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模型実験による降雨時の土中水分観測

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Academic year: 2022

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(1)

0 1 10 100 1000

0 10 20 30 40 50 60 体積含水率 θ(%)

土中水のポテンャル  −φ(kPa)

①小見川砂

②豊浦砂

③武蔵野線試料

図−2 保水性試験結果

表−1 試料の物性

比重  Gs 乾燥密度 ρd g/cm3

飽和透水係数 k  cm/sec

飽和体積含水率 θsat%

小見川砂 2.67 1.41 7.55×10-3 47.1

豊浦砂 2.65 1.48 2.04×10-2 44.1

武蔵野線試料 2.77 1.13 8.29×10-4 59.2

模型実験による降雨時の土中水分観測

JR東日本   正会員 ○石黒 進也 東京大学大学院 正会員  Rolando.P.Orence JR東日本   正会員  島村 誠

1.はじめに 

斜面においての崩壊は降雨時に多く発生し、その要因の多くは降雨の斜面内への浸透と地下水位の上昇である。

そこで現在当社では、土中水分等の現地観測を自然斜面と盛土を対象に行っている。そこでは降雨・土質などの 条件が多種多様であるため、データ分析の際には基礎的なデータを用いることによって補完が可能であると考え、

本研究では土中の降雨浸透の基礎的データを得るため、土壌水分センサー(ADR法)を用いた模型実験により一 次元の土中水分移動の状況を観測した。また今回の実験モデルを対象として浸透流解析を行いその検討も行った。

ここにその実験概要と検討結果を報告する。

2.実験概要 

 本研究で用いた実験土槽を図−1に示す。この土槽は高さ110cm、

断面 40cm×40cm、前背面がアクリル板になっており、散水時の浸

潤状況を観察することができる。また、側面及び底面は鋼製であり、

両側面底部には排水弁を設け常時排水できるようにした。そして底 面から均等に排水を促すため、細礫で厚さ3cmの排水層を施してい る。試料は斜面災害が発生しやすいといわれる飽和透水係数が 103 前後となる3種類を用いた。その保水性試験結果を図−2、物性を 表−1に示す。また表−2は実験条件を示し、試料①、②では土槽 は高さ100cm、相対密度Dr=50%、土壌水分センサを試料上面から 深さ20cm、60cm、100cmの各位置の断面中心に埋設した。また、

試料③では、自然含水比の状態で試料高さ50cm、土壌水分センサを 20cm、40cm、50cmの位置に埋設した。本実験は温度・湿度とも一 定となる条件のもと室内において行った。試料①、②でCase1を行 う前には排水弁を閉じて散水し10時間及び8時間放置後に排水させ、

土中水分の変化が安定してから実験を行った。また、Case2、3では、

初期体積含水率がCase1とほぼ等しくなるようにしてから散水を行 うようにして一連の実験を行った。

キーワード 土中水分、土壌水分センサー、模型実験、降雨浸透

連絡先  〒331-8513 埼玉県さいたま市北区日進町2丁目0番地  JR東日本研究開発センター安全研究所  048-651-2668

110cm

40cm 40cm

100cm

排水弁 試料

排水層

(t=3cm)

110cm

40cm 40cm

100cm

排水弁 試料

排水層

(t=3cm)

図−1 実験土槽

表−2 実験条件

降雨強度 R

降雨時間

T 試料高さ 土壌水分計

設置位置 相対密度

(mm/h) (時分) (cm) (cm) (%)

Case1 30 4:00

Case2 45 2:40

Case3 60 2:00

Case1 30 4:00

Case2 45 2:40

Case3 60 2:00

武蔵野線試料 Case4 60 2:00 50 50,40,20

50

散水ケース

20 60 100 100

小見川砂

豊浦砂

No. 試料

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑41‑

IV‑021

(2)

3.実験結果 

  全7ケースの実験のうち代表的な結果として、図−

3に試料①を用い降雨強度30mm/hの条件でのセンサ ーで測定された体積含水率と時間との変化を表す。散 水を開始後、湿潤過程では降雨が浸透しセンサー位置 まで浸潤線が達することにより20cmと60cmのセン サーの順で急激な応答があり体積含水率が上昇する。

その後、散水が続いても一定の値となり変化しない。

これは上方からの水の供給が続いても下方への排水量 も一定となるため、センサー位置では不飽和での定常 的な透水状態であることがわかる。そして、散水が終 了すると排水過程へと移行し下方への排水のみが進み 体積含水率が緩やかな勾配で低下していくことがわかる。

 また、降雨強度が大きくなると浸透速度も早くなるため湿潤時のセンサーが応答するまでの時間が短くなり、

さらに湿潤応答後の体積含水率の一定値も大きくなることが実験からわかった。そして、実験に用いた試料の違 いをみると保水性が大きいほど排水過程での体積含水率の変化が緩やかになり、排水時間も長くなる傾向がある こともわかった。

4.浸透流解析と実験結果の比較 

実斜面で数多くのデータを観測するには多大なコストと労力を要し、また測定箇所1点の観測となるため、浸 透問題を扱う場合の多くは2次元または3次元の浸透流解析によりシミュレーションを行う場合が多い。ここで はその解析の傾向を把握するため実験モデルを対象とした2次元浸透流解析を行い、実験と解析の飽和度の変化 を比較した。解析では実験に用いた試料の物性をパラメータとした。図−4〜6に示すのは、試料①小見川砂、

降雨強度30、45、60mm/hの20cmセンサーの実験測定値と解析値の飽和度の経時変化を比較するグラフである。

まず解析では湿潤応答が散水と同時となり実験より速く応答し、実験で見られたような不飽和での定常透水状態 にはならなかった。さらに水分量を過大に評価していることがわかる。また排水応答は解析実験ともよくあって いる。この傾向は、他の試料においても同様であった。浸透流解析ではこれらの傾向を考慮する必要があるとい える。

5.まとめ 

 試料・降雨強度を変え土壌水分センサーを用いた模型浸透実験を行い、降雨浸透による土中水分の経時変化を 把握することができた。さらに実験と浸透流解析との比較を行いその傾向も把握することができた。

0%

10%

20%

30%

40%

50%

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00

時間 (時:分)

θ

100cm 60cm 20cm

R

30mm/h

図−3 試料①Case1の体積含水率θの変化

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 時間

和度(%)

解析20cm 実験20cm

図−4 実験と解析の比較

(試料①、R=30mm/h)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 時間

飽和度(%)

解析20cm 実験20cm

図−5 実験と解析の比較

(試料①、R=45mm/h)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 時間

飽和度(%)

解析20cm 実験20cm

図−6 実験と解析の比較

(試料①、R=60mm/h)

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑42‑

IV‑021

参照

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