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高速道路の乗り心地評価のための仮想路面プロファイル

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Academic year: 2022

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高速道路の乗り心地評価のための仮想路面プロファイル

Virtual road profile for road surface evaluation based on the ride quality of expressway

北見工業大学大学院 ○学生員 富山和也 (Kazuya Tomiyama) 北見工業大学工学部 正会員 川村 彰 (Akira Kawamura) (株) 高速道路総合技術研究所 正会員 熊田一彦 (Kazuhiko Kumada) (株) 高速道路総合技術研究所 正会員 江口利幸 (Toshiyuki Eguchi) 北見工業大学工学部 非会員 宮城宏行 (Hiroyuki Miyagi)

1. はじめに

平坦性やわだち掘れは,車両挙動に影響し乗り心地を 低下させるなど,道路利用者の快適性や安全性に直結す る舗装路面の重要な性能指標である.近年,舗装の設計 や施工において性能規定が導入されるようになり,平坦 性やわだち掘れに対する要求性能の保証および確保が求 められている.また,このような路面管理においては,

道路利用者の評価に基づき,管理基準を策定する必要が ある.しかし,平坦性やわだち掘れに対する道路利用者 の要求性能やその水準については明らかになっておらず,

利用者意識を考慮した路面評価に関する研究が国内外を 問わず数多くなされている1), 2)

舗装路面に起因する車両の乗り心地評価試験を行うに あたり,近年,バーチャル・リアリティ技術を用い,ド ライビングシミュレーションにより実施する方法が注目 を集めている.北見工業大学が所有するドライビングシ ミ ュ レ ー タ (KITDS:Kitami Institute of Technology

Driving Simulator)は実路面プロファイルを再現するこ

とができる路面評価型のドライビングシミュレータであ る.KITDS で様々の路面条件を再現することにより,

安全かつ迅速な路面評価試験の実施が可能である.しか し,現在供用中の高速道路では,一定水準(平坦性:

IRI=3.5mm/m,わだち掘れ:深さ=25mm)以内で管理さ

れているため,現行の管理水準を超える路面性状データ は得ることができない.そのため,管理水準の評価等を 行う場合には,仮想路面を人工的に作成する必要がある.

現在,高速道路においては日常的な道路パトロール車 での巡回調査に加え,路面性状自動測定装置(以下,

「測定車」とする)により縦横断プロファイルを高精度 で測定し,定期的なモニタリングを行っている.今回特 別に,測定車のサンプリング間隔を縦断プロファイルが

0.1m,横断プロファイルが縦断方向 1m 毎に 0.1m とな

るよう詳細なデータを取得した(図-1).この結果,シ ミュレーションにおける縦横断プロファイルの合成は,

1m 毎に測定された横断プロファイルの断面を 0.1m 毎 に測定された縦断プロファイルで補間するよう構成され る(詳細は後述).本研究では,(1)縦横断プロファイ ルの合成および人工的に横断プロファイルを増幅させ路 面性状を低下させる方法について述べ,(2)人工的に作 成された仮想路面の縦断プロファイルを測定データと比 較することにより,管理水準を超える仮想路面について 検証した.

2. 仮想路面の作成

2.1 検討に用いる路面プロファイル

供用中の高速道路より延長200mの走行車線における 路面プロファイルを検討に使用した(以下,「基準路 面」とする).基準路面の縦断プロファイルを図-2 に,

横断プロファイルの一例を図-3に示す.

図-2 基準路面の縦断プロファイル

図-3 基準路面の横断プロファイルの一例

2.2 縦横断プロファイルの合成

縦横断プロファイルの合成方法は,汎用の車両運動シ ミュレーションソフトウェア等で用いられる次の方法に 従った3)

(1) 縦断プロファイルにより道路中心線に沿った鉛直形 Lane Line Lane Line

1.0m

縦断データ測定位置 (0.1m間隔)

3.5m

1.0m 1.0m 0.75m

図-1 路面データ測定の概要(走行車線)

横断データ測定位置 (0.1m間隔)

平成19年度 土木学会北海道支部 論文報告集 第64号

E-18

(2)

状を定義,離散点間をスプライン関数で内挿する.

(2) 横断プロファイルよりオフセンター断面高さの変化 を定義,離散点間を線形内挿する.

(3) (2)で定義されるデータの増分高さを(1)に加え縦横

断プロファイルから構成される3次元路面データを 定義する.

2.3 横断プロファイル増加による仮想路面の作成 ここで,基準路面の横断プロファイルにある倍率を掛 け,わだち掘れ量を増幅させた後に,縦横断プロファイ ルを合成させ,路面性状の低下した仮想路面を作成する.

表-1 に横断データに掛ける倍率と横断プロファイル増 幅後の平均わだち掘れ深さを示す.また,図-4 に図-3 に示した基準路面に対しわだち量を増幅させた断面の一 例を示す.

表-1 横断プロファイルの倍率とわだち掘れ深さの関係 倍率 平均わだち掘れ深さ x1(基準路面)

x2 x3 x5 x7 x10

5mm 10mm 15mm 25mm 35mm 50mm

図-4 わだち量を増幅させた断面の一例

3. 仮想路面の特徴 3.1 事前処理

2.3 節で作成した仮想路面における縦断プロファイル の特徴を把握するにあたり,合成後の縦断プロファイル から縦断勾配を取り除く事前処理を施した.また,バン ドパスフィルタにより,路面波長を平坦性に属する成分

である 0.5m~50m の範囲に制限した 4).事前処理後の

縦断プロファイルの一例を図-5に示す.

図-5 事前処理後の縦断プロファイルの一例

3.2 仮想路面における縦断プロファイルの特徴

基準路面および仮想路面における縦断プロファイルの パワースペクトル密度を図-6に,わだち掘れ深さとIRI の関係を図-7 に示す.図-6 より,仮想路面の波長は基 準路面と同様の傾向であり,振幅のみ変化していること がわかる.よって,横断プロファイルに倍率を掛け,基

準路面の縦断プロファイルと合成した仮想路面は,従来 の波長成分を保ったまま,平坦性が低下していることが わかる.図-7より,わだち掘れ量増幅に伴い,IRIはほ ぼ線形に増加する傾向が得られた.

図-6 縦断プロファイルのパワースペクトル密度

図-7 わだち掘れ深さとIRIの関係

4. まとめ

本研究では,1m 毎に測定された横プロファイルにあ る倍率を掛けてわだち掘れ量を増幅させ,0.1m 毎に測 定された縦断プロファイルにより横断面を内挿すること で,路面性状を低下させる方法について検討した.その 結果,波長成分を保ったまま,平坦性を低下させること ができた.また,わだち掘れ量が増加するに伴い,IRI はほぼ線形に増加し,現行の管理水準を超える路面性状 が得られた.ただし,これらの結果は高速道路の一部区 間のデータを用いたものであり,手法の汎用性について は今後の検討課題とした.今後,本研究の結果を活かし,

被験者意識に基づく路面管理についての研究を行う予定 である.

参考文献

1) 石田 樹,岳本秀人, 川村 彰, 白川龍生: ドライビ ングシミュレータによる舗装路面の乗り心地・安心 感評価, 舗装工学論文集, 第9巻, pp.49-56, 2004.

2) Theodore, H. P., Philip, M. G., Abdulilah, Z. Z., Martin, T. P., and Christine, L. S.: Developing Roadway Standards for Ride Quality from the Customer’s Perspective, Transportation Research Record, No. 1940, pp.43-51, 2005.

3) http://www.carsim.com/products/carsim/index.php (2007 年12月現在)

4) 川村 彰:講座・路面の評価(1)-平坦性に着目して-,

舗装,Vol.36,No.8,pp.31-35,2001.

平成19年度 土木学会北海道支部 論文報告集 第64号

参照

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