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3次元レーザースキャンを用いたトンネル内空断面の変状管理計画

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Academic year: 2022

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3次元レーザースキャンを用いたトンネル内空断面の変状管理計画

阪神高速技術株式会社 正会員 ○吉田 貴保 阪神高速技術株式会社 正会員 岡本 亮二 阪神高速道路株式会社 正会員 林 訓裕

1.はじめに

3Dレーザースキャンは,1秒間に50,000点の3次元空間データを数mmの精度で計測が可能な新時代の計 測ツールである.光波測距儀の測量精度とほぼ同等であり,短時間で位置情報を取得することができるという 長所を活かし,土木構造物の断面や形状を速やかに把握することができると考えられる.本稿では,この3D レーザースキャンが次世代の土木構造物管理の一手法として適用可能であるかどうか検討した結果を報告す る.

2.3Dレーザースキャンとは

従来の構造物計測は,光波測距儀とターゲットを使用し,任意の測点を1 点毎に計測するものであった(図-1参照).

一方3Dレーザースキャンによる計測は,ターゲットを必要とせず,器械 から発するレーザーにより対象物を無造作にスキャンするもので,得 られた点群の 3次元座標データを CADに取り込み,3次元モデルを作 成する(図-2参照).

3Dレーザースキャンの用途としては,プラント設備や車輌・船舶・

航空機などの形状の3次元 CADモデル化や,道路,橋梁,トンネルな どに関する現況図の作成に幅広く使用されている.

3.土木構造物管理手法の問題点

現状の管理手法に対して,問題が発生している点検としては,以下に 挙げられる.

トンネルの点検は接近目視及びたたきによる方法である.この点検方 法では,覆工表面に発生するひび割れ等の損傷はわかるが,トンネル全 体の変状(トンネルの沈下,内空断面の変形など)が確認できていないた め,トンネル全体の健全性が正確に把握できないことが問題である.(図 -3参照)

4.3Dレーザースキャン実用例

トンネル点検の問題点を解決するため,3Dレーザースキャンがトンネ ル管理の一手法として適用可能であるか検討を行った.計測した実用例 を以下に示す.

(1)トンネル内空断面の計測 a)目的

トンネルの内空断面やひび割れの発生位置などの計測が可能であるかどうか,トンネル内の幅員の狭い監査 路に器械を設置しても計測が可能であるかどうかの検証を目的とした.

b)計測方法

計測箇所は,上下線の延長が約400mのめがねトンネルである.トンネル内での計測時に交通規制をかけな キーワード 3D レーザースキャン,トンネル,点検

連絡先 〒550-0005 大阪市西区西本町 1 丁目 4 番 1 号 阪神高速技術株式会社 TEL06-6110-7200

図-1 計測例(従来方法)

図-2 計測例

(3D レーザースキャン)

図-3 点検報告書 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑537‑

Ⅵ‑269

(2)

いために,3Dレーザースキャンを監査路から計測を行っ た.(写真-1参照)また,基準点測量を行い,3次元デー タに世界測地系座標を設定し,精度確認を行った.

c)計測結果

側壁面に近接した位置での計測であったが,内空断面 を計測することができた.また計測にかかる時間は約6 時間であった.計測結果を図-4に示す.計測結果から,

トンネル側壁あるいは頂版に発生している幅1mm程度以 上のひび割れやコンクリートのはく離箇所も計測できた.

(写真-2参照)

精度管理については,400mの区間を計測するために,器械の設 置(盛り替え)を20回行ったが,各設置点で計測結果を合成した結 果,合成誤差は約2mmであった.基準点測量の座標との比較では 約5mm の誤差であり,概ね良好な結果となった.

解析面では3Dデータから,平面図,縦断図及び断面図を作 成し,トンネル内空断面の形状(幅及び高さ)を把握することが できた.特に断面図については任意の測点のものを速やかに描 くことが可能である.(図-5参照)

5.新たな管理手法の適用案

トンネル計測結果から以下のことが確認できた.

・トンネル監査路上のような狭い場所に器械を設置し,壁面から近 接していても計測が可能.すなわち,交通規制は不要.

・計測後のデータから,任意点の断面図の作成が可能.

・経年変化を調査することが可能.

以上のことからトンネルの管理手法の問題に対する解決 方法を提案する.

(1)トンネル点検

3Dレーザースキャンを用いることで,トンネル内空断面 を立体的に把握することが可能である.また幅1mm程度以上

のひび割れについては正確に計測できる.これらより,トンネル内空断面を立体的に捉え,定期的に計測して 既存のデータ(断面)と比較することで,トンネルの変状の有無を確認することができる(図-5参照). 6.まとめ

従来の管理手法である局所的に発生している損傷を把握することは非常に重要なことである.しかし,山岳 トンネルは,局所的な形状の測定だけでは,評価が困難であった.そこで,全体形状の把握可能な3Dレーザ ースキャナーを用いることで構造物全体の健全性や安定性を評価することができる.

また,計測時間の短縮および交通規制の縮減が可能であることから,従来より効率的かつ合理的な点検が可 能になる.

今後の課題としては,今回計測した結果を経年で評価し,また3Dレーザースキャナーの効果的な適用範囲 や計測マニュアルなどを順次設定していく必要がある.

参考文献

1)道路構造物の点検要領 阪神高速道路株式会社,H23.12

写真-1 3D レーザースキャナーによる計測状況

(器械を監査路に設置)

図-4 3D 計測点群図(トンネル)

写真-2 トンネル内空断面写真

はく離箇所

図-5 トンネル内空断面図

ひび割れ箇所

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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Ⅵ‑269

参照

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