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地下水流を考慮した凍結管配置・閉合方法に関する検討

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Academic year: 2022

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(1)

地下水流を考慮した凍結管配置・閉合方法に関する検討

-凍土方式遮水壁大規模整備実証事業(その4)-

鹿島建設(株) 正会員 〇田部井和人,並川 正,佐々木敏幸,江崎太一 フェロー会員 森川誠司 東京電力ホールディングス(株) 柴崎尚史,小川智広,佐藤圭太

1.はじめに

福島第一原子力発電所における凍土方式陸側遮水壁(以下,凍土方式遮水壁)の閉合成立性の検討として,

モックアップ試験や小規模の凍土方式遮水壁実証試験で再現性を確認した三次元浸透流-熱移動連成解析1),2) を用いて,凍結管間隔および凍土壁隅角部の検討並びに埋設物を凍結管列で挟み込むように配置する複列施工 の検討を実施した.

2.検討内容

①凍結管間隔および凍土壁隅角部の検討

図-1に示すように,法面に沿う方向に凍結管を

100

本等間隔で配置(山側面)し,その両端部で凍結管の 配置方向を

90

度変化させて凍結管を

25

本等間隔で配置(南北面)した状態を想定した半断面対称解析モデル を用い,凍結管間隔の違いや隅角部での凍土壁の閉合状況の影響を検討した.

②複列施工の検討

凍結管列の途中に埋設管が存在する場合,その対応策として複数の凍結管で埋設物を挟み込み(図-4に示 す凍結管の複列配置),凍結管間隔がひらいても凍土が閉合しやすくすることとしている.この際の複列本数 と複列管の離間距離に関する検討を行った.

3.解析条件

解析領域は,図-1に示すように凍土方式遮水壁の造成前後で境界条件の影響が出ないように上流側

500m,

下流側

250m,地下水流と直交方向に 250m と広域に設定した.地下水流速(ダルシ―流速)は凍結管位置にお

いて中粒砂岩で

0.1 m/day,互層部で 0.03 m/day

となるように水理境界を設定した.また,段丘堆積物から第

4

泥岩層までを水平成層としてモデル化した.地盤の熱物性値は,文献

2)に基づいて設定し,それらを表-1

に 示す.地盤の水理物性は文献

3)で設定された物性を用い,それらを表-2

に示す.温度に関する境界条件とし ては,雰囲気温度,初期地中温度を

15

度に設定するとともに,凍結管は-30度の温度固定条件とした.

キーワード 凍結工法,遮水壁,福島第一原子力発電所,三次元浸透流-熱移動連成FEM解析 連絡先 107-8502 東京都港区赤坂6-5-30 KIビル 鹿島建設() 土木設計本部 TEL03-6229-6795

表-1 熱物性値一覧

熱伝導率(W/mK) 熱容量(J/m3K) 凍結前 凍結後 凍結前 凍結後 砂岩 1.3 1.9 3010 2030 泥岩 0.9 1.4 3340 2300 互層 0.9 1.4 3010 2030

表-2 水理物性値一覧

透水係数(cm/s) 比貯留係数(cm-1) 砂岩 3.0×10-3 2.9×10-6 泥岩 1.1×10-6 4.5×10-7 互層 (水平)1.0×10-3

(鉛直)1.1×10-6 5.8×10-7 図-1 解析モデル

水頭固定境界

水頭固定境界 対称面(不透水境界)

山側

海側

CASE 1 山側面:1.0mピッチ 南北面:1.0mピッチ

CASE 2 山側面:1.2mピッチ 南北面:1.2mピッチ

1.0m

1.0m 1.2m

1.2m

凍結管間隔および凍土壁隅角部 の検討における凍結管配置

T.P.+8.5m T.P.+33.5m

約 250m

■段丘堆積物 ■中粒砂岩層

■第1泥質層 ■互層

■第2泥質層 ■細粒砂岩

■第3泥質層 ■粗粒砂岩

■第4泥質層

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑617‑

Ⅲ‑309

(2)

4.解析結果

凍結管間隔を

1m

および

1.2m

としたそれぞれの解析ケースの凍土壁隅角部近傍における中粒砂岩層(層厚 中央断面)の凍結領域と流速ベクトル分布図を図-2と図-3に示す.各ケースともに,凍結開始直後は山側 面の凍結管間に地下水流が集中し,流速(図中の数値は凍結管間のダルシ―流速)が局所的に増加しているが 凍土の成長とともに,流速は減少していく.閉合に要する日数は,凍結管間隔

1m

のケースで

12

日,凍結管 間隔

1.2m

のケースで

22

日という結果になった.また,図-3から凍土壁の隅角部で,流速が増加しているが,

凍土壁の成長にはあまり影響していない事が分かる.複列施工の検討では複列

2

本と

3

本の両方の配置につい て,離間距離を

1.5m,2.0m,2.5m

とした解析を実施した.表-3 は各ケースの閉合日数を比較したものであ る.離間距離が大きくなるとともに,閉合に要する日数は増加するが,離間距離を

1.5m

としたケースでは,

複列の

2

本配置と

3

本配置の閉合に要する日数の差は

3

日程度である.離間距離

2.5m

としたケースでは,閉 合に要する期間は複列を

2

本配置では

3

ヵ月,3本配置では

2.5

ヵ月要するという結果になった.図-5は施 工箇所の温度分布の時間変化の一例として複列

2

本配置,離間距離

1.5m

のケースの対象縦断面における凍結 領域の変化を示したものである.地下水のせき上げが無い状況であれば,比較的熱伝導率が大きい砂岩から凍 結し始め,35日程度で閉合している事が分かる.

凍結開始1日後 凍結開始4日後 凍結開始7日後 凍結開始12日後

山側 海側

流速(m/day)

0 0.06 0.12

0.2m/day 0.3m/day

0.2m/day

図-2 凍結領域と流速ベクトル図(凍結管間隔 1.0m)

凍結開始1日後 凍結開始10日後 凍結開始15日後 凍結開始22日後

山側 0.12m/day 海側 0.3m/day 0.01m/day

0.3m/day

流速(m/day)

0 0.1 0.2

図-3 凍結領域と流速ベクトル図(凍結管間隔 1.2m)

複列2本配置

複列3本配置

図-4 複列施工配置平面図 5.おわりに

本検討は,資源エネルギー庁「汚染水処理対策事業(凍土方式遮水壁大規模整備実証事業)」の一環で行い,

以上の結果は福島第一原子力発電所における凍土方式遮水壁における凍結管配置の設定の際の参考にした.末 筆ながら本事業の関係各位に深謝申し上げる.

参考文献

1) 地下水流を考慮した凍土方式遮水壁の閉合に係る解析的評価-凍土方式による遮水技術に関するフィージビリティスタディ 事業(その 9),土木学会年講(2015), 2) 小規模凍土方式遮水壁の地盤凍結特性に関する解析的評価-凍土方式による遮水技術 に関するフィージビリティスタディ事業(その4)-,土木学会年講(2015),3) 経済産業省 5回汚染水処理対策委員会 資料3 http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/20130823_01.html

複列 2 本配置 複列 3 本配置 離間距離 1.5m 35 日 32 日 離間距離 2.0m 56 日 52 日 離間距離 2.5m 90 日 76 日

20日後 40日後 60日後

35日で 閉合

図-5 温度分布の時間変化(複列 2 本配置,離間距離 1.5m)

■凍結部

■未凍結部

表-3 閉合に要する日数(複列配置,離間距離の検討)

■凍結部

■凍結部

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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参照

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