弘
法
大
師
の
十
住
心
論
に
お
け
る
〉
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『
鋤蠧
冨
あ
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巴
三
出拯
藤
祐
純
弘法大 師の十住心論に おけるAsphEnaka
・samadhi （遠藤祐 純） は じ め に 三摩
地 （ ゜・ 山 巳 91 窪 三 ） は 三 学 の 一 と し て 、 仏 教 に お け る 重 要 な 実 践要
素 で あ り、真
言 宗 に お い て も 例外
で は な い 。 言 亡慮
絶 不 可 説 と さ れ る 果分
を ま さ に 可 説 と す る 密 宗 の 立 場 か ら 、 三 摩 地 法 門 が 開 陳 さ れ る 。 三 摩 地 は 真 言 宗 の 至 極 で あ り 、 妙 有 と し て の曼
荼 羅、 妙 行 と し て の 三 密 が 展 開 さ れ る 基 調 で も あ る 。 金 剛 界曼
荼 羅 を 説 く 『 金 剛 頂 経 』 は 、『 大 日 経 』 と な ら ん で 、 両 部 大 経 の 一 と さ れ、
真
言 宗 で は 最 も 重 要視
さ れ て い る 。 経 証 と し て 、 弘 法 大 師 に よ っ て も数
々 引 用 さ れ、 そ の 教 学 体 系 に お い て も 重 き を な し て い る 。 『 十 住 心論
』 の第
十 住 心 秘密
荘 厳 心 を 、 如実
知 自 心 の 展開
せ る 世 界 と し て 、 胎蔵
海 会 曼 荼羅
、 金 剛 界 曼 荼 羅 、 金 剛 頂 十 八 会 曼 荼 羅 に 説 き 、 『 秘 蔵 宝 鑰 』 に は 、『 金 剛 頂 経 』 に お い て 、 金 剛 界
曼
荼 羅 展 開 の 基 点 と な っ た 五 相 成 身 観 を 含 む 『 菩提
心 論 』 の 三 種菩
提 心 中 の 三摩
地 段 全 文 が引
か れ て い る 。 第 九 住 心 に は 、『 十 住 心 論 』 『 秘 蔵 宝 鑰 』 共 に 、
『 金 剛 頂 経 』 か ら、 五 相 成 身 観 に 入 る 契 機 と な っ た 〉 ・。
喜
画8
匿
− 旨 ∋毘
三 （ 阿 婆 頻 那 伽 三 摩 地 ヨ 一 σq 冤 ？ げ p 嘗 ユ 訃 出 o・冠
N 一 昌 ） の 様 子 を引
い て い る 。 こ の 小 論 で 、 第 九 住 心 に 位 さ れ て い る こ の 〉 ω喜
習
帥惹
− 。・ 。 目巴
匿 に つ い て 論 及 を 試 み た い 。 1金
剛
頂
経
に お け る 》 。・ ℃ げ 倒蠧
ζ
− 紹 ヨ巴
三
一243
一智山学報第二十二 輯 ー 『 金 剛 頂 経 』 に お い て 〉 。。
菩
壁
二。 广 自。 あ 国 ヨ巴
ま が 説 か れ る の は 、 五 相 成 身 観 が 説 か れ る 直 前 で あ る 。 そ の 経 緯 を 次 の よ う に 説 い て い る 爾 の 時 、 一切
如 来 に よ っ て、 仏 国 土 は 、 例 え ば 胡 麻 の 如 く 遍 満 さ れ た 。 一 切 如 来 が 雲 集 し 、 一 切義
成 就 菩 薩 摩 訶 薩 が 坐 せ る菩
提 道 場 に 往 詣 し、 彼 の 菩 薩 の た め に 受 用 身 を 示 し て 次 の よ う に 仰 せ ら れ た 。 「 善男
子 よ、 汝 は ど う し て 無 上 正 等 覚 を 証 す る の か 。 汝 は 一 切 如 来 の 真 実 を 証 得 し な い で 一 切 の 苦 行 （含
ケ歹
鼠 巳 ） に 精 進 す る 」 そ こ で、 一 切 義 成 就 菩 薩摩
訶 薩 は 一 切如
来 に 警 覚 さ れ 〉 °。 唱訂
8
吋 甲 器 ヨ匙
匿 よ り 起 ち て 、一 切 如 来 に 恭 敬 し、 次 の よ う に 述 べ ら れ た 。
「 世
尊
よ 、諸
如 来 の 真 実 と は 何 ん で 御 座 い ま し ょ う か 。 又 ど う し て そ れ を 成 就 す る の で し ょ う か お 教 え 下 さ い 。 」 と 、 以 上 の よ う な 消 息 が 設 定 さ れ 、 次 に 五 相 成 就 観 の 一 々 が 順 次 説 か れ る の で あ る 。 一 刧 義 成 就 菩薩
に 対 す る 一 切 如 来 の 発 言 の 部 分 に つ い て、 Qo 写 ． 本 と 不 空 訳 が 一 致 し 、 施 護 訳 と 蔵 訳 と が 一 致 し て い る 。 〉 °・ で ゲぎ
時
学 路 ヨ巴
三 は 一 切 如 来 に よ り 苦 行 と さ れ 、 無 上 正 等 覚 を 得 る た め の 行 法 に 非 ず と 否 定 さ れ た 。 こ の点
に つ い て 、 慈 覚 大 師 の 『 疏 』 は 旧 経 云 。 初 依 二 瑜 伽安
那 般 那一 繋 レ 念 修 習 。 不 レ 動 二 身 体 刃 亦 不 レ 動 二 支 分 → 名 二 阿 婆 頗 那 伽 法 一 也 。安
那 般 那 。 亦 云 二 阿 那 波 那 → 亦 云 二 阿 般 那 司 訳 日 。 阿 那 者 来 亦 云 レ 入 。 波 那 者 去 亦 云 レ 出 。 謂 数息
観． 、 と 、 〉 ・。喜
鋤 昌跨
薗− 器 ヨ 黜 巨 を 行 ず る に 先 だ っ て 安 那 般 那 （ 倒鼠
冨
8
） 即 ち 数 息 観 を 修 す べ き 旨 を 記 し 、 更 に 「 此 経 訣 云 」 と 『 金 剛 頂 経 大 瑜 伽 秘 密 心 地 法 門 義 訣 』 （ 不 空 、 大 正 三 九 、 八 一 二 下 ） の 見 解 を 援 引 し て い る 。 即 ち 阿 婆頗
那 伽 老 。 阿 之 言 無 ．． 婆 頗 那 迦 識 也 。 三 摩 地 平 等 持 也 、 伽 者身
也 。 応 〆 云 二 無 識 身 平 等 持 一 也 。 入 二 此 定 一 者 。 能 治 二 攀 縁 散 乱 等障
一 故 。 云 〆 不 レ 応 レ 動 二 心 及 身 支 節 尋 唇 歯 倶 合 。 両 目 似 レ開
。 息 二 心 攀 縁 → 勿 γ令
二 散 乱 喝 問 日 、 入 二弘 法大 師の十 住心論に おける
Asphanaka
−sam 記hi
（遠藤祐純） 此 定 一 者 。 有 二 何 利 益 → 答 日 。 若 内 識 散 乱 。 外 塵 所 ノ 索 。 識 随 二 諸 塵 一 起 二 種 々 妄 見 幻 随 ノ 見 随 レ 念 。 即 為 二 無 量 諸垢
一 之 所 二 纒 縛 → 以 二 是 因 縁 一 論 二 溺 生 死 → 故 以 二 此 定一 而 止 二 息 之 。 又 問 日 。 此 定 唯 止 レ 識 不 レ 起 。 不 下 与 二 世 塵 一 而 相 和 A 島 如 二 諸 仏鏡
界 一 出 世 実 相 百 千 三昧
。 出 入 自 在 。動
不 動 等 。 入 レ 有 不 ゾ有
。 入 〆 無 不 レ 無 。 無 有 常 一 。一 即 無 量 。 無 量 即 一 。 而 復 識 然 広 大
建
立 。常
住 二 其 中 殉 不 レ 礙 不 レ 没 。 如 レ 是 智 用 勝 妙功
徳、 自 他 利行
。 云 何得
レ 之 、 答 日 。 前 之定
門 。 漸 学 大 乗 及 小 乗 等、 及 於 二 外 道 弔 同遊
二 此 定 → 小 乗 以 此 為 二 畢 竟 → 外 道 不 ノ 深 。 各 々 有 γ 異 。 漸 学 大 乗 者 。 以為
二 方 便 一 息 二 攀 縁 一 故 。 若 頓 入 者 。 亦 不 レ 由 。 之 ｝ 切 色 塵 為 二 仏 事 一 故 。智
性 無 礙 無 用 故 。 若 怖 二 於 塵境
一愛
二楽
空 寂 幻智
無 レ 所 ノ 用 。 愚 拙 之 深 網 也 。 如 レ 此 之 徒 。 其 類 非 レ 一 。 或 作 二 声 聞 噸 或 為 二 外 道 叩 悲 哉 可 レ 愍 痛 惜 之 甚 。 是 故 仏 説 二 其 智 慧 難 解 難 入 鱒 一 切 声 聞 辟 支 仏 所 レ 不 レ 能 ゾ 知 、 若 欲 レ 入 者 。如
二 下 経 中 広 宣 説 一 耳 。 と し て 、 こ こ で は 卸 ぞ訂
コ算
自。 − 器 ヨ＆
三 が無
識 身 平 等 持 と 訳 さ れ て い る 。 こ の 三 摩 地 は 識 を 止 息 さ せ る 消極
的 な 空寂
の 境 で 、 智 方 便 の 積 極 的 な 展開
は 期 待 さ れ ず 、 外 道 、 小乗
、 漸 学 の 大 乗 の 老 が 修 す る 定 で あ る と し て い る 。 こ の 中 、 慈 覚 大 師 は、如
来 随 自 意 之 法 と し て 「 一 即 無 量 、 無 量 即 一 。 入 〆 有 不 〆 有 。 入 レ 無 不 レ 無 、有
無 常 一 」 を 見 て 、 こ こ に 秘 密頓
教 を 見 て い る Q曇
寂 の 『 私 記 』 も 慈 覚 大 師 の 『 疏 』 同 様 『 義訣
』 の 文 を引
き 、 更 に 『 金 剛 頂 瑜 伽 中 略 出 念 誦 経 』『 瑜 伽 蓮 華 部 念 誦 法 』 等 を も 併 せ 引 き な が ら こ の 三 摩 地 を
解
し て い る 。 へ ω 鋤 犀 団 鋤 ∋ 言 螽 の 『 『 o °・ 自。 氤 『 渉 『 費 帥 』 は謝
三 摩 地 （巨
αq畧
畳
ま
菷
宜
量
を 現 前 す る 場貪
凡 そ 瑜 伽 者 が 不 動 三 摩 地 に 住 す る時
昏 絶 せ る 如 く 、 出 入 息 を 止 め 、 動 ぜ ず 揺 が ず 微 動 だ に せ ず に、 身 口 意 行 か ら 超 え て 住 す 。 こ の 特 長 と し て 、 諸 有 情 の 利 益 が 出 来 な い の で 仏 世 尊 は （ こ の 三摩
地 か ら ）起
つ も の に な る 。 出 入 息 を 止 め、 身体
を 完 全 な 静 止 の 状 態 に お く 寂 滅 境 を い う が 、 衆 生 に 対 す る 利 益 行 が 不 可 能 な の で 諸 仏 は こ れ に 一 245 一智山学報第二十二 輯 留
竃
な い と 解 し て い る ・攣
看
胃 H里
じ・＆
穿
眇 αQ量
島
見
解 と し て 。 Φξ
鎚 の 祖蚤
藷
≡ 『 「三
一 三 八 五i
一 四 三 八 ） は 、「 世
尊
が 浄 飯 王 の 王 子 と し て 生 れ 、 尼 連 禅 河畔
で 苦 行 （ 山訂
ゴ゜訂
） を 行 ぜ ら れ る ま で 十 地 の 菩 薩 相 で あ っ た が、 六 年 苦 行 （穿
聾
・ げ o ） に お い て 大 四 禅 の 大 （ げ 惹 ヨ 閃 富 ロ げ ω 家 も 卯筈
穹
− ℃ o 葛 o ゲ窪
も o ） に も 、 四 禅 の 極 （訐
節 ∋ σq 冖き
げ隆
亡 p 甘 霽 σ−巨
げ菩
） に も無
動 三摩
地 （身
αq 鴇 o・ げ 笛 ケ＝
三− ｝ ？ ケ 爵 冒 ） に も、 偏 空 三 昧 （ ヨ 犀冨
’7写
饗
げξ
＝
3
き ー ゲ 匹 』 昌 ） に も 住 さ れ た 」 と、 〉 ぞ訂
冨
訂
・ °・ 。 ヨ 既 三 を 歴 史 的 仏陀
釈 尊 が 尼 連 禅 河 の 辺 り で 修 し た 禅 観 と し て い る 。 次 に 、 ＞8
昌訐
αq 贄 げ匿
の 『 真 性作
明 』 に は 真 実 を 修 習 せ ず に、 こ の 不 動 三 摩 地 （邑
αq 鴇 o− げ p 注 け 三50
ー ゴ曾
ぎ ） に よ っ て 、 汝 は 菩 提 を 証 す る こ と は 出来
な い と い う の が 密 意 で あ る 。何
故 か と な ら 、 一 切 如来
の 真実
を 証 得 せ ず に 云 々 が （ 本文
に ） 説 か れ る 。 即 ち、 凡 そ 一 切如
来 の真
実
を 証 得 せ る も の は 現 成仏
す る が 、 も し 、 汝 が 不 動 三 摩 地 を 行 じ て 、 自 ら を 苦 し あ 、 苦 行 に 住 す る な ら 、真
実 を 失 な い 、 現 等覚
す る も の に は な ら な い 。 と 、 不 動 三 摩 地 を 苦 行 と 見 て 、 成菩
提 の 因 と し な い 。 次 に 説 か れ る 五 現 等 覚 （ 五 相 成 身観
） を 予 想 し て い る の で あ る 。 回 ω で氤
コ爵
学 ω m 目＆
臣 は、 一 切 義 成 就菩
薩 が 五 相 成 身 観 を 修 習 す る 直 前 に 行 じ た 三 摩 地 で 、 諸 仏 菩薩
に よ っ て 否 定 さ れ た 苦 行 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。ζ
写
霧 αq 笙 ぴ 肖 オ は、 釈 尊 が 六 年苦
行
後 に 行 な っ た 行 な る こ と を 示 し て い る 。 一 切 義 成 就 菩 薩 （ もnm 【 く 帥 「 叶 ゴ Pon 同 匹 匹 ぴ 一 げ O 匹 ゴ 同 g囗 山 仲 冖 く P ） と 『 金 剛 頂 経 』 に 説 か れ る 菩 薩 は 釈 尊 と 同 体 で あ る か 否 ＠ か に つ い て、 慈 覚 大 師 の 『疏
』 は 金 剛 薩 躔 で あ る と し 、 曇 寂 の 『 私 記 』 は 『 理 趣 釈 』 を 引 い て 普 賢 菩 薩 の 異 名 で あ る と い い 、 或 い は 『 諸 仏 境 界 経 』 の 「 復 応 レ 観 二 察 釈 迦如
来 成 道 之 法 紬 如 下 釈 迦 菩 薩 近 二 菩 提樹
一 由 旬 内 一 修 中 諸 苦 行 満 二 足 六 年 願一 成 二 仏 道 → 趣 二 菩 提 樹 一 坐 二 金 剛 座 一 入 二 金 剛 定 殉 爾 時 毘 盧 遮 那 如 来 観 二 見 是 一 已．． 至 菩 提 樹 金 剛 道 場 一 示 現 。 無数
化 仏 遍 二満
虚
空 一 猶 如 二微
塵 → 各 共 同声
告 二菩
薩 三 纛 。 善 男 子 。 云 何 不 ノ 求 二 成 仏 之 法 一 」 の文
を 引 い て、 六 年 苦 行後
、 一 246 一弘法大 師の十住心論に お け る
Asphanaka
−samadhi （遠 藤祐 純）菩
提 樹 下 で 成 道 せ る 釈迦
牟
尼 仏 な る こ と を 明 か し て い る 。 そ し て、 五 相 成 道 は 一 切 諸 仏 の 通 軌 で あ る か ら ヤ普
賢
と い う も 釈 尊 と い う も 同義
で あ る と 会 通 し て い る 。 、 ー ω罫
盖
ヨ 団 ＃ 山 は 、 釈 迦 族 に 生 を 享 け、 出 家 成 道 せ る釈
尊 で あ る と す る 。 〉 コ ロ・巳
国 αqp 。 同 げ げ 9。 は そ の 『 真 性 作 明 』 に 一 切 有 情 に 対 し 利 益 し 安 楽 に す る た め 成 仏 す ぺ き で あ る と 想 念 し て、 出 入息
を 止 め て 一 切 義 を 成 就 す る の で 釈尊
と 同 義 で は な い と 否 定 的 な 立 場 を 示 し て い る 。 一 切 如 来 に 弾 指 警 覚 さ れ て 卸 。・9
鋤 ロ時
帥・ 銘 ヨ 倒 色 ぼ か ら 起 つ 一 切 義 成 就菩
薩 が 金 剛 薩 錘、 普 賢菩
薩 、 釈 尊 と 区 々 に 説 か れ 諸 註 釈 間 に 一 定 し て い な い 。諸
経
軌
に おけ
る 》 ω ℃ 7 倒8
パ p − ω ⇔ ∋包
臣 『 金 剛 頂 経 』 で 苦行
と し て 退 け ら れ て い る 〉 ω喜
畧
pざ
− 芻B
巴
三 が 、 三 相 、 四 相 、 五 相 成 身 観 を 説 く 他 の 金 剛 頂 経 諸 経軌
に お い て 容認
さ れ、 成 身観
の 前 行 と し て 組 み こ ま れ て い る 。 成 身 観 を 説 く諸
経 軌 は 、 す で に 坂 野 栄 範 師 に よ っ て指
摘 さ れ て い る 。 そ れ ら の諸
経 軌 の 中 、『 諸 仏 境
界
摂 真 実 経 』 は 、 五 相 成 身観
と 釈尊
の 苦 行 と を 結 び つ け て 説 い て い る 。 即 ち、 釈 尊 が 六 年 苦 行 を 終 て 菩 提樹
下 に 坐 せ る 時 、 大 毘 盧 遮 那 如 来 が 五 相 成 身 の 法 を 示 す と す る の で あ る Q し か し、 ＞ q・ 噴 げ 鋤 ロ 餌訂
あ p。 ヨ ロ 色 窯 に つ い て は言
及 し て な い 。ω
金 剛 頂 経 瑜 伽 修 習 毘 盧 遮 那 三 摩 地 法 行 老 欲 入 金 剛
定
先 住 妙 観 察智
定 慧 二 羽仰
相 又 進 禅 方 智 相柱
以 此 妙 印 修 等 引即 得 如 来 不 動 智 一 − IIIIIII 行 者 次 応 修 阿
婆
頗
那 伽 三 昧 、 端 身 正 坐 身 勿動
揺 。 舌 柱 上 愕 。 止 出 入 息 。 令 其 微 細 。 諦 観 諸 法 皆 由 自 心 。 一 切 煩 悩 及 随 煩悩
。 蘊界
入 等 。 皆 如 幻 焔 靆 闥 婆 城 。 如 旋 火 輪 。 如 空 谷 響 。 如 是 観 巳 。 不 見 身 心 。 住 於 寂 滅 無 相 平 等 。 以 為 究 竟 真 実 智 。爾
時 観 空 中 。無
数 仏 。 猶 如 大 地 満 中 胡 麻 。 皆 舒 金 色 臂 。 弾 指 而警
。 作 是 告 言 。 善 男 子 汝 所 証 処 。 一 247 一智山学報第二十二 輯 一 道 清 浄 。
未
証 金 剛 瑜 伽 三 昧薩
般 若 智 。 勿 為 知 足 。 応 満 足 普 賢 。 成 最 正 覚 。 と、 瑜 伽 行 老 が 〉 。。嘗
7 鋤 ロ肆
？ 器 ヨ注
匪 に 住 し 、 出 入 息 を 止 め 、 身動
揺 せ ず に 住 し て 、 諸 法 は 全 て 心 に 依 る と 諦 観 し、 一 切 煩 悩 及 び随
煩 悩、 五 蘊、 六 入、 十 八 界 は 全 て 幻 の 如 し と 観ず
。 こ れ を 究竟
真 実 智 と 思 え ど も、 諸 仏 は こ れ を 一 道 清 浄 と し 、未
だ 真 実 究 竟 の 金 剛 瑜 伽 三 昧薩
般 若 を 証 し た と は し な い と し て 、 五 相 成 身 観 を奨
め る の で あ る 。 ＠ 金 剛 頂 瑜 伽 中 略出
念
誦 経 若 持 誦 者 。 応 当 現前
作 阿 婆 頗 那迦
三 摩 地 。 次 説 入 三 摩 地 法 。 若 欲 入定
者 。 不 応 動 身 及 諸 支 体 。 唇 歯 倶 合 両 目 似 合 。 於 仏籐
前 応 先 思 淮 。 当 欲 入 室 作 是 思 惟 。 諸 仏 遍 満 虚 空 。 猶 如 大 地 油 麻 津 膩 満 中中 略 次 須 入 観 止 出 入 息 。 初 依 瑜 伽 安 那 。 般 那
繋
念
修 。 習 不動
身 駆 。 亦 不 動 支 分 。 名 阿婆
那 伽 法 。 久 修 行者
。 如 是 思 惟 時 。 入息
己 身 住 在 虚 空 。 一 切 諸 仏 遍 満 法 界 。 以 弾 指 印令
従 坐 起 。 持 誦 者 応 思 惟 諦聴
諸 仏 告 言 。 善 男 子 無 上 正 等菩
提 。 速 宜 現 証 。 汝 若 一 切 如 来 真 実 。未
能 了知
。 云 何 堪 忍能
修 一 切 苦 行 。 爾 時 聴 一 切 仏 語 已 。 即 依 儀 式 。 従定
而 出 。 印 結 従 坐 起 印 。 三 摩 地 に 入 る 前 に 安 那 般 那 （ ⇔ 昌 自δ 眉 P 昌 P ） を 修 し 、 身 心 を 静 止 寂 滅 す べ き で あ る と し 、 こ の 三 摩 地 を 行 ず る 時 、諸
仏
が 法 界 に 遍満
し て 、 弾 指 を 以 っ て 行 者 を 警 覚 せ し め 、 無 上 菩 提 を 得 る た め に は こ の 苦 行 を 捨 す べ き 旨 を 説 き 、 次 い で 成 身 観 を 示 す 。09
金 剛 頂 一 切 如 来 真
実
摂 大 乗 現証
大 教 王 経瑜
伽 経 所 説応 結 跏
趺
坐支 節 不 動 揺
応 結 等 却 持 二 羽 金 剛 縛
仰 安 於 臍 下
端 身 勿 動 揺
舌 柱 於 上 胯 止 息 令 微 細
諦 観 諸
法
性皆 由 於 自 心
煩 悩 随 煩 悩
蘊 界 諸 処 等
皆
如
幻 与 烙如
乾 闥婆
城亦 如
旋
火 輪 又 如 空 谷 響如
是 諦観
已 不 見 於 身 心 住 寂 滅 平等
究 竟 真実
智 即観
於 空 中諸
仏 如 胡 麻 遍 満 虚 空 界 想 身 証 十 地住 於 如
実
際空 中 諸
如
来弾 指 而
警
覚
告 言善
男
子 汝 之 所 証 処是
一 道 清 浄 金 剛喩
三 昧 一248
一弘法大 師の十住心論にお け る
Asphanaka
−samadhi （遠藤祐純 ） 及薩
般 若 等尚
未
能 証 知勿 以 此 満 足 応 満 足 普 賢
方 成 最 正 覚
身 心 不 動 揺
定 中 礼 諸 仏 此 経 の 異 訳 本 と し て 『 金 剛 頂 蓮 華 部 心
念
誦 儀 軌 』 が あ る 。 又 前 掲 『 毘 盧 遮 那 三 摩 地 法 』 に 偈 文 と 散 文 の 相 違 の み で 極 く類
似
し て い る 。 こ の 文 の 後 に 普 礼真
言 が 説 か れ、 諸 仏 如 来 に よ り 自 心 観 察 を 勧 告 さ れ る 描 写 が 続 く が 、 こ の 文 も 『 三摩
地 法 』 に 三 句 程 の 欠 文 と 字 句 の 相 違 程 度 で 殆 ん ど 同 文 で あ る 。 そ し て 以後
成 身 観 に 入 る 旨 を 述 べ て い る 。 こ れ ら の 点 か ら 、 阿 婆 頗 那 伽 三 摩 地 と 記 さ れ て な く と も 、 そ れ を 示 し て い る こ と は、 明 ら か に 推 察 さ れ る 。 こ の 三摩
地 に 入 る 時 、 二 羽 金 剛 縛仰
安 於 臍 下 と 手 印 に つ い て述
べ て い る 。◎
金 剛 頂 経 瑜 伽観
自 在 王 如 来 修 行 法 次 結 三摩
地 印 。 二 羽 仰 相 叉 。 進 力 相 背 而 竪 。 禅智
捻 進 力 頭 。 置 於 跏 趺 上 。 行 者 次 修 阿 婆 頗 那 伽 三 昧 。 端 身 正 坐 。 身 不 動 揺 。 舌柱
上 勝 。 止 出 入 息 。 令 其 微細
。 諦観
諸 法 。 皆 由 自 心 。 ］ 切 煩 悩 。 如 焔 如 化 。 無 有 真 実 。 作 是 観 已 。 唯 願 諸 仏 。 示我
行 処 。 誦 此 真 言 日 。 庵 三摩
耶 鉢 螂 迷 二 合纈
哩 二 合 引 正 坐 之 時 。 一 々 明 了 。 観 虚 空 中 。 無 量 諸 仏 。 一 時 弾 指 。 警覚
行 者 。 而 告 之 言 。 善 哉能
作 是 行 。 汝 想 心 中 。 所 布 應 字 。 螢 徹 於 心 。 誦 此 真 言 日 。 と 、 ま ず 三 摩 地 印 と し て 弥 陀 定 印 を 結 び 、 阿 婆 頗 那伽
三 昧 を 修 す る 。 そ し て 三 摩 地 真 言 を 誦 す れ ぽ 虚 空 に 無 量 諸 仏 顕 現 し て、行
者 に 対 し 弾 指 を も っ て 警 覚 し 、 心 中 に 悪 字 を 観 念 す べ く 勧 め 、 成 身 観 に 入 ら し め る の で あ る 。 し か し 、 次 の 不 空 訳 『 金 剛 頂 経 瑜 伽 文 殊 支 利 菩 薩 法 』 は そ の 手 続 の 上 で 多 少 の 相 異 が あ る 。金 剛 頂 経 瑜 伽 文 殊 支 利 菩
薩
法 次 結 蓮 花 三 摩 耶 為 令 観 行 成 就 故 十度
相 叉 作為
月禅 智 檀 慧 竪 相 著 庵 縛 日 羅 二 合 跛 螂 麼 二 合 三 麼 耶 沙 怛 鑁 三 合 行 者 応 修
阿
薩頗
那 伽 法 。 修 此 法 者 。 不 動 支 節 止 出 入 息 。 令 其微
細 勿 使 散 乱 。 即 応 観 於 虚空
一 切 諸仏
猶 如 胡 麻 遍 満 十 方 。 以 金 剛 弾 指 告 行 者 言 。善
男 子妝
観 本 心 。 行 者 聞 已 。 即 想 自 身 礼 諸 仏 足 遍 礼 真 言 日 一 249 一智山学報 第二 十二 輯 と 、 ま ず 外 縛 二 大 二 小 指 を 立 て 合 わ す 蓮 花 三 昧 耶 印 を 結 び 、
真
言 を 誦 し て か ら 阿薩
頗 那 伽 三 摩 地 を 行 ず る と 述 べ る 。 そ の 時 、 十 方 の 虚 空 に 一 切 如 来 を 見 、 弾 指 を も っ て 警 覚 さ れ 自 心 観 察 を 示 さ れ て 普 礼 真 言 を 誦 し、 成 身 観 に 入 る の で あ る が 、 同 じ 不 空 に か か る 『 金 剛 頂 経 文 殊 支 利菩
薩 供 養 儀 軌 』 は 阿 薩 頗 那 伽 三 摩 地 に 入 る 前 に、 四 無 量 心 定 を 修 習 し、 四 無 量真
言 を 誦 し て 、 未 来 世 に お け る 種 々 の 魔 業 障 難 を 全 て 除 滅 し 、 無 量 の福
を 積 集 し 、 心 を 整 え る べ き て あ る と 述 べ る 。 そ し て 「 行 老 応 修 … … 乃 至 … … 即 想 自 身 礼 諸 仏 足 」 の 文 に 同 じ 、 続 け て 「 礼 畢 諦 観 本 心 白 諸 仏 言 云 々 」 と し て 普 礼 真 言 を 記 さ な い の で あ る 。 次 に 、 〉 。・9
鋤葛
訂
＄
日巴
三 と 明 記 さ れ て な く て も、 上 述 の 文 と の 比 較 か ら 、 そ れ と 理 解 さ れ る も の を 挙 げ る Q8
金 剛 頂 瑜 伽 千 手 千 眼 観 自 在 菩 薩 修 行儀
軌 次 結 三 摩 地 印 。 如 前 金 剛 縛 。 仰 安 跏 趺 上． 、 進 力 屈 中 節 竪 柱 背 。 禅 智 横 相 柱 於 進 力 上 。 即誦
真 言 日 庵 三 去 麼 地跛
響
二 合釐
静
瑜 伽 者 端 身 正 坐 儼 然 不 動 。 想 自 身 在 一 切 如 来 海 会 。 観 一 一 仏 身 微 細 由 如 胡 麻 。 相 好 具 足 了 々 分 明 。 即 入 観 自 在菩
薩 観 智 。 作 是 思 惟 。 一 切 法 本 来 清 浄 我 亦 清 浄 。 於 世 間 貪愛
清 浄 故 。 則 瞋 恚 清浄
。 於 世 間 塵 垢 清 浄 故 。 則 一 切 罪 清浄
． 於 世 間 一 切 法 清浄
故． 、 則 一 切 有 情 清 浄 。 於 世 間 般 若 波 羅 蜜 多 清 浄． 、 瑜 伽 者 作 是観
已 。 身 必 豁 然清
浄 。 即 通 達 心 真 言 日 。 手 に 無 量 寿 印 を 結 び 、 三摩
地 真 言 を 誦 し 、 端 坐 瞑 想 す れ ぽ 無 量 の 仏 身 を 明 ら か に 観 ぜ ら れ る 。 一 切 法 、貪
瞋 癡 の 三 毒 も 本 来 清 浄 に し て 、 我 も 清 浄 と 観 察 し 、 身 心 清 浄 と な り 成 身 観 に 入 る の で あ る 。 『 聖 賀 野 紘 哩 縛 大 威 怒 王 立 成 大 神 験 供養
念 誦 儀 軌 』 は 三 摩 地 真 言 の 後 に 「 次 結 定 中 礼 仏 印 。 即 先 五 輪 著 地 作 礼 。 則 両 手 蓮 花 合 掌 。 復 想 自身
遍 礼 一 切 如 来 及 菩 薩 足 。真
言 日 。 庵 薩 囀 怛 他 引檗
多 播 引 螂 満 娜迦
路 弭 。 由 此真
言 加 持 故 。能
令
瑜 伽 者 不 起 于 座 遍 至 十 方 、 真 実 敬 礼 一 切 塵 刹 海 会 諸 仏 如 来 」 の 文 を 挿 入 し て い る 。念
誦
次 第 の 体 裁 か ら 見 れ ば 、 一250
一弘法大 師の 十住 心論にお け る
Asphanaka
−samadhi （遠藤祐純） 『 文 殊支
利 菩 薩 法 』 同様
、 三 摩 地 印 言、 普 礼 印 言、 成 身 観 と い う 形 を と っ て い る ワq
→ 念 誦 結 護 法 普 通諸
部
榊 者 欲 入 金 剛 定 ・ 先 住 妙 観 察 印 ・ 定 慧 二 羽仰
相 叉 ・ 進 禅 力 智 各 相 柱 ・ 以 此 妙 印 修 等印
・ 即得
如 来 不 動智
行者
、 次 応 修 澄 心 冥 坐 月 輪 観 。 先 須 於 一 月 中 調伏
身 。 心 令 心 澄 浄 然後
方 修習
外 儀 。 又 作 是 観 、 一 切 諸 法 本 来 不 生 ． 一 切 皆 離 能 執 所 執 。 畢 竟 清浄
無 所 染 著 。 思 惟 是 己 。 想 彼 空 中 一 切 諸 仏 相 好 具 足 。 数 如 微 塵 周 遍 法 界 。 舒 金 色手
弾 指 而 警 告 言 。 善 男 子 応 以 三 摩 地 。 観 察 自 心 本 性 成 就 。 当観
自 心 。二
於 諸 仏 前 。 五 体 投 地 一 心 帰 命 。 誦 真 言 日 こ の 文 の 偈 文 の 部 分 は 『 毘 盧 遮 那 三 摩 地 法 』 に 同 じ 。『 毘 盧 遮 那 三
摩
地 法 』 に は 、 こ の 後 に 阿 婆 頗 那 伽 三昧
が 記 さ れ る が 、 此 文 に は な い 。 ま ず 無 量 寿 印 を 結 び、 一 切 諸 仏 本 来 不 生、 畢 竟 清浄
を 観 じ 、 一 切 如 来 の 十 方 に 遍 満 す る を 知 る 。 一 切 如 来 の 弾 指 に 警 覚 さ れ 、 自 心 観 察 に 進 む べ く 告 げ ら れ、 成 身 観 に 入 る 。金 剛 頂 瑜 伽 化 他
自
在 天 理 趣 会 普 賢 修 行念
誦 儀 軌 次 入 妙 観 察 智 定縛 印 仰 置 跏 趺 上
進 力 相 背 竪 頭 合
弾 智 相 柱 押 進 力 此 名 観 自 在 王 印
端 身 正 坐 身 無
動
舌 柱 上 胯 唇 歯 合
心 住 大 空 無 分 別
諸 仏 満 空 来
警
悟告
言 汝 証 一 道浄
未 証 金 剛 瑜
伽
定便 於 定 中 礼 仏 足
餘 文 広 依 瑜 伽 経 所 説 誦 是
真
言 前 所 内 心 悪 字 従字
出 無 量 赤 光右 旋 成 日
真
言 日 観自
在 王 印 を 結 ん で 、 身 心 無 動揺
の 定 に あ る 時 、 諸 仏 が 虚 空 に 遍満
し て、 こ の 定 は 一 道 清 浄 に す ぎ ず 、 金 剛 定 で は な い 旨 を 知 ら し め る 。 行 者 は、 定 中 に 諸 仏 を 礼 し、 そ の 求 む べ き こ と を 請 問 す る 。 こ の後
は 瑜 伽 経 に 説 か れ て い る と し て 略 し て い る の で あ る 。 成 身 観 に 入 る 前 に 行 ぜ る 三 摩 地 が → 道 清浄
に 過 ぎ な い と 一 切 如 来 に 否 定 さ れ る の は 『 毘 盧 遮 那 三摩
地 法 』『 二 巻 教 王 経 』 『 金 剛 頂 蓮 華 部 心
念
誦 儀 軌 』 及 び 此 経 で あ る 。 一 道 清浄
に つ い て 、 弘 法 大 師 は 一 乗 一 如 の 理 で あ る と さ れ る 。ω
成就
妙 法 蓮 華 経 王 瑜 伽 観智
儀 軌 一 251智山学報第二 十二輯 次 即 応
結
三 摩 地 印 。 二 手 金 剛縛
仰 於 跏 趺 上 。 以 二 頭 指屈
中
節 。 相 柱 甲 相 背 。 以 二 大 指 柱 頭 指 甲 上 。 置 於臍
下 、 閉 目 澄 心 。 誦 通 達 無礙
心 真 言 七 遍 日 。 無 量 寿 印 を 結 び 臍 下 に 安 置 し て 三摩
地 に 入 る 旨 を 示 す 。 そ れ に つ い で 成 身 観 が 説 か れ る 。G
り 楡 伽 蓮 華 部 念 誦法
次 結 定 印 。 両 手 相 叉 仰 安 臍 下 。 以 二 大 拇 指 向 上 相 捻 。 即 誦 入 三 摩 地真
言 。 庵 三摩
地 鉢 郷 弥 二 合 維 喇 二 合 次 応 端身
正 念 入 三 摩 地 。 舌 柱 上 腸 止 諸 攀 縁 。 観 内 外 一 切 法 皆 無 所 有 。 若 妄 念 多 者 応先
数 息 。 数 息 法 従 一息
至 七 息 。 又 従 一 至 七 相 続 不 絶 。 心 無 攀 縁 即 不 須 数 息 。 深 入 清 浄 無 所 有 処 。 即 観 諸 仏 遍 満 虚 空 。 其 身 大 小 猶 如 胡 麻 具 相好
。 告 行 者 言 。 善 男 子 汝 観 自 心 。 又 観 己 身 遍 礼仏
足 。白
仏 言 世尊
云 何 観 心 。 心 何 相 貌 法 界 定 印 を 結 び、 入 三 摩 地 真 言 を 誦 し て 、 三摩
地 に 入 る 。 『 毘 盧 遮 那 三 摩 地 法 』『 義 訣 』 に あ る よ う に 、 舌 を 上 膠 に 挂 え 、 諸 攀 縁 を 止 め て 次 の 『 観 自 在 菩 薩 如
意
輪 伽 』 及 び 『観
自 在 如意
輪 菩 薩 瑜 伽 法 要 』 と 同 じ く 数 息 観 を行
じ て、 攀縁
を 除滅
す る 。 そ の後
諸 仏 が 虚 空 に 遍 満 す る を 観 じ、 自 心 観察
を 勧 め ら れ て 成 身観
に 入 る 。ω
観 自 在 如 意 輪 菩 薩 瑜 伽 法 要 （ 金 剛 智 ） 観 自 在 菩 薩 如 意 輪 瑜 伽 （ 不 空 ） 行 者 住 等 引
二 羽 堅 固
縛
仰 置 於 臍 下智 禅 蓮 花 形
此 名 三 昧 印
誦 秘 密 言 日 庵 三 摩 地 鉢 頭 迷 二 合 紘 里 短 出 息 及 入 息
住 阿 那 般 那
想 仏 遍 虚 空
弾 指 警 覚 我
仏 子 汝 云 何
成 無 上 等 覚 不 知
諸
如
来実
相 之 妙 法 既 聞 警 覚 已 行 者 復 白 言云
何
名 真 実願 最 勝 尊 説
諸 仏 皆 歓
喜
作 如 是 勝 言 善 哉 摩 訶
薩
能 作 如 是 問 汝 想 於 心 中
所 内 悪 字 門
以 字 徹 於 心 一
252
一弘法大 師の十 住 心論における
Asph5naka
−samadhi （遠藤祐純） 法 界 定 印 を 結 び 、 三摩
地真
言 を 誦 し、 出 入 息 を 制 す る 阿 那 般 那 （ 恥 コ 帥 ℃ O コ ） に 入 り、諸
仏 が 虚 空 に 遍 満 す る を 想 念 す る、 諸 仏 弾 指 を も っ て 行 者 を 警 覚 せ し め 、 真 実 を 知 っ て 無 上 等 覚 せ ん こ と を 問 う 。 行 者 が そ の真
実 を 問 う に 、 阿 字 門 と い う 。 そ れ を 心 中 に 観 念 し成
身 観 に 移 行 す る の で あ る 。金 剛 頂 経 曼 殊 室 利
菩
薩 五 字 心 陀 羅 尼 品 二 羽 外 相 叉 仰 於 臍 下 。 端 身 正意
息
諸 攀 縁 。 其 出 入 息二
息 了 。 観 虚 空 中 無 量 諸 仏 相 好 具 足 。 大 如 胡 麻 数 如 微 塵 。 周 遍 法界
。 応 当 一 → 於 諸 仏 前．、 五 体 投 地 一 心 帰 命 。 陀 羅 尼 日 庵 薩 婆 怛 他 蕈 多 播 螂 曼 螂 能 去 迦 路 弭 爾 時 仏 於 行 人 前 。「 時 弾 指 警 悟 行 者 而 告 之 言 。
善
男 子汝
発 菩 提 心 者 当 観 自 心 。 而 説 陀 羅 尼 日 手 を 金 剛 縛 に し て 臍 下 に 安 ん じ 、 諸 の 攀 縁 を 止 息 せ し め て 出 入 息 を 明 了 に 観 ず る 。 虚 空 に 現 前 せ る 無 量 の 諸 仏 に 対 し て、 五 体 投 地 の 礼 を 以 っ て 帰 命 を 表 し、 普 礼 真 言 を 誦 す 。 諸 仏 は 弾指
し て 行 者 を 警 覚 せ し め て 、 汝 菩 提 心 を 発 せ る 者 は 自 心 を観
す べ き で あ る と 次 に 成 身 観 を 示 す 。 発 菩提
心 を 以 っ て 成 身 観 に 入 る 契 機 と し て い る の は 他 に 例 が な い よ う で あ る Q 五 字陀
羅 尼 頌 次 結 三 昧 印 行 老 住 三 昧二 羽 外 相 叉 仰 於 跏 坐 上
端 坐 含 口 歯 数 息 令 心 定
先 所 請 如 来
遍 満 空 界 者 弾 指 警 覚 我
令 観 阿 字 門
黙 誦 此 密 語
受 教 而 侍 立 手 は 金 剛
縛
に し て 、数
息
観 を 行 ず 。 虚 空 に 遍 満 し 現 前 せ る 諸 仏 は 弾 指 し て 警 覚 せ し め 、 阿 字 門 を 観 ぜ し め る 。 そ し て 次 に 成 身 観 が 説 か れ る 。 金 剛 頂 経 多 羅 菩薩
念
誦 法 次 応 端 身 住 三 昧 二 羽 相 叉 為 定 印 空 界 塵 身 諸 仏海
警 覚 令 観 真 実 心 極 め て簡
略 な 偈 文 で あ る が 、 そ の 経 緯 は、 二 手 金 剛 縛 に し 定 印 と な し、 三 摩 地 に 住 す る 時 諸 仏 現 前 し て 行 者 を 警 覚 一 253 一智山学報 第二 十二輯 せ し め 、 無 上 菩 提 の 為 め に 真 実 を
観
ず る こ と 、 即 ち 自 心 観 察 の 成 身 観 に 入 ら し め る 。 以 上、 い く つ か の 経 軌 を 挙 げ て 、 『 金 剛 頂 経 』 で 一 切 義 成就
菩薩
が 〉 ω ℃氤
ロ 螢ぎ
あ 鎚 日＆
三 に 住 せ る 時 、 そ の定
中 に 一 切如
来 が 現 前 し 、 弾 指警
覚 せ し め て、 そ の 定 を 苦 行 と し て 否 定 し 、 無 上 菩 提 を 得 る た め真
実 を 求 む べ き こ と を 示 し、更
に 真 実 を 求 む る 法 と し て 五 相 成 身 観 が 説 か れ る 構 図 と 比 較 し た 。 ま ず 、 〉 呂訂
コ艮
甲 臣 ヨ巴
露 か ら 五 相 成 身 観 を 行 ず る の が義
一 切 成 就 菩薩
に か わ っ て 、 真 言 行 者 が 説 か れ て い る 。 そ し て 『 金 剛 頂経
』 で 苦 行 （砦
’7訂
鼠 巳 ・爵
魯
・冨
o α も ロ ） と さ れ た 〉 。・嘗
ぎ
算
国− 。・ 帥 ヨ豊
該 を 拡 大 し て 、 印 真 言 を 附 加 し て 成 身 観 の 前 行 に 位置
づ け て い る 。 阿 婆頗
那 伽 の 名 を 挙げ
る も の （ 白D
⇔ ） は
少
な く、 一 道 清浄
（ ω紛
） と す る 程 度 で 苦 行 と す る も の は な い 。 阿 婆 頗 那 伽 に か え て 数 息 観 を 取 る も の （00
） あ る い は 阿 婆 頗 那 伽 三 摩 地 の描
写
を す る も の が あ る 。 又 、 こ の 三摩
地 を 行ず
る 時 、 無 量 寿 印 （ ω8
ω ） 、 法 界 定 印 （ 図00
） 、 蓮 花 三 昧 耶 印 （） 、 金 剛 縛 （
の
）
等
を 結 ぶ と す る 。 更 に 三 摩 地真
言 、 礼 仏 真 言 等 も 組 み こ ま れ 、 『 金 剛 頂 経 』 に お い て 、 金 剛界
曼 茶 羅 展 開 の 機 縁 で あ る こ の 三摩
地 が、 苦 行 と し て の 内 容 を 脱 し、 行 者 が 心 身 に仏
身 を 証 す る 成 身 観 の 前 行 と し て変
容 さ れ て い る 。 こ こ に 、 密 教 が実
践
面 に お い て 指 向 す る 一 面 が 窺 知 出 来 る 。 ． ー阿
含
及 び仏
伝
に おけ
る 〉 ω で 『9
舞
甲器
日 倒 匹 窪 『 金 剛 頂 経 』 で 苦 行 と 規定
さ れ、 諸 経 軌 で 成 身 観 の 前 行 と さ れ て い る 〉 ω9
畧
踏
旨 ∋雹
『 一 は 『 金 剛 頂 経 』 に 至 る ま で ど の よ う に 理 解 さ れ て い た の だ ろ う か 。 〉 。・ ℃訂
ロ算
甲 。。 餌 ヨ鑑
三 は パ ー リ 語 に昌
冨
コ ＝。ぎ
− 旨雪
餌 （ 無息
禅 ） と さ れ る 。 中 阿 含 の 『 大 薩 遮 迦 経 』 （ ヨ m ゴ 器 碧 ＄ 犀 霧 畧 鍵 ） に 、 釈尊
が 〉 σq σ一Q く 霧 ω譽
p。 に 無 息 禅 を 説 い て い る 。 無 息 禅 を 修 す べ く 口 鼻 の 呼 吸 を 止 め る と 、 耳 か ら 鍛 治 屋 の 鞴 の よ う な 音 を 出 し て 気 息 が 出 入 し た 。 次 い で 耳 を 塞 ぐ と 激 し い 気 息 は 頭 を 騒 擾 し て、 利 剣 で 頭 が 砕 破 さ れ る よ う な 苦 痛 が あ り 、 又 革 紐 で 頭 が 締 め つ け ら れ る よ う な 頭 痛 に 見舞
弘法大師の 十住心論に お ける
Asphanaka
・samadhi （遠藤祐 純） わ れ た、 な お こ の 無 息 禅 を 続 け る と 、 激 し い 気 息 で 腹 が 切 開 さ れ 、 身 体 に 非 常 な 熱 が 生 じ て 、 丁 度 炭 火 で 焼 か れ る 程 で あ る 。 と 無息
禅
に よ る 激 し い 苦 痛 の様
を 述 べ て い る 。贈
i
タ カ （ 』 鋤 冖器
巳 ユ畧
） に は 大 体 次 の よ う な こ と が 説 か れ て い る ・ 「 苙 口 薩 が極
端 な 苦 行 （鼻
ざ
器
無
炒 ） を な そ う と 思 っ て 、 唯 一 粒 の 米 や 胡 麻 を食
し、 あ る い は 断 食 を し て 日 を 過 さ れ た 。 諸 天 人 が 毛 孔 よ り 滋養
液 を 注 入 し ょ う と し て も 拒 ま れ た． 、 こ う し た 苦 行 の た め 菩 薩 は痩
せ 細 り 、 三 十 二 相 も 隠 れ て し ま っ た 。 或 る 時 無息
禅 を 修 し、 そ の 苦 痛 の た め 遂 に 意 識 を 失 っ て 倒 れ ら れ た 」 こ れ は 、 釈 尊 成 道 前 の 苦 行 時 の 光 景 を思
い 起 さ せ る も の が あ る 。 魍 巴ぎ
鼓
き
も 無 息 禅 （ 〉 ω喜
畧
舞
且
ξ
仙蠧
）ξ
い て・ そ れ ら と 同 様 の 記 述 を 示 し て い る ・ ・ れ霜
当 す る 文 は 『 普 曜 経 』 に は 見 当 ら ず 、 異 訳 本 と さ れ る 『方
広 大 荘 厳 経 』 に 不 動 三 昧 と し て 説 か れ、 更 に 『 仏 本 行 集 経 』 に詳
説 さ れ て い る 。 幻 画 一 搾 卿 ≦ 。・ 富 蠧 以 下 の 大 乗 経典
は、 阿 含 等 に 説 か れ る 釈尊
の 苦 行 を 、 末 だ 正 覚 を 得 ざ る 正 覚 前 の菩
薩 で あ っ た釈
尊
の 行 と し て い る 。 閃 山 葺 。 ＜ 磊 訂 冨 は 、響
畧
氤
器
と い わ れ る の か・ と な ら・ そ れ は第
四 禅筵
入 定 し た嘖
吸 吸 の出
入 を 遮 断 し て、分
別 を 離 れ 、 動 揺 散 乱 を捨
し、 一 切 を 遠離
し、 一 切 に 依 ら な い 。 だ か ら 、 此 の 定 に 過 去 の 有 学、 無 学、 縁 覚 あ る い は 久 修 行 の 菩薩
に し ろ 恐 ら く 入 っ た も の は な い だ ろ う 。 そ こ で こ れ を 留冨
ロ蹄
m と 名 け る の で あ る 。 虚 空 に 周 遍 し、 無 作 、 不変
に し て こ の 定 は 一 切 に 周 遍 す る か ら 実 に こ の 定 は 等 虚 空禅
で あ る 。 こ れ に よ っ て 鋤 ぞ氤
コ蹄
と い わ れ る 。 と い い、『 普 曜 経 』 勤 苦
行
品 に は 斯 勤 苦 行 。 因 是 〆 現 行 二 四禅
之 法 →数
二 出 入 息 → 令 レ 解 二 其 意 → 無 想 不 念 、 無 γ 所 二 悌 望 → 在 レ 所 二 至 奉 → 心 無 レ 所 ド猗
、 不 ノ 貪 二 是 四 → 其 像 本未
宿 世 所 学 、無
学 縁 覚 菩 薩 所 行、 是 則 名 日 二 周 遍 虚 空 叫 無 二 作 非 作 一 靡 「 所 レ 不 レ 作 、 彼 則 名 日 普 護 一 切 、 以 二 等如
フ空
行
二 禅 定 事 → 是 亦 名 日 二 去 無 所 至 峭 と あ り 、第
四 静 慮 に 入定
し た 時 の 禅 で 、 有 学 、無
学
、 縁 覚 、 菩薩
の よ く す る と こ ろ で は な く 、 釈尊
一 人 の み外
道 調 一255
一智山 学 報 第二 十二 輯 伏 の た め よ く こ れ を 作 す と い う Q 仏 教 一 般 に 許 容 さ れ る 禅 定 で は な い こ と が 解 る 。 以 上 の よ う に 、 〉 ぞ プ
雪
穿
苧 蓄 ヨ 践 三 は 釈尊
が 菩 提 樹 下 に 成 道 を 得 ら れ る 前 、 六 年 閭 の 苦 行 の後
に 行 わ れ た 禅 定 で あ る 。 釈尊
は こ の 後、 苦 行 を 一 辺 際 と 自 覚 さ れ 、 苦 行 を 離 れ 、 尼 連 禅 河 に 身 を清
め 、 菩 提 樹 下 に 不 退 転 想 を も っ て 端 坐 瞑 想 し 、 遂 に 成 道 す る の で あ る 。 『 金 剛 頂経
』 は こ の 歴 史 的 な 成 道 の 構 図 に 同 調 し、 一 切 義 成 就 菩 薩 が 》 。。喜
ぎ
⇔ げ ⇔ あ ⇔B
巴
匿 よ り 、 一 切 如 来 の 弾 指 に よ っ て 警 覚 さ れ て 起 ち、 説 示 を受
け て 五 相 成 身 観 を 修 し 、 自 身 に 毘 盧 遮 那 如 来 を 現証
す る 。 そ の 自 内 証 の 世 界 を 開 い た も の と し て、 大 金 剛 界 曼 茶羅
が 展 開 さ れ る の で あ る 。 〉 。。菩
鋤 口 。訂
あ 餌 ヨ豊
ε を 分 界線
と し て 、 一 は 釈尊
成 、道
が あ り 、 他 は 密 教 の 展 開 が あ る 。 こ の 両 者 を つ な ぐ も の と し て 、 弘 法 大 師 も 『 秘 蔵 宝 鑰 』 に引
用 さ れ て お ら れ る 『 守 護 国 界 主陀
羅 尼 経 』 の 文 が あ る 。 爾 時 釈 迦 牟 尼 仏 言 。 秘 密 主 。 我於
無
量 無 数 劫 中修
集 如 是 波 羅 蜜 多 。 至 最 後 身 六 年 苦行
。 不 得 阿 耨 多 羅 三 藐 三菩
提 成 大 毘 盧 遮 那 。 坐 道 場 時 無 量 化 仏猶
如
油 麻 遍 満 虚 空 。 諸 仏 同 声 而 告 我 言 。善
男 子 云 何 而 求 成 等 正 覚 。 我 白仏
言 。 我 是 凡 夫 未 知 求 処 。 唯 願 慈 悲 為 我解
説． ． 是 時 仏 同 告 我 言 。 善 男 子 諦 聴 当 為 汝 説 。 汝 今 宜 応 当 於 鼻 端 想 月 輪 。 於 月 輪 中 作 庵 字 観 。 作 是 観 已 於 後 夜 分得
成 阿 耨 多 羅 三 藐 三 菩提
。 又 『 諸 仏 境 界摂
真 実 経 』 は 復 次 瑜 伽 行 者 。 作 如 是 想 。 諸 仏 菩薩
今 当 降 臨 。 示 現 威 徳 大 神 通 力 。 作 此 想已
、 復 応 観 察 釈 迦 如 来 成 道 法 。如
釈 迦 菩 薩 。 近菩
提 樹 一 由 旬 内 。 修 諸 苦 行 。 満 足 六 年 願 成 仏 道 趣菩
提 樹 坐 金 剛 座 入 金 剛 定 。 爾 時 毘 盧 遮 那 如 来 。観
見 是 已 。 至 菩 提 樹 金 剛 道場
、 示 現 無 数化
仏 。 遍 満 虚 空 猶 如 微 塵 。 各 共 同 声告
菩 薩 言 。 善 男 子 云 何 不 求 成 仏 之 法 。菩
薩 聞 已 。 虔 恭 合 掌 。 白 仏 言 。 我 今 未 知 成 仏 之 法 。 唯 願 慈 悲 示菩
提 路 。 時諸
化 仏告
菩 薩 言 。 善 男 子 是 菩 提 。 当 求 自 心 。 恒 沙 諸 仏 異 口 同 音 。 説 法 身 求 心 真 言 日 。、法 大師の十 住心論に おける
Asphanaka
−samEdhi （遠藤 祐純） と 、 釈尊
六 年 苦行
の 後、菩
提 樹 下 の 金 剛 座 に 坐 せ る 時 、 一 切 如 来 が 虚 空 に 現 前 し 、 無 上 菩 提 の た め 月 輪 観 を 告 げ あ る い は 五 相 成身
観
を 示 し 釈 尊 を 引 導 す る 。 こ の よ う な 点 か ら 「 金 剛 頂 経 』 は、 一 切 義 成 就 菩薩
を 主 と し な が ら 、 詞 咢氤
8
歹
南 日 9ー ユ 三 を 中 心 に し て 釈 尊 成 道 の 構 図 に 重 ね、 密 教 の 起 点 を 釈 尊 に 意 図 し て い る の で は な か ろ う か 。十
住
心論
に お け る 〉呂
氤
蠧
歹
− °・ ⇔ ヨ亂
三 『 秘 蔵 宝 鑰 』 の 第 十 住 心 に 『 金 剛 頂 経 』 を引
い て 儲 判 旨 二 ヵ ク ノ ノ ρ テ ノ ニ ヌ ク ー フ モ ン ノ ハ タ 、 」 ノ ナ リ ト 不 レ得
二輔
金 剛 頂 経 説 。 此 眦 盧 遮 那 三 摩 地 法 。 向 二 未灌
頂 者 一 不 〆 得 〆 説 二 一 字 → 若 本尊
儀 軌 真 言 。 従 令 雖 二 同 法 行 老一 コ ヲ ヵ ハ ニ ハ リ ニ キ フ ニ ハ セ ム ニ 説 。 若 説 者 現 前 中 レ夭
招 レ 殃 。 後 堕 二 無 間 獄 一 と 、 厳 し い 姿 勢 を 示 さ れ て い る、 弘 法 大 師 は 『 金 剛 頂 蓮 華 心 儀 軌 』 に よ っ て 『 金 剛 界 黄 紙 次 第 』 を 作 さ れ 、 『 持 宝 金 剛 念 誦 法 次第
』 を 編 ま れ て い る 。 又 『 嵯 峨 灌 頂 文 』 に は鈩
剛 頂 経 説 帥 爾 睫 薄 伽 梵 一 切 義 成 瓢 超 二 醜 十 地一 缶 コ 無 識 身 三 臨 幻 諷 コ 一 相 無 相 寂 滅 平 等 究意
真 実 之 酷 而 上 不 〆 見 F 「 フ ー ／ う 皐 ム モ ー ヲ ト ／ テ キ ス ノ ト ニ ノ ノ テ ／ タ ． ハ ク カ バ レ 有 二 仏可 フ 求、 下 不 〆 見 レ 有 二 衆 生
可 フ
度
。 以 為 二 究 竟 果 鱒 時 曼 茶 羅 諸 仏 現 前 警覚
咄 哉
善
男 子、 汝 所 証 是 一 道 ナ リ タ セ ノ ヲ レ ト テ ー ト ニ ニ ／ テ ス ル ヲ ヲ 7 テ “ ク ク ハ タ マ へ 清 浄 。 未 レ 証 二 究 竟 金 剛 三摩
地 幻 勿 三 以 為 二 知 足 → 時 一 切 義 成 就菩
薩
。 定 中 誦 下 礼 二 諸 仏 一 真 言 上 白 言 。 願 最 勝 尊 示 二 r 曽 ノ ヲ テ ハ ク 折・ ヨ ー ヲ ニ ニ ス ル 邑 ヲ ニ ル ニ ヲ テ ノ ヲ ニ ク ル 我 所 行 処 組 諸 仏 告 言汝
観 二 自 心 司 時 菩 薩諦
観
二 自 心 一 内 外 中 間 一 切 処 求 二 心 相 遍都
不 レ 見一 一自
心 相 幻時
諸 仏 授 下 見 ニ ヲ フ ニ テ ノ ニ ル ニ ヲ ナ ル フ ノ ノ リ テ ノ ヲ ニ ス 本 心 一 真 言 坦 時 菩 薩 由 二 真 言 加 持 力 一 自 見 一 一 心 相 一 皎 潔如 二 満 月 弔 従 γ 此 以 後 以 二 五 相 相 一 現 証 二 自 性 法 身 組 と、
無
識 身 三 昧 に よ っ て 、 顕 教 最 極 醍 醐 の妙
果 な る 一 一 相 無 相 寂滅
平 等 究 竟 真 実 之 理 」 を 証 得 す る が、 金 剛 三 摩 地 で は な く、 一 道 清 浄 な る 故 に こ れ に 、 安 住 す べ き で は な い と 述 べ る 。 無 識 身 三 昧 を 離 れ て 、 自 心 の 相 を 観 ず る 五 相 成 身観
に 入 る べ き 旨 を 引 い て お ら れ る 。 こ れ と 同 種 の 文 が 「 大 日経
及 び 金 剛 頂 経 に 拠 る に 」 と 『 十 住 心 論 』 の 第 九 一 257 一智 山学報第二十二 輯 住 心 に 引 か れ て い る 。 即 ち 、 ニ ン タ マ 7 ノ ニ ユ ノ メ ヲ ノ ノ テ テ ク 時 婆 伽
梵
大
菩
薩 普賢
大菩
薩
住 二 一 切 如 来 心 寂滅
無 相 平 等 究竟
真
実
殉 時 金 剛界
一 切 如 来 現 二 受 用身
一 弾 指 警 覚 告 日 。 カ バ レ ナ リ タ セ ヲ ン テ ヲ ル マ ヌ ト ヨ テ ノ ニ 善 男 子 。 汝 所証
是 一 道 清浄
。 未 〆 証 二 秘 密 金 剛 三 摩 地 → 勿 二 以 レ 此 為 7 足 。 時 一 切 義 成 就 菩 薩 。 由 二 一 切 如 来 警 覚 → 即 リ グ テ ン テ ヲ ノ テ サ ク ン タ マ ヘ ニ ノ ブ ノ レ ナ ゥ ニ テ 従 二 無 色 身 三 昧 一 起 。 礼 二 一 切 如来
一 白 言 。 世尊
如 来 教 二 示 我 所 行 道 弔 云 何修
行 云 何 是 真 実 。 ］ 切 如 来 異 口 同 土星
口 ニ ノ ニ バ ク ニ ス ニ リ レ ニ ク ノ ヲ テ ノ ノ ノ ニ ト ル マ ヲ ノ ト彼
菩
薩 三＝ 口 C善
男 子 。 当 レ 住 二 観 察 自 心 三 摩 地 叩 従 ド 此 已 後 説 二 五 相 成 身 真 言 → 由 此 五 相 真 言 加 持 一 得 〆 成 二 大 日尊
身
叩 ノ ノ ス レ テ ヲ ヘ ト レ ノ如
ノ是
明証
非 レ 一 恐 レ 繁 不 レ 述 。 一道
清 浄 者 即 是 一 乗 一如
等 理 是 也 。 こ の 文 を 示 す 理 由 は、 極 無 自 性 心 が 警 覚 の縁
力 に よ っ て 、 更 に 金 剛 際 へ 昇 る こ と に あ る 。 従 っ て 、 顕 教 の 極 果 な る 一 道 清浄
の こ の 無 色 身 三 昧 は 、 金 剛 秘 密 心 に と っ て 初 因 で あ る と す る 。 十 住 心 の 階 梯 に お い て 、 以 上 の よ う に 引 用 さ れ る ＞ q・9
碧
算
寧 。・ 螢 ヨ巴
ぽ は 、 明 ら か に 、 五 相 成 身 観 に 至 る 経 路 の 一 と し て 内 包 さ れ、 最 早 苦 行 の 面 影 は 残 さ れ て な い 。 そ し て 、 大 師 は 「 極 無 自 性 心 と は 是 れ 普 賢 菩薩
所 証 の 三 摩 地 門 な り 。 ま た こ れ 大 毘盧
遮 那 如 来 の 菩 提 心 の 一 門 な り 」 と 説 か れ 、 普賢
を 菩 提 心 と し て い る の で あ る 。第
九 住 心 が第
十 住 心 へ の 前 段 階 であ
る と 同 様 、 こ こ で は 〉 。。 b訂
8
冨
− ω 。 日鑑
三 が 金 剛 三 摩 地 の 因 と し て の 場 を与
え ら れ て い る 。 こ の 点 に つ い て 『 秘 蔵 宝 鑰 』 は 『 守 護 国 鱶 界 主 陀 羅 尼 経 』 と 共 に 、『 金 剛 頂 経 』 の 文 、 五 相 成 身
観
に 入 る 前 ま で を 引 用 し て い る 。 こ れ は 『 十 住 心 論 』 同 様、 〉 ω ℃ 7習
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甲 器 ∋鍬
ま を 毘 盧遮
那 身 を 証 得 す る た め の 五 相 成 身 観 の 前 行 と し て 、 第 九 住 心 に 位 置 づ け た も の で あ ろ う 。 従 っ て 、第
十 住 心 に お い て 金 剛 頂 経 に よ っ て 五 相 成 身 観 が 説 か れ る 筈 で あ る が 、 『 十 住 心 論 』 は 『 金 剛 峰 楼 閣 一 切 瑜伽
瑜
祗 経 』 に よ っ て 金 剛 界 の 三 十 七 尊 が 説 か れ る 。 『 秘蔵
宝 鑰 』 は 『 菩 提 心論
』 の 三 種 菩 提 心 中 の 三 摩 地 段 全 文 を引
用 し て い る 。 こ れ ら に よ っ て 五 相 成 身観
を 明 か し て い る 。 むす
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弘 法大師の十 住心 論にお ける
Asphanaka
−samadhi （遠 藤祐純） 一 切 義 成 就 菩 薩 が 〉 。。 ℃訂
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巨 に 住 せ る時
、一 切 如 来 が 定 中 に 現 前 し 、 弾 指 警 覚 せ し め て 五 相 成 身 観 に 入 ら し め た と 『 金 剛 頂 経 』 に 示 さ れ る 。 阿 含 に お い て は、 こ の 三 摩 地 を 無 息 禅 （
巷
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昌蹄
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） と し 、 釈 尊 苦 行 時 の 行 と し て お り 、 諸 仏 伝 で も、 未 だ 正 覚 を 得 ざ る 正 覚 前 の 菩 薩 て あ る 釈 尊 の 最 後 身 の 苦 行 と す る 。後
者 の 場 合 、 外 道 調 伏 の た め と も い う 。 ま た そ の 禅 （ 暮 鋤器
） は 第 四 禅 を 修 す る 時 に 行 ぜ る も の と す る 。 釈 尊 は 、 こ の 禅 を 苦 行 の 一 と し て捨
し 、 善 生 （ 。・ ε 鋤 富 ） の 乳 糜 供養
を受
け ら れ 中 道 に よ り 成 道 し た の で あ る 。 以 上 の よ う に 、 釈 尊 に よ っ て 苦 行 と し て 否 定 さ れ た 〉 。。 ℃訂
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あ 帥 ヨ 既 三 は 『 金 剛 頂 経 』 に お い て は 、 一 切 義 成就
菩 薩 が こ れ を 修 し 、 】 切 如 来 が こ れ を 否 定 す る の で あ る が 、 前 者 は 釈 尊 の 成 道 へ と 展 開 さ れ 、後
者 は 毘 盧 遮 那法
身
円 満 へ と 展 開 さ れ る 。 つ ま り ＞ q・讐
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ぼ を 軸 と し て、 歴 史 的 仏 陀 釈尊
の 成 道 の 過 程 と そ の 軌 跡 を 同 じ く し な が ら 、 あ る い は そ の 同 次 元 に 密 教 展 開 の 場 を 求 め た 。 そ れ が 金 剛 頂 系 の 諸 経 軌 に お い て は 、 印 真 言 等 が 附 加 さ れ 、 成 身 観 の 前 行 と し て の 体 裁 を 取 る よ う に な っ た 。 弘 法 大 師 は 、 〉 。・喜
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ゲ 凶 の も た ら す も の は 顕 教 の 極 果 、 一 道 清浄
と し て 『 十 住 心 論 』 に お い て 第 九 住 心 に 位 せ し め 、 そ れ 以 後 、 仏 身 円 満 の果
を 証 す る 金 剛 三 摩 地 と し て の 五 相 成 身 観 を第
十 住 心 に 位 置 さ せ る 。 〉 ・・ ℃ 7畧
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匿 は 顕 か ら 密 へ の 分 果線
の 役 割 を荷
い 、 内 容 の 上 か ら も 、「． 十 住 心 論 」 に 見 ら れ る よ う に 密 行 の
前
行 と し て 内 包 さ れ て い っ た 。 註 『 弘 法 大 師 の 教 学 体 系 に お け る 金 剛 頂 経 の 位 置 』 行 繩 栄 範 智 山 学 報 新 五 号 昭 和 九 年 。 こ こ に い う 『 金 剛 頂 経 』 は 不 空 訳 『 金 剛 頂 経 十 八 会 指 帰 』 の 初 会 に 指 摘 さ れ て い る 『 金 剛 頂 経 』 を 指 す 。 oo 髯 く m− 富 筈 σq 鷺 胆・婁
芝 甲 ・・ 鼬 ヨ σQ 冨 言 菅 鼠 ヨ 価 ヨ 聾 蘭 旨 冨 山 臼 冨 彊 〔 金 剛 頂 一 切 如 来 真 実 摂 大 乗 現 証 大 教 王 経 （ 大 正 十 八、 二 〇 七 ） → 剛 げ ． 亀 ・ 罸 ピ 亭 αq 繪 σq 。・ も 国 冖 冨 ヨ 甲8
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ミ ． 北 京 Zo μ 這 ） 〕 しD 『 陣 ゜ 本 は 日 髣 皀 本 、 ω 富 亀 o。 「 o 毒 本 、 O 恥 ヨ 町 亂 ηq Φ 本 が あ る が 、 こ こ で は 高 野 大 学 の 堀 内 寛 仁 教 授 に よ り 校 訂 出 版 さ れ た ρ → 召a
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一智山学報 第二 十二 輯 本 「 初 会 金 剛 頂 経 梵 本 』 （ 高 野 山 大 学 論 叢 第 三 巻 一 九 六 八 ） を 用 い、 蔵 訳 は 北 京 版 に よ り 、 漢 訳 は 上 述 の 不 空 訳 『 三 巻 教 王 経 』 に よ っ た 。 不 空 訳 は 施 護 訳 『 仏 説 「 切 如 来 真 実 摂 大 乗 現 証 三 昧 大 教 王 経 』 三 十 巻 に く ら べ る と 、 金 剛 界 大 曼 茶 羅 を 説 く 段 に 相 当 し、 o∩ パ 冖 ゜ 本 、 蔵 訳 等 か ら 見 て 完 訳 で は な い 。 註 釈 書 と し て 『 金 剛 頂 大 教 王 経 疏 』 一 巻 大 勇 撰 （ 大 正 六 一 ） 『 金 剛 頂 大 教 王 経 私 記 』 十 九 巻 曇 寂 （ 大 正 六 一 ） 雹 ・
