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By Mitsuhiro OOSAKA**・Katsuhiro IIDA***・Sihyoung AN****・Keiji HANABUSA*****

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(1)

暫定 2 車線高速道路のトンネルにおける路肩幅員の評価方法に関する一考察*

The Study about Evaluation of Shoulder-Width in Stage-Constructed Highway Tunnel*

逢坂光博**・飯田克弘***・安時亨 ****・英恵司*****

By Mitsuhiro OOSAKA**・Katsuhiro IIDA***・Sihyoung AN****・Keiji HANABUSA*****

1.

はじめに

暫定

2

車線高速道路のトンネル区間の左側路肩幅 員は,現行の道路構造令

1)

に基づいた日本道路公団の 設計要領

2)

おいて,第

1

種第

2

級は

1m,第 1

種第

3

級及び第

4

級は

0.75m

と設定されている。これに対

して,平成

2

7

月に出された「暫定

2

車線道路の 設計基準(案)」にはトンネル区間の路肩幅員を

1.25m

とすることが示されており,現在はこの基準に基づ いた施工が実施されている。しかし,路肩の主な機 能である「側方余裕幅として交通の安全性と快適性 に寄与する」ことに着目してみると,上記

2

種類の 基準の解説本などにはその定量的根拠が明確に示さ れていない。今後の道路建設を進める上で,その位 置づけが注目される暫定

2

車線トンネルの路肩幅員 の基準の明確な根拠を示すことは非常に重要な課題 と言え,この根拠を検討するためには,交通の安全 性と快適性の面からの路肩幅員を定量的に評価する ことが必要となる。

映像表示部・運転操作部  画像生成システム部

中央制御 画面作成 GWS Onyx2/IR2  模擬運転台

プロジェクター

 

3画面スクリーン

立体視眼鏡 3次元

音響装置

分析用PC

生態反応計測装置

運転操作信号

映像信号速度

音響制御信号

音響 運転挙動データ

側面とサイドミラーの 画像作成用PC 

以上のことから本研究では,「側方余裕幅として 交通の安全性と快適性に寄与する」という路肩の機 能に着目し,暫定

2

車線トンネルの路肩幅員の違い による運転者の挙動変化と心理的影響を示す定量的 データを採集し,そのデータを分析することで,路

肩幅員を交通の安定性と快適性の面から定量的に評 価することを目的とする。

そのため,運転者が認識する路肩幅員の広さを可 変要素とした複数のパターンについて比較分析を行 う。ここで,運転者が路肩幅員の広さを認識するた めの判断材料となる要因を考えてみると,実際の物 理的な路肩幅員の差に加え,路肩幅員とレーンマー クを含めた路肩側視認性の良否による感覚的な広さ の差も重要な要因として挙げられる。したがって本 研究では,路肩幅員の違いとして既往基準の中で路 肩幅員が狭い場合(0.75m)と広い場合(1.25m)を対象 とすると共に,定性的な路肩側視認性の良否も対象 とし,これらの組み合わせからなる

4

パターンの比 較分析を行う。なお,上記比較を行う上で,トンネ ル内の道路線形と対向車の有無と言った走行条件の 違いによって,運転者が認識する路肩幅員の差によ る運転挙動への影響は異なると考え,各々の走行条 件における上記の

4

パターン間の比較を試みる。

本研究では,運転者の挙動変化と心理的影響を示 す定量的データを採集するため,図

1

のようなドラ イビング・シミュレータ(以下

DS)を用いた室内実験

を行う。

DS

を使用する利点としては,複数の比較パ ターン間において,可変要素以外の走行環境条件が

*

キーワーズ:交通行動分析,計画手法論,システム分析

**

非会員,日本道路公団試験研究所交通環境研究部交通研究室

(

東京都町田市忠生

1-4-1

TEL:042-791-1621

FAX:042-792-8650,E-Mail: oosaka.mitsuhiro@jhnet.go.jp)

***

正員,博士

(

)

,大阪大学大学院工学研究科

(大阪府吹田市山田丘 2-1, TEL:06-6879-7611, FAX:06-6879-7612

E-Mail:iida@civil.eng.osaka-u.ac.jp)

****

正員,博士(工), 株式会社オーデックス交通工学研究所

(

大阪市淀川区宮原

4-4-50

TEL:06-6392-3715, FAX:06-6391-5624,E-Mail: s_an@odex.co.jp)

*****

非会員,株式会社オーデックス交通工学研究所

(大阪市淀川区宮原 4-4-50,TEL:06-6392-3715, FAX:06-6391-5624,E-Mail: k_hanabusa@odex.co.jp)

データの流れ 注視点測定機器 心拍計 生態反応データ

1

 室内走行実験システムの構成

(2)

同様に提供出来るということが挙げられる。ちなみ に本システムは,筆者らが先に行った研究

3)

で使用し たシステムに,左右スクリーンとサイドミラーを取 り付け,側方および後方の視野範囲が確認できるよ うに改良したものである。

2.

実験の概要

室内走行実験の被験者は

20

代男性の

30

人とする。

実験場面としては,路肩幅員と定性的な路肩側視認 性の組み合わせからなる

4

つの実験パターンが提示 できるようにし,表

1

のように定義する。

ここで上述した通り,暫定

2

車線のトンネル内部 を走行する運転者の挙動は,道路の平面線形(直線・

曲線)と対向車の有無の走行条件に影響されると考 え,各走行条件における実験パターン間の比較を行 う。また,実験では明り部からトンネルに進入する が,トンネル進入時の運転挙動はトンネル内部走行 時と異なると考え,トンネル進入時も走行条件に取 入れた。したがって,本研究の実験で用いる暫定

2

車線高速道路は上記の

5

つの走行条件を備えた図

2

のような

3DCG

道路モデルを構築した。

この道路モデルは,明かり部,トンネル直線部,

緩和曲線部,トンネル曲線部(R=1000m の左カーブ) となっており,トンネル直線部と曲線部にはそれぞ れ対向車有無により

2

分割した。この基本構造を維 持した上で,路肩幅員と定性的な路肩側視認性が変 化することとなる。ちなみに,対向車は交差時速度

70km/h

一定の大型車(車頭時間

4

秒)3台とした。

実験は,各実験パターンごとに

1

回ずつ計

4

回実 施した。被験者には各実験パターンをランダムで提

示し,道路空間を自らの判断で運転するよう指示を した。これにより,被験者別・走行条件別・パター ン別の走行速度と走行位置の変化を進行方向に沿っ て

1m

間隔で計測した。

また走行終了後、走行実験中の被験者の注視点が 記録された視野映像とともに、走行実験時の速度推 移と走行位置を確認しながら,速度低下と走行軌跡 の振れ等の理由を被験者の発話データとして記録し た。理由の記録は被験者の自由な発言から,調査者 が①視認性の良否,②路肩幅員差による違和感,③ 対向車に対する緊張,④道路線形(特に曲線部)への対 応などに区分して行った。図

3

はある被験者の

1

回 走行におけるヒアリング調査結果を記録した調査票 の例である。

1 比較対象となる 4

つの実験パターン

路肩側視認性:良 路肩側視認性:悪 路肩幅員:0.75m パターン1 パターン2

路肩幅員:1.25m パターン3 パターン4 パターン2

0 20 40 60 80 100 120

0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 2.0 2.4 2.8

KP

km/h

-2 -1 0 1 2 3 4

m

坑口位置 対向車交差地点 走行速度 車線内走行位置

TN内部が狭く感じたので 速度低下

監査路の壁面にぶつからない ように左側白線及び壁面を注視 無意識に

寄っていた 対向車との

距離を確保 対向車との

距離を確保 曲線部は走行

しづらいので 速度低下

車・無 緩和曲線 坑口付近

車・無 車・有 車・有

直線区間 曲線区間

3 ヒアリング調査結果の記録例

3.

分析結果

(1)

走行速度の平均と分散

各被験者の走行速度について走行条件別・パター ン別の平均と分散を求める。この際,分散が小さい ほど,走行が安定していると考えた。さらに,この 平均と分散を用いた全被験者の平均値を算出し,そ の結果を図

4

に示した。これをみると, 全ての走行 条件において路肩幅員が広いパターン

3

4

の速度の 平均が若干高いが,それほど大きな差とはいえない。

一方,分散の平均は各パターン間における一定の傾 向が見受けられない。

全計測区間(0.3KP〜2.7KP)

明かり部 トンネル内部:直線 緩和曲線区間 トンネル内部:曲線 0.3KP 0.8KP 0.73KP 2.7KP1.15KP 1.5KP 2.0KP 2.35KP 0.0KP

①TN坑口部 ②直線部 対向車無し

③直線部 対向車有り

④曲線部 対向車無し

⑤曲線部 対向車有り

実験車走行車線 

路肩

路肩

交差区間 挙動分析対象区間

交差区間

対向車 対向車

運転

2 実験用暫定 2

車線高速道路モデルの構成

4 走行条件別・パターン別平均速度と分散の平均

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4

対向車無し 対向車有り 対向車無し 対向車有り

坑口 直線区間 曲線区間

分散の平均((km/h)2)

70 75 80 85 90 95 100 105 110 115

速度の平均(km/h)

速度の平均 分散の平均

(3)

(3)

走行位置の平均と分散 この平均速度と分散の平均値に対して,「パター

ン間の母平均は等しい」という帰無仮説の検定を各 走行条件別に行った。まず,各走行条件におけるパ ターン別平均速度と分散の正規性検定(Kolomogorov-

Smironov

検定,有意水準

5%)

の結果から,比較対の

両方とも正規性が認められた場合は

t

検定(有意水準

5%)

、その他の対は

Wilcoxon

符号付き順位検定(有

意水準

5%)を適用した。表 2

の右上は速度の平均の

検定結果を,左下は検定方法を示す。この表では,

パターン

1・2

とパターン

3・4

の間で一部の対の帰無 仮説の棄却が見られる。特に曲線区間では,対向車 無しの場合,パターン

1・2

とパターン

4

が,対向車 有りの場合,パターン

1

とパターン

3・4,パターン 2

とパターン

3

で帰無仮説が棄却され,この対におけ るパターン

3

及び

4

の平均速度が若干高いことが統 計的に有意であることを示している。

走行位置は,車両中心と車線中心との距離の差と し,+が中分側,−が路肩側に寄っている事を示し ており,車両が走行車線中心にある時に

0

となる。

この走行位置の分散は車両の左右の振れ程度を示 す指標で,小さいほど走行が安定していると考えた。

まず走行速度の場合と同様,各被験者の走行位置デ ータを走行条件別・パターン別に平均と分散を求め る。そして,この平均と分散を用いた全被験者の平 均値を算出し,その結果を図

6

に示した。これをみ ると,路肩幅員が広いパターン

3・4

がパターン

1・2

より若干左に寄ることが分かる。ちなみに,走行条 件別見ると,全パターンで直線より曲線区間が,対 向車無しより対向車ありが左側に寄ることが分かる。

ちなみに,分散の平均の検定結果では全ての比較 対において帰無仮説が棄却されなかった。

(2)

最低速度及び最低速度地点の分布

5

では,全走行区間を対象に,各被験者の最低 速度の値とその地点(KP)を抽出し,パターンごとに 整理した。結果より,全パターンにおいて,坑口部 付近で最低速度を示す被験者が若干多く見られるも のの,概ね全走行条件においてばらついていること から,路肩幅員と定性的な路肩側視認性の組み合わ せの違いによる一定の傾向も見受けられない。

6 走行条件別・パターン別平均走行位置と分散の平均

0.00 0.01 0.02 0.03 0.04

パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4 パタ1 パタ2 パタ3 パタ4

対向車無し 対向車有り 対向車無し 対向車有り

坑口 直線区間 曲線区間

分散の平均(m)2

-0.8 -0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0.0

走行位置の平均(m)

走行位置の平均 分散の平均

2 速度の平均に関する母平均差検定

パターン1 (95.94)

パターン2 (95.11)

パターン3 (97.25)

パターン4 (97.17)

パターン1 (96.53)

パターン2 (95.35)

パターン3 (96.98)

パターン4 (97.92) パターン1 N/R N/R N/R N/R N/R N/R

パターン2 t N/R N/R t N/R R

パターン3 t t N/R t t N/R

パターン4 t t t t t t

パターン1 (93.88)

パターン2 (93.06)

パターン3 (94.59)

パターン4 (95.32)

パターン1 (93.95)

パターン2 (94.11)

パターン3 (96.27)

パターン4 (95.57)

パターン1 N/R N/R R N/R R R

パターン2 t N/R R t R N/R

パターン3 t t N/R t t N/R

パターン4 t t t t t t

R:棄却される N/R:棄却されない t:t検定 ※(  )内は平均速度(km/h) 曲線区間(対向車有り) 直線区間(対向車無し) 直線区間(対向車有り)

曲線区間(対向車無し)

走行位置の平均に対するパターン間の母平均差検 定の結果を示した表

3

をみると,曲線区間ではパタ ーン

1・2

とパターン

3・4

の全対で帰無仮説の棄却さ れ,曲線区間では路肩幅員が広くなると走行位置が 左に寄ることが統計的にも有意であることが分かる。

ちなみに,分散の平均の検定結果では,一部の対 で帰無仮説が棄却されたが,全体的にパターン間に おける一定の傾向は見受けられなかった。

3 走行位置の平均に関する母平均差検定

パターン1 (-0.17)

パターン2 (-0.21)

パターン3 (-0.28)

パターン4 (-0.26)

パターン1 (-0.25)

パターン2 (-0.24)

パターン3 (-0.34)

パターン4 (-0.30)

パターン1 N/R R R N/R R N/R

パターン2 t R N/R t R R

パターン3 t t N/R t t N/R

パターン4 t t t t t t

パターン1 (-0.38)

パターン2 (-0.32)

パターン3 (-0.50)

パターン4 (-0.49)

パターン1 (-0.48)

パターン2 (-0.45)

パターン3 (-0.61)

パターン4 (-0.63)

パターン1 R R R N/R R R

パターン2 t R R t R R

パターン3 t t N/R t t N/R

パターン4 t t t t t t

R:棄却される N/R:棄却されない tt検定 (  )内は平均走行位置(m) 直線区間(対向車無し) 直線区間(対向車有り)

曲線区間(対向車無し) 曲線区間(対向車有り)

パターン1

4050 6070 8090 100110 120130 140

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 最低速度地点(KP)

速度(km/h)

パターン2

4050 6070 8090 100110 120130 140

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 最低速度地点(KP)

速度(km/h)

パターン3

4050 6070 8090 100110 120130 140

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 最低速度地点(KP)

速度(km/h)

パターン4

4050 6070 8090 100110 120130 140

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 最低速度地点(KP)

速度(km/h)

(4)

最左・最右側走行位置及びその地点の分布 図

7

では,各被験者が走行した全計測区間におい て,最も左側あるいは最も右側に寄った走行位置と その地点(KP)を抽出し,パターンごとに整理した。

5 最低速度及び最低速度地点の分布

①坑口 ②直線対向車無 ③直線対向車有 ④曲線対向車無 ⑤曲線対向車有

(4)

結果より,最左側に寄るのは曲線部対向車有り区 間で非常に多く見られ,左カーブの道路線形に加え 対向車の影響が大きかったことが分かる。一方, 最 右側に寄るのは主に直線区間で多く見られるが,右 側には左側ほど大きく寄らないことがわかる。

(5)

ヒアリング調査結果に関する分析

4

は走行実験後、速度及び車線内走行位置が著 しく変化した理由に対して,被験者自身の発話記録 を集計した結果である。これをみると,多くの被験 者が対向車からの影響を受けていることが分かる。

一方,路肩幅員と路肩の視認性の違いによる影響 をみると,最も走行環境が悪いと想定されるパター ン

2

は全被験者

30

人の中で

10

人が影響していると 答えた。パターン

3

の場合は路肩幅が広くて走りや すいと答えた人が

4

人,視認性も共に良いと答えた

人が

1

人であった。また,実験終了後に

4

つのパタ ーンの違いについてアンケートした結果,表

5

のよ うに,全体的にはパターンの変化に全く気付いてな い人も

18

人であった。これから考えると,多くの被 験者が路肩の幅員差と路肩側視認性の差をそれほど 意識していないと思われる。

パターン1(左側)

-1.4-1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

パターン1(右側)

-1.4-1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

パターン2(左側)

-1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4-0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

パターン2(右側)

-1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

パターン3(左側)

-1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

パターン3(右側)

-1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

パターン4(左側)

-1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

パターン4(右側)

-1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.20.00.2

0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.7 走行地点(KP)

走行位置(m)

4.

終わりに

本稿では,

DS

による室内走行実験の活用とともに 走行速度と走行位置のデータを用いた路肩幅員の定 量的評価方法について記した。

走行条件別に実験パターン間の比較分析を行った 結果,暫定

2

車線高速道路トンネルにおいて,路肩 幅員が広くなると走行速度が若干高くなり,走行位 置も若干左側に寄ることが分かったが,交通の安全 性と快適性が向上されたと判断できるほどの差とは 言えない。これは,トンネル内走行時に路肩幅員又 は視認性を気にする被験者が

3

割のみであったヒア リング結果からも予測できる結果と思われる。

①坑口 ②直線対向車無 ③直線対向車有 ④曲線対向車無 ⑤曲線対向車有

7

 区間における最左・最右側走行位置

一方,平均速度は直線区間より曲線区間が若干低 く,走行位置は曲線区間又は対向車有りの走行条件 で左側に寄る傾向が,全実験パターンで同様に見ら れる。さらに,

7

割の被験者が対向車を意識するとい うヒアリング結果もある。以上のことから,暫定

2

車線高速道路のトンネルでは,運転者が感じる路肩 幅員の広さの差に比べて,道路線形の違いと対向車 有無による運転者挙動への影響が大きくなる可能性 があると思われる。

本研究では全被験者を分析対象としたが,実道路 では路肩幅員の影響を受ける一部の人が問題となる 可能性があるので,路肩幅員の影響を受けた被験者 のみに対する分析も必要と考え,今後の課題とする。

4 走行挙動の変化理由別集計結果(人)

5 実験終了後に行ったアンケート結果(人)

人数(人) 2 1 5 3 1 18 両方気にする。

両方気にしない。

トンネル進入時路肩幅を気にする。視認性は気にしない。

トンネル進入時は意識的に速度を落とす。路肩幅・視認性とは関係ない。

路肩幅気にするが、視認性は気にしない。

路肩視認性は気にするが、幅は気にしない。

返答内容

パターン1 パターン2 パターン3 パターン4

対向車に影響された人 15 11 10 10

対向車に影響されなかった人 15 19 20 20

4回の走行中1度でも対向車に影響された人 全く対向車に影響されなかった人

路肩幅が狭くて走り難いと思った人 4 2 0 0

視認性が悪くて走り難いと思った人 0 5 0 1

両方悪くて走り難いと思った人 0 3 0 0

路肩幅が広くては走りやすいと思った人 0 0 4 1

視認性が良くて走りやすいと思った人 0 0 0 0

両方良くて走りやすいと思った人 0 0 1 0

路肩幅.視認性共に影響ない人 26 20 25 28

21

9 参考文献

1)

社団法人日本道路協会:道路構造令の解説と運用

(平成 16

2

月),pp.207-210,2004

2)

日本道路公団:設計要領第四集第

10

篇(昭和

62

4

月),pp.121-139,1987

3)

飯田克弘ほか:ドライビング・シミュレータを用いた室 内実験システムによる運転者挙動分析−実験データ の再現性検討と高速道路のトンネル坑口の評価−,

土木計画学研究・論文集,No.16,pp.93-100,1999.

参照

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