.[
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貯留関数
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図−17貯留関数
一般に降雨より流出量を推定する際,或る実測資料よ
りモデル或は関数式を抽出し, これを使用する方法がと られているが,上記の様な点からすれば,単純に他の洪 水にあてはめることは極めて危険だと思われる。この点 更に検討する必要がある。
参考文献
1)上田,本間,荻原,福井:土木学会第26回年次学
術講演会講演集P325〜326(1971)
2)丹野,長谷部,望月:昭和47年7月豪雨災害の調 査と防災研究P40〜45(1973)
3)丹野,長谷部,望月:昭和47年度東北支部技術研 究発表会講演概要P219〜222(1973)
4)橋本:土木学会第28回年次学術講演会講演集
P45〜46(1973)
園−16
1
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